説明

イオントラップのエンドキャップ電圧制御

質量分析計用のイオントラップは、第一開放端から第二開放端に延びる開口を有する導電性の中心電極を有する。導電性の第一電極エンドキャップは、第一開放端近傍に配置され、それによって第一エンドキャップと中心電極との間に第一固有キャパシタンスが形成される。導電性の第二電極エンドキャップが、第二開放端近傍に配置され、それによって第二エンドキャップと中心電極との間に第二固有キャパシタンスが形成される。第一回路が第二エンドキャップを基準電位に接続する。ACトラップ信号を発生させる信号源は中心電極に接続される。第一固有キャパシタンスと第一回路とによるトラップ信号の電圧の分割に応じて、励起信号が第二エンドキャップにかけられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年12月10日出願の米国仮出願番号61/012,660の優先権を主張し、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、イオントラップ、イオントラップ質量分析計に関し、より具体的には質量分光化学分析に用いられるイオントラップ用の制御信号発生に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
イオントラップを使用することは、質量分光化学分析を行なう方法の一つである。イオントラップは駆動信号によって発生する動的電場を用いて測定試料からのイオンを動的に捕獲する。イオンを捕獲している電場の特性(振幅、周波数など)を変化させることによって、イオンはその質量対電荷比(質量(m)/電荷(z))に応じて選択的に放出される。イオントラップ質量分析に関するさらなる背景技術情報は、Raymond E. Marchらによる「Practical Aspects of Ion Trap Mass Spectrometry」(非特許文献1)に見ることができ、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【0004】
Ramseyらは、米国特許第6,469,298号(特許文献1)および第6,933,498号(特許文献2)(以後「Ramsey特許」と称する)において、イオンの質量分光化学分析用のサブミリイオントラップおよびイオントラップアレイを開示している。米国特許第6,469,298号(特許文献1)に記載されているイオントラップは、開口を有する中心電極と;各々が開口を有する一対の絶縁体と;各々が開口を有する一対のエンドキャップ電極と;中心電極に接続される第一電子信号源と;エンドキャップ電極に接続される第二電子信号源とを含む。中心電極、絶縁体、およびエンドキャップ電極は、それぞれの開口が同軸整列されて軸を中心に対称であり、部分的に囲まれた空洞を形成する挟み込み構造(sandwich construction)によって結合されている。この空洞は、有効半径R0と有効長さ2Z0を有し、ここで、R0および/またはZ0は1.0[mm]より小さく、比率Z0/R0は0.83より大きい。
【0005】
George Saffordは、米国特許第4,540,884号(特許文献3)において「Method of Mass Analyzing a Sample by use of a Quadrupole Ion Trap」を示し、明細書には完全イオントラップベース(complete ion trap based)の質量分析計システムが記載されている。
【0006】
イオントラップは、内部で、エンドキャップ電圧(または信号)と相対して中心電極に印加される電気信号によって形成される動的四重極場においてイオンを捕獲する。単に、一定周波数の信号が中心電極に印加され、二つのエンドキャップ電極は0(ゼロ)Vの静電圧に維持される。イオントラップ内に保持されている種々の質量のイオンを選択的に不安定化するために中心電極信号の振幅を線形増加させる。この振幅放出構造によって、最適な性能や分解能が得られるわけではなく、実際には出力スペクトルに二重ピーク(double peak)が存在することになる。第二信号をイオントラップの一方のエンドキャップに印加することによって、この振幅放出方法を向上させることができる。この第二信号は軸方向励起を引き起こし、その結果、イオントラップ内部におけるイオンの振動の永年周波数がエンドキャップの励起周波数と一致する場合、イオンがイオントラップから共鳴放出される。共鳴放出によって、安定性図におけるβ値が1未満である永年共鳴点においてイオンがイオントラップから放出される。1未満のβ値は、従来から中心電極周波数の1/n倍の要素であるエンドキャップ(軸方向)周波数を印加することによって得られる。ここで、nは一般的には2以上の整数である。
【0007】
Moxomらは、「Double Resonance Ejection in a Micro Ion Trap Mass Spectrometer,」Rapid Communication Mass Spectrometry 2002, 16: 755-760頁(非特許文献2)において、差動電圧を両エンドキャップにかけることにより、Ramsey特許の装置における質量分光の分解能を高めることについて述べている。実験により、両エンドキャップ間に差動電圧を印加することにより、それまでのRamsey特許に比べて低電圧で共鳴放出が促進され、またRamsey特許特有の「二重ピーク(peak doubling)」効果がなくなることが示された。この装置は、少なくとも二つの別々の電圧源を要し:一つの電圧源は中心電極に印加される無線周波数(RF)電圧信号を制御しなければならず、少なくとも一つの電圧源はエンドキャップ電極を制御しなければならない(第一エンドキャップ電極は接地される、すなわちシステムの他の部分に対して0Vである)。
【0008】
イオントラップの性能は、イオントラップのエンドキャップの一方に追加の信号を印加することによって向上させることができるが、そうすることによってシステムの複雑度が増す。第二信号を発生させ、信号をイオントラップのエンドキャップに駆動するためには電子機器が必要になる。この信号は最適には中心電極信号と同期化される必要がある。これらの電子機器が追加されることにより、質量分析システムの大きさ、重量および電力消費が増す。これは、携帯用質量分析計の用途においては重大になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,469,298号
【特許文献2】米国特許第6,933,498号
【特許文献3】米国特許第4,540,884号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Raymond E. Marchら、「Practical Aspects of Ion Trap Mass Spectrometry」
【非特許文献2】Moxomら、「Double Resonance Ejection in a Micro Ion Trap Mass Spectrometer,」Rapid Communication Mass Spectrometry 2002, 16: 755-760頁
【発明の概要】
【0011】
概要
イオントラップは、第一開放端から第二開放端に延びる第一開口を有する導電性のリング形状の中心電極を備える。信号源が、第一端子と第二端子との間に少なくとも一つの交流(AC)要素を有し、トラップ信号を発生させる。第一端子は中心電極に接続され、第二端子は基準電圧電位に接続される。導電性の第一電極エンドキャップが中心電極の第一開放端近傍に配置され、基準電圧電位に接続される。第一固有キャパシタンスが、第一電極エンドキャップの表面と、中心電極の第一開放端の表面との間に形成される。
【0012】
導電性の第二電極エンドキャップは中心電極の第二開放端近傍に配置され、第一電気回路によって基準電圧電位に接続される。第二固有キャパシタンスが、第二電極エンドキャップの表面と中心電極の第二開放端の表面との間に形成される。トラップ信号のある割合である励起電圧が、第二固有キャパシタンスと第一電気回路のインピーダンスとによるトラップ信号の電圧の分割に応じて、第二エンドキャップにかけられる。
【0013】
一態様においては、電気回路はキャパシタと抵抗との並列回路である。抵抗は第二エンドキャップが帯電しないような大きさに設定され、それによって電荷蓄積(charge build up)や制御されない電圧ドリフトの可能性を抑制する。抵抗のインピーダンスも、トラップ信号の作動周波数においてキャパシタのインピーダンスよりかなり大きくされる。こうして、励起電圧の分割は励起電圧の周波数が変化しても実質的に一定に保たれ、励起電圧は中心電極にかけられる信号と実質的に同相である。
【0014】
本明細書における複数の態様は、複雑度、コスト、または電力消費を大きく増加させることなく性能を向上させるために、トラップシグナルを発生させ、トラップシグナルのある割合を質量分光化学分析用イオントラップの第二エンドキャップにかけることを目的としている。
【0015】
いくつかの態様は、スペクトル分解能を向上させ、通常であれば出力スペクトルに存在する二重ピーク(double peak)をなくすように動作する。
【0016】
いくつかの他の態様は、異なる時点で、両エンドキャップ電極を異なる受動要素の回路および/または異なる電圧に接続するために採用することができるスイッチ回路を採用する。いくつかの態様では、電気回路には、第二エンドキャップ信号の特性(位相など)を変化させるために用いられるインダクタ、トランス、またはその他の受動回路素子を含む受動要素を採用してもよい。
【0017】
複数の態様は、追加の励起電圧をイオントラップの両エンドキャップ間に印加することによってイオントラップの性能を向上させることを目的としている。一般的な共鳴放出技術とは異なり、この励起電圧の周波数は中心電極の励起周波数と等しい。この励起電圧の発生は受動要素のみを用いて達成でき、追加の信号発生器や信号ドライバは必要としない。
【0018】
一つまたは複数の態様の詳細が添付の図面および以下の説明において示される。本発明のその他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来技術のイオントラップ信号駆動方法の回路ブロック図であって、二つの信号源を示す。
【図2】単一の信号源を用いる一態様による回路ブロック図である。
【図3】図3Aは、励起源の極が一方である間の四重極イオントラップを示す断面図である。図3Bは、励起源の極が他方である間の四重極イオントラップを示す断面図である。
【図4】単一の信号源と、受動要素を接続するスイッチ回路を用いる他の態様による回路ブロック図である。
【0020】
複数の図面における同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
本明細書において示される態様は、イオントラップのエンドキャップに電場を励起し、イオントラップの動きを向上させる。態様は、イオントラップの中心電極に存在する信号から電場励起信号を駆動する単純な電気回路である。
【0022】
一態様において、性能を向上させるために、受動電気要素を用いてイオントラップの第二エンドキャップに信号を印加する。追加される要素は、ある割合の中心電極励起信号を第二エンドキャップに印加する働きをする。その結果、イオントラップ内における軸方向励起が起きて電力損失が非常にわずかとなることに伴い性能が向上し、システムの大きさに与える影響を最小限にしつつ複雑度が最小限に抑えられる。追加される要素の回路構成によって、追加された要素が、中心電極において見られるインピーダンスを増加させ、その結果システム全体の電力消費が実際に減少する態様もある。
【0023】
複数の態様において、第二エンドキャップに印加される信号の周波数は、中心電極の周波数と同じである。印加される信号の周波数が中心電極の周波数と等しいので、従来の共鳴放出を行なうことなく性能の向上が得られる。本方法は、イオントラップの性能を最適化するために従来の共鳴放出法と共に行なわれてもよいことに留意すべきである。これは、一方の、または両方のエンドキャップを従来の共鳴放出信号源によって受動素子を介してさらに駆動し、それによって従来の共鳴放出信号と、先に述べた信号とを同時にイオントラップにかけることによって達成され得る。一態様では、従来の共鳴放出信号をいずれかのエンドキャップに印加し、中心電極と同じ周波数を有する先に述べた信号を残りのエンドキャップに印加することを備える。
【0024】
本明細書におけるいくつかの態様では、作動周波数が変化した場合に戻したり調整したりする必要がない。第二エンドキャップにかけられる信号は、実質的に周波数に依存せず実際のキャパシタンス値のみに依存する容量性電圧ドライバの使用を通じて中心電極に接続された信号から導かれるので、戻すことの無い可変周波数作動が可能である。このことは、追加のキャパシタを短絡させるレジスタンスが、作動周波数範囲におけるキャパシタのインピーダンスよりもかなり大きい限り、正しい。
【0025】
図3Aおよび3Bは従来技術の四重極イオントラップ300の断面図を示す。イオントラップ300は、二つの双曲線金属電極(エンドキャップ)303aおよび303bと、エンドキャップ電極303aと303bとの間の中間に配置された双曲線リング電極302と、を備える。正に帯電したイオン304は、これら三つの電極の間で電場305によって捕獲される。リング電極302は、無線周波数(RF)交流電圧源301の一つの端子に電気的に接続されている。交流電圧源301の第二端子は、放物線エンドキャップ電極303aおよび303bに接続されている。交流電圧電源301の電極が入れ替わると、電場線305も入れ替わる。イオントラップ300内のイオン304はこの動的四重極場だけでなく、より高次数の(六重、八重などの)電場によって閉じ込められる。
【0026】
図1は、二つの信号源を有するイオントラップのための従来技術の信号駆動方法に接続されている電極の断面を示す概略ブロック図100である。第一イオントラップ電極(エンドキャップ)101は接地され、すなわち0Vに接続される。イオントラップ中心電極102は、第一信号源106によって駆動される。第二イオントラップエンドキャップ103は、第二信号源107によって駆動される。第一エンドキャップ101は、開口110を有する。中心電極102は開口111を有するリング形状であって、第二エンドキャップ103は開口114を有する。
【0027】
図2は、イオントラップが一つの外部信号源206のみによって能動的に駆動される一態様に係る電極の断面を示す概略ブロック図200である。第一エンドキャップ201は開口210を有し、中心電極202は開口211を有し、第二エンドキャップ203は開口214を有する。第一イオントラップエンドキャップ201は接地され、すなわち0Vに接続されるが、他の態様においては、0V以外の電圧が用いられてもよい。例えば、他の態様においては、第一エンドキャップ201は可変直流電圧や別の信号に接続されてもよい。イオントラップ中心電極202は信号源206によって駆動される。第二イオントラップエンドキャップ203は、キャパシタ204と抵抗205との並列の組み合わせによって0Vに接続されている。
【0028】
図2に示されている態様は、以下のように動作する:中心電極202と第二エンドキャップ203との間には必然的に固有キャパシタンス208が存在する。キャパシタ204のキャパシタンスと直列接続されたキャパシタンス208は容量性電圧ドライバを形成し、それによって、信号源206から導かれる電位を第二エンドキャップ203にかける。信号源206が可変電圧を中心電極202にかけるとき、容量性電圧ドライバの働きを通じて、より振幅の小さい可変電圧が第二エンドキャップ203にかけられる。必然的に、中心電極202と第一エンドキャップ201との間には対応する固有キャパシタンスが存在する。一態様によれば、別の抵抗205がエンドキャップ203と0Vとの間に追加される。抵抗205は電気経路を提供し、電気経路は第二エンドキャップ203が浮動直流電位を増大させ、それによって電圧ドリフトや過度な電荷蓄積が起きるのを防ぐ働きをする。一態様においては、信号源206の作動周波数において抵抗205のインピーダンスが追加のキャパシタ204のインピーダンスよりもかなり大きくなることを確実にするために、抵抗205の値は1から10メガオーム(MΩ)にされる。抵抗205のレジスタンス値がCA204のインピーダンスよりかなり大きい状態でないと、容量性電圧ドライバによって、中心電極202にかけられる信号と第二エンドキャップ203にかけられる信号との間に位相偏移が生じる。抵抗205のレジスタンス値がCA204のインピーダンスよりかなり大きい状態でないと、第二エンドキャップ203にかけられる信号の振幅は周波数の関数によって変化する。抵抗205がないと、容量性電圧ドライバ(CSおよびCA)は実質的に周波数に依存しない。一態様において、追加のキャパシタ204の値は可変にされ、それによってキャパシタ204の値を調節して所定のシステム特性に対する最適値とすることができる。
【0029】
図4は、イオントラップが一つの外部信号源406のみによって能動的に駆動される一態様に係る電極の断面を示す概略ブロック図400 である。ここでも、第一エンドキャップ401は開口410を有し、中心電極402は開口411を有し、第二エンドキャップ403は開口414を有する。第一イオントラップエンドキャップ401は、制御部422からの制御信号に応じて、スイッチ回路421で受動要素427に接続される。受動要素427内の種々の要素は、いくつかの態様においては接地すなわち0Vである基準電圧428に接続されてもよい。他の態様では、基準電圧428は直流電圧や可変電圧であってもよい。スイッチ回路421と、受動要素427との組み合わせは第一エンドキャップ401の電位を制御し修正する働きをし、イオントラップの動作を向上させる。
【0030】
第二イオントラップエンドキャップ403は、制御部422からの制御信号に応じて、スイッチ回路423で受動要素425に接続される。受動要素425内の種々の要素は、いくつかの態様においては接地すなわち0Vである基準電圧426に接続されてもよい。他の態様では、基準電圧426は直流電圧や可変電圧であってもよい。スイッチ回路423と、受動要素425との組み合わせは、第一エンドキャップ402 の電位を制御し、修正する働きをし、イオントラップの動作を向上させる。キャパシタンス408および409は、それぞれスイッチ回路423および421によってスイッチが入れられた場合に受動要素425および427と組み合わされて、信号源406の部分に接続される。
【0031】
本発明のいくつかの態様について述べてきたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく種々の修正が可能であることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一開放端から第二開放端に延びる第一開口を有する導電性のリング形状の中心電極と、
該中心電極に接続される第一端子と、基準電圧電位に接続される第二端子との間に少なくとも一つの交流(AC)要素を有し、トラップ信号を発生させる信号源と、
前記中心電極の前記第一開放端近傍に配置され、前記基準電圧電位に接続される導電性の第一電極エンドキャップであって、該第一電極エンドキャップの表面と、前記中心電極の前記第一開放端の表面との間に第一固有キャパシタンスが形成される第一電極エンドキャップと、
前記中心電極の前記第二開放端近傍に配置され、第一電気回路によって前記基準電圧電位に接続される導電性の第二電極エンドキャップであって、該第二電極エンドキャップの表面と前記中心電極の第二開放端の表面との間に第二固有キャパシタンスが形成され、第二固有キャパシタンスと前記第一電気回路のインピーダンスとによる前記トラップ信号の電圧の分割に応じて、該トラップ信号の、ある割合が前記第二電極エンドキャップにかけられる第二エンドキャップと、
を備える、イオントラップ。
【請求項2】
第一電気回路が、抵抗と並列にキャパシタを備える、請求項1記載のイオントラップ。
【請求項3】
抵抗のインピーダンスが、トラップ信号の周波数においてキャパシタのインピーダンスの1/4よりも大きい、請求項2記載のイオントラップ。
【請求項4】
基準電圧電位が接地され、すなわち0Vである、請求項1記載のイオントラップ。
【請求項5】
基準電圧電位が調節可能な直流電圧である、請求項1記載のイオントラップ。
【請求項6】
キャパシタが、イオントラップの作動特性を最適化するために調節可能な可変キャパシタである、請求項1記載のイオントラップ。
【請求項7】
開口を有する中心電極と、
開口を有する第一エンドキャップ電極と、
開口を有する第二エンドキャップ電極と、
前記中心電極に印加される第一電子信号源と、
受動素子の回路と、
前記第一エンドキャップ電極と、前記受動素子の回路との間の電気接続と、
前記受動素子の回路と電圧電位との間の電気接続であって、前記受動素子の回路を介して前記電圧電位に接続されている前記第一エンドキャップ電極が、前記第一電子信号源と前記受動素子の回路との間の容量結合による電圧に対する耐性を有する電気接続と、
を備える、イオントラップ。
【請求項8】
第一エンドキャップ電極を受動素子の回路に電気的に接続および切断するスイッチ回路をさらに備える、請求項7記載のイオントラップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−507193(P2011−507193A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538129(P2010−538129)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/086241
【国際公開番号】WO2009/076444
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510161015)アストロテック コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】