説明

アレーン類とギ酸とからワンポットで前記アレーン類をカルボキシル化および/またはヒドロキシル化した化合物を製造する方法

芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類とギ酸とを前記化合物類を溶解する有機溶媒中でPd触媒および前記Pd触媒の反応中の0価のパラジウムを二価のパラジウムに酸化する酸化剤の存在下で反応させ、ワンポットで前記アレーン類をカルボキシル化および/またはヒドロキシル化し、前記アレーン類をカルボキシル化および/またはヒドロキシル化した化合物を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、基本的にはパラジウム触媒を用いたギ酸−芳香族化合物類の酸化的クロスカップリング反応によるワンポットで前記芳香族化合物類をカルボキシル化および/またはヒドロキシル化した化合物を製造する方法に関する。カルボキシル化および/またはヒドロキシル化した芳香族化合物類はポリエステルの原料、液晶材料、種々の薬品の中間体などとして有用な化学製品である。
【背景技術】
これまでパラジウム触媒を用いた芳香族化合物類の酸化的クロスカップリング反応によるカルボキシル化においてはカルボニル源として一酸化炭素が用いられていた。また、4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニルは、多段階の反応を経て合成されており、合成の効率、コストの面から工業的な生産および利用の面で後れをとっていた。
前記多段階による4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニルの製造法は特開平4−243851号公報(文献1)において提案されている。提案されているプロセスは原料的にもコストパフォーマンスが良いとは言えない。また、パラジウム触媒による芳香族化合物の直接官能基化反応は藤原らによって精力的に研究され、パラジウム触媒、Pd(OAc)を用いて、酸化剤の存在下にアレーンとCOとからカルボキシル化反応により芳香族カルボン酸またはヒドロキシル化反応により芳香族ヒドロキシ化合物製造する方法などが提案されている〔Acc.Chem.Res.2001,34,633−639(特に636,637)、参照〕(文献2)。更に、有機合成化学協会誌、Vol.52,No.1081994、頁37−46(特に42,43)(文献3)にはパラジウム触媒、Pd(OAc)を用いて、トリフルオロ酢酸(TFA−H)溶媒中で一酸化炭素とアルカン類とのカルボキシル化反応によりアルカンカルボン酸などを製造する方法が記載されている。
しかしながら、前記カルボニル源として一酸化炭素を用いる反応は、一酸化炭素は毒性があり取扱上問題があった。
本発明の課題は、前記カルボニル源として一酸化炭素を用いる反応における不都合、および前記ヒドロキシル化およびカルボキシル化した芳香族炭化水素類の製造における問題を取り除いた改善された酸化的クロスカップリング反応を提供することである。
本発明者は、従来のPd触媒を用いた酸化的クロスカップリング反応に用いられていた一酸化炭素に代わる炭素源としてギ酸を用いて、トリフルオロ酢酸溶媒中でPd(tfa=トリフルオロ酢酸)触媒および酸化剤の存在下で、下記の反応Aを想定して、芳香族炭化水素化合物とギ酸を反応させたところ、両化合物のC−H結合の切断を伴った酸化的クロスカップリングにより前記芳香族炭化水素化合物のカルボン酸を製造することに成功した。これにより前記一酸化炭素を使用するときの問題を解決することができた。

反応Aに関与する化合物においてRはH、アルキル基、アリール基、ヨウ素、水酸基、アルコキシ基、塩素、臭素またはアシロキシ基から選択される。
また、前記反応Aをビフェニルを基質とする反応に適用する試みの中で、基質のビフェニルの反応性の向上の目的で前記ビフェニルの溶解性を高める塩化メチレンを加えたところ、驚くべきことに、ヒドロキシル化を伴う酸化的クロスカップリングにより4−ヒドロキシ−4’−カルボキシビフェニルがワンポットで得られること、更に、反応温度を50℃に下げたところ、前記反応が高い位置選択性で進行することを発見した。この偶然の発見により、前記ヒドロキシル化およびカルボキシル化した芳香族炭化水素類の製造における問題を解決することができた。
更に、この反応を、トリフェニル化合物類に適用してみたところ、4,4”−ジカルボキシル−1,1’:4’,1”−ターフェニル類を製造できることを見出した。
これにより、カルボニル源としてギ酸を用いた、Pd触媒および酸化剤の存在する有機溶媒系での全く新しい芳香族炭化水素類の酸化的クロスカップリング反応を提供することができた。
【発明の開示】
本発明は、(1)芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類とギ酸とを有機溶媒中でPd触媒および前記Pd触媒の反応進行中に生成する0価のパラジウムを二価のパラジウムに酸化する酸化剤の存在下で反応させ、ワンポットで前記アレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化と同時にヒドロキシル化し、前記アレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法である。(2)好ましくは、芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類が芳香族単環炭化水素、ビフェニレン、トリフェニレン、縮合2環式炭化水素、縮合3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択されるものである前記(1)に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法であり、(3)より好ましくは、反応溶液の溶媒がトリフルオロ酢酸(以下、TFA−Hと略記)であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のアレーン類をカルボキシル化した化合物を製造する方法、または(4)反応溶液の溶媒がTFA−Hと芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類の溶解を高める有機溶媒からなる前記(1)または(2)に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法であり、(5)更に好ましくは、アレーン類の溶解を高める有機溶媒がハロゲン化炭化水素である前記(4)に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法である。
(6)特に、前記(5)においてアレーン類が下記の一般式1で表されるビフェニル化合物類、ナフタレンまたはナフタレン環の水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基を置換した化合物類から選択される化合物であり、ワンポットで一般式2で表される4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸類または1位にカルボキシル基および4位または5位にヒドロキシ基を置換したナフタレンを製造する方法。

式1および式2中、R〜R12は電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基である。
(7)一層好ましくは、酸化剤がKであることを特徴とする前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法であり、(8)より一層好ましくは、反応温度80℃以下35℃以上で進行させる前記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した芳香族炭化水素化合物を製造する方法。
本発明をより詳細に説明する。
A.本発明のカルボキシル化および/またはヒドロキシル化した芳香族炭化水素化合物の製造方法は、基本的には本出願の請求の範囲に記載されている芳香族炭化水素化合物類に適用できる。
B.Pd触媒としては、前記アレーンのカルボキシル化、ヒドロキシ化に使用されているPd(tfa)、Pd(OAc)、Pd(NO、Pd/CなどのPd化合物を用いることができるが、Pd(tfa)が最も好ましい。
C.酸化剤としては、0価のパラジウムを二価のパラジウムに戻す酸化剤であれば使用できるが、Kであることが最も好ましい。
D.反応溶媒としては、トリフルオロ酢酸(以下、TFA−Hと略記)を主溶媒とする。カルボキシル化にはTFA−H単独で行いうるが、ヒドロキシル化およびカルボキシル化をおこなうためには両反応基質を均質に溶解する、例えば塩化メチレンの様な溶剤と組み合わせるのが良い。
E.反応温度は低い方が反応の特異性が維持され好ましいが、生産性を考えると40℃以上が好もしい。
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明する。これは本発明の有用性を更に明確にすることを意図するものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
安息香酸の製造;
封管にトリフルオロ酢酸2.0mL、ギ酸1.0mL(26mmol)、ベンゼン0.89mL(10mmol)、ペルオキシ硫酸カリウム1.62g(6.0mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム6.6mg(0.02mmol)を封じて、80℃で70時間加熱攪拌した。チオ硫酸ナトリウムで過剰の酸化剤を失活した後、酢酸エチルで抽出、硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると上記目的物である安息香酸0.26g(2.1mmol)を得た。
【実施例2】
4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸の製造;
封管にトリフルオロ酢酸2.0mL、塩化メチレン1.0mL、ギ酸0.50mL(13mmol)、ビフェニル0.31g(2.0mmol)、ペルオキシ硫酸カリウム1.6g(6.0mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム33mg(0.10mmol)を封じて、50℃で48時間加熱攪拌した後、チオ硫酸ナトリウムで過剰の酸化剤を失活した後、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、溶媒を減圧留去したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると上記目的物である4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸が0.28g、収率65%で得られた。
【実施例3】
ヒドロキシナフトエ酸の製造;
封管にトリフルオロ酢酸2.0mL、塩化メチレン1.0mL、ギ酸0.5mL(13mmol)、ナフタレン0.26g(2.0mmol)、ペルオキシ硫酸カリウム1.62g(6.0mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム33mg(0.10mmol)を封じて、50℃で48時間加熱攪拌した。チオ硫酸ナトリウムで過剰の酸化剤を失活した後、酢酸エチルで抽出、硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると上記目的物1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸が0.022g収率6%及び1−ヒドロキシ−5−ナフトエ酸が0.022g収率6%で得られた。
【実施例4】
4,4”−ジカルボキシル−1,1’:4’,1”−ターフェニルの製造;封管にトリフルオロ酢酸2.0mL、塩化メチレン1.0mL、ギ酸0.5mL(13mmol)、パラターフェニル0.46g(2.0mmol)、ペルオキシ硫酸カリウム1.62g(6.0mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム33mg(0.10mmol)を封じて、50℃で48時間加熱攪拌した後、チオ硫酸ナトリウムで過剰の酸化剤を失活した後、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、溶媒を減圧留去したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると上記目的物である4,4”−ジカルボキシル−1,1’:4’,1”−ターフェニルが0.060g収率10%で得られた。
【実施例5】
ヒドロキシ安息香酸の製造;
封管にトリフルオロ酢酸2.0mL、ギ酸1.0mL(26mmol)、酢酸フェニル1.27mL(10.0mmol)、ペルオキシ硫酸カリウム1.62g(6.0mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム33g(0.10mmol)を封じて、50℃で48時間加熱攪拌した後、チオ硫酸ナトリウムで過剰の酸化剤を失活した後、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで有機相を脱水し、溶媒を減圧留去したのちシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると系中で酢酸エステルが加水分解され、2−ヒドロキシ安息香酸0.14g収率11%及び4−ヒドロキシ安息香酸0.21g収率15%が得られた。
産業の利用可能性
本発明は、カルボニル源としてギ酸を用いることにより、より安全な酸化クロスカップリング反応を提供したことであり、このことは工業化の適用の容易性をもたらすものである。更に、原料の芳香族化合物類の溶媒に塩化メチレンのような成分を添加することにより、入手が容易なビフェニル類を用いて、ヒドロキシル化を伴う、ビフェニル類の酸化クロスカップリング反応により、ワンポットで工業製品として有用な4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸類を製造できるという、効率的で、簡易な製造技術を提供したことは、産業での利用において大きな利益をもたらすことは明かである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類とギ酸とを有機溶媒中でPd触媒および前記Pd触媒の反応中の0価のパラジウムを二価のパラジウムに酸化する酸化剤の存在下で反応させ、ワンポットで前記アレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化し、前記アレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項2】
酸化剤がKである請求の範囲1に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項3】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲1に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項4】
反応溶液の溶媒がトリフルオロ酢酸(以下、TFA−Hと略記)である請求の範囲1に記載のアレーン類をカルボキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項5】
反応溶液の溶媒がTFA−Hと芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類の溶解を高める有機溶媒からなる請求の範囲1に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項6】
アレーン類の溶解を高める有機溶媒がハロゲン化炭化水素である請求の範囲5.に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項7】
請求の範囲5.においてアレーン類が下記の式1で表されるビフェニル化合物類、ナフタレンまたはナフタレン環の水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基を置換した化合物類から選択される化合物であり、ワンポットで下記の式2で表される4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸類または1位にカルボキシル基および4位または5位にヒドロキシ基を置換したナフタレンを製造する方法。

式1および2中、R〜Rは水素または電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基である。
【請求項8】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲1に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項9】
芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類が芳香族単環炭化水素、ビフェニレン、トリフェニレン、縮合2環式炭化水素、縮合3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択されるものであることを特徴とする請求の範囲1に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項10】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲9.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項11】
芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類が芳香族単環炭化水素、ビフェニレン、トリフェニレン、縮合2環式炭化水素、縮合3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択され、反応溶液の溶媒がトリフルオロ酢酸(以下、TFA−Hと略記)である請求の範囲1に記載のアレーン類をカルボキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項12】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲11.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項13】
芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類が芳香族単環炭化水素、ビフェニレン、トリフェニレン、縮合2環式炭化水素、縮合3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択され、反応溶液の溶媒がTFA−Hと芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類の溶解を高める有機溶媒からなる請求の範囲1に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項14】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲13.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項15】
アレーン類の溶解を高める有機溶媒がハロゲン化炭化水素である請求の範囲13.に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項16】
請求の範囲13.においてアレーン類が前記の式1で表されるビフェニル化合物類、ナフタレンまたはナフタレン環の水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基を置換した化合物類から選択される化合物であり、ワンポットで前記の式2で表される4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸類または1位にカルボキシル基および4位または5位にヒドロキシ基を置換したナフタレンを製造する方法。
【請求項17】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲16.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項18】
芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類が芳香族単環炭化水素、ビフェニレン、トリフェニレン、縮合2環式炭化水素、縮合3環式炭化水素およびこれらの水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基で置換した化合物から選択され、酸化剤がKであることを特徴とする請求の範囲1に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項19】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲18に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項20】
反応溶液の溶媒がトリフルオロ酢酸(以下、TFA−Hと略記)である請求の範囲18.に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項21】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲20.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項22】
反応溶液の溶媒がTFA−Hと芳香族炭化水素環が3つ以下のアレーン類の溶解を高める有機溶媒からなる請求の範囲18.に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項23】
反応温度80℃以下35℃以上で進行させる請求の範囲22.に記載のカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項24】
アレーン類の溶解を高める有機溶媒がハロゲン化炭化水素である請求の範囲22.に記載のアレーン類をカルボキシル化またはカルボキシル化およびヒドロキシル化した化合物を製造する方法。
【請求項25】
請求の範囲22.においてアレーン類が前記の式1で表されるビフェニル化合物類、ナフタレンまたはナフタレン環の水素の一部を電子供与性の置換基または共鳴効果をもつ置換基を置換した化合物類から選択される化合物であり、ワンポットで前記の式2で表される4−ヒドロキシビフェニル−4’−カルボン酸類または1位にカルボキシル基および4位または5位にヒドロキシ基を置換したナフタレンを製造する方法。

【国際公開番号】WO2004/076397
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【発行日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502855(P2005−502855)
【国際出願番号】PCT/JP2004/001954
【国際出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】