説明

イオン性液体、その製造法、それを含む二重層キャパシタおよびリチウム電池

本発明は、[BF3(CF2n+1)](式中、nは2、3または4を示す)からなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと少なくとも1種の有機アンモニウムイオンからなるイオン性液体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン性液体に関し、詳しくは低粘度及び低融点かつ高い導電性と電気化学安定性を有するイオン性液体に関する。また、本発明はイオン性液体の製造法、イオン性液体を含むリチウム電池(例えばリチウムイオン電池、リチウム一次電池、リチウム二次電池、特にリチウム二次電池)及び電気二重層キャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
イオン性液体は、リチウム二次電池、太陽電池、アクチュエータ及び電気二重層キャパシタなどの各種電気化学デバイス用の電解質、反応媒体、有機合成の触媒としての応用可能性のためにここ数年特別な注目を集めてきた。従来の有機液体電解質と比較して、イオン性液体の電解質としての主な利点は、不燃性、不揮発性及び高い熱安定性である。現在までに報告されているほとんどのイオン性液体において、イオン性液体のアニオンとしては、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド([(CF3SO2)2N]-)とテトラフルオロボレート(BF4-)がその高い電気化学的安定性及び熱安定性のために注目されている(特許文献1,2)。
【0003】
しかしながら、これらのアニオンを含むイオン性液体は、特に低温での低い導電性などの問題があった。
【0004】
さらに、特許文献3は、ホウ素化合物を開示しているが、例えば実施例で製造されているトリエチルメチルアンモニウムCF3BF3は、融点が181℃と高く、イオン性液体ではない。
【0005】
さらに、特許文献4は、実施例1において、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF3CF3塩を開示している。
【特許文献1】特開2002-099001
【特許文献2】特開2003-331918
【特許文献3】特開2002-63934
【特許文献4】特開2004-123631
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アニオン成分およびカチオン成分を改良することで、低粘度及び低融点かつ高い導電性を有するイオン性液体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、該イオン性液体を含む電気二重層キャパシタ及びリチウム電池、特にリチウム二次電池に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンあるいは該アニオンと特定の脂肪族またはヘテロ環式アンモニウム系カチオンを含む塩類を用いてイオン性液体を製造することで、低粘度、低融点かつ低温での高い導電性を有するイオン性液体が得られることを見出した。
【0009】
本発明は、以下のイオン性液体及びその製造法並びにこれを用いた電気二重層キャパシタ及びリチウム電池を提供するものである。
1. [BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンと、一般式(I)
[NR (I)
〔式中、R〜Rは、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基を示し、或いは、R及びRは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成してもよい。
【0010】
但し、R〜Rは、以下(i)〜(iii)の条件を満たすものとする:
(i) R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成する場合、R又はRのいずれかはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である;
(ii) R〜Rがピロリジン、ピペリジン環及びモルホリン環をいずれも形成しない場合、R〜Rの少なくとも1つはアルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基である;
(iii) R〜Rが同一または異なってメチルもしくはエチルの場合、Rは炭素数3〜10の直鎖又は分枝を有するアルキル基である。〕
で表される少なくとも1種の有機アンモニウムイオンからなるイオン性液体。
2. アニオンが[BF3(CF)]、[BF3(CF)]および[BF3(CF)]からなる群から選ばれる少なくとも1種である項1に記載のイオン性液体。
3. R〜Rが同一又は異なってアルキル基を示し、Rがアルコキシアルキル基を示す、項1に記載のイオン性液体。
4. R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し、R又がメチル又はエチルであり、Rはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、項1に記載のイオン性液体。
5. R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し、Rがメチルであり、Rがアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、項1に記載のイオン性液体。
6. R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成し、Rがメチルであり、Rがアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、項1に記載のイオン性液体。
7. 項1に記載のイオン性液体を含む電気二重層キャパシタ。
8. 項1に記載のイオン性液体を含む、リチウム電池。
9. [BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンをアニオン成分として含む化合物と下記式(I)
[NR (I)
〔式中、R〜Rは、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基を示し、或いは、R及びRは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成してもよい。
【0011】
但し、R〜Rは、以下(i)〜(iii)の条件を満たすものとする:
(i) R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成する場合、R又はRのいずれかはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である;
(ii) R〜Rがピロリジン、ピペリジン環及びモルホリン環をいずれも形成しない場合、R〜Rの少なくとも1つはアルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基である;
(iii) R〜Rが同一または異なってメチルもしくはエチルの場合、Rは炭素数3〜10の直鎖又は分枝を有するアルキル基である。〕
で表される少なくとも1種の有機アンモニウムイオンをカチオン成分として含む化合物を混合することを特徴とするイオン性液体の製造法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、粘度及び融点の低いイオン性液体が得られる。
【0013】
本発明のイオン性液体は、リチウム電池及び電気二重層キャパシタに使用するのに特に好適である。また、該イオン性液体は太陽電池、電気化学センサーデバイス、電気化学表示素子(エレクトロクロミック)等にも有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1スキャンにおけるグラッシーカーボン電極(表面積7.85×10-3cm-2)上でのイオン性液体の直線掃引ボルタングラムである。スキャン速度:50mVs-1; 対極:Ptワイヤ;参照電極には、先端をガラスフィルターで仕切ったガラス管中に15 mM のヨウ素ならびに 60 mM のテトラプロピルアンモニウムヨウ化物を溶解させたEMI-TFSIイオン性液体を入れ、白金線を浸漬させたものを用い、電位(V)は各イオン性液体中にフェロセンを溶解させた際に観測されるフェロセン(Fc)/フェロセニウム(Fc+)レドックスカップルの参加還元電位をイオン性液体に依存しない電位基準として用いた。
【図2】直線掃引ボルタンメトリー(linear sweep voltammetry)の結果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明で使用するイオン性液体の融点は、通常150℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは40℃以下、特に25℃以下である。例えば燃料電池に使用する場合には150℃以下のイオン性液体を広く使用することができる。一方、太陽電池、リチウム電池、キャパシタなどのエネルギーデバイス、エレクトロクロミックデバイス、電気化学センサーなどの電気化学デバイスではイオン性液体の融点は室温(25℃)以下が好ましく、特に0℃以下であるのがさらに好ましい。
【0016】
本発明は、イオン性液体のアニオン成分としてBF3(CF3)、[BF3(CF)]、[BF3(CF)](即ち[BF3(n-CF)]と[BF3(i-CF)])及び[BF3(CF)](即ち[BF3(n-CF)]、[BF3(i-CF)]、[BF3(sec-CF)]及び[BF3(tert-CF)])からなる群から選ばれる少なくとも1種、好ましくは[BF3(CF)]、[BF3(CF)]および[BF3(CF)](即ち[BF3(n-CF)]と[BF3(i-CF)])からなる群から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは[BF3(CF)]および/または[BF3(CF)]を使用する。該アニオンは公知化合物であり、例えばG. A. Molander, B. J. Hoag, Organometallics, 2003, 22, 3313;Zhi-Bin Zhou, Masayuki Takeda, Makoto Ue, J. Fluorine. Chem,, 123 (2003) 127.に記載されている。本発明のイオン性液体は、1種のアニオン成分からなるものであってもよく、2種以上のアニオン成分を使用し、融点をさらに下げることも可能である。
【0017】
イオン性液体を製造する場合、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンとアルカリ金属イオン(Na+, K+, Li+, Cs+など)、アルカリ土類金属イオン(Ca2+, Mg2+,Ba2+など)、H+, Bu3Snなどのカチオン成分との塩を有機アンモニウム化合物と混合し、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)または[BF3(CF=CF2)]と有機アンモニウムイオンからなるイオン性液体を分離することにより製造できる。例えば、イオン交換樹脂を通すことにより得られる[BF3(CF2n+1)]H+(式中、nは1、2、3または4を示す)の塩と、(有機アンモニウム)(OH)の塩を混合し、水を除くことにより、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)と有機アンモニウムイオンからなるイオン性液体を好ましく得ることができる。イオン性液体を得るための塩交換反応は、所望の溶融塩が抽出可能である場合には、溶媒抽出法により行うことができる。
【0018】
有機アンモニウムイオンは、1種のみを使用してもよいが、2種以上の有機アンモニウムイオンを組み合わせることで、さらにイオン性液体の融点を低下させ、さらに粘度を下げることが可能である。
【0019】
また、イオン性液体のアニオンとしては、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用するが、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)からなる群から選ばれる少なくとも1種が主成分であり、得られた塩がイオン性液体である限り、他のアニオンを配合することもできる。
有機アンモニウム化合物としては、有機アンモニウムカチオンと、水酸イオン(OH),ハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオンなどからなる塩が例示される。
【0020】
イオン性液体を製造する場合、[BF3(CF2n+1)](式中、nは1,2、3または4を示す)からなる群から選ばれる少なくとも1種で表される少なくとも1種のアニオン(例えば銀塩、カルシウム塩、バリウム塩の塩)と有機オニウムイオン(例えばハロゲン化物塩、硫酸塩)の各カウンターイオンによりハロゲン化銀、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの難溶性塩を形成させて除去するようにしてもよい。
【0021】
或いは、(一般式(I)の有機アンモニウム)(OH)と[BF3(CF2n+1)]H(式中、nは1、2、3または4を示す)からなる群から選ばれる少なくとも1種を混合し、イオン性液体としてもよい。
【0022】
アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6,特に1〜3の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
【0023】
フルオロアルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換された炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6,特に1〜3のポリフルオロアルキル基及びパーフルオロアルキル基が挙げられる。
【0024】
アルコキシ基としては(O−上記アルキル)構造を有する炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6,特に1〜3の直鎖又は分枝を有するアルコキシ基が挙げられる。
【0025】
アルコキシアルキル基のアルコキシ基及びアルキル基は前記と同様であり、直鎖又は分枝を有する炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6,特に1〜3の直鎖又は分枝を有するアルコキシ基で置換された直鎖又は分枝を有する炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6,特に1〜3のアルキル基が挙げられ、特に好ましくは(C1〜3アルキレン)−O−(C1〜3アルキル)が挙げられ、特にメトキシメチル基(CH2OCH3)、メトキシエチル基(CH2CH2OCH3)、エトキシメチル基(CH2OCH2CH3)、エトキシエチル基(CH2CH2OCH2CH3)、メトキシプロピル基(CH2CH2CH2OCH3)、エトキシプロピル基(CH2CH2CH2OCH2CH3)、プロポキシメチル基(CH2OCH2CH2CH3)、プロポキシエチル基(CH2CH2OCH2CH2CH3)、イソプロポキシメチル基(CH2OCH(CH3)2)、イソプロポキシエチル基(CH2CH2OCH(CH3)2) が例示され、最も好ましくはメトキシメチル基(CH2OCH3)、メトキシエチル基(CH2CH2OCH3)、エトキシメチル基(CH2OCH2CH3)、エトキシエチル基(CH2CH2OCH2CH3)が例示される。
【0026】
ポリエーテル基としては、-(CH2)n1-O-(CH2CH2O)n2-(C1-C4アルキル)、-(CH2)n1-O-(CH2CH(CH3)O)n2-(C1-C4アルキル)、または、-(CH2)n1-O-( CH(CH3)CH2O)n2-(C1-C4アルキル)で表される基が挙げられ、n1は1〜4の整数、n2は1〜4の整数、C1-C4アルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルが例示される。
前記アルキル基、アルケニル基の任意の位置のC−C単結合の間に−O−、−COO−、−CO−、を1個または複数個介在させて、エーテル、エステルまたはケトン構造としてもよい。
【0027】
ピロリジン環、ピペリジン環またはモルホリン環に結合する炭素数3以上のアルキル基としては、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数3〜20、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜7の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
【0028】
で表されるC3〜10アルキル基としては、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数3〜10、より好ましくは4〜8、さらに好ましくは4〜6の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
【0029】
とRは、これらが結合している窒素原子と一緒になってピロリジニウム、ピペリジニウム、またはモルホリニウムを形成してもよい。
【0030】
〜Rが同一または異なってメチルもしくはエチルであり、Rが炭素数3〜10の直鎖又は分枝を有するアルキル基である好ましいアンモニウムとしては、メチルジエチル(n-, i-, sec-またはtert-)ブチルアンモニウム(N1224)、ジメチルエチル(n-, i-, sec-またはtert-)ブチルアンモニウム(N1124)、トリメチル(n-, i-, sec-またはtert-)ブチルアンモニウム(N1114)、トリエチル(n-, i-, sec-またはtert-)ブチルアンモニウム(N2224)、メチルジエチルヘキシルアンモニウム(N1226)、ジメチルエチルヘキシルアンモニウム(N1126)、トリメチルヘキシルアンモニウム(N1116)、トリエチルヘキシルアンモニウム(N2226)が例示される。
【0031】
本発明で特に好適に使用できる有機アンモニウムイオンを以下に例示する:
【0032】
【表1】

【0033】
で表される窒素原子が低級アルキル基で置換された
本発明の特に好ましいカチオンを以下に示す:
(1)R〜Rは同一または異なってメチルまたはエチルであり、RはC3〜10アルキルである;
(2)R〜Rは同一または異なってC1〜4アルキル基であり、Rは(C1〜3アルキレン)-O-(C1〜3アルキル)である;
(3)R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し:Rはメチルまたはエチルであり;RはC1〜3アルコキシC1〜3アルキルである;
(4)R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し:Rはメチルまたはエチルであり;RはC3〜8アルキルである;
本発明のイオン性液体は、リチウム塩などの電解質の溶解性が高く、しかも不燃性、低粘性であり、リチウム二次電池などのリチウム電池や電気二重層キャパシタ、太陽電池、電気化学センサーデバイス、電気化学表示素子(エレクトロクロミック)等において、電解液の溶媒として好適に使用することができる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
参考例1:アニオンの合成
K[CF3BF3]を文献(G. A. Molander, B. J. Hoag, Organometallics, 2003, 22, 3313)に記載のように調製し、文献(S. Mori, K. Ida, and M. Ue, US Pat. 4 892 944 (1990).)に記載のようにK[CF3BF3]をカチオン交換処理し、Hsolv.[CF3BF3]solv水溶液を得た。
【0035】
K.[C2F5BF3] 、K[n-C3F7BF3] 、K[n-C4F9BF3]、を文献(Zhi-Bin Zhou, Masayuki Takeda, Makoto Ue, J. Fluorine. Chem,, 123 (2003) 127.)に記載のように調製し、文献(S. Mori, K. Ida, and M. Ue, US Pat. 4 892 944 (1990).)に記載のようにK.[C2F5BF3] 、K[n-C3F7BF3] 、K[n-C4F9BF3] をカチオン交換処理し、各々Hsolv[n-C2F5BF3] solv、Hsolv[n-C3F7BF3] solv、Hsolv[n-C4F9BF3]solvの水溶液を得た。

参考例2:カチオンの合成
(1)ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウムクロライド(C3:N1O2122Cl-)の合成
原料として等モル量のアミン(diethylmethylamine)とハロゲン置換エーテル化合物(methoxyethylchloride)をアセトニトリル中で混合し、オートクレーブにてマイルドな条件で加温し12時間から72時間反応させる。反応後、生成する4級アンモニウム塩を適当な溶媒にて再結晶を行い、NMRにてジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムクロライド(N1O2122Cl)の生成を確認した。
【0036】
ここで得られたハロゲン化物を、アニオン交換樹脂にて水酸化物((N1O2122OH)に転換した。
(2)トリメチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(C1:N1O2111Br-);
ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(C2:N1O2112Br-);及び
トリエチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(C4:N1O2222Br-)の合成
原料として等モル量のアミン(トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン又はトリエチルアミン)とCH3OCH2CH2Brを無水アセトン中で混合し、オートクレーブにてマイルドな条件で加温し12時間から72時間反応させる。反応後、生成する4級アンモニウム塩をアセトンにて再結晶を行い、NMRにて各々トリメチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(N1O2111Br-);ジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(N1O2112Br-);及びトリエチルメトキシエチルアンモニウムブロマイド(N1O2222Br-)の生成を確認した。
【0037】
ここで得られた臭化物を、アニオン交換樹脂にて水酸化物(各々N1O2111OH-;N1O2112OH-;及びN1O2222OH-)に転換した。

(3)メチルメトキシエチルピペリジニウムブロマイド(C5:Pi1O2.1Br-);
メチルメトキシエチルピロリジニウムブロマイド(C6:Py1O2.1Br-);
エチルジメチルメトキシメチルアンモニウムブロマイド(C7:N1O2.112Br-);
ブチルジエチルメチルアンモニウムブロマイド(C8: N1224Br-);及び
メチルメトキシメチルピロリジニウムブロマイド(C9: Py1O1.1Br-)の合成。
メチルブチルモルホリニウムブロマイド(C10:Mor14Br-);
メチルメトキシエチルモルホリニウムブロマイド(C11:Mor1.1O2Br-);
上記(2)において、アミン(トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン又はトリエチルアミン)に代えてN-メチルピロリジン、N-メチルピペリジンまたはN-メチルモルホリンを使用する以外は上記(2)と同様にして、C5(Pi1O2.1Br-)、C6(Py1O2.1Br-)およびC11(Mor1.1O2Br-)を合成した。
【0038】
また、上記(2)において、アミンとしてジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルピロリジンまたはN-メチルモルホリンを、臭素化物としてCH3CH2CH2CH2BrまたはCH3OCH2Brを各々使用する以外は上記(2)と同様にして、C7(N1O2.112Br-)、C8( N1224Br-)、C9( Py1O1.1Br-)およびC10(Mor14Br-)を合成した。
【0039】
ここで得られた臭化物を、アニオン交換樹脂にて水酸化物(各々C5:Pi1O2.1OH-;C6:Py1O2.1OH-;C7:N1O2.112OH-;C8:N1224OH-;C9:Py1O1.1OH-;C10:Mor14OH-;C11:Mor1.1O2OH-)に転換した。
【0040】
上記で得られたアンモニウム(C1〜C11)の構造式を以下に示す。
【0041】
【化1】

【0042】
(4)ピロリジン系の第四級アンモニウム塩の合成
上記(2)において、アミン(トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン又はトリエチルアミン)に代えてN-メチルピロリジンを使用し、臭素化物としてCH3(CH2)pBr (pは0〜6の整数)、または、CH3OCH2Br、CH3OCH2CH2Br、CH3CH2OCH2CH2BrまたはCH3O(CH2CH2)2OCH2CH2Brを各々使用して以下のカチオンを合成し、得られた臭化物を、アニオン交換樹脂にて水酸化物に転換した。得られたカチオンとその略号を以下に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
(5)公知のアンモニウム化合物
上記の他に、メチルトリエチルアンモニウム水酸化物(N1222・OH)、テトラエチルアンモニウム水酸化物(N2222・OH)を公知の方法により調製した。
実施例1:イオン性液体の製造
参考例1で得られたいずれかのアニオン(Hsolv.[CF3BF3]solv、Hsolv[n-C2F5BF3]solv、Hsolv[n-C3F7BF3] solvまたはHsolv[n-C4F9BF3]solv)の水溶液(50mmol)を使用の前に濾過し、参考例2で得られたアンモニウムカチオンの水酸化物のいずれか(等モル量)で中和した。減圧下30〜40℃で約20mlにまで濃縮し、下層のイオン性液体を分離し、脱イオン水(10ml)及びトルエン(20ml×2)で洗浄した。得られた下層のイオン性液体を60℃で12時間真空下(0.03mmHg)で乾燥し、目的とするイオン性液体を得ることができる。
【0045】
以下の表3〜表5に、各アニオンとカチオンの組合せ及びその物性値を示す。
【0046】
また、得られたイオン性液体の一部について、NMR(1H、11B、19F)、元素分析等のデータを合わせて示す。
N1O2.122[BF4]
1H NMR(399.65 MHz/ acetone-d6, d ppm relative to internal TMS): 1.39 (t, J=7.2Hz, NCH2CH3), 3.18 (s, NCH3), 3.38 (s, OCH3), 3.58 (q, J=7.3Hz, NCH2CH3), 3.67 (t, J=4.8Hz, OCH2CH2N), 3.88 (s, OCH2CH2N). Anal. Calc. for C8H20BF4NO: C, 41.2; H, 8.7; N, 6.0. Found: C, 41.3; H, 8.5; N, 5.9%.
【0047】
【化2】

【0048】
N1O2.122[n-C2F5BF3]
1H NMR (399.65 MHz/ acetone-d6, d ppm relative to internal TMS): 1.41 (t, J=7.2Hz, NCH2CH3), 3.19 (s, NCH3), 3.39 (s, OCH3), 3.59 (q, J=7.2Hz, NCH2CH3), 3.67 (t, J=4.8Hz, OCH2CH2N), 3.91 (s, OCH2CH2N).
19F NMR (376.05 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external CCl3F): -83.0 (s, CF3), 135.8 (q, 2JBF=20.3Hz, CF2), -152.8 (q, 1JBF=40.7Hz, BF3).
11B NMR (128.15 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external BF3.Et2O): 0.149 (qt, 1JBF=40.8Hz, 2JBF=19.1Hz).
Anal. Calc. for C10H20BF8NO: C, 36.1; H, 6.1; N, 4.2. Found: C, 36.4; H, 4.2; H, 6.0; N, 4.5 %。
【0049】
【化3】

【0050】
N1O2.122[n-C3F7BF3]
1H NMR (399.65 MHz/ acetone-d6, d ppm relative to internal TMS): 1.41 (t, J=7.3Hz, NCH2CH3), 3.20 (s, NCH3), 3.38 (s, OCH3), 3.59 (q, J=7.2Hz, NCH2CH3), 3.67 (t, J=4.8Hz, OCH2CH2N), 3.91 (s, OCH2CH2N).
19F NMR (376.05 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external CCl3F): -80.3 (s, CF3), -127.5 (s, CF3CF2), 133.7 (s, CF2B), -152.3 (q, 1JBF=38.7Hz, BF3).
11B NMR (128.15 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external BF3.Et2O): 0.246 (qt, 1JBF=40.6Hz, 2JBF=19.0Hz).
Anal. Calc. for C11H20BF10NO: C, 34.5; H, 5.3; N, 3.7. Found: C, 34.7; H, 5.2; N, 3.7 %.
【0051】
【化4】

【0052】
N1O2.122[n-C4F9BF3]
1H NMR (399.65 MHz/ acetone-d6, d ppm relative to internal TMS): 1.41 (m, NCH2CH3), 3.21 (m, NCH3), 3.38 (m, OCH3), 3.60 (q, J=7.2Hz, NCH2CH3), 3.67 (t, J=4.8Hz, OCH2CH2N), 3.91 (s, OCH2CH2N).
19F NMR (376.05 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external CCl3F): -80.9 (s, CF3), -123.8 (s, CF3CF2), 125.8 (s, CF3CF2CF2), 133.1 (s, CF2B), -152.3 (q, 1JBF=38.7Hz, BF3).
11B NMR(128.15 MHz/acetone-d6, d ppm relative to external BF3.Et2O): 0.233 (qt, 1JBF=40.3Hz, 2JBF=19.0Hz).
Anal. Calc. for C12H20BF12NO: C, 33.3; H, 4.7; N, 3.2. Found: C, 33.6; H, 4.6; N, 3.4 %.
【0053】
【化5】

【0054】
N1O2.111[C2F5BF3]
元素分析Calc. ( Found): C, 31.5 (31.2); H, 5.3 (5.2); N, 4.6 (4.6) %.
1H NMR: 3.37 (s, 3×3H), 3.40 (s, 3H), 3.76 (s, 2H), 3.94 (s, 2H).
19F NMR: -83.0 (s, CF3), -135.8 (q, 2JBF=19.3Hz, CF2), -153.0 (q, 1JBF=39.6Hz, BF3). N1O2.112[C2F5BF3]
元素分析Calc. (Found): C, 33.9 (33.7); H, 5.7 (5.6); N, 4.4 (4.3) %.
1H NMR: 1.45 (t, J=7.2Hz, 3H), 3.28 (s, 2×3H), 3.39 (s, 3H), 3.64 (q, J=7.2Hz, 2H), 3.71 (t, J=4.8Hz, 2H), 3.92 (s, 2H).
19F NMR: -83.0 (s, CF3), -135.8 (q, 2JBF=19.3Hz, CF2), -152.7 (q, 1JBF=40.7Hz, BF3). N1O2.122[C2F5BF3]
元素分析Calc. (Found): C, 36.1 (35.8); H, 6.1 (5.9); N, 4.2 (4.1) %.
1H NMR: 1.41 (t, J=7.2Hz, 2×3H), 3.19 (s, 3H), 3.39 (s, 3H), 3.59 (q, J=7.2Hz, 2×2H), 3.67 (t, J=4.8Hz, 2H), 3.91 (s, 2H).
19F NMR: -83.0 (s, CF3), -135.8 (q, 2JBF=20.3Hz, CF2), -152.8 (q, 1JBF=40.7Hz, BF3). N1O2.222[C2F5BF3]
元素分析Calc. (Found): C, 38.1 (38.1); H, 6.4 (6.4); N, 4.0 (4.0) %.
1H NMR: 1.37 (t, J=7.2Hz, 3´3H), 3.38 (s, 3H), 3.56 (q, J=7.2Hz, 3´2H), 3.63 (t, J=4.8Hz, 2H), 3.87 (s, 2H).
19F NMR: -83.0 (s, CF3), -135.8 (q, 2JBF=19.4Hz, CF2), -153.0 (q, 1JBF=39.7Hz, BF3).
DMI[CF3BF3].
元素分析Anal. Calc. (Found): C, 30.8 (30.5); H, 3.9 (4.0); N, 12.0 (11.9) %.
1H NMR: 4.02 (s, 2´3H, NCH3), 7.66 (m, 2H, N-CH=CH-N), 8.89 (s, 1H, N-CH-N).
PMI[CF3BF3].
元素分析 Calc. (Found): C, 36.7 (36.5); H, 5.0 (5.1); N, 10.7 (10.8) %.
1H NMR: 0.96 (t, J=7.2Hz, 3H, CCH3), 1.98 (m, 2H, CH3CH2-), 4.06 (s, 3H, N-CH3), 4.32 (q, J=7.3Hz, 2H, NCH2-), 7.71 and 7.75 (s, 2H, N-CH=CH-N), 8.99 (s, 1H, N-CH-N).
BMI[CF3BF3].
元素分析 Calc. (Found): C, 39.2 (38.9); H, 5.5 (5.8); N, 10.2 (10.2) %.
1H NMR: 0.95 (t, J=7.2Hz, 3H, CCH3), 1.40 (m, 2H, CH3CH2-), 1.93 (m, 2H, CH3CCH2-), 4.04 (s, NCH3), 4.35 (q, J=7.3Hz, 2H, NCH2-), 7.68 and 7.74 (s, 2H, N-CH=CH-N), 8.95 (s, 1H, N-CH-N).
HMI[CF3BF3].
元素分析 Calc. (Found):C, 43.5 (43.2); H, 6.3 (6.0); N, 9.2 (9.3) %.
1H NMR: 0.87 (t, J=7.0Hz, 3H, CCH3), 1.34 (m, 3´2H, CH3(CH2)3-), 1.95 (m, 2H, NCH2CH2-), 4.04 (s, 3H, NCH3), 4.35 (t, J=7.2Hz, 2H, NCH2-), 7.69 and 7.75 (s, 2H, N-CH=CH-N), 8.97 (s, 1H, N-CH-N).
表3〜5中において、
d,25℃での密度;
Tg:ガラス転移温度(昇温時);
Tc,:結晶化温度(昇温時);
Tm, 融点(昇温時);
η, 25℃での粘度;
κ, 25℃での導電率を各々示す。
【0055】
Nd, 検出されない
【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
試験例1:物性値の測定
[C2F5BF3]の塩についての直線掃引ボルタングラムの結果を図1に示す。
【0060】
さらに、N1O2112[CF3BF3]とEMI[CF3BF3]の電気化学安定性を、アルゴンで満たしたグローブボックス(O2 及び水< 5ppm)中、室温において、直線掃引ボルタンメトリー(linear sweep voltammetry) (作用電極:グラッシーカーボン、対極:白金、参照電極:ヨウ素レドックス含有EMI-TFSI に白金線を浸析させたもの。イオン性液体中のフェロセンの酸化還元電位を内標準に用いて換算してある。ALS, model 660電気化学アナライザーにて測定。) を行った結果を図2に示す。
【0061】
図2の結果から、N1O2112[CF3BF3]はEMI[CF3BF3]に比べて還元電位、酸化電位がそれぞれ負電位側、正電位側にシフトし、電気化学安定性が向上することが明らかとなった。
【0062】
以上の結果から、本発明のイオン性液体であるN1O2112[CF3BF3]は、高い電気伝導性と低融点特性を有し、電気化学デバイス及び有機反応の溶媒として優れた性質を有することが明らかになった。
【0063】
比較例1〜4
特許文献3(特開2002−63947)に記載の明細書及び表1に記載される以下の4つの化合物を合成し、その融点を測定した。結果を以下に示す。
【0064】
【表6】

【0065】
上記の結果を比較すると、イオン性液体は、アンモニウムカチオンの僅かな構造の相違でその融点は大きく異なることが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンと、一般式(I)
[NR (I)
〔式中、R〜Rは、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基を示し、或いは、R及びRは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成してもよい。
但し、R〜Rは、以下(i)〜(iii)の条件を満たすものとする:
(i) R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成する場合、R又はRのいずれかはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である;
(ii) R〜Rがピロリジン、ピペリジン環及びモルホリン環をいずれも形成しない場合、R〜Rの少なくとも1つはアルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基である;
(iii) R〜Rが同一または異なってメチルもしくはエチルの場合、Rは炭素数3〜10の直鎖又は分枝を有するアルキル基である。〕
で表される少なくとも1種の有機アンモニウムイオンからなるイオン性液体。
【請求項2】
アニオンが[BF3(CF)]、[BF3(CF)]および[BF3(CF)]からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のイオン性液体。
【請求項3】
〜Rが同一又は異なってアルキル基を示し、Rがアルコキシアルキル基を示す、請求項1に記載のイオン性液体。
【請求項4】
及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し、R又がメチル又はエチルであり、Rはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、請求項1に記載のイオン性液体。
【請求項5】
及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成し、Rがメチルであり、Rがアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、請求項1に記載のイオン性液体。
【請求項6】
及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン環を形成し、Rがメチルであり、Rがアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である、請求項1に記載のイオン性液体。
【請求項7】
請求項1に記載のイオン性液体を含む電気二重層キャパシタ。
【請求項8】
請求項1に記載のイオン性液体を含む、リチウム電池。
【請求項9】
[BF3(CF2n+1)](式中、nは1、2、3または4を示す)で表される少なくとも1種のアニオンをアニオン成分として含む化合物と下記式(I)
[NR (I)
〔式中、R〜Rは、同一又は異なって、アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基を示し、或いは、R及びRは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成してもよい。
但し、R〜Rは、以下(i)〜(iii)の条件を満たすものとする:
(i) R及びRが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはモルホリン環を形成する場合、R又はRのいずれかはアルコキシアルキル基であるか、もしくは炭素数3以上のアルキル基である;
(ii) R〜Rがピロリジン、ピペリジン環及びモルホリン環をいずれも形成しない場合、R〜Rの少なくとも1つはアルコキシ基、ポリエーテル基またはアルコキシアルキル基である;
(iii) R〜Rが同一または異なってメチルもしくはエチルの場合、Rは炭素数3〜10の直鎖又は分枝を有するアルキル基である。〕
で表される少なくとも1種の有機アンモニウムイオンをカチオン成分として含む化合物を混合することを特徴とするイオン性液体の製造法。

【図1】
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【図2】
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【国際公開番号】WO2005/063773
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【発行日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516633(P2005−516633)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019323
【国際出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】