説明

アンテナが組み込まれたネックストラップを備える、ワイヤレスデータ伝送のための補聴器装置、およびワイヤレスデータ伝送のための方法

【課題】本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、補聴器とプログラミング装置との間のワイヤレスデータ伝送を改善した、ネックストラップを備える補聴器装置ならびに方法を提供することである。
【解決手段】ネックストラップを備える、補聴器と外部ユニットとの間のワイヤレスデータ伝送のための補聴器装置であって、
前記ネックストラップにて前記外部ユニットが補聴器ユーザの首の周りに携帯される、
形式の補聴器装置において、該補聴器装置は、
・前記ネックストラップに配置された少なくとも1つの第2アンテナ
および
・前記ネックストラップに配置された少なくとも1つの第3アンテナ
を含み、
該第3アンテナは、前記第2アンテナと電気的な直列回路によって接続されている、
ことを特徴とする補聴器装置によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のネックストラップを備える補聴器装置と、請求項10に記載の外部ユニットと補聴器との間のワイヤレスデータ伝送のための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
誘導性アンテナ、例えばフェライトコアに巻回されたコイルを備える補聴器をワイヤレスにプログラミングする場合、プログラミング装置における受信レベルは低い。なぜなら補聴器の送信能力は制限されており、補聴器アンテナは小さく構成されているからである。この原因は、制限されたバッテリ容量と、補聴器内における狭いスペース状況である。
【0003】
受信レベルが低いせいで信号/ノイズ比が小さくなり、これによって補聴器とプログラミング装置との間における最大データ率は非常に制限されてしまう。これを改善するためにはアンテナ同士の精確な配向が必要である。この際、補聴器ユーザの頭の回転は、信号/ノイズ比に対して不利な影響を与える。
【0004】
これに対して、プログラミング装置における受信レベルは高い。なぜなら、蓄積容量の大きいバッテリのために充分なスペースが設けられているからである。送信レベルが高い結果として、補聴器の位置における信号/ノイズ比率は大きくなり、これによってプログラミング装置と補聴器との間の最大データ率が可能である。アンテナ同士の精確な配向は必ずしも必要ではない。
【0005】
したがって補聴器のワイヤレスプログラミングは、非常に非対称なものである。プログラミング装置が補聴器にデータを送信する場合にはデータ伝送は高速かつ確実であるが、プログラミング装置が補聴器からデータを受信する場合には、データ伝送は低速かつ不確実である。したがって、プログラミング装置における受信信号を高める手段を発見することは有利であろう。
【0006】
公知の解決方法は、プログラミング装置を、"ランヤード(Lanyard)"とも呼ばれるネックストラップと接続することである。受信信号をできるだけ高めるために、ネックストラップの長さをできるだけ短くして、補聴器とプログラミング装置との距離を小さく保たなければならない。これの欠点は、短いネックストラップの使用は装着快適性が悪いのでユーザによって拒否されることが多いことである。プログラミング経過中に首を回転させることによるネガティブな効果は、短いネックストラップの場合にも依然として存在する。
【0007】
別の解決方法は、EP1981176A1に記載されている。多線のループアンテナが、ネックストラップの中に組み込まれている。付加的に、ループアンテナは、信号強度を高めるためにコンデンサによって直列共振にて調整される。これの欠点は、緩んだネックストラップのループアンテナのインダクタンスが使用中に著しく揺れ動いてしまうため、共振調整が困難であることである。さらには、絞扼の危険を回避するための安全上の理由により、所定の力作用においてネックストラップを開放するいわゆる解除エレメントないし分離エレメントがネックストラップに組み込まれている。ループアンテナもこの解除エレメントを通って導かれなければならないので、コンタクトの問題が生じることが多く、これによって機能性が制限されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP1981176A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、これらの欠点を克服し、補聴器とプログラミング装置との間のワイヤレスデータ伝送を改善した、ネックストラップを備える補聴器装置ならびに方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によればこの課題は、独立請求項1に記載した、
ネックストラップを備える、補聴器と外部ユニットとの間のワイヤレスデータ伝送のための補聴器装置であって、前記ネックストラップにて前記外部ユニットが補聴器ユーザの首の周りに携帯される形式の補聴器装置において、該補聴器装置は、
・前記ネックストラップに配置された少なくとも1つの第2アンテナ、
および
・前記ネックストラップに配置された少なくとも1つの第3アンテナ、
を含み、
該第3アンテナは、前記第2アンテナと電気的な直列回路によって接続されている、
ことを特徴とする補聴器装置と、
独立請求項10に記載した、
補聴器と外部ユニットとの間のワイヤレスデータ伝送のための方法において;
・前記補聴器に配置された少なくとも1つの第1アンテナによってデータを送信し、
・前記第1アンテナによって送信されたデータを、少なくとも1つの第2アンテナによって受信し、
・前記第2アンテナによって受信されたデータを、該第2アンテナと電気的に接続された第3アンテナによって送信し、
・前記第1アンテナと前記第3アンテナによって送信されたデータを、前記外部ユニットに配置された少なくとも1つの第4アンテナによって受信する、
ことを特徴とする方法によって解決される。
【0011】
本発明は、補聴器と、補聴器ユーザの首の周りのネックストラップにて携帯される外部ユニットとの間のワイヤレスのデータ伝送のための補聴器装置を請求するものである。補聴器装置は、
・ネックストラップに配置された少なくとも1つの第2アンテナ
および
・ネックストラップに配置された少なくとも1つの第3アンテナ
を含み、該第3アンテナは、電気的な直列回路によって前記第2アンテナと接続されている。
【0012】
この利点は、ネックストラップを装着するのに快適な長さに構成することができ、それにもかかわらず、ワイヤレスにデータを伝送するため充分に高い受信信号が外部ユニットに到着することである。
【0013】
本発明の発展形態においては、第2および第3アンテナはそれぞれ誘導性アンテナとすることができる。これによって近接領域における確実なデータ伝送が小さい電力要求によって保証される。
【0014】
別の実施例においては、データを補聴器から第2アンテナに入力結合し、第2アンテナに入力結合されたデータを、第3アンテナから外部ユニットへと結合することができる。このことは、補聴器と外部ユニットとの間の付加的な間接的なデータ伝送路という利点を提供する。
【0015】
補聴器装置はさらに、補聴器に配置された少なくとも1つの第1アンテナと、外部ユニットに配置された少なくとも1つの第4アンテナとを含むことができる。これによって、ワイヤレスデータ交換が可能である。
【0016】
有利には、外部ユニットは補聴器プログラミング装置とすることができる。
【0017】
さらに、第2アンテナを補聴器の近傍に配置し、第3アンテナを外部ユニットの近傍に配置することができる。これによってデータ伝送が改善される。
【0018】
別の実施形態においては、少なくとも1つの第2アンテナを、補聴器ユーザが頭を回転する際に第1アンテナが第2アンテナに接近するように配置することができる。これにより、頭の回転が、外部ユニットにて受信される出力にさほど強い影響を与えないという利点が提供される。
【0019】
この補聴器装置は、第2アンテナに対して並列に配置されている、逆方向に配向された2つのダイオードを含むこともできる。これによって、法的に定められた無線規定を遵守することができる。
【0020】
発展形態においては、補聴器装置は、第2および第3アンテナに直列に配置されている少なくとも1つの第1コンデンサおよび少なくとも1つの第2コンデンサを含むことができる。有利にはこれによって共振回路を形成することができる。
【0021】
本発明は、補聴器と外部ユニットとの間のワイヤレスデータ伝送のための方法も提供する。外部ユニットは例えば補聴器プログラミング装置である。方法は、以下のステップを含む:
・データを、補聴器に配置された少なくとも1つの第1アンテナによって出力する、
・前記第1アンテナによって出力されたデータを、少なくとも1つの第2アンテナによって受信する、
・前記第2アンテナによって受信されたデータを、前記第1アンテナと電気的に接続された少なくとも1つの第3アンテナによって出力する、
・前記第1および第3アンテナによって出力されたデータを、外部ユニットに配置された少なくとも1つの第4アンテナによって受信する。
【0022】
これにより、補聴器と外部ユニットとの間のデータ伝送が阻害されないという利点が提供される。
【0023】
方法の発展形態においては、前記少なくとも1つの第2アンテナおよび前記少なくとも1つの第3アンテナがネックストラップに配置されている。
【0024】
さらなる実施形態においては、第2アンテナを補聴器の近傍に配置し、第3アンテナを外部ユニットの近傍に配置することができる。
【0025】
さらには、少なくとも1つの第2アンテナを、補聴器ユーザが頭を回転する際に第1アンテナが第2アンテナに接近するように配置することができる。
【0026】
有利にはアンテナは、誘導性アンテナとすることができる。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、概略図に基づいた以下の複数の実施例に関する詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、従来技術によるネックストラップを備える補聴器装置を示す図である。
【図2】図2は、ネックストラップ内に2つの誘導性アンテナを備える本発明の補聴器装置を示す図である。
【図3】図3は、ネックストラップ内に3つの誘導性アンテナを備える本発明の補聴器装置を示す図である。
【図4】図4は、比較測定の線図である。
【図5】図5は、ネックストラップ内にループアンテナを備える本発明の補聴器装置を示す図である。
【実施例】
【0029】
図1は、従来技術による、補聴器1とプログラミング装置2との間のワイヤレスデータ交換12の基本原理を示す。補聴器1の設定を変更するために、伝送すべきデータがプログラミング装置2によって交換される。補聴器1の信号出力は制限されているため、プログラミング装置2との最大間隔を上回ることはできないので、補聴器ユーザ(図1ではユーザの頭4だけが図示されている)は、プログラミングプロセスの間、プログラミング装置2を首の周りのネックストラップ3において保持する。データ伝送12は、有利には補聴器1の第1誘導性アンテナ11と、プログラミング装置2の第4誘導性アンテナ21とによって誘導性に行われる。アンテナ11,21は、有利にはフェライトコアに巻回されたワイヤコイルとして構成されている。
【0030】
ネックストラップ3の引張荷重が増加した際における絞扼を回避するために、ネックストラップ3には安全分離エレメント36が設けられており、該安全分離エレメントは、所定の力作用が加わると前記ネックストラップ3を開放する。補聴器のユーザが頭を右方向に回転角度41だけ回転させた場合には、右に装着された補聴器1に対して第4アンテナ21における信号/ノイズ比率が悪化する。なぜならプログラミング装置2との間隔、および頭部4による遮蔽が増加するからである。
【0031】
頭の回転運動による影響を回避するため、および信号/ノイズ比率を一般的に改善するために、図2および3に相応する本発明の装置が選択される。図2は、左右の補聴器1を備える補聴器ユーザの頭部4を示す。補聴器1のプログラミングのために、補聴器ユーザは、ネックストラップ3に固定されたプログラミング装置2を首の周りに保持する。絞扼防止のためにネックストラップ3は安全分離エレメント23を含んでおり、該安全分離エレメントは、ネックストラップ3に所定の力作用が加わると開放される。
【0032】
2つの補聴器1には、プログラミング装置2とのワイヤレスデータ交換12のために、送信/受信コイルの形態で第1誘導性アンテナ11が配置されている。プログラミング装置2は、通信相手として、送信/受信コイルの形態で第4誘導性アンテナ21を有する。データ交換12の際には、補聴器1とプログラミング装置2との間の誘導性データが直接的な信号路12を通って交換される。
【0033】
信号出力を改善するために、付加的に、間接的な信号伝送路37,38が使用される。このためにネックストラップ3には、第2誘導性アンテナ31および第3誘導性アンテナ32が嵌め込まれている。アンテナ31,32は、有利にはフェライトコアに巻回されたワイヤコイルである。第2および第3アンテナ31,32は、電気的な接続線路39を用いた電気的な直列回路によって接続されている。第3誘導性アンテナ32は、プログラミング装置2の第4誘導性アンテナ21の近傍に配置されており、第2誘導性アンテナ31は、補聴器ユーザの首領域において補聴器1の近傍に配置されている。
【0034】
右の補聴器1が送信すると、ネックストラップ内の第2アンテナ31は、遠隔に位置するプログラミング装置2に取り付けられた第4アンテナ21よりも格段に強い信号を受信する。直列回路によって、第2アンテナ31に入力結合された電界出力は、−装置の効率だけ低減されて−第3アンテナ32に入力結合され、その後短い間隔の後、プログラミング装置2の第4アンテナ21によって間接信号38として受信される。第2アンテナ31は、有利には、頭の回転時41にプログラミング装置2から離れる方向に回転された補聴器1が第2アンテナ31に向かって移動するように配置されている。これによって確かに直接的な受信信号12は小さくなるが、しかし同時に間接的な信号成分は増大し、損失が補填される。
【0035】
データ伝送37,38の効率を高めるために、ネックストラップ3のアンテナ31,32は、直列共振にて動作される。このためにアンテナインダクタンス31,32に局地的にコンデンサ33,34が直列に接続される。容量値は、選択された動作周波数に対して共振が発生するように選択される。
【0036】
従来技術によるネックストラップを本発明によるネックストラップにあとから交換した場合に、プログラミング装置2に対する無線許可を失わないようにするために、装置がプログラミング装置2の送信電界強度を増加させるのを阻止する必要がある。したがって第3アンテナ32に対して並列に、2つの逆方向に配向されたダイオード35が接続されており、これらは第3アンテナ32における電圧を低いダイオード電圧に制限する。したがって第3アンテナ32に入力結合された電界出力は、さほど決定的な電圧を誘導することはない。直列共振回路の電流は、離れて配置された第2アンテナ31において、直接電界と比較してさほど重要な付加的電界強度が生じないように小さく維持される。
【0037】
図3は、図2に類似した本発明の装置を示しており、ここではネックストラップ3に2つの第2誘導性アンテナ31が配置されているという点が相違している。図3は、左右の補聴器1を備える補聴器ユーザの頭部4を示す。補聴器1のプログラミングのために、補聴器ユーザは、ネックストラップ3に固定されたプログラミング装置2を首の周りに保持する。絞扼防止のためにネックストラップ3は安全分離エレメント23を含み、該安全分離エレメントは、ネックストラップ3に所定の力作用が加わると開放される。
【0038】
2つの補聴器1には、プログラミング装置2とのワイヤレスデータ交換12のために、第1誘導性アンテナ11が配置されている。プログラミング装置2は、通信相手として第4誘導性アンテナ21を有する。データ交換12の際には、補聴器1とプログラミング装置2との間の誘導性データが直接的な経路を通って交換される。
【0039】
信号出力を改善するために、付加的に、間接的な信号伝送路37,38が使用される。このために、ネックストラップ3には2つの第2誘導性アンテナ31および1つの第3誘導性アンテナ32が嵌め込まれている。アンテナ31,32は、有利にはフェライトコアに巻回されたワイヤコイルである。2つの第2アンテナ31および第3アンテナ31は、電気的な接続線路39を用いた電気的な直列回路によって接続されている。第3誘導性アンテナ31は、プログラミング装置2の第4誘導性アンテナ21の近傍に配置されており、第2誘導性アンテナ31は、補聴器ユーザの首領域において補聴器1の近傍に配置されている。
【0040】
補聴器1が送信すると、その近傍に位置するネックストラップ内の第2アンテナ31が、さらに遠くに位置するプログラミング装置2に取り付けられた第4アンテナ21よりも格段に強い信号を受信する。直列回路によって、第2アンテナ31に入力結合された電界出力は、−装置の効率だけ低減されて−第3アンテナ32に入力結合され、その後短い間隔の後、プログラミング装置2の第4アンテナ21によって間接信号38として受信される。第2アンテナ31は、有利には、頭の回転時41にプログラミング装置2から離れる方向に回転された補聴器1が第2アンテナ31に向かって移動するように配置されている。これによって確かに直接的な受信信号12は小さくなるが、しかし同時に間接的な信号成分37,38は増大し、損失が補填される。
【0041】
データ伝送37,38の効率を高めるために、ネックストラップ3のアンテナ31,32は直列共振にて動作される。このためにアンテナインダクタンス31,32に局地的にコンデンサ33,34が直列に接続される。容量値は、選択された動作周波数に対して共振が発生するように選択される。
【0042】
従来技術によるネックストラップを本発明によるネックストラップにあとから交換した場合に、プログラミング装置2の無線許可を失わないようにするために、装置がプログラミング装置2の送信電界強度を増加させるのを阻止する必要がある。したがって第3アンテナ32に対して並列に、2つの逆方向に配向されたダイオード35が接続されており、これらは第3アンテナ32における電圧を低いダイオード電圧に制限する。したがって第3アンテナ32に入力結合された電界出力は、さほど決定的な電圧を誘導することはない。直列共振回路の電流は、離れて配置された第2アンテナ31において直接電界と比較してさほど重要な付加的電界強度が生じないように小さく維持される。
【0043】
補聴器1を有利に第2アンテナ31の近傍に配置することにより、補聴器ユーザにとって、補聴器1のプログラミング中の頭の回転は、従来のネックストラップを用いたときよりも格段に問題なくなる。
【0044】
図4は、図1および2の装置による、プログラミング装置2の受信強度の比較測定曲線52,53を示す。送信機として、右側の補聴器1がアクティブである。補聴器ユーザ4が頭を右に回転させると(負の角度)、従来技術によるネックストラップを使用した場合のレベルは、既に−60°の段階で危機的に低くなる(曲線53)。すなわちこのレベルは、最小限必要な受信レベルを示す目標値曲線51を下回る。本発明のネックストラップ3を使用した場合、このレベル(曲線52)は、頭の回転約−85°において初めて目標値曲線51を下回る。
【0045】
図5には、本発明の別の実施形態が図示されており、ここでは第2アンテナ31が、ネックストラップ3の大部分を占めるワイヤループアンテナとして構成されている。安全分離エレメント36は、プラグとソケットを含み、これらは安全性が危うくなった場合にネックストラップ3を開放し、ワイヤループアンテナ31を分離する。その他は、図2に示した実施例が当てはまる。ワイヤループアンテナ31の長さ延長によって、頭の回転運動41が、補聴器1とワイヤループアンテナ31との間の誘導性データ伝送37に不利に作用することはなくなる。
【符号の説明】
【0046】
1 補聴器
2 外部ユニット/プログラミング装置
3 ネックストラップ/ランヤード
4 人間の頭部
11 第1誘導性アンテナ
12 補聴器1<>外部ユニット2における誘導性データ伝送
21 第4誘導性アンテナ
31 第2誘導性アンテナ
32 第3誘導性アンテナ
33 第1コンデンサ
34 第2コンデンサ
35 ダイオードペア
36 安全分離エレメント
37 補聴器1<>第2アンテナ31における誘導性データ伝送
38 第3アンテナ32<>外部ユニット2における誘導性データ伝送
39 電気的接続線路
41 頭の回転
51 目標値曲線
52 本発明のネックストラップ3を使用した場合の受信レベル曲線
53 従来技術によるネックストラップ3を使用した場合の受信レベル曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネックストラップ(3)を備える、補聴器(1)と外部ユニット(2)との間のワイヤレスデータ伝送(12,37,38)のための補聴器装置であって、
前記ネックストラップ(3)にて前記外部ユニット(2)が補聴器ユーザの首の周りに携帯される、
形式の補聴器装置において、該補聴器装置は、
・前記ネックストラップ(3)に配置された少なくとも1つの第2アンテナ(31)
および
・前記ネックストラップ(3)に配置された少なくとも1つの第3アンテナ(32)
を含み、
該第3アンテナ(32)は、前記第2アンテナ(31)と電気的な直列回路(39)によって接続されている、
ことを特徴とする補聴器装置。
【請求項2】
前記第2アンテナ(31)および前記第3アンテナ(32)は誘導性アンテナである、
ことを特徴とする請求項1記載の補聴器装置。
【請求項3】
前記補聴器(1)から前記第2アンテナ(31)にデータが入力結合され(37)、
該第2アンテナ(31)に入力結合されたデータは、前記第3アンテナ(32)から前記外部ユニット(2)に結合される(38)、
ことを特徴とする請求項1または2記載の補聴器装置。
【請求項4】
・前記補聴器(1)に配置された少なくとも1つの第1アンテナ(1)、および、
・前記外部ユニット(2)に配置された少なくとも1つの第4アンテナ(21)
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項5】
前記外部ユニット(2)は補聴器プログラミング装置である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項6】
前記第2アンテナ(31)は前記補聴器(1)の近傍に配置されており、前記第3アンテナ(32)は前記外部ユニット(2)の近傍に配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの第2アンテナ(31)は、補聴器ユーザが頭を回転(41)する際に前記第1アンテナ(11)が前記第2アンテナ(31)に接近するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項8】
前記第3アンテナ(32)に対して並列に配置された、2つの逆方向に配向されたダイオード(35)
を特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項9】
前記第2アンテナ(31)および前記第3アンテナ(32)に対して直列に配置された、少なくとも1つの第1コンデンサ(33)および少なくとも1つの第2コンデンサ(34)
を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の補聴器装置。
【請求項10】
補聴器(1)と外部ユニット(2)との間のワイヤレスデータ伝送(12,37,38)のための方法において;
・前記補聴器(1)に配置された少なくとも1つの第1アンテナ(11)によってデータ(12,37)を送信し、
・前記第1アンテナ(11)によって送信されたデータ(37)を、少なくとも1つの第2アンテナ(31)によって受信し、
・前記第2アンテナ(31)によって受信されたデータを、該第2アンテナ(31)と電気的に接続された第3アンテナ(32)によって送信し(38)、
・前記第1アンテナ(11)と前記第3アンテナ(32)によって送信されたデータ(12,38)を、前記外部ユニット(2)に配置された少なくとも1つの第4アンテナ(21)によって受信する、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
ネックストラップ(3)が設けられ、該ネックストラップ(3)に前記少なくとも1つの第2アンテナ(31)および前記少なくとも1つの第3アンテナ(32)が配置される、
ことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第2アンテナ(31)は前記補聴器(1)の近傍に配置され、前記第3アンテナ(32)は前記外部ユニット(2)の近傍に配置される、
ことを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2アンテナ(31)は、補聴器ユーザが頭を回転(4,41)する際に前記第1アンテナ(11)が前記第2アンテナ(31)に接近するように配置される、
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
前記アンテナ(11,21,31,32)は誘導性アンテナである、
ことを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−246121(P2010−246121A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87671(P2010−87671)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【出願人】(508199657)シーメンス メディカル インストゥルメンツ プライベート リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Instruments Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】Block 28, Ayer Rajah Crescent No.06−08, 139959 Singapore, Singapore
【Fターム(参考)】