説明

イオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法

【課題】較正時間が短く、単純なイオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法を提供する。
【解決手段】測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知して測定対象ガスの分子量を測定するイオン化法ガス検出装置に、サンプリング室2と、標準試料12を保持する標準試料格納容器13と、サンプリング室2と標準試料格納容器13とを接続する標準試料配管35と、標準試料配管35に取り付けられた標準試料配管バルブ24と、真空排気可能な排気ポンプ6と、排気ポンプ6とサンプリング室2とを接続するサンプリング室真空排気配管31と、サンプリング室真空排気配管31に取り付けられたサンプリング室真空排気バルブ26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むダイオキシン類などに代表されるように、有機ハロゲン化合物には微量で高い毒性を示すものが多種類に存在しており、これらの物質の種類を区別してリアルタイムで高感度に分析する手法の確立が望まれている。一般に、有機ハロゲン化合物のような高分子の環境汚染物質の気中濃度は、長時間のガスサンプリングを行って溶媒に濃縮した試料溶液を分離、精製した後に、ガスクロマトグラムで分析する方法で測定されている。
【0003】
しかし、この手法では、サンプリングから分析結果を得るまでに数時間から数十時間を要し、リアルタイムで気中濃度を監視できない。このため、PCB分解無害化処理施設や、ごみ焼却炉などで発生しているPCBやダイオキシン類の濃度を管理するためのモニタリング手法としては不十分である。
【0004】
近年、非特許文献1および非特許文献2などに開示されているように、イオン化質量分析法が開発されている。高分子有機化合物の分子ビームにレーザー光を照射して対象分子をイオン化し、そのイオンを質量分析することにより、実験室レベルでは、ガス中の物質の同定や定量が高感度にリアルタイムで実現可能となってきている。
【非特許文献1】Vladilen. S. Letokhov著、"Laser Photoionization Spectroscopy"、Academic Press, Inc.、1987年、p.100-p.103
【非特許文献2】濱口宏夫、他4名編著、「レーザー分光計測の基礎と応用」、アイピーシー、1992年、p.631-p.632
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分子および原子を高感度にリアルタイム分析する手法として開発されたイオン化質量分析法は、真空中に導入した分子ビームに対してレーザー光や電子ビームを照射するイオン化工程と、飛行時間型分析法(Time of Flight Mass Spectroscopy: TOF-MS)等を用いた質量分析工程とを組み合わせたものである。イオン化質量分析法により実際に分析する前には、標準濃度試料によって装置を較正しておく必要がある。このため、分析器本体と較正用ガス発生部とを組み合わせた質量スペクトル分析装置を用いるのが一般的である。
【0006】
しかし、このようなイオン化法ガス検出装置を用いて高融点・高沸点で蒸気圧の低い高分子化合物を定量する場合、拡散輸送型の蒸気発生器からの高分子化合物気体流を安定化させた後、吸着を低減するために高温保持された配管を経由して分析装置へ導入して較正する。このため、たとえば1較正点を取得するために30分ないし数時間必要で、較正の所要時間が長いという課題がある。また、複雑な高温保持システムが必要であるという課題がある。
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するために、較正時間が短く、単純なイオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するため、本発明は、測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知して前記測定対象ガスの分子量を測定するイオン化法ガス検出装置において、前記測定対象ガスを保持するサンプリング室と、標準試料を保持する標準試料格納容器と、前記サンプリング室と前記標準試料格納容器とを接続する標準試料配管と、前記標準試料配管に取り付けられたバルブと、真空排気可能な排気ポンプと、前記排気ポンプと前記サンプリング室とを接続するサンプリング室真空排気配管と、前記サンプリング室真空排気配管に取り付けられたバルブと、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知して前記測定対象ガスの分子量を測定するイオン化法ガス検出方法において、前記測定対象ガスを保持する空間を真空に排気する真空排気工程と、前記真空排気工程の後に、前記標準試料の飽和蒸気を、前記測定対象ガスを保持する空間に導入する標準試料導入工程と、前記標準試料導入工程の後に、前記測定対象ガスを保持する空間に充満したガスをイオン化して、そのイオン電流を検知する較正データ取得工程と、較正データ取得工程の後に、前記測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知する測定工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、較正時間が短く、単純なイオン化法ガス検出装置およびイオン化法ガス検出方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係るイオン化法ガス検出装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、大気中に含まれるクロロベンゼンを検出対象ガスとする場合を例にして説明するが、他のガスの場合であっても適用可能である。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る一実施形態のイオン化法ガス検出装置の構成図である。
【0013】
このイオン化法ガス検出装置40は、真空中に導入した分子ビームに対してレーザー光を照射し、イオン化された対象分子を、飛行時間型分析法を用いて質量分析する。なお、他の方法で対象分子または原子をイオン化し、他の方法で質量分析してもよい。
【0014】
イオン化法ガス検出装置40はサンプリング室2とイオン化室3とから構成される分析器1を有している。サンプリング室2には、サンプリング配管4が取り付けられており、サンプリング配管4の途中にはサンプリングバルブ21が挿入されている。また、サンプリング室2には、サンプル排気配管5が取り付けられており、サンプル排気配管5の途中にはサンプル排気バルブ22が挿入されている。サンプリング室2とイオン化室3は試料導入バルブ7を介して連絡している。試料導入バルブ7はパルスバルブである。イオン化室3の内部には、イオン加速電極10とイオン検出器11が配設されている。
【0015】
サンプリング室2には、標準試料配管35を介して、標準試料格納容器13が接続されている。標準試料配管35の途中には標準試料配管バルブ24が挿入されている。標準試料格納容器13には、ヒーター17および冷却器18が取り付けられている。標準試料格納容器13には標準試料12が収められている。さらに、サンプリング室2には、希釈用ガスボンベ16が希釈用ガス配管34を介して接続されている。希釈用ガス配管34の途中には、希釈用ガスバルブ27が挿入されている。
【0016】
また、サンプリング室2、イオン化室3および標準試料格納容器13には、排気ポンプ6が、それぞれサンプリング室真空排気配管31、イオン化室真空排気配管32、標準試料格納容器真空排気配管33を介して接続されている。サンプリング室真空排気配管31、イオン化室真空排気配管32、標準試料格納容器真空排気配管33には、サンプリング室真空排気バルブ26、イオン化室真空排気バルブ23および標準試料格納容器真空排気バルブ25がそれぞれ挿入されている。
【0017】
次に、イオン化法ガス検出装置40による、試料ガスの分析方法を説明する。
【0018】
試料ガスを分析する際には、イオン化法ガス検出装置40のサンプリングバルブ21およびサンプル排気バルブ22は、ともに開いた状態である。分析対象となる試料ガスは、サンプリング配管4を経由してサンプリング室2に導入された後に、サンプリング配管5から排出される。つまり、サンプリング室2の試料ガスは常時置換されている。
【0019】
また、試料ガスを分析する際には、イオン化室真空排気バルブ23も常時開いた状態である。イオン化室3は、真空排気配管32を経由して、排気ポンプ6によって真空に排気されている。サンプリング室2に導入された試料ガスは、試料導入バルブ7を介して、パルス状にイオン化室3に導入される。
【0020】
イオン化室3に導入された試料ガスは、試料ガスのパルス分子ビーム8となってイオン加速電極10の間のレーザー照射部に導入される。この分子ビーム8にレーザー光9が照射され、試料ガスはイオン化される。このレーザー光9は、パルス発振レーザーによるものである。検出対象となる試料ガス中の成分ガスの種類に応じて、レーザー光9のイオン化波長、波長幅、パルスエネルギー、パルス幅、等を適正化することにより、試料ガス中の検出対象成分を選択的にイオン化することができる。
【0021】
レーザー光9によってイオン化された試料ガス分子は、金属メッシュ状のイオン加速電極10によりつくられた電場により引き出されて、イオン検出器11に入射する。イオン検出器11は、試料ガス中の分析対象分子イオンを、飛行時間型分析法による光イオン化質量スペクトルとして測定する。この光イオン化質量スペクトルのピーク質量数と信号強度から、分子の同定と定量ができる。
【0022】
なお、試料ガス成分が接触している装置表面への吸着現象によって、実質的なガス濃度が低下することが懸念される。そこで、サンプリング配管4、サンプリング室2および試料導入バルブ7等にはヒーター等による加温機能(図示せず)を設けている。この加温機能により、上述のような通常運転中は、検出対象ガス成分の融点以上に保温し、試料ガス成分の吸着を防止する。
【0023】
次に、イオン化法ガス検出装置40の較正方法を説明する。
【0024】
まず、液体のクロロベンゼンを、標準試料12として標準試料格納容器13に導入する。このクロロベンゼンは、導入直後の初期状態では、標準試料格納容器13中の大気成分と気化・凝縮の平衡状態にあり、液体クロロベンゼン中には、溶存酸素、水蒸気等の不純物が存在する。
【0025】
この標準試料12の純度を、次の方法で高める。
【0026】
標準試料配管バルブ24および標準試料格納容器真空排気バルブ25を閉の状態にし、冷却器18を用いて標準試料格納容器13をクロロベンゼンの融点である−45.31℃以下に冷却し、クロロベンゼンを凝固させる。このとき、標準試料格納容器13の気相成分は、クロロベンゼン以外の不純物が多く含まれている。
【0027】
その後、標準試料配管バルブ24を閉じたまま、標準試料格納容器真空排気バルブ25を開き、標準試料格納容器13中の気相成分を排気ポンプ6により真空排気した後に、再度、標準試料格納容器真空排気バルブ25を閉じる。これにより、標準試料格納容器13の気相中に存在していた不純成分が標準試料格納容器13の外に排出される。
【0028】
次に、ヒーター17を用いて、標準試料格納容器13をクロロベンゼンの融点である−45.31℃以上、たとえば常温、にまで加熱し、凝固していたクロロベンゼンを液化させる。これにより、クロロベンゼンの一部、および、凝固していたクロロベンゼン中の溶存酸素・水蒸気成分が標準試料格納容器13の気相中に蒸発する。標準試料格納容器13の温度は、標準試料格納容器13に取り付けた温度計19によって測定する。
【0029】
このように、クロロベンゼンを凝固させ、また、液化させる操作を繰り返すことにより、標準試料格納容器13中のクロロベンゼンの純度を高めることができる。たとえば、5回程度繰り返すことにより、ほぼ100%の純度のクロロベンゼンを得ることができる。
【0030】
このような方法で、一旦、不純物を除去しておけば、標準試料格納容器13内の気相はクロロベンゼンの飽和蒸気圧(20℃で1186.36Pa)で常に満たされることになる。したがって、イオン化法ガス検出装置の較正作業で気体のクロロベンゼンを消費しても、標準試料格納容器13内の液体のクロロベンゼンが枯渇するまでは不純物除去作業は行う必要が無く、保守は容易である。
【0031】
標準試料格納容器13内の標準試料12からの不純物除去作業が終了したら、イオン化法ガス検出装置40から出力される信号と標準試料のクロロベンゼンガス濃度との関係を、次のようにして求める。
【0032】
まず、サンプリング室真空排気バルブ26を開き、排気ポンプ6によりサンプリング室2を真空にする。
【0033】
その後、サンプリング室2に接続された配管上のバルブをすべて閉じてから、標準試料配管バルブ24を開き、サンプリング室2の圧力が所定の圧力となったら標準試料配管バルブ24を閉じる。これにより、標準試料格納容器13の気相に充満していた標準試料12、すなわちクロロベンゼンの飽和蒸気14が、標準試料格納容器13とサンプリング室2の差圧によって、サンプリング室2に流れ込む。クロロベンゼンの導入量は、サンプリング室2の圧力によって測定することができるため、圧力計15をモニタリングしながら導入量を決めることができる。
【0034】
次に、希釈用ガスバルブ27を開き、サンプリング室2の圧力が所定の圧力となったら希釈用ガスバルブ27を閉じる。これにより、希釈用ガスが、希釈用ガスボンベ16とサンプリング室2の差圧によって、サンプリング室2に流れ込む。
【0035】
このときのサンプリング室2内部におけるクロロベンゼンの濃度は、クロロベンゼンの分圧とサンプリング室2の気体の全圧とから求めることができる。サンプリング室2にクロロベンゼンを導入したときの圧力がクロロベンゼンの分圧であり、希釈用ガスを導入したときの圧力が全圧である。たとえば、サンプリング室2にクロロベンゼンを導入したときの圧力が10Paで、希釈用ガスを導入したときのサンプリング室2の圧力が0.1MPaであれば、希釈後のサンプリング室2内のクロロベンゼンの濃度は100ppmである。ここで、クロロベンゼンの濃度とは、サンプリング室2の内部の全気体分子数に対する、クロロベンゼン分子数の割合である。
【0036】
なお、クロロベンゼンを導入したときのサンプリング室2の圧力と、希釈用ガスを導入したときのサンプリング室2の圧力は大きく異なる。そこで、サンプリング室2に取り付ける圧力計15として、低い圧力を測定する圧力計と高い圧力を測定する圧力計の2つの圧力計を取り付けてもよい。また、サンプリング室2に標準試料12を導入する前には、標準試料格納容器13には標準試料12の飽和蒸気が充満している。このため、標準試料12の温度、標準試料格納容器13およびサンプリング室2の体積から、サンプリング室2に導入される標準物質12の量を求めることもできる。
【0037】
このようにして、サンプリング室2内部のクロロベンゼンの濃度を所定の濃度にした後に、試料導入バルブ7を開き、イオン化室3に既知の濃度のクロロベンゼンを導入し、イオン検出器11が出力する信号を記録する。イオン化室3に導入されたクロロベンゼンはパルス分子ビーム8となり、レーザー光9の照射によってイオン化される。イオン化された試料ガス分子を金属メッシュ状のイオン加速電極10によりつくられた電場により引き出して、イオン検出器11に入射することにより、光イオン化質量スペクトルとして測定される。その測定スペクトルの親ピークは質量数112.56の位置に現われる。このピークの信号強度とクロロベンゼン濃度の関係が較正用データの1点となる。
【0038】
このように所定のクロロベンゼン濃度に対する較正用データ1点を取得した後、サンプリング室真空排気バルブ26を開き、排気ポンプ6によってサンプリング室2を真空に排気する。
【0039】
この後に、再び標準試料格納容器13からサンプリング室2にクロロベンゼンを導入して、希釈用ガスで希釈して、サンプリング室2を所定のクロロベンゼン濃度にし、較正用データを取得する。この操作を適当な回数繰り返し、複数のクロロベンゼン濃度に対するイオン検出器11が出力する信号を求める。なお較正用データ1点を取得するのに要する時間は1分程度である。
【0040】
このように、本実施形態では、較正用標準物質12の高純度の飽和蒸気を真空のサンプリング室2に導入し、希釈用のガスも圧力が低いサンプリング室2に導入するため、任意の設定濃度の較正ガスを短時間に準備可能である。また、拡散輸送型の蒸気発生器を用いないので、較正用ガスを発生する部分で高温保持する必要がある部品を削減し、装置全体を単純化することが可能である。したがって、較正時間の短縮および装置の単純化、小型化が可能となる。
【0041】
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の実施形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る一実施形態のイオン化法ガス検出装置の構成図。
【符号の説明】
【0043】
1…分析器、2…サンプリング室、3…イオン化室、4…サンプリング配管、5…サンプル排気配管、6…排気ポンプ、7…試料導入バルブ、8…試料ガスのパルス分子ビーム、9…レーザー光、10…イオン加速電極、11…イオン検出器、12…標準試料、13…標準試料格納容器、14…飽和蒸気、15…圧力計、16…希釈用ガスボンベ、17…ヒーター、18…冷却器、19…温度計、21…サンプリングバルブ、22…サンプル排気バルブ、23…イオン化室真空排気バルブ、24…標準試料配管バルブ、25…標準試料格納容器真空排気バルブ、26…サンプリング室真空排気バルブ、27…希釈用ガスバルブ、31…サンプリング室真空排気配管、32…イオン化室真空排気配管、33…標準試料格納容器真空排気配管、34…希釈用ガス配管、35…標準試料配管、40…イオン化法ガス検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知して前記測定対象ガスの分子量を測定するイオン化法ガス検出装置において、
前記測定対象ガスを保持するサンプリング室と、
標準試料を保持する標準試料格納容器と、
前記サンプリング室と前記標準試料格納容器とを接続する標準試料配管と、
前記標準試料配管に取り付けられた標準試料配管バルブと、
真空排気可能な排気ポンプと、
前記排気ポンプと前記サンプリング室とを接続するサンプリング室真空排気配管と、
前記サンプリング室真空排気配管に取り付けられたサンプリング室真空排気バルブと、
を有することを特徴とするイオン化法ガス検出装置。
【請求項2】
前記標準試料格納容器内の標準試料をその融点以上に加熱する標準試料加熱手段、
を有することを特徴とする請求項1記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項3】
前記標準試料格納容器内の標準試料をその融点以下に冷却する標準試料冷却手段、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項4】
前記標準試料格納容器内の標準試料の温度を測定する温度測定手段、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項5】
希釈用ガスを保持する希釈用ガスボンベと、
前記希釈用ガスボンベと前記サンプリング室とを接続する希釈用ガス配管と、
前記希釈用ガス配管に取り付けられた希釈用ガスバルブと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項6】
前記排気ポンプと前記標準試料格納容器とを接続する標準試料格納容器真空排気配管と、
前記標準試料格納容器真空排気配管に取り付けられた標準試料格納容器真空排気バルブと、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項7】
前記サンプリング室の内部の気体の圧力を測定する圧力計、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項8】
前記測定対象ガスが接触する部分を加熱する測定対象ガス付着防止手段、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項9】
イオン化室と、
前記サンプリング室と前記イオン化室との間に取り付けられた試料導入バルブと、
前記試料導入バルブから前記イオン化室に導入される物質にレーザー光を照射するレーザー光照射手段と、
前記イオン化室の内部に設置されたイオン加速電極と、
前記イオン化室の内部に設置されたイオン検出器と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか記載のイオン化法ガス検出装置。
【請求項10】
測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知して前記測定対象ガスの分子量を測定するイオン化法ガス検出方法において、
前記測定対象ガスを保持する空間を真空に排気する真空排気工程と、
前記真空排気工程の後に、前記標準試料の飽和蒸気を、前記測定対象ガスを保持する空間に導入する標準試料導入工程と、
前記標準試料導入工程の後に、前記測定対象ガスを保持する空間に充満したガスをイオン化して、そのイオン電流を検知する較正データ取得工程と、
前記測定対象ガスをイオン化して、そのイオン電流を検知する測定工程と、
を有することを特徴とするイオン化法ガス検出方法。
【請求項11】
前記標準試料導入工程は、さらに前記測定対象ガスを保持する空間の圧力を測定するものであることを特徴とする請求項10記載のイオン化法ガス検出方法。
【請求項12】
前記標準試料導入工程の後であって、前記較正データ取得工程の前に、前記測定対象ガスを保持する空間に希釈ガスを導入する希釈ガス導入工程、
を有することを特徴とする請求項10または請求項11記載のイオン化法ガス検出方法。
【請求項13】
前記希釈ガス導入工程は、さらに前記測定対象ガスを保持する空間の圧力を測定するものであることを特徴とする請求項12記載のイオン化法ガス検出方法。
【請求項14】
前記標準試料導入工程の前に、前記標準試料をその融点以下に冷却して、前記標準試料を保持する空間に充満した気体を排気した後に、前記標準試料をその融点以上に加熱する工程、
を有することを特徴とする請求項10ないし請求項13のいずれか記載のイオン化法ガス検出方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−192692(P2007−192692A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11895(P2006−11895)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】