説明

アンテナ装置の調整方法、およびその製造方法

【課題】本発明は、アンテナ装置において、共振周波数の調整範囲を広げるとともに、アンテナの中心周波数に対して狭公差のアンテナ装置の調整方法、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、アンテナ部3と、アンテナ部3に接続される調整パターン2とを備え、調整パターン2は、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、第1の線路と第2の線路を結び交点と非交差の第3の線路と、第1の線路と第2の線路を結び第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、第3の線路と第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、第3の線路と第4の線路の他方の端はループパターンに接続されたアンテナ装置であって、第1の線路、第2の線路、もしくは、第1の線路と第2の線路との間にある第3の線路、第4の線路のいずれか一方を切断し、アンテナ装置1の共振周波数を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF−ID、即ちICカードやICタグなどの無線通信媒体との通信を行う無線通信媒体処理装置、あるいは無線通信媒体そのもの等に用いられるアンテナ装置であり、電磁誘導方式、マイクロ波方式での通信性を向上させるとともに、薄くて低コストのアンテナ装置の調整方法、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、RF−ID、即ち非接触型ICカードやICタグにおいて、アンテナ特性の調整を行う場合、図17に示すように、アンテナ部105内にコンデンサパターン102や調整用抵抗パターン103を形成し、これらをトリミングやエッチングを行うことで、アンテナ装置101の共振周波数の調整やQ値の調整を行っていた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−10264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記方法では調整用抵抗パターン103では、アンテナ装置101の共振周波数の調整範囲が狭く、アンテナ装置において十分な共振周波数の調整範囲を確保することができなかった。また、コンデンサパターン102によって共振周波数の調整を行った後、上記アンテナ装置101を電子機器に搭載した場合、高温高湿環境下において基材104の誘電率が変化し、共振周波数が変化してしまうといった問題があった。
【0004】
また、様々な無線通信媒体との通信を行う無線通信処理装置や、無線通信媒体そのものにおいて通信の安定性を確保するには、アンテナ装置の共振周波数を所望の周波数(例えば13.56MHz)に合わせこむ必要がある。
【0005】
しかしながら、従来のアンテナ装置ではアンテナパターンにおける共振周波数の調整範囲が狭いことから、アンテナ装置の組み立て時において共振周波数の調整範囲が狭くなり、共振周波数の調整が行いにくかった。
【0006】
また、携帯電話メーカーから要求されるアンテナ装置における中心周波数の公差範囲が年々狭められてきており、アンテナ装置の共振周波数の調整が非常に困難なものになってきている。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、電磁誘導方式やマイクロ波方式を用いて通信を行うアンテナ装置において、アンテナ装置における共振周波数の調整範囲を広げるとともに、携帯電話メーカーから要求されているアンテナの中心周波数に対して狭公差のアンテナ装置の製造方法、およびその調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ループパターンと、前記ループパターンに接続される調整パターンとを備え、前記調整パターンは、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、前記第1の線路と第2の線路を結び前記交点と非交差の第3の線路と、前記第1の線路と第2の線路を結び前記第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、前記第3の線路と前記第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、前記第3の線路と前記第4の線路の他方の端は前記ループパターンに接続されたアンテナ装置であって、前記第1の線路、前記第2の線路、もしくは、前記第1の線路と前記第2の線路との間にある前記第3の線路、前記第4の線路のいずれか一方を切断し、前記アンテナ装置の共振周波数を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アンテナ装置の共振周波数を調整する際、調整パターンの切断する箇所を選択することにより、調整パターンを調整幅の狭い線路が非交差の調整パターンと、調整幅が大きい線路が交差している調整パターンにすることができるため、アンテナ装置の共振周波数の微調整を行ったり、共振周波数の調整範囲を広げたりすることができ、アンテナ組み立て時における周波数の調整不良を大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ループパターンと、ループパターンに接続される調整パターンとを備え、調整パターンは、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、第1の線路と第2の線路を結び交点と非交差の第3の線路と、第1の線路と第2の線路を結び第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、第3の線路と第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、第3の線路と第4の線路の他方の端はループパターンに接続されたアンテナ装置であって、第1の線路、第2の線路、もしくは、第1の線路と第2の線路との間にある第3の線路、第4の線路のいずれか一方を切断し、アンテナ装置の共振周波数を調整することにより、アンテナ装置の共振周波数を調整する際、調整パターンの切断する箇所を選択することにより、調整パターンを調整幅の狭い線路が非交差の調整パターンと、調整幅が大きい線路が交差している調整パターンにすることができるため、アンテナ装置の共振周波数の微調整を行ったり、共振周波数の調整範囲を広げたりすることができ、アンテナ装置組み立て時における周波数の調整不良を大幅に低減することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置の調整方法であって、第5の線路は並列に接続された複数の線路からなることにより、調整範囲を大きくすることができる。
【0012】
本発明の請求項3記載の発明によれば、請求項2記載のアンテナ装置の調整方法であって、第5の線路は、第1の線路と第2の線路とに近いほうから順に切断することにより、アンテナ装置の共振周波数の調整幅を徐々に大きくして調整することができる。
【0013】
本発明の請求項4記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置の調整方法であって、絶縁性を有する基台に形成されている調整パターンを形成し、形成されている第1の線路は、形成されている基台を挟み形成されている第2の線路とは反対側の面にあることにより、容易に第1の線路と第2の線路との交点を絶縁して電気的に非接続とすることができる。
【0014】
本発明の請求項5記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置の調整方法であって、調整パターンは、ループパターンの中央を避けて端部に設けることにより、アンテナ装置の構造が非対称となり、アンテナ装置として利用した場合、効率よく通信を行うことができる。
【0015】
本発明の請求項6記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置の調整方法であって、調整パターンは、複数設けられていることにより、共振周波数の調整の自由度を大きくすることができる。
【0016】
本発明の請求項7記載の発明によれば、請求項1記載のアンテナ装置の調整方法であって、段差が設けられた基台に、形成されているループパターンと形成されている調整パターンとを段差を挟んで形成したことにより、表面の高さを一定にしつつ、ループパターンと調整パターンとの膜厚を変えることができる。
【0017】
本発明の請求項8記載の発明によれば、基台上にループパターンと、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、第1の線路と第2の線路を結び交点と非交差の第3の線路と、第1の線路と第2の線路を結び第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、第3の線路と第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、第3の線路と第4の線路の他方の端はループパターンに接続された調整パターンとを形成する第1の工程と、基台のループパターンを形成した面とは反対側に磁性シートを貼り合わせる第2の工程と、ループパターンの共振周波数を測定し、調整パターンで所望の共振周波数に調整する第3の工程とからなることにより、アンテナ装置を組み立てた後でも、共振周波数の調整を行うことができ、さらにアンテナ装置の共振周波数を調整する際、調整パターンの切断する箇所を選択することにより、調整パターンを調整幅の狭い線路が非交差の調整パターンと、調整幅が大きい線路が交差している調整パターンにすることができるため、アンテナ装置の共振周波数の微調整を行ったり、共振周波数の調整範囲を広げたりすることができ、アンテナ装置組み立て時における周波数の調整不良を大幅に低減することができる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0019】
まず、本発明のアンテナ装置1の形状、構造について説明する。図1は、本発明の実施例におけるアンテナ装置の斜視図である。
【0020】
図1に表されたアンテナ装置1は、基材4の上にループパターンであるアンテナ部3が形成されており、アンテナ部3の一部に梯子状の調整パターン2が形成されている。基材4の下には保護部材6、7にてコーティングされた磁性シート5が貼り付けられた構成となっている。
【0021】
以下に、図1を用いてアンテナ装置1を構成する各部の詳細について説明する。
【0022】
まず、調整パターン2について説明する。
【0023】
調整パターン2はアンテナ部3の一部に形成されており、数本の梯子パターンとクロス状のパターンにより形成されている。
【0024】
調整パターン2の材質としては、導電性のパターンが形成されるものであればよく、導電性の金属製線材、金属製板材、金属製箔材、または金属製筒材等から適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミ、ニッケル等を用いることができ、金属線、金属箔、導電性ペースト、めっき転写、スパッタ、蒸着、もしくは、スクリーン印刷により形成することができる。
【0025】
調整パターン2は、アンテナ部3が形成される面を主面とすると、その主面上において
アンテナ部3の中央でも端部でも構わないが、リーダー・ライターからの磁束を妨げないことを考慮すると、図2に示されているようにアンテナ部3の端部からアンテナ部3の中央を避けるように配置するのが好ましく、中央を避けるようにしてアンテナ装置1の構造を非対称にすることで、アンテナ装置1として利用した場合、効率よく通信を行うことができる。
【0026】
また、調整パターン2は、アンテナ部3と調整パターン2との接続に必要な導線を少なくするために、アンテナ部3の端部から調整パターン2を形成するのが好ましい。
【0027】
本実施例では、調整パターンは、基材4に銅箔を形成し、基材4上の銅箔にパターンエッチングを行うことにより形成する。
【0028】
なお、本実施例では、調整パターン2を厚膜のパターンで形成し、調整パターン2の抵抗値をできるだけ低くしてアンテナのQ値を大きくし、通信距離を向上させているが、セキュリティの問題等で通信距離を短くしたい場合には、薄膜のパターンを形成すればよい。
【0029】
次に、アンテナ部3について説明する。アンテナ部3はアンテナパターンであり、スパイラル状に形成される。スパイラルの構造としては、中央に開口部を備えたスパイラル形状であればよく、その形状は円形または略矩形または多角形のいずれであってもよい。スパイラル構造とすることで、十分な磁界を発生させて、誘導電力の発生と相互インダクタンスによる無線通信媒体と無線通信媒体処理装置との通信を可能とするものである。また、アンテナ部は、受信用アンテナと送信用アンテナを組合わせたものであってもよい。
【0030】
さらに、アンテナの材質としては、導電性のパターンが形成されるものであればよく、導電性の金属製線材、金属製板材、金属製箔材、または金属製筒材等から適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミ、ニッケル等を用いることができ、金属線、金属箔、導電性ペースト、めっき転写、スパッタ、蒸着、もしくは、スクリーン印刷により形成することができるが、本実施例では、基材4に銅箔を形成し、基材4状の銅箔にパターンエッチングを行うことにより形成する。
【0031】
なお、本実施例では、アンテナ部3を金属線、金属箔、導電性ペースト等で作製した厚膜のパターンで形成し、アンテナ部3の抵抗値をできるだけ低くしてアンテナのQ値を大きくし、通信距離を向上させているが、セキュリティの問題等で通信距離を短くしたい場合には、めっき、スパッタ、蒸着等で作製した薄膜のパターンを形成すればよい。
【0032】
また、本実施例では、調整パターン2とアンテナ部3とを同時にエッチングできるように同じ材料である銅箔を基材4上に形成しているが、導電性の材料であれば、調整パターン2とアンテナ部3とは異なる材料でもよい。
【0033】
次に、基材4について説明する。
【0034】
アンテナ部3を設けた基材4は、絶縁性を有する材料であればよく、絶縁性を有するセラミックや樹脂を利用することができ、例えば、ポリイミド、PET、ガラエポ基板等で形成することが可能であり、ポリイミド、PET等に形成することで薄くて柔軟性を有するアンテナ部3およびループパターン2を形成することができる。また、ポリイミド、PET等のフィルムはコストが安いことから、低価格のアンテナ装置1を作製することが可能となり、本実施例では、ポリイミドで構成した。
【0035】
なお、基材4については、板状のもの以外にも、柱状のものも可能であり、表面にパターンを形成できるものであればよい。
【0036】
また、基材4は、調整パターン2およびアンテナ部3を形成するために、表面が絶縁性を有するものであればよく、導電性の材料の表面に絶縁性の膜を形成することで利用でき、例えば、シリコンに酸化膜を形成した基板を使用することもできる。
【0037】
次に、磁性シート5について説明する。
【0038】
磁性材は、磁性材料の中でも軟磁性を有する磁性材料であることが好ましく、軟磁性フェライト粉体を乾式プレス成形し、焼成することにより焼成体、高密度のフェライト焼成体とすることができ、軟磁性フェライトの密度が3.5g/cm3以上であることが好ましい。また、軟磁性フェライトの磁性体の大きさが、結晶粒界以上であることが好ましく、さらに磁性シート5は、0.05mm〜3mm程度で形成されるシート状(あるいは板状、膜状、層状)のものがよい。
【0039】
上記軟磁性フェライトとしては、Ni−ZnO3、ZnO、NiO、CuO、または、Fe23、ZnO、MnO、CuOからなっていてもよい。さらにアモルファス合金、パーマロイ、電磁鋼、珪素鉄、Fe−Al合金、センダスト合金のいずれかの磁性体の単層であってもよく、フェライト、アモルファス箔、パーマロイ、電磁鋼、センダストの積層体であってもよく、また、様々な磁性体を組み合わせた積層体であってもよい。磁性材を積層する際には、樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、合成ゴム、両面テープ、粘着層、またはフィルムの少なくとも1つの手段により、磁性材が接着され積層構造となる。
【0040】
さらに本発明の磁性シート5は、フェライト、アモルファス合金、パーマロイ、電磁鋼、珪素鉄、Fe−Al合金、センダスト合金の単体、または積層体を樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、合成ゴム、両面テープ、粘着層、またはフィルムの少なくとも1つの手段によりコーティングを行ったものでもよい。
【0041】
また、フェライト、アモルファス箔、パーマロイ、電磁鋼、センダスト単体および積層体が、磁性体固片の集合体であってもよく、整合配置することにより、磁性シート5総厚に対して磁性体を効率よく形成できる。
【0042】
さらに、すべての磁性体固片がその上下面を略同一面となるように配置することで、磁性シート5に要求される厚み寸法や、機械的強度、その他の物理的性能の範囲において磁性体の最大限の体積を利用することができ、高い磁気性能を得ることができる。
【0043】
本発明の磁性シート5は、単層、多層構造、または固片からなり、樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、合成ゴム、両面テープ、粘着層、またはフィルムの少なくとも1つの手段によりコーティングを行うことで、柔軟性が高くて耐久性に優れる上、表面抵抗が高く、表面にパターン印刷やめっきなどによる回路形成を行うことが容易である。
【0044】
ここで本実施例において、磁性シート5は、Ni−Zn系フェライトまたは、Mn−Zn系フェライト材を800℃〜1000℃で焼成したもので、焼成した磁性シート5を保護テープ、両面テープ等の保護部材6、7によりコーティングし、ローラー等で磁性シート5を粉砕することで柔軟性を有した磁性シート5を作製する。
【0045】
また、保護部材6、7によりコーティングされた磁性シート5は、非常に優れた柔軟性を有しているので、パンチング等により、容易に打ち抜き成形加工ができるので、複雑な形状の加工も低コストで、しかも大量に成形できるという特徴も有する。
【0046】
さらに、磁性シート5の形状としては、略三角柱、略四角柱、略円柱、略球等の形状で構成されていてもよい。
【0047】
本発明の磁性シート5は、両面テープまたは微粘着テープ等に固定されローラーにて粉砕されることにより、磁性シート5に柔軟性を与えることができる。また、ローラーにて粉砕されることで磁性シート5の加工性がよくなり、加工時の負荷も少なくなるので、製品の低コスト化も実現できる。さらに、磁性シート5がローラーにより粉砕されることで、磁性シート5に隙間ができ、磁性シート5の上に樹脂を印刷した際に、樹脂が磁性シート5に滲みこみ、樹脂がバインダーの役割を果たし磁性シート5にさらに柔軟性をもたせることが可能となる。
【0048】
また、本発明の磁性シート5は、磁性材にスリットを設けることにより、磁性シート5を容易に分割することができ、柔軟性および加工性に優れた磁性シート5を実現できる。
【0049】
次に、保護部材6、7について説明する。
【0050】
保護部材6、7は、絶縁性を有するものであればよく、樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、合成ゴム、両面テープ、粘着層、またはフィルムの少なくとも1つの手段が用いられ、アンテナ装置1およびアンテナ装置1を構成する各部品の曲げやたわみ等に対する柔軟性だけではなく、耐熱性、耐湿性等の耐候性を考慮して選定を行ってもよい。また、アンテナ装置1およびアンテナ装置1を構成する各部品の片面、両面、片側面、両側面または全面が、保護部材6、7によりコーティングされていてもよい。
【0051】
なお、保護部材7は、アンテナ装置1の表面となるため、耐候性を有するのを使用することが好ましい。
【0052】
特に磁性シート5の焼成体は、通常、曲げやたわみ等に対して破壊されてしまうのに対して、焼成体の磁性シート5の片面、両面、片側面、両側面または全面が、樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂、合成ゴム、両面テープ、粘着層、またはフィルム等の保護部材6、7によりコーティングをすると優れた柔軟性を有するようになり、しかも表面抵抗が高く、表面にパターン印刷やめっきなどによる回路形成を行うことが容易になる。
【0053】
また、保護部材6、7によりコーティングされた磁性シート5は、適度な柔軟性を有しているので、パンチング等により、容易に打ち抜き成形加工ができるので、複雑な形状の加工も低コストで、しかも大量に成形できるという特徴も有する。
【0054】
また、基材4と磁性シート5の間にスペーサーを用いる場合は、磁性シートの両面を保護部材でコーティングする必要はなく、片面のみに磁性シート5のコーティングを行う。
【0055】
次に、端子接続部8について説明する。
【0056】
端子接続部8は、図1に示されているようにアンテナ部3の外側に形成されており、アンテナ部3の両端部と接続される。端子接続部8は、アンテナ部3を設けた基材4に形成されていてもよく、端子接続部8は携帯電話の回路基板上のコネクターと接続される。
【0057】
また、端子接続部8の材質としては、導電性のパターンが形成されるものであればよく、導電性の金属製線材、金属製板材、金属製箔材、または金属製筒材等から適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミ、ニッケル等を用いることができ、金属線、金属箔、導電性ペースト、めっき転写、スパッタ、蒸着、もしくは、スクリーン印刷により形成することができるが、本実施例では、基材4と同一基材上に形成されており、スルーホールによってアンテナ部3と接続されている。
【0058】
上記構成によりアンテナ装置1は形成される。
【0059】
また、アンテナ装置1を携帯電話等の小型端末に搭載する際には、アンテナ部3および調整パターン2が形成された基材4に両面テープ、接着剤、粘着層、または樹脂等を塗布することで携帯端末の必要な箇所に貼り付ける。
【0060】
上述したアンテナ部3と調整パターン2の詳細な構造について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、本発明の実施例におけるアンテナ装置の上面図、図3は、本発明の実施例における調整パターンの拡大図、図4は、本発明の実施例における調整パターンの変形図、図5は、本発明の実施例におけるアンテナ装置の断面図である。
【0061】
図2において、アンテナ装置1は、基材4の外周にアンテナ部3が形成されており、内部に調整パターン2が形成され、調整パターン2はアンテナ部3に接続されている。
【0062】
調整パターン2は、図3に示すように、第1の線路11と第2の線路12とが交差するように配置され、交点は、第1の線路11と第2の線路12とが絶縁され、上記第1の線路11と第2の線路12を接続する第3の線路13、第4の線路14が形成され、さらに第3の線路13、第4の線路14の一方の端に第5の線路15が接続され、第3の線路13、第4の線路14の他方の端が、アンテナ部3に接続され、同様に、アンテナ部3には、第1の線路11と第2の線路12が接続され、一辺が2.0mm幅の梯子が3本形成されている。
【0063】
なお、上述しているように、調整パターン2およびアンテナ部3の抵抗が低いほうが通信距離を伸ばすことができ、抵抗が高い場合には、通信距離を短くすることができるため、通信距離を伸ばしたい場合には、上述の膜厚を厚くするとともに、線幅を大きくし、通信距離を短くしたい場合には、膜厚を薄くし、線幅を小さくすればよい。
【0064】
また、第1の線路11は破線で示しているが、これは第2の線路12と交点が絶縁されていることを便宜上あらわしたものであり、本実施例では後述するが、第2〜第5の線路とは別の層に形成されている。
【0065】
また、図4に示すように構成することで、切断のやり方によって調整パターン2の線路が非交差のパターンと交差のパターンとにすることが可能になるが、本実施例では調整を段階的に行うため、第3の線路13と第4の線路14との間に複数の線路を設けているが、大小の調整を行う場合には、図4の調整ループ2でもよい。
【0066】
また、本実施例は図4(a)のように第1の線路11と第2の線路12との端に第3の線路13と第4の線路14を接続しているが、図4(b)のように第1の線路11と第2の線路12との交点から離れた第1の線路11と第2の線路12との間、つまり第1の線路11と第2の線路12との端以外の部分で接続してもよい。
【0067】
図5は、図2に示されているアンテナ装置をX−X’にて切断したときの断面図で、図5に示すように、基材4の上面にはアンテナ部3、第2〜第5の線路12〜第15が形成されており、第1の線路11のみが基材4の反対の面に形成されており、第1の線路11と第2の線路12の交点は基材4によって絶縁されている。なお、第1の線路11は、スルーホール等によって基材4の上面に形成された線路と接続されている。このようにすることにより磁界によりアンテナ部3に発生する電流が、調整パターン2においてループ状に流れることになりアンテナ装置1における共振周波数の調整範囲を拡大することが可能となる。
【0068】
なお、本実施例では、基材4の両面に配線を形成することで、第1の線路11と第2の線路12との交点を絶縁しているが、交点の間に絶縁部材等を設けることで絶縁すれば、同じ面に形成してもよい。
【0069】
また、図5において調整パターン2およびアンテナ部3のそれぞれの導電パターンの断面形状は長方形形状としているが、この形状に限定されたものではなく、三角形形状、台形形状、半径形状のもの、またはそれを組み合わせた形状のものであってもよい。
【0070】
上記のように形成されたアンテナ装置1の調整方法について図6〜図12を用いて説明する。図6は、本発明の実施例における梯子状にした調整のパターンの調整図、図7は、本発明の実施例における梯子状にした調整パターンの断面図、図8は、本発明の実施例におけるループ状にした調整のパターンの調整図、図9は、本発明の実施例におけるループ状にした調整パターンの断面図、図10は、本発明の実施例における共振周波数変化量図である。
【0071】
まず、トリミングポイントYを切断し、梯子状のパターンとループパターンとに決定する。図6に示すように、トリミングポイントYをトリミングすることで、第1の線路11と第2の線路12とは切断され、調整パターン2は、梯子状の非交差のパターンとなる。本実施例では、トリミングポイントYを打ち抜きによって行っているため図7に示すようなり、第1の線路11と第2の線路12が切断されるが、これは第1の線路11と第2の線路12が交差している部分を打ち抜いているため1回の打ち抜きで両方の線路を切断しているが、第1の線路11および第2の線路それぞれを切断することも可能である。
【0072】
なお、本実施例では、第1の線路11と第2の線路12との交点を切断しているが、第1の線路11は基材4の裏面にあるため、交点を確実に打ち抜けるように、目印等のマークを設けたほうが好ましい。
【0073】
また、打ち抜き加工において本実施例では磁性シート5も含めて打ち抜き加工を行っているが、必要な線路が切断できれば、磁性シート5を打ち抜く必要はなく、磁性シート5を打ち抜くことによるクズの発生等を防止することもできる。
【0074】
また、第2の線路12は、基材4の表面に形成されているため、打ち抜き以外にも、エッチング等の第2の線路12を削って切断することも可能であり、第1の線路11を基材4の裏面にすべて形成するのではなく、基材4の表面に少なくとも一部露出させることで、基材4の表面をエッチング等で第1の線路11、第2の線路12を切断することもできる。
【0075】
また、切断する部分にレーザーを照射し、表面を削ることによって線路を切断してもよい。
【0076】
また、第1の線路11の一部を基材4の表面に露出させる際に、例えば、第1の線路11が直線形状であった場合に、第3の線路13と第4の線路14との交点近傍の第1の線路11を基材4の表面上に露出させることで、基材4の裏面に形成されている第1の線路11の位置を特定することができ、第1の線路11を打ち抜き加工によって切断する際の目印として利用できる。
【0077】
また、上記エッチング等の磁性シート5に穴を開けない方法を用いることで、打ち抜くことによるクズの発生等を防止することもできる。
【0078】
その後、図6(a)〜(c)に示すように、トリミングポイントZの位置を変えることによって、アンテナ装置1の共振周波数を調整する。
【0079】
詳細に説明すると、アンテナ装置1の共振周波数はアンテナ装置1全体のインダクタンスを調整することで変化させるものであり、アンテナ装置1の共振周波数を調整するために調整パターン2を変化させている。
【0080】
調整パターン2を変化させる場合図6(a)〜(c)に示すように、トリミングポイントZを切断するが、このようにすることで、調整パターン2を流れる電流の経路が変化し、調整パターン2の磁界が変化することでアンテナ装置1の共振周波数が変化する。
【0081】
なお、調整パターン2に流れる電流は、抵抗値が低いところつまり、調整パターン2の最短経路にほとんどの電流が流れるため、調整パターン2の切断は、第1の線路11と第2の線路12に近いほうから順に切断することで共振周波数の調整幅が大きくなる。つまり、アンテナ装置1の共振周波数を調整するために必要な経路より短い経路を切断するのみで調整パターンの磁界が変化するため、共振周波数の調整は可能であり、特に図6(a)の場合には、切断しなくとも共振周波数の調整は可能であるが、他の経路は切断するほうが必要な経路のみに電流が流れるため、図6(a)〜(c)のように示すように切断するほうが好ましい。
【0082】
次に、図8に示すように、トリミングポイントYを切断することで、第3の線路13と第4の線路14とは切断され、調整パターン2は第1の線路11と第2の線路12とが交差するループパターンとなる。本実施例では、打ち抜きによって第3の線路13と第4の線路14とを切断している。
【0083】
その後、図8(a)〜(b)に示すように、トリミングポイントZの位置を変えることによって、アンテナ装置1の共振周波数を調整する。
【0084】
上記トリミングポイントY、Zを切断した場合の共振周波数の変化について、図10を用いて説明する。
【0085】
図10に示すように、調整パターン2によって従来の梯子状のパターンとあわせてループパターンによっても共振周波数の調整を行うことができる。
【0086】
また、調整パターン2に梯子状のパターンとループパターンとを選択するトリミングポイントYのほかに微調整を行うトリミングポイントZを設けているため、図10に示すように、少量調整したい場合には、梯子状のパターンにして、図6(a)のようにするとA、図6(b)のようにするとB、図6(c)のようにするとCというように段階的にアンテナ装置1の共振周波数の微調整を行うことができ、大きく調整したい場合には、ループパターンにして、図8(a)のようにするとA、図8(b)のようにするとB、図8(c)のようにするとCというように段階的にアンテナ装置1の共振周波数を多きく調整することができる。
【0087】
以上のように、トリミングポイントYを切断することで、梯子状のパターンにもループパターンにもすることができ、さらにトリミングポイントZを切断することで、段階的に共振周波数の調整を行うことができ、従来の梯子パターンに第1の線路11と第2の線路12を形成するのみで、トリミングによって調整できるポイントを増やし、調整パターン2による調整範囲を拡大することができる。
【0088】
上記、調整方法を含めたアンテナ装置1の製造工程について図11、図12を用いて説明する。図11は本発明の実施例におけるアンテナ装置の製造工程図であり、図12は、本発明の実施例におけるアンテナ装置の共振周波数変化図である。
【0089】
まず初めに基材4にアンテナ部3を形成したアンテナ基板と、磁性シート5をそれぞれ作製し、上記2つを貼り付けてアンテナ装置1の組み立てを行う。
【0090】
次にアンテナ装置1の共振周波数を測定し、アンテナ装置1の中心周波数とのずれを計測する。その後測定した中心周波数のずれをなくすためにアンテナ装置1における調整パターン2をトリミングすることにより指定の共振周波数に合わせこむ。最後に再度アンテナ装置1の共振周波数を測定し、指定の共振周波数にきているのかの確認を行ってアンテナ装置1が完成する。
【0091】
以上の工程から、図12に示すようにアンテナ装置1の中心周波数のずれを調整パターン2をトリミングすることで、必要とする周波数にあわせこむことができ、アンテナ装置1の共振周波数の調整が組み立て後に可能となり、アンテナ装置1における組み立て時の周波数調整不良を大幅に改善することができる。
【0092】
つまり、梯子状にもループ状にも調整パターン2を変えることができるため、アンテナ装置1の共振周波数を調整する際、調整パターン2の切断する箇所を選択することにより、調整パターン2を整幅の狭い梯子状のパターンと、調整幅が大きいループパターンにすることができるため、アンテナ装置1の共振周波数の微調整を行ったり、共振周波数の調整範囲を広げたりすることができ、アンテナ組み立て時における周波数の調整不良を大幅に低減することができる。
【0093】
また、上記調整方法により、設計段階ではなくアンテナ装置1を作製した後、調整パターン2を切断することで、アンテナ装置1の周波数を調整できるため、磁性シート5を貼り付けることによる、アンテナ装置1の周波数のずれ等の設計段階では、考慮できない周波数のずれを調整することができる。
【0094】
また、調整パターン2の調整範囲を初めに梯子状のパターンにするかループパターンにするか設定するため、設計段階では考慮できないずれに容易に対応することができる。
【0095】
なお、調整パターン2とアンテナ部3とについては、図13に示すように基材4に段差を設けてパターンを形成することも可能である。なお、図13は、図2に示されているアンテナ装置をX−X’にて切断したときの断面図である。この場合、図13(a)に示すように、調整パターン2の部分の基材4を高くして裏面に第1の線路11を設けることで、アンテナ部3の膜厚を厚くして通信距離を伸ばしつつ、第1の線路11を配置するためのスペースを設けることができる。
【0096】
また、図13(b)に示すように、上述した第1の線路11を第2の線路12と同じ面に形成し、絶縁膜16によって、第1の線路11と第2の線路12との交点を絶縁する場合、第1の線路11と高さを合わせるために、アンテナ部3の部分の基材4の高さを高くし段差を設けてもよい。
【0097】
上記、段差を設けることについては、アンテナ部3と調整パターン2の膜厚を変える必要があって、アンテナ装置1の表面の高さを一定する際に有効である。また、調整パターン2とアンテナ部3とを同一平面状ではなく、別の平面状に作製し、積層構造とすることもできる。
【0098】
また、本実施例では1つの調整パターン2を設けているが、2つ以上の調整パターン2を形成することでさらに細かい周波数の調整が可能になり、同じ形状、同じ大きさの調整パターン2を配置して、一方をループ状の調整パターン2として用い、他方を梯子状の調整パターン2として用いたりすることも可能であり、調整パターン2を複数個配置することで、さらに調整パターン2による共振周波数の調整の自由度を大きくすることができる。
【0099】
上記のように、複数個は位置する場合で、例えば、2つ配置するとき、図14に示すように配置することで、アンテナ構造を非対称にすることができ、アンテナ装置として利用した場合、効率よく通信を行うことができる。
【0100】
なお、上記調整パターン2の形状は一定の線幅の梯子状の形状としているが、図15に示すように、線路によって線幅を変えたり、線幅を徐々に変化させたりしてもよく、また、図16に示すように円形や、多角形状、例えば、四角形や三角形のものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明のアンテナ装置の調整方法、およびその製造方法は、商品棚などに収納される非接触ICカードやICタグなどの無線通信媒体に電力と送信データを供給し、無線通信媒体から受信データを負荷変動により取得する無線通信媒体処理装置であって、特に自動で商品管理、書籍管理等が可能となる収納棚、展示棚以外の医薬品管理、危険物管理、貴重品管理システム等々などの、通信範囲を拡大させることが必要な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施例におけるアンテナ装置の斜視図
【図2】本発明の実施例におけるアンテナ装置の上面図
【図3】本発明の実施例における調整パターンの拡大図
【図4】本発明の実施例における調整パターンの変形図
【図5】本発明の実施例におけるアンテナ装置の断面図
【図6】本発明の実施例における梯子状にした調整のパターンの調整図
【図7】本発明の実施例における梯子状にした調整パターンの断面図
【図8】本発明の実施例におけるループ状にした調整のパターンの調整図
【図9】本発明の実施例におけるループ状にした調整パターンの断面図
【図10】本発明の実施例における共振周波数変化量図
【図11】本発明の実施例におけるアンテナ装置の製造工程図
【図12】本発明の実施例におけるアンテナ装置の共振周波数変化図
【図13】本発明の実施例における他のアンテナ装置の断面図
【図14】本発明の実施例における他のアンテナ装置の上面図
【図15】本発明の実施例における他の調整パターンの拡大図
【図16】本発明の実施例における他の調整パターンの拡大図
【図17】従来の技術におけるアンテナ装置の上面図
【符号の説明】
【0103】
1 アンテナ装置
2 調整パターン
3 アンテナ部
4 基材
5 磁性シート
6、7 保護部材
8 端子接続部
11 第1の線路
12 第2の線路
13 第3の線路
14 第4の線路
15 第5の線路
16 絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループパターンと、
前記ループパターンに接続される調整パターンとを備え、
前記調整パターンは、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、前記第1の線路と第2の線路を結び前記交点と非交差の第3の線路と、前記第1の線路と第2の線路を結び前記第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、前記第3の線路と前記第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、前記第3の線路と前記第4の線路の他方の端は前記ループパターンに接続されたアンテナ装置であって、
前記第1の線路、前記第2の線路、もしくは、前記第1の線路と前記第2の線路との間にある前記第3の線路、前記第4の線路のいずれか一方を切断し、前記アンテナ装置の共振周波数を調整することを特徴とするアンテナ装置の調整方法。
【請求項2】
前記第5の線路は並列に接続された複数の線路からなることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項3】
前記第5の線路は、前記第1の線路と前記第2の線路とに近いほうから順に切断することを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項4】
絶縁性を有する基台に前記調整パターンを形成し、前記第1の線路は、前記基台を挟み前記第2の線路とは反対側の面にあることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項5】
前記調整パターンは、前記ループパターンの中央を避けて端部に設けることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項6】
前記調整パターンは、複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項7】
段差が設けられた基台に、前記ループパターンと前記調整パターンとを段差を挟んで形成したことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置の調整方法。
【請求項8】
基台上にループパターンと、第1の線路と第2の線路とが交差し、交点は電気的に非接続で、前記第1の線路と第2の線路を結び前記交点と非交差の第3の線路と、前記第1の線路と第2の線路を結び前記第3の線路と交点を挟み反対側にある第4の線路と、前記第3の線路と前記第4の線路との一方の端を結ぶ第5の線路とにより形成され、前記第3の線路と前記第4の線路の他方の端は前記ループパターンに接続された調整パターンとを形成する第1の工程と、
前記基台の前記ループパターンを形成した面とは反対側に磁性シートを貼り合わせる第2の工程と、
前記ループパターンの共振周波数を測定し、前記調整パターンで所望の共振周波数に調整する第3の工程とからなることを特徴とするアンテナ装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−253580(P2009−253580A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97940(P2008−97940)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】