説明

アロファネート変性安定剤およびその安定剤から製造されるポリマーポリオール

【課題】反応性不飽和を含有するアロファネート変性イソシアネートから製造され、マクロマーから製造されたポリマーポリオールの特性および特徴をさらに向上させるエチレン性不飽和マクロマーを提供する。
【解決手段】(a)NCO基含有量約9%〜約48%を有し、エチレン性不飽和を含有し、(1)ジイソシアネートと、(2)少なくとも1つのエチレン性不飽和アルコール化合物との、(3)NCO反応性基を含有しない少なくとも1つのラジカル阻害剤、および(4)少なくとも1つのアロファネート触媒の存在下での反応生成物を含んで成るアロファネート変性ジイソシアネート、並びに(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールの、反応生成物を含んで成るエチレン性不飽和マクロマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性不飽和を含有するアロファネート変性イソシアネートから製造されるエチレン性不飽和マクロマー、これらの新規エチレン性不飽和マクロマーから製造される予備形成安定剤、マクロマーおよび予備形成安定剤から製造されるポリマーポリオール、およびこれらの組成物の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
アロファネート変性ジフェニルメタンジイソシアネートおよびそのプレポリマーは既知であり、例えば、米国特許第5319053号、第5319054号、第5440003号、第5663272号および第5686042号に記載されている。米国特許第5319053号は、安定な液体アロファネート変性MDIイソシアネートの製造法、およびこれらのアロファネート変性MDIイソシアネートのプレポリマーを開示している。この方法は、特定のMDI異性体組成物を、1〜36個の炭素原子を有する脂肪族アルコールと反応させて、12〜32.5%のNCO基含有量を有するアロファネート変性MDIを生成することを含んで成る。
【0003】
種々の最終用途、例えば履物および軟質フォームに使用できる種々のアロファネート変性MDI、そのプレポリマーおよび他の変形物が既知であり、例えば、米国特許第5567793号、第5663272号、第5686042号、第5821275号、第5874485号および第6271279号ならびに欧州特許第641812号に開示されている。
【0004】
反応性不飽和をポリオールに誘発し、それによってマクロマーを生成する多くの方法が、当分野において既知である。米国特許第6013731号は、ポリオールと不飽和イソシアネート(例えば、イソシアナトエチルメタクリレート(IEM)またはα,α-ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート(即ちTMI))との反応、またはポリオールとマレイン酸または無水マレイン酸との反応、次に、マレエート結合からより反応性のフマレート結合への異性化を包含するいくつかの技術を教示している。ポリオールによるビニルアルコキシシランのエステル交換によって生成されるマクロマーが、欧州特許第0162589号に開示されている。
【0005】
予備形成安定剤は、反応性不飽和を含有するマクロマー(例えば、アクリレート、メタクリレート、マレエートなど)と、モノマー(例えば、アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレートなど)とを、場合により希釈剤または溶剤(例えば、メタノール、イソプロパノール、トルエン、エチルベンゼン、ポリエーテルポリオールなど)中で反応させて、コポリマー(例えば、低固形分(例えば<20%)を有する分散物、または可溶性グラフトなど)を生成することによって得られる中間体として定義される。
【0006】
予備形成安定剤(PFS)は、高い固形分において低い粘度を有するポリマーポリオールを調製するのに特に有用である。予備形成安定剤法において、マクロマーをモノマーと反応させて、マクロマーおよびモノマーから成るコポリマーを生成する。マクロマーおよびモノマーから成るこれらのコポリマーは、一般に、予備形成安定剤(PFS)と称される。コポリマーの一部が溶液から沈殿して固形物を形成するように、反応条件を制御することができる。多くの適用において、低固形分(例えば、3〜15wt%)を有する分散物が得られる。好ましくは、粒度が小さくなるように反応条件を制御し、それによって、粒子が、ポリマーポリオール反応において「シード」として機能し得るようにする。
【0007】
米国特許第5196476号の予備形成安定剤は、マクロマーおよび1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーを、ラジカル重合開始剤、および予備形成安定剤が基本的に不溶性である液体希釈剤の存在下で重合させることによって生成される。欧州特許第0786480号は、ラジカル開始剤の存在下、5〜40wt%の1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーを、誘発された不飽和を含有し得る少なくとも30wt%(ポリオールの総重量を基準にして)の結合ポリオール(coupled polyol)を含んで成る液体ポリオールの存在下で重合させることによって生成される予備形成安定剤の製造法を開示している。これらの予備形成安定剤を使用して、安定な、かつ狭い粒度分布を有するポリマーポリオールを生成することができる。結合ポリオールは、予備形成安定剤において、好ましくは0.1〜0.7ミクロンの小さい粒度を得るのに必要である。米国特許第6013731号および第5990185号も、ポリオール、マクロマー、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマー、およびラジカル重合開始剤を含んで成る予備形成安定剤組成物を開示している。
【0008】
大きい嵩高い分子は、少ない材料を使用して粒子を立体的に安定化し得るので、有効なマクロマーであることが知られている。例えば、欧州特許第0786480号参照。一般に、これは、高分岐ポリマーが直鎖分子(例えば、モノオール)よりかなり大きい排除体積を有し、従って、より少ない分岐ポリマーしか必要とされないことによる。米国特許第5196476号は、2およびそれ以上、好ましくは3およびそれ以上の官能価が、マクロマーを生成するのに好適であることを開示している。欧州特許第0162589号および米国特許第5990185号は、マクロマーおよびそれから生成されたポリマーポリオールを開示し、ポリオールによるビニルアルコキシシランのエステル交換によってマクロマーを生成している。多官能性ポリオールとポリイソシアネートとの結合も既知であり、ポリマーポリオール分野において、マクロマーの分子量を増加させる好適な手段として記載されている。欧州特許第0786480号は、液体ポリオールが少なくとも30%の結合ポリオールを含んで成る予備形成安定剤の製造法を開示している。同欧州特許に開示されているように、高濃度の結合ポリオールは、予備形成安定剤(PFS)において小さい粒度を有する粒子を得るのに有用であり、結合ポリオールへの反応性不飽和の誘発は、結合ポリオールを粒子に組み込むのに有用な手段である。米国特許第6013731号は、高分子量ポリオールを結合して、さらに高い分子量の生成物を得ることにより、分散物の安定性を高めることを記載している。低い固有不飽和(<0.020meq/g)を有するポリオールから生成したマクロマーも同米国特許に記載されている。この特許はさらに、そのようなポリオールが低濃度のオキシアルキル化アリル不飽和含有モノオールを有し、従って、従来のポリオールに存在する高濃度のモノオールがポリオールの平均官能価を減少させる故に、有利であることも開示している。
【0009】
多官能性ポリオールに基づき、複数部位の反応性不飽和を有するマクロマーが、米国特許第5196476号に記載されている。記載されているように、無水マレイン酸経路によってマクロマーを生成する場合、不飽和の濃度に上限がある。ポリオール1モル当たりの不飽和のモル比が高すぎる場合、1分子につき2個以上の二重結合を有する化学種が生成される可能性が高い。典型的には、米国特許第5196476号は、アルコキシル化ポリオールアダクト1モルにつき約0.5〜約1.5モル、好ましくは約0.7〜約1.1モルの反応性不飽和化合物を使用している。
【0010】
米国特許第5854386号は、ヒドロキシル官能性および不飽和官能性の両方を有するポリマーポリオール用の安定剤を開示している。これらは、少なくとも1個のオキシアルキル化可能な水素を有する不飽和モノマーを、有効量のDMC触媒の存在下、および場合によりラジカル重合阻害剤の存在下でオキシアルキル化することによって生成される。これらの安定剤は、好ましくは、2つの式:R[-(-R2-O-)nH]oまたはR-(-X-{-(R2-O)n-H}m)o の1つまたは2つ以上を有する混合物に対応し、式中、oは1〜8の整数であり;nは、その平均値が、積n・oが10〜500になるような数値である整数であり;R2は、アルキレンまたは置換アルキレンであり;Xは、結合基であり;Rは、非反応性基によって任意に置換され、介在するヘテロ原子を任意に含有する、少なくとも1つのエチレン性またはエチリン性(ethylynic)(アセチレン性)不飽和部位を有するC2〜30炭化水素である。Rは、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式芳香族などであってよく、但し、Rが芳香族または複素環式芳香族であるとき、芳香環構造は、少なくとも1個のエチレン性またはエチリン性ラジカル含有基によって置換されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
マクロマーおよび予備形成安定剤から製造されたポリマーポリオールの特性および特徴をさらに向上させる新規マクロマーおよび新規予備形成安定剤が、現在も必要とされている。多くのマクロマーおよび予備形成安定剤が既知であるが、それらは、エチレン性不飽和を含有するアロファネート変性ジイソシアネートから製造されていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、(a)NCO基含有量約9%〜約48%を有し、エチレン性不飽和を含有するアロファネート変性ジイソシアネートと、(b)OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールとの、任意に(c)1つまたはそれ以上のウレタン触媒の存在下の反応生成物を含んで成るエチレン性不飽和マクロマーに関する。アロファネート変性ジイソシアネートは、 (1)ジイソシアネートと、(2)少なくとも1つのエチレン性不飽和アルコール化合物との、(3)NCO反応性基を含有しない少なくとも1つのラジカル阻害剤および(4)少なくとも1つのアロファネート触媒の存在下での反応生成物を含んで成る。
【0013】
本発明は、(A)本明細書に記載される新規エチレン性不飽和マクロマーと、(B)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとの、(C)少なくとも1つのラジカル重合開始剤および任意に(D)液体希釈剤および任意に(E)連鎖移動剤の存在下でのラジカル重合生成物を含んで成る予備形成安定剤にも関する。
【0014】
本発明は、(I)ヒドロキシル価約10〜約1900、官能価約1〜約10および当量約30〜約900を有する基剤ポリオール、(II)本明細書に記載される新規エチレン性不飽和マクロマー、または該エチレン性不飽和マクロマーから生成された予備形成安定剤、および(III)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、(IV)少なくとも1つのラジカル重合開始剤および任意に(V)連鎖移動剤の存在下での反応生成物を含んで成るポリマーポリオールにも関する。
【0015】
本発明は、これらの新規エチレン性不飽和マクロマー、予備形成安定剤およびポリマーポリオールの製造法にも関する。本発明の他の態様は、これらのポリマーポリオールから製造されるフォーム、および該フォームの製造法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のエチレン性不飽和マクロマーは、(a)少なくとも約9%NCO、好ましくは少なくとも約13%NCO、より好ましくは少なくとも約16%NCOのNCO基含有量を典型的には特徴とする液体の、貯蔵安定性のアロファネート変性ジイソシアネートの反応生成物を含んで成る化合物を包含する。この液体アロファネート変性ジイソシアネートは、(a)約48%NCOまたはそれ未満、好ましくは約38%NCOまたはそれ未満、より好ましくは約29%NCOまたはそれ未満のNCO基含有量も典型的には特徴とする。液体改質ジイソシアネートは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意組合せの範囲内のNCO基含有量も有し得る。例えば、液体ジイソシアネートは、約9wt%NCO〜約48wt%NCO、好ましくは約13wt%NCO〜約38wt%NCO、より好ましくは約16wt%NCO〜約29wt%NCOのNCO基含有量を有し得る。
【0017】
本発明によれば、本発明のアロファネート変性ジイソシアネート(a)における成分(1)として使用される好適なジイソシアネートは、例えば、既知のモノマージイソシアネートおよびポリイソシアネートである。種々の低分子量ジイソシアネートを式R(NCO)2で示すことができ、式中Rは、分子量約56〜1000、好ましくは約76〜400を有する有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる有機基を表す。本発明の方法にとって好ましいジイソシアネートは、Rが、4〜12個の炭素原子を有する二価脂肪族炭化水素基、6〜13個の炭素原子を有する二価脂環式炭化水素基、7〜20個の炭素原子を有する二価芳香脂肪族炭化水素基、または、6〜18個の炭素原子を有する二価芳香族炭化水素基を表す前記式で示されるジイソシアネートである。好ましいモノマージイソシアネートは、Rが芳香族炭化水素基を表すジイソシアネートである。
【0018】
好適な有機ジイソシアネートの例は以下の化合物である:1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-2-イソシアナトメチルシクロペンタン、1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3-および1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)メタン、α,α,α',α'-テトラメチル-1,3-および/または-1,4-キシリレンジイソシアネート、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)-イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4-および/または2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、1,3-および/または1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート、2,2'-,2,4'-および/または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナトナフタレンおよびそれらの混合物。3個またはそれ以上のイソシアネート基を含有する芳香族ポリイソシアネート、例えば、アニリン/ホルムアルデヒド縮合物をホスゲン化することによって得られる4,4',4''-トリフェニルメタントリイソシアネートおよびポリメチレンポリ(フェニルイソシアネート)も使用し得る。
【0019】
本発明によって使用される好適なジ−および/またはポリイソシアネートは、一般に、約25〜約60%のNCO基含有量を有する。これらのジ−および/またはポリイソシアネートは、典型的に少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約30%、最も好ましくは少なくとも約31%のNCO基含有量を有する。また、本発明に好適なポリイソシアネートは、典型的に60%またはそれ未満、好ましくは40%またはそれ未満、最も好ましくは34%またはそれ未満のNCO基含有量を有する。ポリイソシアネートは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意組合せの範囲、例えば、25〜60%、好ましくは30〜40%、最も好ましくは31〜34%のNCO基含有量を有し得る。
【0020】
本発明によって使用される好ましいジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネートに基づくジイソシアネート、例えば、1,3-および/または1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネート、2,2'-,2,4'-および/または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナトナフタレンおよびそれらの混合物を包含する。これらの中で、2,4-および/または2,6-トルエンジイソシアネートまたは2,2'-,2,4'-および/または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを使用するのがより好ましい。
【0021】
成分として好適なアロファネート変性ジイソシアネートの製造において、成分(1)として使用される好ましいジイソシアネートはジフェニルメタンジイソシアネートを含んで成り、2,2'-異性体は、0〜6wt%、好ましくは0〜3wt%、より好ましくは0〜1wt%の量で存在し;2,4'-異性体は、0〜76wt%、好ましくは0〜17wt%、より好ましくは0〜5wt%の量で存在し;4,4'-異性体は、24〜100wt%、好ましくは80〜100wt%、より好ましくは94〜100wt%の量で存在する。ジフェニルメタンジイソシアネートの2,2'-異性体、2,4'-異性体および4,4'-異性体の混合物を使用する場合、各異性体のwt%の合計は、ジフェニルメタンジイソシアネート100wt%になる。
【0022】
本発明のアロファネート変性ジイソシアネートにおける成分(2)として使用される好適なエチレン性不飽和アルコールは、例えば、少なくとも1個、好ましくは唯1つのα,β-エチレン性不飽和基および1個のヒドロキシル基を含有する化合物を包含する。エチレン性不飽和アルコールとして使用される好適な化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアルコキシアクリレート、ヒドロキシアルコキシメタクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、ヒドロキシアリールメタクリレート、芳香族置換エチレン性不飽和モノオール、イソプロペニルフェニルモノオール、ヒドロキシルニトリルなどを包含する。本発明における成分(2)として使用されるそのような化合物のいくつかの特定の例は、以下の化合物を包含する:2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシペンチルアクリレート、2-ヒドロキシペンチルメタクリレート、2-ヒドロキシヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシオクチルアクリレート、2-ヒドロキシオクチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、4-ヒドロキシフェニルアクリレート、4-ヒドロキシフェニルメタクリレート、2-ヒドロキシフェニルアクリレート、2-ヒドロキシフェニルメタクリレート、3-ヒドロキシフェニルアクリレート、3-ヒドロキシフェニルメタクリレート、シンナミルアルコール、イソプロペニルフェノール、イソプロペニルベンジルアルコール、α,α-ジメチル-m-イソプロペニルベンジルアルコール、4-ヒドロキシクロトノニトリルなど。これらのエチレン性不飽和アルコールは、分子量(数平均)約69〜約1500であるのが好ましい。本発明において成分(2)として使用される好ましいエチレン性不飽和アルコールは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタリレートおよびシンナミルアルコールである。
【0023】
本発明によって成分(3)ラジカル阻害剤として使用される好適な化合物は、例えば、反応性不飽和を含有する化合物の単独重合を阻害し得ることが知られている化合物である。一般に、そのようなラジカル阻害剤は、ジイソシアネート成分のNCO基と反応し得る基を含有しない化合物を包含する。本発明における成分(3)として使用される好適なラジカル阻害剤のいくつかの例は、1,4-ベンゾキノン、フェノチアジンなどである。
【0024】
本発明によって成分(4)として使用される好適なアロファネート触媒は、ジイソシアネート成分と、1個のアルコール基を含有する成分とのアロファネート反応を促進し得るあらゆる既知の触媒を包含する。そのようなアロファネート触媒のいくつかの例は、亜鉛塩、例えば、亜鉛アセチルアセトネート(ZnAcAc)、オクタン酸第一錫、オクタン酸亜鉛、テトラアルキルアンモニウム化合物、例えば、N,N,N-トリメチル-N-2-ヒドロキシプロピルアンモニウムヒドロキシド、N,N,N-トリメチル-N-2-ヒドロキシプロピルアンモニウム2-エチルヘキサノエートまたはコリン2-エチルヘキサノエートなどである。好ましい触媒は亜鉛アセチルアセトネート(ZnAcAc)である。典型的には、触媒は、(1)イソシアネート成分の重量を基準にして25〜200ppmの量で存在する。
【0025】
本発明のアロファネート変性ジイソシアネートは、既知の方法および手順によって生成される。そのような方法は、例えば、米国特許第5319053号、第5319054号、または米国特許出願公開第20060051591号、第20060052526号、第20060052527号に開示されている方法を包含し、それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0026】
本発明の方法に使用される好適な触媒停止剤は、例えば、塩化ベンゾイル、塩酸、ジ(2-エチルヘキシル)ホスフェートなどである。塩化ベンゾイルが好ましい停止剤である。存在する場合、停止剤は、典型的には、アロファネート触媒の重量の約2倍の量で添加される。
【0027】
エチレン性不飽和マクロマーの成分(a)として本明細書に記載されるエチレン性不飽和含有アロファネート変性ジイソシアネートは、本発明の対象ではない。特にジフェニルメタンジイソシアネートから生成されるこのようなアロファネート変性ジイソシアネートは、2006年12月4日(即ち本出願と同日)に米国特許商標局に出願された同一出願人による米国特許出願第11/633,242号の対象である。
【0028】
エチレン性不飽和マクロマーを生成するためにアロファネート変性ジイソシアネート化合物(a)と反応させる成分(b)として好適なポリエーテルポリオールは、少なくとも約2、好ましくは少なくとも約3、より好ましくは少なくとも約4の官能価を有するポリエーテルポリオールを包含する。好適なポリエーテルポリオールの官能価は、約15またはそれ未満、好ましくは約10またはそれ未満、最も好ましくは約8またはそれ未満である。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意組合せの範囲内の官能価も有し得る。好適なポリエーテルポリオールのOH価は、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約15、最も好ましくは少なくとも約18である。ポリエーテルポリオールは、典型的には、約300またはそれ未満、好ましくは約200またはそれ未満、最も好ましくは約100またはそれ未満のOH価も有する。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意組合せの範囲内のOH価も有し得る。好適なポリエーテルポリオールの(数平均)分子量は、典型的には、約400より大、好ましくは少なくとも約2,000、最も好ましくは少なくとも約4,000である。ポリエーテルポリオールは、典型的には、15,000またはそれ未満、より好ましくは12,000またはそれ未満、最も好ましくは9,000またはそれ未満の(数平均)分子量を有する。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意組合せの範囲内の(数平均)分子量も有し得る。
【0029】
これらのポリエーテルポリオールは、約2〜約15、好ましくは約3〜約10、最も好ましくは約4〜約8の官能価;約10〜300、好ましくは約15〜約200、最も好ましくは約18〜約100のOH価;および、400〜約15,000、好ましくは約2,000〜12,000、最も好ましくは約4,000〜9,000の(数平均)分子量も有し得る。
【0030】
そのようなポリエーテルポリオールの例は既知であり、米国特許出願公開第20060025558号、特に段落[0104]〜[0108]に詳しく記載されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0031】
アロファネート変性ジイソシアネート(a)とポリエーテルポリオール(b)との反応は、所望により、(c)1つまたはそれ以上のウレタン触媒の存在下で行われる。触媒の存在は、必ずしも必要ではなく、一般に、アロファネート変性ジイソシアネート(a)の生成に使用されるジイソシアネートの組成に依存する。実際に、ウレタン反応を促進するのに適していることが知られている触媒を、本発明における成分(c)として使用することができる。使用し得る好適な触媒の例は、ビスマス含有触媒、例えばCosan Chemical Co.から入手可能なCOSCAT 83、第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン(DABCO)、二環式アミジン、例えば1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンダカ-7-エン(DBU)、ならびに有機金属触媒、例えば、オクタン酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチドなどである。他の好適な触媒は、米国特許第5233009号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0032】
エチレン性不飽和マクロマーの製造法において、アロファネート変性ジイソシアネート成分(a)を、典型的には、約25〜約150℃の温度で約1〜約10時間にわたって、所望によりウレタン触媒の存在下に、ポリエーテルポリオール(b)と反応させる。この反応を、約60〜約100℃の温度で、約2〜約7時間行うのが好ましい。
【0033】
予備形成安定剤の製造法によれば、上記のエチレン性不飽和マクロマーを、少なくとも1つのラジカル重合開始剤および所望により液体希釈剤および所望により連鎖移動剤の存在下で、少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとラジカル重合させる。
【0034】
本発明による予備形成安定剤およびその製造法に関して、(a)アロファネート変性ジイソシアネートを、(1)ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその異性体混合物、トルエンジイソシアネートまたはその異性体混合物から成る群から選択されるジイソシアネート、および(2)2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレートおよびシンナミルアルコールから成る群から選択されるエチレン不飽和アルコール化合物、から生成するのが好ましい。
【0035】
本発明の予備形成安定剤に好適なエチレン性不飽和モノマー(B)は、例えば、以下の化合物である:脂肪族共役ジエン、例えば、ブタジエンおよびイソプレン;モノビニリデン芳香族モノマー、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、(t-ブチル)スチレン、クロロスチレン、シアノスチレンおよびブロモスチレン;α,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびそのエステル、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、イタコン酸、無水マレイン酸など;α,β-エチレン性不飽和ニトリルおよびアミド、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-(ジメチルアミノメチル)アクリルアミドなど;ビニルエステル、例えばビニルアセテート;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルおよびビニリデンハライド、ならびに上記のモノマーアダクトまたは反応性モノマーと共重合し得る種々の他のエチレン性不飽和物質。上記モノマーの2つまたはそれ以上の混合物も、予備形成安定剤の製造に使用するのに好適であることが理解される。上記モノマーの中で、モノビニリデン芳香族モノマー、特にスチレン、およびエチレン性不飽和ニトリル、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0036】
モノマーの混合物を使用する場合、2つのモノマーの混合物を使用するのが好ましい。これらのモノマーは、典型的には、重量比80:20(スチレン:アクリロニトリル)〜40:60(S:AN)、好ましくは75:25(S:AN)〜50:50(S:AN)で使用される。
【0037】
本発明のこの態様に好適なラジカル重合開始剤(C)は、例えば、アルキルおよびアリールヒドロパーオキシドの両方を包含するパーオキシド、パースルフェート、パーボレート、パーカーボネート、アゾ化合物などである。いくつかの特定の例は、過酸化水素、ジ(t-ブチル)-パーオキシド、t-ブチルパーオキシジエチルアセテート、t-ブチルパーオクトエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ3,5,5,-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーベンゾエート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-アミルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ラウロイルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)のような触媒である。
【0038】
好適な触媒濃度は、成分の全重量(即ち、マクロマー、エチレン性不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤、および任意に液体希釈剤および/または連鎖移動剤の合計重量100wt%)に基づいて、約0.01〜約2wt%、好ましくは約0.05〜1wt%、最も好ましくは0.05〜0.3wt%である。
【0039】
本発明の予備形成安定剤に好適な希釈剤(D)は、例えば、モノオール(即ち、モノヒドロキシアルコール)、ポリオール、炭化水素、エーテルなどの化合物、およびそれらの混合物である。好適なモノオールは、少なくとも1個の炭素原子を含有するあらゆるアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノールなど、およびそれらの混合物である。好ましいモノオールは、イソプロパノールである。
【0040】
好適なポリオールは、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、トリオールおよび高官能価ポリオールを含んで成る。そのようなポリオールは、ポリ(オキシプロピレン−オキシエチレン)ポリオールを包含するが、望ましくは、オキシエチレン分は全体の約50%未満、好ましくは約20%未満である。エチレンオキシドを、任意の方法で、ポリマー鎖に組み込むことができる。言い換えれば、エチレンオキシドを、内部ブロックにまたは末端ブロックとして組み込むか、あるいはポリマー鎖にランダムに分布させてよい。ポリオールは、種々の量の非誘導不飽和を含有し得ることは、当分野において周知である。本発明の好ましいポリオールは、DMC触媒を使用して生成されるポリオールである。これらのポリオールは、ASTM D2849-69を使用して測定される典型的には0.02meq/gまたはそれ未満の低不飽和を有する。不飽和の程度は、本発明によるポリマーポリオールの生成に、不利な作用をしない。
【0041】
本発明の目的に関して、有用なポリオールは、約400またはそれ以上の数平均分子量を有すべきであり、本明細書において使用される数平均分子量は、理論上のヒドロキシル価誘導値である。実際の数平均分子量は、実際の分子官能価が開始官能価または理論官能価より低い程度に依存して幾分低くてよい。
【0042】
使用されるポリオールは、広範囲に変化するヒドロキシル価を有し得る。一般に、本発明に使用されるポリオールのヒドロキシル価は、約20またはそれ以下〜約280またはそれ以上で変化し得る。ヒドロキシル価は、ポリオール1gから生成される完全フタル化誘導体の完全加水分解に必要とされる水酸化カリウムのmg数として定義される。ヒドロキシル価は下記の式によっても定義し得る:
OH=(56.1 × 1000 × f)/m.w.
[式中、
OH = ポリオールのヒドロキシル価;
f = 官能価、即ち、ポリオール1分子当たりのヒドロキシル基の平均数;および
m.w. = ポリオールの分子量]
【0043】
使用される正確なポリオールは、製造されるポリウレタン製品の最終用途に依存する。ポリオールの分子量は、ポリオールから生成されたポリマーポリオールをポリウレタンに変換する場合に軟質または半軟質フォームまたはエラストマーを生じるように、適切に選択される。ポリオールは、半軟質フォームについては約50〜約150、軟質フォームについては約30〜約70のヒドロキシル価を有するのが好ましい。そのような範囲は、限定的なものではなく、上記ポリオール共反応物の多くの可能な組合せを例示するものにすぎない。
【0044】
本発明における希釈剤として好適な他の種類のポリオールは既知であり、米国特許出願公開第20060025558号、特に段落[0141]〜[0145]に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0045】
本発明における希釈剤として使用される好ましいポリオール成分は、典型的には、4個またはそれ以上のヒドロキシル基を有する好適な出発物質(例えば、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ソルビトールのジエーテル、マンニトール、マンニトールのジエーテル、アラビトール、アラビトールのジエーテル、スクロース、ポリビニルアルコールまたはグリシドールのオリゴマー、それらの混合物など)のアルキレンオキシドアダクトを包含する。
【0046】
モノオールとポリオールとの混合物を予備形成安定剤の希釈剤として使用する場合、ポリオールは非主要量の希釈剤のみを含むのが好ましく、モノオールは主要量を占める。一般に、ポリオールは、希釈剤の30wt%未満、好ましくは約20wt%未満、最も好ましくは約15wt%未満を構成する。希釈剤に存在するポリオール成分の量は、予備形成安定剤にゲル化が生じる濃度より低い。
【0047】
一般に、希釈剤の量は、PFS(予備形成安定剤)100wt%を基準にして40wt%を超える。
【0048】
連鎖移動剤(E)も、本発明の予備形成安定剤中、および予備形成安定剤の製造法時に存在してよい。本発明のこの態様に好適な連鎖移動剤は、例えば、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、塩化メチレンである。連鎖移動剤は、一般に、分子量調節剤とも呼ばれる。これらの化合物は、共重合体の分子量を制御するのに好都合な量で使用される。
【0049】
予備形成安定剤の好適な製造法は、例えば、米国特許第4148840号、第4242249号、第4954561号、第4745153号、第5494957号、第5990185号、第6455603号、第4327005号、第4334049号、第4997857号、第5196476号、第5268418号、第5854386号、第5990232号、第6013731号、第5554662号、第5594066号、第5814699号および第5854358号に開示されている既知の方法に類似しており、それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。一般に、予備形成安定剤の製造法は、ポリマーポリオールの製造法に類似している。温度範囲は限定されず、約80℃〜約150℃またはそれ以上、好ましくは約115℃〜約125℃程度で変化し得る。触媒および温度は、連続流反応器については反応器における滞留時間(hold-up time)、または半回分反応器については供給時間に関して、触媒が適切な分解速度を有するように選択すべきである。
【0050】
この方法に使用される混合条件は、逆混合反応器(例えば、攪拌フラスコまたは攪拌オートクレーブ)を使用することによって得られる。この種の反応器は、反応混合物を比較的均一に維持し、それによって、全てのモノマーを反応器の初めに添加する管形反応器で生じるような局所的に高いモノマー/マクロマー比を防止する。
【0051】
予備形成安定剤の製造に選択される条件の組合せは、ポリマーポリオール組成物の製造において最終性能に不利に作用し得る架橋またはゲル形成を、予備形成安定剤において生じるべきではない。低すぎる希釈剤濃度、高すぎる先駆物質および/またはモノマー濃度、高すぎる触媒濃度、長すぎる反応時間、および先駆物質における多すぎる不飽和の組合せは、架橋またはゲル化により、有効でない予備形成安定剤を生じ得る。
【0052】
本発明における予備形成安定剤の特に好ましい製造法は、例えば、米国特許第5196476号および米国特許第6013731号に開示されており、それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。好ましい希釈剤および相対濃度、エチレン性不飽和モノマーおよび相対濃度、ラジカル開始剤および相対濃度、ならびに工程条件は、米国特許第5196476号および米国特許第6013731号に開示されている。当然、本発明のエチレン性不飽和マクロマーはこれらの文献に記載されているマクロマーと異なり、従って、構造的に異なる予備形成安定剤を生じる。
【0053】
本発明のポリマーポリオール(即ち、安定分散物)は、基剤ポリオール、上記の予備形成安定剤、および1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーの、少なくとも1つのラジカル開始剤および任意に連鎖移動剤の存在下における、ラジカル重合生成物を含んで成り、ポリマーポリオール(即ち、安定分散物)の製造法は、これらの成分をラジカル重合させることを含んで成る。得られるポリマーポリオールは、高固形分、即ち、得られたポリマーポリオールの総重量を基準にして30〜60wt%の固形分を示す。ポリマーポリオールの固形分は40〜50wt%であるのが好ましい。これらのポリマーポリオールは、低い粘度、即ち、2000〜10,000cSt、好ましくは4,000〜7,000cSt;優れた濾過性も示し、好ましくは白色である。
【0054】
本発明のこの態様に好適な基剤ポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオールなどの基剤ポリオールである。好適なポリエーテルポリオールは、好ましくは少なくとも約1、より好ましくは少なくとも約3の官能価を有する。好適なポリエーテルポリオールの官能価は、約10またはそれ未満、好ましくは約6またはそれ未満、最も好ましくは約3またはそれ未満である。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意の組合せの範囲の官能価も有し得る。好適なポリエーテルポリオールのOH価は、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約20、最も好ましくは少なくとも約30である。ポリエーテルオリオールは、典型的には、約1900またはそれ未満、好ましくは約800またはそれ未満、最も好ましくは約90またはそれ未満のOH価を有する。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意の組合せの範囲のOH価も有し得る。好適なポリエーテルポリオールの当量は、一般に、約30より大、好ましくは少なくとも約500、最も好ましくは少なくとも約1000である。好適なポリエーテルポリオールは、これらの上限値および下限値(両値を含む)の任意の組合せの範囲の(数平均)分子量も有し得る。
【0055】
これらのポリエーテルポリオールは、官能価約1〜約10、好ましくは約2〜約6、最も好ましくは約2〜約3;OH価約10〜1900、好ましくは約20〜約800、最も好ましくは約30〜約90;当量30より大〜約900、好ましくは100〜2000、最も好ましくは約500〜1800も有し得る。
【0056】
ポリエーテルポリオールとして本発明に使用されるそのような化合物の例は既知であり、米国特許出願公開第20060025558号、特に段落[0158]〜[0162]に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0057】
本発明のこの態様に好適な予備形成安定剤は、上記の予備形成安定剤を包含する。
【0058】
本発明のポリマーポリオールおよびその製造法に好適なエチレン性不飽和モノマーは、予備形成安定剤の製造に関して先に記載したエチレン性不飽和モノマーを包含する。他の好適なモノマーは例えば以下の化合物を包含する:脂肪族共役ジエン、例えば、ブタジエンおよびイソプレン;モノビニリデン芳香族モノマー、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、(t-ブチル)スチレン、クロロスチレン、シアノスチレンおよびブロモスチレン;α,β-エチレン性不飽和カルボン酸およびそのエステル、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、イタコン酸、無水マレイン酸など;α,β-エチレン性不飽和ニトリルおよびアミド、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-(ジメチルアミノメチル)アクリルアミドなど;ビニルエステル、例えばビニルアセテート;ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルおよびビニリデンハライド、ならびに上記のモノマーアダクトまたは反応性モノマーと共重合し得る種々の他のエチレン性不飽和物質。上記モノマーの2つまたはそれ以上の混合物も、ポリマーポリオールの製造に使用するのに好適であることが理解される。上記モノマーの中で、モノビニリデン芳香族モノマー、特にスチレン、およびエチレン性不飽和ニトリル、特にアクリロニトリルが好ましい。本発明のこの態様によれば、これらのエチレン性不飽和モノマーは、スチレンおよびその誘導体、アクリロニトリル、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニリデンクロリドを包含し、スチレンおよびアクリロニトリルが特に好ましいモノマーである。
【0059】
スチレンおよびアクリロニトリルを、スチレン/アクリロニトリル(S:AN)の重量比が約80:20〜30:70、より好ましくは約75:25〜50:50であるのに十分な量で使用するのが好ましい。これらの比率は、ポリマーポリオールが本発明のエチレン性不飽和マクロマーを含んで成るか、本発明の予備形成安定剤を含んで成るかに関係なく、ポリマーポリオールおよびその製造法に好適である。
【0060】
概して、上記の予備形成安定剤を含んで成るポリマーポリオールに存在するエチレン性不飽和モノマーの量は、ポリマーポリオール100wt%を基準にして少なくとも約30wt%である。固形分は約35〜約70wt%であるのが好ましく、より好ましくは約35〜約60wt%、最も好ましくは約40〜約50wt%である。概して、上記の本発明エチレン的不飽和マクロマーを含んで成るポリマーポリオールに存在するエチレン的不飽和モノマーの量は、ポリマーポリオール100wt%を基準にして少なくとも約20wt%である。固形分は約20〜約50wt%であるのが好ましい。
【0061】
好適なラジカル開始剤は、予備形成安定剤の製造に関して先に記載したラジカル開始剤を包含する。有用な開始剤の例は、安定剤の製造に使用される温度範囲内で十分な半減期を有する触媒であり、即ち、半減期は任意の所定時間において反応器における滞留時間の約25%またはそれ以下であるべきである。本発明のこの部分に好ましい開始剤は、以下の化合物を包含する:アシルパーオキシド、例えば、ジデカノイルパーオキシドおよびジラウロイルパーオキシド、アルキルパーオキシド、例えば、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーピバレート、t-アミルパーオクトエート、2,5-ジメチル-ヘキサン-2,5-ジ-パー-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーネオデカノエート、t-ブチルパーベンゾエートおよび1,1-ジメチル-3-ヒドロキシブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、およびアゾ触媒、例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'-アゾビス-(2-メトキシルブチロニトリル)、およびそれらの混合物。最も好ましいのは、上記のアシルパーオキシドおよびアゾ触媒である。特に好ましい開始剤は、アゾビス(イソブチロニトリル)を含んで成る。
【0062】
本発明に使用される開始剤の量は、限定的ではなく、広範囲で変化し得る。一般に、開始剤の量は、最終ポリマーポリオール100wt%を基準にして約0.01〜2wt%である。触媒濃度の増加はモノマー変換をある時点まで増加させるが、これを過ぎると、さらなる増加は変換の実質的増加を生じない。選択される特定の触媒濃度は、通常、コストを含むあらゆる要素を考慮した最適値である。
【0063】
本発明に好適な連鎖移動剤は、例えば、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、塩化メチレンである。連鎖移動剤は、一般に、分子量調節剤とも呼ばれる。これらの化合物は、共重合体の分子量を制御するのに好都合な量で使用される。
【0064】
本発明の予備形成安定剤を含んで成るポリマーポリオールは、例えば、米国特許第4148840号、第4242249号、第4954561号、第4745153号、第5494957号、第5990185号、第6455603号、第4327005号、第4334049号、第4997857号、第5196476号、第5268418号、第5854386号、第5990232号、第6013731号、第5554662号、第5594066号、第5814699号および第5854358号に開示されている方法を使用して製造され、これら特許の開示は参照により本明細書に組み入れられる。これら特許に開示されているように、低いモノマー/ポリオール比を、工程中、反応混合物全体に維持する。これは、モノマーからポリマーへの迅速変換を生じる条件を使用することによって達成する。実際に、半回分および連続操作の場合は、温度および混合条件を制御することによって、半回分操作の場合は、さらに、モノマーをポリオールにゆっくり添加することによって、低いモノマー/ポリオール比が維持される。
【0065】
(I)基剤ポリオール、(II)本明細書に開示されるエチレン性不飽和マクロマー、および(III)少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、(IV)少なくとも1つのラジカル重合開始剤および(V)連鎖移動剤の存在下での、ラジカル重合生成物を含んで成る本発明のポリマーポリオールの種々の成分は、本発明の予備形成安定剤を含んで成るポリマーポリオールに関して先に記載した成分を包含する。当然、これらのポリマーポリオールは、予備形成安定剤および予備形成安定剤製造法における反応物として先に記載したエチレン性不飽和マクロマーを使用して、予備形成安定剤ではなくポリマーポリオールを製造する。残りの成分、それらの相対量および/または比率は、特に記載がなければ、先に記載したとおりである。
【0066】
予備形成安定剤に関して先に記載したマクロマーに対応する1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和マクロマーを含んで成るこれらのポリマーポリオールは、例えば、米国特許第3875258号、第3931092号、第3950317号、第3953393号、第4014846号、第4093573号、第4372005号、第4334049号、第4454255号、第4458038号、第4689354号、第4690956号、Re 29014、第4305861号、第5093412号、第5254667号、第6172164号、およびRe 33291、ならびに米国特許第4524157号、第4539340号、Re 28715およびRe 29118に開示されている方法を使用して製造され、それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0067】
エチレン性不飽和マクロマーを含んで成るポリマーポリオールの特に好ましい態様において、本明細書に開示され特許請求されるエチレン性不飽和マクロマーを、ポリマーポリオールおよびその製造法におけるエチレン性不飽和マクロマーとして使用するのが好ましい。
【0068】
温度範囲は限定されないが、約100℃〜約140℃またはそれ以上で変化してよく、好ましい範囲は115〜125℃である。本明細書に記載されるように、触媒および温度は、触媒が連続流反応器については反応器における滞留時間(hold-up time)、または半回分反応器については供給時間に関して、触媒が適切な分解速度を有するように選択すべきである。
【0069】
使用される混合条件は、逆混合器(例えば、攪拌フラスコまたは攪拌オートクレーブ)を使用して得られる条件である。この種の反応器は、反応混合物を比較的均一に維持し、それによって、特定の管形反応器(例えば、全てのモノマーを第一段階に添加して操作される場合の「Marco」反応器の第一段階)において生じるなどの局所的に高いモノマー/ポリオール比を防止する。
【0070】
本発明のこの態様に関して、米国特許第5196476号および第6013731号に開示されている方法を使用するのが好ましく、なぜなら、それらの方法は、広い範囲のモノマー組成およびポリマー分を有するポリマーポリオール、およびそれ以外の方法では製造できない必要な安定性を有するポリマーポリオールの製造を可能にするからである。しかし、米国特許第5916476号および第6013731号(それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている方法が必要かどうかは、工程パラメーターが、これらの方法のどちらも使用せずに十分なポリマーポリオールを製造できる工程パラメーターであるかどうかに依存する。
【0071】
ポリマー粒子(個々の粒子、または個々の粒子の凝集物)が、比較的小さく、好ましい態様において全て実質的に約1〜3ミクロン未満である分散物を、本発明のポリマーポリオールは含んで成る。しかし、スチレンの高含有量を使用する場合、粒子は大きくなる傾向があるが、得られるポリマーポリオールは、特に最終用途ができる限り少ないスコーチを必要とする場合に、より有用である。好ましい態様において、実質的に全ての生成物(即ち、約99%またはそれ以上)が、実施例に関して記載される濾過障害(濾過性)試験に使用されるフィルターを通過する。これは、ポリウレタン生成物の大量生産に現在使用されているあらゆるタイプの比較的高性能の機械系(どのような有意量の比較的大きい粒子も許容しないフィルターの使用を必要とする衝突型混合を使用する機械系を包含する)において、ポリマーポリオール生成物を都合よく処理できるようにする。生成物の約50%がフィルターを通過する場合、それほど精密でない用途に適合する。約20%またはそれ以下しかフィルターを通過しない生成物も、いくつかの用途において有用であり得る。従って、本発明のポリマーポリオールは、20%のみがフィルターを通過する生成物、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは実質的に全てがフィルターを通過する生成物であるのが望ましい。
【0072】
濾過障害試験は、ポリマーポリオール安定性の過酷試験であり、従って、十分な濾過障害特性が確かに好ましいが、種々の用途のため工業的に安定なポリマーポリオールは、それらの粘度および遠心分離可能な固形分レベルによって十分に規定し得る(この試験は、実施例に関しても記載している)。即ち、粘度が25℃において約7,000cSt以下であり、遠心分離可能な固形分が約10%未満、好ましくは5%未満である限り、ポリマーポリオールは安定であるとみなされる。
【0073】
本発明によれば、所望の安定化が、所望の濾過障害、遠心分離可能な固形分レベルおよび粘度を生じることを保証するのに十分な量で、安定剤が存在する。これに関して、予備形成安定剤の量は、一般に、総供給量を基準にして約1〜約20wt%(好ましくは約1〜約10wt%)である。当業者に既知であり理解されるように、種々の要素、例えば、ラジカル開始剤、固形分、S:ANの重量比、工程条件などが、予備形成安定剤の最適量に影響を与える。
【0074】
ポリマーポリオールを含んで成るポリウレタン、好ましくはポリウレタンフォーム、およびそれらの製造法も本発明の一部である。これらのポリウレタンに好適なポリマーポリオールは、エチレン性不飽和マクロマーから直接的に製造されたポリマーポリオール、またはエチレン性不飽和マクロマーに基づく予備形成安定剤から製造されたポリマーポリオールであってよい。これらのポリウレタンは、ポリイソシアネート成分またはそのプレポリマーと、本発明のポリマーポリオールを含んで成るイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んで成る。これらのポリウレタンの製造法は、ポリイソシアネート成分またはそのプレポリマーを、本発明のポリマーポリオールを含んで成るイソシアネート反応性成分と反応させることを含んで成る。
【0075】
ポリエーテルポリマーポリオールの製造における安定剤としての使用に加えて、本発明の反応性不飽和含有安定剤は、他の製剤、例えば、限定されないが、耐衝撃性改良剤を製造するのに使用することもでき。例えば、予備形成ビニルポリマー耐衝撃性改良剤は、反応性不飽和含有安定剤を、1つまたはそれ以上の上記のような重合可能ビニルモノマー、ならびに多不飽和モノマー、例えばブタンジエンなどと反応させることによって製造し得る。重合は、好適な溶媒中の溶液において、または水性系における通常または逆エマルジョンにおいて行ってよい。反応性不飽和含有安定剤は、アクリル酸などのモノマーと共重合させることによって、セメント添加剤用の安定剤として使用することもできる。安定剤は、放射線硬化被覆剤における反応物としても機能し得る。
【0076】
本明細書において使用される用語「ポリオール供給量」は、ポリマーポリオールに存在するか、またはポリマーポリオールの製造法に存在する基剤ポリオール供給物の量を意味する。
【0077】
本明細書において使用される用語「総供給量」は、種々の各生成物(即ち、予備形成安定剤、ポリマーポリオールなど)に存在し、かつ/または種々の各生成物の製造法に存在する成分の合計量を意味する。
【0078】
本明細書において使用される全ての数値範囲、量、数値およびパーセント、例えば、材料の量、反応の時間および温度、量の比率、分子量の値、および明細書の以下の部分におけるその他の値は、特に明示の規定がない限り、用語「約」が値、量または範囲と共に特に記載されていなくても、語「約」が前に置かれているものと理解される。
【0079】
下記の実施例は、本発明の組成物の製造および使用に関してさらに詳しく説明する。先に開示した本発明は、これらの実施例によって意図または範囲を限定するものではない。当業者は、下記の調製手順の条件および工程の既知の変型を使用して、これらの組成物を製造し得ることを容易に理解する。特に指定しなければ、全ての温度は摂氏であり、全ての部およびパーセントはそれぞれ重量部および重量%である。
【実施例】
【0080】
以下の成分を実施例で使用した。
ポリオールA:プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを水酸化カリウム触媒の存在下で反応させ、精製して触媒を除去することによって生成されたグリセリン開始ポリエーテルポリオール。得られたポリオールはヒドロキシル価約36を有する。
ポリオールB:プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを水酸化カリウム触媒の存在下で反応させ、精製して触媒を除去することによって生成されたソルビトール開始ポリエーテルポリオール。得られたポリオールはヒドロキシル価約28を有する。
ポリオールC:プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを水酸化カリウム触媒の存在下で反応させ、精製して触媒を除去することによって生成されたグリセリン開始ポリエーテルポリオール。得られたポリオールはヒドロキシル価約52を有する。
【0081】
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート、エチレン性不飽和アルコール。
イソシアネートA:ジフェニルメタン4,4'-ジイソシアネート(MDI)、Bayer MaterialScienceから商業的に入手可能。
BQ:1,4-ベンゾキノン。
ZnAcAc:亜鉛アセチルアセトネート。
開始剤A:tert-ブチルパーオキシド(TBPO)
開始剤B:アゾビス(イソブチロニトリル)、DuPontからVAZO 64として商業的に入手可能。
【0082】
粘度:Cannon-Fenske粘度計を使用して粘度を測定した。
濾過障害(濾過性):以下のように濾過性を測定する:ポリマーポリオールの1重量部試料(例えば200g)を、2重量(例えば400g)の無水イソプロパノールで希釈して、あらゆる粘度強制制限(viscosity-imposed limitations)を除去し、かつ、篩の固定断面積(例えば1 1/8インチ直径)に対して固定量の材料を使用し、それによって、全てのポリマーポリオールおよびイソプロパノール溶液が、重力によって150メッシュ篩を通過し得るようにする。150メッシュ篩は、平均メッシュ開口105ミクロンの四角のメッシュを有し、それは「Standard Tyler」150四角メッシュ篩である。1200秒以内に篩を通過する試料の量をパーセントで記録し、100%の値は、99wt%を超える試料が篩を通過したことを示す。
【0083】
実施例1:反応性不飽和を含有するアロファネート変性イソシアネート
HEMA(480g)を、イソシアネートA(3000g)および1,4-ベンゾキノン(2.4g)の混合物に、60℃で窒素下に添加した。溶液を60℃で75分間加熱した。次に、ZnAcAc(0.5g)を添加し、反応溶液を90℃で75分間加熱した。60℃に冷却した後、塩化ベンゾイル(1.0g)を添加して、NCO基含有量約20.0%を有する貯蔵安定性黄色液体を得た。
【0084】
実施例2:マクロマーA
ポリオールA(3500g)およびBQ(1.8g)を、窒素下、5Lのフラスコに入れた。実施例1のアロファネート変性イソシアネート(157g)を添加漏斗で添加し、温度を70℃未満に維持した。混合物を70℃で2時間攪拌して、OH価約26.7を有する液体黄色生成物を得た。
【0085】
実施例3:マクロマーB
ポリオールB(3500g)およびBQ(1.1g)を、窒素下、5Lのフラスコに入れた。実施例1のアロファネート変性イソシアネート(94g)を添加漏斗で添加し、温度を70℃未満に維持した。混合物を70℃で2時間攪拌して、OH価約21.7を有する淡黄色生成物を得た。
【0086】
予備形成安定剤(PFS)配合物:
これは、マクロマーAおよびBから、それぞれPFS AおよびBを得る予備形成安定剤(PFS)の一般的製造法である。インペラーおよび4つのバッフルを取付けた連続攪拌タンク形反応器(CSTR)(第一段階)およびピストン型反応器(第二段階)を有して成る2段階反応系において、各予備形成安定剤を調製した。各反応器における滞留時間は、約60分であった。反応物を、供給タンクから、インラインスタティックミキサー(in-line static mixer)を通って反応器に連続的に送り込み、次に、供給管を通って反応器に送り込み、それを十分に混合した。反応混合物の温度を120±1℃に制御した。各段階における圧力を65psigに制御するように設計された圧力調整機によって、第二段階反応器からの生成物を連続的に溢流させた。次に、予備形成安定剤を、冷却器を通って収集器に送った。予備形成安定剤に使用した配合を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
ポリマーポリオール(PMPO)配合物:
この系列の実施例は、それぞれマクロマーAおよびBから製造されるポリマーポリオールの製造法に関する。インペラーおよび4つのバッフルを取付けた連続攪拌タンク形反応器(CSTR)(第一段階)およびピストン型反応器(第二段階)を有して成る2段階反応系において、各ポリマーポリオールを調製した。各反応器における滞留時間は約60分であった。反応物を、供給タンクからインラインスタティックミキサーを通って、次に供給管を通って反応器に連続的に送り込み、それを十分に混合した。反応混合物の温度を115±1℃に制御した。各段階における圧力を45psigに制御するように設計された圧力調整機によって、第二段階反応器からの生成物を連続的に溢流させた。次に、ポリマーポリオールを、冷却器を通って収集器に送った。粗生成物を真空ストトリッピングして揮発分を除去した。生成物におけるwt%総ポリオールを、ストリッピング前の粗ポリマーポリオールにおいて測定したモノマー濃度から算出した。実験に使用したパラメーターを表2に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
本発明を例示目的で先に詳しく記載したが、そのような詳細は例示目的にすぎず、請求の範囲によって限定される以外は、本発明の意図および範囲を逸脱せずに、当業者によってそれに変更を加え得るものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) NCO基含有量約9%〜約48%を有し、エチレン性不飽和を含有し、
(1) ジイソシアネートと、
(2) 少なくとも1つのエチレン性不飽和アルコール化合物との、
(3) NCO反応性基を含有しない少なくとも1つのラジカル阻害剤、および
(4) 少なくとも1つのアロファネート触媒の存在下での
反応生成物を含んで成るアロファネート変性ジイソシアネート、
並びに
(b) OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールの、
(c) 任意に、1つまたはそれ以上のウレタン触媒の存在下での
反応生成物
を含んで成るエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項2】
(a)(1)ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキサンジイソシアネートおよびテトラメチルキシレンジイソシアネートから成る群から選択される、請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項3】
(a)(1)ジイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含んで成り、該ジフェニルメタンジイソシアネートが、(i)0〜6wt%の2,2'-異性体、(ii)0〜76wt%の2,4'-異性体、および(iii)24〜100wt%の4,4'-異性体を含んで成り、(i)、(ii)および(iii)のwt%の合計が(a)(1)ジフェニルメタンジイソシアネート100wt%になる、請求項2に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項4】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコールが、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、ヒドロキシアリールメタクリレート、芳香族置換エチレン性不飽和モノオール、イソプロペニルフェニルモノオール、ヒドロキシルニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項5】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコールが、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを含んで成る、請求項4に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項6】
(b)ポリエーテルポリオールが、官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有する、請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項7】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコール化合物が、分子量69〜1500を有する、請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー。
【請求項8】
(I)
(a) NCO基含有量約9%〜約48%を有し、エチレン性不飽和を含有し、
(1) ジイソシアネートと、
(2) 分子量69〜1500を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和アルコール化合物との、
(3) NCO反応性基を含有しない少なくとも1つのラジカル阻害剤、および
(4) 少なくとも1つのアロファネート触媒の存在下での
反応生成物を含んで成るアロファネート変性ジイソシアネート;ならびに
(b) OH価10〜300および官能価2〜15を有するポリエーテルポリオールを、
(c) 任意に、1つまたはそれ以上のウレタン触媒の存在下で
反応させる工程
を含んで成るエチレン性不飽和マクロマーの製造法。
【請求項9】
(a)(1)ジイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキサンジイソシアネートおよびテトラメチルキシレンジイソシアネートから成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(a)(1)ジイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートを含んで成り、該ジフェニルメタンジイソシアネートが、(i)0〜6wt%の2,2'-異性体、(ii)0〜76wt%の2,4'-異性体、および(iii)24〜100wt%の4,4'-異性体を含んで成り、(i)、(ii)および(iii)のwt%の合計が(a)(1)ジフェニルメタンジイソシアネート100wt%になる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコールが、ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、ヒドロキシアリールメタクリレート、芳香族置換エチレン性不飽和モノオール、イソプロペニルフェニルモノオール、ヒドロキシルニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコールが、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを含んで成る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(b)ポリエーテルポリオールが、官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
(a)(2)エチレン性不飽和アルコール化合物が、分子量69〜1500を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
(A) 請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(B) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとの、
(C) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、
(D) 任意に、液体希釈剤、および
(E) 任意に、連鎖移動剤の存在下での
ラジカル重合生成物
を含んで成る予備形成安定剤。
【請求項16】
(A)エチレン性不飽和マクロマーが、
(a) NCO基含有量約9.5%〜約32.3%を有し、エチレン性不飽和を含有し、
(1) (i) 0〜6wt%の2,2'-異性体;
(ii) 0〜76wt%の2,4'-異性体;および
(iii) 24〜100wt%の4,4'-異性体
を含んで成るジフェニルメタンジイソシアネート
((i)、(ii)および(iii)の合計はジフェニルメタンジイソシアネート100wt%になる)
および
(2) ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、ヒドロキシアリールメタクリレート、芳香族置換エチレン性不飽和モノオール、イソプロペニルフェニルモノオール、ヒドロキシルニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択されるエチレン性不飽和アルコール
の反応生成物を含んで成るアロファネート変性ジイソシアネートと、
(b) 官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有するポリエーテルポリオールとの
反応生成物を含んで成る、請求項15に記載の予備形成安定剤。
【請求項17】
(B)エチレン性不飽和モノマーが、アクリロニトリル、スチレンおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の予備形成安定剤。
【請求項18】
(B)が、80:20〜40:60の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項17に記載の予備形成安定剤。
【請求項19】
(C)ラジカル開始剤が、1つまたはそれ以上の過酸化物開始剤、1つまたはそれ以上のアゾ開始剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の予備形成安定剤。
【請求項20】
(D)希釈剤が、モノオール、ポリオール、炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の予備形成安定剤。
【請求項21】
(E)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項15に記載の予備形成安定剤。
【請求項22】
(I)
(A) 請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマーと、
(B) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーとを、
(C) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、および
(D) 任意に、液体希釈剤、および
(E) 任意に、連鎖移動剤の存在下に
ラジカル重合する工程
を含んで成る予備形成安定剤の製造法。
【請求項23】
(A)エチレン性不飽和マクロマーが、
(a) NCO基含有量約9.5%〜約32.3%を有し、エチレン性不飽和を含有し、
(1) (i) 0〜6wt%の2,2'-異性体;
(ii) 0〜76wt%の2,4'-異性体;および
(iii) 24〜100wt%の4,4'-異性体
を含んで成るジフェニルメタンジイソシアネート
((i)、(ii)および(iii)の合計はジフェニルメタンジイソシアネートの100wt%になる)
および
(2) ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ヒドロキシアリールアクリレート、ヒドロキシアリールメタクリレート、芳香族置換エチレン性不飽和モノオール、イソプロペニルフェニルモノオール、ヒドロキシルニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択されるエチレン性不飽和アルコール;
の反応生成物を含んで成るアロファネート変性ジイソシアネートと、
(b) 官能価約3〜約10、OH価約15〜約200および分子量約2,000〜約12,000を有するポリエーテルポリオールとの
反応生成物
を含んで成る、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
(B)エチレン性不飽和モノマーが、アクリロニトリル、スチレンおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
(B)が、80:20〜40:60の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(C)ラジカル開始剤が、1つまたはそれ以上の過酸化物開始剤、1つまたはそれ以上のアゾ開始剤、およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
(D)希釈剤が、モノオール、ポリオール、炭化水素、エーテルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
(E)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
(I) ヒドロキシル価約10〜約1900、官能価約1〜約10および当量約30〜約2500を有する基剤ポリオール、
(II) 請求項15に記載の予備形成安定剤、および
(III) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、
(IV) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、および
(V) 任意に、連鎖移動剤の存在下での
反応生成物
を含んで成るポリマーポリオール。
【請求項30】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項29に記載のポリマーポリオール。
【請求項31】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、80:20〜30:70の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項29に記載のポリマーポリオール。
【請求項32】
(IV)ラジカル重合開始剤が、アシルパーオキシド、アルキルパーオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項29に記載のポリマーポリオール。
【請求項33】
(V)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項29に記載のポリマーポリオール。
【請求項34】
(1)
(I) ヒドロキシル価約10〜約1900、官能価約1〜約10を有する基剤ポリオール;
(II) 請求項15に記載の予備形成安定剤、および
(III) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、および
(V) 任意に、連鎖移動剤の存在下に
ラジカル重合する工程
を含んで成るポリマーポリオールの製造法。
【請求項35】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、80:20〜30:70の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
(IV)ラジカル重合開始剤が、アシルパーオキシド、アルキルパーオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
(V)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
(I) ヒドロキシル価約10〜約1900、官能価約1〜約10を有する基剤ポリオール、
(II) 請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー、および
(III) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーの、
(IV) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、および
(V) 任意に、連鎖移動剤の存在下での
反応生成物
を含んで成るポリマーポリオール。
【請求項40】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項39に記載のポリマーポリオール。
【請求項41】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、80:20〜30:70の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項39に記載のポリマーポリオール。
【請求項42】
(IV)ラジカル重合開始剤が、アシルパーオキシド、アルキルパーオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項39にポリマーポリオール。
【請求項43】
(V)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項39に記載のポリマーポリオール。
【請求項44】
(1)
(I) ヒドロキシル価約10〜約1900、官能価約1〜約10を有する基剤ポリオール;
(II) 請求項1に記載のエチレン性不飽和マクロマー、および
(III) 少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを、
(IV) 少なくとも1つのラジカル重合開始剤、および
(V) 任意に、連鎖移動剤の存在下の
ラジカル重合する工程
を含んで成るポリマーポリオールの製造法。
【請求項45】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、スチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
(III)エチレン性不飽和モノマーが、80:20〜30:70の重量比のスチレンおよびアクリロニトリルの混合物を含んで成る、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
(IV)ラジカル重合開始剤が、アシルパーオキシド、アルキルパーオキシド、アゾ化合物およびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
(V)連鎖移動剤が、イソプロパノール、エタノール、tert-ブタノール、トルエン、エチルベンゼン、トリエチルアミン、ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、四塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルムおよび塩化メチレンから成る群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
(1)ポリイソシアネートを、(2)請求項29に記載のポリマーポリオールを含んで成るイソシアネート反応性成分と反応させることを含んで成るポリウレタンの製造法。
【請求項50】
(1)ポリイソシアネートを、(2)請求項39に記載のポリマーポリオールを含んで成るイソシアネート反応性成分と反応させることを含んで成るポリウレタンの製造法。

【公開番号】特開2008−138210(P2008−138210A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−313368(P2007−313368)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】