説明

アンギュラコンタクト転がり軸受特に多列球面ころ軸受

本発明は、球面ころ軸受として構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受(1)に関し、外レース(2)、内レース(3)、及びレース(2,3)の間に設けられかつ保持器(4)により周方向に互いに等間隔に保持される多数の球面ころ(5,6)を含み、これらの球面ころ(5,6)が、少なくとも2列(7,8)で、高さをずらされて、互いに並んで設けられ、かつ球基本形状から対称に平らにされるそれぞれ2つの側面(9,10,11,12)を持っている。両方の列(7,8)の球面ころ(5,6)の転動面(13,14)が、外レース(2)及び内レース(3)のに加工されかつ互いに平行に延びる押圧角軸線(21,22)を持つそれぞれ2つの隣接する溝状転動路(17,18,19,20)内を転がり、両方の列(7,8)のそれぞれ隣接する球面ころ(5,6)が、その互いに向き合う側面(10,11)で直接互いに並んで設けられるように、転動路(17,18,19,20)が互いに隣接して設けられている。本発明によれば、両方の列(7,8)の隣接する球面ころ(5,6)が、押圧角軸線(21,22)に対して直角に延びる共通な回転軸線(23,24)上にそれぞれ設けられ、これらの球面ころ(5,6)にその直径(d,d)の所で接するすべての包絡円錐(25,26)の円錐頂点(27,28)が、共通な回転軸線(23,24)と軸受縦軸線(29)との交点(S)に正確に設けられるように設定された直径(d,d)及び幅(b1,b2)を、球面ころ(5,6)が持っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念を形成する特徴に記載のアンギュラコンタクト転がり軸受に関し、特に軸線方向及び半径方向のトルク負荷を持つ軸又はボスを支持する2列又は4列球面ころ軸受けにおいて特に有利に実現可能である。
【背景技術】
【0002】
転がり軸受技術において、軸線方向及び半径方向のトルク負荷を持つ軸又はボスの支持が大抵の場合アンギュラコンタクト転がり軸受を介して行われることは、当業者に一般に公知であり、これらの軸受は大きい負荷のため、一般に互いに傾斜しかつ軸線方向に予荷重をかけられる円錐ころ軸受として形成されている。これらの円錐ころ軸受は、大きい軸線方向力が生じる場合大きい押圧角を持つように形成され、支持される軸の高い剛性を与える最適な軸受運動学のため、これらの円錐ころ軸受が構造的に次のように構成されている。即ち円錐ころの縦軸線が基本的にそれぞれの押圧角軸線に対して直角に設けられ、円錐角及びレースにある転動路の傾斜角は次のような大きさに設定されている。即ち円錐ころを包囲する包絡円錐の円錐頂点が、円錐ころ縦軸線も軸受縦軸線とちょうど交差する軸受縦軸線の点に設けられるようにしている。それにより円錐ころ及びその転動路が、その幅全体に均一な負荷を受けるようにすることができる。
【0003】
しかしこのような円錐ころ軸受では、その予荷重のため、円錐ころの端面と軸受曲げ縁の案内面との間に滑り摩擦が生じ、この摩擦により円錐ころ及び軸受曲げ縁が摩耗するので、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19839481号明細書により、円錐ころ軸受を、0配置で互いに傾斜しかつ片側に負荷可能な2列タンデムアンギュラコンタクト玉軸受に代えることが提案された。このタンデムアンギュラコンタクト玉軸受は、外レース、内レース、及び両レースの間に設けられる多数の玉を含み、これらの玉は2列で異なるピッチ円直径を持つように高さをずらされて互いに並んで設けられ、各列用の2つの分離した保持器により、周方向に均一な相互間隔に保たれる。外レースの内側は、2つの隣接する溝状転動路を持つように形成され、これらの転動路は、内レースの外惻にある2つの同様に隣接する溝状転動路と共通な押圧角軸線上に設けられている。これらの転動路上で、それぞれ1列の玉転動面が転がり、大きい方のピッチ円直径を持つ列の玉は、小さい方のピッチ円直径を持つ列の玉より大きい直径を持っている。円錐ころ軸受の代わりに、このようなタンデムアンギュラコンタクト玉軸受の使用により、玉と転動路肩部との間に今や滑り摩擦がなくなるため、著しく小さい摩擦トルクが生じ、それにより軸受の摩擦及び温度が低下し、その効率が改善される。
【0004】
しかし2列のタンデムアンギュラコンタクト玉軸受を円錐ころ軸受にこのように代えることは、実際に次の点で不利なことがわかった。即ちこれらのタンデムアンギュラコンタクト玉軸受は、互いに並んで設けられる玉用転動路により、また必要な支持荷重を得るために玉の大きい直径により、円錐ころ軸受と比較して大きい軸線方向組込み空間を必要とする。このようなタンデムアンギュラコンタクト玉軸受が更に円錐ころ軸受より大きい支持荷重を持つようにすると、軸受座の費用のかかる変更が必要となり、それがそれぞれの部材の製造費を不利に高める。更にこのような2列タンデムアンギュラコンタクト玉軸受は、円錐ころ軸受に比べて、2つの保持器の使用が必要であるため、軸受製造の際高い製作費及び材料費を生じるので、その製造費も同様に高くなる。軸受の運動に関しても、このようなタンデムアンギュラコンタクト玉軸受は最適でないことがわかった。なぜならば、2列の大きい玉を使用すると、その直径に接する包絡円錐が生じ、この円錐の頂点は、押圧角軸線に対して直角な2つの互いに隣接する玉の横軸線と軸線縦軸線との交点から著しく離れているからである。
【0005】
従ってこれらの欠点を回避するため、本特許出願の出願時点にはまだ公開されなかったドイツ連邦共和国特許出願第102005014556.6号により、2列アンギュラコンタクト転がり軸受において、各列の転動体を、玉の代わりに、球基本形状から対称に平らにされかつ互いに平行に配置されるそれぞれ2つの側面を持つ球面ころとして形成し、両方の列を、タンデムアンギュラコンタクト玉軸受と同じように、異なるピッチ円直径を持つように高さをずらして並べて設けることが提案された。その際大きい方のピッチ円上にある列の球面ころは、その球基本形状において、小さい方のピッチ円上にある列の球面ころより大きい直径を持ち、両方の列の球面ころの転動面が、外レース及び内レースにあるそれぞれ2つの隣接する溝状転動路を転がる。球面ころの転動路は互いに平行に延びる押圧角軸線を持ち、互いに隣接して設けられて、各列のそれぞれ隣接する球面ころの互いに向き合う側面がすぐ互いに並んで設けられ、互いに案内し合っている。転動体として球面ころを使用することにより、このようなアンギュラコンタクト転がり軸受は、複列アンギュラコンタクト玉軸受に比べて、とりわけ最小の軸線方向及び半径方向組込み空間の点で、また大きい支持能力の点で、更に対比可能な製造費において両方の列のために一体の保持器を使用できるという点で、すぐれている。
【0006】
しかし提案された球面ころ軸受は、軸受運動学に関して同様にまだ最適に形成されていない点で不利なことがわかった。なぜならば、この特許出願の図2から明らかにわかるように、それぞれ2つの並んで設けられる球面ころの共通な横軸線が、球面ころの押圧角軸線に対して直角に延びていないからである。両方の球面ころ直径に接する包絡円錐の頂点は、従って軸受縦軸線上にあるけれども、押圧角軸線に対して直角に延びる両方の球面ころ横軸線と軸受縦軸線との交点から、水平に著しく離れていることになる。互いに並んで設けられる両方の球面ころの実際の横軸線の傾斜は、球面ころの互いに向き合う側面又は球面ころの回転軸線が、互いに半径方向のずれを持ち、このずれにより軸受作動の際球面ころが互いに同期して転がらないことの原因となる。それにより一方では個々の球面ころ対の間に摩擦が生じ、他方では球面ころ案内の際保持器が大きく負荷されて、強い発熱を生じ、転動体及び保持器の摩耗の増大従って軸受の早期の故障をひき起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知の従来技術の解決策の上述した欠点から出発して、本発明の基礎になっている課題は、並んで設けられる2つの球面ころの互いに向き合う側面又は回転軸線の半径方向ずれを回避し、互いに同期して転がる球面ころ従って磨耗の現象及び寿命の増大という点ですぐれている、アンギュラコンタクト転がり軸受特に複列球面ころ軸受を構想することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によればこの課題は、請求項1の上位概念に記載のアンギュラコンタクト転がり軸受において、両方の列の隣接する球面ころが、押圧角軸線に対して直角に延びる共通な回転軸線上にそれぞれ設けられ、これらの球面ころにその直径の所で接するすべての包絡円錐の円錐頂点が、共通な回転軸線と軸受縦軸線との交点に正確に設けられるように設定された直径及び幅を、球面ころが持っていることによって、解決される。
【0009】
従って本発明の基礎になっている認識は、円錐ころ軸受から公知の包絡円錐軸受運動学が、軸受負荷可能性、摩耗減少及び使用期間に関してすべての種類のアンギュラコンタクト転がり軸受に対して最適であり、従って今まで公知の複列球面ころ軸受が、円錐ころ軸受に対するその他の利点を包絡円錐軸受運動学の利点で補足するように、適合可能である、ということである。
【0010】
本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の特徴の好ましい構成が、従属請求項2〜5に記載されている。
【0011】
本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受において請求項2によれば、包絡円錐軸受運動学を達成するために必要な小さい方のピッチ円上に設けられる球面ころの直径を求めるために、まず共通な回転軸線と軸受縦軸線との交点に対する大きい方のピッチ円の距離が、関数

を介して求められる。このために必要な初期値は、規定された軸受寸法において既知である。なぜならば、大きい方のピッチ円上に設けられる球面ころに対して、その直径、幅、大きい方のピッチ円の直径及び軸受の押圧角が使用に関して構造的に規定されているからである。
【0012】
それから出発して請求項3によれば、小さい方のピッチ円上に設けられる球面ころに対する直径が、放射線定理から誘導される関数

から求められるように、本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の包絡円錐運動学が展開される。ここでr及びrは両方の列の球面ころの直径の半分、lは共通な回転軸線と軸受縦軸線との交点に対する大きい方のピッチ円の距離である。
【0013】
請求項4によれば、本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受において、球面ころの押圧角軸線に対して直角に設けられる回転軸線上において、大きい方のピッチ円に対する小さい方のピッチ円の距離が求められる。小さい方のピッチ円上に設けられる球面ころの構造的に規定されるその直径の70%の幅において、この距離が関数距離l=0.7x(r+r)により求められる。球面ころの直径の少なくとも70%の幅の規定は、このような幅が軸受の半径方向及び軸線方向の支持能力に関して実際によいことがわかり、従来の深溝玉軸受の玉もレースの転動路に対して持つ接触面にほぼ等しいために、行われる。
【0014】
最後に請求項5によれば、本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受は、次の特徴を持っている。即ち小さい方のピッチ円上に設けられる球面ころの側面が、大きい方のピッチ円上に設けられる球面ころの側面より小さく形成され、両方の列の隣接する2つの球面ころの互いに向き合う側面が、僅かな相互間隔を持っている。この間隔によって、両方の列の隣接する球面ころの永続的な接触が回避され、軸受の作動中における球面ころの熱膨張が許されるが、同時に振り分け運動に抗する球面ころの相互案内機能が維持される。
【0015】
従って本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受は、従来技術から公知のアンギュラコンタクト転がり軸受と比べて、次の利点を持っている。即ち包絡円錐運動学の使用により、軸受が互いに並んで設けられる2つの球面ころの互いに向き合う側面又は回転軸線の半径方向ずれをもはや持たず、それにより球面ころが互いに同期して転がる。それにより本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受は、最小の摩耗、僅かな保持器負荷及び高寿命の点ですぐれており、従来の円錐ころ軸受の利点と複列球面ころ軸受の利点とを兼ね備えている。本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の使用範囲は、軸線方向及び半径方向のトルク負荷を持つ軸又はボスを支持するための例としてあげた2列使用に拡大可能であるだけでなく、他の多くの可能な使用のほかに、すぐに隣接する二重配置においても、自動車等の分野における4列使用にも拡大可能である。
【0016】
本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の好ましい実施例が、添付図面を参照して以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1から、2列球面ころ軸受として構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受がわかり、この軸受は外レース2、内レース3、及びレース2,3の間に設けられて保持器4により周方向に互いに等間隔に保持される多数の球面ころ5,6を含んでいる。これらの球面ころ5,6は、2列7,8で異なるピッチ円直径を持つように高さをずらされて互いに並んで設けられ、図2からわかるように、球基本形状から対称に平らにされかつ互いに平行に配置されるそれぞれ2つの側面9,10及び11,12を持ち、大きい方のピッチ円TK1上にある列7の球面ころ5の直径dは、小さい方のピッチ円TK2上にある列8の球面ころ6の直径dより大きい。更に両方の列7,8の球面ころ5,6の転動面13,14は、外レース2の内側15及び内レース23の外側16に加工されているそれぞれ2つの隣接する溝状転動路17,18,19,20内で転がり、これらの転動路は互いに平行に延びる押圧角軸線21,22を持ち、かつ互いに隣接して設けられて、両方の列7,8のそれぞれ隣接する球面ころ5,6の互いに向き合う側面10,11が、直接に互いに並んで設けられるようにしている。
【0018】
本発明によれば、このアンギュラコンタクト転がり軸受1において新規なことは、両方の列7,8の隣接する球面ころ5,6が、押圧角軸線21,22に対して直角に延びる共通な回転軸線23,24上にそれぞれ設けられ、これらの球面ころ5,6にその直径d,dの所で接し、かつ図1に鎖線で示されるすべての包絡円錐25,26の円錐頂点27,28が共通な回転軸線23,24と軸受縦軸線29との交点Sに正確に設けられているように設定された直径d,d及び幅b,bを持っていることである。
【0019】
所定の軸受寸法において、大きい方のピッチ円TK1上に設けられる球面ころ5に対して、これらのころ5の図面に示されている直径d及び0.7dの幅b、大きい方のピッチ円TK1の直径及び押圧角αは、構造的に規定されているので、小さい方のピッチ円TK2トにある球面ころ6の直径dを求めるために、これらの値から次の関数

を介して、まず共通な回転軸線23,24と軸受縦軸線29との交点Sに対するピッチ円TK1の距離lが求められる。
【0020】
求められた距離lにより、続いて、小さい方のピッチ円TK2上に設けられる球面ころ6の直径dが、関数

から求められ、ここでr及びrは、図2に示されているように、両方の列7,8の球面ころ5,6の直径d,dのそれぞれ半分である。
【0021】
包絡円錐軸受運動学を完成するため、小さい方のピッチ円TK2上に設けられる球面ころ6の求められた直径dにより、押圧角軸線21,22に対して直角に設けられる球面ころ5,6の回転軸線23,24上において大きい方のピッチ円TK1に対する小さい方のピッチ円TK2の距離lが、関数
=0.7x(r+r
から求められ、ここで小さい方のピッチ円TK2上に設けられる球面ころ6の0.7dの幅bも、同様に規定されている。
【0022】
最後に図2から更にわかるように、小さい方のピッチ円TK2上に設けられる球面ころ8の側面11,12は、大きい方のピッチ円TK1上に設けられる球面ころ5の側面9,10より小さく形成され、両方の列7,8の隣接する2つの球面ころ5,6の互いに向き合うそれぞれの側面10,11は、僅かな相互間隔を持ち、それにより両方の列7,8の隣接する球面ころ5,6の永続的な接触が回避され、軸受作動中における球面ころ5,6の熱膨張が許される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の断面を示す。
【図2】 本発明により構成されるアンギュラコンタクト転がり軸受の断面の半分の拡大図を示す。
【符号の説明】
【0024】
1 球面ころ軸受
2 外レース
3 内レース
4 保持器
5,6 球面ころ
7,8 列
9,10 5の側面
11,12 6の側面
13 5の転動面
14 6の転動面
15 2の内側
16 3の外側
17,18 15にある転動路
19,20 16にある転動路
21,22 押圧角軸線
23,24 回転軸線
25,26 包絡円錐
27,28 円錐頂点
29 軸受縦軸線
23,24と29との交点
TK 大きい方のピッチ円
TK 小さい方のピッチ円
5の直径
6の直径
5の幅
6の幅
5の半径
6の半径
α 押圧角
に対するTKの距離
K2に対するTKの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンギュラコンタクト転がり軸受特に複列球面ころ軸受であって、外レース(2)、内レース(3)、及びレース(2,3)の間に設けられかつ保持器(4)により周方向に互いに等間隔に保持される多数の球面ころ(5,6)を含み、これらの球面ころ(5,6)が、少なくとも2列(7,8)で、異なるピッチ円直径に高さをずらされて、互いに並んで設けられ、かつ球基本形状から対称に平らにされかつ互いに平衡に配置されるそれぞれ2つの側面(9,10,11,12)を持ち、大きい方のピッチ円(TK1)上にある列(7)の球面ころ(5)の直径(d)が、小さい方のピッチ円(TK2)上にある列(8)の球面ころ(6)の直径(d)より大きく、両方の列(7,8)の球面ころ(5,6)の転動面(13,14)が、外レース(2)の内側(15)及び内レース(3)の外側(16)に加工されかつ互いに平行に延びる押圧角軸線(21,22)を持つそれぞれ2つの隣接する溝状転動路(17,18,19,20)内を転がり、両方の列(7,8)のそれぞれ隣接する球面ころ(5,6)が、その互いに向き合う側面(10,11)で直接互いに並んで設けられるように、転動路(17,18,19,20)が互いに隣接して設けられているものにおいて、両方の列(7,8)の隣接する球面ころ(5,6)が、押圧角軸線(21,22)に対して直角に延びる共通な回転軸線(23,24)上にそれぞれ設けられ、これらの球面ころ(5,6)にその直径(d,d)の所で接するすべての包絡円錐(25,26)の円錐頂点(27,28)が、共通な回転軸線(23,24)と軸受縦軸線(29)との交点(S)に正確に設けられるように設定された直径(d,d)及び幅(b1,b2)を、球面ころ(5,6)が持っていることを特徴とする、アンギュラコンタクト転がり軸受。
【請求項2】
所定の軸受寸法において、大きい方のピッチ円(TK1)上に設けられる球面ころ(5)に対して、直径(d)、0.7dの幅(b)、このピッチ円(TK1)の直径及び押圧角(α)が構造的に規定され、これらの値から、共通な回転軸線(23,24)と軸受縦軸線(29)との交点(S)に対するこのピッチ円(TK1)の距離(l)が、関数

を介して求められることを特徴とする、請求項1に記載のアンギュラコンタクト転がり軸受。
【請求項3】
小さい方のピッチ円(TK2)上に設けられる球面ころ(6)に対する直径(d)が、関数

から求められ、ここでr及びrは両方の列(7,8)の球面ころ(5,6)の直径(d,d)の半分、lは共通な回転軸線(23,24)と軸受縦軸線(29)との交点(S)に対する大きい方のピッチ円(TK1)の距離であることを特徴とする、請求項2に記載のアンギュラコンタクト転がり軸受。
【請求項4】
球面ころ(5,6)の押圧角軸線(21,22)に対して直角に設けられる回転軸線(23,24)上において、大きい方のピッチ円(TK1)に対する小さい方のピッチ円(TK2)の距離(l)が、小さい方のピッチ円(TK2)上に設けられる球面ころ(6)の構造的に規定される0.7dの幅(b2)において、関数I=0.7x(r+r)により求められることを特徴とする、請求項3に記載のアンギュラコンタクト転がり軸受。
【請求項5】
小さい方のピッチ円(TK2)上に設けられる球面ころ(6)の側面(11,12)が、大きい方のピッチ円(TK1)上に設けられる球面ころ(5)の側面(9,10)より小さく形成され、両方の列(7,8)の隣接する2つの球面ころ(5,6)の互いに向き合う側面(10,11)が、僅かな相互間隔を持っていることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載のアンギュラコンタクト転がり軸受。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−524788(P2009−524788A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554585(P2008−554585)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000055
【国際公開番号】WO2007/085227
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(506420843)シエフレル・コマンデイトゲゼルシヤフト (80)
【Fターム(参考)】