説明

アーク溶接方法およびアーク溶接装置

【課題】短絡期間中に溶接ワイヤのくびれを誤検出したと判定した場合、今回の短絡期間中にくびれ検出感度を下げるものであるが、くびれ検出感度を下げたことにより今回の短絡期間中に誤検出がなくなった場合には短絡期間中のくびれ検出感度は基本に戻す。このように検出感度を基本に戻すことにより、次の短絡期間において再度くびれ誤検出し易くなる。
【解決手段】ある短絡期間でくびれ誤検出が発生し、くびれ誤検出が発生した短絡期間以降の短絡期間においてくびれ誤検出が連続して発生しないように、短絡期間中にくびれ誤検出が発生した場合にはくびれ検出感度を下げるためにくびれ検出閾値を所定値上げるようにし、さらにその後の短絡期間においてもくびれ誤検出が発生した場合には、さらにくびれ検出閾値を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗電極である溶接ワイヤを送給しながら短絡とアークを交互に発生させて溶接を行うアーク溶接方法およびアーク溶接装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スパッタの発生量やビード外観や溶け込み状態といった溶接品質のさらなる高品位化が求められている。中でもスパッタの発生を低減することは溶接品質を向上すると共に治具へのスパッタ付着を防ぐことにもなり、保守性が向上する等作業環境を改善できる。
【0003】
従来のスパッタの低減方法としては、短絡終期に消耗電極である溶接ワイヤの先端のくびれを検出すると短絡電流を所定の電流まで下げ、これによりアーク再発生時に発生するスパッタを低減するものが知られている。
【0004】
従来の消耗電極式アーク溶接方法としては、図7に示すように、短絡終期に生じる溶接ワイヤのくびれを検出し、くびれを検出した際に電流を所定の期間低減し、電流の低減後で第1の所定期間内にアークが再生しない場合にくびれ誤検出と判定し、くびれ誤検出と判定してから溶接ワイヤに供給する電流を所定の電流値まで増加させ、同一短絡期間中に所定回数くびれ誤検出と判定したらくびれ検出を禁止するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、前回または過去所定回数の短絡期間中にくびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中にくびれ検出手段によるくびれ検出を禁止するものである。
【0006】
また、前回または過去所定回数の短絡期間中にくびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中のくびれ検出感度を下げるものである。
【特許文献1】特開2006−116585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のアーク溶接方法は、前回または過去所定回数の短絡期間中にくびれ誤検出と判定した場合、今回の短絡期間中のくびれ検出を禁止する、あるいは、くびれ検出感度を下げるものである。しかし、くびれ検出を禁止、あるいは、くびれ検出感度を下げたことにより、今回の次の短絡以降の短絡期間中にくびれ誤検出がなくなった場合には、短絡期間中のくびれ検出感度は基本の感度に戻すものである。そのあと、前回または過去所定回数の短絡期間中に再度くびれ誤検出と判定すると、再度くびれ検出を禁止する、あるいは、くびれ検出感度を下げることになる。このように、くびれ検出感度を戻すとくびれ誤検出を繰り返し易い状態となってしまい、アーク不安定を生じさせるおそれがある。
【0008】
なお、このアーク溶接方法は、溶融プールの不規則な振動やワイヤ送給のバラツキなどの突発的な現象にしか対応できず、ワイヤ先端と母材との間のアーク電圧が下がるような状況(例えば、トーチケーブルまたはアースケーブルが非常に長い時や、電圧を下げすぎた時など)では、短絡状態が強くなり短絡開放電流が高くなると単位時間当たりの電流の変化di/dtも高くなり、同時に単位時間当たりの電圧の変化dv/dtも高くなるので、絶えずくびれ誤検出しやすい傾向がある。
【0009】
また、アークスタート期間では、定常溶接期間のアーク状態とは異なり母材に溶融プールが完全に形成されていないため、短絡状態が安定し難く、短絡周期も不規則になり易いため、くびれを誤検出し易い傾向がある。
【0010】
従って、従来のアーク溶接方法においては、短絡期間中にくびれ誤検出を繰り返し易い状態にあり、また、アーク不安定が発生しやすいアークスタート期間での配慮もないため、スパッタ発生の低減を維持できない。更にアーク不安定によりビード外観、溶け込みといった溶接品質を確保できないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のアーク溶接方法およびアーク溶接装置は、消耗電極である溶接ワイヤを母材に送給して短絡期間とアーク期間を交互に発生させるアーク溶接において、前記短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出し、前記くびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するアーク溶接方法であって、第1の短絡期間において第1のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、前記第1の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、前記第1の短絡期間の後の第2の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出しない場合には前記第2の検出閾値を維持するものである。
【0012】
また、本発明のアーク溶接方法およびアーク溶接装置は、消耗電極である溶接ワイヤを母材に送給して短絡期間とアーク期間を交互に発生させるアーク溶接において、前記短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出し、前記くびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するアーク溶接方法であって、短絡期間において第1のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、くびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間においてくびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、くびれを誤検出した短絡期間の数が前記所定回になるまでは前記第2のくびれ検出閾値を維持するものである。
【0013】
また、本発明のアーク溶接方法は、上記アーク溶接方法に加えて、アークスタート期間の後に定常溶接期間があるアーク溶接方法であって、くびれ検出閾値を上げる上げ幅は、前記定常溶接期間の短絡期間における上げ幅よりも、前記アークスタート期間の上げ幅の方が大きいものである。
【0014】
また、本発明のアーク溶接方法は、上記アーク溶接方法に加えて、短絡期間においてくびれ検出閾値を上げる際に、くびれを誤検出した時点でくびれ検出閾値を上げるものである。
【0015】
また、本発明のアーク溶接方法は、上記アーク溶接方法に加えて、くびれ検出閾値を、溶接電圧の単位時間当たりの変化量、あるいは、溶接電圧を溶接電流で除した値の単位時間当たりの変化量としたものである。
【0016】
また、本発明のアーク溶接方法は、上記アーク溶接方法に加えて、くびれ誤検出と判定した短絡期間中において、くびれ誤検出と判定してからアークが発生するまでくびれの検出を禁止するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、短絡期間中のくびれ誤検出を早い段階で防ぐことができ、くびれ誤検出が発生した際のアーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良等の問題を最小限に押さえることで溶接品質を向上することができる。また、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本実施の形態における消耗電極式アーク溶接方法及びアーク溶接装置について、図面を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1はアーク溶接装置の概略構成を示す図である。
【0020】
入力電源1からアーク溶接装置に供給された電力は1次整流部2で整流され、スイッチング素子3により交流に変換され、トランス4により降圧され、2次整流部5およびDCL(インダクタ)6により整流され、溶接ワイヤ18と母材21との間に印加される。
【0021】
また、スイッチング素子3を制御するための駆動部7と、溶接用電源出力端子間に接続され検出した電圧に対応した信号を短絡/アーク検出部10に出力する溶接電圧検出部8と、溶接電流を検出する溶接電流検出部9と、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて溶接出力電圧が一定値以上か未満かを判定し、この判定結果によりワイヤ18が母材21に接触短絡しているか、それとも非接触状態で溶接アークを発生しているかを判定して判定信号を出力する短絡/アーク検出部10を備えている。
【0022】
アーク制御部11は短絡/アーク検出部10からアーク期間であることを示す信号を入力している場合に、駆動部7を制御してアーク期間における出力制御を行わせるものである。
【0023】
短絡制御部12は短絡/アーク検出部10から短絡期間であることを示す信号を入力している場合に、駆動部7を制御して短絡期間における溶接出力制御を行わせるものである。
【0024】
くびれ検出部13は、短絡/アーク検出部10から短絡期間であることを示す信号を入力している場合に、溶接電圧検出部8からの信号に基づいて溶接電圧微分値を算出し、くびれ検出基準閾値を設定するためのくびれ検出基準閾値設定部16からの基準電圧微分値であるくびれ検出基準閾値と比較して溶接ワイヤ18がくびれているか否かを検出するものである。
【0025】
くびれ誤検出検出部14は、くびれ検出部13からのくびれを検出したことを示す信号と、短絡/アーク検出部10からの信号に基づいて、くびれを検出した時点から所定時間経過した際にアーク期間となっていない場合にくびれ誤検出と判定するものである。
【0026】
くびれ検出閾値制御部15は、くびれ誤検出検出部14からの信号を受け、くびれ誤検出であればくびれ検出閾値の大きさをそれまでより大きくすることをくびれ検出部13に出力するとともに、くびれ検出部13に対してくびれ誤検出を生じたこの短絡期間においてはくびれ検出をさせない信号を出力し、さらに、駆動部7を制御して短絡期間における溶接出力の制御を行わせるものである。
【0027】
なお、くびれ検出部13とくびれ誤検出検出部14とくびれ検出閾値制御部15は、短絡制御部12内に構成されている。また、図1で示したアーク溶接装置を構成する各構成部は、各々単独に構成してもよいし、複数の構成部を複合して構成するようにしてもよい。
【0028】
溶接ワイヤ18は溶接ワイヤ送給装置17により母材21へ送給され、また、チップ19を介して電力が供給され、母材21との間で溶接アーク20を発生するものである。
【0029】
ここで、短絡/アーク検出部10の判定後の短絡期間における制御について説明する。
【0030】
短絡制御部12は、くびれ検出部13、くびれ誤検出検出部14、くびれ検出閾値制御部15から構成されており、くびれ検出部13は溶接電圧検出部8から出力される溶接電圧を監視して、溶接電圧の時間的変化の割合である溶接電圧微分値がくびれ検出基準閾値(第1の閾値)より大きくなった時に溶接ワイヤ18のくびれを検出し、所定の低電流値INまで電流を低減し、所定時間T1が経過してもアーク発生していなければ、所定の復帰電流値IS2まで上昇する。その後、この短絡期間において、くびれ検出部13によるくびれ検出を禁止し、アーク発生を待つことなる。また、くびれ検出閾値制御部15からの指示により、くびれ検出基準閾値設定部16によるくびれ検出基準閾値を所定値だけ大きくしたものを新たなくびれ検出閾値(第2の閾値)とする。
【0031】
そして、この短絡期間の次の短絡期間中においては、前回くびれ誤検出しているため、くびれ検出部13は、前回の短絡期間中に大きくしたくびれ検出閾値(第2の閾値)に基づいてくびれ検出を行う。そして、この次の短絡期間においてもくびれ誤検出を検出した場合には、さらにくびれ検出閾値(第2の閾値)を所定値だけ大きくして新たなくびれ検出閾値(第3の閾値)とする。そして、このような制御をくびれ誤検出しなくなるまで繰り返し行う。このように、短絡期間にくびれ誤検出する場合には所定値ずつくびれ検出閾値を大きくしていき、短絡期間にくびれ誤検出しなければ、くびれ検出閾値を大きくすることなく維持する。
【0032】
図2は、短絡とアークを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における溶接電流波形と溶接電圧波形とくびれ検出閾値の時間変化を示している。
【0033】
なお、図2のP1は短絡が発生した時点、P2はくびれ検出が発生した時点、P3はP2発生から後述する所定時間T1が経過した時点、P4はアークが発生した時点を示し、以降のP5またはP9またはP13は次の短絡発生した時点、P6またはP10またはP14はくびれ検出が発生した時点、P7またはP11はP6またはP10の発生から後述する所定時間T1が経過した時点、P8またはP12またはP15はアーク発生した時点を示し、IS1は短絡電流値、IS2はP2発生からの所定時間T1が経過した時点の短絡電流への復帰電流値、INはくびれ検出により低減される所定の低電流値を示すものである。
【0034】
図2において、まずP1時点からP4時点までの短絡期間(短絡1周期分)について、以下に説明する。
【0035】
P1時点で短絡が発生し、くびれ検出部13により消耗電極である溶接ワイヤ18のくびれ検出を行っており、P2時点でくびれが発生した場合、くびれ検出部13はくびれ検出処理として溶接ワイヤ18に供給する電流を、くびれ検出した時点の短絡電流値IS1からそれよりも低い所定の低電流値INに低減する。なお、この所定の低電流値INは、固定値(例えば50A)でもよいし、あるいは、送給する溶接ワイヤ18のワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、設定溶接電流の少なくとも1つから求められる関数でもよく、また、くびれを検出した時点の溶接電流の関数、例えば、くびれを検出した時の溶接電流IS1から50Aを減算した値等としてもよい。なお、これら固定値や関数等は実験等で求めるものである。
【0036】
上述したくびれ検出部13は、溶接ワイヤ18と母材21との間に印加された溶接電圧の微分値である溶接電圧微分値(単位時間当たりの溶接電圧の変化量)を検出する。そして、検出した溶接電圧微分値とくびれ検出の閾値である所定の基準電圧微分値であるくびれ検出閾値と比較し、検出した溶接電圧微分値が基準電圧微分値以上である場合にくびれを検出するようにしたものである。なお、溶接電圧微分値ではなく、溶接電圧を溶接電流で除すことにより算出した抵抗値の微分値(抵抗値微分値)を検出し、検出した抵抗値微分値とくびれ検出の閾値である所定の基準抵抗微分値とを比較し、検出した抵抗値微分値が基準抵抗値微分値以上である場合にくびれを検出するようにしてもよい。なお、基準電圧微分値と基準抵抗値微分値は、例えは実験等により予め求めておくものである。
【0037】
そして、くびれを検出したP2時点から所定期間T1が経過したP3時点までアーク再発生しない場合には、くびれ誤検出検出部14によりくびれ誤検出と判定し、短絡制御部12を用いて溶接電流(短絡電流)を後述する所定の復帰電流値IS2まで増加させる。この短絡制御部12は、駆動部7に対して出力電流を増加するように指令してもよく、電力を増加するように指令してもよい。
【0038】
なお、くびれ誤検出の時間の判断基準となる上述した所定期間T1は、実験でもとめた固定値(例えば0.5ms)でもよく、くびれ検出部13においてくびれを検出した時点における溶接電流の関数(例えば、300Aで検出した場合は、1msに設定する)でもよく、あるいは、送給する溶接ワイヤ18のワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および溶接電流の設定電流域の少なくとも1つから求められる関数でもよく、溶接電圧の時間的変化の割合の大きさ(例えば、くびれを検出した時点の溶接電圧微分値dv/dt値が1V/msの場合は、1msに設定する)から求めてもよく、あるいは、今回の短絡の溶接電流の積算値(例えば、くびれを検出した時点までの溶接電流積算値が、300A・sの場合は、1msに設定)から求めてもよい。
【0039】
また、上述した所定の復帰電流値IS2は、固定値(例えば350A)でもよく、また、送給する溶接ワイヤ18のワイヤ径、ワイヤ種類、ワイヤ突出長、供給するシールドガス、および設定溶接電流(平均溶接電流)の少なくとも1つから求められる関数でもよく、あるいは、くびれを検出した時の溶接電流の関数、例えば、くびれを検出した時の溶接電流に50Aを加算した値としてもよく、あるいは、くびれ検出処理が発生しなかった場合に到達していると推定される短絡電流値としてもよい。なお、これら固定値や関数等は、実験等により予め求めておくものである。
【0040】
ここで、所定の復帰電流値IS2は、短絡を開放し易いように十分な値を設定する必要がある。これにより短絡からアークへの移行が正常に行われる。このように、P2時点でのくびれ検出が誤検出であった場合でも、所定期間T1後に正常な短絡時の電流制御に早期に復帰するため、溶接安定性やビード品質に与える悪影響を最小限に抑えることができる。
【0041】
また、P3時点よりも前にくびれ誤検出があった場合には、P3時点からP4時点までの期間でくびれ検出されたとしても、くびれ検出処理を禁止する。なお、くびれ検出処理の禁止とは、くびれ検出手部13でくびれが発生していると判断した場合でも、溶接電流の低減を行わないようにすることである。
【0042】
上記のように、ある短絡期間でくびれ誤検出が発生し、くびれ誤検出が発生した短絡期間以降の短絡期間においてくびれ誤検出が連続して発生しないように、本実施の形態のアーク溶接方法は、短絡期間中にくびれ誤検出が発生した場合にはくびれ検出感度を下げるためにくびれ検出閾値(dv/dt)を所定値上げるようにし、さらにその後の短絡期間においてもくびれ誤検出が発生した場合には、さらにくびれ検出閾値を上げるようにしたものである。なお、くびれ検出閾値の上げ幅は、例えば実験等により予め求めておくものである。
【0043】
図2は、P1時点からP4時点までの短絡期間と、P5時点からP8時点までの短絡期間と、P9時点からP12時点までの短絡期間でくびれ誤検出が発生しており、P13時点からP15時点までの短絡期間ではくびれ誤検出が発生しなかった場合の溶接電流の波形と溶接電圧との波形を示しており、あわせて、各短絡期間におけるくびれ検出閾値の変化を示している。
【0044】
まず、P1時点からP4時点までの短絡期間においてくびれ誤検出したことにより、くびれ検出閾値th1(第1の閾値)から所定値大きくしてくびれ検出閾値th2(第2の閾値)とする。
【0045】
その後のP5時点からP8時点までの短絡期間において再度くびれ誤検出したことにより、くびれ検出閾値th2(第2の閾値)から所定値大きくしてくびれ検出閾値th3(第3の閾値)とする。
【0046】
その後のP9時点からP12時点までの短絡期間において再度くびれ誤検出したことにより、くびれ検出閾値th3(第3の閾値)から所定値大きくしてくびれ検出閾値th4(第4の閾値)とする。
【0047】
その後のP13時点からP15時点までの短絡期間においては、くびれ誤検出しなかったことにより、くびれ検出閾値th4(第4の閾値)を大きくせずにくびれ検出閾値th4(第4の閾値)のままとして継続する。なお、図2には明記していないが、P15以降の短絡期間で再度くびれを誤検出した場合には、くびれ検出閾値をくびれ検出閾値th4(第4の閾値)よりも大きなものとする。
【0048】
上記のように、くびれ検出閾値を上げることによりくびれ検出感度が下がりスパッタ発生量が多少増加し易くなるが、くびれ誤検出によるアーク不安定を引き起こすことはなくなり、アーク不安定を抑制する方がスパッタを低減でき、ビードの外観も良くすることができる。
【0049】
以上のように、くびれ誤検出を早い段階で防ぎ、くびれ誤検出が発生した際のアーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良等の問題を最小限に押さえることができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることが可能となる。
【0050】
なお、ある溶接線における溶接開始位置から溶接終了位置まで溶接を行い、次の溶接線の溶接を行う場合には、くびれ検出閾値を基準くびれ検出閾値であるくびれ検出閾値th1に戻してから溶接を開始するようにしても良い。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なる主な点は、くびれ誤検出した短絡期間が累積で所定回数となった場合にくびれ検出閾値を大きくするようにした点である。
【0052】
図3も図2と同じく、短絡とアークを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における溶接電流波形と溶接電圧波形とくびれ検出閾値の時間変化を示している。
【0053】
図3は、くびれ誤検出した短絡期間が所定回数である2回となった場合に、くびれ検出感度を所定値上げるようにした例を示している。なお、この所定回数は、図示しないくびれ誤検出数設定部により設定されるものである。
【0054】
図3は、P1時点からP4時点までの短絡期間と、P5時点からP8時点までの短絡期間と、P9時点からP12時点までの短絡期間でくびれ誤検出が発生しており、P13時点からP15時点までの短絡期間ではくびれ誤検出が発生しなかった場合の溶接電流の波形と溶接電圧との波形を示しており、あわせて、各短絡期間におけるくびれ検出閾値の変化を示している。
【0055】
まず、図示していないが、P1時点よりも前の短絡期間でくびれ誤検出しておりくびれ誤検出した短絡期間の回数が1回とカウントされており、その後、P1時点からP4時点までの短絡期間においてくびれ誤検出したことにより、くびれ誤検出した短絡期間がくびれ誤検出数設定部により設定された所定回数である2回となったことにより、くびれ検出閾値をくびれ検出閾値th1からくびれ検出閾値th3に上げる。
【0056】
その後、P5時点からP8時点までの短絡期間において再度くびれ誤検出したため、くびれ誤検出回数を図示しないカウント部により1回とカウントするが、くびれ検出閾値は変更せず、くびれ検出閾値th3を継続する。
【0057】
その後、P9時点からP12時点までの短絡期間においても同じくくびれ誤検出したため、くびれ誤検出回数を2回とカウントし、所定回数となったので、くびれ検出閾値をくびれ検出閾値th3からくびれ検出閾値th5に上げる。
【0058】
その後、P13時点からP15時点までの短絡期間においてはくびれ誤検出しなかったため、くびれ検出閾値th5を大きくせずにくびれ検出閾値th5のままとして継続する。
【0059】
そして、くびれ誤検出を検出し続ける場合において、上記のような制御を行ってくびれ検出閾値を上げてくびれの検出感度を下げていくものである。
【0060】
なお、本実施の形態において、アーク溶接装置の構成は実施の形態1で説明したものと同様である。
【0061】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、くびれ誤検出を早い段階で防ぎ、くびれ誤検出が発生した際のアーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良等の問題を最小限に押さえることができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることが可能である。
【0062】
なお、図示しないくびれ誤検出数設定部と図示しないカウント部は、短絡制御部12内に設けられている。また、このカウント部はレジスタを設けており、くびれ誤検出検出部14からの出力に基づいてくびれを誤検出した短絡期間の数をカウントするものである。そして、カウント数がくびれ誤検出数設定部により設定された所定回数になった場合には、所定回数になったことをくびれ検出閾値制御部15に出力し、レジスタの内容をリセットするものである。
【0063】
なお、くびれ誤検出した短絡期間の回数は、くびれ検出閾値制御部15でカウントするようにしても良い。
【0064】
(実施の形態3)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なる点は、アークスタート期間TSの後の定常溶接期間TNに対し、アークスタート期間TSにおいてくびれ誤検出した時のくびれ検出閾値の上げ幅を、定常溶接期間TNにおけるくびれ検出閾値の上げ幅より大きくした点である。
【0065】
図4は、短絡とアークを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における溶接電流波形の時間変化の例を示している。
【0066】
溶接開始点PSから溶接中の途中の点である溶接点PNまでのアークスタート期間TSにおいては、溶接点PN以降の定常溶接期間TNに対し、くびれ誤検出によるくびれ検出感度の上げ幅を大きくしたものである。なお、このときのくびれ検出感度の上げ幅は、例えば実験等により予め求めておくものであり、例えば定常溶接時のくびれ検出感度の上げ幅の2倍等としてもよい。
【0067】
アークスタート期間TSは、定常溶接期間TNのアーク状態とは異なり、母材21上の溶融プールの形成が完全にできておらず、短絡状態が安定し難く短絡周期も不規則になり易い。
【0068】
従って、くびれ誤検出が発生しやすい状態にあるため、くびれ誤検出した場合には早期にくびれ誤検出を発生させないようにするため、くびれ検出閾値の上げ幅を大きくしたものである。
【0069】
図5は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図であり、以下のように構成される。
【0070】
実施の形態1及び2におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図2と異なる点は、くびれ検出閾値制御部15にアークスタート期間TSであるということを認識させる信号を出力するアークスタート期間出力部22を設けた点である。
【0071】
アークスタート期間出力部22からアークスタート期間TS中であるという信号を受けたくびれ検出閾値制御部15は、アークスタート期間TSにおいては、くびれ検出閾値の増加量を定常溶接期間TN中のくびれ検出閾値の増加量よりも大きくする。例えば、アークスタート期間TSは定常溶接期間TNの時の増加量の2倍ほど上げるようにしてもよい。
【0072】
図6は、本実施の形態における短絡とアークを交互に繰り返す消耗電極式アーク溶接における溶接電流波形と溶接電圧波形とくびれ検出閾値の時間変化を示している。
【0073】
定常溶接期間TNにおいては、くびれ検出閾値thを、くびれ検出閾値th3からくびれ検出閾値th4に、そしてくびれ検出閾値th4からくびれ検出閾値th5に増加しており、アークスタート期間TSにおいては、増加量が定常溶接期間TNの時の2倍であるくびれ検出閾値th1からくびれ検出閾値th3に増加している。
【0074】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1よりもくびれ誤検出を早い段階で防ぎ、くびれ誤検出が発生した際のアーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良等の問題を最小限に押さえることができ、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることが可能である。
【0075】
なお、図6において、アークスタート期間TS中にくびれ検出閾値thはくびれ検出閾値th3まで大きくなっているが、アークスタート期間TSから定常溶接期間TNになった時点でくびれ検出閾値thを基準くびれ検出閾値である検出閾値th1に下げ、その後くびれ検出を生じるとくびれ検出閾値を上げていくようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の消耗電極式アーク溶接方法は、くびれ誤検出を防ぎ、くびれ誤検出が発生した際にも、アーク不安定、ビード欠陥、スパッタ増加、溶け込み不良等の問題を抑制するし、生産効率や作業環境への悪影響を抑えることができ、短絡を伴う溶接を行う溶接装置および溶接方法として産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図
【図2】(a)実施の形態1における溶接電流波形を示す図、(b)実施の形態1における溶接電圧波形を示す図、(c)実施の形態1におけるくびれ検出閾値を示す図
【図3】(a)実施の形態2における溶接電流波形を示す図、(b)実施の形態2における溶接電圧波形を示す図、(c)実施の形態2におけるくびれ検出閾値を示す図
【図4】本発明の実施の形態3におけるアークスタート期間と定常溶接期間を示す図
【図5】本発明の実施の形態3におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図
【図6】(a)実施の形態3における溶接電流波形を示す図、(b)実施の形態3における溶接電圧波形を示す図、(c)実施の形態3におけるくびれ検出閾値を示す図
【図7】従来のアーク溶接における溶接電流波形を示す図
【符号の説明】
【0078】
1 入力電源
2 1次整流部
3 スイッチング素子
4 トランス
5 2次整流部
6 DCL(インダクタ)
7 駆動部
8 溶接電圧検出部
9 溶接電流検出部
10 短絡/アーク検出部
11 アーク制御部
12 短絡制御部
13 くびれ検出部
14 くびれ誤検出検出部
15 くびれ検出閾値制御部
16 くびれ検出基準閾値設定部
17 溶接ワイヤ送給装置
18 溶接ワイヤ
19 チップ
20 溶接アーク
21 母材
22 アークスタート期間出力部
P1、P5、P9、P13 短絡発生時点
P2、P6、P10、P14 くびれ検出時点
P3、P7、P11 くびれ誤検出時点
P4、P8、P12、P15 アーク発生時点
T1 所定時間
IS1 短絡電流値
IS2 復帰電流値
IN 低電流値
TN 定常溶接期間
TS アークスタート期間
PS 溶接開始点
PN 溶接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗電極である溶接ワイヤを母材に送給して短絡期間とアーク期間を交互に発生させるアーク溶接において、
前記短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出し、
前記くびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するアーク溶接方法であって、
第1の短絡期間において第1のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
前記第1の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、
前記第1の短絡期間の後の第2の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出しない場合には前記第2の検出閾値を維持するアーク溶接方法。
【請求項2】
消耗電極である溶接ワイヤを母材に送給して短絡期間とアーク期間を交互に発生させるアーク溶接において、
前記短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出し、
前記くびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するアーク溶接方法であって、
短絡期間において第1のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
くびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、
くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間においてくびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、くびれを誤検出した短絡期間の数が前記所定回になるまでは前記第2のくびれ検出閾値を維持するアーク溶接方法。
【請求項3】
アークスタート期間の後に定常溶接期間があるアーク溶接方法であって、くびれ検出閾値を上げる上げ幅は、前記定常溶接期間の短絡期間における上げ幅よりも、前記アークスタート期間の上げ幅の方が大きい請求項1または2に記載のアーク溶接方法。
【請求項4】
短絡期間においてくびれ検出閾値を上げる際に、くびれを誤検出した時点でくびれ検出閾値を上げる請求項1から3のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
【請求項5】
くびれ検出閾値は、溶接電圧の単位時間当たりの変化量、あるいは、溶接電圧を溶接電流で除した値の単位時間当たりの変化量である請求項1から4のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
【請求項6】
くびれ誤検出と判定した短絡期間中において、くびれ誤検出と判定してからアークが発生するまでくびれの検出を禁止する請求項1から5のいずれか1項に記載のアーク溶接方法。
【請求項7】
消耗電極である溶接ワイヤと母材との間でアークの発生と短絡とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、
溶接出力を制御するスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御する駆動部と、
溶接電流を検出する溶接電流検出部と、
溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、
前記溶接電圧検出部の出力に基づいて短絡状態であるのかアーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、
前記短絡/アーク検出部から短絡状態であることを示す信号を受けて短絡時の溶接出力制御信号を前記駆動部に出力する短絡制御部と、
短絡期間中のくびれ検出のためのくびれ検出基準閾値を出力するくびれ検出基準閾値設定部とを備え、
前記短絡制御部には、
前記溶接電圧検出部および/または前記溶接電流検出と前記くびれ検出基準閾値設定部の出力に基づいて短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出するくびれ検出部と、
前記くびれ検出部でくびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するくびれ誤検出検出部と、
前記くびれを誤検出した場合にくびれ検出閾値を前記くびれ検出基準閾値よりも大きくすることを前記くびれ検出部に出力するくびれ検出閾値制御部とを設け、
第1の短絡期間において前記くびれ検出基準閾値である第1のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
前記第1の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、
前記第1の短絡期間の後の第2の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出した場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、前記第2の短絡期間においてくびれを誤検出しない場合には前記第2の検出閾値を維持するアーク溶接装置。
【請求項8】
消耗電極である溶接ワイヤと母材との間でアークの発生と短絡とを繰り返して溶接を行うアーク溶接装置であって、
溶接出力を制御するスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御する駆動部と、
溶接電流を検出する溶接電流検出部と、
溶接電圧を検出する溶接電圧検出部と、
前記溶接電圧検出部の出力に基づいて短絡状態であるのかアーク状態であるのかを検出する短絡/アーク検出部と、
前記短絡/アーク検出部から短絡状態であることを示す信号を受けて短絡時の溶接出力制御信号を前記駆動部に出力する短絡制御部と、
短絡期間中のくびれ検出のためのくびれ検出基準閾値を出力するくびれ検出基準閾値設定部とを備え、
前記短絡制御部には、
前記溶接電圧検出部および/または前記溶接電流検出と前記くびれ検出基準閾値設定部の出力に基づいて短絡期間の終期に生じる前記溶接ワイヤのくびれを検出するくびれ検出部と、
前記くびれ検出部でくびれを検出してから所定期間内にアークが発生しない場合にはくびれを誤検出したと判定するくびれ誤検出検出部と、
前記くびれ誤検出検出部の出力に基づきくびれを誤検出した短絡期間の数をカウントするカウント部と、
くびれ誤検出の数を設定するくびれ誤検出数設定部と、
前記カウント部がカウントした短絡回数の数がくびれ誤検出数設定部に設定された数となった場合にくびれ検出閾値を前記くびれ検出基準閾値よりも大きくすることを前記くびれ検出部に出力するくびれ検出閾値制御部とを設け、
くびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記くびれ検出基準閾値である前記第1のくびれ検出閾値よりも大きい第2のくびれ検出閾値に上げ、
くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間において前記第2のくびれ検出閾値に基づいてくびれの検出を行い、
くびれ検出閾値を前記第2の検出閾値に上げた短絡期間の後の短絡期間においてくびれを誤検出した短絡期間の数が所定数となった場合にはくびれ検出閾値を前記第2のくびれ検出閾値よりも大きい第3のくびれ検出閾値に上げ、くびれを誤検出した短絡期間の数が前記所定回になるまでは前記第2のくびれ検出閾値を維持するアーク溶接装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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