説明

アンテナ選択方法、無線受信装置および無線送信装置

【課題】アンテナ選択に要する時間を短縮し、また不要なアンテナ切替回数を削減することができるアンテナ選択方法を得ること。
【解決手段】M本のアンテナのうちN本(N<M)を通信相手との通信に用いる使用アンテナとして選択するアンテナ選択方法であって、通信開始時に、M本のうちのN本のアンテナの組ごとに、その組を使用アンテナとした場合の通信品質を取得するステップと、通信品質に基づいて全組に対してそれぞれ優先度を設定するステップと、優先度の最も高い組を使用アンテナとして選択するステップと、通信中に通信品質を取得し、通信品質が閾値未満となった場合にアンテナ選択処理を開始するステップ(S12)と、アンテナ選択処理として、優先度の高い組から順に各組へのアンテナ切替えを実施し、通信品質が閾値以上となった組を使用アンテナとして選択してアンテナ選択処理を終了するステップ(S13〜S19)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ選択方法、無線受信装置および無線送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線セルラ通信における不感地対策やトラヒック分散などの目的でフェムトセル基地局の導入が進んでいる。フェムトセル基地局は家庭やオフィスなどの屋内に設置されることが想定されている超小型基地局であり、従来のマクロ基地局と比較してセル半径が小さく収容ユーザ数も少ない。ユーザの移動速度が小さくマクロ基地局と比較して無線伝搬環境が良好なこと、少数のユーザでの帯域独占が可能なこと、からフェムトセル基地局を用いる環境ではフェムトセル基地局には高スループットが求められる。また、フェムトセル基地局の普及にむけては小型化・低消費電力化・低コスト化が課題となる。
【0003】
スループットを向上させる技術としてMIMO(Multiple Input Multiple Output)すなわち複数アンテナを使用した空間多重伝送がある。しかし、アンテナ本数を増加させると、それに伴いRF(Radio Frequency)回路や送受信回路が増大する、信号処理が複雑化する、などの問題がある。このため、小型化・低消費電力化・低コスト化が課題となるフェムトセル基地局においてアンテナ本数を増やすことは難しい。
【0004】
そこで、フェムトセル基地局にてMIMO伝送を行う場合には、アンテナ選択ダイバーシチ(複数本のアンテナから所定の本数のアンテナを選択して使用する)が考えられる。例えば、4本のアンテナから2本のアンテナを選択して使用する場合、フェムトセル基地局は2アンテナ分のRF回路および送受信回路のみを搭載していればよく、また、2アンテナ分の信号処理を行えばよいので回路の複雑化を抑制できる。一方で、4本のアンテナから最適な2アンテナを選択することにより、アンテナ数が2本の場合と比較してスループットを向上させることが可能であり、性能向上と小型化・低消費電力化・低コスト化を両立させることができる。
【0005】
下記特許文献1には、3本以上のアンテナから2本のアンテナを選択する際に、それぞれのアンテナの組での受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定し、RSSIが最良となる2アンテナを選択する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−352332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、アンテナの選択を行う場合に、全てのアンテナの組についてのRSSIを測定する必要があり、アンテナ本数が増加してアンテナの組み合わせ数が増加した場合にアンテナ選択に時間がかかる、という問題があった。また、不要なアンテナへの切替によりスループットが低下する、という問題があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、アンテナ選択に要する時間を短縮し、また、不要なアンテナ切替回数を削減することができるアンテナ選択方法、無線受信装置および無線送信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、M(Mは2以上の整数)本のアンテナのうちN本(Nは、N<Mの整数)を通信相手との通信に用いる使用アンテナとして選択する無線通信装置におけるアンテナ選択方法であって、前記通信相手との通信開始時に、M本のうちのN本のアンテナの組であるアンテナ組ごとに、当該アンテナ組を使用アンテナとして選択した場合の通信品質を取得する通信品質取得ステップと、前記通信品質に基づいて前記アンテナ組に対してそれぞれ優先度を設定する優先度設定ステップと、前記優先度の最も高い前記アンテナ組を使用アンテナとして選択する開始時選択ステップと、前記通信相手との通信中に通信品質を取得し、当該通信品質が所定の閾値未満となった場合にアンテナ選択処理を開始するアンテナ選択開始ステップと、前記アンテナ選択処理として、前記優先度の高い前記アンテナ組から順に前記アンテナ組へのアンテナ切替えを実施し、通信品質が所定の閾値以上となったアンテナ組を使用アンテナとして選択して前記アンテナ選択処理を終了する通信時選択ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンテナ選択に要する時間を短縮し、また、不要なアンテナ切替回数を削減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施の形態1のアンテナ選択方法を実施する無線受信装置の機能構成例を示す図である。
【図2】図2は、通信開始時における実施の形態1のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートを示す図である。
【図3】図3は、通信開始時をのぞく通信中における実施の形態1のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施の形態2のアンテナ選択方法を実施する無線受信装置の機能構成例を示す図である。
【図5】図5は、通信開始時の、各アンテナの組と各ユーザのアンテナ合成後の受信信号のSIRとの対応の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態3のアンテナ選択方法を実施する無線送信装置の機能構成例を示す図である。
【図7】図7は、通信開始時における実施の形態3のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートを示す図である。
【図8】図8は、通信開始時をのぞく通信中における実施の形態3のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施の形態4のアンテナ選択方法を実施する無線送信装置の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかるアンテナ選択方法、無線受信装置および無線送信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるアンテナ選択方法を実施する無線受信装置(無線通信装置)の実施の形態1の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、無線受信装置を基地局として、移動端末から送信された信号を受信する基地局受信(上りリンク受信)の動作を例にとって説明する。なお、無線受信装置は基地局に限定されず、通信相手も移動端末に限定されない。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態のアンテナ選択方法は、アンテナ1−1〜1−4と、RFスイッチ2と、RF部3−1,3−2と、AD(Analog Digital)変換部4−1,4−2と、受信部5−1,5−2と、合成部6と、品質測定部7と、アンテナ選択部8と、を備える。
【0015】
図1を用いて本実施の形態の動作を説明する。なお、図1では説明の簡略化のため、4本のアンテナから2本のアンテナを選択する例を示しているが、無線受信装置が備えるアンテナの本数、選択するアンテナの本数、はそれぞれこれらに限定されない。RF部、AD変換部および受信部は、選択するアンテナの本数分それぞれ備えることとする。
【0016】
基地局である無線受信装置は、アンテナ1−1〜1−4において図示しない移動端末からの送信信号をRF信号として受信する。RFスイッチ2は、4本のアンテナ1−1〜1−4のうちの2本のアンテナを選択するスイッチであり、選択された2本のアンテナとRF部3−1,3−2とをそれぞれ接続する。RFスイッチ2は、アンテナ選択部8から通知されるアンテナ選択情報に基づいて、RF部3−1,3−2に接続するアンテナを選択する。アンテナ選択部8におけるアンテナ選択方法については後述する。
【0017】
RFスイッチ2により選択された2本のアンテナにより受信されたRF信号は、RF部3−1,3−2にそれぞれ入力される。RF部3−1,3−2は、入力されたRF信号をベースバンド信号に変換し、対応するAD変換部4−1,4−2にそれぞれ入力する。AD変換部4−1,4−2は、入力されたベースバンド信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、受信部5−1,5−2へそれぞれ出力する。そして、受信部5−1,5−2は、入力されたディジタル信号をデータ信号と既知信号に分離し、既知信号に基づいてチャネル推定値を生成し、チャネル推定値とデータ信号を合成部6へ入力する。
【0018】
合成部6は、受信部5−1,5−2からそれぞれ入力されたチャネル推定値に基づいて、データ信号に乗算する重み係数をアンテナ毎に生成し、アンテナ毎に重み係数とデータ信号を乗算し、この乗算結果を全アンテナ分(この例では2本のアンテナ分)加算することで、全アンテナ分の受信信号を合成する。
【0019】
合成部6により生成されたアンテナ合成後の受信信号は図示しない後段の処理部に入力され、誤り訂正復号化などの後段の処理が施され、最終的な受信信号となる。また、アンテナ合成後の受信信号は品質測定部7へも入力される。品質測定部7は、アンテナ合成後の受信信号に基づいてアンテナ合成後の受信品質を測定し、測定結果を受信品質情報としてアンテナ選択部8へ入力する。品質測定部7で測定されるアンテナ合成後の受信品質は、通信品質の一種であり、例えば、アンテナ合成後の受信信号についての、信号電力、信号電力対雑音電力比(SNR:Signal to Noise power Ratio)、信号電力対干渉電力比(SIR:Signal to Interference power Ratio)、信号電力対干渉雑音電力比(SINR:Signal to Interference plus Noise power Ratio)など、アンテナ合成後の受信品質を示すものであればなんでもよい。
【0020】
アンテナ選択部8は、入力された受信品質情報に基づいてアンテナ1−1〜1−4のうち使用するアンテナ2本を選択し、選択結果をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知する。
【0021】
次に、アンテナ選択部8でのアンテナ選択方法を図2、図3を用いて説明する。図2は、通信開始時における本実施の形態のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートであり、図3は、通信開始時をのぞく通信中における本実施の形態のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【0022】
通信が開始されると(通信開始時)アンテナ選択処理を開始し、アンテナ選択部8は、全通りの組み合わせにて受信を行うようにアンテナ1−1〜1−4を順に切り替えるようアンテナを選択し、品質測定部7がそれぞれの組み合わせについてアンテナ合成後の受信品質を測定し、アンテナ選択部8へ測定結果を入力する(ステップS1)。ここでは、アンテナ合成後の受信品質の例としてSIRを使用するとして説明する。SIR以外の受信品質を用いる場合も同様である。
【0023】
本実施の形態ではアンテナ本数は4本であり、その中から2本のアンテナを選択するので、アンテナの組み合わせ(アンテナの組)は、(アンテナ1−1,1−2)、(アンテナ1−1,1−3)、(アンテナ1−1,1−4)、(アンテナ1−2,1−3)、(アンテナ1−2,1−4)、(アンテナ1−3,1−4)の全6通りである。便宜的に、これらのアンテナの組み合わせを順に、A、B、C、D、E、Fとする。
【0024】
アンテナ選択部8は、全通りのアンテナの組での受信が完了する(全通りのアンテナの組のアンテナ合成後のSIRを取得する)と、アンテナ合成後のSIRの大きさに基づいて各組に優先度を設定し、設定した優先度をアンテナの組と対応付けて保持する(ステップS2)。一例として、各組のSIRが、(A、B、C、D、E、F)=(5dB、10dB、15dB、20dB、30dB、0dB)であったとすると、各組の優先順位は、E、D、C、B、A、Fの順となる。優先順位の高い順に優先度として高い値を設定することとし、ここでは、優先度の最高値をアンテナの組み合わせ総数(この例では6)とし、優先度の最低値を1とする。すなわち、各アンテナの組の優先度は、(A、B、C、D、E、F)=(2、3、4、5、6、1)と設定される。そして、優先度が最大となるアンテナの組(この例ではE)を使用するアンテナの組として選択し(ステップS3)、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知し、アンテナ選択を終了する。
【0025】
通信中(上述の通信開始時の処理を行った以降)は、移動端末から信号を受信するたびに、アンテナ選択処理を開始する。信号を受信すると、品質測定部7は、測定したアンテナ合成後のSIR(その時点で選択されているアンテナの組で受信した受信信号に対応するSIR)を測定し、アンテナ選択部8へ入力する(ステップS11)。
【0026】
アンテナ選択部8は、取得したアンテナ合成後のSIRをアンテナの組と対応付けて保持しておく。アンテナ選択部8は、アンテナ合成後のSIRが所定の閾値未満であるか否かを判断し(ステップS12)、閾値以上である場合(ステップS12 No)は、アンテナの再選択を行わず(アンテナ選択情報は現状のまま更新せず)処理を終了する。
【0027】
アンテナ合成後のSIRが閾値未満の場合(ステップS12 Yes)、アンテナ選択部8は、変数Xを、X=Y(Yはアンテナの組み合わせの総数、この場合は6)に設定し(ステップS13)、優先度=Xであるアンテナの組を、使用するアンテナの組として選択し、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知する(ステップS14)。そして、RFスイッチ2によるアンテナの切り替え後に、信号を受信し(ステップS15)、品質測定部7は、アンテナ合成後のSIRを測定して、アンテナ選択部8へ入力する(ステップS16)。
【0028】
アンテナ選択部8は、取得したアンテナ合成後のSIRをアンテナの組と対応付けて保持し、アンテナ合成後のSIRが所定の閾値未満であるか否かを判断し(ステップS17)、閾値以上である場合(ステップS17 No)は、アンテナ選択情報は現状のまま(ステップS15で選択した組のまま)更新せず処理を終了する。
【0029】
アンテナ合成後のSIRが閾値未満の場合(ステップS17 Yes)、アンテナ選択部8は、変数Xを、Xを1だけ減少させる(ステップS18)。そして、アンテナ選択部8は、X=0であるか否かを判断し(ステップS19)、X=0でない場合(ステップS19 No)は、ステップS14へ戻る。
【0030】
X=0である場合(ステップS19 Yes)は、保持しているアンテナ合成後のSIRとアンテナの組との対応を参照して、SIRが最大となるアンテナの組を、使用するアンテナの組として選択し、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知し(ステップS20)、アンテナ選択を終了する。
【0031】
以上のように、アンテナ選択時に優先度の高いアンテナの組から順にアンテナを切り替え、アンテナ合成後の受信品質が閾値以上となるアンテナの組が見つかり次第アンテナ選択を終了することで、アンテナ選択に要する時間を短縮できる。また、受信品質が悪くなるアンテナの組へアンテナを切り替える頻度が下がり、アンテナ選択時の性能劣化を抑えることができる。
【0032】
また、通信中に優先度を更新するような構成としてもよい。具体的には、例えば、アンテナ選択時に、アンテナ合成後のSIRに基づいて優先度を更新するような構成としてもよい。例えば、上述したように、優先度がアンテナ組E、D、C、B、A、Fの順で高く設定されたとし、優先度が最も高いアンテナの組Eを選択しているとする。この状態から、アンテナの組Eによる受信信号のアンテナ合成後のSIRが閾値以下になり、アンテナ選択を行う場合を考える。
【0033】
ここで、閾値を10dBとし、アンテナの組Eでの受信信号のアンテナ合成後のSIRが8dBになったとする。図3で説明したアルゴリズムに従うと、アンテナの組Eでの受信信号のアンテナ合成後のSIRが閾値未満であるため、優先度が1つ低いアンテナの組Dにアンテナを切り替える。アンテナの組Dでの受信信号のアンテナ合成後のSIRが9dBであるとすると、アンテナ合成後のSIRが閾値未満であるため、アンテナの組Cにアンテナを切り替える。アンテナの組Cでの受信信号のアンテナ合成後のSIRが15dBであるとすると、アンテナの組Cでのアンテナ合成後のSIRが閾値以上となるため、アンテナの組Cを使用するアンテナ組として選択し、アンテナ選択を終了する。
【0034】
上記の例の場合、アンテナ選択処理中に得られた受信信号のアンテナ合成後のSIRは、アンテナの組C、D、Eの順に高くなっている。従って、各組の優先度をこの順に基づいて変更する。この際、上記の例では、アンテナの組A、B、Fについては当該アンテナ選択処理中にアンテナ切替を行っていないためアンテナ合成後のSIRの測定をしていない。このため、アンテナの組A、B、Fの優先度の変更は行わない。したがって、変更後の優先度は、高い順にC、D、E、B、A、Fとなる。
【0035】
このように、通信中に優先度を更新することで、通信中の伝搬路の時間変動に追従することが可能となり、アンテナ選択時に受信品質が良好となる可能性の高いアンテナの組から順に切り替えることができる。
【0036】
また、以上の説明では、アンテナ合成後のSIR(アンテナ合成後の受信品質)が閾値未満となった場合にアンテナの再選択(ステップS13以降の処理)を開始するような構成としたが、これに限る必要はない。例えば、アンテナ合成後のSIRが閾値を一定数回下回ったときにアンテナの再選択を開始するような構成としても同様の効果を得ることができる。また、アンテナ合成後のSIRを一定時間分平均化し、その平均値が閾値を下回った場合にアンテナの再選択を開始するような構成としてもよい。
【0037】
なお、アンテナ合成後の受信品質として、合成部6のアンテナ合成後の受信信号に基づいて測定した値の代わりに、図示しない後段の誤り訂正復号部で計算されるCRC(Cyclic Redundancy Check)結果を使用し、例えば一定時間におけるCRC誤り数が閾値以上となった場合にアンテナの再選択を開始するような構成としてもよい。
【0038】
また、本実施の形態では無線受信装置におけるアンテナ選択方法を説明したが、送信と受信で同じ周波数を使用するTDD(Time Division Duplex)方式を用いる場合、送信と受信で無線伝搬環境は等価となるため、本実施の形態のアンテナ選択方法により、送信装置における送信アンテナの選択を行ってもよい。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、通信開始時に、アンテナ合成後の受信信号の受信品質に基づいて、アンテナの組の優先度を設定し、アンテナ選択時に優先度の高いアンテナの組から順にアンテナを切り替え、アンテナ合成後の受信品質が閾値以上となるアンテナの組が見つかり次第、当該アンテナの組を使用するアンテナの組として選択するようにした。このため、アンテナ選択に要する時間を短縮し、また、不要なアンテナ切替回数を削減することができる。
【0040】
実施の形態2.
図4は、本発明にかかるアンテナ選択方法を実施する無線受信装置の実施の形態2の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、図示しない移動端末が複数存在し、無線受信装置が、それら複数の移動端末と同時に通信を行う場合について説明する。
【0041】
図4に示すように、本実施の形態の無線受信装置は、実施の形態1の無線受信装置の合成部6、品質測定部7およびアンテナ選択部8の代わりに、合成部9、品質測定部10およびアンテナ選択部11を備える以外は、実施の形態1の無線受信装置と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0042】
図4を用いて本実施の形態の動作を説明する。ここでは説明の簡略化のため、基地局である本実施の形態の無線受信装置が同時に通信を行う移動端末数を2とするが、同時に通信を行う移動端末数はこれに限定されない。また、以下では、移動端末をユーザと表記する。なお、ここでは無線受信装置の通信相手を移動端末とするが、通信相手は移動端末に限定されない。
【0043】
受信局である本実施の形態の無線受信装置は、アンテナ1−1〜1−4において図示しない2ユーザからの送信信号を受信する。以降のRFスイッチ2、RF部3−1,3−2、AD変換部4−1,4−2および受信部5−1,5−2の動作は実施の形態1と同様である。合成部9は、受信部5−1,5−2からそれぞれ入力される2アンテナ分の受信信号を合成し、ユーザ毎のアンテナ合成後の受信信号を出力する。ユーザ毎のアンテナ合成後の受信信号は、図示しない後段の処理部に入力されて、誤り訂正復号化などが施され、最終的なユーザ毎の受信信号となる。また、ユーザ毎のアンテナ合成後の受信信号は、品質測定部10へも入力される。
【0044】
品質測定部10は、合成部9から入力されるユーザ毎のアンテナ合成後の受信信号に基づいて、各ユーザのアンテナ合成後の受信品質を測定し、ユーザ毎の測定結果をアンテナ選択部11へ出力する。アンテナ選択部11は、2ユーザのうち、高スループットを必要とするユーザのアンテナ合成後の受信品質を用いて、実施の形態1で述べたアンテナ選択を実施する。具体的には、実施の形態1で述べた通信開始時の優先度の設定およびアンテナ選択を、高スループットを必要とするユーザのアンテナ合成後の受信品質に基づいて実施する。また、通信中は、高スループットを必要とするユーザのアンテナ合成後の受信品質に基づいてアンテナ選択を実施する。なお、無線受信装置は、ユーザ毎のスループットに対する要求を通信開始時等に取得しているとする。
【0045】
このように、高スループットを必要とするユーザのアンテナ合成後受信品質を使用してアンテナ選択を行うことで、システム全体のスループットを向上させることができる。
【0046】
以上の例では、複数ユーザのうち、1ユーザのみのアンテナ合成後の受信品質に基づいてアンテナ選択を行う方法について説明したが、複数ユーザのうち、特定の2以上のユーザのアンテナ合成後の受信品質を考慮するようにしてもよい。
【0047】
一例として、5ユーザと同時に通信を行い、そのうち3ユーザが高速通信を行うユーザ、その他の2ユーザが低速通信を行うユーザである場合について説明する。ここで、便宜的に、5ユーザをU1、U2、U3、U4、U5と表記し、U1〜U3が高速通信を行うユーザ、U4およびU5が低速通信を行うユーザとする。また、U1〜U5のうちU1が最も高速な通信を行うユーザとする。
【0048】
また、アンテナの組み合わせの表記を、実施の形態1と同様に、(アンテナ1−1,1−2)、(アンテナ1−1,1−3)、(アンテナ1−1,1−4)、(アンテナ1−2,1−3)、(アンテナ1−2,1−4)、(アンテナ1−3,1−4)の順に、A、B、C、D、E、Fとする。
【0049】
図5は、通信開始時の、各アンテナの組と各ユーザのアンテナ合成後の受信信号のSIRとの対応の一例を示す図である。図5の例を用いて、優先度の付け方の一例を説明する。なお、ここでは、アンテナ合成後の受信品質としてSIRを使用するとして説明するが、他の受信品質を用いる場合も同様である。
【0050】
アンテナの組を、高速通信を行うU1、U2、U3のすべてのユーザのアンテナ合成後のSIRが閾値以上となるアンテナの組のグループ(グループG1とする)と、U1、U2、U3のうち1つ以上ユーザのアンテナ合成後のSIRが閾値以上となるアンテナの組のグループ(グループG2とする)と、U1、U2、U3のすべてのユーザのアンテナ合成後のSIRが閾値未満となるアンテナの組のグループ(グループG3とする)と、の3つのグループに分類する。各グループの優先順位を、グループG1、グループG2、グループG3の順とする。そして、各グループ内で、さらに優先度をつける。このとき、最も高速な通信を行うユーザのアンテナ合成後のSIRに基づいて、グループ内の優先度を設定する。
【0051】
一例として、閾値を10dBとすると、図5より、アンテナの組AとEはグループG1に、アンテナの組BとCはグループG2に、アンテナの組DとFはグループG3に、それぞれ分類される。最も高速な通信を行うユーザU1のアンテナ合成後のSIRは、A>E、B>C、F>Dであるので、この場合の優先度は、A、E、B、C、F、Dの順で高く設定する。グループG1内の優先順位は、A、Eの順となる。従って、通信開始時はアンテナの組Aを選択する。通信中は、上述した2ユーザ時のアンテナ選択と同様に、最も高速な通信を行うユーザ(ここではU1)のアンテナ合成後のSIRを使用してグループG1に属するアンテナの組(この場合はAとE)のうちから実施の形態1で述べたアンテナ選択方法によりアンテナ選択を行う。グループG1に属するアンテナの組のうち、最も高速な通信を行うユーザ(ここではU1)のアンテナ合成後のSIRが閾値以上となる組がない場合には、グループG2に属するアンテナの組(この場合はBとC)のうちから実施の形態1で述べたアンテナ選択方法によりアンテナ選択を行う。
【0052】
以上のような構成とすることで、高スループットが必要なユーザが複数存在する場合に、複数のユーザに対応する受信品質を考慮してアンテナを選択することができ、システム全体のスループットを向上させることができる。
【0053】
なお、以上の例では、優先度作成に使用するユーザを選択する指標としてスループットを使用する例を示したが、これに限る必要はなく、QoS(Quality of Service)、送信パケット残量、使用周波数帯域幅、変調方式などを指標としてもよい。
【0054】
また、以上の例では、全ユーザで閾値が同じ場合の例を示したが、ユーザ毎に異なる閾値を設定してもよい。
【0055】
FDMA(Frequency Division Multiple Access)やSDMA(Space Division Multiple Access)など複数の通信相手と同時に接続する場合、通信相手によって最適なアンテナの組が異なる。しかし、従来のアンテナ選択技術では、通信相手が複数いる場合に通信相手ごとに最適なアンテナを選択する方法が示されておらず、システム全体のスループットを向上させることが困難であった。これに対し、本実施の形態では、通信相手のユーザが複数存在する場合に、高スループットを必要とするユーザのアンテナ合成後の受信品質を使用してアンテナ選択を行うようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、システム全体のスループットを向上させることができる。
【0056】
実施の形態3.
図6は、本発明にかかるアンテナ選択方法を実施する無線送信装置(無線通信装置)の実施の形態3の機能構成例を示す図である。図6に示すように、本実施の形態の無線送信装置は、アンテナ1−1〜1−4と、RFスイッチ2と、RF部3−1,3−2と、AD(Analog Digital)変換部4−1,4−2と、送信部12−1,12−2と、DA(Digital Analog)変換部13−1,13−2と、RF部14−1,14−2と、ユーザ受信品質情報受信部15と、アンテナ選択部16と、を備える。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0057】
本実施の形態では、無線送信装置が基地局であり、基地局送信(下りリンク送信)を行う場合を例にとって説明する。無線送信装置は基地局に限定されない。
【0058】
実施の形態1では、通信品質として通信相手(移動端末)からの受信信号のアンテナ合成後の受信品質を用い、受信信号のアンテナ合成後の受信品質に基づいてアンテナを選択したが、本実施の形態では、通信品質として通信相手から報告される通信相手における受信品質情報を用い、通信相手における受信品質情報に基づいてアンテナを選択する。
【0059】
図6では説明の簡略化のため、4本のアンテナから2本のアンテナを選択する例を示している。また、送受信で同じアンテナを使用するものとする。無線送信装置が備えるアンテナの本数、選択するアンテナの本数、はそれぞれこれらに限定されない。
【0060】
図6を用いて本実施の形態の動作を説明する。送信局である無線送信装置は、送信部12−1,12−2にて誤り訂正符号化、変調などの処理を行い、送信ベースバンド信号を生成し、それぞれDA変換部13−1,13−2に入力する。DA変換部13−1,13−2は、入力された送信ベースバンド信号をディジタル信号からアナログ信号に変換し、RF部14−1,14−2へ入力する。RF部14−1,14−2は、入力されたベースバンド信号を送信RF信号に変換する。送信RF信号は、RFスイッチ2により選択された2本のアンテナへ出力され、2本のアンテナからそれぞれ通信相手(ここでは、図示しない移動端末とする)へ送信される。
【0061】
移動端末では、本実施の形態の無線送信装置から受信した受信信号に基づいて自端末における受信品質を表す情報(以下、ユーザ受信品質情報という)を生成して無線送信装置に送信する。無線送信装置では、移動端末から送信されるユーザ受信品質情報をアンテナ1−1〜1−4のうちRFスイッチ2で選択された2本のアンテナで受信する。以降、RF部3−1,3−2、AD変換部4−1,4−2で実施の形態1と同様の処理が行われ、AD変換部4−1,4−2からディジタル信号として出力されるユーザ受信品質情報は、ユーザ受信品質情報受信部15に入力される。ユーザ受信品質情報受信部15は、入力されたディジタル信号に対して復調処理を実施し、復調処理後のユーザ受信品質情報をアンテナ選択部16に入力する。アンテナ選択部16は、入力されたユーザ受信品質情報に基づいてアンテナ1−1〜1−4のうち使用するアンテナ2本を選択し、選択結果をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知する。
【0062】
アンテナ選択部16におけるアンテナ選択方法を図7、図8を用いて説明する。図7は、通信開始時における本実施の形態のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートであり、図8は、通信開始時をのぞく通信中における本実施の形態のアンテナ選択のアルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【0063】
通信が開始されると(通信開始時)アンテナ選択処理を開始し、アンテナ選択部8は、全通りの組み合わせにて送信を行うようにアンテナ1−1〜1−4を順に切り替えるようアンテナを選択する(ステップS31)。
【0064】
そして、アンテナ選択部16は、アンテナ1−1〜1−4、RFスイッチ2、RF部3−1,3−2、AD変換部4−1,4−2およびユーザ受信品質情報受信部15経由で、アンテナの組み合わせ毎に移動端末からユーザ受信品質情報を取得し(ステップS32)、そのユーザ受信品質情報に基づいてアンテナの組の優先度を設定する(ステップS33)。例えば、受信品質が高いほど優先度が高くなるようにアンテナの組の優先度を設定する。
【0065】
アンテナ選択部16は、優先度が最も高いアンテナの組を、使用するアンテナの組として選択し、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知し(ステップS34)、アンテナ選択を終了する。
【0066】
通信中は、移動端末へ信号を送信するたびに送信の前にアンテナ選択処理を開始する。アンテナ選択処理を開始すると、まず、アンテナ選択部16は、移動端末からユーザ受信品質情報を取得する(ステップS41)。ユーザ受信品質情報はアンテナの組と対応付けて保持しておく。
【0067】
アンテナ選択部16は、取得したユーザ受信品質情報が所定の閾値未満であるか否かを判断し(ステップS42)、閾値以上の場合(ステップS42 No)、アンテナの再選択は行わず、アンテナ選択処理を終了する。
【0068】
取得したユーザ受信品質情報が所定の閾値未満の場合(ステップS42 Yes)、アンテナ選択部16は、変数Xを、X=Y(Yはアンテナの組み合わせの総数、この場合は6)に設定し(ステップS43)、優先度=Xであるアンテナの組を、使用するアンテナの組として選択し、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知する(ステップS44)。そして、RFスイッチ2によるアンテナの切り替え後に、移動端末へ送信信号を送信する(ステップS45)。そして、アンテナ選択部16は、ユーザ受信品質情報受信部15経由で、移動端末から送信されたユーザ受信品質情報を取得する(ステップS46)。
【0069】
アンテナ選択部16は、取得したユーザ受信品質情報をアンテナの組と対応付けて保持し、ユーザ受信品質情報が所定の閾値未満であるか否かを判断し(ステップS47)、閾値以上である場合(ステップS47 No)は、アンテナ選択情報は現状のまま(ステップS44で選択した組のまま)更新せず処理を終了する。
【0070】
ユーザ受信品質情報が閾値未満の場合(ステップS47 Yes)、優先度を1だけ減少させ(ステップS48)、アンテナ選択部16は、X=0であるか否かを判断する(ステップS49)。X=0でない場合(ステップS49 No)は、ステップS44へ戻る。
【0071】
X=0である場合(ステップS49 Yes)は、保持しているユーザ受信品質情報とアンテナの組との対応を参照して、ユーザ受信品質情報が最大となるアンテナの組を、使用するアンテナの組として選択し、選択したアンテナの組をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知し(ステップS50)、アンテナ選択を終了する。
【0072】
なお、実施の形態1の無線受信装置と同様に、通信中に優先度を変更するようにしてもよい。
【0073】
以上のように、本実施の形態では、無線送信装置が、移動端末における受信品質情報に基づいてアンテナの組の優先度を設定し、通信中のアンテナ選択時に優先度の高いアンテナの組から順にアンテナを切り替え、移動端末における受信品質情報が閾値以上となるアンテナの組が見つかり次第、当該アンテナの組を使用するアンテナの組として選択するようにした。このため、アンテナ選択に要する時間を短縮し、また、不要なアンテナ切替回数を削減することができる。
【0074】
実施の形態4.
図9は、本発明にかかるアンテナ選択方法を実施する無線送信装置の実施の形態4の機能構成例を示す図である。図9に示すように、本実施の形態の無線送信装置は、実施の形態3のユーザ受信品質情報受信部15およびアンテナ選択部16の代わりに、ユーザ受信品質情報受信部17およびアンテナ選択部18を備える以外は実施の形態3の無線送信装置と同様である。実施の形態1または実施の形態3と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1または実施の形態3と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0075】
本実施の形態では、実施の形態3と同様に、通信相手である移動端末から送信された受信品質情報に基づいてアンテナ選択を行う。本実施の形態では、通信相手が複数存在し、それら複数の通信相手と同時に通信を行う場合について説明する。実施の形態2では、複数の通信相手と同時に通信を行う場合に、アンテナ選択や優先度作成を行う指標として受信信号のアンテナ合成後の受信品質を用いたが、本実施の形態ではアンテナ合成後の受信品質の代わりに、通信相手から報告される通信相手における受信品質情報を使用する。
【0076】
次に、本実施の形態の動作について図9を用いて説明する。送信局である無線送信装置は、アンテナ1−1〜1−4のうち、RFスイッチ2で選択された2本のアンテナから、図示しない複数の移動端末に対して送信を行う。また、各移動端末からユーザ受信品質情報を受信する。
【0077】
ユーザ受信品質情報受信部17では、各移動端末からのユーザ受信品質情報を復調・ユーザ分離し、ユーザ毎のユーザ受信品質情報をアンテナ選択部18へ出力する。アンテナ選択部18は、ユーザ毎のユーザ受信品質情報に基づいて使用するアンテナ2本を選択し、使用するアンテナの情報をアンテナ選択情報としてRFスイッチ2へ通知する。
【0078】
アンテナ選択部18の動作は、アンテナ選択を行う判断や優先度の作成において、受信信号のアンテナ合成後の受信品質の代わりに移動端末から送信されるユーザ受信品質情報を使用する点を除いて、実施の形態2のアンテナ選択部11と同一である。
【0079】
以上のように、本実施の形態では、同時に通信を行う通信相手が複数存在する場合に、通信相手から送信された通信相手における受信品質に基づいて実施の形態2と同様にアンテナ選択を実施するようにした。そのため、実施の形態3と同様の効果が得られるとともに、高スループットが必要なユーザが複数存在する場合に、システム全体のスループットを向上させることができる。
【0080】
実施の形態1〜4では、アンテナ本数を4とし、その中から2本のアンテナを選択する例について説明したが、これに限る必要はなく、M本のアンテナからN(N<M)本のアンテナを選択するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1−1〜1−4 アンテナ
2 RFスイッチ
3−1,3−2 RF部
4−1,4−2 AD変換部
5−1,5−2 受信部
6,9 合成部
7,10 品質測定部
8,11,16,18 アンテナ選択部
12−1,12−2 送信部
13−1,13−2 DA変換部
15,17 ユーザ受信品質情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M(Mは2以上の整数)本のアンテナのうちN本(Nは、N<Mの整数)を通信相手との通信に用いる使用アンテナとして選択する無線通信装置におけるアンテナ選択方法であって、
前記通信相手との通信開始時に、M本のうちのN本のアンテナの組であるアンテナ組ごとに、当該アンテナ組を使用アンテナとして選択した場合の通信品質を取得する通信品質取得ステップと、
前記通信品質に基づいて前記アンテナ組に対してそれぞれ優先度を設定する優先度設定ステップと、
前記優先度の最も高い前記アンテナ組を使用アンテナとして選択する開始時選択ステップと、
前記通信相手との通信中に通信品質を取得し、当該通信品質が所定の閾値未満となった場合にアンテナ選択処理を開始するアンテナ選択開始ステップと、
前記アンテナ選択処理として、前記優先度の高い前記アンテナ組から順に前記アンテナ組へのアンテナ切替えを実施し、通信品質が所定の閾値以上となったアンテナ組を使用アンテナとして選択して前記アンテナ選択処理を終了する通信時選択ステップと、
を含むことを特徴とするアンテナ選択方法。
【請求項2】
複数の通信相手と同時に通信を行う場合、前記複数の通信相手のうちの1つを選択し、前記優先度設定ステップ、前記アンテナ選択開始ステップおよび前記通信時選択ステップで用いる前記通信品質として、選択した通信相手との間の通信の通信品質を用いる、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ選択方法。
【請求項3】
前記複数の通信相手のうちの1つを選択する指標として、スループット、QoS、送信データの残量、使用周波数帯域幅、変調方式のうちの少なくとも1つを使用する、ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ選択方法。
【請求項4】
複数の通信相手と同時に通信を行う場合、前記複数の通信相手のうちの2つ以上を選択し、選択した通信相手との間の通信の通信品質に基づいて前記アンテナ組の優先度である組優先度を設定し、前記優先度設定ステップ、前記アンテナ選択開始ステップおよび前記通信時選択ステップで用いる前記通信品質として前記選択した通信相手のうちから選択した1つの通信相手の通信品質を用い、前記アンテナ選択開始ステップおよび前記通信時選択ステップでは、前記組優先度が高いアンテナ組を優先して使用アンテナとして選択する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ選択方法。
【請求項5】
前記複数の通信相手のうちの1つを選択する指標および前記選択した通信相手のうちから1つの通信相手を選択する指標として、スループット、QoS、送信データの残量、使用周波数帯域幅、変調方式のうちの少なくとも1つを使用する、ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナ選択方法。
【請求項6】
前記通信品質を、自装置が受信した受信信号のアンテナ合成後の受信品質とする、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のアンテナ選択方法。
【請求項7】
前記通信品質を、前記通信相手から自装置が受信した前記通信相手における受信品質とする、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のアンテナ選択方法。
【請求項8】
前記受信品質を、信号電力、信号電力対雑音電力比、信号電力対干渉電力比、信号電力対干渉雑音電力比のうちいずれか1つとする請求項6または7に記載のアンテナ選択方法。
【請求項9】
通信中に取得した通信品質に基づいて前記アンテナ組に対応する優先度を更新する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のアンテナ選択方法。
【請求項10】
M(Mは2以上の整数)本のアンテナを備え、前記M本のアンテナのうちN本(Nは、N<Mの整数)を通信相手からの受信に用いる使用アンテナとして選択する無線受信装置であって、
使用アンテナを切替えるスイッチと、
受信信号に基づいて受信品質を測定する品質測定部と、
通信相手との通信開始時に、M本のうちのN本のアンテナの組であるアンテナ組について、全てのアンテナ組を用いて順次受信を行うよう前記スイッチに対してアンテナの切り替えを指示し、前記受信品質に基づいて前記アンテナ組に対してそれぞれ優先度を設定し、優先度の最も高い前記アンテナ組を使用アンテナとして選択し、通信相手との通信中に前記受信品質が所定の閾値未満となった場合にアンテナ選択処理を開始し、前記アンテナ選択処理として、前記優先度の高い前記アンテナ組から順に前記アンテナ組へのアンテナ切替えを前記スイッチへ指示し、前記受信品質が所定の閾値以上となったアンテナ組を使用アンテナとして選択して前記アンテナ選択処理を終了するアンテナ選択部と、
を備えることを特徴とする無線受信装置。
【請求項11】
M(Mは2以上の整数)本のアンテナを備え、前記M本のアンテナのうちN本(Nは、N<Mの整数)を通信相手への送信に用いる使用アンテナとして選択する無線送信装置であって、
使用アンテナを切替えるスイッチと、
通信相手から受信した当該通信相手における受信品質を取得するユーザ受信品質情報受信部と、
通信相手との通信開始時に、M本のうちのN本のアンテナの組であるアンテナ組について、全てのアンテナ組を用いて送信を行うよう前記スイッチに対して順次アンテナの切り替えを指示し、前記受信品質に基づいて前記アンテナ組に対してそれぞれ優先度を設定し、優先度の最も高い前記アンテナ組を使用アンテナとして選択し、通信相手との通信中に前記受信品質が所定の閾値未満となった場合にアンテナ選択処理を開始し、前記アンテナ選択処理として、前記優先度の高い前記アンテナ組から順に前記アンテナ組へのアンテナ切替えを前記スイッチへ指示し、前記受信品質が所定の閾値以上となったアンテナ組を使用アンテナとして選択して前記アンテナ選択処理を終了するアンテナ選択部と、
を備えることを特徴とする無線送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−165251(P2012−165251A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25040(P2011−25040)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】