説明

アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体およびそれらの製造方法および使用方法

開示するのは、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体、その塩、その誘導体またはその組合せを含むアンフェタミンプロドラッグ組成物である。それらを製造する方法および使用する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、本明細書中にそのまま援用される2006年12月11日出願の米国仮特許出願第60/869,375号への優先権およびそれによる利益を主張する。
【0002】
連邦政府に資金援助された研究又は開発
適用なし
マイクロフィッシュ/著作権の参照
適用なし
本技術は、概して、刺激薬アンフェタミン(すなわち、1−フェニルプロパン−2−アミン)の新規なプロドラッグ/組成物、更には、アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体、その塩、その他の誘導体、およびその組合せを記載する。更に、ここに記載の技術は、概して、これら新しいプロドラッグ/組成物を製造する方法および使用する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ここに記載の技術は、少なくとも一つの側面において、プロドラッグ形態のアンフェタミンの緩慢(slow)/持続/制御放出組成物であって、経口投与時に安全な治療的濃度の範囲内でヒトまたは動物の血液系中への刺激薬の緩慢/持続/制御送達を可能にする組成物に焦点を合わせている。本技術の少なくともいくつかの組成物/製剤は、アンフェタミンおよび類似の化合物に関連した反跳作用、心臓血管ストレス、嗜癖/乱用潜在性、および/または他の一般的な刺激薬副作用を少なくすることができる。このような組成物は、更に、投与された場合に、具体的には、経口投与された場合に、治療的効力の持続期間、適用の容易さ、患者のコンプライアンス、および/またはこれら特徴のいずれかの組合せを増加させることがありうる。
【0004】
アンフェタミンおよびその誘導体を含めた刺激薬は、交感神経系および/または中枢神経系(CNS)の活性を増大させ、そして例えば、注意欠陥多動障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安および覚醒状態(wakefulness)を主として包含する一定範囲の状態および障害の処置に処方される。
【0005】
小児の注意欠陥多動障害(ADHD)は、長年の間、刺激薬で処置されてきた。しかしながら、より最近は、成人集団のADHD療法への処方数の増加が、時々、小児科市場の成長をしのいでいる。現在、ADHDの処置への使用には、メチルフェニデート(例えば、(スイス、バーゼルにある)Novartis International AGより、Ritalin(登録商標)という商標として商業的に入手可能)および非刺激薬アトモキセチン(atomoxetine)((インディアナポリス、INにある)Eli Lilly and Companyより、Strattera(登録商標)として商業的に入手可能)などのいろいろな薬物があるが、アンフェタミンは、ADHD療法における先駆者であった。更に、教室試験中に、非刺激薬は、ADHDに罹患した小児の行動および注意を改善する場合に、アンフェタミン誘導体よりも有効性が劣ることが分かった。
【0006】
ADHDのための初期の薬物療法は、例えば、刺激薬活性成分の治療的作用の急速消耗を含めた一連の潜在的に望ましくない副作用を引き起こして、反跳症状、心臓血管ストレス/障害(例えば、心拍数増加、高血圧、心筋症)、他の副作用(例えば、不眠症、多幸感、精神病性エピソード)、嗜癖および乱用をもたらす刺激薬(例えば、Dexedrine(登録商標)、純粋な硫酸デキストロアンフェタミン、英国にあるSmith Kline and French より商業的に入手可能)の速効性即時放出製剤に限られていた。
【0007】
行動的荒廃(反跳/「虚脱(crashing)」)は、ADHDを有するかなりの小児において、薬物療法消耗として、典型的には、午後にまたは夕方早くに認められる。反跳症状には、例えば、被刺激性、気難しさ(crankiness)、未投薬状態よりも悪い活動亢進、悲しさ、号泣、そして希に、精神病性エピソードが含まれる。それら症状は、速やかに鎮静することがありうるし、または数時間持続することがありうる。いくらかの患者は、重症の反跳/虚脱を経験することがありうるので、処置を中断しなければならない。反跳/虚脱作用は、予想される反跳/虚脱の負の結果および副作用を妨げる意図で追加用量の刺激薬を患者に投与させることにより、嗜癖性行動を生じることもありうる。
【0008】
メチルフェニデートおよびアンフェタミンなどの刺激薬は、例えば、心拍数増加、高血圧、動悸、頻拍、そして単発的には、心筋症、卒中、心筋梗塞および突然死を含む心臓血管イベントをもたらすことがありうるノルアドレナリン作動性およびドーパミン作動性の作用を示すことが分かっている。結果として、現在利用可能な刺激薬は、既存の構造的心臓異常または他の重症の心臓適応症を有する患者を、なお一層大きい健康リスクにさらすので、しばしば、この集団には用いられない、または慎重に用いられる。しかしながら、例えば、心拍数および血圧への刺激薬の心臓血管作用は、投与される用量に依存するということが注目に値する。結果として、最低有効刺激薬血中濃度を治療的に有益な期間維持する処置は、より少ない心臓血管リスクを示すと考えられる。
【0009】
アンフェタミンおよび多数のその誘導体(例えば、メタンフェタミン、3,4−メチレンジオキシメタンフェタミン/「Ecstacy」)は、多幸感、長時間の敏捷(alertness)/覚醒状態(wakefulness)、または急速体重減少などのいろいろな目的に、または例えば、不安またはうつ病の場合に反跳症状が現れないように過度の自己投与習慣を生じた実際のADHD患者によって、広く乱用されている。潜在的乱用者が望む作用は、中枢神経系の刺激によって生じていて、1970年の規制薬物法(Controlled Substance Act)(CSA)の通過後、Schedule IIという分類をまたは Schedule Iさえも、アンフェタミン(個々にd−およびl−アンフェタミンおよび双方の組合せは、Schedule IIである)およびその特定の誘導体について促した。双方の分類は、乱用への高い性癖によって定義される。CSAに従うと、Schedule II薬物は許容された医学的用途を有するが、Schedule I物質はそうでない。これまでのところ、持続放出製剤を含む組成物およびそれらのプロドラッグを含めた全てのアンフェタミン製品は、医薬品標示に、アンフェタミン乱用および依存の可能性について患者に知らせるブラックボックス警告を包含する義務がある。
【0010】
従来の技術分野において、アンフェタミンの大抵の副作用は、刺激薬の血中濃度の大きい初期スパイクによって引き起こされ、これは、治療的有効性より低いレベルへと(典型的には、4〜6時間の範囲内で)急速に減退するということが示された。結果として、デキストロアンフェタミン(d−アンフェタミン)の高い力価は、引き続き、より安全で且つ乱用性が少ない処置結果および治療方式を生じる目的で、アンフェタミンを血流中に一層緩慢に送達することによって達成される、益々持続性である放出プロフィールを有する一連の新薬によって調節された。薬物血中濃度に一層小さいスパイクを生じる方法および技術には、例えば、混合塩および異性体組成物(すなわち、d−アンフェタミンおよび効力の少ないl−アンフェタミンのいろいろな塩)、長期放出/制御放出/持続放出製剤(例えば、ウェーン、PAにある Shire U.S., Inc. から商業的に入手可能な Adderall X(登録商標))、そしてごく最近は、アンフェタミンのプロドラッグ(Shire から更に商業的に入手可能な VyvanseTM)の使用が含まれる。理想的な薬物処置選択肢は、心臓血管ストレスおよび行動的荒廃を最小限にするために、刺激薬血中濃度を狭い治療的濃度範囲内で長期期間生じた後に長時間の消失期間を生じるべきであり、そして更に、抗乱用性を示すと考えられる。
【0011】
即時放出製剤のほかに、多数回毎日投与に対する単回毎日投薬方式の便利さを与える治療的処置選択肢を提供する目的で、より新しい持続放出製剤が開発された。このような製剤は、更に、多幸応答を与えるまたは伝える目的を有する。持続放出製剤は、一般的には、胃腸管による活性薬物物質の吸収を比較的一定の時間遅らせ且つ延長するポリマーまたはポリマーブレンドで被覆された薬物粒子から成る。このような製剤は、しばしば、治療薬/活性成分/薬物を、親水性ヒドロコロイドゲル化ポリマーマトリックス(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはプルラン)中に埋め込んでいる。この投薬製剤は、順次、ヒトおよび動物の胃内で見出されるような酸性媒質に入った時点でゲルになり、そこで、治療薬/活性成分/薬物をゆっくりと放出する。しかしながら、その投薬製剤は、ヒトおよび動物の腸内で見出されるようなアルカリ性媒質中に溶解し、同時に、薬物を未制御方式でより速やかに遊離させる。アクリル樹脂、アクリルラテックス分散物、セルロースアセテートフタレートおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどのいくつかの製剤は、腸内において、それら自体でかまたは親水性ポリマーとの混合状態で、酸性環境に耐性であることおよび拡散−浸食機構によって高pHのみで活性成分を分配することによって改善された持続放出を与える。
【0012】
持続放出製剤は、改善され且つ延長された剤形を与える場合に、即時放出錠剤にまさって中程度に有効であった。それにもかかわらず、このような製剤は、ポリマー物質の破損のために、首尾一貫しない、不規則なまたは時期尚早の治療薬放出をする可能性があり、そしてそれらは、通常は、簡単な物理的手順を利用した活性成分の容易な抽出も可能にする。単回毎日投与製剤は、即時放出製剤より多量のアンフェタミンを含有するので、それらは、潜在的乱用者に一層魅力的であり、結果として、薬物物質の抽出性を、もう一つの望ましくない特性にする。それも、少なくとも一部分は、増加した薬物流用の理由であり、特に、ADHD患者であり且つ持続放出アンフェタミンカプセル剤を所持している学童による薬物の売買によって明らかである。次に、入手された刺激薬は、高用量を摂取することによってかまたは薬物物質を粉砕後それを鼻吸飲することによって、障害のない級友によって乱用される。
【0013】
米国特許第7,105,486号(譲受人 New River Pharmaceuticals、以下、「特許’486」)は、アンフェタミンに共有結合した化学部分(すなわち、L−リジン)を含む化合物、それらの組成物、およびそれを使用する方法を記載していると考えられる。申し立てによると、これら化合物およびそれらの組成物は、アンフェタミンの乱用および過剰投与を減少させるまたは妨げるのに有用である。特許’486は、更に、l−リジン以外のいずれのアミノ酸(表46)を用いても、l−リジン−d−アンフェタミン(Lys−Amp,VyvanseTM)によって示される同じ in vivo 特性を生じることはないということを記載している。更に、リジンは、天然の且つ標準のアミノ酸であるので、新しいプロドラッグの分解は、副作用プロフィールを減少させるのに望まれるよりも速く生じる。したがって、このような標準アミノ酸結合体組成物からのアンフェタミンの急速放出は、他の慣用的な刺激薬処置において見出される血圧および心拍数の増加を引き起こすことがありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第7,105,486号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
結果として、当該技術分野において、治療的に有効であり且つ持続放出および持続した治療的作用を与えることができる、アンフェタミンの一層安全な剤形および処置方式についての必要性が、依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0016】
ここに記載の技術は、一部分は、少なくとも一つの、非標準アミノ酸と結合したアンフェタミンまたはその塩を含む組成物であって、in vivo で放出されるまで、アンフェタミンの薬理活性を減少させるまたは排除することができる組成物を提供する。本技術の一つまたは複数の非標準アミノ酸結合体は、プロドラッグ形態のアンフェタミンであり、そして体内において、正常な代謝過程によってその活性形へと変換されることができる。いずれの特定の理論によっても拘束されたくはないが、本技術の一つまたはそれを超える非標準アミノ酸結合体は、制御された血中レベルを長時間与えることによって、他の持続放出形態のアンフェタミンより安全であり、したがって、慣用的な刺激薬処置選択肢に関連した反跳作用、心臓血管ストレスおよび多幸感を妨げると考えられる。
【0017】
ここに記載の技術は、更に、経口投与によるアンフェタミン組成物の制御された治療的送達方法を提供する。本技術の非標準アミノ酸結合体の経口投与後のアンフェタミンの放出は、長時間にわたって徐々に起こり、それによって、ヒトまたは動物患者の血流中の薬物レベルの意図されていない上昇(例えば、血中レベル濃度スパイク)を排除することができる。再度、いずれの特定の理論によっても拘束されたくはないが、血中レベルのこのようなスパイクは、血圧および心拍数の増加のような心臓血管作用および多幸薬「高揚(high)」をもたらすことがありうるということも考えられる。更に、持続した血中レベルは、有効な治療的範囲内で、他の慣用的な療法よりも長い期間達成され、それによって、反跳作用を妨げる。
【0018】
本技術のアンフェタミンプロドラッグを含む少なくともいくつかの組成物は、不法使用の際にしばしば用いられる静脈内「発射(shooting)」、鼻腔内「鼻吸飲(snorting)」または吸入「喫煙(smoking)」などの非経口投与経路による乱用に耐性である。したがって、本技術は、ADHD、ADD、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制薬、うつ病、不安および覚醒状態などの、CNSの刺激を必要とする特定の障害のための、乱用潜在性が減少しているまたは妨げられている、刺激薬に基づく処置様式および剤形を提供する。いずれの特定の理論によっても拘束されたくはないが、本技術の組成物での上記のこのようなCNS状態の処置は、既存の刺激薬処置様式および剤形と比較して、実質的に減少した乱用傾向を生じると考えられる。
【0019】
本技術のアンフェタミンプロドラッグを含む少なくともいくつかの組成物は、刺激薬(コカイン、メタンフェタミン)乱用および嗜癖を処置するために、戦場敏捷(alertness)を改善するために、および/または疲労と戦うために用いることもできる。
【0020】
第一の側面において、ここに記載の技術は、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体、その塩、その誘導体またはその組合せを含む組成物を提供する。好ましくは、非標準アミノ酸は、その非標準アミノ酸のC末端を介してアンフェタミンに共有結合している。非標準アミノ酸のN末端または側鎖アミノ基は、フリーで未保護の状態であってよいし、またはその塩の形であってよい。非標準アミノ酸部分は、右旋性(d−)かまたは左旋性(l−)形アミノ酸、ラセミアミノ酸またはそれらの混合物である非標準アミノ酸から誘導することができる。
【0021】
いくつかの態様により、非標準アミノ酸を用いる。アンフェタミンと結合されるのに好ましい非標準アミノ酸の例には、オルニチン、ホモアルギニン、セレノメチオニン、シトルリン、サルコシン、ホモセリンおよびホモシトルリンが含まれるが、これらに制限されるわけではない。本技術の少なくともいくつかの態様についてより好ましい非標準アミノ酸は、ホモアルギニンおよびオルニチンである。ホモアルギニンは、本技術の少なくともいくつかの態様に最も好ましい。
【0022】
本技術の組成物は、好ましくは、注射または鼻腔内投与経路によって投与された場合、薬理活性を有さない、または実質的に減少した薬理活性を有する。しかしながら、それらは、経口では生物学的に利用可能なままである。そのバイオアベイラビリティーは、経口投与後の共有結合の加水分解の結果でありうる。加水分解は、時間依存性であり、それによって、アンフェタミン、およびp−ヒドロキシアンフェタミンおよびp−ヒドロキシエフェドリンなどの他の代謝産物が、長時間にわたってその活性形で利用可能になることを可能にする。少なくとももう一つの態様において、アンフェタミンの放出は、本技術の組成物を非経口経路で送達した場合、減少するまたは排除される。
【0023】
例えば、一つの態様において、本技術の組成物は、製剤ではなく組成物の特性である固有の制御放出成分ゆえに、治療的成分(すなわち、活性成分/薬物)を送達するのに利用される錠剤、カプセル剤または他の経口剤形の粉砕後に、その有効性および乱用耐性を維持する。対照的に、アンフェタミンの放出を制御するのに用いられる慣用的な長期放出製剤は、粉砕直後にアンフェタミン含有量全部までを放出しやすい。粉砕された錠剤の含有量を注射するまたは鼻吸飲する場合、その大用量のアンフェタミンは、嗜癖者が求める「ラッシュ(rush)」作用を生じる。
【0024】
別の側面において、ここに記載の技術は、そのCNS(Central Nervous System)の刺激を必要とする障害または状態を有するヒトまたは動物患者を処置する方法であって、本技術の少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含み経口投薬用に製剤化された組成物を、それを必要としている患者に経口投与する工程を含み、ここにおいて、患者体内の血中アンフェタミンレベルは、所定の日を通じて治療的作用レベルを維持することができるが、行動的荒廃または反跳作用をもたらさない方法を提供する。
【0025】
別の側面において、ここに記載の技術は、そのCNS(中枢神経系)の刺激を必要とする障害または状態を有するヒトまたは動物患者を処置する方法であって、本技術の少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含み経口投薬用に製剤化された組成物を、それを必要としている患者に経口投与する工程を含み、ここにおいて、患者体内の血中アンフェタミンレベルは、不必要に上昇すること(すなわち、血中レベルスパイク)がなく、したがって、例えば、血圧および/または心拍数の増加による追加の心臓血管ストレスを妨げる方法を提供する。
【0026】
別の側面において、ここに記載の技術は、そのCNSの刺激を必要とする障害または状態を有するヒトまたは動物患者を処置する方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む経口投薬用に製剤化された組成物を、それを必要としている患者に経口投与することを含み、ここにおいて、患者体内の血中アンフェタミンレベルは、治療的作用レベルを維持することができるが、多幸作用(アンフェタミンの乱用で認められるものなど)を生じない方法を提供する。
【0027】
もう一つの側面において、ここに記載の技術は、アンフェタミンを送達する方法であって、ヒトまたは動物患者に、治療的有効量の少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を提供することを含み、遊離アンフェタミンと比較して、治療的に生物学的同等の曲線下面積(AUC)を与えることができるが、経口摂取した場合に、心拍数増加、血圧増加または薬物関連多幸感を生じる最大濃度(Cmax )を与えない方法を提供する。
【0028】
本発明の他の目的、利点および態様は、下に記載されるが、本発明のこの既述および実施から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、実施例7の生物学的経口研究におけるl−ホモアルギニン−d−アンフェタミンまたはl−リジン−d−アンフェタミンによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を示す。
【図2】図2は、図1および表2に記載の研究におけるLys−AmpおよびhArg−Amp双方から放出されるd−アンフェタミンの比較血中レベルを示す。
【図3】図3は、図2に記載の研究から得られた血中レベルの相違を示す。
【図4】図4は、図2に記載の研究から得られた血中レベルの相違を示す。
【図5】図5は、l−ホモアルギニン−d−アンフェタミンおよびl−リジン−d−アンフェタミンの4回(4)の経口研究(ビヒクルにつきn=20)についての、実施例7における他の経口研究の平均薬物動態(PK)結果を示す。
【図6】図6は、実施例8の経口薬物動態研究におけるhArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を示す。
【図7】図7は、実施例9の経口薬物動態研究におけるhArg−Amp、Orn−AmpおよびCit−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を示す。
【図8】図8は、実施例10の鼻腔内研究におけるhArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を示す。
【図9】図9は、実施例11の鼻腔内研究におけるhArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここに記載の技術は、アンフェタミンの新規なプロドラッグ/組成物、より具体的には、アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体、それらの塩、それらの誘導体、またはそれらの組合せに関する。本技術のプロドラッグ/組成物を製造する方法および使用する方法も開示する。
【0031】
本明細書中で用いられる「非標準」アミノ酸とは、「標準的な」20種類のアミノ酸の一つではないアミノ酸を意味し、それらは、天然源かまたは合成源から誘導することができる。「非標準」アミノ酸は、非必須であり、天然由来のタンパク質中に容易に包含されない。それらは、いろいろな代謝経路における代謝産物かまたは前駆体である。セレノシステインを除いて、非標準アミノ酸の形成のためのヒト遺伝子コドンは存在しない。例えば、当該ジアミノ酸リジンは、標準的な必須アミノ酸であり、したがって、ここに記載の技術の範囲から除外される。
【0032】
本明細書中で用いられる「アンフェタミン」は、中枢神経系刺激活性を有するいずれかの交感神経刺激作用フェネチルアミン誘導体を意味し、それには、アンフェタミン(α−メチルフェネチルアミン)、メタンフェタミン、p−メトキシアンフェタミン、メチレンジオキシアンフェタミン、2,5−ジメトキシ−4−メチルアンフェタミン、2,4,5−トリメトキシアンフェタミン、3,4−メチレンジオキシメタンフェタミンおよびメチルフェニデートが含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0033】
本明細書中で用いられる「製造者の取扱説明書とは一致しない方式で」というまたは類似の表現は、標示に記載のまたは有資格医師が指示した量より多い量を消費すること、および/または組成物を注射、吸入または喫煙することができるように、いずれかの手段(例えば、粉砕、破断、融解、分離等)によって投薬製剤を変化させることを包含する意味であるが、これに制限されるわけではない。
【0034】
本明細書中で用いられる「減少した(decreased)(reduced)(diminished)」または「低下した(lowered)」などの句は、薬理活性の少なくとも10%の変化を包含する意味であり、一層大きい百分率変化は、乱用潜在性および過剰投与潜在性の減少に好適である。例えば、その変化は、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、95%、96%、97%、98%、99%またはその増分より大であってもよい。
【0035】
いくつかの態様により、本技術は、プロドラッグ形態のアンフェタミンを提供する。より具体的には、アンフェタミンプロドラッグは、交感神経刺激作用フェネチルアミン誘導体のいろいろな形または修飾された形を包含するアンフェタミンに共有結合したまたは取り付けられた少なくとも一つの非標準アミノ酸を含む。ここに記載の技術により、いずれの非標準アミノ酸も、アンフェタミンのアミノ酸結合体を生成させるのに用いることができる。そのアミノ酸は、右旋性(d−)かまたは左旋性(l−)形のアミノ酸、当該アミノ酸のラセミ混合物、またはそれらの混合物の形でありうる。
【0036】
いくつかの態様において、非標準アミノ酸を用いて、アンフェタミンのアミノ酸結合体を生成させる。ここに記載の技術に適する一群の好ましい非標準アミノ酸は、次の一般式:
NH−CH(R)−COOH
(式中、Rは、一つの非標準アミノ酸の側鎖である)
によって表すことができる。いくつかの好ましい態様において、Rは、オルニチンの側鎖(−CHCHCHNH)またはホモアルギニンの側鎖(−CHCHCHCHNH−(C=NH)−NH)を含んで成る。いくつかの別の態様において、Rは、いずれか他の非標準アミノ酸の側鎖を含んで成ることができる。
【0037】
ここに記載の技術により、非標準アミノ酸は、アンフェタミンに取り付けられて、アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体またはその塩を作る。好ましくは、非標準アミノ酸は、そのアミノ酸のC末端を介してアンフェタミンに共有結合している。アミノ酸のN末端、または存在する場合には、当該アミノ酸の側鎖アミノ基は、フリーで且つ未保護の状態であってよいし、またはその塩の形であってよい。或いは、いくつかの態様において、非標準アミノ酸は、N末端を介してアンフェタミンに取り付けられることができる。ここに記載の技術によって形成することができ且つ患者に投与することができるアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体の塩の例には、メシラート、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、トリフラート、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、硝酸塩および安息香酸塩、およびそれらの混合物が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0038】
本技術のいくつかの好ましいアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体は、次の一般式
【0039】
【化1】

【0040】
(式中、R=いずれかの非標準アミノ酸の側鎖)
によって表すことができる。より好ましくは、Rは、ヒトおよび動物におけるそれらの低毒性プロフィールゆえに、ホモアルギニンまたはオルニチンである。
【0041】
ここに記載の技術について考えられる非標準アミノ酸の例には、オルニチン、ホモアルギニン、ピロリジン(pyrrolysine)、ランチオニン、2−アミノイソ酪酸、デヒドロアラニン、B−アラニン、ホモシステイン、ホモセリン、2−オキソアルギニン、γ−アミノ酪酸(GABA)、4−アミノブタン酸、全てのリン酸化標準アミノ酸、全てのヒドロキシル化標準アミノ酸、全てのアセチル化標準アミノ酸、全てのコハク酸化(succinated)標準アミノ酸、全てのメチル化標準アミノ酸、LL−2,6−ジアミノピメリン酸、6−アミノヘキサン酸、L−2−アミノアジピン酸6−セミアルデヒド、ピペコリン酸、D−threo−2,4−ジアミノペンタノエート、2−アミノ−4−オキソペンタン酸、L−erythro−3,5−ジアミノヘキサン酸、(S)−5−アミノ−3−オキソヘキサン酸、N6−ヒドロキシ−L−リジン、N6−アシル−L−リジン、L−サッカロピン、5−アミノ吉草酸、N6−メチル−L−リジン、N6,N6−ジメチル−L−リジン、N6,N6,N6−トリメチル−L−リジン、3−ヒドロキシ−N6,N6,N6−トリメチル−L−リジン、4−トリメチルアンモニオブタン酸、5−ヒドロキシ−L−リジン、L−シトルリン、2−オキソ−4−ヒドロキシ−5−アミノバレレート、ピロール−2−カルボキシレート、L−erythro−4−ヒドロキシグルタミン酸、trans−4−ヒドロキシ−L−プロリン、4−オキソプロリン、N−メチルグリシン(サルコシン)、3−スルフィノ−L−アラニン、O3−アセチル−L−セリン、セレノメチオニン、セレノシステイン、Se−メチルセレノメチオニン、Se−メチルセレノシステイン、セレノシスタチオニン、セレン酸セレノシステインおよびシスタチオン(cystathione)が含まれるが、これに制限されるわけではない。
【0042】
非標準アミノ酸のいくつかの構造例を、下に示す。
【0043】
【化2】

【0044】
本技術に好ましい非標準アミノ酸には、オルニチン、ホモアルギニン、セレノメチオニン、シトルリン、サルコシン、ホモセリンおよびホモシトルリンが含まれるが、これに制限されるわけではない。少なくともいくつかの態様について、ホモアルギニンおよびオルニチンは、より好適である。ホモアルギニンは、本技術の少なくともいくつかの態様に最も好適である。
【0045】
アンフェタミンは、d−形、l−形またはラセミ体の形でありうるし、またはそれらの混合物でありうる。例えば、l−オルニチン(l−2,5−ジアミノペンタン酸)を用いる場合、それを、d−またはl−アンフェタミンへ化学的に結合して、アンフェタミンの新規なプロドラッグ(例えば、2,5−ジアミノ−N(1−フェニルプロパン−2−イル)ペンタナミド)を生成させることができる。
【0046】
非標準アミノ酸をアンフェタミンと結合させるには、好ましくは、1個またはそれを超えるアミノ基を保護した後、そのアミノ酸をアンフェタミンと反応させる。1個または複数のアミノ基が保護されている非標準アミノ酸は、N−保護アミノ酸と称することができる。反応物中のアミノ基を保護する物質および方法は、当該技術分野において知られている。それらアミノ基を、反応前に保護するかまたは、商業的に入手可能なN−保護アミノ酸を直接的に用いることができる。好ましくは、N−保護アミノ酸中のカルボン酸基を、酸活性化剤によって活性化させて、N−保護アミノ酸とアンフェタミンとの反応を助ける。ペプチド結合を形成するアミノ酸の反応についての一般的な情報は、例えば、本明細書中にそのまま援用される G.C. Barett, D.T. Elmare, Amino Acids and Peptides, page 151-156, Cambridge University Press, UK (1st edition, 1998); Jones, J., Amino Acid and Peptide Synthesis, pages 25-41, Oxford University Press, UK (2nd edition, 2002) に見出されうる。
【0047】
当該技術分野において周知の酸活性化剤の一つの種類は、カルボジイミドである。カルボジイミド酸活性化剤の例には、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDCI)およびジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)が含まれるが、これに制限されるわけではない。次に、N−保護アミノ酸およびアンフェタミンの反応によって生成されるアンフェタミンのN−保護アミノ酸結合体を、強酸で脱保護してまたは未保護状態にして、アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体の対応する最終塩形を生成させることができる。下のスキーム1は、オルニチンを非標準アミノ酸として用いた場合の一般的な合成スキームを示す。
【0048】
【化3】

【0049】
ここに記載の技術のいくつかの態様によると、好ましくは、d−アンフェタミン(デキストロアンフェタミン)を用い、そしてl−オルニチンが、好ましい非標準アミノ酸である。いくつかの他の態様により、d−アンフェタミンのプロドラッグは、l−アンフェタミンのプロドラッグまたはl−アンフェタミン自体との組合せで用いることができる。
【0050】
いくつかの他の好ましい態様によると、Orn−Amp(l−オルニチン−d−アンフェタミン)の合成は、下の反応スキーム2に示されるように、2工程で行うことができる。第一工程は、EDCIを用いたBoc−Orn(Boc)−OHとd−アンフェタミンとのカップリングである。N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を加えて、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を補助塩基(co-base)として用いて、in situ で活性化されたエステルを形成することができる。次に、その生成物を、メタンスルホン酸で脱保護することができ、対応するジメシラート塩も形成する。
【0051】
【化4】

【0052】
酢酸エチルの他に、ここに記載の技術に用いることができる他の溶媒の例には、イソプロピルアセテート(IPAC)、アセトンおよびジクロロメタン(DCM)が含まれるが、これに制限されるわけではない。異なる溶媒の混合物を用いることもできる。極性溶媒が要求される場合、水、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4−ジオキサンまたはジメチルスルホキシド(DMSO)を用いることができる。第三級アミンなどの補助塩基は、カップリング反応に加えてよいし、または加えなくてよい。適する補助塩基の例には、1−メチルモルホリン(NMM)、トリエチルアミン(TEA)等が含まれる。
【0053】
Orn−Ampの製造は、先行技術と比較して追加の実験を必要とするということに注目することが重要である。驚くべきことに、Boc−Orn(Boc)−OHの出発物質における溶解度の有意の変化は、以前に挙げられた極性の少ない溶媒の代わりにDMFの使用を必要とするということが判明した。更に、Lys−Amp 2HClかまたはLys−Amp 2MsOHと比較したOrn−Amp 2MsOHの独特の溶解度差ゆえに、慣用的な技術の手順は、有意の実験を伴うことなくOrn−Amp 2MsOHを生成させることはないと考えられる。更に、アンフェタミンの遊離塩基の形成は、in situ で行い且つ単離しなかった。活性化されたエステルの形成は、in situ で行なわれ、同じ反応容器中で付加反応を続けた。全く驚くべきことに、溶解度および反応条件へのこれら変化は、以前に公表された手順からまたは全体の構造自体から容易に明らかとなるものではなく、そして予測不能で且つ予想外であった。このことは、ここに記載の技術の発見をもたらした。
【0054】
いくつかの他の好ましい態様により、l−ホモアルギニン−d−アンフェタミン二塩酸塩(hArg−Amp)の合成は、下のスキーム3に示されるように、3工程で行うことができる。第一工程において、N−保護hArg(例えば、Boc−hArg(NO))を、EDCIを用いてd−アンフェタミンとカップリングさせる。NHSを加えて、補助塩基としてDIPEAを用いて、in situ で活性化されたエステルを形成する。次に、その生成物を、酸性条件下で水素化後、塩酸で脱保護し、それが、対応する二塩酸塩を形成する。
【0055】
【化5】

【0056】
hArg−Ampの製造は、以前に公表された方法および合成への十分な修飾を必要とした。第一に、Boc−hArg(NO)−OHは、反応前にその物質を可溶化するDMFの使用を必要とした。第二に、アンフェタミンの遊離塩基の形成は、in situ で行い且つ単離しなかった。更に、活性化されたエステルの形成は in situ で行い、同じ反応容器中で付加反応を続けた。ホモアルギニンは、それが、側鎖からニトロ基を除去するための別個の脱保護工程を必要とするという点で、他の標準および非標準アミノ酸とは異なる。正しくそのようにできないことは、本明細書中で論じられる所望の治療的結果に関して、in vivo で機能しない望ましくない生成物をもたらすことがありうる。
【0057】
本技術のいくつかの他の好ましい態様において、l−シトルリン−d−アンフェタミン塩酸塩(Cit−Amp)は、下の反応スキーム4に示されるように、全3工程で合成することができる。第一工程は、DCCおよびNHSを用いて活性化されたエステルを形成するBoc−Cit−OHの活性化後、d−アンフェタミンを加えて、保護されたBoc−Cit−Ampを生成させることを包含する。ジオキサン中の4N HClを用いた脱保護は、対応する塩酸塩を生成させる。
【0058】
【化6】

【0059】
本技術の少なくともいくつかの化合物は、鼻腔内または静脈内のような別の投与経路によって送達された場合、薬理活性を有していない、または実質的に減少した薬理活性を有する。しかしながら、それらは、経口では、他の制御放出形に類似のレベルまたはそれより僅かに低いレベルで、生物学的に利用可能なままである。そのバイオアベイラビリティーは、経口投与後の共有結合の加水分解の結果でありうる。加水分解は、時間依存性であり、それによって、アンフェタミンが、極めて制御された様式で長時間にわたってその活性形で利用可能になることを可能にする。したがって、本技術の化合物は、長時間にわたってアンフェタミンを放出することができるし、しかも他の制御放出形のアンフェタミン(Adderall X(登録商標)または VyvanseTM)と比較した場合、最大濃度(Cmax )のスパイクまたは相当するCmaxを全くまたはほとんど伴うことなく、治療的に生物学的同等の曲線下面積(AUC)を与えることができる。特定の理論によって拘束されたくはないが、非標準アミノ酸を用いてプロドラッグを製造しているので、酵素によるプロドラッグの in vivo 分解は、例えば、標準アミノ酸を用いてアンフェタミンを結合する場合より遅い速度で起こるであろうと考えられる。これは、プロドラッグが、好ましくは、in vivo 条件下でのみ、アンフェタミンを徐々に放出することを可能にするであろう。
【0060】
当業者が理解するであろうように、医薬製品は、それらが、一つまたは複数の同じ活性成分を含有し、同じ剤形、投与経路であり、そして強度または濃度が同一である場合に、薬学的に同等物と考えられる。薬学的に同等の医薬製品は、同じ剤形中に同量の活性成分を含有するように、そして同じまたは包括的(compendial)または他の応用可能な標準規格(すなわち、強度、品質、純度および同一性)を満たすように製剤化されるが、それらは、形状、スコアリングコンフィギュレーション(scoring configuration)、放出機構、包装、賦形剤(着色剤、着香剤、保存剤を含めた)、有効期限、そして一定の制限のもと、での標示などの特徴が異なっていてよい。医薬製品は、それらが薬学的同等物である場合、およびそれらが、標示中に規定された条件下で患者に投与された時に同じ臨床効果および安全性プロフィールを有すると期待される場合にのみ、治療的同等物であると考えられる。他方で、「生物学的同等の」という用語は、類似の実験条件下で研究された場合に同等のバイオアベイラビリティーを示す薬学的同等製品または薬学的代替製品を表す。
【0061】
リジンなどの標準アミノ酸は、リジンが、全ての食事要件の必須部分であるので、ここに記載の技術には考えられないし、リジンと結合されたプロドラッグは、より速い速度で放出されるであろうと考えられる。非標準アミノ酸を用いることにより、アンフェタミンの放出速度は、リジン−アンフェタミン結合体などのアンフェタミンの標準アミノ酸結合体に対するアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体の全消化速度の差ゆえに、減少するであろう。加水分解速度のこの減少は、高血圧、急速心拍数、および/または慣用的なアンフェタミン処置に関連した他の後続副作用を含めた心臓副作用の発生率を減少させるであろう。
【0062】
ここに記載の技術により、ここに記載の技術のプロドラッグの経口投与後のアンフェタミンの放出は、所望の生理学的条件下で起こると考えられる。好ましくは、他の投与経路(例えば、鼻腔内または静脈内)は、認め得る程度に当該プロドラッグを分解することはない。更に好ましくは、外部手段(化学的、酵素的またはその他)も、認め得る程度に当該プロドラッグを分解することはない。外部手段によって達成されうる当該プロドラッグの分解比率は、好ましくは、約50%未満、或いは、約25%未満、或いは、約20%未満、或いは、約10%未満である。
【0063】
ここに記載の技術は、非標準アミノ酸によるアンフェタミンの共有結合修飾を利用して、行動的荒廃または反跳作用を引き起こすその潜在性を減少させる。アンフェタミンは、共有結合修飾されて本技術の非標準アミノ酸結合体を形成し、日の全時間にわたって徐々に放出するので、活性成分/薬物/治療的成分の緩慢な連続放出ゆえに、反跳作用はほとんどまたは全く起こりえないと考えられる。
【0064】
ここに記載の技術の化合物、組成物および方法は、更に、反跳への減少した潜在性、乱用または嗜癖への減少した潜在性を与える、および/またはアンフェタミンの刺激薬関連毒性を改善すると考えられる。血中レベルスパイクを制限することにより、用量は、他の療法で投与される不必要なレベルを伴うことなく、臨床的に有意の作用に必要なレベルで保持される。血中レベルのこれらスパイクは、薬物乱用において遭遇する多幸感に加えて、高血圧および急速心拍数の形の心臓血管毒性をもたらすことがありうると広く考えられている。更に、まる一日療法(full day therapy)では、再投薬のリスクが低下し、したがって、追加毒性または薬物乱用の問題が妨げられる。
【0065】
ここに記載の技術のアンフェタミンプロドラッグは、中枢神経系(CNS)の刺激を必要とするいずれの状態にも用いうると考えられる。これら状態には、例えば、注意欠陥多動障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安および覚醒状態が含まれる。アンフェタミン刺激薬は、更に、刺激薬(例えば、コカイン、メタンフェタミン)乱用および嗜癖を処置する場合に有用性を示した。アンフェタミン刺激薬は、更に、戦場敏捷を改善するために、そして疲労と戦うために、広範囲に用いられてきた。
【0066】
したがって、いくつかの態様により、ここに記載の技術は、本技術の少なくとも一つのアンフェタミンプロドラッグを含むアンフェタミン組成物を提供する。
【0067】
一つの態様は、アンフェタミン投与の行動的荒廃を妨げることができる組成物であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物である。
【0068】
別の態様は、アンフェタミンを安全に送達する組成物であって、治療的有効量の少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物であり、ここにおいて、非標準アミノ酸部分は、未結合のアンフェタミンまたは標準アミノ酸に結合したアンフェタミンを送達することと比較して、アンフェタミンの吸収速度を減少させることができる。
【0069】
本技術の別の態様は、アンフェタミン毒性を減少させることができる組成物であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物であり、ここにおいて、非標準アミノ酸部分は、アンフェタミンを日のコース全体にわたって放出して、限られた行動的荒廃作用を与えることができる。
【0070】
本技術の別の態様は、アンフェタミン毒性を減少させることができる組成物であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物であり、ここにおいて、非標準アミノ酸部分は、アンフェタミンの治療的レベルより上に増加せず、且つ血中レベルスパイクを生じない血清放出曲線を与えることができる。
【0071】
本技術の別の態様は、アンフェタミンのバイオアベイラビリティーを減少させるまたは患者の毒性放出プロフィールを妨げることができる組成物であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物であり、ここにおいて、アンフェタミンの非標準アミノ酸結合体は、治療的に有効なバイオアベイラビリティーを与えることができる定常状態血清放出曲線を維持することができるが、未結合のアンフェタミンまたは標準アミノ酸と結合したアンフェタミンと比較して増加した血清濃度またはスパイクを妨げる。
【0072】
本技術の別の態様は、アンフェタミンについてのCmaxまたは同等のCmaxスパイクを妨げることができる、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物である。
【0073】
本技術の別の態様は、経口以外の手段によって摂取された場合のアンフェタミンについてのCmaxまたは相当するCmaxスパイクを妨げることができるが、経口摂取された場合、治療的に有効なバイオアベイラビリティー曲線を依然として与える、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物である。
【0074】
一つまたはそれを超える態様において、本技術のアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体は、親水性ポリマーおよび/または水不溶性ポリマーを含むポリマーブレンドを更に含むことができる。それらポリマーは、産業標準にしたがって用いられて、乱用耐性を減少させることなく、本技術のアンフェタミンプロドラッグの持続放出/乱用耐性を更に増強することができる。例えば、ある組成物は、約70重量%〜約100重量%の本技術のアンフェタミンプロドラッグ、約0.01重量%〜約10重量%の親水性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、約0.01重量%〜約2.5重量%の水不溶性ポリマー(例えば、アクリル樹脂)、約0.01重量%〜約1.5重量%の添加剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および約0.01重量%〜約1重量%の着色剤を含み得る。
【0075】
持続放出製剤に用いるのに適する親水性ポリマーには、アラビアゴム、トラガカントゴム、イナゴマメガム、グアーガムまたはカラヤゴムなどの一つまたはそれを超える天然のまたは部分または完全合成の親水性ガム;メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの改変セルロース物質;寒天、ペクチン、カラゲーン(carrageen)およびアルギネートなどのタンパク質物質;およびカルボキシポリメチレン、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、多糖類、改変デンプン誘導体、および当業者に知られている他の親水性ポリマーなどの他の親水性ポリマー、またはこのようなポリマーの組合せが含まれる。これら親水性ポリマーおよびゲルは、水性酸性媒質中に徐々に溶解し、それによって、胃内のそのゲルからアンフェタミン結合体を拡散させると考えられる。ゲルが腸に達した場合、それは、より高いpHで媒質中に制御された量で溶解して、持続放出を更に可能にすると考えられる。好ましい親水性ポリマーは、The Dow Chemical Company によって製造され且つ Methocel E1OMなどの Methocel エーテルとして知られるものなどのヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0076】
本技術の一つまたはそれを超える態様による他の製剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、粉末ステアリン酸、水素化植物油、タルク、ポリエチレングリコールおよび鉱油などの滑沢剤;Emerald Green Lake、FD&C Red No. 40、FD&C Yellow No. 6、D&C Yellow No. 10またはFD&C Blue No. 1などの着色剤、および他のいろいろな認証着色添加剤(21 CFR, Part 74を参照されたい);スクロース、ラクトース、ゼラチン、デンプンペースト、アラビアゴム、トラガカント、ポビドンポリエチレングリコール、Pullulan およびトウモロコシシロップなどの結合剤;コロイド二酸化ケイ素およびタルクなどの滑剤(glidants);ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサルコル(poloxalkol)および第四級アンモニウム塩などの界面活性剤;保存剤および安定化剤;ラクトース、マンニトール、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース、スクロース、マルトース、キシリトール、ソルビトール、カリウム、ナトリウムおよびマグネシウムの塩化物、硫酸塩およびリン酸塩などの賦形剤;および/または当業者に知られているいずれか他の医薬添加剤が含まれるがこれに制限されるわけではない医薬添加剤を更に含むことができる。一つの好ましい態様において、本技術の持続放出製剤は、ステアリン酸マグネシウムおよび Emerald Green Lake を更に含む。
【0077】
本技術のアンフェタミン組成物は、本技術の少なくとも一つのアンフェタミンプロドラッグを含み且つ賦形剤と一緒に更に製剤化することができるものであり、医薬製造業者に知られているいずれか適当な方法にしたがって製造することができる。例えば、アンフェタミンプロドラッグおよび親水性ポリマーは、ミキサー中でアリコートの水と混合して、湿潤顆粒を成形することができる。その顆粒を乾燥させて、親水性ポリマーにカプセル封入されたアンフェタミンプロドラッグ顆粒剤を得ることができる。得られた顆粒を、微粉砕し、スクリーニングした後、水不溶性ポリマーなどのいろいろな医薬添加剤および/または追加の親水性ポリマーとブレンドすることができる。次に、その配合物を錠剤成形することができ、そして更に、胃液中に急速溶解するまたは分散する保護コーティングでフィルムコーティングすることができる。
【0078】
上の添加剤は、本技術のアンフェタミン組成物が持続放出 in vivo 特性を有するのに必要とされないということに注目すべきである。本技術の非標準アミノ酸結合体は、アミド結合の in vitro 加水分解に化学的に安定であって、経口摂取前にアンフェタミンを不正に変化させるまたは除去することを妨げる。更に、本技術の非標準アミノ酸結合体の経口投与によるアンフェタミンの制御放出は、その分子の固有特性であり、配合物に関連していない。別の方法では、本技術のアンフェタミンプロドラッグ自体が、上の添加剤の添加を伴うことなく、消化管中へのアンフェタミンの放出を長時間にわたって制御して、即時放出組合せと比較して改善されたプロフィールおよび乱用の防止を生じることができる。したがって、本技術のプロドラッグは、いろいろな剤形へと容易に製剤化することができる。本技術の一つまたはそれを超える態様において、持続放出添加剤は、鋭敏でないまたは減少した薬物動態曲線(例えば、減少した多幸作用)を達成し、同時に、経口摂取時に治療的有効量のアンフェタミン放出を達成するのに、これ以上必要とされない。
【0079】
ここに記載の技術の化合物および組成物は、いずれかの経口送達経路によるいろいろな剤形へと製剤化し且つそれで投与することができる。いったん投与されると、それらプロドラッグは、消化条件下でアンフェタミンを放出するであろう。当業者に知られているいずれかの生物学的に許容しうる剤形およびそれらの組合せが考えられる。好ましい剤形の例には、制限されることなく、咀嚼(chewable, チュアブル)錠、急速溶解錠剤、発泡錠、再構成性散剤、エリキシル剤、液剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、多層錠、二重層錠剤、カプセル剤、ゼラチン軟カプセル剤、ゼラチン硬カプセル剤、キャプレット、ロゼンジ、咀嚼(チュアブル)ロゼンジ、ビーズ、散剤、顆粒剤、粒子、微粒子、分散性顆粒剤、カシェ剤、経口フィルム剤(例えば、急速溶解性薄片)およびそれらの組合せが含まれる。好ましい剤形には、カプセル剤、溶液製剤および急速溶解性経口フィルム剤が含まれる。
【0080】
経口投与に適する本技術の製剤は、カプセル剤、キャプレット、錠剤または経口フィルム剤などの離散単位として提示することができる。これら経口製剤も、水性液または非水性液中の溶液または懸濁液を含んで成ることができる。製剤は、水中油液状エマルジョンまたは油中水液状エマルジョンなどのエマルジョンでありうる。それら油剤は、嚥下不能である患者の給餌管に引き続き入れることができる調製経腸配合物に、精製され且つ滅菌された液剤を加えることによって投与することができる。
【0081】
カプセル形を選択する場合、例えば、カプセル製剤中に用いられる賦形剤は、別々の四群、すなわち、増量剤/結合剤、崩壊剤、滑沢剤および担体中に分割しうると考えられる。好ましいカプセル製剤は、約50重量%〜約90重量%のいろいろなタイプの微結晶性セルロースなどの増量剤;約1重量%〜約5重量%のクロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤;約0.5重量%〜約2.5重量%のマグネシウム状態または他の脂肪酸塩などの滑沢剤を含んで成る。担体は、どちらのゼラチン硬カプセル剤でもありうるが、好ましくは、#3または#4ゼラチン硬カプセル剤などの、より小さいサイズのものを用いることができる。
【0082】
軟質ゲルまたはゼラチン軟カプセル剤は、例えば、本技術の製剤を、適当なビヒクル(植物油が一般的に用いられる)中に分散させて、高粘度混合物を形成することによって製造することができる。次に、この混合物を、軟質ゲル産業業者に知られている技術および仕組み(machinery)を用いて、ゼラチン媒質薄膜でカプセル封入することができる。次に、そのように成形された産業用単位を、恒量へと乾燥させる。
【0083】
咀嚼錠は、例えば、本技術の製剤を、嚥下よりもむしろ咀嚼されることを予定した比較的軟質の着香錠剤剤形を成形するように設計された賦形剤と混合することによって製造することができる。慣用的な錠剤仕組みおよび手順、すなわち、直接圧縮および造粒、すなわち、圧縮前にスラッグ成形すること(slugging)の双方を利用することができる。医薬固体剤形生産に関与する者は、その方法に精通しているし、咀嚼剤形として用いられる仕組みは、医薬産業において極めて一般的な剤形である。
【0084】
フィルムコーティング錠は、例えば、回転皿コーティング法(rotating pan coating method)または空気懸濁法(air suspension methods)などの技法を用いて錠剤をコーティングして、錠剤上に連続薄膜層を付着させることによって製造することができる。
【0085】
圧縮錠は、例えば、本技術の製剤を、崩壊性に結合性を加えることを予定した賦形剤と混合することによって製造することができる。その混合物は、当業者に知られている方法および仕組みを用いて、直接的に圧縮するかまたは、造粒後に圧縮することができる。次に、得られた圧縮錠投薬単位を、市場要求、すなわち、単位用量、ロール、ボトル、ブリスターパック等にしたがって包装する。
【0086】
非標準アミノ酸の一つの好ましい製剤は、急速溶解性経口フィルム剤または薄片である。経口フィルム剤または薄片を製造するのに必要な方法および他の成分は、当該技術分野において知られている。可能性のある薄膜形成剤には、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントゴム、グアーガム、アラビアゴム、Arabic ガム、ポリアクリル酸、アミラーゼ、デンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトシン(chitosin)、レバン、エルシナン(elsinan)、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、ダイズタンパク質単離物、乳清タンパク質単離物、カゼインおよびそれらの混合物が含まれる。
【0087】
更に、唾液刺激剤、可塑剤、冷却剤、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、結合剤、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤または味覚マスキング樹脂は、経口フィルム剤または薄片に用いることができる。好ましい物質には、プルラン、トリエタノールアミンステアラート、メチルセルロース、デンプン、トリアセチン、ポリソルベート80、キサンタンガム、マルチット(maltitol)、ソルビトールおよびグリセロールが含まれる。
【0088】
ここに記載の技術は、更に、広範囲の物質から製造することができる生物学的に許容しうる担体の使用を考える。これに制限されるわけではないが、このような物質には、希釈剤、結合剤および接着剤、滑沢剤、可塑剤、崩壊剤、着色剤、増量物質、着香剤、甘味剤、および具体的な薬用組成物を製造するための緩衝剤および吸着剤などのその他の物質が含まれる。
【0089】
結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースまたは他の適するセルロース誘導体、ポビドン、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、製剤用艶出剤、ガム、乳清などの乳汁誘導体、デンプンおよび誘導体、更には、当業者に知られている他の慣用的な結合剤などの広範囲の物質から選択することができる。代表的な非制限溶媒は、水、エタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレンまたはそれらの混合物および組み合わせである。代表的な非制限増量物質には、糖、ラクトース、ゼラチン、デンプンおよび二酸化ケイ素が含まれる。
【0090】
好ましい可塑剤は、制限されることなく、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クロトン酸(cronotic acid)、プロピレングリコール、フタル酸ブチル、セバシン酸ジブチル、ヒマシ油およびそれらの混合物から成る群より選択することができる。明らかであるように、それら可塑剤は、天然において疎水性であってよいし、更には、親水性であってよい。フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチルおよびヒマシ油などの水不溶性の疎水性物質は、ビタミンB6およびビタミンCなどの水溶性ビタミンの放出を遅らせるのに用いられる。対照的に、親水性可塑剤は、水不溶性ビタミンを用いる場合に用いられ、それらは、カプセル封入薄膜を溶解させ、その表面にチャンネルを作るのを助け、栄養組成物放出を助ける。
【0091】
上に具体的に述べられた成分に加えて、本技術の製剤は、着香剤、保存剤および酸化防止剤などの他の適する物質を包含することができるということは理解されるはずである。このような酸化防止剤は、食品許容性であると考えられ、それには、例えば、ビタミンE、カロテン、BHTまたは当業者に知られている他の酸化防止剤が含まれうると考えられる。
【0092】
包含されてよい他の化合物は、例えば、医学的不活性成分、例えば、錠剤またはカプセル剤のためのラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、デンプンまたはリン酸カルシウム、軟カプセル剤のためのオリーブ油またはオレイン酸エチル、および懸濁剤または乳剤のための水または植物油などの固体および液体希釈剤;シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムおよび/またはポリエチレングリコールなどの滑沢剤;コロイドクレーなどのゲル化剤;トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウムなどの増粘剤;デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤;デンプン、アルギン酸、アルギネートまたはナトリウムデンプングリコラートなどの崩壊剤;飽和剤;色素;甘味剤;レシチン、ポリソルベートまたはラウリルスルフェートなどの湿潤剤;およびこのような製剤のための既知の添加剤である保湿剤、保存剤、緩衝剤および酸化防止剤などの他の治療的に許容しうる補助成分である。
【0093】
経口投与には、希釈剤、分散助剤および/または界面活性剤を含有する細粉または顆粒剤を、水またはシロップ中の飲料中で、乾燥状態のカプセル剤またはサシェ剤中で、懸濁化剤が包含されていてよい非水性懸濁液中で、または水またはシロップ中の懸濁液中で提示することができる。所望なまたは必要な場合、着香剤、保存剤、懸濁化剤、増粘剤または乳化剤が包含されうる。
【0094】
経口投与用の液状分散は、シロップ剤、乳剤または懸濁剤であってよい。シロップ剤は、担体として、例えば、サッカロース、またはグリセロールおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールを含むサッカロースを含有してよい。懸濁剤および乳剤は、担体として、例えば、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルアルコールを含有してよい。
【0095】
成人用の用量範囲は、患者の年齢、体重および状態を含めた多数の因子に依存するであろう。ここに記載の技術のプロドラッグの適する経口投薬量は、アンフェタミン処置において典型的に見出されるものの相当量でありうる。アンフェタミン塩の典型的な投薬量は、約1mg〜約100mgでありうるが、後に、より多い投薬量が是認されることがありうる。本技術のプロドラッグの分子量、プロドラッグからのアンフェタミンの放出百分率(放出%)および必要なアンフェタミンの所望の剤形を用いて、次の方程式を生じることができる。
【0096】
必要なプロドラッグのグラム数=(アンフェタミンの投薬量/分子量)(放出%)(プロドラッグの分子量)
錠剤、カプセル剤、経口フィルム剤、および離散単位で与えられる他の形の提示は、好都合には、1日用量またはその適当な画分の本発明の一つまたはそれを超える化合物を含有する。例えば、単位は、約1mg〜約500mg、或いは、約5mg〜約250mg、或いは、約10mg〜約100mgのここに記載の技術の一つまたはそれを超える化合物を含有してよい。
【0097】
本技術の剤形を、当業者に知られているいずれかの放出形と一緒にすることも可能である。これら慣用的な放出形には、即時放出、延長放出、パルス放出、可変放出、制御放出、時限放出、持続放出、遅延放出、長時間作用型およびそれらの組合せが含まれる。即時放出、延長放出、パルス放出、可変放出、制御放出、時限放出、持続放出、遅延放出、長時間作用型の特徴およびそれらの組合せを得る能力は、当該技術分野において知られている。
【0098】
本技術の組成物は、部分、すなわち、分画用量で24時間中に1回またはそれを超えて、24時間の間に単回用量で、24時間の間に二倍用量で、または24時間の間に二倍を超える用量で投与することができる。分画、二倍または他の倍数用量は、同時に、または24時間中のいろいろな時点に摂取することができる。それら用量は、いろいろな投与時点において、互いにまたは個々の成分に関して一様でない用量であってよい。
【0099】
同様に、本技術の組成物は、ブリスターパックまたは他のこのような医薬パッケージ中で与えることができる。更に、本技術の組成物は、処方される処置用の製品として組成物を個体に識別させる印を更に包含してよいしまたはそれを伴っていてよい。その印は、組成物を投与するための上に規定の時間の指示を更に包含してよい。例えば、その印は、組成物の投与のための1日の内の規定のまたは一般的な時刻を指示する時刻印であってよいし、またはその印は、組成物の投与のための曜日を指示する期日印であってよい。ブリスターパックまたは他の組合せパッケージは、第二の医薬製品を包含してもよい。
【0100】
本技術の組成物の薬理活性は、当該技術分野において知られている標準的な薬理学的モデルを用いて立証することができるということは理解されるであろう。更に、本技術の組成物は、部位特異的送達に適するポリマーマトリックスまたはメンブラン中に包含されるまたはカプセル封入することができる、または部位特異的送達を行うことが可能な特異的標的指向物質で機能付加することができるということは理解されるであろう。これら技法、並びに他のドラッグデリバリー技法は、当該技術分野において周知である。
【0101】
本技術の一つまたはそれを超える態様において、組成物の溶解度および溶解速度は、例えば、腸内、粘膜表面または血流中で遭遇するいろいろな生理学的条件下で実質的に変化することがありうる。本技術の一つまたはそれを超える態様において、組成物の溶解度および溶解速度は、アンフェタミンのバイオアベイラビリティーを、具体的には、療法に予定される用量より高い用量で、実質的に減少させることがありうる。本技術の一つの態様において、バイオアベイラビリティーの減少は、鼻腔内投与時に起こる。別の態様において、バイオアベイラビリティーの減少は、静脈内投与時に起こる。
【0102】
本技術の記載された態様各々について、一つまたはそれを超える次の特徴を実現することができる。アンフェタミンプロドラッグの心臓血管毒性は、未結合のアンフェタミンおよび標準アミノ酸と結合したアンフェタミンの場合より実質的に低下する。共有結合した非標準アミノ酸部分は、行動的荒廃または反跳作用の潜在性を減少させるまたは排除する。共有結合した非標準アミノ酸部分は、鼻腔内投与による乱用の潜在性を減少させるまたは排除する。共有結合した非標準アミノ酸部分は、注射による乱用の潜在性を減少させる。
【0103】
ここに記載の技術は、更に、アンフェタミンを、それらの乱用潜在性を減少させることができる方式で変更するおよび/または送達する方法を提供する。本技術の方法は、アンフェタミンを非標準アミノ酸と結合することによって投薬量を調節するいろいろな方法を提供する。
【0104】
一つの態様は、行動的荒廃または反跳作用を妨げる方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む本技術のアンフェタミンプロドラッグ組成物を必要としている患者に投与することによる方法を提供する。
【0105】
別の態様は、アンフェタミンを安全に送達する方法であって、治療的有効量の少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を与えることを含み、ここにおいて、非標準アミノ酸部分は、未結合のアンフェタミンまたは標準アミノ酸と結合したアンフェタミンを送達することと比較して、アンフェタミンの吸収速度を減少させることができる方法を提供する。
【0106】
別の態様は、アンフェタミン心臓血管毒性を減少させる方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を患者に与えることを含み、ここにおいて、アミノ酸部分は、アンフェタミンの放出速度を、投与から最初の数時間以内に減少させることができる方法を提供する。
【0107】
別の態様は、アンフェタミン心臓血管毒性を減少させる方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を患者に与えることを含み、ここにおいて、アミノ酸部分は、アンフェタミンの心臓血管毒性レベルより上に増加しない血清放出曲線を与えることができる方法を提供する。
【0108】
別の態様は、患者におけるアンフェタミンのバイオアベイラビリティーを減少させるまたはアンフェタミンの毒性放出プロフィールを妨げる方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を与えることを含み、ここにおいて、結合されたアンフェタミンは、治療的に有効なバイオアベイラビリティーを与える定常状態血清放出曲線を維持することができるが、標準アミノ酸と結合したアンフェタミンと比較して増加した血清濃度またはスパイクを妨げる方法を提供する。
【0109】
別の態様は、アンフェタミンについてCmaxまたは同等のCmaxスパイクを妨げるが、治療的に有効なバイオアベイラビリティー曲線を依然として与える方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を患者に投与する工程を含む方法を提供する。
【0110】
本技術の別の態様は、アンフェタミンの乱用を減少させるまたは妨げる方法であって、それを必要としている患者に、組成物を与える、投与する、消費させるまたは処方することを含み、ここにおいて、この組成物は、製造者の取扱説明書とは一致しない方式で組成物を用いた場合にアンフェタミンの薬理活性が減少するような少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む方法である。
【0111】
本技術の別の態様は、アンフェタミンまたは刺激薬処置の行動的荒廃または反跳作用を妨げる方法であって、それを必要としている患者に、ここに記載の技術のアンフェタミン組成物を与える、投与する、消費させるまたは処方することを含み、ここにおいて、この組成物は、アンフェタミンまたは刺激薬処置による行動的荒廃または反跳作用の潜在性を減少させることができる少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む方法である。
【0112】
本技術の別の態様は、アンフェタミンの多幸作用を減少させるまたは妨げる方法であって、製造者の取扱説明書とは一致しない方式で組成物を用いた場合にアンフェタミンの薬理活性を減少させることができる少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を含む組成物を、それを必要としている患者に与える、投与するまたは処方する、または消費することを含む方法である。
【0113】
本技術の別の態様は、前述の方法のいずれかであり、ここにおいて、用いられるアンフェタミン組成物は、経口投与に適合されていて、そしてここにおいて、アンフェタミンプロドラッグは、組成物を鼻腔内または静脈内などの非経口で投与した場合、非標準アミノ酸部分からアンフェタミンを放出するのを妨害する。好ましくは、アンフェタミンは、腸管の存在下で非標準アミノ酸部分から放出されることがありうる。場合により、用いられるアンフェタミン組成物は、錠剤、カプセル剤、経口フィルム剤、経口溶液、経口懸濁液、または本明細書中で論じられる他の経口剤形の形であってよい。
【0114】
一つまたはそれを超える挙げられた方法について、用いられる本技術の組成物は、実質的な多幸感を伴うことなく、治療的作用を生じることができる。好ましくは、本技術のアンフェタミン組成物は、他の制御放出アンフェタミン組成物と比較した場合、治療的に生物学的に同等なAUCを与えることができるが、多幸感を生じるCmaxまたは同等のCmaxを与えることはない。
【0115】
本技術の一つまたはそれを超える挙げられた方法について、次の特性は、アンフェタミンを非標準アミノ酸に結合することによって達成することができる。一つの態様において、本技術のアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体の心臓血管毒性またはストレスは、アンフェタミンを、その未結合状態で、標準アミノ酸に結合した化合物として、またはその塩として送達した場合のアンフェタミンの場合より低下することがありうる。別の態様において、行動的荒廃の潜在性は、減少するまたは排除される。別の態様において、鼻腔内投与による乱用の潜在性は、減少するまたは排除される。別の態様において、静脈内投与による乱用の潜在性は、減少するまたは排除される。
【0116】
本技術の別の態様は、中枢神経系(CNS)の刺激を必要とするいろいろな疾患または状態を処置する方法であって、本技術の化合物または組成物であって、それぞれの病気または疾患について一般的に処方される活性剤を更に含んでいてよいものを投与することを含む方法を提供する。例えば、本発明の一つの態様は、注意欠陥多動障害(ADHD)を処置する方法であって、少なくとも一つのアンフェタミンの非標準アミノ酸結合体を患者に投与することを含む方法を含む。別の態様は、注意欠陥障害(ADD)を処置する方法であって、本発明の化合物または組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0117】
本発明の別の態様は、ナルコレプシーを処置する方法であって、ここに記載の技術の化合物または組成物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0118】
ここに記載の技術およびその利点は、次の実施例を参照することで、より良く理解されるであろう。これら実施例は、本技術の具体的な態様を記載するために与えられている。これら具体的な実施例を与えることで、出願者が、本技術の範囲および精神を制限することはない。ここに記載の技術の全範囲が、本明細書を含む請求の範囲、およびそれら請求の範囲のいずれかの変更、修正または同等物によって定義される内容を包含するということは、当業者に理解されるであろう。
【実施例】
【0119】
実施例1:非標準アミノ酸結合体(hArg−Amp)および標準アミノ酸結合体(VyvanseTM,Lys−Amp)の投与後に放出されるd−アンフェタミンの薬物動態パラメーターの比較研究
本技術の非標準アミノ酸結合体および Shire, Incorporated of Wayne, PA より商業的に入手可能な標準アミノ酸結合体 VyvanseTM(Lys−Amp)の経口投与後のd−アンフェタミンの薬物動態パラメーターを、この実施例において研究する。この実施例に用いられる非標準アミノ酸結合体は、hArg−Ampの塩酸塩である。それら結果を、下の表に記録する。
【0120】
【表1】

【0121】
この研究は、本技術のプロドラッグのCmaxが、d−アンフェタミンの標準アミノ酸結合体 VyvanseTMの場合より有意に低いということを示し、これは、より低い心臓血管作用(血圧、心拍数)をもたらしうる。アンフェタミンの急速放出(より高いCmax)は、血圧および心拍数の有意の増加を既に示した。一定の患者集団において、これら心臓血管副作用は、用量制限することがありうるし、または刺激薬療法の停止を引き起こすことがありうる。
【0122】
hArg−Ampおよびd−アンフェタミンの非経口投与後のd−アンフェタミンの薬物動態パラメーターも研究される。その研究は、hArg−Ampを非経口経路(鼻腔内、静脈内)によって摂取した場合、他の経路に対して、胃内で遭遇する酵素の違いゆえに、アンフェタミンの放出はほとんど起こらない(<50%)ということを示す。Adderall X(登録商標)または他のアンフェタミン制御放出製剤を、注射するまたは鼻吸飲する場合、アンフェタミンの薬物動態パラメーターは、有意に変化するので、個体は、これら変化を用いて多幸感を生じることができる。
【0123】
実施例2:Boc−Orn(Boc)−Ampの製造
Boc−Orn(Boc)−OH(1.5g,4.518mmol)を、DMF(15ml)中に溶解させた。次に、EDCI(1.299g,6.777mmol)、NHS(0.572g,4.969mmol)、d−アンフェタミン(0.732g,5.422mmol)およびDIEA(0.87ml,4.969mmol)を、逐次的に加えた。その透明反応混合物を、室温で16時間(hr)撹拌した。反応混合物を、pH3の水(40ml)で急冷し、そして生成物を、EtOAc(3x70ml)で抽出した。合わせた抽出物を、pH3の水、飽和NaHCO、次に水で洗浄した。EtOAc層を、無水NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去して、1.82gの保護されたアミドを白色固体として得た。
【0124】
その白色固体を、H NMR(CDCl)δで分析した。結果は、次を示す。
【0125】
1.1-1.2 (m, 3H, Amp α-CH3), 1.3-1.5 (m, 18H, Boc CH3), 1.6-1.8 (m, 4H, Orn β, γ CH2), 2.75 (m, 2H, Amp β CH2), 3.05-3.1 (m, 2H, Orn δ CH2), 3.2 (m, 1H, Amp α CH), 4.1 (m, 1H, Orn α CH), 7.1-7.4 (m, 5H, Amp Ar-H)。
これらNMRシフトは、Orn−Ampの構造と一致する。
【0126】
実施例3:Orn−Ampの製造
Boc−Orn(Boc)−Amp(1.35g,3mmol)を、EtOAc(200ml)中に溶解させ、その僅かに濁った溶液に、MsOH(0.43ml,6.6mmol)を滴加した。反応混合物は、透明溶液になり、それを、室温で約20時間撹拌した。溶媒を除去し、そして残留物を、ヘキサン中で研和した。オフホワイト固体生成物を形成し、それを、真空下で濾過し、ヘキサンで洗浄した。固体を、真空オーブン中で20時間乾燥させて、0.88gのOrn−Amp・2MsOH(l−オルニチン−d−アンフェタミンジメシラート)を得た。
【0127】
得られた生成物を、H NMR(DMSO−d)δで調べた。結果は、次を示す。
【0128】
1.1 (m, 3H, Amp α-CH3), 1.4-1.6 (m, 4H, Orn β, γ CH2), 2.35 (s, 6H, CH3SO3H CH3), 2.6-2.8 (m, 4H, Amp βおよび Orn δ), 3.75 (m, 1H, Amp α), 4.05 (m, 1H, Orn α), 7.1-7.3 (m, 5H, Amp Ar-H), 7.6-8.5 (br ピーク,アミドおよびアミン);
13C NMR (DMSO-d6) δ 18.45 (Orn γ), 21.49 (Orn β), 27.30 (Amp β), 37.38 (Amp CH3), 37.77 (Amp α), 41.20 (Orn δ), 51.54 (Orn α), 125.29 (p-Ar), 127.27 (m-Ar), 129.17 (o-Ar), 137 (Ar), 166.58 (C=O);
M+1=250.7。
これら結果は、考えられる構造と一致する。
【0129】
実施例4:Boc−hArg(NO2)−Ampの製造
Boc−hArg(NO)−OH(2.667g,8mmol)を、DMF(25ml)中に溶解させた。次に、EDCI(2.30g,12mmol)、NHS(1.012g,8.8mmol)、d−アンフェタミン(1.269g,9.6mmol)およびDIEA(1.138g,8.8mmol)を、逐次的に加えた。透明反応混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を、pH3の水(150ml)で急冷し、そして生成物を、EtOAc(3x50ml)で抽出した。合わせた抽出物を、pH3の水で、次に飽和NaClで洗浄した。EtOAc層を、無水MgSO上で乾燥させた。生成物を、EtOAc−ヘキサンから2回再結晶させて、2.36gの所望の保護された生成物を生じた。
【0130】
生成物を、H NMR(DMSO−d)δを用いて分析した。結果は、次を示す。
【0131】
0.9-1.1 (m, 3H, Amp CH3), 1.1-1.2 (m, 2H, hArg γ CH2), 1.2-1.5 (m, 13H, Boc CH3, hArg β,δ CH2), 2.55-2.75 (m, 2H, Amp β CH2), 3.1 (m, 2H, hArg ε CH2), 3.75 (m, 1H, Amp α CH), 3.95 (m, 1H, hArg α CH), 6.65 (t, 1H, hArg グアニジノ NH), 7.1-7.3 (m, 5H, Amp Ar-H), 7.6-8.2 (br m, 2H, hArg グアニジン NH およびアミド NH), 8.5 (br s, 1H, hArg NH-NO2)。
【0132】
これら結果は、考えられる構造と一致すると考えられる。
【0133】
実施例5:hArg−Amp−2HCl(l−ホモアルギニン−d−アンフェタミン 二塩酸塩)の製造
Boc−hArg(NO)−Amp(1.5g)を、HPLCグレードMeOH(120ml)中に溶解させ、その透明溶液に、Pd−C触媒(10%,Aldrich)を加えた。小スターバーをフラスコ中に入れ、反応混合物を、2−プロパノール中の5〜6N HCl溶液(1.5ml)を包含後、緩慢な水素流下で一晩撹拌した。一晩反応後、溶液を濾過し、溶媒を蒸発させた。白色結晶性生成物を、真空下で乾燥させて、1.61gのBoc−hArg−Amp中間体生成物を生じた。
【0134】
生成物(1.6g)を、80mlのHPLCグレードMeOH中に溶解させ、そして2−プロパノール中の5〜6N HCl(3.2mL)を、その溶液に加えた。反応混合物を、一晩撹拌し、溶媒を除去し、そして最小量のMeOH中に再溶解させた。最終生成物を、MTBEで粉砕し、真空下において30℃で約20時間乾燥させて、1.12gの白色粉末を生じた。
【0135】
その白色粉末を、H NMR(DMSO−d)δを用いて分析した。結果は、次を示す。
【0136】
0.9-1.1 (m, 3H, Amp CH3), 1.1-1.2 (m, 2H, hArg γ CH2), 1.35 (m, 2H, hArg β CH2), 1.55(m, 2H, hArg δ CH2), 2.75 (d, 2H, Amp β CH2), 3.0 (m, 2H, hArg ε CH2), 3.75 (m, 1H, Amp α CH), 4.05 (m, 1H, hArg α CH), 7.1-7.2 (m, 5H, Amp Ar-H), 7.2-7.8 (br m, 3H, アミド NH, HCl), 8.0 (t, 1H, hArg グアニジノ NH), 8.2 (br s, 2H, アミドまたはグアニジノ NH2), 8.75 (d, 1H, アミド NH);
13C NMR (DMSO-d6) δ 21.08 (Amp CH3), 21.36 (hArg γ), 28.23 (hArg δ), 32.28 (hArg β), 40.18 (Amp β), 42.19 (hArg ε), 46.88 (Amp α), 52.23 (hArg α), 126.54 (p-Ar), 128.52 (m-Ar), 129.60 (o-Ar), 139.34 (Ar), 157.61 (C=O), 167.95 (グアニジノ C);
M+1=306。
【0137】
これら結果は、考えられる構造と一致していると考えられる。
【0138】
実施例6:Cit−Amp・HCl(l−シトルリン−d−アンフェタミン塩酸塩)の製造
Boc−Cit−OH(0.50g,1.82mmol)を、無水THF中に溶解させた。この溶液に、NHS0.209g,1.82mmol)を、次にDCC(0.376g,1.8mmol)を加えた。得られたスラリーを、周囲温度で一晩撹拌した。別のフラスコ中で、d−硫酸アンフェタミン(0.306g,0.83mmol)を、THF(10ml)中に懸濁させ、NMM(0.34ml,3.64mmol)を加えた。活性化されたエステルを、アンフェタミン懸濁液中に直接的に濾過し、得られた懸濁液を一晩撹拌した。その反応を、5%NaHCOおよびIPACで45分間急冷した。次に、有機溶媒を除去した。次に、水性層を、IPACで3回抽出し、合わせた有機層を、5%酢酸、5%NaHCOおよび5%NaClで洗浄した。次に、有機層をNaSO上で乾燥させ、溶媒を除去した。粗生成物を、IPAC/ヘプタンを用いて再結晶させて、200mgの白色固体を生じた。
【0139】
10mlのジオキサン中の4N HClを、200mg(0.200g)のBoc−Cit−Ampに加えた。その混合物を、室温で6時間撹拌し、溶媒を除去した。
【0140】
実施例7:Lys−AmpおよびhArg−Ampの比較生物学的研究
雄 Sprague-Dawley ラットを、一晩絶食させ、そしてl−ホモアルギニン−d−アンフェタミン(hArg−Amp)かまたはl−リジン−d−アンフェタミン(VyvanseTM,Lys−Amp)を経口強制飼養によって投与した。水は、随意に与えた。用量は、同等のd−アンフェタミンの遊離塩基の1.5mg/kg相当量で計算した。d−アンフェタミンの血漿濃度は、ELISA(Neogen Corp. Lexington, KY)を用いて測定した。
【0141】
l−ホモアルギニン−d−アンフェタミンまたはl−リジン−d−アンフェタミンによって放出されたd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を、図1に示す。この研究の薬物動態(PK)パラメーターを、表2に挙げる。
【0142】
【表2】

【0143】
この薬物動態(PK)研究は、非標準アミノ酸(hArg−Amp)について、標準アミノ(Lys−Amp)と比較したTmaxのシフトを明らかに示す。このシフトは、アンフェタミンに取り付けられた標準アミノ酸に対する、アンフェタミンに取り付けられた非標準アミノ酸のアミド結合の酵素的加水分解速度の減少のためでありうる。
【0144】
図2〜4は、図1および表2に反映されるデータを検分する異なった方法である。下で更に論じられるように、これら図は、最初の数時間中のLys−AmpにまさるhArg−Ampの差を強調している。
【0145】
図2は、Lys−AmpおよびhArg−Amp双方から放出されたd−アンフェタミンの相対血中レベルを示している。そのグラフは、より後の時点まで、同等の血中レベルが生じないということ、および血中レベルが、Lys−Ampよりも有意のCmaxを有するまたはスパイクするとは考えられないということを示す。hArg−Ampから放出されるd−アンフェタミンの量は、漸進的であり且つ研究持続期間にわたってLys−Ampの場合よりも一定の濃度を維持する。対照的に、放出されるd−アンフェタミンについてのLys−Amp血中レベルは、3時間で「スパイクを示し」、そしてhArg−Ampから得られる血中レベルよりも速く一掃された。
【0146】
図3および図4は、図2に記載の研究から得られた血中レベルの差を示している。示されるように、双方の結合体(Lys−AmpおよびhArg−Amp)についての初期血中レベルは、極めて異なり、hArg−Ampは、より緩やかな速度でアンフェタミンを放出している。これら血中レベルの差は、刺激薬処置の一層臨界的な作用期間中に一層小さくなるが、より重要なことに、それら差は、より後の時点で再び大きく、このことは、hArg−Ampは、Lys−Ampと比較した場合、より一貫した用量のアンフェタミンを維持するということが示唆される。hArg−Ampについての一層長い放出期間は、行動的荒廃を引き起こすことへのはるかに低い潜在性を示唆すると考えられる。
【0147】
他の経口研究を、類似の様式で行っており、下の表3に要約する。4回の(4)経口研究(ビヒクルにつきn=20)についての平均PK結果を、図5に記録する。
【0148】
【表3】

【0149】
実施例8:hArg−AmpおよびOrn−Ampの生物学的研究
d−アンフェタミンの放出量をいろいろな非標準アミノ酸の間で比較するために、別の経口薬物動態研究において、実施例7の場合のLys−Ampの代わりに、l−オルニチン−d−アンフェタミン(Orn−Amp)を投与した。hArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を、図6に示す。この研究の薬物動態パラメーターを、表4に挙げる。
【0150】
【表4】

【0151】
実施例9:Lys−Amp、hArg−Amp、Orn−AmpおよびCit−Ampの比較生物学的研究
d−アンフェタミンの放出量をいろいろな非標準アミノ酸の間で比較するために、別の経口薬物動態研究において、l−オルニチン−d−アンフェタミン(Orn−Amp)、 hArg−Ampおよびl−シトルリン−d−アンフェタミン(Cit−Amp)を、Lys−Ampと一緒に投与した。hArg−Amp、Orn−AmpおよびCit−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を、図7に示す。この研究の薬物動態パラメーターを、表5に挙げる。
【0152】
アンフェタミンの3種類の非標準アミノ酸結合体(Cit、OrnおよびhArg)の直接比較は、標準アミノ酸に対して、薬物動態特性をシフトさせるまたは変化させる有意の能力を示す。研究された非標準アミノ酸は全て、50%を超える量でアンフェタミンを放出した。オルニチンおよびホモアルギニンは双方とも、リジンの場合よりはるかに低いCmaxレベルを示し、そしてホモアルギニンおよびシトルリンは双方とも、Lys−Ampと比較して、有意にTmaxをシフトさせた。非標準アミノ酸に結合した場合のアンフェタミンの薬物動態特性へのこれら変化は、Lys−Ampによって記載されも示されてもいないし、他の標準アミノ酸によって記載されも示されてもいない臨床的に有意の変化である。
【0153】
【表5】

【0154】
実施例10:Amp、hArg−Amp、Orn−Ampの鼻腔内研究
雄 Sprague-Dawley ラットを、一晩絶食させ、そしてhArg−Ampか、Orn−Ampかまたはd−アンフェタミンを鼻腔内投与によって投与した。用量は、同等のd−アンフェタミン遊離塩基の1.5mg/kg相当量で計算した。d−アンフェタミンの血漿濃度は、ELISAを用いて測定した。hArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を、図8に示す。この研究の薬物動態パラメーターを、表6に挙げる。hArg−AmpでもOrn−Ampでも、有意の放出(<25%)は認められなかった。
【0155】
【表6】

【0156】
実施例11:Amp、hArg−Amp、Orn−Ampの静脈内研究
雄 Sprague-Dawley ラットに、尾静脈による静脈内投与により、hArg−Amp、Orn−Ampまたはd−アンフェタミンを投与した。用量は、同等のd−アンフェタミンの遊離塩基の1.5mg/kg相当量で計算した。d−アンフェタミンの血漿濃度は、ELISAを用いて測定した。hArg−AmpまたはOrn−Ampによって放出されるd−アンフェタミンの平均血漿濃度曲線(n=5)を、図9に示す。この研究の薬物動態パラメーターを、表7に挙げる。hArg−AmpでもOrn−Ampでも、有意の放出(<35%)は認められなかった。hArg−Ampから放出されたd−アンフェタミンの初期スパイクは、速やかに一掃されたが、鼻腔内研究の場合のように、Orn−Ampは、2時間の時点で僅かに増加した。
【0157】
【表7】

【0158】
実施例7〜11の研究結果は、標準アミノ酸にまさる、非標準アミノ酸を用いることによる経口薬物動態特性の予想外の変化を明らかに示している。アンフェタミンに取り付けられる非標準アミノ酸を変更することにより、それら結合体は、Tmaxをシフトさせ(より早期またはより後期へ)、曲線形状を変更し、Cmaxを低下させ、そしてCmaxを上昇させることができる。更に、hArg−AmpについてのTmaxのシフトは、心臓血管副作用および毒性の多くが、TmaxおよびCmaxに関連しているという点で、臨床的に有意でありうる。それら結果は、非標準アミノ酸を用いることにより、AUCを有意に変化させることなく、より低いCmaxを伴うTmaxのシフトが生じるということを示している。更に、Lys−Ampに対して、hArg−Ampの取込みの勾配は一層緩やかであり、したがって、一層緩慢な開始をもたらすと考えられ、それが、副作用を更に軽減しうると考えられる。
【0159】
本技術のアンフェタミン結合体hArg−Ampは、非標準アミノ酸を用いることにより、Tmaxのシフトが生じることを示すが、AUCおよび潜在的臨床作用を依然として保持している。非標準アミノ酸を用いることにより、本発明者は、hArg−AmpおよびOrn−Amp双方が、INおよびIV経路による放出をほとんど示さないが、類似のAUCをなお依然として保持するということを示すことができる。
【0160】
ここに記載の技術は、ここで、関係するいずれの当業者も、それを実施可能であるように完全に、明確に、簡潔に、そして正確に記載されている。前記が、本発明の好ましい態様を記載しているということ、およびそこにおいて、請求の範囲に示されている本発明の精神または範囲を逸脱することなく、変更を行うことができるということは、理解されるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中枢神経系の刺激を必要とする障害または状態を有するヒトまたは動物患者を処置するための組成物であって、少なくとも一つの、オルニチンまたはホモアルギニンとのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せを含む組成物。
【請求項2】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体が、l−オルニチン−d−アンフェタミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体が、l−ホモアルギニン−d−アンフェタミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、非経口経路によって投与された場合に、減少したまたは妨げられた薬理活性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
アンフェタミンの結合体の塩が、メシラート、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、トリフラート、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩またはそれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が、錠剤、カプセル剤、キャプレット、トローチ、ロゼンジ、経口散剤、溶液、経口フィルム剤、薄片または懸濁液の形である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
錠剤、トローチまたはロゼンジが、チュアブルである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せが、約1mg〜約500mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せが、約5mg〜約250mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せが、約10mg〜約100mgの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せが、アンフェタミン単独と比較した場合に、治療的に生物学的同等なAUCを与えるのに十分な量であるが、Cmaxスパイクを与えることがない、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せが、アンフェタミン単独と比較した場合に、治療的に生物学的同等なAUCを与えるのに十分な量であるが、同等のCmaxを与えることがない、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
その中枢神経系の刺激を必要とする障害または状態を有する患者を処置する方法であって、該患者に、薬学的に有効な量の、少なくとも一つの、オルニチンまたはホモアルギニンとのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せを経口投与することを含む方法。
【請求項14】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体が、l−オルニチン−d−アンフェタミンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体が、l−ホモアルギニン−d−アンフェタミンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
経口投与する前記工程が、錠剤、カプセル剤、キャプレット、トローチ、ロゼンジ、経口散剤、経口溶液、経口フィルム剤、薄片または経口懸濁液を投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
アンフェタミンの結合体を、塩の形で投与する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
塩が、メシラート、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、トリフラート、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、硝酸塩、安息香酸塩またはそれらの混合物である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
約1mg〜約500mgの、少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩、その誘導体またはその組合せを含有する剤形を投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
約5mg〜約250mgの、少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩またはその組合せを含有する剤形を投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
約10mg〜約100mgの、少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩またはその組合せを含有する剤形を投与することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩またはその組合せが、アンフェタミン単独と比較した場合に、治療的に生物学的同等なAUCを与えるのに十分な量であるが、Cmaxスパイクを与えることがない、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも一つのアンフェタミンの結合体、その塩またはその組合せが、アンフェタミン単独と比較した場合に、治療的に生物学的同等なAUCを与えるのに十分な量であるが、同等のCmaxを与えることがない、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
障害または状態が、注意欠陥多動障害、注意欠陥障害、肥満症、ナルコレプシー、食欲抑制、うつ病、不安、覚醒状態またはそれらの組合せである、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
障害または状態が、注意欠陥多動障害である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
障害または状態が、注意欠陥障害である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
障害または状態が、肥満症である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
障害または状態が、食欲抑制である、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
障害または状態が、うつ病である、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
障害または状態が、ナルコレプシーである、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−512413(P2010−512413A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541507(P2009−541507)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/087028
【国際公開番号】WO2008/073918
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509163710)ケムファーム・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】