説明

イソインドリノン誘導体の殺虫剤としての使用

式(I)


(式中、A1、A2、A3、R1及びmは、明細書に示した意味を有する)で示されるイソインドリノン誘導体の使用、新規イソインドリノン誘導体及びその数種の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソインドリノン誘導体の殺虫剤としての使用、新規なイソインドリノン誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のイソインドリノン誘導体が種々の生理活性を有することが知られている〔特開昭53−144570号公報、ドイツ特許出願公開第2831770号公報、J.Med.Chem.40,2858−2865(1997)、Bioorg.Med.Chem.5,2095−2102(1997)、Biomedicine & Pharmacotherapy 50,290−296(1996)、Anti−Cancer Drugs 5,207−212(1994)、Pharm.Res.4,21−27(1987)参照〕。
【0003】
また、有機化学の分野では、種々のイソインドリノン誘導体が合成され、研究されている〔例えば、J.Het.Chem.34,1371−1374(1997)、Bull.Chem.Soc.Jpn.59,2950−2952(1986)、Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis, Kimijas Serija,2,234−237(1983)、J.Org.Chem.40,2667−2674(1975)、J.Org.Chem.39,3924−3928(1974)、Khimiya Geterotsiklicheskikh Soedinenii,4,640−644(1969)、Aust.J.Chem.21,1375−1378(1968)、Bull.Soc.Chem.Belg.91,763−790(1982)、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,2149−2154(1988)、J.Het.Chem.22,449−451(1984)、Acta Chimica Hungarica,125,831−838(1988)、Pol.J.Chem.62,115−125(1988)、Heterocyclic Commun.3,175−181(1997)、Bull.Soc.Chim.Belg.92,965−993(1983)、Ind.J.Chem.20B,1039−1042(1981)、Ind.J.Chem.20B,751−754(1981)、Ind.J.Chem.15B,61−63(1977)、Chem.Ber.100,1073−1081(1967)参照〕。
【発明の開示】
【0004】
今般、次式(I):
【0005】
【化40】

〔式中、
a)Aは水素を表し、及び
は次の基
【0006】
【化41】

の一つを表すか、又は
b)A及びAは一緒になって次の基
【0007】
【化42】

の一つを形成し、
並びに
は−R又は基
【0008】
【化43】

を表し、
はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
mは0、1、2、3又は4を表し(但し、mが2以上の整数を表す場合には、Rは同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
は(場合によりアルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよい)アルキルを表し、
は水素又はアルキルを表し、
はハロゲン、アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)ハロアルキル;ハロアルコキシ又は(場合によりハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
nは0、1、2、3又は4を表す(但し、nが2以上の整数を表す場合には、Rは同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)。〕
で示される一群のイソインドリノン誘導体が殺虫活性を有することが知見された。
【0009】
本発明の式(I)に包含される次の式(IA)で示されるイソインドリノン誘導体は、現存する刊行物に記載されていない新規な化合物である。
【0010】

【0011】
【化44】

〔式中、
a)A11は水素を表し、及び
12は次の基
【0012】
【化45】

の一つを表すか、又は
b)A11及びA12は一緒になって次の基
【0013】
【化46】

の一つを形成し、
並びに
13は−R12又は基
【0014】
【化47】

を表し、
11はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
pは0、1、2、3又は4を表し(但し、pが2以上の整数を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12は(場合によりアルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよい)アルキルを表し、
13は水素又はアルキルを表し、
14はハロゲン、アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)ハロアルキル、ハロアルコキシ又は(場合によりハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
qは0、1、2、3又は4を表す(但し、qが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)。
但し、次の場合(E−1)から(E−11)を除く。
(E−1)
11が水素を表し、
12がアニリノを表し、
13がtert−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−2)
11が水素を表し、
12が2−フルオロ−4−メチルアニリノ又は3−トリフルオロメチルアニリノを表し、
13がn−ブチル又は3−メチルブチルを表す場合、
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にエチル、iso−プロピル、n−ブチル、1−メチル−n−ヘキシル又はn−ドデシルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−4)
11が水素を表し、
12がtert−ブチルアミノ又はジエチルアミノを表し、
13がメチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素原子を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−6)
11及びA12が一緒になってメチルイミノ又はエチルイミノを形成し、
13が2,6−ジ(イソプロピル)フェニルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−7)
11及びA12が一緒になって基=N−アルキルを形成し、
13が2,6−ジエチルフェニルを表し、並びに
pが0を表すか、又はpが1を表し及びR11が低級アルキルを表す場合、
(E−8)
11及びA12が一緒になってフェニルイミノを形成し、
13がメチル又はn−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を形成し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にC1−5アルキルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【0015】
【化48】

を形成し、
13が基
【0016】
【化49】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し及びR11がクロロ又はブロモを表す場合〕
【0017】
式(IA)で示される化合物は、
(A)A11が水素原子を表し、A12が次の基
【0018】
【化50】

の一つを表し、R12、R13、R14及びqが前記の定義と同じ定義を有する場合には、
式(II)
【0019】
【化51】

(式中、A13は−R12又は基
【0020】
【化52】

を表し、R11、R12、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、式(III)
H−A12a (III)
(式中、A12aは次の基
【0021】
【化53】

の一つを表し、R12、R13、R14及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物と、不活性溶媒の存在下で及び場合によって酸結合剤の存在下で反応させる方法、又は、
(B)R11がハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、及びR12がアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されているアルキルを表す場合には、
式(IAb)
【0022】
【化54】

〔式中、
a)A11bは水素原子を表し、及び
12bは次の基
【0023】
【化55】

の一つを表すか、又は
b)A11b及びA12bは一緒になって次の基
【0024】
【化56】

の一つを形成し、
並びに
13bは−R12b又は基
【0025】
【化57】

を表し、
11bはハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
12bはアルキルチオで置換されているアルキルを表し、並びに
13、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。〕
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下で過酸と反応させる方法、又は、
(C)A11とA12が一緒になって次の基
【0026】
【化58】

の一つを形成し、A13が−R12又は基
【0027】
【化59】

を表し、R12、R13、R14及びqが前記の定義と同じ定義を有する場合には、
式(IAc)
【0028】
【化60】

(式中、A12は次の基
【0029】
【化61】

の一つを表し、
13は−R12又は基
【0030】
【化62】

を表し、
11、R12、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下でシアン化物と反応させる方法、又は、
(D)A11及びA12が一緒になって次の基
【0031】
【化63】

の一つを形成し、A13が−R12又は基
【0032】
【化64】

を表し、R11がハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、R12がアルキルスルホニルで置換されているアルキルを表す場合には、
式(IAd)
【0033】
【化65】

〔式中、
a)A11dは水素を表し、及び
12dは次の基
【0034】
【化66】

の一つを表すか、又は
b)A11d及びA12dは一緒になって次の基
【0035】
【化67】

の一つを形成し、
並びに
13dは−R12b又は基
【0036】
【化68】

を表し、
11b、R12、R12b、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。〕
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下で酸化剤と反応させる方法
により、得ることができる。
【0037】
本発明の式(I)で示される化合物は、強い殺虫作用を示す。
【0038】
本明細書において、
「ハロゲン」並びに「ハロアルキル」及び「ハロアルコキシ」のハロゲン部分は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0039】
「アルキル」並びに「アルコキシ」、「アルキルチオ」、「アルキルスルフィニル」、「アルキルスルホニル」及び「アルキルスルホニルオキシ」のアルキル部分は、直鎖又は分岐鎖であることができ、例えば、メチル、エチル、n−もしくはiso−プロピル、n−、iso−、sec−もしくはtert−ブチル、n−、iso−、neo−もしくはtert−ペンチル、2−メチルブチル、n−、iso−もしくはsec−ヘキシルなどを挙げることができる。
【0040】
「ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素がハロゲンで置換された直鎖又は分岐鎖アルキルを表し、例として、例えば、1から9個のフルオロ及び/又はクロロで置換されたC1−6アルキルを挙げることができ、その具体例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、1−メチル−2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロブチル、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルなどを挙げることができる。
【0041】
「場合によりヒドロキシで置換されていてもよいハロアルキル」のハロアルキル部分は、前記の「ハロアルキル」と同じ定義であることができ、「場合によりヒドロキシで置換されていてもよいハロアルキル」の具体例としては、前記のハロアルキルの具体例の他に、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−エチルなどを挙げることができる。
【0042】
「ハロアルコキシ」のハロゲン置換アルキル部分は、前記の「ハロアルキル」と同じ定義であることができ、「ハロアルコキシ」の具体例としては、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどを挙げることができる。
【0043】
式(IA)で示される化合物において、好ましくは、
a)A11は水素を表し、及び
12は次の基
【0044】
【化69】

を表すか、又は
b)A11及びA12は一緒になって次の基
【0045】
【化70】

の一つを形成し、
並びに
13は−R12又は基
【0046】
【化71】

を表し、
11はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ又はニトロを表し、
pは0、1、2、3又は4を表し(但し、pが2以上の整数を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12は(場合によりC1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル又はC1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい)C1−6アルキルを表し、
13は水素又はC1−6アルキルを表し、
14はフルオロ、クロロ、C1−4アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)C1−4ハロアルキル;C1−4ハロアルコキシ又は(場合によりC1−4ハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
qは0、1、2、3又は4を表す(但し、qが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)。
但し、次の(E−1)から(E−11)の場合を除く。
(E−1)
11が水素を表し、
12がアニリノを表し、
13がtert−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−2)
11が水素を表し、
12が2−フルオロ−4−メチルアニリノ又は3−トリフルオロメチルアニリノを表し、
13がn−ブチル又は3−メチルブチルを表す場合、
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にエチル、iso−プロピル又はn−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−4)
11が水素を表し、
12がtert−ブチルアミノ又はジエチルアミノを表し、
13がメチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−6)
11及びA12が一緒になってメチルイミノ又はエチルイミノを形成し、
13が2,6−ジ(イソプロピル)フェニルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−7)
11及びA12が一緒になって基=N−C1−6アルキルを表し、
13が2,6−ジエチルフェニルを表し、並びに
pが0を表すか、又はpが1を表し及びR11がC1−4アルキルを表す場合、
(E−8)
11及びA12が一緒になってフェニルイミノを形成し、
13がメチル又はn−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にC1−5アルキルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【0047】
【化72】

を形成し、
13が基
【0048】
【化73】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し、及びR11がクロロ又はブロモを表す場合。
【0049】
式(IA)で示される化合物において、特に好ましくは、
a)A11は水素を表し、及び
12は次の基
【0050】
【化74】

の一つを表すか、
又は
b)A11及びA12は一緒になって次の基
【0051】
【化75】

の一つを形成し、
並びに
13は−R12又は基
【0052】
【化76】

を表し、
11はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルホニル、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又はニトロを表し、
pは0、1又は2を表し(但し、pが2を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12はiso−プロピル、1−メチル−2−(メチルチオ)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル、1−メチル−2−(メチルスルフィニル)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルスルフィニル)エチル、1−メチル−2−(メチルスルホニル)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチルを表し、
13は水素又はメチルを表し、
14はフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、パーフルオロイソプロピル又はトリフルオロメトキシを表し、
qは0、1、2又は3を表す(但し、qが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)。
但し、次の(E−3)、(E−5)及び(E−9)から(E−11)の場合を除く。
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にiso−プロピルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にiso−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【0053】
【化77】

を形成し、
13が基
【0054】
【化78】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し及びR11がクロロ又はブロモを表す場合。
【0055】
前記の製造方法(A)は、例えば、出発原料として3,4−ジクロロ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミンとを用いる場合には、次の反応スキームで説明することができる。
【0056】
【化79】

【0057】
前記の製造方法(B)は、例えば、出発原料として4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−クロロ過安息香酸とを用いる場合には、次の反応スキームで説明することができる。
【0058】
【化80】

【0059】
前記の製造方法(C)は、例えば、出発原料として4−クロロ−3−イソプロピルアミノ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとシアン化カリウムとを用いる場合には、次の反応スキームで説明することができる。
【0060】
【化81】

【0061】
前記の製造方法(D)は、例えば、出発原料として4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと過マンガン酸カリウムとを用いる場合には、次の反応スキームで説明することができる。
【0062】
【化82】

【0063】
前記の製造方法(A)で出発原料として使用される式(II)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、Tetrahedron,54,1497−1506(1998)、米国特許第4,164,406号公報などに記載されている方法に従って、例えば、式
【0064】
【化83】

(式中、A13は−R12又は基
【0065】
【化84】

を表し、
11、R12、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、ハロゲン化剤、例えば、塩化チオニル、塩化ホスホリルなど反応させることによって容易に製造することができる。
【0066】
前記の製造方法(A)で使用される式(III)で示される化合物(市販されている化合物を部分的に包含する。)は、有機化学の分野で周知の化合物であり、例えば、J.Org.Chem.29,1(1964)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.24,871(1985)、特開平第11−302233号公報、ドイツ特許出願公開第2045905号公報、国際公開第WO01/23350公報、J.Amer.Chem.Soc.60,2023−2025(1938)などに記載されている方法に従って容易に製造することができる。
【0067】
式(IV)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、Tetrahedron,56,4837−4844(2000)などの文献に記載されている方法に従って、例えば、式
【0068】
【化85】

(式中、A13は−R12又は基
【0069】
【化86】

を表し、
11、R12、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、有機リチウム化合物、例えば、sec−ブチルリチウムなど、及びN,N−ジメチルホルムアミドと反応させることによって容易に製造することができる。
【0070】
式(V)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、有機化学の分野で周知である酸アミドの製造方法に従って、式
【0071】
【化87】

(式中、Xはヒドロキシ又はクロロを表し、及びR11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示されるそれ自体公知の化合物を、式
13−NH (VII)
(式中、A13は−R12又は基
【0072】
【化88】

を表し、
12、R14及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物と、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下で反応させることによって容易に製造することができる。
【0073】
式(VII)で示される化合物は、式(III)で示される化合物に包含される同じ種類のアミンである。
【0074】
前記の製造方法(A)で出発原料として使用される式(II)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
3,7−ジクロロ−2−イソプロピル−2,3−ジヒドロ−イソインドール−1−オン、
3,7−ジクロロ−2−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3,7−ジクロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3,4−ジクロロ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
などを挙げることができる。
【0075】
前記の製造方法(A)で出発原料として使用される式(III)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン、
1−メチル−2−メチルチオエチルアミン、
イソプロピルアミン、
2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミン、
メチル−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]アミン、
エチル−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]アミン、
2,3,4−トリクロロフェニルアミン、
2−メチル−4−トリフルオロメトキシフェニルアミン
などを挙げることができる。
【0076】
式(II)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式
(IV)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
7−クロロ−3−ヒドロキシ−2−イソプロピル−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−3−ヒドロキシ−2−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−ヒドロキシ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−ヒドロキシ−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−ヒドロキシ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
などを挙げることができる。
【0077】
式(IV)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(V)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
2−クロロ−N−イソプロピルベンズアミド、
3−クロロ−N−イソプロピルベンズアミド、
2−クロロ−N−(1−メチル−2−メチルチオエチル)ベンズアミド、
3−クロロ−N−(1−メチル−2−メチルチオエチル)ベンズアミド、
3−クロロ−N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)ベンズアミド、
2−クロロ−N−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド、
3−クロロ−N−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド
などを挙げることができる。
【0078】
式(V)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(VI)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
2−クロロ安息香酸、
3−クロロ安息香酸、
2−クロロベンゾイルクロリド、
3−クロロベンゾイルクロリド
などを挙げることができる。
【0079】
また、式(IV)で示される化合物は、例えば、Tetrahedron,54,1497−1506(1998)などの文献に記載されている方法に従って、式
【0080】
【化89】

(式中、A13は−R12又は基
【0081】
【化90】

を表し、
11、R12、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、金属水素化物、例えば、水素化ホウ素ナトリウムなどと反応させることによっても容易に製造することができる。
【0082】
式(VIII)で示される化合物は、有機化学の分野で周知の化合物であり、文献、例えば、特開昭61−246161号公報などに記載されている方法により容易に製造することができる。
【0083】
式(IV)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(VIII)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
4−クロロ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]イソインドール−1,3−ジオン、
4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]イソインドール−1,3−ジオン
などを挙げることができる。
【0084】
また、A13が基
【0085】
【化91】

を表す場合の式(II)で示される化合物は、例えば、米国特許第4,164,406号公報などの文献に記載されている方法に従って、式
【0086】
【化92】

(式中、R11、R14、p及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、塩素化剤、例えば塩化チオニルなどと反応させることによって容易に製造することができる。
【0087】
式(IX)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、米国特許第4,164,406号公報などの文献に記載されている方法に従って、式
【0088】
【化93】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、式
【0089】
【化94】

(式中、R14及びqは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物と反応させることによって容易に製造することができる。
【0090】
式(IX)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、J.Org.Chem.,59,4042−4044(1994)、J.Org.Chem.,52,713−719(1987)、Chem.Rev.90,879−933(1990)などの文献に記載されている方法に従って、式
【0091】
【化95】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示されるそれ自体公知の化合物を、sec−ブチルリチウムの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドと反応させることにより容易に製造することができる。
【0092】
式(XI)で示される化合物は、式(III)に包含される化合物である。
【0093】
また、式(X)で示される化合物は、例えば、J.Org.Chem.59,4042−4044(1994)、J.Org.Chem.52,713−719(1987)、Chem.Rev.90,879−933(1990)などの文献に記載されている方法に従って、式
【0094】
【化96】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示されるそれ自体公知の化合物を、sec−ブチルリチウムの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドと反応させることにより容易に製造することができる。
【0095】
また、式(X)で示される化合物は、例えば、J.Org.Chem.,59,4042−4044(1994),J.Org.Chem.52,713−719(1987),Chem.Rev.90,879−933(1990)などの文献に記載されている方法に従って、式
【0096】
【化97】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示されるそれ自体公知の化合物を、sec−ブチルリチウムの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミドと反応させることにより容易に製造することができる。
【0097】
また、式(X)で示される化合物は、式
【0098】
【化98】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、酸条件下、例えば、塩酸を用いた酸条件下で脱保護することにより容易に製造することができる。
【0099】
式(XV)で示される化合物(その一部は、現存する文献に記載されていない新規化合物である。)は、例えば、J.Amer.Chem.Soc.1767−1769(1949)などの文献に記載されている方法に従って、式
【0100】
【化99】

(式中、R11及びpは前記の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、ナトリウムメトキシドの存在下で、2−ニトロプロパンと反応させることにより容易に製造することができる。
【0101】
式(II)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式
(IX)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
4−クロロ−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
7−クロロ−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
4−ヨード−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン
などを挙げることができる。
【0102】
式(IX)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(X)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
4−クロロ−3−ヒドロキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
7−クロロ−3−ヒドロキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
3−ヒドロキシ−4−ヨード−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
3−ヒドロキシ−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン
などを挙げることができる。
【0103】
式(IX)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(XI)で示される化合物は、式(III)に包含される化合物であり、その具体例としては、次の通り:
2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミン、
2,3,4−トリクロロフェニルアミン、
2−メチル−4−トリフルオロメチルフェニルアミン
などを挙げることができる。
【0104】
式(X)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(XII)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
2−クロロ安息香酸、
3−クロロ安息香酸、
2−フルオロ安息香酸、
3−フルオロ安息香酸、
2−トリフルオロメチル安息香酸、
3−トリフルオロメチル安息香酸、
2−トリフルオロメトキシ安息香酸、
3−トリフルオロメトキシ安息香酸
などを挙げることができる。
【0105】
式(X)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(XIII)で示される化合物の具体例としては、次の通り:2−(3−クロロ−フェニル)−[1,3]ジオキサンなどを挙げることができる。
【0106】
式(X)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(XIV)で示される化合物の具体例としては、次の通り:2−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミドなどを挙げることができる。
【0107】
式(X)で示される化合物の製造において出発原料として使用される式(XV)で示される化合物の具体例としては、次の通り:
3−メトキシ−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン、
4−ヨード−3−メトキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン
などを挙げることができる。
【0108】
前記の製造方法(B)で使用される式(IAb)で示される化合物は、式(IA)に包含される化合物であり、その具体例としては、次の通り:
7−クロロ−2−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1−メチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
などを挙げることができる。
【0109】
前記の製造方法(C)で使用される式(IAc)で示される化合物は、式(IA)に包含される化合物であり、その具体例としては、次の通り:
7−クロロ−2−イソプロピル−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−イソプロピルアミノ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1−メチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
などを挙げることができる。
【0110】
前記の製造方法(D)で使用される式(IAd)で示される化合物は、式(IA)に包含される化合物であり、その具体例としては、次の通り:
7−クロロ−2−イソプロピル−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1−メチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−イソプロピルアミノ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1−メチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン、
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン
などを挙げることができる。
【0111】
前記の製造方法(A)の反応は、適切な希釈剤中で実施することができる。その場合に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素(場合によっては塩素化されていてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)など;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)など;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミルなど;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)など;スルホン類、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなど;塩基、例えば、ピリジンなどを挙げることができる。
【0112】
製造方法(A)は、酸結合剤の存在下で実施することができ、使用できる酸結合剤としては、無機塩基として、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素酸塩など、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど;無機アルカリ金属アミド類、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドなど;有機塩基として、アルコラート、第三級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)など;有機リチウム化合物、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチル銅酸リチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムシクロヘキシルイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、n−ブチルリチウム・DABCO、n−ブチルリチウム・DBU、n−ブチルリチウム・TMEDAなどを挙げることができる。
【0113】
製造方法(A)は、実質的に広い範囲の温度で実施することができる。一般に、製造方法(A)は、約10℃から約80℃の範囲の温度、特に室温で実施することが好ましい。また、前記反応は、常圧下で実施することが望ましいが、加圧下又は減圧下で操作することもできる。
【0114】
製造方法(A)の実施において、目的化合物は、例えば、式(II)で示される化合物1モルに対し、式(III)で示される化合物1から2モル量を、希釈剤、例えばTHF中で、トリエチルアミンの存在下で反応させることによって得ることができる。
【0115】
製造方法(A)の実施において、式(I)で示される化合物は、式(IV)で示される化合物から出発し、式(II)で示される化合物を単離せずに反応を連続して行って得ることもでき、また、式(IA)で示される化合物も、式(IX)で示される化合物から出発し、式(II)の化合物を単離せずに反応を連続して行って得ることもできる。
【0116】
前記の製造方法(B)の反応は、適切な希釈剤中で実施することができる。その場合に使用される希釈剤の例としては、水;脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素(場合によっては塩素化されていてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)など;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)など;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど;アルコール類、例えば、メタノール、エタノ−ル、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコ−ルなど;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミルなど;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)など;スルホン類、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなど;塩基、例えば、ピリジンなど;有機酸類、例えば、ギ酸、酢酸などを挙げることができる。
【0117】
製造方法(B)は、実質的に広い範囲の温度で実施することができる。一般に、製造方法(B)は、約0℃から約100℃、特に約10℃から約50℃の範囲の温度で実施することが好ましい。前記の反応は、常圧下で実施することが望ましいが、加圧下又は減圧下で操作することもできる。
【0118】
製造方法(B)の実施において、式(IA)で示される化合物は、例えば、式(IAb)で示される化合物1モルに対し、過酸、例えば、3−クロロ過安息香酸1から2.5モル量を、希釈剤、例えば、ジクロロメタン中で反応させることによって得ることができる。
【0119】
前記の製造方法(C)の反応は、適切な希釈剤中で実施することができる。その場合に使用される希釈剤の例としては、エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)など;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)など;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミルなど;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)など;スルホン類、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなど;塩基、例えば、ピリジンなどを挙げることができる。
【0120】
製造方法(C)は、有機塩基の存在下で実施することができ、その場合に使用できる有機塩基としては、第三級アミン類、ジアルキルアミノアニリン類及びピリジン類、例えば、トリエチルアミン、1,1,4,4−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン(DBU)などを挙げることができる。
【0121】
製造方法(C)は、実質的に広い範囲の温度で実施することができる。一般に、製造方法(C)は、約0℃から約150℃、特に約50℃から約80℃の範囲の温度で実施することが好ましい。前記の反応は、常圧下で実施することが望ましいが、加圧下又は減圧下で操作することもできる。
【0122】
製造方法(C)の実施において、式(IA)で示される化合物は、例えば、式(IAc)で示される化合物1モルに対し、シアン化物、例えば、シアン化カリウム1から10モル量を、希釈剤、例えばDMF中で反応させることによって得ることができる。
【0123】
前記の製造方法(D)の反応は、適切な希釈剤中で実施することができる。その場合に使用される希釈剤の例としては、脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素(場合によっては塩素化されてもよい)、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなど;エーテル類、例えば、エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DGM)など;ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)など;ニトリル類、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど;エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸アミルなど;酸アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)など;スルホン類、スルホキシド類、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなど;塩基、例えば、ピリジンなどを挙げることができる。
【0124】
製造方法(D)は、実質的に広い範囲の温度で実施することができる。一般に、製造方法(D)は、約0℃から約150℃、特に約20から約70℃の範囲の温度で実施することが好ましい。前記の反応は、常圧下で実施することが望ましいが、加圧下又は減圧下で操作することもできる。
【0125】
製造方法(D)の実施において、(IA)で示される化合物は、例えば、式(IAd)で示される化合物1モルに対し、酸化剤、例えば、過マンガン酸カリウム2から10モル量を、例えば希釈剤、例えばアセトン中で反応させることによって得ることができる。
【0126】
本発明の活性化合物は、植物及び植物器官の保護に、収穫高の増大に、収穫物の品質の向上に適し、並びに農業、林業、園芸及びレジャー施設において、貯蔵製品及び材料の保護において及び衛生部門において遭遇する動物害虫、特に昆虫、クモ形動物及び線虫の防除に適し、良好な植物体許容性を有し及び温血種に対して都合の良い毒性を有し、しかも環境に十分に許容される。本発明の活性化合物は、好ましくは植物保護剤として使用し得る。本発明の活性化合物は、通常の感受性及び抵抗性の種に対して及び発育段階の全部又は幾つかの段階に対して活性である。
【0127】
本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、強い殺虫作用を示す。従って、前記化合物は、殺虫剤として使用できる。また、本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、栽培植物に対して薬害を与えることなく、栽培植物に寄生する有害昆虫に対して的確な防除効果を示す。本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、種々様々な害虫、例えば、有害な吸液昆虫、刺咬昆虫および他の植物寄生害虫、貯穀害虫、衛生害虫などの防除に使用することができ、それらの防除に施用することができる。
【0128】
このような害虫の例としては、次の害虫を挙げることができる:
昆虫として、
甲虫目(Coleoptera)害虫、例えば、アズキゾウムシ(Callosobruchus Chinensis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)、オオニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctomaculata)、トビイロムナボソコメツキ(Agriotes fuscicollis)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、デアブロチカ(Diabrotica)種、マツノマダラカミキリ(Manochamus alternatus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ヒラタキクイムシ(Lyctus bruneus);
鱗翅目(Lepidoptera)害虫、例えば、マイマイガ(Lymantria dispar)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、モンシロチョウ(Pieris rapae)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、ニカメイチユウ(Chilo suppressalis)、アワノメイガ(Pyrausta nubilalis)、スジダラメイガ(Ephestia cautella)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、カブラヤガ(Agrotis fucosa)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コナガ(Plutella maculipennis)、タバコガ(Heliothis virescens)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella);
半翅目(Hemiptera)害虫、例えば、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、Rhopalosiphum pseudobrassicas、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、Nazara spp.、トコジラミ(Cimex lectularius)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、キジラミ種(Psylla spp.);
直翅目(Orthoptera)害虫、例えば、チヤバネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、アフリカケラ(Gryllotalpa africana)、トノサマバッタ(Locusta migratoria migratorioides);
同翅目(Homoptera)害虫、例えばヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);
双翅目(Diptera)害虫、例えば、イエバエ(Musca domestica)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、タネバエ(Hylemia platura)、アカイエカ(Culex pipiens)、シナハマダラカ(Anopheles slnensis)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus
などを挙げることができる。
【0129】
また、ダニとしては、例えば、ダイズハダニ(Tetranychus telarius)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、ホコリダニ種(Tarsonemus spp.)などを挙げることができる。
【0130】
さらにまた、線虫としては、例えば、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus lignicolus Mamiya et Kiyohara)、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ネグサレセンチュウ種(Pratylenchus spp.)などを挙げることができる。
【0131】
また、獣医学の分野で、本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、種々の有害動物寄生害虫(内部寄生虫及び外部寄生虫)、例えば、昆虫類及び蠕虫に対して有効に使用することができる。このような動物寄生害虫の例としては、次の害虫を挙げることができる。
【0132】
昆虫としては、例えば、ウマバエ種(Gastrophilus spp.)、サシバエ種(Stomoxys spp.)、ケモノハジラミ種(Trichodectes spp.)、ロドニウス種(Rhodnius spp.)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)などを挙げることができる。
【0133】
ダニとしては、例えば、カズキダニ種(Ornithodoros spp.)、マダニ種(Ixodes spp.)、オウシマダニ種(Boophilus spp.)などを挙げることができる。
【0134】
本発明では、これらの全てを包含する害虫に対して殺虫作用を有する物質を、ある場合には殺虫剤と呼ぶ。
【0135】
全ての植物及び植物部分は、本発明に従って処理できる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解されるべきである。作物植物は、慣用の植物育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また植物育種者の権利によって保護し得るか又は保護し得ない植物変種であることができる。植物部分とは、地上及び地下の植物の全ての部分及び器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、挙げ得る例は葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎である。また、植物部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、地下茎、短匐枝及び種子も挙げられる。
【0136】
活性化合物による植物及び植物部分の本発明の処理は、直接に行うか又は該活性化合物を植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵空間に慣用の処理方法で作用させることによって、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布、塗布、注入によって作用させることによって行い、また繁殖材料の場合、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0137】
本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、殺虫剤として使用する場合、慣用の製剤形態に変えることができる。製剤形態としては、例えば、液剤、エマルジョン、水和剤、水和性顆粒剤、懸濁剤、粉剤、フォーム、ペースト剤、錠剤、粒剤、エアゾール、活性化合物含浸天然及び合成物質、マイクロカプセル剤、種子粉衣剤、燃焼装置と共に使用する製剤(例えば、燃焼装置としては、くん蒸及びくん煙カートリッジ、缶、コイルなど)、ULV〔コールドミスト(cold mist)、ウォームミスト(warm mist)〕などを挙げることができる。
【0138】
これらの製剤は、それ自体公知の方法に従って、例えば、有効成分化合物を、増量剤、すなわち液状希釈剤、液化ガス希釈剤、固形希釈剤又は担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤及び/又はフォーム形成剤と混合することによって製造することができる。
【0139】
増量剤として水を使用する場合には、例えば、有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。
【0140】
液状希釈剤又は担体としては、例えば、芳香族炭化水素(例えば、キシレン、トルエン、アルキルナフタレンなど)、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素(例えば、クロロベンゼン類、塩化エチレン類、塩化メチレンなど)、脂肪族炭化水素〔例えば、シクロヘキサンなど、又はパラフィン類(例えば、鉱油留分など)〕、アルコール類(例えば、ブタノール、グリコール類及びこれらのエーテル、エステルなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、強極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなど)、及び水を挙げることができる。
【0141】
液化ガス希釈剤又は担体は、常温及び常圧で気体である物質、例えば、エアゾール噴射剤、例えばブタン、プロパン、窒素ガス、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素を挙げることができる。
【0142】
固形希釈剤としては、例えば、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、珪藻土など)、粉砕合成鉱物(例えば、高分散ケイ酸、アルミナ、ケイ酸塩など)を挙げることができる。
【0143】
粒剤用の固形担体としては、例えば、粉砕及び分別岩石(例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石、ドロマイトなど)、無機及び有機物粉末の合成顆粒、有機物質(例えば、おがくず、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸、タバコ茎など)の粒子を挙げることができる。
【0144】
適切な乳化剤及び/又はフォーム形成剤としては、例えば、非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤〔例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、(例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類など)〕、及びアルブミン加水分解生成物などを挙げることができる。
【0145】
適切な分散剤としては、例えば、リグノ亜硫酸塩廃液、メチルセルロースなどが挙げられる。
【0146】
粘着付与剤も製剤(粉剤、粒剤、乳剤)に使用することができる。前記粘着付与剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然及び合成重合体(例えば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなど)を挙げることができる。
【0147】
着色剤も使用することができる。前記着色剤としては、例えば、無機顔料(例えば、酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルーなど)、有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料又は金属フタロシアニン染料、並びにさらに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を挙げることができる。
【0148】
前記製剤は、前記の有効成分化合物を一般には0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%の量で含有することができる。
【0149】
本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒入り餌、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、生長調整剤又は除草剤との混合剤として、例えば商業的に有用な製剤の形態で及びこのような製剤から調製される施用形態で存在させることもできる。ここで、前記の殺虫剤としては、例えば、有機リン剤、カルバメート剤、カーボキシレート系化学薬剤、塩素化炭化水素系化学薬剤、微生物によって生産される殺虫性物質などを挙げることができる。
【0150】
また、本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、相乗剤との混合剤としても存在させることができ、このような製剤及び施用形態は商業上有用であるということができる。前記相乗剤は、それ自体活性である必要はないが、活性化合物の作用を高める化合物である。
【0151】
商業的に有用な施用形態における本発明の式(I)で示される有効成分化合物の含有量は、広い範囲内で変化させることができる。
【0152】
施用時の本発明の式(I)で示される有効成分化合物の濃度は、例えば、0.0000001から100重量%、好ましくは0.00001から1重量%の範囲内であることができる。
【0153】
本発明の式(I)で示される有効成分化合物は、施用形態に適した常用の方法で施用することができる。
【0154】
衛生害虫及び貯蔵品害虫に対して使用する場合には、本発明の有効成分化合物は、木材及び土壌に対する優れた残留作用によって及び石灰散布した基層(substrate)上のアルカリに対して良好な安定性を有し、しかも木材及び土壌に対して優れた残効性を示す。
【0155】
前記で既に述べたように、本発明に従って全ての植物及びその部分を処理することができる。好ましい実施態様においては、野生植物種又は植物変種、又は慣用の生物学的育種法、例えば異種交配又はプロトプラスト融合法によって得られる植物変種及びこれらの部分が処理される。別の好ましい実施態様においては、遺伝子工学によって、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られるトランスジェニック植物及び植物変種(遺伝子組換え生物)、並びにこれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、前記で既に説明してある。
【0156】
いずれの場合にも市販されているか又は使用されている植物変種の植物が、本発明に従って処理されることが特に好ましい。植物変種とは、突然変異誘発によって又は組換えDNA法によって得られた新規な性質(「特性」)を有する植物と理解されるべきである。これらの植物変種はバイオタイプ又は遺伝子型であることができる。
【0157】
植物種又は植物変種、その生育場所及び栽培条件(土壌、気候、植物期間、養分)に応じて、本発明の処理はまた、付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用できる物質及び組成物の活性の増大、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、開花性能の増大、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を上回る。
【0158】
本発明に従って処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物変種(すなわち、遺伝子工学によって得られるトランスジェニック植物又は植物変種)としては、遺伝子組換えにおいてこれらの植物に特に都合のよい有用な性質を付与する遺伝子材料を受け入れた全ての植物が挙げられる。このような性質の例は、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫のより容易さ、促進された熟成、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。このような性質の別の例及び特に重視される例は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能であり、またある種の除草活性化合物に対する植物の高められた抵抗性である。挙げ得るトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、アブラナ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)であり、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びアブラナが挙げられる。重視される特性は、特に、植物内で形成された毒素、特にバシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにこれらの組み合わせ〕によって形成された毒素による昆虫、クモ形動物、線虫及び蠕虫に対する植物の高められた防衛能である(以下、「Bt植物」という)。また特に重視される特性は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類及び耐性遺伝子及びこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらに別の特に重視される特性は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシン(例えば、「PAT」遺伝子)に対する植物の高められた耐性である。当該所望の特性を付与する遺伝子はまた、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。挙げ得る「Bt植物」の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種であり、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種であり、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で栽培された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種が挙げられる。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物変種にも適用され、これらの植物は今後開発され及び/又は市販されるであろう。
【実施例】
【0159】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。しかし、本発明は決して実施例のみに限定されるべきものではない。
【0160】
合成例1
【0161】
【化100】

【0162】
3,4−ジクロロ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(4.0g)と、1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン(1.5g)とを、テトラヒドロフラン中で、トリエチルアミン(1.8g)の存在下で、室温で20時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、水及び飽和食塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.92g、mp.54から59℃)を得た。
【0163】
合成例2
【0164】
【化101】

【0165】
4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(510mg)をジクロロメタン中で、3−クロロ過安息香酸(405mg)と室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で処理した。分離した有機層を、飽和食塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、4−クロロ−3−(2−メタンスルホニル−1,1−ジメチルエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(410mg、mp.154から156℃)を得た。
【0166】
合成例3
【0167】
【化102】

【0168】
4−クロロ−3−イソプロピルアミノ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.3g)とシアン化カリウム(0.5g)とを、N,N−ジメチルホルムアミド中で120℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を冷却し、酢酸エチルに溶解し、水及び飽和食塩水溶液で連続して洗浄した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1で溶出)で精製して、4−クロロ−3−イソプロピルイミノ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(410mg)を得た。
【0169】
H−NMR(CDCl,400MHz):δ=0.94(3H,d,J=6.1Hz),1.01(3H,d,J=6.1Hz),2.32(3H,s),3.30−3.40(1H,m),7.41(1H,d,J=8.3Hz),7.54(1H,dd,J=8.0,7.4Hz),7.56(1H,br d,J=8.3Hz),7.60(1H,br s),7.69(1H,dd,J=8.0,0.9Hz),7.83(1H,dd,J=7.4,0.9Hz)ppm。
【0170】
合成例4
【0171】
【化103】

【0172】
4−クロロ−3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(1.5g)を、アセトン中で、過マンガン酸カリウム(6.7g)の存在下で1時間還流した。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、4−クロロ−3−(2−メタンスルホニル−1,1−ジメチルエチルイミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(660mg、mp.141から142℃)を得た。
【0173】
合成例5
【0174】
【化104】

【0175】
3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの約1対1の混合物(0.9g)を、アセトン中で、過マンガン酸カリウム(2.24g)の存在下で5時間還流した。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、4−ヨード−3−(2−メタンスルホニル−1,1−ジメチルエチルイミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.1g,mp.102から109℃、H−NMR(1))と、7−ヨード−3−(2−メタンスルホニル−1,1−ジメチルエチルイミノ)−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.4g、H−NMR(2))を得た。
【0176】
H−NMR(1)(CDCl,400MHz):δ=1.06(3H,s),1.22(3H,s),2.31(3H,s),2.91(3H,s),3.52(1H,d,J=4.0Hz),3.66(1H,d,J=4.0Hz),7.33(1H,dd,J=7.5,7.5Hz),7.39(1H,d,J=8.2Hz),7.60(1H,br d,J=8.2Hz),7.62(1H,br s),7.92(1H,dd,J=7.5,0.9Hz),8.25(1H,dd,J=7.5,0.9Hz)ppm。
【0177】
H−NMR(2)(DMSO−d6,400MHz):δ=1.66(3H,s),1.67(3H,s),2.00(3H,s),2.22(3H,s),3.35(2H,br s),7.61−7.65(3H,m),7.70(1H,br s),8.28(1H,d,J=7.9Hz),8.33(1H,dd,J=7.9Hz)ppm。
【0178】
合成例6
【0179】
【化105】

【0180】
3−クロロ−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−クロロ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの約1対1の混合物(2.7g)及び1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン(1.8g)を、テトラヒドロフラン中で、トリエチルアミン(1.8g)の存在下で室温で20時間撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、水及び飽和食塩水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ)−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミノ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの混合物(2.0g)を得た。この混合物を、さらに分離及び精製することなく次の反応に使用した。
【0181】
前記の合成例1から6と同じようにして得られた化合物を、以下の表1から5に合成例1から6で合成した化合物と共に示す。
【0182】
本発明の式(IA)で示される化合物が式
【0183】
【化106】

に対応する場合の化合物の例を表1に示し、
本発明の式(IA)で示される化合物が、式
【0184】
【化107】

に対応する場合の化合物の例を表2に示し、
本発明の式(IA)で示される化合物が式
【0185】
【化108】

に対応する場合の化合物の例を表3に示し、
本発明の式(IA)で示される化合物が式
【0186】
【化109】

に対応する場合の化合物の例を表4に示し、また、
本発明の式(IA)で示される化合物が式
【0187】
【化110】

に対応する場合の化合物の例を表5に示す。
【0188】
【表1】
















【0189】
【表2】
















【0190】
【表3】



























































【0191】
【表4】

【0192】
【表5】

【0193】
合成例7:中間体の製造
【0194】
【化113】

【0195】
4−クロロ−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−3H−イソベンゾフラン−1−オン(1.9g)を、塩化チオニル(10g)の存在下で3時間還流した。反応混合物を自然冷却した後に、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去し、さらにトルエンを加えて減圧下で留去する操作を3回繰り返して、3,4−ジクロロ−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(2.0g)を得た。これは、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【0196】
合成例8:中間体の製造
【0197】
【化114】

【0198】
4−クロロ−3−ヒドロキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(1.0g)と2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミン(1.6g)とのメタノール溶液を、16時間還流した。反応混合物を室温まで自然冷却した後に、溶媒を減圧下で留去した。残留物をヘキサンとエーテルの混合溶媒で洗浄しながら濾取して、4−クロロ−3−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニルアミノ]−3H−イソベンゾフラン−1−オン(1.9g、mp.229から231℃)を得た。
【0199】
合成例9:中間体の製造
【0200】
【化115】

【0201】
2−(3−クロロフェニル)−[1,3]ジオキソラン(17g)のテトラヒドロフラン溶液を、−78℃に冷却し、これにsec−ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液(1モル/THF1リットル、96ml)を滴加した。この反応溶液を、ドライアイスで満たしたテトラヒドロフラン溶液に加え、混合物を室温に昇温するまで撹拌した。反応終了後、溶媒を留去した。6N塩酸水溶液を加えた後に、反応溶液を室温で8時間攪拌し、次いで80℃で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水洗し、次いで飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1)で精製して、7−クロロ−3−ヒドロキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(3.6g、mp.
140から145℃)を得た。
【0202】
合成例10:中間体の製造
【0203】
【化116】

【0204】
3−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミド(5.0g)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(3.0g)とのテトラヒドロフラン溶液を−78℃に冷却し、これにsec−ブチルリチウムのテトラヒドロフラン溶液(1モル/THF1リットル、26ml)を滴加した。反応溶液を−78℃で1時間撹拌した後に、N,N−ジメチルホルムアミド(7.4g)のテトラヒドロフラン溶液を加え、室温に昇温するまで撹拌した。反応終了後、反応溶液を、1N塩酸水溶液を加え、反応溶液を酢酸エチルで抽出した後に、溶媒を留去して、4−クロロ−3−ヒドロキシ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(2.8g、mp.120から122℃)を得た。
【0205】
合成例11:中間体の製造
【0206】
【化117】

【0207】
3−メトキシ−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(3.1g)を6N塩酸水溶液に懸濁し、3時間還流した。室温まで冷却し、水で希釈した後に、反応溶液を酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去した後に、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1)で精製して、3−ヒドロキシ−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(2.0g、mp.153から156℃)を得た。
【0208】
合成例12:中間体の製造
【0209】
【化118】

【0210】
2−ブロモメチル−3−ニトロ安息香酸メチル(13.5g)と2−ニトロプロパン(4.6g)との無水メタノール溶液に、ナトリウムメトキシド(9.5g)の無水メタノール溶液を加え、4時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後に、溶媒を減圧下で留去した。残留物を水洗し、濾過した。得られた沈殿物を乾燥して、3−メトキシ−4−ニトロ−3H−イソベンゾフラン−1−オン(10g、mp.115から118℃)を得た。
【0211】
合成例13:中間体の製造
【0212】
【化119】

【0213】
7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オン(0.8g)と塩化チオニル(1.7g)とを、酢酸エチル中で3時間還流した。反応終了後、溶媒を留去して、3,7−ジクロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−2,3−ジヒドロインドール−1−オン(0.9g)を得た。これは、さらに精製せずに次の反応に使用した。
【0214】
合成例14:中間体の製造
【0215】
【化120】

【0216】
2−クロロ−N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)ベンズアミド(1.8g)とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(1.8g)とを無水THFに溶解し、これに−78℃で、sec−ブチルリチウムの1モルテトラヒドロフラン溶液(15ml)を滴加し、反応混合物を上記と同じ温度で1時間撹拌した。N,N−ジメチルホルムアミド(1.1g)を加えた後に、反応溶液を撹拌しながら室温まで加温した。反応終了後、反応溶液を、1N塩酸水溶液を加えた後に酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、次いで飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、7−クロロ−2−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)−3−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロインドール−1−オン(1.5g、mp.141から142℃)を得た。
【0217】
合成例15:中間体の製造
【0218】
【化121】

【0219】
2−クロロベンゾイルクロリド(3.0g)と1,1−ジメチル−2−メチルチオエチルアミン(2.0g)とを、ジクロロメタン中で、トリエチルアミン(2.6g)の存在下に室温で4時間撹拌した。反応終了後、有機層を水洗し、次いで飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、2−クロロ−N−(1,1−ジメチル−2−メチルチオエチル)ベンズアミド(4.0g、mp.83から86℃)を得た。
【0220】
合成例16:中間体の製造
【0221】
【化122】

【0222】
3−クロロ安息香酸(1.0g)、2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アニリン(1.8g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.2g)を、ジクロロエタン中で、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.8g)の存在下に室温で2日間撹拌した。反応終了後、有機層を水洗し、次いで飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後に、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、酢酸エチルで溶出)で精製して、3−クロロ−N−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]ベンズアミド(2.5g、mp.74から76℃)を得た。
【0223】
合成例17:中間体の製造
【0224】
【化123】

【0225】
3−ヒドロキシ−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−ヒドロキシ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの1対1混合物(5.5g)及び塩化チオニル(2.5g)を、ジクロロエタン中で、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドの存在下で3時間還流した。反応終了後、溶媒を留去して、3−クロロ−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−クロロ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの混合物(5.6g)を得た。この混合物を、さらに精製することなく次の反応に使用した。
【0226】
合成例18:中間体の製造
【0227】
【化124】

【0228】
4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]イソインドール−1,3−ジオン(5.4g)をメタノール(150ml)中で0℃で撹拌し、これに水素化ホウ素ナトリウム(0.2g)を徐々に加えた。反応溶液を室温で8時間撹拌した後、水を加え反応を終結させた。溶媒を減圧下で留去し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解した。有機層を水、次いで飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、3−ヒドロキシ−4−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンと3−ヒドロキシ−7−ヨード−2−[2−メチル−4−(1,2,2,2−テトラフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)フェニル]−2,3−ジヒドロイソインドール−1−オンとの混合物(5.1g)を得た。この混合物は、さらに分離し、精製することなく次の反応に使用した。
【0229】
生物試験例1:ハスモンヨトウの幼虫に対する試験
供試溶液の調製:
溶 媒:ジメチルホルムアミド3重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を調製するために、活性化合物1重量部を、上記の量の乳化剤を含有する上記の量の溶媒と混合し、得られた混合物を水で所定の濃度に希釈した。
試験方法:
サツマイモの葉を、水で所定濃度まで希釈した供試溶液に浸し、風乾し、及び直径9cmのシャーレに入れた。3齢のハスモンヨトウ(Spodoptera litura)の幼虫10匹をサツマイモの葉の上に置き、25℃の一定温度の部屋で飼育した。2日後及び4日後に、さらにサツマイモの葉を加え、7日後に死んだ幼虫の数を数えて、死虫率を算出した。
【0230】
この試験では、1区シャーレ2個の結果を平均した。
試験結果
具体例として、化合物番号1−34、1−35、1−36、1−50、1−55、1−57、2−29、2−32、2−35、2−141、2−144、2−172、3−119、3−225、3−226、3−228、3−229、3−231、3−677及び3−679の化合物は、20ppmの有効成分濃度で100%の死虫率を示した。
【0231】
製剤例1(粒剤)
本発明の化合物(1−34)10部、ベントナイト(モンモリロナイト)30部、タルク58部及びリグニンスルホン酸塩2部の混合物に、水25部を加え、十分に混練りし、押出し造粒機で10から40メッシュの顆粒に調製し、40から50℃で乾燥して粒剤を得た。
【0232】
製剤例2(粒剤)
0.2から2mmの範囲内の粒径分布を有する粘土鉱物粒子95部を回転混合機に入れ、これを回転させながら、本発明の化合物(1−34)5部を液状希釈剤と一緒に噴霧し、均一に湿らせ、40から50℃で乾燥して粒剤を得た。
【0233】
製剤例3(乳剤)
本発明の化合物(1−34)30部、キシレン55部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル8部及びアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム7部を、混合し、撹拌して乳剤を得た。
【0234】
製剤例4(水和剤)
本発明の化合物(1−34)15部、ホワイトカーボン(含水無定形酸化ケイ素微細粉末)と粉末クレーの混合物(1:5)80部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部及びアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム−ホルマリンの縮合物3部を、粉砕し、混合し、水和剤を得た。
【0235】
製剤例5(水和性顆粒剤)
本発明の化合物(1−34)20部、リグニンスルホン酸ナトリウム30部、ベントナイト15部及び焼成ケイソウ土粉末35部を十分に混合し、水を加え、0.3mmの篩を用いて押し出し、乾燥して、水和性顆粒剤を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
a)Aは水素を表し、及び
は次の基
【化2】

の一つを表すか、又は
b)A及びAは一緒になって次の基
【化3】

の一つを形成し、
並びに
は−R又は基
【化4】

を表し、
はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
mは0、1、2、3又は4を表し(但し、mが2以上の整数を表す場合には、Rは同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
は(場合によりアルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよい)アルキルを表し、
は水素又はアルキルを表し、
はハロゲン、アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)ハロアルキル、ハロアルコキシ又は(場合によりハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
nは0、1、2、3又は4を表す(但し、nが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)。〕
で示されるイソインドリノン誘導体の殺虫剤としての使用。
【請求項2】
式(IA)
【化5】

〔式中、
a)A11は水素を表し、及び
12は次の基
【化6】

の一つを表すか、又は
b)A11及びA12は一緒になって次の基
【化7】

の一つを形成し、
並びに
13は−R12又は基
【化8】

を表し、
11はハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
pは0、1、2、3又は4を表し(但し、pが2以上の整数を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12は(場合によりアルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよい)アルキルを表し、
13は水素又はアルキルを表し、
14はハロゲン、アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)ハロアルキル、ハロアルコキシ又は(場合によりハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
qは0、1、2、3又は4を表し(但し、qが2以上の整数を表す場合には、Rは同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
但し、次の(E−1)から(E−11)の場合を除く。
(E−1)
11が水素を表し、
12がアニリノを表し、
13がtert−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−2)
11が水素を表し、
12が2−フルオロ−4−メチルアニリノ又は3−トリフルオロメチルアニリノを表し、
13がn−ブチル又は3−メチルブチルを表す場合、
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にエチル、iso−プロピル、n−ブチル、1−メチル−n−ヘキシル又はn−ドデシルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−4)
11が水素を表し、
12がtert−ブチルアミノ又はジエチルアミノを表し、
13がメチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−6)
11及びA12が一緒になってメチルイミノ又はエチルイミノを形成し、
13が2,6−ジ(イソプロピル)フェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−7)
11及びA12が一緒になって基=N−アルキルを形成し、
13が2,6−ジエチルフェニルを表し、並びに
pが0を表すか、又はpが1を表し及びR11が低級アルキルを表す場合、
(E−8)
11及びA12が一緒になってフェニルイミノを形成し、
13がメチル又はn−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にC1−5アルキルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【化9】

を形成し、
13が基
【化10】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し及びR11がクロロ又はブロモを表す場合〕
で示されるイソインドリノン誘導体。
【請求項3】
a)A11が水素を表し、及び
12が次の基
【化11】

の一つを表すか、又は
b)A11及びA12が一緒になって次の基
【化12】

の一つを形成し、
並びに
13が−R12又は基
【化13】

を表し、
11がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニルオキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ又はニトロを表し、
pが0、1、2、3又は4を表し(但し、pが2以上の整数を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12が(場合によりC1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル又はC1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい)C1−6アルキルを表し、
13が水素又はC1−6アルキルを表し、
14がフルオロ、クロロ、C1−4アルキル、(場合によりヒドロキシで置換されていてもよい)C1−4ハロアルキル;C1−4ハロアルコキシ又は(場合によりC1−4ハロアルキルで置換されていてもよい)フェニルを表し、
qが0、1、2、3又は4を表し(但し、qが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
但し、次の(E−1)から(E−11)の場合:
(E−1)
11が水素を表し、
12がアニリノを表し、
13がtert−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−2)
11が水素を表し、
12が2−フルオロ−4−メチルアニリノ又は3−トリフルオロメチルアニリノを表し、
13がn−ブチル又は3−メチルブチルを表す場合、
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にエチル、iso−プロピル又はn−ブチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−4)
11が水素を表し、
12がtert−ブチルアミノ又はジエチルアミノを表し、
13がメチルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素原子を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−6)
11及びA12が一緒になってメチルイミノ又はエチルイミノを形成し、
13が2,6−ジ(イソプロピル)フェニルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−7)
11及びA12が一緒になって基=N−C1−6アルキルを表し、
13が2,6−ジエチルフェニルを表し、並びに
pが0を表すか、又はpが1を表し及びR11がC1−4アルキルを表す場合、
(E−8)
11及びA12が一緒になってフェニルイミノを形成し、
13がメチル又はn−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にC1−5アルキルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【化14】

を形成し、
13が基
【化15】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し、及びR11がクロロ又はブロモを表す場合、
を除く、請求項2に記載の式(IA)で示されるイソインドリノン誘導体。
【請求項4】
a)A11が水素を表し、及び
12が次の基
【化16】

の一つを表すか、又は
b)A11及びA12が一緒になって次の基
【化17】

の一つを形成し、
並びに
13が−R12又は基
【化18】

を表し、
11がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルホニル、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又はニトロを表し、
pが0、1又は2を表し(但し、pが2を表す場合には、R11は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
12がiso−プロピル、1−メチル−2−(メチルチオ)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルチオ)エチル、1−メチル−2−(メチルスルフィニル)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルスルフィニル)エチル、1−メチル−2−(メチルスルホニル)エチル、1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチルを表し、
13が水素又はメチルを表し、
14がフルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、パーフルオロイソプロピル又はトリフルオロメトキシを表し、
qが0、1、2又は3を表し(但し、qが2以上の整数を表す場合には、R14は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。)、
但し、次の場合(E−3)、(E−5)及び(E−9)から(E−11):
(E−3)
11が水素を表し、
12が基−NH−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にiso−プロピルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−5)
11が水素を表し、
12がアニリノ又は2−メチルアニリノを表し、
13がフェニルを表し、及び
pが0を表す場合、
(E−9)
11及びA12が一緒になって基=N−R12を表し、
13が−R12を表し、
12が、前記の基において、同時にiso−プロピルを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−10)
11及びA12が一緒になって4−メチルアニリノを形成し、
13がアニリノ又は4−メチルアニリノを表し、並びに
pが0を表す場合、
(E−11)
11及びA12が一緒になって基
【化19】

を形成し、
13が基
【化20】

を表し、
14が、前記の基において、それぞれ独立してメチル又はクロロを表し、
qが0又は1を表し、並びに
pが1を表し及びR11がクロロ又はブロモを表す場合、
を除く、請求項2に記載の式(IA)で示されるイソインドリノン誘導体。
【請求項5】
(A)A11が水素原子を表し、A12が次の基
【化21】

の一つを表し、R12、R13、R14及びqが請求項2に記載の定義と同じ定義を有する場合には、
式(II)
【化22】

(式中、A13は−R12又は基
【化23】

を表し、R11、R12、R14、p及びqは請求項2に記載の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、式(III)
H−A12a (III)
(式中、A12aは次の基
【化24】

の一つを表し、R12、R13、R14及びqは請求項2に記載の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物と、不活性溶媒の存在下で及び場合によって酸結合剤の存在下で反応させることを特徴とする、又は、
(B)R11がハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、及びR12がアルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されているアルキルを表す場合には、
式(IAb)
【化25】

〔式中、
a)A11bは水素原子を表し、及び
12bは次の基
【化26】

の一つを表すか、又は
b)A11b及びA12bは一緒になって次の基
【化27】

の一つを形成し、
並びに
13bは−R12b又は基
【化28】

を表し、
11bはハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、
12bはアルキルチオで置換されているアルキルを表し、並びに
13、R14、p及びqは請求項2に記載の定義と同じ定義を有する。〕
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下で過酸と反応させることを特徴とする、又は、
(C)A11及びA12が一緒になって次の基
【化29】

の一つを形成し、A13が−R12又は基
【化30】

を表し、R12、R13、R14及びqが請求項2に記載の定義と同じ定義を有する場合には、
式(IAc)
【化31】

(式中、A12は次の基
【化32】

の一つを表し、
13は−R12又は基
【化33】

を表し、
11、R12、R14、p及びqは請求項2に記載の定義と同じ定義を有する。)
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下でシアン化物と反応させることを特徴とする、又は、
(D)A11及びA12が一緒になって次の基
【化34】

の一つを形成し、A13が−R12又は基
【化35】

を表し、R11がハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロを表し、並びにR12がアルキルチオで置換されているアルキルを表す場合には、
式(IAd)
【化36】

〔式中、
a)A11dは水素を表し、及び
12dは次の基
【化37】

の一つを表すか、又は
b)A11d及びA12dは一緒になって次の基
【化38】

の一つを形成し、
並びに
13dは−R12b又は基
【化39】

を表し、
11b、R12、R12b、R14、p及びqは請求項2に記載の定義と同じ定義を有する。〕
で示される化合物を、不活性溶媒の存在下で酸化剤と反応させることを特徴とする、
請求項2に記載の式(IA)で示される化合物の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物を昆虫及び/又はその生息環境に作用させることを特徴とする、昆虫の防除方法。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、増量剤及び/又は界面活性剤とを含有してなることを特徴とする、有害生物防除剤。
【請求項8】
請求項2に記載の式(IA)で示される化合物の少なくとも1種と、増量剤及び/又は界面活性剤とを含有してなることを特徴とする、有害生物防除剤。
【請求項9】
昆虫を防除するための請求項2に記載の式(IA)で示される化合物の使用。
【請求項10】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物を増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、殺虫剤組成物の製造方法。

【公表番号】特表2006−527172(P2006−527172A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508198(P2006−508198)
【出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005600
【国際公開番号】WO2004/110149
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】