説明

アンプ分離型視覚センサ

【課題】省スペース化を達成して、1箇所に多数設置することを可能とすると共に、その表示の視認性も良好なアンプ分離型視覚センサを提供すること。
【解決手段】画像表示器(12)の画面は、所定の標準文字の1文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最上段の第1領域(12a)と、所定の標準文字の2文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最下段の第2領域(12b)と、画面最上段の第1領域と画面最下段の第2領域とに挟まれた画面中段の第3領域(12c)とに領域分けがされており、表示制御手段は、複数の表示態様の一つを選択的に実現するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種工業製品等の検査に使用されるアンプ分離型視覚センサに係り、特に、互いに隣接して連装可能なアンプ部に小型画像表示器が組み込まれた形式のアンプ分離型視覚センサに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラとして機能するセンサヘッド部と、センサヘッド部で撮影された画像を処理するアンプ部とを有するアンプ分離型視覚センサは従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のアンプ分離型視覚センサのアンプ部には、設定された検索項目と、設定されたしきい値と、撮影された画像とに基づいて、設定された検査項目についての計測値と、しきい値を基準として計測値を弁別してなる判定値とを生成する演算手段と、撮影された画像と、生成された計測値と、設定されたしきい値とを、画像表示器上に表示するための表示制御手段とが設けられている。
【0004】
従来、画像表示器としては、例えば5インチ程度の画面を有する小型CRTモニタが採用されていたため、上述した『画像』、『計測値』、『しきい値』、『判定値』を表示させた場合、十分な視認性を確保することができた。
【特許文献1】特開2001−165863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、昨今、この種のアンプ分離型視覚センサが広く普及した結果、1つの検査現場において、多数のアンプ分離型視覚センサを使用する必要性も生じ、その場合にはもはや汎用の小型CRTモニタの使用では設置場所に苦慮するという問題が生じた。
【0006】
そこで、本出願人は先に、省スペース型のアンプ分離型視覚センサを提案している。このアンプ分離型視覚センサは、カメラとして機能するセンサヘッド部と、センサヘッド部で撮影された画像を処理するアンプ部とを有する。アンプ部のケースはDINレール等の支持部材を介して互いに隣接して連装可能とされ、制御盤の中や制御盤のフロントパネルへと任意に取り付けが可能とされる。
【0007】
このアンプ部の表面には比較的小型の液晶式画像表示器が配置されている。この画像表示器はせいぜい一辺が数センチメートル程度の長方形画面を有する。そのため、このアンプ部によれば、設置に際する省スペース化が達成されると共に、別途汎用のCRTモニタを備える必要もなくなる。
【0008】
もっとも、別途小型CRTモニタ等を備え付ける必要がないとはいえ、アンプ部の表面に配置された小型の画像表示器は、画面が非常に小さいことから、従前のアンプ分離型視覚センサと同様な表示態様を採用すると、オペレータにとっての視認性を著しく損ねる結果となる。
【0009】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、省スペース化を達成して、1箇所に多数設置することを可能とすると共に、その表示の視認性も良好なアンプ分離型視覚センサを提供することにある。
【0010】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のアンプ分離型視覚センサは、カメラとして機能するセンサヘッド部と、センサヘッド部で撮影された画像を処理するアンプ部とを有する。アンプ部のケースはDINレール等の支持部材を介して互いに隣接して連装可能である。アンプ部の表面には比較的に小型の画像表示器が配置されている。
【0012】
アンプ部には、演算手段と表示制御手段とが設けられる。演算手段は、設定された検査項目と、設定されたしきい値と、撮影された画像とに基づいて、設定された検査項目についての計測値と、しきい値を基準として計測値を弁別してなる判定値とを生成する。表示制御手段は、撮影された画像と、生成された計測値と、設定されたしきい値と、生成された判定値とを、画像表示器上に表示する。
【0013】
画像表示器の画面は、所定の標準文字の1文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最上段の第1領域と、所定の標準文字の2文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最下段の第2領域と、画面最上段の第1領域と画面最下段の第2領域とに挟まれた画面中段の第3領域とに領域分けがなされている。
【0014】
表示制御手段は、複数の表示態様の1つを選択的に実現するように構成されており、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、撮影された画像を、それぞれ表示すると共に、第2領域に、何も表示しないようにした、表示態様が少なくとも含まれている。
【0015】
好ましい実施の形態においては、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、作成された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、それぞれ表示すると共に、第2領域に、何も表示しないようにした、表示態様がさらに含まれているようにしてもよい。
【0016】
好ましい実施の形態においては、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、撮影された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、それぞれ表示すると共に、第2領域に、計測値に相当する文字列と、しきい値に相当する文字列とを、上下2段に表示するようにした、表示態様がさらに含まれているようにしてもよい。
【0017】
好ましい実施の形態においては、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、撮影された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、それぞれ表示すると共に、第2領域に、計測値に相当するバーグラフ表示としきい値に相当する線表示とを重ね合わせて表示するようにした、表示態様がさらに含まれているようにしてもよい。
【0018】
好ましい実施の形態においては、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、判定値に相当する文字列と、計測値に相当する文字列と、しきい値に相当する文字列とを、所定サイズの拡大文字により上下3段に表示すると共に、第2領域に、何も表示しないようにした、表示態様がさらに含まれているようにしてもよい。
【0019】
好ましい実施の形態においては、それらの表示態様の1つには、第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、第3領域に、判定値に相当する文字列と、計測値に相当する文字列とを、所定サイズの拡大文字により上下2段に表示すると共に、第2領域に、計測値に相当するバーグラフ表示としきい値に相当する線表示とを重ね合わせて表示するようにしてもよい。
【0020】
本発明は、上述のように構成されているため、オペレータに対して上述の複数の表示態様の1つを任意に選択させることによって、小型の画像表示器を使用しつつも、良好な視認性を確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、この種のアンプ分離型の視覚センサにおいて、多数を1箇所に設置可能とすると共に、小型表示器を使用しつつもその視認性を良好なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、この発明の好適な実施の一形態を添付図面に従って詳細に説明する。本発明が適用された視覚センサ全体の外観斜視図が図1に示されている。
【0023】
同図に示されるように、この視覚センサは、アンプ部1とセンサヘッド部2とを有する。センサヘッド部2はカメラとして機能する。アンプ部1は、センサヘッド部2で撮影された画像を処理する。
【0024】
この例では、アンプ部1は矩形状のケース11を有する。このケース11の表面には、画像表示器12の操作部カバー13とが設けられている。画像表示器12の画面は長方形状であって、そのサイズは縦約 cm×横 cm程度とされている。つまり、従前の5インチ程度の小型汎用CRTモニタに比べかなり小型なものとなっている。
【0025】
操作部カバー13はヒンジ結合されて開閉自在とされており、この操作部カバー13が開けられると、その下には図4に示されるように各種のキーを配列してなる操作部が現れる。この例では、操作部には、『TEACH/VIEW』を指示するための第1キー13aと、『ESC』を指示するための第2キー13bと、『SET』を指示するための第3キー13cと、『MENU/ADJ/RUN』の切替えを指示するための第1スライドスイッチ13dと、『STD/EXP』の切替えを指示するための第2スライドスイッチ13eと、4方向シフトキー13fとが設けられている。
【0026】
図1に戻って、アンプ部1の底面(裏面)にはDINレール取付溝14が設けられると共に、上面にはレセプタクル15が、下面からは電気コード16が引き出されている。レセプタクル15は、後述するように、センサヘッド部側の電気コード先端のプラグと接続される。電気コード16は、例えばPLC等との間で入出力信号のやりとりを行う。尚、17は連接コネクタのカバーであって、スライド式に開閉が可能とされ、これが開かれると、内部からは隣接ケースとの接続のための連接用コネクタが露出する。
【0027】
センサヘッド部2は、ケース21を有する。ケース21は断面正方形状を有する角筒状に構成されており、本体部21aと先端部21bとに領域分けがされている。ケース21の先端には撮影用窓22が設けられると共に、後端からは電気コード23が引き出される。この電気コード23の先端には、図2に示されるようにプラグ24が取り付けられている。このプラグ24が、アンプ部1のケース11の上面に設けられたレセプタクル15と結合される。これにより、センサヘッド部2で撮影された画像は、電気コード23を経由して、アンプ部1へと送られ、視覚センサに必要な各種の処理に供される。
【0028】
後述するように、アンプ部1に内蔵された制御部は、設定された検査項目と、設定されたしきい値と、撮影された画像とに基づいて、設定された検査項目についての計測値と、しきい値を基準として計測値を弁別してなる判定値とを生成する演算機能と、撮影された画像と、生成された計測値と、設定されたしきい値とを、画像表示器上に表示するための表示制御機能とを実現する。
【0029】
図3に示されるように、アンプ部1のケース11はDINレール3を介して互いに隣接して連装可能とされている。この連装状態においては、各画像表示器12,12,・・・がオペレータと対面することとなる。
【0030】
アンプ部の回路構成を示すブロック図が図5に示されている。同図に示されるように、この回路全体100は、CPU101と、画像処理FPGA102と、表示制御FPGA103と、LCDコントローラ104と、パターンマッチング専用LSI105と、ヘッド・アンプ間インタフェース106と、給電部107と、キー入力部108と、外部入出力部109と、画像メモリ110と、表示画像メモリ111と、LCD112と、S/P変換部113と、CPUバス114と、画像バス115とを含んでいる。
【0031】
CPU101は回路全体100を統括制御する。キー入力部108は、アンプ部1の表面に配列された各種のキー13a〜13f(図4参照)からの信号をCPU101へ取り込むためのものである。外部入出力部109は、CPU101の演算手段により生成された判定値を外部PLCへ送出したり、外部PLCからの制御信号をCPU101へと取り込むためのものである。CPU101はCPUバス114を介して、画像処理FPGA102及び表示制御FPGA103と接続される。画像処理FPGA102及び表示制御FPGA103は画像バス115に接続される。画像バス115は、ヘッド・アンプ間インタフェース106及びLVDS系のシリアル・パラレル変換部113を介して、センサヘッド部2に接続される。つまり、センサヘッド部2で撮影された画像は、アンプ部1内の画像バス115へと送られる。センサヘッド部1で撮影された画像データは、画像処理FPGA102を介して画像メモリ110に格納される。画像処理FPGA102は各種の高度な画像処理を高速で行うためのものである。もっとも、パターンマッチング処理等のような複雑な機能については、パターンマッチング専用LSI105へと作業分担を図っている。表示制御FPGA103は、CPU101と協動しつつ、各種の表示用データを生成して表示画像メモリ111に格納する。表示画像メモリ111に格納された表示データは、例えば撮影された画像データ、生成された計測値データ、設定されたしきい値データ、その他各種のデータ等で構成されており、これらのデータは、後に詳細に説明するように、LCDコントローラ104を介して画像表示器12を構成する液晶表示デバイス(LCD)112へと表示される。尚、給電部107は、回路全体100に対して各種の電源を供給する。
【0032】
センサヘッド部2の回路構成を示すブロック図が図6に示されている。同図に示されるように、この回路全体200は、センサヘッド専用LSI201と、照明用LED202と、ガイド光LED203と、LEDドライブ回路204と、CCD205と、垂直転送ドライバIC206と、サンプルホールドIC207と、EEPROM208と、LVDS系のパラレル・シリアル変換部209と、ヘッド・アンプ間インタフェース210と、給電部211とを含んでいる。
【0033】
センサヘッド専用LSI201は、回路全体200を統括制御する。すなわち、センサヘッド専用LSI201は、LEDドライブ回路204を介して、照明用LED202及びガイド光LED203を駆動する。また、センサヘッド専用LSI201は、垂直転送ドライバIC206及びサンプルホールドIC207を介して2次元撮像素子である205を制御(露光・転送制御/ゲイン制御)する。サンプルホールドIC207から出力される画像データは、LVDS系のパラレル・シリアル変換部209を介してLVDS信号に変換された後、ヘッド・アンプ間インタフェース210を介して、アンプ部1側へと送られる。EEPROM208には当該センサヘッド部の固有データが予め格納されており、アンプ部とセンサヘッド部とが接続される際に、この固有データがEEPROM208から読み出され、両者の照合一致を条件として、動作禁止が解除される。尚、給電部211は、回路全体200に対して各種の電源を供給する。給電部211は、アンプ部1から送られてくる+DC15Vをもとに各種の電源を生成する。
【0034】
次に、本発明の要部である表示制御部を含むアンプ部の処理内容を示すゼネラルフローチャートが図7に示されている。このフローチャートは、電源投入またはリセット操作によって起動される。
【0035】
図7において、処理が開始されると、まず初期化処理が実行され(ステップ701)、各種のレジスタやフラグの初期設定が行われる。尚、ここで、後述する初期表示態様(図9(a)参照)に必要な各種の設定も行われる。
【0036】
初期化処理(ステップ701)が完了すると、アンプ部1の操作部に設けられた第1スライドスイッチ13b(図4参照)の状態が参照される。ここで、第1スライドスイッチ13bの状態が『MENU(設定)』であれば、その間設定処理(ステップ703)が実行されて、この種の視覚センサの動作に必要な各種の設定操作が可能となる。一方、第1スライドスイッチ13dの状態が『ADJ(調整)』であれば、しきい値調整処理(ステップ704)が実行され、自動または手動によって、しきい値を調整することが可能となる。
【0037】
これに対して、第1スライドスイッチ13dの状態が『RUN(稼働)』であれば、そのとき設定されている表示態様による表示処理が実行され(ステップ708)、画像表示器12の画面上には、予め用意された複数の表示態様の1つをもって、撮影された画像と、生成された計測値と、設定されたしきい値と、弁別結果である判定値とを、画像表示器12の画面上に表示するための表示制御処理が実行される。
【0038】
ここで、図9に示されるように、画像表示器12の画面は、所定の標準文字の1文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最上段の第1領域12aと、所定の標準文字の2文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最下段の第2領域12bと、画面最上段の第1領域12aと画面最下段の最2領域12bとに挟まれた画面中段の第3領域12cとに領域分けが行われている。
【0039】
先に説明したように、電源投入またはリセット直後の初期化処理(ステップ701)において、表示態様としては、図9(a)に示される初期表示態様への設定が行われている。
【0040】
また、この実施形態における視覚センサにおいては、図10〜図12に示されるように、『PTN SEARCH』、『PTN MATCH』、『BRIGHT』、『AREA』、『WID』、『POSI』、『CNT』、『CHARA A』、『CHARA B』からなる9種類の検査項目が用意されている。それら検査項目の意味内容並びにティーチング方法については、図10〜図12を参照されたい。
【0041】
また、第1スライドスイッチ13dが『RUN(稼働)』に設定された状態で、『VIEW』を指示するための第1キー13aが押圧操作されると、図8のフローチャートに示されるように、その都度循環カウント処理(ステップ801)が実行される結果、内蔵するカウンタCの値は0〜5の間を繰り返し循環カウントされ、その結果カウンタCのカウント値のそれぞれに応じて(ステップ802〜806)、該当する表示態様への切替えが行われる(ステップ807〜811)。
【0042】
図7に戻って、第1スライドスイッチ13dが『RUN(稼働)』へ切替えられた後、外部信号入力も第1キー13aに基づくVIEWキー入力もない状態では、初期化処理701において、初期表示態様への設定が行われたままとなっている。そのため、この状態において、設定表示態様の表示処理(ステップ708)が実行されると、図9(a)に示されるように、初期表示態様による表示が行われる。すなわち、この初期表示態様においては、第1領域12aには選択された検査項目に相当する文字列301(この例では『PATTERN1』が表示され、第3領域12cには撮影された画像302(この例では、牛乳瓶の蓋部分を真上から見た画像)が表示される。このとき、第2領域12bには何も表示されない。従って、この初期表示態様(図9(a))においては、画像302を他の表示に邪魔されることなく詳細に観察することができる。
【0043】
次に、第1キー13aが押圧操作されると、初期表示態様(同図(a))から第1表示態様(同図(b))への切替えが行われる。この第1表示態様(同図(b))においては、第1領域12aには選択された検査項目に相当する文字列301が表示され、第3領域12cには撮影された画像302と所定のグラフィック表示303との重ね合わせ画像が表示され、第2領域12bには何も表示されない。従って、この第1表示態様(同図(b))においては、画像302とグラフィック表示303との位置関係に基づいて、例えば検査領域と画像との関係を容易に理解することができる。
【0044】
次に、第1キー13aがさらに操作されると、第1表示態様(同図(b))から第2表示態様(同図(c))への切替えが行われる。この第2表示態様(同図(c))においては、第1領域には選択された検査項目に相当する文字列301が表示され、第3領域には撮影された画像302と所定のグラフィック表示303との重ね合わせ画像が表示され、さらに第2領域12bには計測値に相当する文字列304(この例では『SCORE:』)と、しきい値に相当する文字列305(この例では『THRES:』)とが上下2段に表示される。従って、この第2表示態様(同図(c))によれば、第1表示態様における利便に加え、設定された検査項目における計測値としきい値との関係を容易に理解することができる。
【0045】
次に、第1キー13aがさらに押圧操作されると、第2表示態様(同図(c))から第3表示態様(同図(d))への切替えが行われる。この第3表示態様(同図(d))においては、第1領域12aには選択された検査項目に相当する文字列301が表示され、第3領域12cには撮影された画像302と所定のグラフィック表示303との重ね合わせ画像が表示され、さらに第3領域12bには計測値に相当するバーグラフ表示306としきい値に相当する線表示307とが重ね合わせて表示される。従って、この第3表示態様(同図(d))においては、第1表示態様(同図(b))における利便に加えて、計測値としきい値との関係をより直感的に理解させることができる。
【0046】
次に、第1キー13aがさらに押圧操作されると、第3表示態様(同図(d))から第4表示態様(同図(e))への切替えが行われる。この第4表示態様(同図(e))においては、第1領域12aには選択された検査項目に相当する文字列301が表示され、第3領域12cには判定値に相当する拡大文字列308(この例では『JG OK』と、計測値に相当する拡大文字列309(この例では『SCR 98』)と、しきい値に相当する拡大文字列310(この例では『TH 60』)とが上下3段に表示され、第2領域12bには何も表示されない。従って、この第4表示態様(同図(e))においては、画像に邪魔されることなく、判定値と計測値としきい値との関係を容易に理解させることができる。
【0047】
次に、第1キー13aがさらに押圧操作されると、第4表示態様(同図(e))から第5表示態様(同図(f))への切替えが行われる。この第5表示態様(同図(f))においては、第1領域12aには選択された検査項目に相当する文字列301が表示され、第3領域12cには判定値に相当する拡大文字列308と計測値に相当する拡大文字列310とが上下2段に表示され、さらに第2領域12bには計測値に相当するバーグラフ表示306としきい値に相当する線表示307とが重ね合わせて表示される。従って、この第5表示態様(同図(f))によれば、判定値と計測値、並びに、計測値としきい値との関係をより明確かつ直感的に理解させることができる。殊に、限られた画面スペースを利用してそれら4つの情報を明確に表示させることができる利点がある。
【0048】
以後、図9に矢印で示されるように、画面の切替えはVIEWキーの操作のたびに順次循環しつつ繰り返される。
【0049】
このように以上の実施形態によれば、図9に示される6個の表示態様の1つをユーザは単に第1キー13aの押圧操作だけで任意に選択することができるから、この種の小型の画像表示器12を備えた視覚センサにおいても、何ら視認性を損ねることなく、必要な情報をユーザに対して的確に提供することができる。しかも、アンプ部1は図3に示されるように、DINレール3を介して互いに隣接して連装可能であるため、狭いスペースにも多数のアンプ部1を容易に取り付けることができ、省スペース化をなしつつも、表示の視認性を損ねることがないという優れた作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明が適用された視覚センサ全体の外観斜視図である。
【図2】センサヘッド部のコード付状態を示す図である。
【図3】アンプ部の連装状態を示す外観斜視図である。
【図4】操作部のキー配置を示す図である。
【図5】アンプ部の回路構成を示すブロック図である。
【図6】センサヘッド部の回路構成を示すブロック図である。
【図7】アンプ部の処理内容を示すゼネラルフローチャートである。
【図8】VIEWキーの操作回数と表示態様との関係を示すフローチャートである。
【図9】表示態様の状態遷移図である。
【図10】検査項目毎のティーチング説明図(その1)である。
【図11】検査項目毎のティーチング説明図(その2)である。
【図12】検査項目毎のティーチング説明図(その3)である。
【符号の説明】
【0051】
1 アンプ部
2 センサヘッド部
11 ケース
12 画像表示器
13 操作部カバー
13a 第1キー
13b 第2キー
13c 第3キー
13d 第1スライドスイッチ
13e 第2スライドスイッチ
13f 4方向シフトキー
14 DINレール取付溝
15 レセプタクル
16 電気コード
21 ケース
21a 本体部
21b 先端部
22 撮影用窓
23 電気コード
24 プラグ
100 回路全体
101 CPU
102 画像処理FPGA
103 表示制御FPGA
104 LCDコントローラ
105 パターンマッチング専用LSI
106 ヘッド・アンプ間インタフェース
107 給電部
108 キー入力部
109 外部入力部
110 画像メモリ
111 表示画像メモリ
112 LCD
113 S/P変換部
114 CPUバス
115 画像バス
200 回路全体
201 センサヘッド専用LSI
202 照明用LED
203 ガイド光LED
204 LEDドライブ回路
205 CCD
206 垂直転送ドライブIC
207 サンプルホールドIC
208 EEPROM
209 P/S変換部
210 ヘッド・アンプ間インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラとして機能するセンサヘッド部と、センサヘッド部で撮影された画像を処理するアンプ部とを有し、かつアンプ部のケースはDINレール等の支持部材を介して互いに隣接して連装可能であって、その表面には比較的に小型の画像表示器が配置されており、さらに
アンプ部には、
設定された検査項目と、設定されたしきい値と、撮影された画像とに基づいて、設定された検査項目についての計測値と、しきい値を基準として計測値を弁別してなる判定値とを生成する演算手段と、
撮影された画像と、生成された計測値と、設定されたしきい値と、生成された判定値とを、画像表示器上に表示するための表示制御手段と、が設けられ、
画像表示器の画面は、
所定の標準文字の1文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最上段の第1領域と、
所定の標準文字の2文字分の垂直方向幅を有しかつ画面の水平方向ほぼ全幅に及ぶ画面最下段の第2領域と、
画面最上段の第1領域と画面最下段の第2領域とに挟まれた画面中段の第3領域とに領域分けがされており、
表示制御手段は、複数の表示態様の一つを選択的に実現するように構成されており、それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、撮影された画像を、
それぞれ表示すると共に、
第2領域に、なにも表示しないようにした、表示態様が少なくとも含まれている、
ことを特徴とするアンプ分離型視覚センサ。
【請求項2】
それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、撮影された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、
それぞれ表示すると共に、
第2領域に、なにも表示しないようにした、表示態様がさらに含まれている、 ことを特徴とする請求項1に記載のアンプ分離型視覚センサ。
【請求項3】
それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、撮影された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、
それぞれ表示すると共に、
第2領域に、計測値に相当する文字列と、しきい値に相当する文字列とを、上下2段に表示するようにした、表示態様がさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンプ分離型視覚センサ。
【請求項4】
それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、撮影された画像と所定のグラフィック表示との重ね合わせ画像を、
それぞれ表示すると共に、
第2領域に、計測値に相当するバーグラフ表示としきい値に相当する線表示とを重ね合わせて表示するようにした、表示態様がさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンプ分離型視覚センサ。
【請求項5】
それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、判定値に相当する文字列と、計測値に相当する文字列と、しきい値に相当する文字列とを、所定サイズの拡大文字により上下3段に表示すると共に、
第2領域に、なにも表示しないようにした、表示態様がさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアンプ分離型視覚センサ。
【請求項6】
それらの表示態様の一つには、
第1領域に、選択された検査項目に相当する文字列を、
第3領域に、判定値に相当する文字列と、計測値に相当する文字列とを、所定サイズの拡大文字により上下2段に表示すると共に、
第2領域に、計測値に相当するバーグラフ表示としきい値に相当する線表示とを重ね合わせて表示するようにした、表示態様がさらに含まれている、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアンプ分離型視覚センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−18423(P2006−18423A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193732(P2004−193732)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】