説明

アンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法

【課題】 本発明は、リン酸アンモニウムマグネシウム形成反応に、反応生成物を繰り返し使用することで、反応原料のマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を新たに補給することなく、アンモニア態窒素を含む排水を浄化処理する方法の提供。
【解決手段】 そのアンモニア態窒素を含む排水の浄化処理方法は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ固液分離する第1工程、固液分離後のリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに次亜ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩又はハロゲンガスを接触させてリン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を形成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的硝化脱窒素処理を用いることなくアンモニア態窒素を含有する排水を浄化処理する方法に関する。
より詳しくは、本発明は、固体であるリン酸アンモニウムマグネシウムの形成反応を利用するアンモニア態窒素を含有する排水を浄化処理する方法に関する。
さらにいえば、リン酸アンモニウムマグネシウム形成反応に、反応生成物を繰り返し使用することで、反応原料のマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を新たに補給することなく、アンモニア態窒素を含有する排水を浄化処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンモニア態窒素成分を含有する排水は、凝集沈殿法その他の薬剤添加による処理が難しく、専ら嫌気性細菌による生物処理である生物学的硝化脱窒素処理が行われるのが現状である。
その生物処理方法は、アンモニア態窒素を硝酸態窒素に変換する硝化工程と、硝酸態窒素を窒素ガスに変換する脱窒工程の2工程により行われるため、2つの異なる反応槽が必要となると共に、著しく長い処理時間を要するため、処理効率が著しく悪いという問題があった。
【0003】
また、この生物処理方法では、脱窒素細菌を保有するために、大容量の嫌気槽が必要となり、設備建設コスト高騰、装置設置面積の増大を招くという問題もある。
さらに、この脱窒素細菌の活動は、周囲の温度環境、被処理水中に含有される成分等により著しく影響される。
そのため、特に温度が低くなる冬場になると活動が低下し、その結果脱窒素作用が低下し処理効率が不安定となるという問題もある。
【0004】
[先行技術文献]
【特許文献1】特開平7−284762号公報
【特許文献2】特開平11−10194号公報
【特許文献3】特開2001−104966
【0005】
このようなことに加えて、近年排水中の窒素の総量が規制されるなど排水処理基準の厳格化などとあいまって有効、かつ、簡易な処理方法の開発機運が高まっており、特に、高濃度、小規模の排水処理ニーズに対応できる処理方法が求められている。
そのようなことから、近年生物処理によらない方法が提案されており、それには水和酸化鉄粒子とゼオライト粒子を用いてアンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を吸着し、排水中からアンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を分離除去する方法がある(特許文献1)。
【0006】
この方法では、アンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を吸着した吸着剤である水和酸化鉄粒子及びゼオライト粒子を苛性ソーダ溶液により処理してアンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を脱着させる。
そのアンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を含む苛性ソーダ脱着液と可溶性マグネシウム化合物とを混合して、固体であるリン酸アンモニウムマグネシウム(NH4MgPO4)の6水塩を形成し濾過等の固液分離により、リン酸アンモニウムマグネシウムを分離回収する。
【0007】
この回収されたリン酸アンモニウムマグネシウム・6水塩(以下、これを「MAP」という)は、窒素分とリン分を含有する肥料等として利用可能であり、この方法は、下水等の排水に希薄な濃度で含有されるアンモニア性窒素及びリン酸イオンの両者を除去して排水の浄化をできる上に、かつ分離したMAP(NH4MgPO4・6H2O)は有効利用できる有価成分であることから、優れた浄化技術であると提案者は賞賛している。
【0008】
しかしながら、この方法による処理を工業的に行うためには以下の問題点がある。
(1-1)MAP結晶を系外に取出す操作は煩雑で、そのために該結晶を搬送、貯留等するためには大掛かりな装置が必要になる
(1-2)MAP結晶は装置内部に固着してスケール化しやすく、装置のメンテナンスに手間がかかる。
(1-3)MAP結晶には、不純物が付着し易く、そのため有効利用が難しく、処分費用がかかり、かつこの方法には燐酸イオン源とマグネシウムイオン源とが必要であり、そのためのコストもかかる。
【0009】
この方法とは別にリン酸イオン含有排水にマグネシウム塩を添加し、その後生物処理を行う方法もあり、この方法でもMAPは有価成分として回収するが、排水中に含有するリンの化合物がMAPを形成可能な正リン酸以外の形態のものも多く、そのためMAPの生成効率及び回収効率が低いということから、これを改良した方法も既に提案されている(特許文献2)。
この改良方法は、MAPを形成するために用いるマグネシウム塩を添加する前に、排水中のリンの化合物を生物処理により正リン酸に転化せしめるものである。
【0010】
この改良方法及び前記した吸着による方法の両方法とも、MAPを形成する際のリン酸イオンについては、排水中に含有するものを利用しており、MAPを形成するにはアンモニウムイオンとリン酸イオンが等モル量であることが必要であるが、排水中に含有するリン酸イオンはアンモニウムイオンに比べると大分少ない量である。
その結果、アンモニウムイオンを充分に除去するには、不足分のリン酸分を排水中に添加することが必要となる。
【0011】
また、前記改良方法においては、生物処理が不必要になったわけではなく、それに加えてMAP生成用の設備及び分離用設備等が必要となり、そのため設備建設コストが特段低減したわけでもない。
さらに、吸着による方法は、2種の吸着剤を用いており、そのための設備機器もコストを要し、かつ高度な処理技術も必要であり、これらの点でも生物処理による方法に比し特段優れているともいえない。
【0012】
そのようことから、排水中のリン酸イオンが少量でアンモニウムイオンと等モル量存在しない場合においてもリン酸成分を添加することなく、MAPを形成し、分離回収する技術も既に提案されている(特許文献3)。
この方法は、MAPからアンモニア及び水を放出したもの(以下、「H−MAP」という)を、アンモニウムイオン含有排水と混合してMAPを形成し、その形成したMAPを固液分離により分離し、分離後のMAPを加熱してアンモニア及び水を放出分離するものである。
【0013】
その結果、この特許文献3の提案の方法では、H−MAP及びMAPはアンモニアの分離除去に繰り返し利用することができる。
以上のとおりであるから、この提案の方法では、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源は繰り返し使用することができ、一度排水中にH−MAPを添加したら、その後それらイオン源の排水中への添加は不要となる。
【0014】
そのため、外部から排水中への反応材料の投入は最初の一度だけであり、その後は反応材料の添加は必要なく、このMAPの熱分解を繰り返す方法は、生物処理を使用しない点に加えこの点においても優れている。
前記のとおりではあるが、このMAPの熱分解を繰り返す方法は、MAPの分解が熱分解であることから、エネルギー消費量が高く、かつ分解後生成するのが排水から分離したアンモニアのそのもので、窒素に転化していないことから、無害、無臭化されておらず、これらの点において充分な技術と言い難いところがある。
【0015】
これら以外にも、アンモニウムイオン含有排水の処理方法として、塩素を添加し電解を行う方法もあるが、それにも以下の短所がある。
(2-1)排水処理に電解法を使う場合、排水中の電解質量が少ないと溶媒である水の電解に電力を消費してしまうため装置のコストと消費電力が過大になり実用化できない場合が多い。
特に、バッチ法で電解処理して、窒素濃度が排出基準以下になった被処理水を放流する場合、被処理水中のアンモニウムイオン濃度が低下してくる電解終期において、電解電力のほとんどが水の電解に使われ不経済になることが多い。
(2-2)アンモニアは、白金族材料からなる陽極を酸素発生条件で使用するとその消耗を早める。また、たとえば蟻酸のような不純物を含んだ排水を処理する場合もその消耗を加速する。
(2-3)蟻酸のようなCOD成分が共存する排水を電解処理する場合、アンモニアとCOD成分の双方の分解に電力を消費して、目的の窒素除去の効率が低くなる。
【0016】
そして、これらの電解時の問題を解決するためには、非処理水の塩素イオン濃度を高めれば陽極材料の消耗を低減でき、さらに非処理水の電気抵抗による電圧を下げて消費電力を低くでき好都合であるが、放流できる塩素イオン濃度は無制限に許容されない。
また、バッチ処理における、電解終期の効率低下の問題については、効率のよい一定濃度のアンモニア成分濃度を維持するような連続電解ができるようなプロセスを構成できれば好都合であるが、被処理水を高いアンモニア成分濃度のまま放流できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明者は、この熱分解を繰り返す方法の利点を活かしつつ、先のMAPによる短所を解消できる技術の研究開発に鋭意努め、その結果開発に成功し、既に特許出願した(特願2007−39102)。
すなわち、本発明者は、MAPの結晶を分離して、その分解方法について検討している過程において、結晶の状態であってもハロゲン、次亜ハロゲン酸等のハロゲンを含む酸化剤化合物によってアンモニア成分を分解除去できる意外な事実を見出し、その知見を利用することで、前記課題を解決することができた。
【0018】
しかしながら、その開発に成功した方法は、前記のとおりの利点は有するものの、MAPの分解にハロゲンあるいは次亜ハロゲン酸等のハロゲンを含む酸化剤化合物を使用するものであり、それらは、取扱いに注意を要し、かつ比較的高価なものである。
本発明者は、この技術に関してはその後も研究を継続しており、その過程において前記利点を活かしつつ、より取扱い性に優れ、安価な方法を開発することに成功した。
【0019】
したがって、本発明者は、この熱分解を繰り返す方法の利点を活かしつつ、先の短所を解消することができる、より優れたアンモニア態窒素を含む排水を浄化処理する方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
すなわち、本発明は、排水中のアンモニア態窒素をMAPとして分離除去するものであり、その際には、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源は繰り返し使用することができる利点を活かしつつ、MAPの分解に熱分解を使用せず、かつMAPの分解後にアンモニアを生成することなく、窒素まで分解することができる、より優れたアンモニア態窒素を含む排水を浄化処理する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前記課題を達成するためのアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法を提供するものであり、それには大別して4つの態様がある。
第1の態様は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ沈降分離する第1工程、該沈降分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を具備することを特徴とするものである。
【0021】
第2の態様は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ沈降分離する第1工程、該沈降分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、第2工程で生成したリン酸マグネシウムを含有するスラリーを固液分離して得た固形分又は濃縮スラリーを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程、並びに前記固形分又は濃縮スラリー分離後の塩素イオン源が残留する液を第2工程に循環する第4工程を具備することを特徴とする。
【0022】
第3の態様は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ固液分離する第1工程、該固液分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウム結晶を水と混合し、混合後塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を具備することを特徴とする。
【0023】
第4の態様は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ固液分離する第1工程、該固液分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウム結晶を水と混合し、混合後塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、第2工程で生成したリン酸マグネシウムを含有するスラリーを固液分離して得た固形分又は濃縮スラリーを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程、並びに前記固形分又は濃縮スラリー分離後の塩素イオン源が残留する液を第2工程に循環する第4工程を具備することを特徴とする。
【0024】
そして、それらのいずれの態様においても以下のことが好ましい。
(1)排水に混合するマグネシウムイオン源はマグネシウム対窒素のモル比で1.5以上:1であり、リン酸イオン源はリン対窒素のモル比で1以下:1であること、
すなわち、両イオン源の添加量については、マグネシウム源は窒素1モルに対し1.5モル以上であり、リン酸イオン源は窒素1モルに対し1モル以下であること
(2)塩素イオン源が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、海水又はこれらの混合物であること
(3)第1工程における固液分離は、濾過又は遠心分離であること
(4)第2工程における水は排水原水又は放流水であること
(5)第3工程における固液分離は、濾過、遠心分離又は沈降分離であること
【発明の効果】
【0025】
本発明のアンモニア態窒素を含む排水の浄化処理方法においては、リン酸アンモニウムマグネシウムを形成し、これを分解して生成したリン酸マグネシウムをマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用するものであり、その結果マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を繰り返し使用することができるので、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源については、排水に一度だけ添加すればよく、その後は新たにマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を添加することなく、MAPを形成することができる。
【0026】
そして、本発明では形成されたMAPは、塩素源化合物を用いて電解により分解させるのであり、特許文献3で提案するMAPを熱分解する場合より低い温度、低い電力で処理でき、かつ固形分を装置外に取り出す必要もない。
さらに、その際には排水中のMAP及び塩素イオン濃度を任意に調整して電解できるので、電解質の微量化による電気量浪費の短所は解消できる。
それに加えて、排水中に存在するアンモニウムイオン以外の不純物質は、電解前の固液分離で除去されているので、電解時に不純物物質が残留することによる短所も解消することができ、前記したアンモニウムイオンの電解による除去の際の短所は解消できる。
【0027】
また、その電解時に用いる塩素源化合物は塩化ナトリウム(食塩)、海水等の安全性が高く、かつ安価な化合物であり、先願発明において使用するハロゲンあるいは次亜ハロゲン酸等のハロゲンを含む酸化剤化合物のように取扱いに注意を要し、かつ比較的高価なものではない。
さらに、本発明の方法では、MAPが分解して生成するのはアンモニアではなく、無臭、無害の窒素であり、特許文献3で提案するMAPを熱分解で分解した場合に生成するアンモニアのように臭気のある有害物ではないから、更なる無害化処理を必要としないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下において、本発明について発明を実施するための最良の形態を含む実施の形態に関し図1ないし及び図6を用いて詳述するが、本発明は、この実施の形態によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明は、前記したとおり4つの形態に大別することができるが、まず第1の形態に沿って説明する。
【0029】
その第1の形態は、アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ沈降分離する第1工程、該沈降分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を具備することを特徴とする。
【0030】
この排水の浄化処理工程においてはリン酸アンモニウムマグネシウム生成反応、リン酸アンモニウムマグネシウムの電解時に生成した次亜ハロゲン酸塩(ハロゲン酸塩)による分解反応、又は電解で生成したハロゲンガスによる分解反応があるが、それら反応について化学反応式で示すと以下のとおりである。
[燐酸アンモニウムマグネシウムの生成反応について]
NH4++Mg2++PO43- → NH4MgPO4↓ (式1)
[次亜塩素酸による分解反応について]
NH4MgPO4+3HClO → 1/2N2↑+3Cl-+1/3Mg3(PO4)2
+1/3H3PO4+3H2O (式2)
[塩素ガスによる分解反応について]
NH4MgPO4+3/2Cl2
1/2N2↑+3HCl+1/3Mg3(PO42↓+1/3H3PO4 (式3)
【0031】
本発明において、排水に最初に添加するマグネシウムイオン源の化合物については、排水に溶解してMg2+を生成することができる化合物であれば特に制限されることなく各種化合物が使用可能であり、それには炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウムあるいは酸化マグネシウム等が例示できるが、取扱い性、陰イオンが炭酸イオンであることから溶解後に元来排水に含んでいない陰イオンを新たに発生させることがない点で炭酸マグネシウムが好ましい。
【0032】
さらに、排水に最初に添加するリン酸イオン源の化合物についても、排水に溶解してリン酸イオンを生成することができる化合物であれば特に制限されることなく各種化合物が使用可能であり、それには正リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸マグネシウム、あるいはリン酸カルシウム等が例示できるが、取扱い性、陽イオンが水素イオンであることから溶解後に元来排水に含んでいない陽イオンを新たに発生させることがない点で正リン酸が好ましい。
【0033】
塩基性炭酸マグネシウム等のマグネシウムイオン源化合物及び燐酸等のリン酸イオン源化合物を排水と混合するが、排水に混合するマグネシウムイオン源はマグネシウム対窒素のモル比で1.5以上:1であり、リン酸イオン源はリン対窒素のモル比で1以下:1であることが好ましい。
すなわち、両イオン源の添加量については、マグネシウム源は窒素1モルに対し1.5モル以上であり、リン酸イオン源は窒素1モルに対し1モル以下であることことが好ましい。
また、その混合時には排水に両化合物を添加するのが良いが、逆であってもよい。
さらに、その添加の際には、両化合物は固体のままでもよく水を加えてスラリー状態にしてもよい。
【0034】
そして、塩素イオン源を添加してリン酸アンモニウムマグネシウムを分解させる際の電解装置については、電解により塩素を生成し、その生成した塩素あるいはその塩素から更に生成した次亜塩素酸塩によりリン酸アンモニウムマグネシウムを分解し、窒素及びリン酸マグネシウムを生成することができるものであれば特段制限されることなく、各種構造のものが使用可能であるが、単純構造の無隔膜電解槽が好ましい。
また、その際に添加する塩素イオン源については、電解により塩素を生成することができる化合物であれば特段制限されることなく使用可能であるが、安価で、安全な物質である塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、海水又はこれらの混合物であることことが好ましい。
【0035】
[実施の形態1]
次いで、図1を用いて 本発明の態様について説明するが、まず、MAPの固液分離に沈降分離を用いる形態(以下においては「実施の形態1」と略称することもある)について図1を用いて詳述する。
その実施の形態1では、まずアンモニア態窒素を含む排水に塩基性炭酸マグネシウムと燐酸とを攪拌しながら添加し、その後苛性ソーダ溶液を添加し、その添加後は10分〜3時間程度放置するのがよく、その際には攪拌を継続するのがよい。
【0036】
なお、この苛性ソーダ溶液の添加はリン酸イオン源化合物がリン酸であり、その結果pHが極端に低下するためであり、該化合物がリン酸塩であれば、極端なpH低下がないので、その添加は特段必要ない。
前記のように水酸化ナトリウム水溶液(苛性ソーダ溶液)を添加した場合には添加後前記時間放置するのがよく、その際の水酸化ナトリウム水溶液の濃度は5〜50%程度がよく、添加後のpHは8〜9程度がよく、特に8前後が好ましい。
なお、水酸化ナトリウム水溶液を添加しない場合にも前記時間放置するのがよい。
【0037】
この放置後は、MAPを排水から分離するが、その分離はMAPがスラリーで得られることから本実施の形態1のように沈降分離によるのがよく、その理由はスラリー化しているのでMAP分解反応のために行う電解の際にそのまま利用できるからである。
なお、MAPの分離には、前記したとおり沈降分離が好ましいが、他の固液分離手段でも特に制限されることなく各種のものが使用でき、それには、濾過あるいは遠心分離等が例示できる。
また、沈降分離以外の手段により固液分離しMAPがスラリー化していない場合には、分離されたMAPに各種水、好ましくは原水あるいは排水処理済み水を添加することによりスラリー化すればよい。
【0038】
その沈降分離により得られたMAP含有スラリーは、塩素イオン源を添加して電解によりMAPを分解するが、その分解に使用する電解槽については、前記したとおり電解により塩素を生成し、その生成した塩素あるいはその塩素から更に生成した次亜塩素酸塩によりリン酸アンモニウムマグネシウムを分解し、窒素及びリン酸マグネシウムを生成することができるものであれば特段制限されることなく、各種構造のものが使用可能である。
それは単純構造の無隔膜電解槽が好ましく、それには平行多板型あるいは円筒型等が例示できる。
【0039】
さらに、その際に添加する塩素イオン源については、電解により塩素を生成することができるものであれば特段制限されることなく各種のものが使用可能であるが、化合物、天然物質あるいはそれらの混合物である、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、海水又はこれらの混合物等が例示できるが、安価で、安全な化合物である塩化ナトリウムあるいはそれを含有する天然物質である海水が好ましい。
その塩素イオン源の濃度は、塩素生成に対する電流効率の点で塩素イオン濃度で5g/L以上がよい。
【0040】
また、その電解槽において使用する電極材料は、食塩電解等の塩素化合物電解時において、耐食性のあるものであれば、特に制限されることなく使用でき、陽極には炭素、塩素発生用DSEあるいは白金等が例示でき、陰極には炭素、チタンあるいはステンレス鋼等が例示できる。
その電極あるいは電解槽構造については、効率的に電解できる構造であれば特に制限されることなく採用でき、単極式、複極式等のいずれでもよい。
【0041】
さらに、その電解時における電解浴の温度、あるいはpHについては、効率的にMAPが分解できる範囲で、かつ塩素ガス、アンモニアガスを放出しない範囲のものであればよく、それぞれ温度は20〜90℃程度がよく、pHは6〜10程度がよい。
それに加えて、その電解時の電流密度は10〜500mA/cm2程度がよい。
【0042】
そのMAPのスラリーを電解することにより、MAPが分解し、新たに固形分が沈降するが、その新たに生成した固形分がリン酸マグネシウムである。
この新たに生成した固形分のリン酸マグネシウムは、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源となるので、これを排水中に添加する。
これにより、新たに塩基性炭酸マグネシウムと燐酸とを使用することなく、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として繰り返し使用することができる。
【0043】
本発明における排水の浄化処理方法は、いずれの実施の形態においてもバッチ操作(回分操作)又は連続操作で装置設計できる。
バッチ操作を選択する場合、MAPをマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として繰り返し使用する際には、MAPを取得した操作回以降の操作回に排水に添加することになるが、その添加は、取得した直後の操作回に限られるわけではなく、各工程の所要時間等を考慮し、より効率的になるような回を選択するのがよい。
【0044】
[実施の形態2]
続いて、実施の形態1に付加工程を付設した実施の形態2について図3及び4を用いて説明する。
MAPを電解することにより生成した固形分のリン酸マグネシウムは、前記したとおり排水に添加され再利用するが、その際に固液分離された塩素イオン源が残留する液は、電解槽に循環され、この循環工程が第4の工程として第1の実施の形態に付設されたのが、第2の態様である。
【0045】
この第4の工程における前記固液分離については、沈降分離による場合には、分離後リン酸マグネシウムスラリーが得られ、その態様については図3に図示されている。
他方、固液分離を沈降分離以外の濾過、遠心分離などで行った場合には、リン酸マグネシウムは、スラリーではなく結晶として得られ、その態様については図4に図示されている。
第2の形態は、このように第1の形態に固液分離された塩素イオン源が残留する液を再利用する工程が付設されたものであり、この点において第1の形態と異なることになる。
【0046】
[実施の形態3]
次に、MAPの固液分離に濾過を用いる形態(以下においては「実施の形態3」と略称することもある)について図2を用いて詳述する。
実施の形態1の場合と同様にまずアンモニア態窒素を含む排水に塩基性炭酸マグネシウムと燐酸とを攪拌しながら添加し、MAPを生成するが、それを生成する際の放置時間、攪拌の採用、水酸化ナトリウム水溶液の添加の採用、それを採用した場合の添加後のpH等についても、実施の形態1の場合と同様である。
【0047】
その生成したMAPは、濾過により排水と分離するが、この点は実施の形態1と相異しており、この相異点のために分離されたMAPには同伴水が存在しないので、MAPを分解するための電解にあたり、MAPに原水あるいは排水処理済み水等の水を混合し流動化させてスラリー化する。
そのスラリーに塩素イオン源を添加し、実施の形態1の場合と同様に電解することにより、MAPを分解し、リン酸マグネシウムを形成する。
この新たに生成した固形分のリン酸マグネシウムは、実施の形態1の場合と同様に排水に添加し、マグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として繰り返し使用する。
【0048】
[実施の形態4]
続いて、実施の形態3に付加工程を付設した実施の形態4について図5及び6を用いて説明する。
MAPを電解することにより生成した固形分のリン酸マグネシウムは、前記したとおり排水に添加され再利用するが、その際に固液分離された塩素イオン源が残留する液は、電解槽に循環され、この循環工程が第4の工程として第3の実施の形態に付設されたのが、第4の態様である。
【0049】
この第4の工程における前記固液分離については、沈降分離による場合には、分離後リン酸マグネシウムスラリーが得られ、その態様については図5に図示されている。
他方、固液分離を沈降分離以外の濾過、遠心分離などで行った場合には、リン酸マグネシウムは、スラリーではなく結晶として得られ、その態様については図6に図示されている。
第4の形態は、このように第3の形態に固液分離された塩素イオン源が残留する液を再利用する工程が付設されたものであり、この点において第1の形態と異なることになる。
【実施例1】
【0050】
この実施例1は、図1に図示する実施の形態1に該当するものであり、それに関し以下において具体的に説明する。
アンモニア態窒素をNとして1073mg/Lを含む排水300mLに、塩基性炭酸マグネシウム(MgOとして約45%)2.48gと85w%燐酸2.48gを加え、恒温槽中30℃で攪拌しながらpHを8.6に調製した。
そのpH調製は20%水酸化ナトリウム水溶液を添加して行った。
【0051】
そのpH調製後、約1.5時間液温を維持し攪拌を継続してから析出した固形分を沈降させて上澄み液の組成を分析したところ、その組成はアンモニア態窒素がNとして428mg/L、マグネシウムが1510mg/L、燐が14mg/Lであった。
また、沈降した固形分は沈降性の良い白色結晶で、その組成はアンモニア態窒素がNとして3.53%、マグネシウムが10.7%、燐が13.1%であった。
前記上澄み液240mLを分離した、残りの前記固形分を含むスラリーに脱塩水を加えて250mLにメスアップし、塩化ナトリウム2.5gを添加して無隔膜、定電流5Aで30分間電解した。
【0052】
次に、電解終了後の前記スラリーを静置して固形分を沈降させた上澄み液の組成を分析したところ、その組成はアンモニア態窒素がNとして17.8mg/L、硝酸態窒素がNとして21.3mg/L、マグネシウムが810mg/L、燐が1050mg/Lであった。
また、沈降した固形分の組成は、アンモニア態窒素がNとして0.28%、マグネシウムが4.7%、燐が6.05%であり、このアンモニア態窒素が低減された、固形分を含む濃縮スラリーはアンモニア態窒素含有排水の処理に繰り返し使用する。
【実施例2】
【0053】
この実施例2は、図2に図示する実施の形態3に該当するものであり、それに関し以下において具体的に説明する。
アンモニア態窒素をNとして4653mg/L、蟻酸を主成分とする有機物をCODとして612mg/L含む排水200mLに塩化マグネシウム(6水和物)13.92mgと85w%燐酸5.91gを加え、恒温槽中50℃で攪拌しながらpHを8.5に調製した。このpH調製は20%水酸化ナトリウム水溶液を添加して行った。
【0054】
そのpH調整後、約1時間液温を維持し攪拌を継続してから析出した固形分を吸引ろ過した。
以上の実験操作で得たろ液量は202mL、その組成はアンモニア態窒素がNとして1170mg/L、CODが489mg/L、マグネシウムが1240mg/L、燐が5mg/L未満であった。
また、固形分の重量(未乾燥)は16.4g、その組成はアンモニア態窒素がNとして2.74%、マグネシウムが7.91%、燐が9.87%であった。
【0055】
次いで、前記固形分に脱塩水を加えて500mLとしたスラリーに塩化ナトリウム5gを添加し、無隔膜、定電流10Aで30分間電解した。
この電解では濾過した固形分に水を添加して電解しており、そのため電解時には排水中に存在したCOD成分は分離されており、その結果COD成分が残留することによる電解時における電気量の浪費は回避できる。
【0056】
その電解終了後に該スラリーを静置して固形分を沈降させた上澄み液の組成を分析したところ、その組成はアンモニア態窒素がNとして27.2mg/L、硝酸態窒素がNとして31.6mg/L、マグネシウムが820mg/L、燐が1120mg/Lであった。 また、沈降した固形分の組成は、アンモニア態窒素がNとして0.31%、マグネシウムが4.97%、燐が5.96%であった。
このアンモニア態窒素が低減された、固形分を含む濃縮スラリーをアンモニア態窒素含有排水の処理に繰り返し使用する。
【実施例3】
【0057】
この実施例3は、図6に図示する実施の形態4に該当するものであり、それに関し以下において具体的に説明する。
アンモニア態窒素をNとして1734mg/Lを含む排水1000mLに塩基性炭酸マグネシウム(MgOとして約45%)15.7gと85w%燐酸10gを加え、恒温槽中40℃で攪拌しながらpHを8.4に調製した。
そのpH調製には20%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
【0058】
その後、約1.5時間液温を維持し攪拌を継続してから析出した固形分(MAP)を吸引ろ過したろ液950mLの組成を分析したところ、その組成はアンモニア態窒素がNとして403.8mg/L、マグネシウムが36mg/L、燐が8.6mg/Lであった。
また、分離した固形分85.7gの組成はアンモニア態窒素がNとして1.58%、マグネシウムが4.92%、燐が3.22%であった。
【0059】
次に、前記固形分に脱塩水を加えて1500mLにメスアップし、塩化ナトリウム15gを添加して無隔膜、定電流10Aで100分間電解した。
電解終了後、該スラリーを吸引ろ過して固形分を分離したろ液1425mLの組成を分析したところ、その組成はアンモニア態窒素がNとして17.8mg/L、硝酸態窒素がNとして28.3mg/L、マグネシウムが1050mg/L、燐が561mg/L、塩素が6070mg/Lであった。
また、分離した固形分22.3gの組成は、アンモニア態窒素がNとして0.05%、マグネシウムが12.2%、燐が8.81%であった。
【0060】
前記電解終了後得られたろ液は、MAPスラリー電解時の塩素イオン源供給用として繰り返し利用する。
また、前記アンモニア態窒素が低減された、固形分はマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として繰り返し使用する。
なお、本発明における浄化処理をバッチ操作で行う場合、前記ろ液及び固形分の繰り返し使用時は、それらが取得された処理操作回以降の回がいいということになる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1を図示する。
【図2】本発明の実施の形態2を図示する。
【図3】本発明の実施の形態3を図示する。
【図4】本発明の実施の形態3の別の態様を図示する。
【図5】本発明の実施の形態4を図示する。
【図6】本発明の実施の形態4の別の態様を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ沈降分離する第1工程、該沈降分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を具備することを特徴とするアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項2】
アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ沈降分離する第1工程、該沈降分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウムスラリーに塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、第2工程で生成したリン酸マグネシウムを含有するスラリーを固液分離して得た固形分又は濃縮スラリーを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程、並びに前記固形分又は濃縮スラリー分離後の塩素イオン源が残留する液を第2工程に循環する第4工程を具備することを特徴とするアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項3】
アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ固液分離する第1工程、該固液分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウム結晶を水と混合し、混合後塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、並びに第2工程で生成したリン酸マグネシウムを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程を具備することを特徴とするアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項4】
アンモニア態窒素を含む排水にマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源を混合してリン酸アンモニウムマグネシウムを析出させ固液分離する第1工程、該固液分離後得られたリン酸アンモニウムマグネシウム結晶を水と混合し、混合後塩素イオン源を添加して電解することにより、リン酸アンモニウムマグネシウムを分解させリン酸マグネシウム及び窒素を生成する第2工程、第2工程で生成したリン酸マグネシウムを含有するスラリーを固液分離して得た固形分又は濃縮スラリーを第1工程に循環しマグネシウムイオン源及びリン酸イオン源として利用する第3工程、並びに前記固形分又は濃縮スラリー分離後の塩素イオン源が残留する液を第2工程に循環する第4工程を具備することを特徴とするアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項5】
排水に混合するマグネシウムイオン源はマグネシウム対窒素のモル比で1.5以上:1であり、リン酸イオン源はリン対窒素のモル比で1以下:1である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項6】
塩素イオン源が塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、海水又はこれらの混合物である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項7】
第1工程における固液分離は、濾過又は遠心分離である請求項3ないし6のいずれか1項に記載のアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項8】
第2工程における水は排水原水又は放流水である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。
【請求項9】
第3工程における固液分離は、濾過、遠心分離又は沈降分離である請求項1ないし8のいずれか1項に記載のアンモニア態窒素を含有する排水の浄化処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−229434(P2008−229434A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−70039(P2007−70039)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000227250)日鉄鉱業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】