アンテナ・マスト・システム及び取付装置
ベース(102)と、複数の選択的に固定できるモジュール方式のマスト・ボディ(104)と、アンテナ・マウント(106)とを含むアンテナ・マスト・システム(100)。ベースはある基準に対して整列され、システムの各部分はベースに対して整列されて正確で再現可能なアンテナ定位システムになっている。アンテナ取付装置(106)はアンテナ・マウント(138)と、アンテナ・マウントに回動可能に取り付けられて第一の軸(160)のまわりで回動する中間部材(158)と、中間部材(158)に回動可能に取り付けられて第一の軸と実質的に平行な第二の軸(164)のまわりで回動するアンテナ・ブラケット(162)を備える。制御システムがこのシステムの作動を制御するために用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ・マスト・システム及びアンテナ取付装置に関する。詳しくは、本発明は移動電話通信アンテナの正確かつ柔軟な方位配置を可能にするアンテナ取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナは電磁信号の送信と受信に用いられる。移動電話アンテナは当業者に一般的に公知である。例えば、特許文献1は3つのアンテナ・アセンブリであって個別に回転させて隣接するセルのカバー範囲を調整できるアセンブリを提案している。
【0003】
公知のアンテナ及びアンテナ構造は、美観及び必要なスペースのためにできるだけコンパクトである必要がある。したがって、特許文献1に見られるように、アンテナは互いに接近して中心軸のまわりで等間隔に配置される。
【0004】
そのようなアンテナ・アセンブリの欠点は、各アンテナの方位の調整が各方向(左又は右)に約15度に制限されていることである。これはアンテナたちが近すぎるためである。すなわち、3つのアンテナが120度離れていると、2つの隣接するアンテナの間の方位角の範囲は90度から150度の間(すなわち、アンテナ当たり120度プラス又はマイナス15度)である。このため最新のネットワークで使用されるアンテナの能力が制限される。ほとんどすべての最新のネットワークはタンデムで動作し、しばしばもっと高い容量とデータ速度の要求に応えられるように拡張され、同時にカバー範囲の問題をなくし、干渉によって生ずるカバー範囲の制限を減らすようにしなければならない。さらに、隣接する2つのアンテナが同じ方向を指せることが望ましい。
【0005】
移動電話のアンテナはマストに取り付けられることがあり、その場合、マストはマスト・メーカーが所望する位置に設置され、その後アンテナがマストに取り付けられ、所望の方向(すなわち、方位と傾き)に調整される。従来は、3つのアンテナが異なる方向を指すようにマストに取り付けられる。各アンテナの方位は、Katherein (TM) 方位調整器具など、枠に取り付けられた望遠鏡を用いて標的によって手動でアンテナを定位する器具を用いて手でセットされる。このためプロバイダの技能者がアンテナの場所で手動で操作することが必要である。
【0006】
マストに取り付けられたアンテナの方向を定める方法はあまり正確でなく、相当な程度の誤差を生ずる。移動電話ネットワークにおける方位配置の不正確さは、結果的にセクタの過剰なオーバラップ(すなわち、隣接するアンテナ・カバー範囲の過剰なオーバラップ)、又は隣接するセクタの間のギャップを生ずる。どちらも、周波数利用効率、ネットワーク性能、及びアンテナ展開のコストという点で望ましくない。
【0007】
必要とされているものは、設置されたアンテナの精度が高く、その場において手動で調整する必要がなく、将来の構成のためにアンテナ方位を正確に調整できるアンテナ・マスト取付システムである。
【0008】
2つ以上のサービス・プロバイダ(例えば、携帯電話会社)が別のサービス・プロバイダとアンテナ・サイトを共有したいと思う場合、現在の技術はいくつかのソリューションを提供する。好ましいソリューションはアンテナ工学の範囲内でサイトを共有することができるようにすることである。これは、両方のプロバイダからの電磁信号の送信と受信が単一のアンテナから送ったり受けたりされるということを意味する。これは、あるプロバイダにとって有利であるアンテナの位置(方位と傾きの両方)が他方のプロバイダにとって不利になることがあるという欠点がある。したがって、通常のソリューションは両方のプロバイダに対して中間的な位置を採用することになるが、これはどちらにとっても最適でない。
【0009】
同様に、あるサービス・プロバイダが一つの場所から2つの異なる無線アクセス・テクノロジー(RATs)で送信したいと思う場合、単一のアンテナでそれを送信することは最適なソリューションではない。これは、アンテナが単一の方位と傾斜を有するからである。したがって両方のRATsが非常に近いフットプリントを有することになる。この効果は、ネットワークの設計(dimensioning)、最適化、及び性能管理という点で深刻な問題を引き起こす。何故なら、例えば、時分割多重アクセス(TDMA)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、及び直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)などの異なるRATsは異なる無線伝播及びリソース管理特性を生ずるからである。さらに、共通のアンテナを使用することは、各RATにとって送信パワーの低下に直接つながり、セルのカバー範囲とハンドオーバ・エリアの縮小をもたらす。これは望ましくない。
【0010】
方位を調整できる公知のアンテナ・マスト及び設置システムは一般に寸法(幅、奥行き、高さ)と電気的特性が固定された特定タイプのアンテナに限定されている。これはプロバイダがマスト及び設置システムと両立するアンテナを選ぶのに制約になる。プロバイダはその用途に最適なアンテナを選ぶことができないのでこれは望ましくない。
【0011】
従来のアンテナ・マスト装置の別の欠点は、異なる場所(例えば、都市部、郊外、及び農村)に対して異なるマストを製造する必要があるということ、すなわち従来のマストは用途特異的であるということである。例えば、都市部の用途では、マストはビルのトップに設置されるので、所望するカバー範囲が500mから3kmである場合、高さが約8mしかなくてもよい。郊外での用途では、カバー範囲が2kmから10kmでマストの高さは18mに達し、ガイドワイヤ・マストが用いられる。考えられるアンテナの位置から設置面が遠く離れている用途(例えば、遠隔の、農村地域、設置面は地面であろう)では、非常に高いマストが必要になる。高さは50mに達することがあり、カバー範囲は10kmから20kmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7015871号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述した欠点のひとつ以上を解消、又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の様態では、移動通信用のアンテナ取付装置であって、アンテナ・マウントと、このアンテナ・マウントに第一の軸のまわりで回動可能に取り付けられた中間部材と、第一の軸と実質的に平行な第二の軸のまわりで回動するように中間部材に回動可能に取り付けられたアンテナ・ブラケットを備えるアンテナ取付装置が提供される。
【0015】
このような装置を提供することによって、アンテナの方向と位置を、ある与えられた空間包絡面内で2つのアンテナを同じ方向に向けることができるほど、より良く調整することが可能になる。
【0016】
アンテナ取付装置は、中間部材をアンテナ・マウントに対して第一の軸のまわりで回動させるように構成された第一のアクチュエータと、アンテナを中間部材に対して第二の軸のまわりで回動させるように構成された第二のアクチュエータを備えることができる。
【0017】
好ましくは、第一のアクチュエータは第一の軸に直角方向に向いた回転出力シャフトを備え、装置は回転出力シャフトと中間部材の間に回転出力シャフトから中間部材に駆動力を伝達するギアボックスを備える。
【0018】
好ましくは、第二のアクチュエータは第二の軸に直角方向に向いた回転出力シャフトを備え、装置はこの回転出力シャフトとアンテナの間に回転出力シャフトからアンテナに駆動力を伝達するギアボックスを備える。
【0019】
好ましくは、ギアボックスはウオームギアを備え、ウオームギアは回転出力シャフトに結合されて、中間部材及び/又はアンテナに結合された傘歯車を駆動する。ウオーム・ギアは容易に逆に駆動できないようになっていると有利である。
【0020】
好ましくは、アクチュエータはステッピング・モータである。それによって、より正確なアンテナ位置を達成できる。好ましくは、ステッピング・モータは内蔵の光学的エンコーダを有する。
【0021】
好ましくは、マストはアンテナ位置をモニターするための電気ポテンショメータを備える。
【0022】
本発明の第二の様態では、移動電話通信用アンテナ・マスト・システムであって、ベースと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントと、アンテナ取付システムとを備え、少なくともひとつのマスト・コンポーネントは、少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに対してマスト主軸のまわりである所定の角度方位に整列させるように構成された整列手段を備え、アンテナ取付システムはアンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対してマスト主軸のまわりである所定の角度方位に整列させるように構成された整列手段を備え、アンテナ・マスト・システムを組み立てたときに、アンテナ取付システムがベースに対して所定の角度方位に整列され、ベースの基準点に対する整列がアンテナ・マウントに移されるようになっている通信アンテナ・マスト・システムが提供される。
【0023】
本発明の第三の様態では、移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法であって、ベースを用意するステップと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントを用意するステップと、アンテナ・マウントを用意するステップと、ベースを基準点に対して整列させるステップと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントがベースに対して所定の方位になるようにベースに組み立てるステップと、アンテナ・マウントが少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対して所定の方位になるように少なくともひとつのマスト・コンポーネントに組み立てて、アンテナ・マウントが基準点に対して所定の方位に向くようにするステップと、を含む方法が提供される。
【0024】
基準(例えば、北)に対して整列させたベースに対してマストの各コンポーネントを整列させることによって、その後プロバイダは手動で校正する必要なくアンテナをマストに設置することができる。プロバイダはアンテナがどの方向に向いているかを正確に知ることになり、例えば第一の様態による設置システムを用いて所望の方向に適当に調整することができる。
【0025】
本発明の第四の様態では、移動電話通信用アンテナ・マストであって、第一のアンテナ受容形態を含む第一のアンテナ取付構造と、第二のアンテナ受容形態を含む第二のアンテナ取付構造を備え、第一の取付構造と第二の取付構造は使用時には垂直方向に間隔をあけるように配置され、第一及び第二のアンテナ受容形態は独立に操作でき、、第一及び第二のアンテナ受容形態の位置を独立に調整できるアンテナ・マストが提供される。
【0026】
二組のアンテナを用いて異なるタイプの信号並びに異なるプロバイダからの信号を同じ場所で送信及び受信でき、それらを独立に調整できることにより両方の信号タイプ及び/又はプロバイダに対して最適な方位をとることが可能になる。
【0027】
本発明の第五の様態では、アンテナ・マスト・システムであって複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントとアンテナ・マウントを備え、複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントをいろいろな異なる形態で選択的に互いに固定してベースとアンテナ・マウントの間に設置者が選択する距離を設けることができるアンテナ・マスト・システムが提供される。
【0028】
本発明の第六の様態では、アンテナ・マストを設置する方法であって、ベースを用意するステップと、アンテナ・マウントを用意するステップと、複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントを用意するステップと、複数のものからいくつかのモジュール方式のマスト・コンポーネントを選択するステップと、及びいくつかのモジュール方式のマスト・コンポーネントをアンテナ・マウントとベースの間で互いに固定させて所望の距離をその間に設けるステップと、を含む方法が提供される。
【0029】
第一及び第二の固定部材は手で動かすことができる。
【0030】
複数の第一の様態によるアンテナ取付装置が取り付けられた中央アンテナ・マウントを有するアンテナ・アセンブリも提供される。好ましくは3つの第一の様態によるアンテナ取付装置がそれに取り付けられている。
【0031】
有利な形として、マスト・ボディに相補的な取付形態を設けることは、2つ以上のマスト・ボディをモジュール方式で積み重ねて必要なマスト高さを確保できることを意味する。与えられた設置要件に対して、マストをその要件を満たすように調整できる。設置者は3つのタイプのパーツをストックしておけばよく、設置要件によって用いるマスト・ボディの数が決まる。
【0032】
第一及び第二のアタッチメント形態は異なっていてもよい。あるいはまた、第一及び第二のアタッチメント形態は同じであってもよい。
【0033】
第一のアタッチメント形態は第二のアタッチメント形態を受容できるように形成することができる。
【0034】
好ましくは、ベースは表面接触面とマスト・マウントを画定するベース・ボディを含み、第一のアタッチメント形態はマスト・マウントに係合するように形成され、マスト・マウントはマスト・ボディを収容位置と表面接触面と実質的に垂直な直立位置の間で回転させるようにベース・ボディに回動可能に取り付けられる。このようにして、マストの直立は容易になる。
【0035】
好ましくは、マスト・ボディはトラス枠組みによって結合された第一のフランジと第二のフランジを備え、第一のアタッチメント形態は第一のフランジ上に画定され、第二のアタッチメント形態は第二のフランジ上に画定される。
【0036】
本発明によるアンテナ・マストとマウントの一例を添付図面にしたがって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係わるアンテナ・マストと取付装置を示す側面図である。
【図2】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図3】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図4】追加のコンポーネントが示されている、図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図5】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を示す斜視図である。
【図6】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す平面図である。
【図7】図1のアンテナ・マストと取付装置の組立の第一段階を示す斜視図である。
【図8a】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を示す分解斜視図である。
【図8b】図3の部分の別の配置を示す分解斜視図である。
【図9a】図1のアンテナ・マストと取付装置を組立位置で示す側面図である。
【図9b】図1のアンテナ・マストと取付装置を中間位置で示す側面図である。
【図9c】図1のアンテナ・マストと取付装置を直立位置で示す側面図である。
【図10】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を直立位置で示す詳細図である。
【図11】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を、いくつかのコンポーネントが除去される過程で示す詳細図である。
【図12a】図1のアンテナ・マストと取付装置を第一の形態で示す平面図である。
【図12b】図1のアンテナ・マストと取付装置を第二の形態で示す平面図である。
【図13a−j】図1のアンテナ・マストと取付装置を、図12aの第一の状態から図12bの第二の状態の間のいろいろな過渡的段階で示す平面図である。
【図14】本発明に係わる第二のアンテナ・マストと取付装置を示す側面図である。
【図15a】別のアンテナ作動システムを示す斜視図である。
【図15b】図15aのシステムを示す詳細図である。
【図16a】本発明に係わるマストを担持する車両を示す側方断面図である。
【図16b】収納した状態で本発明に係わるマストを担持する車両を示す側方断面図である。
【図17】本発明に係わる別のアンテナ取付システムを示す切り欠き斜視図である。
【図18a】本発明に係わる別の調整可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図18b】図18aの別の調整可能なアンテナ取付システムを示す詳細図である。
【図18c】図18bの別の調整可能なアンテナ取付システムを示す詳細斜視図である。
【図19a】本発明に係わる別の傾斜可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図19b】図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムの一部を示す詳細図である。
【図19c】図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムの一部を示す詳細図である。
【図19d】傾斜した状態での図19cと同様な図である。
【図19e】傾斜した状態での図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図20】アンテナを設置していない状態での別のアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図21】別のマスト・アセンブリを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1から6までに示されるように、アンテナとマスト・アセンブリ100が提供される。アセンブリは、ベース102と、マスト・ボディ104と、アンテナ・アセンブリ106を含む。
【0039】
ベース102は、一般に中心軸Pのまわりで回転対称である。ベース102は、表面取付フランジ108を含み、それは実質的に円環状であり、いくつかの強化リブ110がその中心に延びている。表面取付フランジは取付表面に取り付けるための複数の孔又は好ましくはスロット113を有する。トップ・フランジ112が設けられ、これも円環状で強化リブ114を含む。トップ・フランジ112は表面取付フランジ108から外れており、フランジ108,112の周縁のまわりに位置する複数の等間隔のポスト116によって支持されている。トップ・フランジ112はいくつかのの穴(見えない)を画定し、ボルトをそれに通すことができる。
【0040】
マスト・ボディ104は第一のフランジ118とそれから外れた第二のフランジ120を含む。第一のフランジは、いくつかの等間隔の円弧スロット121を画定し、それはボルトのシャフトを受容できるだけ十分に広くなっている。各フランジ118,120は円環状であり、それぞれいくつかの強化リブ122,124を含む。トラス構造126がフランジ118とフランジ120を結合して両者の間に一定の平行な距離を保つ。トラス構造126は、三本の直立部128が長さ方向の中央部分で3つの水平部材130によって接合されている。クロス・ブレース132が直立部の全長にわたって延びている。トラス構造126の三角形断面の形は座屈に対する抵抗を保証している。
【0041】
アンテナ・アセンブリ106は、フランジ136と、そこから直角方向に突出する直立部138を含むアンテナ取付構造134を備える。フランジ136は、図2に示されるように周縁の所定位置にあるインジケータ506を画定している。インジケータ506はフランジ136における径方向の切り欠きという形をしている。直立部138は周方向で4つが等間隔に配置され、溶接されたコーナーピース140によってその位置でフランジ136に結合されている。
【0042】
アンテナ・アセンブリ106はさらに、以下で述べるように直立部138に取り付けられるアンテナ・アレー142を含む。
【0043】
直立部138は一対の取付ブラケット150,152を備え、それらは主軸方向に間隔をあけて配置されている。各取付ブラケット150,152は直立部138を囲んで取り付けられたカラー154を含む。各取付ブラケット150,152は、互いに120度の角度で突出する3つの等間隔で配置されたラグ(lug)154を含む。各ラグ154は、以下で説明するように貫通穴156を含む。
【0044】
図2を参照すると、アンテナ・アレー142は第一のアンテナ・アセンブリ144,第二のアンテナ・アセンブリ146,及び第三のアンテナ・アセンブリ148を含む。各アンテナ・アセンブリ144,146,148は直立部138の周方向で等間隔に配置され、120度離れたデフォルト位置にある。すなわち、この好ましい実施形態では、中心軸に対するアンテナのデフォルト位置は60,180,及び300度である。60度の位置はインジケータ506から60度の位置に合致する。
【0045】
アンテナ・アセンブリ144,146,148は実質的に同一であり、したがって、ここではアンテナ・アセンブリ144だけを詳しく説明する。
【0046】
第一のアンテナ・アセンブリ144はラグ154に回動可能に取り付けられて第一の回動軸160のまわりに回動する中間部材158を含む。第一のアンテナ・アセンブリ144はまた、アンテナ・ブラケット159によって中間部材158に回動可能に取り付けられて第一の軸160と平行な第二の軸164のまわりで回動するアンテナ162を含む。
【0047】
第一のアンテナ・アセンブリ144はさらに、第一の駆動アセンブリ166と第二の駆動アセンブリ168を含む。第一の駆動アセンブリ166はステッピング・モータ170を含み、その回転出力シャフト172がそこから延びている。ステッピング・モータ170は、例えば、Nanotec (TM)高トルク・ステッピング・モータである。ステッピング・モータ170は、出力シャフト172の回転軸が第一の回動軸160に対して直角になるようにL字型ブラケット174によってラグ154に取り付けられている。
【0048】
ギアボックス176が出力シャフト172に結合され、中間部材158に固定された入力シャフト178を駆動する。ギアボックス176はウオーム駆動ギアボックスであり、出力シャフト172に取り付けられたウオームギアと、ウオームギアと係合し入力シャフト178に取り付けられた傘歯車を含むことが理解されるであろう。したがって、ステッピング・モータ170によって中間部材158を駆動して第一の回動軸のまわりに回転させることができる。有利な形としては、ウオームギアボックスは容易に逆に駆動できないようになっている。
【0049】
ウオーム・ギアボックスは、減速比が典型的には60:1のオーダーである。これによってアンテナの非常に正確な調整が、特に内蔵された減速比が100:1のステッピング・モータと組み合わせて可能になる。
【0050】
第二の駆動アセンブリ168は第一の駆動アセンブリ166と実質的に同様である。しかし、アンテナ162を中間部材158に対して第二の軸164のまわりに回転駆動するように配置されている。
【0051】
ステッピング・モータ170は設定された刻み(increment)で、例えば、1度刻みで調整を行うように配置される。
【0052】
図4を参照すると、ベースとマストのケーシング180をベースとマストの上に配置してそれらの外見をぼかし、その中に配置された電気設備182(図3を見よ)を保護することができる。アンテナ・アセンブリ144,146,148の上に円筒状のレードーム184をかぶせて雨や風から保護することができる。
【0053】
アンテナとマストのアセンブリは次のように組み立てて設置される。
【0054】
製造時、マストを直立させる前に、アンテナ・アセンブリ106が(アンテナなしで)予備構成される。アセンブリ106は、ブラケット159がそれぞれインジケータ506に対して60,180,及び300度の方向に向くように整列される。
【0055】
図7に示されるように、ベース102が建物の屋根やその他の構造などの表面10に固定具11を用いて取り付けられる。固定具11は丈夫なアンカーである。ベース102を表面10に取り付けるさい、ベース102にアダプタ12が取り付けられる。アダプタはベース取付部分13と、コンパス取付部分14と、その間の垂直ポスト15を含む。
【0056】
精度が少なくとも+/− 0.5の高精密コンパス16(Honeywell(TM)製ミューポイント、ジャイロ安定化ディジタル指示磁気コンパス、など)がコンパス取付部分14に取り付けられる。アダプタ12は、コンパスが上方フランジ112に径方向に切り込まれた切り欠きの形のインジケータ103と整列するように構成される。コンパス16はベース102の中心軸Pからある径方向距離に設置されることに注意する。
【0057】
軸Pのまわりにベース102を回してインジケータ103が北(矢印N)に向けられるようにする。固定具11を部分的に取り付けて、スロット113内でそれが動くことができるようにし、整列の微調整を行ってから最終的に締めるようにすることができることに注意しよう。
【0058】
正しい方位が達成されたら、アダプタ12が除去される。したがって、ベース102はこれで正確に基準(すなわち、北)に整列する。
【0059】
マスト・ボディ104が所望の高さに組み立てられる。このためにはひとつ以上のトラス構造126を第一及び第二のフランジ118,120に取り付ける必要がある。図8Aを参照すると、これはそれぞれフランジ118,120から突出するアングル部分119,123によって達成される。アングル部分119,123は直立部128と係合し、そこにボルトで留められてフランジ118,120を固定する。
【0060】
その構造によって、2つ(以上)のトラス構造326を図8bに示されるように組み立てて高いマスト・ボディ304を作ることができる。トラス構造はアングル部分ピース306を用いてそれをトラス構造の直立部328にそれぞれボルト留めすることで互いに固定される。
【0061】
各フランジ118,120はそれぞれ周縁エッジの所定箇所に配置されるインジケータ500,502を含む。インジケータ500,502は径方向の切り欠きである。以下で説明する理由により、インジケータ500,502を同じ周縁箇所に合わせることが非常に重要である。
【0062】
アンテナ・アセンブリ106のフランジ136はマスト・ボディ104のフランジ120に、それぞれのインジケータが整列するように取り付けられる。
【0063】
ベース102マスト・ボディ104のトップ・フランジ112は、直立軸Tのまわりで回動するようにマスト・ボディ104の第一のフランジ118にヒンジ186(図10を見よ)によって組み立てられる。図7と10に示されるように、フランジ112、118のインジケータ103,500はそれぞれヒンジ186の反対側に(すなわち180度のところに)位置する。
【0064】
マスト・ボディ104とアンテナ・アセンブリ106を、直立軸Tのまわりで図8bに示される中間位置を通って図8cに示される直立位置まで回転させると、その位置でマスト・ボディ104は地面に対して直角になり、トップ・フランジ112と第一のフランジ118は図9によって接触する。
【0065】
マスト・ボディ104がこの位置になったら、ボルト187を用いてフランジ112、118を互いに固定し、図11に示すようにヒンジ186を除去する。
【0066】
組み立てられた最終状態で、60度ブラケット159は、インジケータ506から60度の位置になっているので、インジケータ502,500及び103からも60度の位置になっていることに注意する。インジケータ103は北に合っているので、60度ブラケット159は北に対して60度を指す。
【0067】
使用時、マスト・アセンブリ100はアンテナ162なしで用意されて設置される。マストの直立のとき、及びアンテナ・アセンブリ106の予備組立のさいの前述のような正確な整列により、サービス・プロバイダはアンテナの方位角を手動で合わせる必要、又は、測定する必要はない。整列状態は、北に対して60,180,及び300度にあることが知られており、前述のような制御システムを用いてアンテナを必要に応じた方位にすることができる。
【0068】
図12aと12bを参照すると、図11aは各アンテナが120度離れているデフォルト位置又は公称位置にあるアンテナ・アセンブリ144,146,148を示している。図12bを参照すると、アンテナ・アセンブリ146,148のアンテナは回動軸160と回動軸164の両方のまわりで回転されてアンテナが実質的に同じ方向を指すようになっている。これは図13aから13jまでに示されるような2つの軸160,164のまわりでの一連の動きで達成される。特に、この動きを容易にするために、中間部材158が互いの方へほぼ18度動いていること(すなわち、それぞれ9度の動き)が見られる。
【0069】
使用時に各アンテナの位置を評価するために光学的エンコーダ(図示せず)が用意される。光学的エンコーダは、制御システムを介してステッピング・モータ170に結合されて正確な位置制御を可能にする。現在知られている光学的エンコーダの精度は0.002度より小さい。したがって、マスト・システムは北に対して(ここで説明したようなセットアップ手順を用いて)正確に方位が定められるので、プロバイダはアンテナを所望する方位に容易に向けることができる。
【0070】
アンテナの位置を制御するために用いられる制御システムが設けられる。制御システムはコンピュータに基づくシステムであり、制御ソフトウエアはコンピュータのメモリーに格納され、コンピュータはプロセッサ、モータ170への出力、及び光学的エンコーダからの入力を有する。遠隔ユーザーは、アンテナの初期角度(60,180,300度)に対する所望の方位角を入力する。するとコンピュータがステッピング・モータ170にその方位角の方へ動かすように出力信号を送る。コンピュータはアンテナの動きを光学的エンコーダからのデータを用いてモニターしてエンコーダの真の位置を決定する。したがって、制御システムはフィードバック・ループを用いてアンテナを所望の位置に調整する。
【0071】
(図示のような)3アンテナ配置において、どれか2つのアンテナが同じ方向を向くことが可能であるためには、それらの全運動範囲が120度でなければならない。詳しくいうと、図13jに示されるように、各アンテナは他のアンテナの方へ60度動く。この動きは、中間部材158に対するアンテナの軸164のまわりの51度の回転の動きと、直立部138に対する中間部材138の軸160のまわりの9度の回転の動きを含む。この動きは、軸160,164のまわりで2つの反対の方向に可能であること、したがって各アンテナはそのデフォルト位置のまわりで120度動くことができることに注意する。
【0072】
一方の軸での9度の動きと他方の軸での51度の動きは、予め定められた最大の幅と奥行きを有する寸法に対して計算されたものである。このことは、2つのアンテナが同じ方向を向いたときに(すなわち、あるアンテナは+60度、他のアンテナは−60度にあるとき)、アンテナが決して衝突しないということを意味する。具体的にいうと、これらの角度は270mm以下の幅と120mm以下の奥行きを許容する。
【0073】
アンテナ・アセンブリ144,146,148が取り付けられる中心のポール、又は直立部138は、それが担持しようとする重量荷重についての静的な研究によって予め定められた直径を有する。重いアンアテナは軽いアンテナに必要な直径よりも大きな直径のポールを必要とするであろう。普通、ポールはアルミニウム製である。
【0074】
これらの角度の他の組合せも(どちらの方向でも全回転が60度になるとして)可能であると考えられる。15−45という分割は、170mm以下の幅と85mm以下の奥行きを許容するのに適当である。
【0075】
ラドームまでの許容最小距離も考慮しなければならない。
【0076】
このように、本発明は2つのアンテナを同じ方向に向けることができるコンパクトなアンテナ・アセンブリ106を可能にする。
【0077】
図14を参照すると、複数の同一なマスト・ボディ104を相補的な組合せ形態によって互いに取り付けることができる別のアンテナ・アセンブリ200が示されている。アンテナ・アセンブリ106は一番上に配置される。マストを固定して保持し地面の支持部材204に取り付けるために複数のガイドワイヤが用いられる。
【0078】
図15を参照すると、上述の実施形態で説明した電子的な作動の代わりに、中間部材458に対するアンテナ444の回転位置が手動で設定される。ラグ154に対する中間部材458の位置も手動で設定される。ハンドル490,491を締めたりゆるめたりしてアンテナ444と中間部材458の手動による回転を可能にする。
【0079】
例えば、Vishay (TM)製のSingle Turn Wirewound Bushing Typeポテンショメータなどの電気ポテンショメータを用いてディスプレーに接続されたコンピュータにフィードバックを供給し、ユーザーが元の位置(すなわち、60,180,300度)に対する所望位置に到達したことを判定できるようにする。あるいはまた、電気ポテンショメータからの出力を遠隔モニターして技能員に遠隔指示を与えることもできる。
【0080】
一方の軸には手動システムを用い、他方の軸は自動化されたシステムを用いることもできることに注意しよう。この場合、システムの手動部分の電気ポテンショメータからの出力が自動化された部分の制御システムに入力され、基準点に対するアンテナの絶対位置はやはり制御システムに知られる。別の形では、ステッピング・モータなどの電気モータを用いて軸160と164の一方又は両方のまわりで回転位置の初期の粗い設定又は回転位置の最終微調整を行う。ある好ましい形態では、各軸のまわりの動きを制御システムにフィードバックして電気駆動モータのいずれの方向の回転も制御できるようにするスイッチなど、電気コントロールを用いて電子的に遂行される。あるいはまた、制御システムがコンピュータを備える場合、回転制御はグラフィック・ユーザー・インターフェースによってディスプレー上で行われ、ユーザーは適当なモータを選んでフィードバック信号によって回転を調整できる。
【0081】
マスト・ボディの各フランジ118,120に異なる組合せ形態を設けることもできる。こうしてもそれらを連結することができる。
【0082】
あるいはまた、上記の必要な機能を与えるために中心軸のまわりに異なる数のアンテナ・アセンブリを設けることもできる。
【0083】
アンテナに動きの自由度をさらに与えるように別のリンクを設けることもできる。例えば、中間部材とアンテナの間にさらに別の中間部材を設けることもできる。
【0084】
アンテナを車両の中に設置し、ヒンジ機構をマストの途中に配置して、図16とaと16bに示されるように、展開することも輸送のために収納することも可能になるようにできる。
【0085】
図17を参照すると、別のアンテナ・アセンブリ600が示されている。アンテナ・アセンブリ600は、フランジ604とそこから直角方向に突出する直立部606を含むアンテナ取付構造602を備える。フランジ606は、周縁の所定位置にあるインジケータ608を画定している。インジケータ608はフランジ604における径方向の切り欠きという形をしている。直立部606はフランジ604に周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース610によって結合される。
【0086】
アンテナ・アセンブリ600はさらに、直立部606に取り付けられた第一のアンテナ・アレー612と第二のアンテナ・アレー614を含む。
【0087】
各アレー612,614はアレー142と同様であり、したがって詳しくは説明しない。アレー612,614は独立に操作できることに注意しよう。したがって、アレー612のアンテナは独立にアレー614に向けることができる。このようにして、各アレーを用いて異なるプロバイダ又は異なるデータ信号タイプをカバーすることができ、複雑な施設共有技法の必要もなく、理想的なアンテナ位置に関して妥協する必要もない。
【0088】
図18aから18cまでを参照すると、別のアンテナ・アセンブリ700が示されている。アンテナ・アセンブリ700は、フランジ704とそこから直角方向に突出する直立部706を含むアンテナ取付構造702を備える。直立部706は周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース710によってフランジ704に結合されている。
【0089】
アンテナ・アセンブリ700はアンテナ・アセンブリ106と同様である。2つの取付ブラケット712,714が設けられ、それらは長手軸718に沿って垂直方向に間隔をあけている。ブラケット714は直立部706に固定されているが、ブラケット712は軸718に沿った直立部706に沿ってスライドできる。
【0090】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット712,714は3つのラグ720を備え、それぞれに中間部材722が回動可能に取り付けられている。アンテナ取付フランジ724は各中間部材722に回動可能に取り付けられている。
【0091】
したがって、取付ブラケット712は直立部706で上下に動いて異なる長さのアンテナに対応することができる。
【0092】
ブラケット712,714の角度整列を維持するために、整列スライド・レール726が設けられ、それがブラケット712,714の間に延びている。各整列スライド・レール726は中間部材722を通って軸718と平行に延びている。各中間部材722は、ブラケット712をブラケット714の方へ及びブラケット714の方から動かすにつれて、関連スライド・レールに沿ってスライドすることができる。スライド・レール726は主軸718(ブラケット712,714の回転軸)から間隔があいているので、ブラケット712,714の角度整列が維持される。グラブねじ728が中間部材から延びているラグ720を通って、ブラケット702が所望の位置になったときに固定する。
【0093】
図19aから19cまでに眼を向けると、別のアンテナ・アセンブリ800が示されている。アンテナ・アセンブリ800は、フランジ804とそこから直角方向に突出する直立部806を含むアンテナ取付構造802を備える。直立部806は周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース810によってフランジ804に結合されている。
【0094】
アンテナ・アセンブリ800はアンテナ・アセンブリ106と同様である。2つの取付ブラケット812,814が設けられ、それらは長手軸718に沿って垂直方向に間隔をあけている。
【0095】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット812,814は3つのラグ820を備え、それぞれに中間部材822が回動可能に取り付けられている。アンテナ取付コンポーネント824が各中間部材822に回動可能に取り付けられている。3つのアンテナ825が各端でアンテナ取付コンポーネント824に結合されている。
【0096】
第一のブラケット812の中間部材822に取り付けられたアンテナ取付コンポーネント824は第二のブラケット814の中間部材822に取り付けられたものとは異なる。下方のアンテナ取付コンポーネント824はボールジョイント826を含み、それによってアンテナ取付フランジ828がアンテナの主軸と直角方向の(そして図19dのページと直角方向の)軸830のまわりで回動できるようになる。
【0097】
したがって、図19cに示されるように、ブラケット814の近くで長いアンテナ取付コンポーネント824を用いてアンテナ825に下向きの傾斜を与えることができる。
【0098】
例えば、リニアーアクチュエータを用いて、上方のアンテナ取付コンポーネント824の代わりに自動的な傾斜の制御を可能にすることも本発明の範囲内にある。
【0099】
図20を参照すると、別のアンテナ・アセンブリ900が示されている。2つの取付ブラケット912,914が設けられ、それらは長手軸918に沿って垂直方向に間隔をあけている。
【0100】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット912,914は3つのラグ920を備え、それぞれに中間部材922が回動可能に取り付けられて第一の軸923のまわりで回動するようになっている。アンテナ取付コンポーネント924が各中間部材922に回動可能に取り付けられて第二の平行な軸925のまわりで回動するようになっている。アンテナ取付コンポーネント924はアンテナを受容するように構成されている。
【0101】
中間部材922の各端に安定性レール927が取り付けられている。レール927は中間部材の間での安定性を高め、トルクを下方中間部材922に伝える荷重経路として働く。
【0102】
また、6つのアクチュエータ930の組が垂直に向いており、したがって駆動力を中間部材922及びアンテナ取付コンポーネント924に伝達するウオームギアは必要とされない。
【0103】
ベース102にアンテナ及び/又はアクチュエータのための動力源を設けることができる。これは光電池、バッテリー、風力タービン、などの形をとることができる。図21を参照すると、マスト・アセンブリ100と同様なマスト・アセンブリ100を含むマスト・アセンブリ1000が設けられているが、ベース1002はかなり大きな表面積の広いベースプレート1004を含む。したがって、ベースプレート1004は安定性を高め、ベース1002を地面に取り付ける固定具を必要としない。
【0104】
ベースプレート1004は油圧ヒンジ1006を備え、それによってマスト、並びにマスト・システムに電力を供給するためのエネルギーの捕集と貯蔵のための一連の電池に接続された光起電力ソーラーパネル1008を上げたり下げたりすることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ・マスト・システム及びアンテナ取付装置に関する。詳しくは、本発明は移動電話通信アンテナの正確かつ柔軟な方位配置を可能にするアンテナ取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナは電磁信号の送信と受信に用いられる。移動電話アンテナは当業者に一般的に公知である。例えば、特許文献1は3つのアンテナ・アセンブリであって個別に回転させて隣接するセルのカバー範囲を調整できるアセンブリを提案している。
【0003】
公知のアンテナ及びアンテナ構造は、美観及び必要なスペースのためにできるだけコンパクトである必要がある。したがって、特許文献1に見られるように、アンテナは互いに接近して中心軸のまわりで等間隔に配置される。
【0004】
そのようなアンテナ・アセンブリの欠点は、各アンテナの方位の調整が各方向(左又は右)に約15度に制限されていることである。これはアンテナたちが近すぎるためである。すなわち、3つのアンテナが120度離れていると、2つの隣接するアンテナの間の方位角の範囲は90度から150度の間(すなわち、アンテナ当たり120度プラス又はマイナス15度)である。このため最新のネットワークで使用されるアンテナの能力が制限される。ほとんどすべての最新のネットワークはタンデムで動作し、しばしばもっと高い容量とデータ速度の要求に応えられるように拡張され、同時にカバー範囲の問題をなくし、干渉によって生ずるカバー範囲の制限を減らすようにしなければならない。さらに、隣接する2つのアンテナが同じ方向を指せることが望ましい。
【0005】
移動電話のアンテナはマストに取り付けられることがあり、その場合、マストはマスト・メーカーが所望する位置に設置され、その後アンテナがマストに取り付けられ、所望の方向(すなわち、方位と傾き)に調整される。従来は、3つのアンテナが異なる方向を指すようにマストに取り付けられる。各アンテナの方位は、Katherein (TM) 方位調整器具など、枠に取り付けられた望遠鏡を用いて標的によって手動でアンテナを定位する器具を用いて手でセットされる。このためプロバイダの技能者がアンテナの場所で手動で操作することが必要である。
【0006】
マストに取り付けられたアンテナの方向を定める方法はあまり正確でなく、相当な程度の誤差を生ずる。移動電話ネットワークにおける方位配置の不正確さは、結果的にセクタの過剰なオーバラップ(すなわち、隣接するアンテナ・カバー範囲の過剰なオーバラップ)、又は隣接するセクタの間のギャップを生ずる。どちらも、周波数利用効率、ネットワーク性能、及びアンテナ展開のコストという点で望ましくない。
【0007】
必要とされているものは、設置されたアンテナの精度が高く、その場において手動で調整する必要がなく、将来の構成のためにアンテナ方位を正確に調整できるアンテナ・マスト取付システムである。
【0008】
2つ以上のサービス・プロバイダ(例えば、携帯電話会社)が別のサービス・プロバイダとアンテナ・サイトを共有したいと思う場合、現在の技術はいくつかのソリューションを提供する。好ましいソリューションはアンテナ工学の範囲内でサイトを共有することができるようにすることである。これは、両方のプロバイダからの電磁信号の送信と受信が単一のアンテナから送ったり受けたりされるということを意味する。これは、あるプロバイダにとって有利であるアンテナの位置(方位と傾きの両方)が他方のプロバイダにとって不利になることがあるという欠点がある。したがって、通常のソリューションは両方のプロバイダに対して中間的な位置を採用することになるが、これはどちらにとっても最適でない。
【0009】
同様に、あるサービス・プロバイダが一つの場所から2つの異なる無線アクセス・テクノロジー(RATs)で送信したいと思う場合、単一のアンテナでそれを送信することは最適なソリューションではない。これは、アンテナが単一の方位と傾斜を有するからである。したがって両方のRATsが非常に近いフットプリントを有することになる。この効果は、ネットワークの設計(dimensioning)、最適化、及び性能管理という点で深刻な問題を引き起こす。何故なら、例えば、時分割多重アクセス(TDMA)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA)、及び直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)などの異なるRATsは異なる無線伝播及びリソース管理特性を生ずるからである。さらに、共通のアンテナを使用することは、各RATにとって送信パワーの低下に直接つながり、セルのカバー範囲とハンドオーバ・エリアの縮小をもたらす。これは望ましくない。
【0010】
方位を調整できる公知のアンテナ・マスト及び設置システムは一般に寸法(幅、奥行き、高さ)と電気的特性が固定された特定タイプのアンテナに限定されている。これはプロバイダがマスト及び設置システムと両立するアンテナを選ぶのに制約になる。プロバイダはその用途に最適なアンテナを選ぶことができないのでこれは望ましくない。
【0011】
従来のアンテナ・マスト装置の別の欠点は、異なる場所(例えば、都市部、郊外、及び農村)に対して異なるマストを製造する必要があるということ、すなわち従来のマストは用途特異的であるということである。例えば、都市部の用途では、マストはビルのトップに設置されるので、所望するカバー範囲が500mから3kmである場合、高さが約8mしかなくてもよい。郊外での用途では、カバー範囲が2kmから10kmでマストの高さは18mに達し、ガイドワイヤ・マストが用いられる。考えられるアンテナの位置から設置面が遠く離れている用途(例えば、遠隔の、農村地域、設置面は地面であろう)では、非常に高いマストが必要になる。高さは50mに達することがあり、カバー範囲は10kmから20kmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7015871号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述した欠点のひとつ以上を解消、又は少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の様態では、移動通信用のアンテナ取付装置であって、アンテナ・マウントと、このアンテナ・マウントに第一の軸のまわりで回動可能に取り付けられた中間部材と、第一の軸と実質的に平行な第二の軸のまわりで回動するように中間部材に回動可能に取り付けられたアンテナ・ブラケットを備えるアンテナ取付装置が提供される。
【0015】
このような装置を提供することによって、アンテナの方向と位置を、ある与えられた空間包絡面内で2つのアンテナを同じ方向に向けることができるほど、より良く調整することが可能になる。
【0016】
アンテナ取付装置は、中間部材をアンテナ・マウントに対して第一の軸のまわりで回動させるように構成された第一のアクチュエータと、アンテナを中間部材に対して第二の軸のまわりで回動させるように構成された第二のアクチュエータを備えることができる。
【0017】
好ましくは、第一のアクチュエータは第一の軸に直角方向に向いた回転出力シャフトを備え、装置は回転出力シャフトと中間部材の間に回転出力シャフトから中間部材に駆動力を伝達するギアボックスを備える。
【0018】
好ましくは、第二のアクチュエータは第二の軸に直角方向に向いた回転出力シャフトを備え、装置はこの回転出力シャフトとアンテナの間に回転出力シャフトからアンテナに駆動力を伝達するギアボックスを備える。
【0019】
好ましくは、ギアボックスはウオームギアを備え、ウオームギアは回転出力シャフトに結合されて、中間部材及び/又はアンテナに結合された傘歯車を駆動する。ウオーム・ギアは容易に逆に駆動できないようになっていると有利である。
【0020】
好ましくは、アクチュエータはステッピング・モータである。それによって、より正確なアンテナ位置を達成できる。好ましくは、ステッピング・モータは内蔵の光学的エンコーダを有する。
【0021】
好ましくは、マストはアンテナ位置をモニターするための電気ポテンショメータを備える。
【0022】
本発明の第二の様態では、移動電話通信用アンテナ・マスト・システムであって、ベースと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントと、アンテナ取付システムとを備え、少なくともひとつのマスト・コンポーネントは、少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに対してマスト主軸のまわりである所定の角度方位に整列させるように構成された整列手段を備え、アンテナ取付システムはアンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対してマスト主軸のまわりである所定の角度方位に整列させるように構成された整列手段を備え、アンテナ・マスト・システムを組み立てたときに、アンテナ取付システムがベースに対して所定の角度方位に整列され、ベースの基準点に対する整列がアンテナ・マウントに移されるようになっている通信アンテナ・マスト・システムが提供される。
【0023】
本発明の第三の様態では、移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法であって、ベースを用意するステップと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントを用意するステップと、アンテナ・マウントを用意するステップと、ベースを基準点に対して整列させるステップと、少なくともひとつのマスト・コンポーネントがベースに対して所定の方位になるようにベースに組み立てるステップと、アンテナ・マウントが少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対して所定の方位になるように少なくともひとつのマスト・コンポーネントに組み立てて、アンテナ・マウントが基準点に対して所定の方位に向くようにするステップと、を含む方法が提供される。
【0024】
基準(例えば、北)に対して整列させたベースに対してマストの各コンポーネントを整列させることによって、その後プロバイダは手動で校正する必要なくアンテナをマストに設置することができる。プロバイダはアンテナがどの方向に向いているかを正確に知ることになり、例えば第一の様態による設置システムを用いて所望の方向に適当に調整することができる。
【0025】
本発明の第四の様態では、移動電話通信用アンテナ・マストであって、第一のアンテナ受容形態を含む第一のアンテナ取付構造と、第二のアンテナ受容形態を含む第二のアンテナ取付構造を備え、第一の取付構造と第二の取付構造は使用時には垂直方向に間隔をあけるように配置され、第一及び第二のアンテナ受容形態は独立に操作でき、、第一及び第二のアンテナ受容形態の位置を独立に調整できるアンテナ・マストが提供される。
【0026】
二組のアンテナを用いて異なるタイプの信号並びに異なるプロバイダからの信号を同じ場所で送信及び受信でき、それらを独立に調整できることにより両方の信号タイプ及び/又はプロバイダに対して最適な方位をとることが可能になる。
【0027】
本発明の第五の様態では、アンテナ・マスト・システムであって複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントとアンテナ・マウントを備え、複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントをいろいろな異なる形態で選択的に互いに固定してベースとアンテナ・マウントの間に設置者が選択する距離を設けることができるアンテナ・マスト・システムが提供される。
【0028】
本発明の第六の様態では、アンテナ・マストを設置する方法であって、ベースを用意するステップと、アンテナ・マウントを用意するステップと、複数のモジュール方式のマスト・コンポーネントを用意するステップと、複数のものからいくつかのモジュール方式のマスト・コンポーネントを選択するステップと、及びいくつかのモジュール方式のマスト・コンポーネントをアンテナ・マウントとベースの間で互いに固定させて所望の距離をその間に設けるステップと、を含む方法が提供される。
【0029】
第一及び第二の固定部材は手で動かすことができる。
【0030】
複数の第一の様態によるアンテナ取付装置が取り付けられた中央アンテナ・マウントを有するアンテナ・アセンブリも提供される。好ましくは3つの第一の様態によるアンテナ取付装置がそれに取り付けられている。
【0031】
有利な形として、マスト・ボディに相補的な取付形態を設けることは、2つ以上のマスト・ボディをモジュール方式で積み重ねて必要なマスト高さを確保できることを意味する。与えられた設置要件に対して、マストをその要件を満たすように調整できる。設置者は3つのタイプのパーツをストックしておけばよく、設置要件によって用いるマスト・ボディの数が決まる。
【0032】
第一及び第二のアタッチメント形態は異なっていてもよい。あるいはまた、第一及び第二のアタッチメント形態は同じであってもよい。
【0033】
第一のアタッチメント形態は第二のアタッチメント形態を受容できるように形成することができる。
【0034】
好ましくは、ベースは表面接触面とマスト・マウントを画定するベース・ボディを含み、第一のアタッチメント形態はマスト・マウントに係合するように形成され、マスト・マウントはマスト・ボディを収容位置と表面接触面と実質的に垂直な直立位置の間で回転させるようにベース・ボディに回動可能に取り付けられる。このようにして、マストの直立は容易になる。
【0035】
好ましくは、マスト・ボディはトラス枠組みによって結合された第一のフランジと第二のフランジを備え、第一のアタッチメント形態は第一のフランジ上に画定され、第二のアタッチメント形態は第二のフランジ上に画定される。
【0036】
本発明によるアンテナ・マストとマウントの一例を添付図面にしたがって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係わるアンテナ・マストと取付装置を示す側面図である。
【図2】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図3】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図4】追加のコンポーネントが示されている、図1のアンテナ・マストと取付装置を示す斜視図である。
【図5】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を示す斜視図である。
【図6】図1のアンテナ・マストと取付装置を示す平面図である。
【図7】図1のアンテナ・マストと取付装置の組立の第一段階を示す斜視図である。
【図8a】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を示す分解斜視図である。
【図8b】図3の部分の別の配置を示す分解斜視図である。
【図9a】図1のアンテナ・マストと取付装置を組立位置で示す側面図である。
【図9b】図1のアンテナ・マストと取付装置を中間位置で示す側面図である。
【図9c】図1のアンテナ・マストと取付装置を直立位置で示す側面図である。
【図10】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を直立位置で示す詳細図である。
【図11】図1のアンテナ・マストと取付装置の一部を、いくつかのコンポーネントが除去される過程で示す詳細図である。
【図12a】図1のアンテナ・マストと取付装置を第一の形態で示す平面図である。
【図12b】図1のアンテナ・マストと取付装置を第二の形態で示す平面図である。
【図13a−j】図1のアンテナ・マストと取付装置を、図12aの第一の状態から図12bの第二の状態の間のいろいろな過渡的段階で示す平面図である。
【図14】本発明に係わる第二のアンテナ・マストと取付装置を示す側面図である。
【図15a】別のアンテナ作動システムを示す斜視図である。
【図15b】図15aのシステムを示す詳細図である。
【図16a】本発明に係わるマストを担持する車両を示す側方断面図である。
【図16b】収納した状態で本発明に係わるマストを担持する車両を示す側方断面図である。
【図17】本発明に係わる別のアンテナ取付システムを示す切り欠き斜視図である。
【図18a】本発明に係わる別の調整可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図18b】図18aの別の調整可能なアンテナ取付システムを示す詳細図である。
【図18c】図18bの別の調整可能なアンテナ取付システムを示す詳細斜視図である。
【図19a】本発明に係わる別の傾斜可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図19b】図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムの一部を示す詳細図である。
【図19c】図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムの一部を示す詳細図である。
【図19d】傾斜した状態での図19cと同様な図である。
【図19e】傾斜した状態での図19aの別の傾斜可能なアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図20】アンテナを設置していない状態での別のアンテナ取付システムを示す側面図である。
【図21】別のマスト・アセンブリを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1から6までに示されるように、アンテナとマスト・アセンブリ100が提供される。アセンブリは、ベース102と、マスト・ボディ104と、アンテナ・アセンブリ106を含む。
【0039】
ベース102は、一般に中心軸Pのまわりで回転対称である。ベース102は、表面取付フランジ108を含み、それは実質的に円環状であり、いくつかの強化リブ110がその中心に延びている。表面取付フランジは取付表面に取り付けるための複数の孔又は好ましくはスロット113を有する。トップ・フランジ112が設けられ、これも円環状で強化リブ114を含む。トップ・フランジ112は表面取付フランジ108から外れており、フランジ108,112の周縁のまわりに位置する複数の等間隔のポスト116によって支持されている。トップ・フランジ112はいくつかのの穴(見えない)を画定し、ボルトをそれに通すことができる。
【0040】
マスト・ボディ104は第一のフランジ118とそれから外れた第二のフランジ120を含む。第一のフランジは、いくつかの等間隔の円弧スロット121を画定し、それはボルトのシャフトを受容できるだけ十分に広くなっている。各フランジ118,120は円環状であり、それぞれいくつかの強化リブ122,124を含む。トラス構造126がフランジ118とフランジ120を結合して両者の間に一定の平行な距離を保つ。トラス構造126は、三本の直立部128が長さ方向の中央部分で3つの水平部材130によって接合されている。クロス・ブレース132が直立部の全長にわたって延びている。トラス構造126の三角形断面の形は座屈に対する抵抗を保証している。
【0041】
アンテナ・アセンブリ106は、フランジ136と、そこから直角方向に突出する直立部138を含むアンテナ取付構造134を備える。フランジ136は、図2に示されるように周縁の所定位置にあるインジケータ506を画定している。インジケータ506はフランジ136における径方向の切り欠きという形をしている。直立部138は周方向で4つが等間隔に配置され、溶接されたコーナーピース140によってその位置でフランジ136に結合されている。
【0042】
アンテナ・アセンブリ106はさらに、以下で述べるように直立部138に取り付けられるアンテナ・アレー142を含む。
【0043】
直立部138は一対の取付ブラケット150,152を備え、それらは主軸方向に間隔をあけて配置されている。各取付ブラケット150,152は直立部138を囲んで取り付けられたカラー154を含む。各取付ブラケット150,152は、互いに120度の角度で突出する3つの等間隔で配置されたラグ(lug)154を含む。各ラグ154は、以下で説明するように貫通穴156を含む。
【0044】
図2を参照すると、アンテナ・アレー142は第一のアンテナ・アセンブリ144,第二のアンテナ・アセンブリ146,及び第三のアンテナ・アセンブリ148を含む。各アンテナ・アセンブリ144,146,148は直立部138の周方向で等間隔に配置され、120度離れたデフォルト位置にある。すなわち、この好ましい実施形態では、中心軸に対するアンテナのデフォルト位置は60,180,及び300度である。60度の位置はインジケータ506から60度の位置に合致する。
【0045】
アンテナ・アセンブリ144,146,148は実質的に同一であり、したがって、ここではアンテナ・アセンブリ144だけを詳しく説明する。
【0046】
第一のアンテナ・アセンブリ144はラグ154に回動可能に取り付けられて第一の回動軸160のまわりに回動する中間部材158を含む。第一のアンテナ・アセンブリ144はまた、アンテナ・ブラケット159によって中間部材158に回動可能に取り付けられて第一の軸160と平行な第二の軸164のまわりで回動するアンテナ162を含む。
【0047】
第一のアンテナ・アセンブリ144はさらに、第一の駆動アセンブリ166と第二の駆動アセンブリ168を含む。第一の駆動アセンブリ166はステッピング・モータ170を含み、その回転出力シャフト172がそこから延びている。ステッピング・モータ170は、例えば、Nanotec (TM)高トルク・ステッピング・モータである。ステッピング・モータ170は、出力シャフト172の回転軸が第一の回動軸160に対して直角になるようにL字型ブラケット174によってラグ154に取り付けられている。
【0048】
ギアボックス176が出力シャフト172に結合され、中間部材158に固定された入力シャフト178を駆動する。ギアボックス176はウオーム駆動ギアボックスであり、出力シャフト172に取り付けられたウオームギアと、ウオームギアと係合し入力シャフト178に取り付けられた傘歯車を含むことが理解されるであろう。したがって、ステッピング・モータ170によって中間部材158を駆動して第一の回動軸のまわりに回転させることができる。有利な形としては、ウオームギアボックスは容易に逆に駆動できないようになっている。
【0049】
ウオーム・ギアボックスは、減速比が典型的には60:1のオーダーである。これによってアンテナの非常に正確な調整が、特に内蔵された減速比が100:1のステッピング・モータと組み合わせて可能になる。
【0050】
第二の駆動アセンブリ168は第一の駆動アセンブリ166と実質的に同様である。しかし、アンテナ162を中間部材158に対して第二の軸164のまわりに回転駆動するように配置されている。
【0051】
ステッピング・モータ170は設定された刻み(increment)で、例えば、1度刻みで調整を行うように配置される。
【0052】
図4を参照すると、ベースとマストのケーシング180をベースとマストの上に配置してそれらの外見をぼかし、その中に配置された電気設備182(図3を見よ)を保護することができる。アンテナ・アセンブリ144,146,148の上に円筒状のレードーム184をかぶせて雨や風から保護することができる。
【0053】
アンテナとマストのアセンブリは次のように組み立てて設置される。
【0054】
製造時、マストを直立させる前に、アンテナ・アセンブリ106が(アンテナなしで)予備構成される。アセンブリ106は、ブラケット159がそれぞれインジケータ506に対して60,180,及び300度の方向に向くように整列される。
【0055】
図7に示されるように、ベース102が建物の屋根やその他の構造などの表面10に固定具11を用いて取り付けられる。固定具11は丈夫なアンカーである。ベース102を表面10に取り付けるさい、ベース102にアダプタ12が取り付けられる。アダプタはベース取付部分13と、コンパス取付部分14と、その間の垂直ポスト15を含む。
【0056】
精度が少なくとも+/− 0.5の高精密コンパス16(Honeywell(TM)製ミューポイント、ジャイロ安定化ディジタル指示磁気コンパス、など)がコンパス取付部分14に取り付けられる。アダプタ12は、コンパスが上方フランジ112に径方向に切り込まれた切り欠きの形のインジケータ103と整列するように構成される。コンパス16はベース102の中心軸Pからある径方向距離に設置されることに注意する。
【0057】
軸Pのまわりにベース102を回してインジケータ103が北(矢印N)に向けられるようにする。固定具11を部分的に取り付けて、スロット113内でそれが動くことができるようにし、整列の微調整を行ってから最終的に締めるようにすることができることに注意しよう。
【0058】
正しい方位が達成されたら、アダプタ12が除去される。したがって、ベース102はこれで正確に基準(すなわち、北)に整列する。
【0059】
マスト・ボディ104が所望の高さに組み立てられる。このためにはひとつ以上のトラス構造126を第一及び第二のフランジ118,120に取り付ける必要がある。図8Aを参照すると、これはそれぞれフランジ118,120から突出するアングル部分119,123によって達成される。アングル部分119,123は直立部128と係合し、そこにボルトで留められてフランジ118,120を固定する。
【0060】
その構造によって、2つ(以上)のトラス構造326を図8bに示されるように組み立てて高いマスト・ボディ304を作ることができる。トラス構造はアングル部分ピース306を用いてそれをトラス構造の直立部328にそれぞれボルト留めすることで互いに固定される。
【0061】
各フランジ118,120はそれぞれ周縁エッジの所定箇所に配置されるインジケータ500,502を含む。インジケータ500,502は径方向の切り欠きである。以下で説明する理由により、インジケータ500,502を同じ周縁箇所に合わせることが非常に重要である。
【0062】
アンテナ・アセンブリ106のフランジ136はマスト・ボディ104のフランジ120に、それぞれのインジケータが整列するように取り付けられる。
【0063】
ベース102マスト・ボディ104のトップ・フランジ112は、直立軸Tのまわりで回動するようにマスト・ボディ104の第一のフランジ118にヒンジ186(図10を見よ)によって組み立てられる。図7と10に示されるように、フランジ112、118のインジケータ103,500はそれぞれヒンジ186の反対側に(すなわち180度のところに)位置する。
【0064】
マスト・ボディ104とアンテナ・アセンブリ106を、直立軸Tのまわりで図8bに示される中間位置を通って図8cに示される直立位置まで回転させると、その位置でマスト・ボディ104は地面に対して直角になり、トップ・フランジ112と第一のフランジ118は図9によって接触する。
【0065】
マスト・ボディ104がこの位置になったら、ボルト187を用いてフランジ112、118を互いに固定し、図11に示すようにヒンジ186を除去する。
【0066】
組み立てられた最終状態で、60度ブラケット159は、インジケータ506から60度の位置になっているので、インジケータ502,500及び103からも60度の位置になっていることに注意する。インジケータ103は北に合っているので、60度ブラケット159は北に対して60度を指す。
【0067】
使用時、マスト・アセンブリ100はアンテナ162なしで用意されて設置される。マストの直立のとき、及びアンテナ・アセンブリ106の予備組立のさいの前述のような正確な整列により、サービス・プロバイダはアンテナの方位角を手動で合わせる必要、又は、測定する必要はない。整列状態は、北に対して60,180,及び300度にあることが知られており、前述のような制御システムを用いてアンテナを必要に応じた方位にすることができる。
【0068】
図12aと12bを参照すると、図11aは各アンテナが120度離れているデフォルト位置又は公称位置にあるアンテナ・アセンブリ144,146,148を示している。図12bを参照すると、アンテナ・アセンブリ146,148のアンテナは回動軸160と回動軸164の両方のまわりで回転されてアンテナが実質的に同じ方向を指すようになっている。これは図13aから13jまでに示されるような2つの軸160,164のまわりでの一連の動きで達成される。特に、この動きを容易にするために、中間部材158が互いの方へほぼ18度動いていること(すなわち、それぞれ9度の動き)が見られる。
【0069】
使用時に各アンテナの位置を評価するために光学的エンコーダ(図示せず)が用意される。光学的エンコーダは、制御システムを介してステッピング・モータ170に結合されて正確な位置制御を可能にする。現在知られている光学的エンコーダの精度は0.002度より小さい。したがって、マスト・システムは北に対して(ここで説明したようなセットアップ手順を用いて)正確に方位が定められるので、プロバイダはアンテナを所望する方位に容易に向けることができる。
【0070】
アンテナの位置を制御するために用いられる制御システムが設けられる。制御システムはコンピュータに基づくシステムであり、制御ソフトウエアはコンピュータのメモリーに格納され、コンピュータはプロセッサ、モータ170への出力、及び光学的エンコーダからの入力を有する。遠隔ユーザーは、アンテナの初期角度(60,180,300度)に対する所望の方位角を入力する。するとコンピュータがステッピング・モータ170にその方位角の方へ動かすように出力信号を送る。コンピュータはアンテナの動きを光学的エンコーダからのデータを用いてモニターしてエンコーダの真の位置を決定する。したがって、制御システムはフィードバック・ループを用いてアンテナを所望の位置に調整する。
【0071】
(図示のような)3アンテナ配置において、どれか2つのアンテナが同じ方向を向くことが可能であるためには、それらの全運動範囲が120度でなければならない。詳しくいうと、図13jに示されるように、各アンテナは他のアンテナの方へ60度動く。この動きは、中間部材158に対するアンテナの軸164のまわりの51度の回転の動きと、直立部138に対する中間部材138の軸160のまわりの9度の回転の動きを含む。この動きは、軸160,164のまわりで2つの反対の方向に可能であること、したがって各アンテナはそのデフォルト位置のまわりで120度動くことができることに注意する。
【0072】
一方の軸での9度の動きと他方の軸での51度の動きは、予め定められた最大の幅と奥行きを有する寸法に対して計算されたものである。このことは、2つのアンテナが同じ方向を向いたときに(すなわち、あるアンテナは+60度、他のアンテナは−60度にあるとき)、アンテナが決して衝突しないということを意味する。具体的にいうと、これらの角度は270mm以下の幅と120mm以下の奥行きを許容する。
【0073】
アンテナ・アセンブリ144,146,148が取り付けられる中心のポール、又は直立部138は、それが担持しようとする重量荷重についての静的な研究によって予め定められた直径を有する。重いアンアテナは軽いアンテナに必要な直径よりも大きな直径のポールを必要とするであろう。普通、ポールはアルミニウム製である。
【0074】
これらの角度の他の組合せも(どちらの方向でも全回転が60度になるとして)可能であると考えられる。15−45という分割は、170mm以下の幅と85mm以下の奥行きを許容するのに適当である。
【0075】
ラドームまでの許容最小距離も考慮しなければならない。
【0076】
このように、本発明は2つのアンテナを同じ方向に向けることができるコンパクトなアンテナ・アセンブリ106を可能にする。
【0077】
図14を参照すると、複数の同一なマスト・ボディ104を相補的な組合せ形態によって互いに取り付けることができる別のアンテナ・アセンブリ200が示されている。アンテナ・アセンブリ106は一番上に配置される。マストを固定して保持し地面の支持部材204に取り付けるために複数のガイドワイヤが用いられる。
【0078】
図15を参照すると、上述の実施形態で説明した電子的な作動の代わりに、中間部材458に対するアンテナ444の回転位置が手動で設定される。ラグ154に対する中間部材458の位置も手動で設定される。ハンドル490,491を締めたりゆるめたりしてアンテナ444と中間部材458の手動による回転を可能にする。
【0079】
例えば、Vishay (TM)製のSingle Turn Wirewound Bushing Typeポテンショメータなどの電気ポテンショメータを用いてディスプレーに接続されたコンピュータにフィードバックを供給し、ユーザーが元の位置(すなわち、60,180,300度)に対する所望位置に到達したことを判定できるようにする。あるいはまた、電気ポテンショメータからの出力を遠隔モニターして技能員に遠隔指示を与えることもできる。
【0080】
一方の軸には手動システムを用い、他方の軸は自動化されたシステムを用いることもできることに注意しよう。この場合、システムの手動部分の電気ポテンショメータからの出力が自動化された部分の制御システムに入力され、基準点に対するアンテナの絶対位置はやはり制御システムに知られる。別の形では、ステッピング・モータなどの電気モータを用いて軸160と164の一方又は両方のまわりで回転位置の初期の粗い設定又は回転位置の最終微調整を行う。ある好ましい形態では、各軸のまわりの動きを制御システムにフィードバックして電気駆動モータのいずれの方向の回転も制御できるようにするスイッチなど、電気コントロールを用いて電子的に遂行される。あるいはまた、制御システムがコンピュータを備える場合、回転制御はグラフィック・ユーザー・インターフェースによってディスプレー上で行われ、ユーザーは適当なモータを選んでフィードバック信号によって回転を調整できる。
【0081】
マスト・ボディの各フランジ118,120に異なる組合せ形態を設けることもできる。こうしてもそれらを連結することができる。
【0082】
あるいはまた、上記の必要な機能を与えるために中心軸のまわりに異なる数のアンテナ・アセンブリを設けることもできる。
【0083】
アンテナに動きの自由度をさらに与えるように別のリンクを設けることもできる。例えば、中間部材とアンテナの間にさらに別の中間部材を設けることもできる。
【0084】
アンテナを車両の中に設置し、ヒンジ機構をマストの途中に配置して、図16とaと16bに示されるように、展開することも輸送のために収納することも可能になるようにできる。
【0085】
図17を参照すると、別のアンテナ・アセンブリ600が示されている。アンテナ・アセンブリ600は、フランジ604とそこから直角方向に突出する直立部606を含むアンテナ取付構造602を備える。フランジ606は、周縁の所定位置にあるインジケータ608を画定している。インジケータ608はフランジ604における径方向の切り欠きという形をしている。直立部606はフランジ604に周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース610によって結合される。
【0086】
アンテナ・アセンブリ600はさらに、直立部606に取り付けられた第一のアンテナ・アレー612と第二のアンテナ・アレー614を含む。
【0087】
各アレー612,614はアレー142と同様であり、したがって詳しくは説明しない。アレー612,614は独立に操作できることに注意しよう。したがって、アレー612のアンテナは独立にアレー614に向けることができる。このようにして、各アレーを用いて異なるプロバイダ又は異なるデータ信号タイプをカバーすることができ、複雑な施設共有技法の必要もなく、理想的なアンテナ位置に関して妥協する必要もない。
【0088】
図18aから18cまでを参照すると、別のアンテナ・アセンブリ700が示されている。アンテナ・アセンブリ700は、フランジ704とそこから直角方向に突出する直立部706を含むアンテナ取付構造702を備える。直立部706は周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース710によってフランジ704に結合されている。
【0089】
アンテナ・アセンブリ700はアンテナ・アセンブリ106と同様である。2つの取付ブラケット712,714が設けられ、それらは長手軸718に沿って垂直方向に間隔をあけている。ブラケット714は直立部706に固定されているが、ブラケット712は軸718に沿った直立部706に沿ってスライドできる。
【0090】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット712,714は3つのラグ720を備え、それぞれに中間部材722が回動可能に取り付けられている。アンテナ取付フランジ724は各中間部材722に回動可能に取り付けられている。
【0091】
したがって、取付ブラケット712は直立部706で上下に動いて異なる長さのアンテナに対応することができる。
【0092】
ブラケット712,714の角度整列を維持するために、整列スライド・レール726が設けられ、それがブラケット712,714の間に延びている。各整列スライド・レール726は中間部材722を通って軸718と平行に延びている。各中間部材722は、ブラケット712をブラケット714の方へ及びブラケット714の方から動かすにつれて、関連スライド・レールに沿ってスライドすることができる。スライド・レール726は主軸718(ブラケット712,714の回転軸)から間隔があいているので、ブラケット712,714の角度整列が維持される。グラブねじ728が中間部材から延びているラグ720を通って、ブラケット702が所望の位置になったときに固定する。
【0093】
図19aから19cまでに眼を向けると、別のアンテナ・アセンブリ800が示されている。アンテナ・アセンブリ800は、フランジ804とそこから直角方向に突出する直立部806を含むアンテナ取付構造802を備える。直立部806は周縁で等間隔に配置され、溶接で固定された4つのコーナーピース810によってフランジ804に結合されている。
【0094】
アンテナ・アセンブリ800はアンテナ・アセンブリ106と同様である。2つの取付ブラケット812,814が設けられ、それらは長手軸718に沿って垂直方向に間隔をあけている。
【0095】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット812,814は3つのラグ820を備え、それぞれに中間部材822が回動可能に取り付けられている。アンテナ取付コンポーネント824が各中間部材822に回動可能に取り付けられている。3つのアンテナ825が各端でアンテナ取付コンポーネント824に結合されている。
【0096】
第一のブラケット812の中間部材822に取り付けられたアンテナ取付コンポーネント824は第二のブラケット814の中間部材822に取り付けられたものとは異なる。下方のアンテナ取付コンポーネント824はボールジョイント826を含み、それによってアンテナ取付フランジ828がアンテナの主軸と直角方向の(そして図19dのページと直角方向の)軸830のまわりで回動できるようになる。
【0097】
したがって、図19cに示されるように、ブラケット814の近くで長いアンテナ取付コンポーネント824を用いてアンテナ825に下向きの傾斜を与えることができる。
【0098】
例えば、リニアーアクチュエータを用いて、上方のアンテナ取付コンポーネント824の代わりに自動的な傾斜の制御を可能にすることも本発明の範囲内にある。
【0099】
図20を参照すると、別のアンテナ・アセンブリ900が示されている。2つの取付ブラケット912,914が設けられ、それらは長手軸918に沿って垂直方向に間隔をあけている。
【0100】
アンテナ・アセンブリ106と同様、各ブラケット912,914は3つのラグ920を備え、それぞれに中間部材922が回動可能に取り付けられて第一の軸923のまわりで回動するようになっている。アンテナ取付コンポーネント924が各中間部材922に回動可能に取り付けられて第二の平行な軸925のまわりで回動するようになっている。アンテナ取付コンポーネント924はアンテナを受容するように構成されている。
【0101】
中間部材922の各端に安定性レール927が取り付けられている。レール927は中間部材の間での安定性を高め、トルクを下方中間部材922に伝える荷重経路として働く。
【0102】
また、6つのアクチュエータ930の組が垂直に向いており、したがって駆動力を中間部材922及びアンテナ取付コンポーネント924に伝達するウオームギアは必要とされない。
【0103】
ベース102にアンテナ及び/又はアクチュエータのための動力源を設けることができる。これは光電池、バッテリー、風力タービン、などの形をとることができる。図21を参照すると、マスト・アセンブリ100と同様なマスト・アセンブリ100を含むマスト・アセンブリ1000が設けられているが、ベース1002はかなり大きな表面積の広いベースプレート1004を含む。したがって、ベースプレート1004は安定性を高め、ベース1002を地面に取り付ける固定具を必要としない。
【0104】
ベースプレート1004は油圧ヒンジ1006を備え、それによってマスト、並びにマスト・システムに電力を供給するためのエネルギーの捕集と貯蔵のための一連の電池に接続された光起電力ソーラーパネル1008を上げたり下げたりすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動電話通信用アンテナ取付装置であって、
アンテナ・マウントと、
アンテナ・マウントに回動可能に取り付けられて第一の軸のまわりで回動する中間部材と、
中間部材に回動可能に取り付けられて第一の軸と実質的に平行な第二の軸のまわりで回動するアンテナ・ブラケットと、
を含む移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項2】
アンテナ・マウントに対して第一の軸のまわりで中間部材を回動させるように構成された第一のアクチュエータと、
中間部材に対して第二の軸のまわりでアンテナ・ブラケットを回動させるように構成された第二のアクチュエータと、
を含む請求項1に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項3】
第一のアクチュエータは第一の軸に対して直角方向に向いた回転出力シャフトを含み、装置は回転出力シャフトと中間部材の間に駆動力を回転出力シャフトから中間部材に伝達するギアーボックスを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項4】
第二のアクチュエータは第二の軸に対して直角方向に向いた回転出力シャフトを含み、装置は回転出力シャフトとアンテナの間に駆動力を回転出力シャフトからアンテナ・ブラケットに伝達するギアーボックスを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項5】
ギアーボックスはウオームギアを備え、ウオームギアは回転出力シャフトに結合されて、中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットに結合された傘歯車を駆動することを特徴とする請求項3又は4に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項6】
アクチュエータがステッピング・モータである請求項2〜5の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項7】
中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットの角度位置を表す信号を提供するように配置された光学的エンコーダを含む請求項6に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項8】
光学的エンコーダからの出力に基づいてアクチュエータを用いてアンテナ・ブラケットの位置を調整するように構成された制御システムを含む請求項7に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項9】
中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットの角度位置を表す信号を提供するように配置された光学的ポテンショメータを含む請求項1に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項10】
信号がディスプレーにリンクされて技能員がアンテナ・ブラケットを手動で定位させることを可能にすることを特徴とする請求項9に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項11】
アンテナ・マウントに対する第一の軸のまわりでの中間部材の相対運動を選択的に禁止するように構成された第一の固定機構、及び、中間部材に対する第二の軸のまわりでのアンテナ・ブラケットの相対運動を選択的に禁止するように構成された第二の固定機構を含む請求項9又は10に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項12】
アンテナ・ブラケットに取り付けられたアンテナを含む請求項1〜11の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項13】
中心軸のまわりで120度の間隔をあけた3つのアンテナ・マウントを含み、各アンテナ・マウントが請求項1〜12の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置の一部であることを特徴とする移動電話通信用アンテナ取付システム。
【請求項14】
アンテナ・ブラケットの各々が+/−60度という移動範囲を有することを特徴とする請求項13に記載の移動電話通信用アンテナ取付システム。
【請求項15】
移動電話通信用アンテナ・マスト・システムであって、
ベースと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントと、
アンテナ取付システムと、
を含み、少なくともひとつのマスト・コンポーネントは、少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに対してマスト主軸のまわりで予め定められた角度方位に整列させるように構成された整列手段を含み、
アンテナ取付システムは、アンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対してマスト主軸のまわりで予め定められた角度方位に整列させるように構成された整列手段を含み、
アンテナ・マスト・システムを組み立てたとき、アンテナ取付システムはベースに対して、基準点に対するベースの整列がアンテナ・マウントに移されるように予め定められた角度方位に整列されることを特徴とする移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項16】
少なくともひとつの整列手段はマーカーを含むことを特徴とする請求項15に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項17】
ベース、少なくともひとつのマスト・コンポーネント、及びアンテナ・マウントはマスト主軸と直角方向に向いているフランジで接合されることを特徴とする請求項15又は16に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項18】
フランジは円形の周縁を含むことを特徴とする請求項17に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項19】
少なくともひとつの整列手段はひとつ以上のフランジにおける径方向の切り欠きを含むことを特徴とする請求項18に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項20】
ひとつ以上のフランジが、システムの角度方位を調整するために取付手段を摺動可能に受容するスロットを含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項21】
ベースが少なくともひとつのマスト・コンポーネントの取付のための取付形態を有するヒンジを含み、設置時にヒンジは少なくともひとつのマスト・コンポーネントを回転させてマスト主軸と直角方向の直立軸のまわりでベースに対して整列させるように操作できることを特徴とする請求項15〜20の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項22】
アンテナ取付システムが関節ジョイントによって取付システムに取り付けられたアンテナ・ブラケットを含み、ジョイントは基準に対するアンテナ・ブラケットの位置を決定することを可能にする運動トランスジューサを含むことを特徴とする請求項15〜21の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項23】
移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法であって、
ベースを用意するステップと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントを用意するステップと、
アンテナ・マウントを用意するステップと、
ベースを基準に対して整列させるステップと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに、ベースに対する予め定められた方位で組み立てるステップと、
アンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに、少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対する予め定められた方位で、アンテナ・マウントが基準に対して予め定められた方位に向くように組み立てるステップと、
を含む移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項24】
さらに、ベースを基準に対して整列させるステップを含む請求項23に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項25】
コンパスを用意するステップと、
ベースをコンパスを用いて特定の方位に整列させるステップと、
を含む請求項24に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項26】
コンパスをベースに取り付けるステップと、
を含む請求項18に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項27】
移動電話通信用アンテナ・マストであって、
第一のアンテナ受容形態を含む第一のアンテナ取付構造と、
第二のアンテナ受容形態を含む第二のアンテナ取付構造と、
を含み、第一の取付構造と第二の取付構造は、使用時に垂直方向に間隔をあけるように配置され、第一及び第二のアンテナ受容形態は、第一及び第二のアンテナ受容形態の位置を独立に調整するために独立に操作できることを特徴とする移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項28】
第一のアンテナ取付構造は第一のアンテナ・タイプを受容するように構成され、第二のアンテナ取付構造は第二のアンテナ・タイプを受容するように構成されていることを特徴とする請求項27に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項29】
第一のアンテナ・タイプは第一のアンテナ取付構造に取り付けられ、第二のアンテナ・タイプは第二のアンテナ取付構造に取り付けられることを特徴とする請求項27に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項30】
第一のアンテナ・タイプは第一のサイズであり、第二のアンテナ・タイプは第二の、異なるサイズであることを特徴とする請求項28又は29に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項31】
第一のアンテナ・タイプは第一の電気的特性を有し、第二のアンテナ・タイプは第二の、異なる電気的特性を有することを特徴とする請求項28〜30の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項32】
アンテナ・マスト・システムであって、
ベースと、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントと、
アンテナ・マウントと、を備え、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントは異なるいろいろな形態で選択的に互いに固定できて設置者が選択する距離をベースとアンテナ・マウントの間に設けることができるアンテナ・マスト・システム。
【請求項33】
ベースと結合できる第一の部分とモジュール方式マスト・コンポーネントと結合できる第二の部分を含むヒンジ機構を備え、第一及び第二の部分はジョイントで結合されてマスト・コンポーネントを第一の位置に組み立て、その後直立軸のまわりの回転によって直立させることができることを特徴とする請求項32に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項34】
ジョイントは第一及び第二の部分から取り除くことができることを特徴とする請求項33に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項35】
第一及び第二の部分が別のジョイントを画定してベースとマスト・コンポーネントの直立軸と直角方向の軸のまわりでの相対回転を可能にすることを特徴とする請求項34に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項36】
第一及び第二の部分は近接した平行なプレートであり、プレート対の少なくとも一方における円弧スロット内でスライドできるピンによって結合されていることを特徴とする請求項35に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項37】
第一及び第二の部分はロッキング機構によって相対運動ができないように固定されていることを特徴とする請求項36に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項38】
アンテナ・マストを設置する方法であって、
ベースを用意するステップと、
アンテナ・マウントを用意するステップと、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントを用意するステップと、
複数からいくつかのモジュール方式マスト・コンポーネントを選択するステップと、
いくつかのモジュール方式マスト・コンポーネントをアンテナ・マウントとベースの間で互いに固定してその間に所望の距離を設けるステップと、
を含む方法。
【請求項1】
移動電話通信用アンテナ取付装置であって、
アンテナ・マウントと、
アンテナ・マウントに回動可能に取り付けられて第一の軸のまわりで回動する中間部材と、
中間部材に回動可能に取り付けられて第一の軸と実質的に平行な第二の軸のまわりで回動するアンテナ・ブラケットと、
を含む移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項2】
アンテナ・マウントに対して第一の軸のまわりで中間部材を回動させるように構成された第一のアクチュエータと、
中間部材に対して第二の軸のまわりでアンテナ・ブラケットを回動させるように構成された第二のアクチュエータと、
を含む請求項1に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項3】
第一のアクチュエータは第一の軸に対して直角方向に向いた回転出力シャフトを含み、装置は回転出力シャフトと中間部材の間に駆動力を回転出力シャフトから中間部材に伝達するギアーボックスを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項4】
第二のアクチュエータは第二の軸に対して直角方向に向いた回転出力シャフトを含み、装置は回転出力シャフトとアンテナの間に駆動力を回転出力シャフトからアンテナ・ブラケットに伝達するギアーボックスを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項5】
ギアーボックスはウオームギアを備え、ウオームギアは回転出力シャフトに結合されて、中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットに結合された傘歯車を駆動することを特徴とする請求項3又は4に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項6】
アクチュエータがステッピング・モータである請求項2〜5の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項7】
中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットの角度位置を表す信号を提供するように配置された光学的エンコーダを含む請求項6に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項8】
光学的エンコーダからの出力に基づいてアクチュエータを用いてアンテナ・ブラケットの位置を調整するように構成された制御システムを含む請求項7に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項9】
中間部材及び/又はアンテナ・ブラケットの角度位置を表す信号を提供するように配置された光学的ポテンショメータを含む請求項1に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項10】
信号がディスプレーにリンクされて技能員がアンテナ・ブラケットを手動で定位させることを可能にすることを特徴とする請求項9に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項11】
アンテナ・マウントに対する第一の軸のまわりでの中間部材の相対運動を選択的に禁止するように構成された第一の固定機構、及び、中間部材に対する第二の軸のまわりでのアンテナ・ブラケットの相対運動を選択的に禁止するように構成された第二の固定機構を含む請求項9又は10に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項12】
アンテナ・ブラケットに取り付けられたアンテナを含む請求項1〜11の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置。
【請求項13】
中心軸のまわりで120度の間隔をあけた3つのアンテナ・マウントを含み、各アンテナ・マウントが請求項1〜12の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ取付装置の一部であることを特徴とする移動電話通信用アンテナ取付システム。
【請求項14】
アンテナ・ブラケットの各々が+/−60度という移動範囲を有することを特徴とする請求項13に記載の移動電話通信用アンテナ取付システム。
【請求項15】
移動電話通信用アンテナ・マスト・システムであって、
ベースと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントと、
アンテナ取付システムと、
を含み、少なくともひとつのマスト・コンポーネントは、少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに対してマスト主軸のまわりで予め定められた角度方位に整列させるように構成された整列手段を含み、
アンテナ取付システムは、アンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対してマスト主軸のまわりで予め定められた角度方位に整列させるように構成された整列手段を含み、
アンテナ・マスト・システムを組み立てたとき、アンテナ取付システムはベースに対して、基準点に対するベースの整列がアンテナ・マウントに移されるように予め定められた角度方位に整列されることを特徴とする移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項16】
少なくともひとつの整列手段はマーカーを含むことを特徴とする請求項15に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項17】
ベース、少なくともひとつのマスト・コンポーネント、及びアンテナ・マウントはマスト主軸と直角方向に向いているフランジで接合されることを特徴とする請求項15又は16に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項18】
フランジは円形の周縁を含むことを特徴とする請求項17に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項19】
少なくともひとつの整列手段はひとつ以上のフランジにおける径方向の切り欠きを含むことを特徴とする請求項18に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項20】
ひとつ以上のフランジが、システムの角度方位を調整するために取付手段を摺動可能に受容するスロットを含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項21】
ベースが少なくともひとつのマスト・コンポーネントの取付のための取付形態を有するヒンジを含み、設置時にヒンジは少なくともひとつのマスト・コンポーネントを回転させてマスト主軸と直角方向の直立軸のまわりでベースに対して整列させるように操作できることを特徴とする請求項15〜20の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項22】
アンテナ取付システムが関節ジョイントによって取付システムに取り付けられたアンテナ・ブラケットを含み、ジョイントは基準に対するアンテナ・ブラケットの位置を決定することを可能にする運動トランスジューサを含むことを特徴とする請求項15〜21の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト・システム。
【請求項23】
移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法であって、
ベースを用意するステップと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントを用意するステップと、
アンテナ・マウントを用意するステップと、
ベースを基準に対して整列させるステップと、
少なくともひとつのマスト・コンポーネントをベースに、ベースに対する予め定められた方位で組み立てるステップと、
アンテナ・マウントを少なくともひとつのマスト・コンポーネントに、少なくともひとつのマスト・コンポーネントに対する予め定められた方位で、アンテナ・マウントが基準に対して予め定められた方位に向くように組み立てるステップと、
を含む移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項24】
さらに、ベースを基準に対して整列させるステップを含む請求項23に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項25】
コンパスを用意するステップと、
ベースをコンパスを用いて特定の方位に整列させるステップと、
を含む請求項24に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項26】
コンパスをベースに取り付けるステップと、
を含む請求項18に記載の移動電話通信用アンテナ・マストを設置する方法。
【請求項27】
移動電話通信用アンテナ・マストであって、
第一のアンテナ受容形態を含む第一のアンテナ取付構造と、
第二のアンテナ受容形態を含む第二のアンテナ取付構造と、
を含み、第一の取付構造と第二の取付構造は、使用時に垂直方向に間隔をあけるように配置され、第一及び第二のアンテナ受容形態は、第一及び第二のアンテナ受容形態の位置を独立に調整するために独立に操作できることを特徴とする移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項28】
第一のアンテナ取付構造は第一のアンテナ・タイプを受容するように構成され、第二のアンテナ取付構造は第二のアンテナ・タイプを受容するように構成されていることを特徴とする請求項27に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項29】
第一のアンテナ・タイプは第一のアンテナ取付構造に取り付けられ、第二のアンテナ・タイプは第二のアンテナ取付構造に取り付けられることを特徴とする請求項27に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項30】
第一のアンテナ・タイプは第一のサイズであり、第二のアンテナ・タイプは第二の、異なるサイズであることを特徴とする請求項28又は29に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項31】
第一のアンテナ・タイプは第一の電気的特性を有し、第二のアンテナ・タイプは第二の、異なる電気的特性を有することを特徴とする請求項28〜30の何れか一項に記載の移動電話通信用アンテナ・マスト。
【請求項32】
アンテナ・マスト・システムであって、
ベースと、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントと、
アンテナ・マウントと、を備え、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントは異なるいろいろな形態で選択的に互いに固定できて設置者が選択する距離をベースとアンテナ・マウントの間に設けることができるアンテナ・マスト・システム。
【請求項33】
ベースと結合できる第一の部分とモジュール方式マスト・コンポーネントと結合できる第二の部分を含むヒンジ機構を備え、第一及び第二の部分はジョイントで結合されてマスト・コンポーネントを第一の位置に組み立て、その後直立軸のまわりの回転によって直立させることができることを特徴とする請求項32に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項34】
ジョイントは第一及び第二の部分から取り除くことができることを特徴とする請求項33に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項35】
第一及び第二の部分が別のジョイントを画定してベースとマスト・コンポーネントの直立軸と直角方向の軸のまわりでの相対回転を可能にすることを特徴とする請求項34に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項36】
第一及び第二の部分は近接した平行なプレートであり、プレート対の少なくとも一方における円弧スロット内でスライドできるピンによって結合されていることを特徴とする請求項35に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項37】
第一及び第二の部分はロッキング機構によって相対運動ができないように固定されていることを特徴とする請求項36に記載のアンテナ・マスト・システム。
【請求項38】
アンテナ・マストを設置する方法であって、
ベースを用意するステップと、
アンテナ・マウントを用意するステップと、
複数のモジュール方式マスト・コンポーネントを用意するステップと、
複数からいくつかのモジュール方式マスト・コンポーネントを選択するステップと、
いくつかのモジュール方式マスト・コンポーネントをアンテナ・マウントとベースの間で互いに固定してその間に所望の距離を設けるステップと、
を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図13f】
【図13g】
【図13h】
【図13i】
【図13j】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図19e】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図13e】
【図13f】
【図13g】
【図13h】
【図13i】
【図13j】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図19d】
【図19e】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2013−507806(P2013−507806A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532505(P2012−532505)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059560
【国際公開番号】WO2011/042226
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(512000639)ファスメトリクス リミティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059560
【国際公開番号】WO2011/042226
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(512000639)ファスメトリクス リミティド (1)
【Fターム(参考)】
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