説明

アンテナ装置及びこれを用いた無線通信機器

【課題】インピーダンス整合回路として機能するアンテナ素子を用いてプリント基板全体をアンテナとして動作させると共に、アンテナ損失やアンテナ特性のばらつきを低減することが可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置1は、アンテナ素子10と、アンテナ素子10が実装されたプリント基板20とを備えている。プリント基板20は、グランドパターンが実質的に排除されたアンテナ実装領域20Aと、グランドパターンが含まれる主回路領域20Bとを有している。アンテナ素子10は、誘電体からなる基体11と、基体11の内部に形成されたインピーダンス整合回路とを備え、インピーダンス整合回路は、垂直方向及び水平方向に対して互いに重ならないように配置された第1及び第2のキャパシタC1,C2を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、プリント基板上に実装されて使用される積層構造の表面実装アンテナに関するものである。また、本発明は、そのようなアンテナ装置を用いた高性能な無線通信機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンテナを広帯域化或いはマルチバンド化する技術として、無給電素子を用いる方法や放射素子を分岐させる方法が知られている(特許文献1、2参照)。しかし、これらの方法ではアンテナの体積が増えるため小型化が難しいという問題がある。
【0003】
また、複数のチップインダクタやチップキャパシタで構成されたインピーダンス整合回路を用いることによって広帯域化又はマルチバンド化を図る技術も知られている。しかし、この技術もプリント基板上において実装面積が大きくなりやすく、多数のチップ部品を使用することによりコストが増加するという問題がある。この問題を解決するため、インダクタ及びキャパシタをワンパッケージ化した積層構造のインピーダンス整合回路及びこのインピーダンス整合回路と放射素子とをさらにワンパッケージ化したアンテナが提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−022421号公報
【特許文献2】特開2003−218623号公報
【特許文献3】特開2004−336250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、積層構造のインピーダンス整合回路又はアンテナにおいては、インダクタ及びキャパシタは複数存在し且つ近接しているため、それらが互いに干渉し合い、アンテナ損失やアンテナ特性の製造上のばらつきを生じさせるという問題がある。また、たとえ放射素子とインピーダンス整合回路とのワンパッケージ化が可能であったとしても、放射素子自身を小型化しない限り、チップアンテナ全体を小型化することは難しい。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、インピーダンス整合回路として機能するアンテナ素子を用いてプリント基板全体をアンテナとして動作させると共に、アンテナ損失やアンテナ特性のばらつきを低減することが可能なアンテナ装置を提供することにある。また、本発明は、そのようなアンテナ装置を用いた高性能な無線通信機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナ装置は、アンテナ素子と、前記アンテナ素子が実装されたプリント基板とを備え、前記プリント基板は、グランドパターンが含まれる主回路領域と、前記グランドパターンが実質的に排除されたアンテナ実装領域と、前記主回路領域から前記アンテナ実装領域内に引き込まれた給電ラインとを有し、前記アンテナ素子は、誘電体からなる基体と、前記基体の内部に形成されたインピーダンス整合回路とを備え、前記インピーダンス整合回路は、前記給電ラインに並列接続された第1のキャパシタと、前記給電ラインに直列接続された第2のキャパシタを含み、前記第1及び第2のキャパシタは垂直方向及び水平方向に対して互いに重ならないように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、インピーダンス整合用の第1のキャパシタC1と、共振周波数調整用の第2のキャパシタC2とを内蔵し、キャパシタC1,C2間の浮遊容量が低減されたアンテナ装置を提供することができる。
【0009】
本発明において、前記アンテナ素子は、前記基体の内部に形成された第1乃至第5のスルーホール導体をさらに備え、前記第1のキャパシタの一端は、前記第1のスルーホール導体を経由して前記プリント基板上の給電ラインに接続されており、前記第1のキャパシタの他端は第2のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されており、前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体を経由して第1のキャパシタの一端に接続されると共に、前記第4のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されており、前記第2のキャパシタの他端は前記第5のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、第3のスルーホール導体をインピーダンス整合用の第1のインダクタL1として機能させることができ、また第3のスルーホール導体をインピーダンス整合用の第2のインダクタL2として機能させることができ、インピーダンス整合回路を内蔵した小型で高性能なアンテナ素子を実現することができる。
【0011】
本発明において、前記アンテナ素子は、前記第1のキャパシタの一端に接続された引き出し部をさらに備え、前記引き出し部の先端は前記第2のキャパシタと平面視にて重なる位置まで延びており、前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体及び前記引き出し部を経由して第1のキャパシタの一端に接続されていることが好ましい。この構成によれば、給電ラインと第2のキャパシタとの接続を確実に取ることができると共に、第3のスルーホール導体と共に引き出し部をインピーダンス整合用の第1のインダクタンスL1として機能させることができ、インピーダンス整合回路を内蔵した小型で高性能なアンテナ素子を実現することができる。
【0012】
本発明において、前記アンテナ素子は、前記基体の底面に形成された第1乃至第3の端子電極をさらに備え、前記第1のキャパシタの一端は、前記第1のスルーホール導体及び前記第1の端子電極を経由して前記プリント基板上の給電ラインに接続されており、前記第1のキャパシタの他端は第2のスルーホール導体及び前記第2の端子電極を経由して接地電位に接続されており、前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体を経由して第1のキャパシタの一端に接続されると共に、前記第4のスルーホール導体及び前記第2の端子電極を経由して接地電位に接続されており、前記第2のキャパシタの他端は前記第5のスルーホール導体及び前記第3の端子電極を経由して接地電位に接続されていることが好ましい。この構成によれば、プリント基板上にアンテナ素子を容易に実装することができる。
【0013】
本発明において、前記プリント基板は、前記アンテナ実装領域内に設けられた第1乃至第3のランドをさらに備え、前記第1のランドは前記プリント基板上の前記給電ラインに接続されており、前記第2及び第3のランドは前記プリント基板上の前記グランドパターンに接続されており、前記アンテナ素子の前記第1乃至第3の端子電極は、前記第1乃至第3のランドにそれぞれ接続されていることが好ましい。この構成によれば、プリント基板上のアンテナ実装領域内にアンテナ素子を容易且つ正確に実装することができる。
【0014】
本発明において、前記アンテナ実装領域は、一辺がプリント基板のエッジに接し、残りの辺が前記グランドパターンのエッジに囲まれた領域であり、前記グランドパターンの前記エッジは、互いに向かい合う第1及び第2のエッジを含み、前記第1のキャパシタの他端は前記第1のエッジに接続されており、前記第2のキャパシタの他端は前記第2のエッジに接続されていることが好ましい。この構成によれば、アンテナ素子はアンテナ実装領域の対向する二辺を画定するグランドパターン間に架設され、アンテナ実装領域をその幅方向に跨いで両側のグランドパターン間を短絡させるものとなる。したがって、アンテナ素子をグランドパターン全体に対するインピーダンス調整素子として機能させることができる。
【0015】
本発明において、前記基体の材料は、低温焼成セラミック(LTCC)であることが好ましい。基体の材料としてLTCCを用いた場合には、電気抵抗が低く高周波特性に優れた金属材料を内部電極として使用できる。したがって、基体の内部に小型で高性能なインピーダンス整合回路を内蔵させることが可能である。
【0016】
本発明において、前記基体は、所定の誘電率を有する第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層よりも低い誘電率を有する第2の誘電体層を有し、前記第2の誘電体層は、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間に設けられていることが好ましい。この構成によれば、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間の浮遊容量をさらに低減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0017】
また、上記課題を解決するため、本発明による無線通信機器は、上述した本発明によるアンテナ装置と、前記アンテナ装置の前記アンテナ素子に接続された無線回路部と、少なくとも前記無線回路部を制御する通信制御部とを備え、前記無線回路部及び前記通信制御部は、前記プリント基板の前記主回路領域に設けられていることを特徴とする。本発明によれば、上記アンテナ装置を用いた小型で高性能な無線通信機器を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、インピーダンス整合回路を用いてプリント基板全体をアンテナとして動作させると共に、パッケージ内の複数のキャパシタの相互干渉を防止し、アンテナ損失やアンテナ特性のばらつきを低減することが可能なアンテナ装置を提供することができる。また、本発明は、そのようなアンテナ装置を用いた高性能な無線通信機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置1の構成を示す略斜視図である。
【図2】図2は、プリント基板20上に実装されたアンテナ素子10の構成を示す略斜視図である。
【図3】図3は、図2に示すアンテナ素子10の側面断面図である。
【図4】図4は、アンテナ素子10の各層の電極パターンの平面レイアウトである。
【図5】図5は、プリント基板20上のアンテナ実装領域のパターンレイアウトを示す略平面図である。
【図6】図6は、アンテナ装置1の等価回路図である。
【図7】図7は、アンテナ装置1のVSWR特性を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の第2の好ましい実施形態によるアンテナ装置2の構成を示す略断面図である。
【図9】図9は、上記アンテナ装置1又は2を用いた無線通信機器100の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置1の構成を示す略斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態によるアンテナ装置1は、アンテナ素子10と、アンテナ素子10が実装されたプリント基板20とを備えている。
【0023】
アンテナ素子10はプリント基板20上に設けられたアンテナ実装領域20A内に実装されている。アンテナ実装領域20Aはグランドパターンが実質的に排除された領域であって、プリント基板20のエッジに接して設けられている。特に、本実施形態によるアンテナ実装領域20Aはプリント基板20の長手方向のエッジ20eに接しており、特に長手方向の中央部に設けられている。
【0024】
アンテナ実装領域20Aの外側の大部分は、無線通信機器を構成するために必要な回路が実装された主回路領域20Bであり、主回路領域20B内の任意の位置にはグランドパターンが設けられている。詳細は後述するが、本実施形態によるアンテナ装置1は、アンテナ素子10のみでアンテナ動作を行うというよりむしろ、プリント基板20上のグランドパターンと協働してアンテナ動作を行うものである。その意味で、アンテナ素子10は、プリント基板20を含むアンテナ全体のインピーダンスを調整するインピーダンス整合素子と言うことができる。
【0025】
図2は、プリント基板20上に実装されたアンテナ素子10の構成を示す略斜視図である。
【0026】
図2に示すように、アンテナ素子10は、誘電体からなる基体(誘電体積層ブロック)11と、基体11の内部に形成された複数の電極層(電極パターン)によって構成されている。基体11の形状は略直方体であって、上面11A、底面11B、及び4つの側面11C〜11Fを有している。このうち、2つの側面11C,11Dは基体11の長手方向と平行であり、他の2つの側面11E,11Fは基体11の長手方向と直交している。なお、アンテナ素子10の上下方向はプリント基板20の主面を基準面にして定義され、基体11の底面11bは実装時にプリント基板20に接する面である。
【0027】
基体11の材料としては、特に限定されるものではないが、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic:低温焼成セラミック)を用いることが特に好ましい。LTCCは1000℃以下での低温焼成が可能であるため、電気抵抗が低く高周波特性に優れたAg、Cu等の低融点金属材料を内部電極として使用でき、これにより抵抗損失の少ない電極パターンを実現できる。また、電極パターンを多層構造の内層に形成できるので、LC回路の小型化、高機能化が可能である。加えて、異なる比誘電率の誘電体シートを積層し、同時焼成できるといった特徴もある。
【0028】
基体11の誘電率は、内蔵されるキャパシタが所定のキャパシタンスとなるようにする必要がある。基体11の誘電率が高いほど大きなキャパシタンスを持たせることができる。
【0029】
基体11の底面11Bには第1〜第3の端子電極12A〜12Cが設けられているが、上面11A及び4つの側面11C〜11Fには電極パターンは設けられていない。すなわち、基体11の表面に放射電極は設けられていない。
【0030】
第1及び第3の端子電極12A,12Cは、底面11Bと第2の側面11Dに共通の辺に沿って形成されている。特に、第1の端子電極12Aは、第2の側面11Dと第3の側面11Eが直交するコーナー部に設けられており、第3の端子電極12Cは、第2の側面11Dと第4の側面11Fが直交するコーナー部に設けられている。また、第2の端子電極12Bは、底面11Bと第1の側面11Cに共通の辺に沿って長手方向の全範囲に形成されており、第1及び第3の端子電極12A,12Cよりも大きな面積を有している。
【0031】
基体11の内部には、多層電極構造を有する第1のキャパシタC1と、第1のキャパシタC1よりも下層に設けられた第2のキャパシタC2と、第1のキャパシタC1を構成する一対の電極のうちの一方に属する複数の平面電極パターン(第1の電極グループ)と第1の端子電極12Aとを接続する第1のスルーホール導体TH1と、第1のキャパシタC1を構成する一対の電極のうちの他方に属する複数の平面電極パターン(第2の電極グループ)と第2の端子電極12Bとを接続する第2のスルーホール導体TH2と、第1のキャパシタC1の第1の電極グループと第2のキャパシタC2の一方の平面電極パターンとを接続する第3のスルーホール導体TH3と、第2のキャパシタC2の一方の平面電極パターンと第2の端子電極12Bとを接続する第4のスルーホール導体TH4と、第2のキャパシタC2の他方の平面電極パターンと第3の端子電極12Cとを接続する第5のスルーホール導体TH5とを備えている。
【0032】
図3は、図2に示すアンテナ素子10の側面断面図である。
【0033】
図3に示すように、第1のキャパシタC1は、全部で7層の電極層からなり、第1の電極グループに属する4層の平面電極パターン13a,13c,13e,13gと第2の電極グループに属する3層の平面電極パターン13b,13d,13fが交互に積層されている。4層の平面電極パターン13a,13c,13e,13gはいずれも第1のスルーホール導体TH1に接続されて同電位に保たれており、3層の平面電極パターン13b、13d、13fはいずれも第2のスルーホール導体TH2に接続されて同電位に保たれている。なお、キャパシタC1の平面電極パターンの層数は、目的とするキャパシタンスに合わせて適宜設定すればよい。
【0034】
第2のキャパシタC2は、第1のキャパシタC1よりも下層であって、垂直方向及び水平方向に対して第1のキャパシタC1と重ならないように設けられている。なお垂直方向及び水平方向はアンテナ素子10の実装面を基準に定義され、実装面と直交する方向が垂直方向であり、実装面と平行な方向が水平方向である。2つのキャパシタC1,C2は狭い基体11内に収められてワンチップ化されているため、キャパシタC1、C2は近接し、両者の間には浮遊容量が発生している。特に、両者が非常に近い場合には大きな浮遊容量が発生し、アンテナ特性の低下や製造ばらつきを生じさせる原因となる。しかし、基体11内において第1及び第2のキャパシタC1,C2の空間的な位置を上記のようにずらして両者を引き離すことにより、キャパシタC1,C2間の浮遊容量を低減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0035】
第1のキャパシタC1の最上層の平面電極パターン13aは引き出し部13hを有している。この引き出し部13hは第2のキャパシタC2と平面視にて重なる位置まで水平方向に延び、第3のスルーホール導体TH3を経由して第2のキャパシタC2の一方の平面電極パターン14aの上面に接続されている。そして、この引き出し部13h及び第3のスルーホール導体TH3によって後述する第1のインダクタL1が構成されている。
【0036】
第2のキャパシタC2の一方の平面電極パターン14aの底面には第4のスルーホール導体TH4の上端が接続されており、平面電極パターン14aは第4のスルーホール導体TH4を経由して第2の端子電極12Bに接続されている。そして、この第4のスルーホール導体TH4によって後述する第2のインダクタL2が構成されている。なお、本実施形態において第4のスルーホール導体TH4の平面方向の位置は第3のスルーホール導体TH3の位置と一致している。
【0037】
第2のキャパシタC2の他方の平面電極パターン14bの底面には第5のスルーホール導体TH5の上端が接続されており、平面電極パターン14bは第5のスルーホール導体TH5を経由して第3の端子電極12Cに接続されている。
【0038】
図4は、アンテナ素子10の各層の電極パターンの平面レイアウトである。
【0039】
図4に示すように、本実施形態によるアンテナ素子10は、多数の誘電体層(誘電体シート)を積層してなるもので、各誘電体層の上面及び最下層の誘電体層の底面が電極パターンの形成面となっている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるアンテナ素子10は、全部で27層の誘電体層を有しており、第1〜第28の電極層LL1〜L28を有している。ここで、第1層LL1〜第27層LL27は、対応する誘電体層の上面に形成された電極パターン及びスルーホール導体のレイアウトを示しており、第28層LL28は最下層の誘電体層の底面に形成された第1〜第3の端子電極12A〜12Cのレイアウトを示している。なお、第1層LL1〜第3層LL3は、電極パターンやスルーホール導体が一切形成されていない層である。
【0040】
第4層LL4〜第16層LL16には第1のキャパシタC1を構成する平面電極パターン13a〜13gが設けられている。第4層LL4には引き出し部13hを有する平面電極パターン13aが設けられており、この平面電極パターン13aは、第1のスルーホール導体TH1を介して、第8層LL8の平面電極パターン13c、第12層LL12の平面電極パターン13e、及び第16層LL16の平面電極パターン13gに接続されると共に、第1の端子電極12Bに接続されている。なお平面電極パターン13c及び13eの位置及び形状は同じである。
【0041】
一方、第6層LL6には平面電極パターン13bが設けられており、この平面電極パターン13bは、第2のスルーホール導体TH2を介して、第10層LL10の平面電極パターン13d、及び第14層LL14の平面電極パターン13fに接続されると共に、第2の端子電極12Bに接続されている。なお平面電極パターン13b,13d及び13fの位置及び形状は同じである。
【0042】
このように、第1の電極グループに属する平面電極パターン13a,13c,13e,13gと第2の電極グループに属する平面電極パターン13b,13d,13fとが誘電体層を介して交互に積層され、部分的に重なり合うことで、静電容量の比較的大きなキャパシタC1を構成することができる。
【0043】
第22層LL22〜第24層LL24には第2のキャパシタC2を構成する平面電極パターン14a,14bが設けられている。第22層LL22には平面電極パターン14aが設けられており、この平面電極パターン14aは、そこから上方に延びる第3のスルーホール導体TH3を介して平面電極パターン13aの引き出し部13hに接続されると共に、そこから下方に延びる第4のスルーホール導体TH4を介して、第2の端子電極12Bに接続されている。
【0044】
第3のスルーホール導体TH3は第4層LL4〜第21層LL21を貫通しており、第4のスルーホール導体TH4は第22層LL22〜第27層LL27を貫通している。第3のスルーホール導体TH3と第4のスルーホール導体TH4の平面方向の位置は同じであり、一本のスルーホール導体として構成されているが、両者は平面電極パターン14aを介して接続されているので、必ずしも同一直線上に配置されていなくてもよい。すなわち、第3のスルーホール導体TH3は、第4のスルーホール導体TH4と平面視にて重ならない位置に配置されていてもよい。
【0045】
一方、第24層LL24には平面電極パターン14bが設けられており、この平面電極パターン14bは、第5のスルーホール導体TH5を介して、第3の端子電極12Cに接続されている。このように、平面電極パターン14a,14bが誘電体層を介して積層されることでキャパシタC2が構成されている。
【0046】
第1のキャパシタC1を構成する平面電極パターン13a〜13gは図中の右寄りに設けられているのに対し、第2のキャパシタC2を構成する平面電極パターン14a,14bは左寄りに設けられており、両者は平面視にて重ならないように配置されている。さらに、第1のキャパシタC1の最下層の平面電極パターン13gが設けられた第16層LL16と、第2のキャパシタC2の平面電極パターン14aが設けられた第22層LL22との間には、電極パターンがなくスルーホール導体のみが形成された5層の誘電体層(第17層LL17〜第21層LL21の下地層)が介在している。このように、キャパシタC1とキャパシタC2との間に複数の誘電体層を介在させて両者の距離を十分に引き離すことにより、浮遊容量を十分に小さくすることができ、アンテナ特性の低下を防止することができる。
【0047】
図5は、プリント基板20上のアンテナ実装領域20Aのパターンレイアウトを示す略平面図である。
【0048】
図5に示すように、プリント基板20はFR4等の絶縁基板21に導体パターンやスルーホール導体が形成されたものであって、特に、プリント基板20上にはアンテナ実装領域20Aが設けられている。アンテナ実装領域20Aは、四辺がプリント基板20のエッジ20e又はプリント基板上のグランドパターン23のエッジ23eに囲まれた略矩形状の領域である。また、アンテナ実装領域20Aの外側は、無線通信機器を構成するための回路又は部品が実装された主回路領域20Bであり、アンテナ実装領域20Aと主回路領域20Bとの境界を区別するためのグランドパターン23はこの主回路領域20B内に形成されている。
【0049】
本実施形態によるアンテナ実装領域20Aは、三辺がプリント基板20上のグランドパターン23のエッジ23e(23e〜23e)に囲まれており、残りの一辺がプリント基板20のエッジ20eに囲まれている。このように、アンテナ実装領域20Aをプリント基板のエッジ20eに設けた場合、アンテナ素子10から見て半分の空間はプリント基板(グランドパターン)の存在しない自由空間であることから、アンテナの放射効率を高めることができる。
【0050】
アンテナ実装領域20Aは、プリント基板20の長手方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に細長い矩形状の領域である。アンテナ実装領域20Aの長辺の長さをWaとし、短辺の長さをWbとするとき、Wa/Wb≧1.5であることが好ましい。具体的には、短辺Wb=3mmとするとき、長辺Waは4.5mm以上であることが好ましい。アンテナ実装領域20Aの縦横比を1.5以上とすることで、プリント基板20の中心側に流れる電流を増加させることができる。したがって、アンテナの放射効率を高めることができ、特に50%以上の放射効率を確保することができる。
【0051】
アンテナ実装領域20Aの大部分はグランドパターンが排除されたグランドクリアランス領域である。グランドクリアランス領域は、プリント基板20の表面のみならず裏面にも設けられており、多層基板の場合には内層にも設けられている。すなわちアンテナ実装領域の直下にはグランドパターンが排除された空間が拡がっている。アンテナ実装領域20Aをグランドクリアランス領域とすることで、アンテナ特性の安定化を図ることができ、アンテナ素子10の放射効率を高めることができる。
【0052】
図1に示したように、アンテナ実装領域20Aは、プリント基板20の長手方向(Y方向)に沿ったエッジ20eに接して設けられるが、この場合、アンテナ実装領域20Aはプリント基板20の長手方向の中点(基準点)Pから±25%以内の範囲に設けられることが好ましい。なお、アンテナ実装領域20A側の基準点は短辺の中点である。このように、プリント基板20の長手方向に対して中心P0から±25%の範囲に設けた場合には、アンテナ実装領域20Aから見てプリント基板20の長手方向の両側の領域に流れる電流の均衡を保つことができる。したがって、アンテナの放射効率を高めることができ、特に50%以上の放射効率を確保することができる。
【0053】
図5に示すように、アンテナ実装領域20A内には3つのランド24A〜24Cが設けられている。ランド24A〜24Cは、アンテナ素子10の端子電極12A〜12Cがそれぞれ接続されるものであり、対応する端子電極12A〜12Cと略同一幅を有している。ランド24A〜24Cは、プリント基板20の長手方向と直交する方向に細長い矩形状のアンテナ実装領域20A内において、プリント基板20のエッジ20eからできるだけ近い位置に設けられている。したがって、アンテナ素子10をプリント基板20のエッジ20e寄りに実装することができ、アンテナの放射特性を高めることができる。
【0054】
ランド24Aは、主回路領域20Bからアンテナ実装領域20A内に引き込まれた給電ライン27に接続されており、ランド24Bはランド24Aが延びる方向にある近接のグランドパターン23のエッジ23eに接続されている。さらに、ランド24Cはランド24Aが接続されたグランドパターン23のエッジ23eと向かい合う反対側のエッジ23eに接続されている。このようなランド24A〜24Cの配置により、アンテナ素子10は、アンテナ実装領域20Aをその幅方向(プリント基板のエッジと平行な方向)に跨いで両側のグランドパターン23,23間を電磁結合させるものとなり、グランドパターン全体に対するインピーダンス調整素子として機能するようになる。
【0055】
すなわち、図2に示したように、プリント基板20上にアンテナ素子10を実装すると、アンテナ素子10の長手方向はアンテナ実装領域20Aの長手方向と直交し、プリント基板20の長手方向と平行な関係となる。そして、アンテナ素子10の端子電極12Aはランド24Aを介して給電ライン27に接続され、端子電極12Bはランド24Bを介してグランドパターン23の一方のエッジ23eに接続される。端子電極12Cはランド24Cを介してグランドパターン23の反対側のエッジ23eに接続される。その結果、アンテナ素子10は、アンテナ実装領域20Aの対向する2つのエッジ23e,23eを画定するグランドパターン間に架設されることとなる。
【0056】
以下、プリント基板20上のグランドパターン全体を使用して電磁場を形成する理由について詳細に説明する。
【0057】
例えば、ブルートゥース用アンテナの場合、共振周波数f=2.442GHz(真空中の波長λ=122.77mm)、必要とされる比帯域幅BWは3.4%である。ここで、2.00×1.25×1.00mmの基体を用いて、基体の長手方向をアンテナ長Laとし、La=2mmのブルートゥース用アンテナを構成する場合、アンテナ長の波長比(a)は、a=2πLa/λ=0.1023となる。また、放射効率(η)を0.5(η=0.5、放射効率50%)とするとき、Qファクタ(Q)は、Q=η(1+3a)/a(1+a)=476.8365となる。さらに、VSWR(S)を2(S=2)とするとき、帯域幅(BW)は、BW=(s−1)×100/(√s×Q)[%]として求められ、BW=0.1%となる。つまり、ブルートゥース用アンテナにおいてアンテナ長La=2とした場合には、上記帯域幅3.4%を満足することができない。
【0058】
このように、アンテナ長Laがλ/2πよりも小さい超小型チップアンテナにおいては、上記の式より得られるアンテナ特性以上のものをアンテナ素子単体で得ることは理論上不可能である。そのため、超小型チップアンテナの場合にはプリント基板20上のグランドパターン23に流れる電流を利用して、グランドパターン23全体をアンテナとして効率良く動作させることが極めて重要となる。
【0059】
図6は、アンテナ装置1の等価回路図である。
【0060】
図6に示すように、アンテナ装置1は、信号源(給電点P)に並列接続されたインピーダンス整合用の第1のキャパシタンスC1と、信号源に直列接続されたインピーダンス整合用の第1のインダクタンスL1と、インダクタンスL1に直列接続された共振周波数調整用の第2のキャパシタンスC2と、インダクタンスL1に並列接続されたインピーダンス整合用の第2のインダクタンスL2と、キャパシタンスC2に直列接続された放射素子のインダクタンス成分Lrと、インダクタンス成分Lrに直列接続された放射抵抗Rとを備えている。また、キャパシタンスC1とキャパシタンスC2との間には浮遊容量Cfが発生している。
【0061】
キャパシタンスC1の一端は給電点Pに接続され、その他端は接地電位を提供するプリント基板20上のグランドパターン23に接続されている。インダクタンスL1の一端もまた給電点Pに接続されている。インダクタンスL2の一端はインダクタンスL1の他端に接続され、インダクタンスL2の他端は接地電位を提供するグランドパターン23に接続されている。キャパシタC2の一端はインダクタンスL1の他端に接続され、キャパシタC2の他端は放射素子として機能するプリント基板20上のグランドパターン23に接続されている。放射素子はプリント基板20上のグランドパターン23によって実現され、その等価回路はインダクタンス成分Lr及び放射抵抗Rの直列回路として表すことができる。そのため図示のように、キャパシタC2の他端には、このインダクタンスLr及び放射抵抗Rの直列回路が接続されている。
【0062】
このように、本実施形態によるアンテナ装置1は浮遊容量Cfを有するが、上記のように、基体11内のキャパシタンスC1、C2は垂直方向及び水平方向に対して互いに重ならないように配置されているので、キャパシタC1,C2間の浮遊容量Cfを十分に低減することができ、これによりアンテナ特性の製造上のばらつきを低減することができる。さらに、素子間の電磁干渉によって生じるアンテナの入力インピーダンスへの影響を抑制することができる。
【0063】
図7は、アンテナ装置1のVSWR特性を示すグラフであり、横軸は周波数(GHz)、縦軸はVSWRの値を示している。また、グラフ中の破線ラインはブルートゥース用アンテナ素子の使用周波数帯を示している。
【0064】
図7に示すように、本実施形態によるアンテナ装置1のVSWRは良好であり、2.44GHz付近を中心として約264MHzの広い帯域内で3以下のVSWRを得ることができる。すなわち、本実施形態によれば、小型なアンテナ素子10を用いた高性能なアンテナ装置1を実現することができる。
【0065】
以上説明したように、本実施形態によるアンテナ装置1は、基体11内のキャパシタC1、C2は垂直方向及び水平方向に対して互いに重ならないように配置されているので、キャパシタC1,C2間の浮遊容量Cfを十分に低減することができ、アンテナ特性の製造上のばらつきを低減することができる。さらに、素子間の電磁干渉によって生じるアンテナ入力インピーダンスへの影響を抑制することができる。
【0066】
図8は、本発明の第2の好ましい実施形態によるアンテナ装置2の構成を示す略断面図である。
【0067】
図8に示すように、第2の実施形態によるアンテナ装置2は、アンテナ素子10を備え、アンテナ素子10の基体11が、誘電率εを有する第1の誘電体層11Gと、第1の誘電体層11Gよりも低い誘電率εを有する第2の誘電体層11Hとを有している。そして、第2の誘電体層11Hは、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間に設けられている。その他の構成は第1の実施形態によるアンテナ装置1と実質的に同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0068】
このように、本実施形態によるアンテナ装置2は、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間の誘電体層11Hの誘電率εは、その上層及び下層に設けられた第1の誘電体層11Gの誘電率εよりも低いので、第1のキャパシタC1と第2のキャパシタC2との間の浮遊容量Cfをさらに小さくすることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0069】
図9は、上記アンテナ装置1又は2を用いた無線通信機器100の構成の一例を示すブロック図である。
【0070】
図9に示すように、無線通信機器100は、アンテナ素子10と、アンテナ素子10に接続された無線回路部31と、無線回路部31を制御する通信制御部32と、メモリ33と、入出力インターフェース34とを備えている。そして、アンテナ素子10は、プリント基板20のアンテナ実装領域20A内に設けられており、無線回路部31、通信制御部32、メモリ33及び入出力インターフェース34はプリント基板20の主回路領域20B内に設けられている。
【0071】
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明の範囲に包含されるものであることは言うまでもない。
【0072】
例えば、上記実施形態においては、キャパシタC1,C2を含むアンテナ素子10を例に挙げたが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、アンテナ素子が3つ以上のキャパシタを内蔵していてもよい。この場合、複数のキャパシタの各々が他の全てのキャパシタに対して本発明のような垂直方向及び水平方向の位置が重ならないような関係を有していてもよく、複数のキャパシタから選ばれたいくつかのキャパシタのみがそのような位置関係を有していてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1,2 アンテナ装置
10 アンテナ素子
11 基体
11A 基体の上面
11B 基体の底面
11C,11D,11E,11F 基体の側面
11G 第1の誘電体層
11H 第2の誘電体層
11b 底面
12A〜12C 端子電極
13a〜13g 平面電極パターン
13h 引き出し部
14a,14b 平面電極パターン
20 プリント基板
20A アンテナ実装領域
20B 主回路領域
20e エッジ
21 絶縁基板
23 グランドパターン
23e,23e,23e,23e グランドパターンのエッジ
24A〜24C ランド
27 給電ライン
31 無線回路部
32 通信制御部
33 メモリ
34 入出力インターフェース
35 グランドパターン
100 無線通信機器
C1 第1のキャパシタ(キャパシタンス)
C2 第2のキャパシタ(キャパシタンス)
Cf 浮遊容量
L1 第1のインダクタ(インダクタンス)
L2 第2のインダクタ(インダクタンス)
LL1〜LL28 電極層
Lr インダクタンス
P 給電点
P0 中心
R 放射抵抗
TH1〜TH5 スルーホール導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子と、前記アンテナ素子が実装されたプリント基板とを備え、
前記プリント基板は、グランドパターンが含まれる主回路領域と、アンテナ実装領域と、前記主回路領域から前記アンテナ実装領域内に引き込まれた給電ラインとを有し、
前記アンテナ素子は、誘電体からなる基体と、前記基体の内部に形成されたインピーダンス整合回路とを備え、
前記インピーダンス整合回路は、前記給電ラインに並列接続された第1のキャパシタと、前記給電ラインに直列接続された第2のキャパシタを含み、前記第1及び第2のキャパシタは垂直方向及び水平方向に対して互いに重ならないように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナ素子は、前記基体の内部に形成された第1乃至第5のスルーホール導体をさらに備え、
前記第1のキャパシタの一端は、前記第1のスルーホール導体を経由して前記プリント基板上の給電ラインに接続されており、
前記第1のキャパシタの他端は、前記第2のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されており、
前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体を経由して第1のキャパシタの一端に接続されると共に、前記第4のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されており、
前記第2のキャパシタの他端は前記第5のスルーホール導体を経由して接地電位に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記アンテナ素子は、前記第1のキャパシタの一端に接続された引き出し部をさらに備え、
前記引き出し部の先端は前記第2のキャパシタと平面視にて重なる位置まで延びており、
前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体及び前記引き出し部を経由して第1のキャパシタの一端に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナ素子は、前記基体の底面に形成された第1乃至第3の端子電極をさらに備え、
前記第1のキャパシタの一端は、前記第1のスルーホール導体及び前記第1の端子電極を経由して前記プリント基板上の給電ラインに接続されており、前記第1のキャパシタの他端は第2のスルーホール導体及び前記第2の端子電極を経由して接地電位に接続されており、
前記第2のキャパシタの一端は、前記第3のスルーホール導体を経由して第1のキャパシタの一端に接続されると共に、前記第4のスルーホール導体及び前記第2の端子電極を経由して接地電位に接続されており、前記第2のキャパシタの他端は前記第5のスルーホール導体及び前記第3の端子電極を経由して接地電位に接続されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記プリント基板は、前記アンテナ実装領域内に設けられた第1乃至第3のランドをさらに備え、
前記第1のランドは前記プリント基板上の前記給電ラインに接続されており、
前記第2及び第3のランドは前記プリント基板上の前記グランドパターンに接続されており、
前記アンテナ素子の前記第1乃至第3の端子電極は、前記第1乃至第3のランドにそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナ実装領域は、一辺がプリント基板のエッジに接し、残りの辺が前記グランドパターンのエッジに囲まれた領域であり、
前記グランドパターンの前記エッジは、互いに向かい合う第1及び第2のエッジを含み、
前記第1のキャパシタの他端は前記第1のエッジに接続されており、
前記第2のキャパシタの他端は前記第2のエッジに接続されていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記基体の材料が低温焼成セラミック(LTCC)であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記基体は、所定の誘電率を有する第1の誘電体層と、前記第1の誘電体層よりも低い誘電率を有する第2の誘電体層を有し、前記第2の誘電体層は、前記第1のキャパシタと前記第2のキャパシタとの間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナ装置と、前記アンテナ装置の前記アンテナ素子に接続された無線回路部と、少なくとも前記無線回路部を制御する通信制御部とを備え、前記無線回路部及び前記通信制御部は、前記プリント基板の前記主回路領域に設けられていることを特徴とする無線通信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−239116(P2012−239116A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108187(P2011−108187)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】