説明

イソソルビド含有ポリエステル

【課題】効率的かつ経済的な連続法により、市場の要請に応えた優良な樹脂品質を有するイソソルビド含有ポリエステルを得る。
【解決手段】本発明は、(a)イソソルビドの均質水溶液を入手し;(b)工程(a)の均質水溶液を反応器に供給し;(c)グリコール(イソソルビドを含んでも含まなくてもよい)及びジカルボン酸を、工程(a)の水溶液中に、又は工程(b)の反応器中に工程(b)の前、間及び/若しくは後に供給し;(d)エステル化を行うのに充分な温度及び圧力において且つ場合によっては適当な触媒の存在下で反応器内容物をエステル化し;(e)プレポリマーを生成せしめ;そして(f)重縮合を行ってポリエステルを形成するのに充分な温度及び圧力において適当な触媒の存在下で前記プレポリマーを重縮合することによって製造されるポリエステルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイソソルビド部分を含むポリエステルに関する。更に詳しくは、本発明は、イソソルビドを、ポリエステルを重合させる反応器に供給する前に、水に溶解させることによって得られるイソソルビド含有ポリエステルに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、繊維、フィルム、シート材料、自動車部品並びに食品及び飲料容器のような用途のための押出及び射出成形樹脂として、広く使用されている。ポリエステルの製造において、グリコール及びジカルボン酸は周囲条件において固体であることが多いので、これらのモノマーの反応器への供給に関しては取り扱い上の問題が生じる。
【0003】
ポリエステル製造プロセスへの従来のモノマー供給材料はスラリー、メルト又は直接固体状供給材料である。
【0004】
イソソルビドは、ある種のポリエステル中に組み込むためのモノマーとして当業界で一般に知られている。イソソルビドはエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む他のジオールの部分的代替物としての役割を果たすことができるジオールである。イソソルビドはテレフタロイル部分を含むポリエステル中にモノマーとして組み込むことができる。イソソルビドは、ポリマーのガラス転移温度をより高くすることによって、ある種のポリエステルの熱的性質を向上させる。このモノマーはまた、従来のポリエステルが同じ機能を果たすことができない種々の用途においてポリマーの性能を向上させることができる。これらの性質はPET硬質容器及び熱可塑性樹脂などのような市場に価値を与える。
【0005】
イソソルビド部分、エチレングリコール部分及びテレフタロイル部分を含むコポリマーはこれまでにも開示されているが、その例は限られている。エチレングリコール対イソソルビドのモル比が約90:10であるこれらの3つの部分を含むコポリマーは、特許文献1に報告された。このポリマーは、ポリプロピレン繊維の可染性を向上させるためにポリプロピレンとのブレンドの少量成分(約10%)として使用されている。これは、テレフタル酸ジメチル、エチレングリコール及びイソソルビドの溶融重合によって製造されたが、特許文献1にはプロセス条件は一般的にしか記載されていない。
【0006】
特許文献2は、エステル交換反応によってジオールをジメチルエステルのメチル基と交換させるエステル交換触媒の存在下においてジオール(イソソルビドを含む)を二酸のジメチルエステルと混合するイソソルビド含有ポリエステルの重合方法を記載している。この触媒は、最初に反応体に含ませることができ、且つ/又は加熱しながら、混合物に1回又は複数回添加することができる。特許文献2もモノマーの一部を重合反応開始時に過剰量で含ませる必要がある場合があること及び反応の進行中に蒸留によって除去する必要がある場合があることを教示している。
【0007】
特許文献3はポリエステルポリマー及び前記ポリエステルの製造方法を記載している。この製造方法において、ポリエステルは、(1)二酸部分を含むモノマー;ジオール部分を含むモノマー;及びイソソルビド部分を含むモノマーを、芳香族二酸及びジオールを縮合するのに適当な縮合触媒と反応器中で合し;そして(2)前記モノマー及び触媒を加熱してモノマーを重合して、少なくとも約0.15dL/gのインヘレント粘度を有するポリエステルを生成させることによって調製される。特許文献3はプロセスの最初におけるポリエステル(イソソルビドを含む)を含むモノマーの混合を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ドイツ国特許出願公開第1,263,981号(1968年)
【特許文献2】米国特許第6,063,464号
【特許文献3】PCT公表出願 WO 99/54119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
イソソルビド含有ポリエステルの市場は優良な樹脂品質を必要としている。樹脂品質が優良であるか否かは高純度の材料からの製品であること及び効率的で経済的な連続法によって製造される樹脂であることによる。効率的で経済的な方法に関しては、従来の溶融相ポリエステル製造装置に容易に組み込まれる方法を提供することが重要である。このためには、イソソルビドモノマーをその製造場所からそれが使用されるポリエステル製造プロセスに運搬し且つ貯蔵する実用的な方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
グリコール成分の一部としてイソソルビドを含むポリエステルを製造する方法において、イソソルビドを水に溶解させて、イソソルビドの均質な水溶液を生成させる。ここで「均質な」とは、イソソルビドが水中に完全に溶解することを意味する。この水溶液を反応器に供給する。他のジオール及びジカルボン酸成分はいずれも、イソソルビドの水溶液に添加し、次いで反応器に供給するか、又は別個に反応器に添加する。反応器の内容物を、エステル化を行うのに充分な温度及び圧力において且つ、場合によっては、適当な触媒の存在下でエステル化する。次に、重縮合を行ってポリエステルを生成せしめるのに充分な温度及び圧力において適当な触媒の存在下でプレポリマーを重縮合させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、イソソルビドを反応器中にスラリー又は固体として供給するのに比べて、イソソルビドの取り扱いが容易であるという利点を提供する。スラリーは一般に、ポンプ輸送が難しく、また、供給材料中に一貫したモノマー濃度を保持することが困難である。固体イソソルビドは極めて吸湿性である。これはまた一定濃度を供給するのに問題となる。溶液は貯蔵、運搬、計量供給が可能であると共に、固体又はスラリーよりもはるかに容易に均質で汚染のない状態に維持することができる。従って、イソソルビド溶液を貯蔵し、運搬し、計量供給し且つ取り扱うための装置コストは、イソソルビドをスラリー又は固体として取り扱うのに必要な装置コストに比較してかなり削減される。
【0012】
本発明の更なる利点は、本発明がポリエステル製造プロセスに与える影響の少ない方法であることを含む。イソソルビドは、液体として貯蔵することができ、且つポリエステル製造プロセスのエステル化部分に容易にポンプ輸送することができる。典型的には、ジカルボン酸モノマーは固体であることが多く、液体グリコールモノマー中に溶解されるか、又は液体グリコールモノマーをキャリヤーとして用いてスラリーとしてポリエステル製造プロセスのエステル化部分に供給される。イソソルビドを含むポリマーの製造においては、任意の他の液体グリコールモノマーに加えて、イソソルビドの水溶液が容易にキャリヤーの役割をすることができる。エステル化の間に、水が反応副生成物として生成されるが、これはプロセスから除去しなければならない。イソソルビドと共に供給される水は容易に除去し得る。
【0013】
従って、本発明は、これらに限定するものではないが、(1)モノマーをその製造場所から、それが使用されるポリエステル製造プロセスに運搬し且つ貯蔵する実用的な方法;(2)イソソルビド及び/又は他の水溶液モノマーを溶解させる溶媒;並びに/又は(3)非水溶性モノマーのスラリーのためのキャリヤーを含む、先行技術より優れたいくつかの利点を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下の工程:
(a)イソソルビドの均質水溶液を入手し;
(b)工程(a)の均質水溶液を反応器に供給し;
(c)1種若しくはそれ以上のグリコール(イソソルビドを含んでも含まなくてもよい)及び1種若しくはそれ以上のジカルボン酸を、工程(a)の水溶液中に、又は工程(b)の前に、工程(b)の間に及び/若しくは工程(b)の後に、工程(b)の反応器中に供給し;
(d)エステル化を行うのに充分な温度及び圧力において且つ、場合によっては、適当な触媒の存在下で反応器内容物をエステル化し;
(e)プレポリマーを生成せしめ;そして
(f)重縮合を行ってポリエステルを生成せしめるのに充分な温度及び圧力において適当な触媒の存在下で前記プレポリマーを重縮合する
ことを含んでなる方法によって得られるポリエステルに関する。
【0015】
本発明において有用なイソソルビドモノマーはジオール、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトールである。イソソルビドモノマーの構造は以下に示す通りである。イソソルビドモノマーは、糖類及びデンプンのような再生可能資源から製造される。例えば、イソソルビドは、グルコースから直接得られるソルビトールの脱水反応によって生成される。グルコースは、トウモロコシから抽出されたデンプンの酵素加水分解によって得られる。イソソルビドは毎年再生可能な材料から製造されるジオールである。イソソルビドは以下の構造を有する。
【0016】
【化1】

【0017】
本発明の工程(a)において、イソソルビドの均質水溶液は、水中のイソソルビド濃度が約1〜約99重量%、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%(水とイソソルビドの総重量は100重量%である)となるようにイソソルビドを水と混合することによって得ることができる。イソソルビドの均質水溶液は商業的に入手することもできる。イソソルビドと水との機械的混合は必要ない。しかし、公知の任意の従来の混合手段によってイソソルビドをより迅速に溶解させるためにイソソルビドを水と機械的に混合することができる。好ましい方法は、イソソルビドを周囲条件において溶解させるものである。別の好ましい方法は調製及び単離の間の完全な乾燥を回避するものである。イソソルビドは一般に水系において製造されるので、水溶液のイソソルビドは本発明に直接使用できる。
【0018】
工程(b)及び(c)に示されるように、工程(a)のイソソルビド水溶液は反応器に供給するが、(1)他のモノマー及び/若しくは添加剤は前記水溶液中に存在しないか、又は(2)水溶性添加剤及び/若しくは水溶性モノマー(イソソルビドを含んでも含まなくてもよい)はイソソルビド水溶液中に溶解されるか、又は(3)非水溶性モノマー及び/若しくは非水溶性添加剤が、反応器への供給前にイソソルビド水溶液中にスラリー化されていてもされていなくてもよい。しかし、イソソルビドは、全ての他のモノマー又は添加剤の添加前に水中に溶解されるのが好ましい。ここで「水溶液」とは、所定濃度において単相液体が形成されることを意味し、「非水溶性」とは、所定濃度において単相液体が形成されないことを意味する。
【0019】
特に意外なのは、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び/又はエチレングリコールのような他のモノマーがイソソルビド水溶液に添加される場合に、イソソルビドが溶液から沈殿しないことである。また、イソソルビド水溶液は、耐凍結性、耐結晶性及び加工可能粘度(ポンプ輸送性及び流動性)のような優れた溶液安定性を提供する。本発明においては、他のモノマー若しくはポリエステル添加剤の添加前に、又はエチレングリコールのようなある種のモノマーの添加後であってイソソルビド水溶液を反応器に供給する前に、イソソルビド水溶液を貯蔵することは随意である。イソソルビド水溶液の貯蔵条件は周囲条件であることが好ましい。イソソルビド水溶液を反応器に供給するための反応条件は周囲条件又は比較的高温であることができる。
【0020】
ポリエステルは一般に少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも1種のグリコールとを含む。本発明のポリエステルの製造においてはイソソルビド以外のモノマーをイソソルビドと共に使用する。これらのモノマーは一般にイソソルビド以外の少なくとも1種のグリコール及び少なくとも1種のジカルボン酸を含む。イソソルビド以外の、本発明において有用なグリコールとしては、炭素数が好ましくは6〜20の脂環式ジオール又は炭素数が好ましくは2〜20の、より好ましくは2〜12の脂肪族ジオールが挙げられる。このようなジオールの例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;3−メチルペンタンジオール−(2,4−)、2−メチルペンタンジオール−(1,4−)、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−(1,3−)、2−エチルヘキサンジオール−(1,3−)、2,2−ジエチルプロパンジオール−(1,3−)、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール;ジエチレングリコール;1,8−オクタンジオール;1,10−デカンジオール;シス若しくはトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール及びシスモノマーとトランスモノマーとの混合物;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、トリエチレングリコール、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン;1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン;9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン;1,4:3,6−ジアンヒドロマンニトール;1,4:3,6−ジアンヒドロイジトール及び1,4−アンヒドロエリトリトール。イソソルビド以外の好ましいジオール部分は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールから得られる。イソソルビド以外の最も好ましいグリコールは、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールである。2より大きい官能価を有するアルコール、例えばトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールも少量使用できる。これらのグリコールとイソソルビドとの任意の組合せを使用できる。本発明のポリエステルのグリコール成分は、これらのグリコール(イソソルビド以外)の1種又はそれ以上を50〜99.75モル%含むのが好ましい。本発明において有用なポリエステルのグリコール成分において、ここで言及したグリコールのモル%は合計100モル%である。
【0021】
本発明の有用なジカルボン酸としては、炭素数が好ましくは6〜40の、より好ましくは8〜14の芳香族ジカルボン酸;炭素数が好ましくは2〜40の、より好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸;又は炭素数が5〜40の、より好ましくは8〜12の脂環式ジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明において有用なジカルボン酸の例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定するものではない。テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、グルタル酸、マレイン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、アリルマロン酸、シュウ酸、セバシン酸、コハク酸、炭酸、スルホイソフタル酸、2,5−フランジカルボン酸、2,5−チオフェンジカルボン酸、3,4’−及び4,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボキシレート、3,4’−及び4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,4’−及び4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル)ジカルボン酸、トランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−及び/又はトランス−1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、2−エチルスベリン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4’−メチレン−ビス(安息香酸)、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシル)カルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、p−カルボキシフェニル/オキシ安息香酸、エチレン(p−オキシ安息香酸)、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、2,2,3,3−テトラメチルコハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフチレンジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフチレンジカルボン酸、4,4’−ビシクロヘキシルジカルボン酸、フマル酸、ダイマー酸、レゾルシノール二酢酸、並びに4,4’−二安息香酸など。
【0022】
これらのうち、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びシクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。より好ましい酸は、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸である。より一層好ましい酸はテレフタル酸及びイソフタル酸であり、これらは単独で又は組合せて使用する。
【0023】
本発明においてシクロヘキサンジカルボン酸を使用する場合には、シス−、トランス−、又はシス/トランス混合物を使用できる。ナフタレンジカルボン酸異性体又は異性体混合物はいずれも使用できる。好ましいナフタレンジカルボン酸異性体の一部としては、2,6−、2,7−、1,4−及び1,5−異性体が挙げられる。
【0024】
少量の三官能価酸、例えば1,3,5−ベンゼントリカルボン酸も使用できる。更に、「芳香族」及び「脂環式」とは、置換芳香族又は脂環式化合物、例えば脂肪族基で置換された芳香族化合物を含むことを意味する。
【0025】
コポリエステルは1種又はそれ以上の前記カルボン酸から製造できる。
【0026】
ここで「ジカルボン酸」はこれらの酸の対応する酸無水物、エステル及び酸塩化物を含むと理解されたい。本発明において有用なポリエステルの酸成分において、本明細書中で言及する酸のモル%は合計100モル%である。
【0027】
商業的な理由で、以下のポリエステルが本発明の好ましい実施態様である:
【0028】
テレフタル酸及び/又はイソフタル酸並びにエチレングリコール及び/又は1,4−シクロヘキサンジメタノールを含み、イソソルビド部分を有するポリエステルが好ましい。
【0029】
本発明のコポリエステルの酸成分は、前記ジカルボン酸のいずれかを約10〜約100モル%含むことができる。しかし、本発明のポリエステルは、少なくとも50モル%、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、そしてより一層好ましくは90〜100モル%のテレフタル酸を含む1種又はそれ以上のジカルボン酸を含むのが好ましい。ここでテレフタル酸には、テレフタル酸ジメチルのような適当な合成等価物も含まれる。
【0030】
ジカルボン酸としてイソフタル酸が存在する場合には、イソフタル酸は0.1〜50モル%の量で存在するのが好ましい。
【0031】
また、コポリエステルの酸成分がナフタレンジカルボン酸を含む場合には、ナフタレンジカルボン酸は0.1〜50モル%の量で存在するのが好ましい。テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸が共にポリエステル中に存在する場合には、ナフタレンジカルボン酸は0.1〜50モル%の量で且つテレフタル酸は50〜99.9モル%の量で存在するのが好ましい。
【0032】
本発明のポリエステルは、約0.01〜約50モル%、好ましくは約0.25〜約30モル%、より好ましくは約10〜約30モル%、更に一層好ましくは約20〜約30モル%の範囲の量でイソソルビド部分を含むのが好ましい。用途によっては、イソソルビドは、1〜3モル%、1〜6モル%、1〜8モル%及び1〜20モル%のような他の望ましい範囲で存在できる。
【0033】
1つの好ましい実施態様として、二酸成分が80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に一層好ましくは95〜100モル%のテレフタル酸を含み;且つジオール成分が60〜99.75モル%、好ましくは80〜98モル%、より好ましくは90〜98モル%のエチレングリコールを含むポリエステルが挙げられる。この好ましい実施態様において、イソソルビドは、このポリエステルのグリコールの0.01〜50モル%、好ましくは0.25〜40モル%、より好ましくは2〜20モル%、更に一層好ましくは2〜10モル%を構成する。この実施態様においては、1,4−シクロヘキサンジメタノールがポリエステルのグリコール成分の残りを構成するのが好ましいが、必要ではない。1,4−シクロヘキサンジメタノールがポリエステルのグリコール成分の0〜10モル%を構成するのも好ましい。あるいは、イソフタル酸がポリエステルの二酸成分の0〜10モル%を構成するのも好ましい。
【0034】
第2の好ましい実施態様としては、ジオール成分が50〜99.75モル%、好ましくは20〜50モル%、より好ましくは30〜50モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルが挙げられる。イソソルビドは、このポリエステルのグリコール成分の0.25〜50モル%、好ましくは1〜40モル%、より好ましくは5〜30モル%を構成する。この実施態様において、グリコール成分の残りはエチレングリコールであることが好ましいが、このことは必要ではない。この実施態様において、また、ポリエステルの二酸成分は80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に一層好ましくは95〜100モル%のテレフタル酸を含むのが好ましいが、必要ではない。イソフタル酸もまた本発明の二酸成分に含まれることができる。
【0035】
更に別の好ましい実施態様としては、グリコール成分が50〜99.75モル%、より好ましくは55〜95モル%、一層好ましくは60〜90モル%、更に一層好ましくは60〜70モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを含むポリエステルが挙げられる。イソソルビドは、このポリエステルのグリコール成分の0.25〜50モル%、好ましくは5〜30モル%、より好ましくは10〜20モル%を構成する。この実施態様において、グリコール成分の残りはエチレングリコールであるのが好ましいが、必要ではない。この実施態様において、また、ポリエステルの二酸成分は80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に一層好ましくは95〜100モル%のテレフタル酸を含むのが好ましいが、必要ではない。好ましい追加の二酸はイソフタル酸である。
【0036】
ポリマーのモノマー組成は、個々の用途に対して且つ個々の一連の性質に対して選ばれる。例えばホットフィル又はコールドフィルボトルのような食品及び飲料容器、繊維並びにフィルムのように、部分結晶性ポリマーが望ましい用途に関しては、ポリマーは一般にイソソルビド部分がモルベースで約0.01〜約50%、好ましくは約2〜約20%の範囲であるモノマー組成を有するものとする。
【0037】
透明光学物品を製造するのに使用されるであろうような非晶質ポリマーを得るが望ましい用途に関しては、イソソルビド部分の量は、モルベースで約0.25〜約50%、好ましくは約5〜約30%の範囲である。
【0038】
本発明の方法によって形成されるポリエステルは、分子量の指標であるインヘレント粘度が25℃の温度においてo−クロロフェノール中でポリマーの1%(重量/容量)溶液について測定した場合に少なくとも約0.15dL/g、より望ましくは少なくとも約0.35dL/gであることができる。これらのインヘレント粘度は、光学製品及びコーティングのような一部の用途には充分である。コンパクトディスクのような用途に関しては、約0.4dL/gのインヘレント粘度が好ましい。0.5dL/gのような、これより高いインヘレント粘度は多くの他の用途(例えばボトル、フィルム、シート、成形用樹脂)に関して望ましい。条件は、25℃の温度において60/40(重量/重量)フェノール/テトラクロロエタン中で0.5g/100mlの濃度において測定した場合に少なくとも0.1dL/g以下、好ましくは0.1〜1.5dL/g、更に好ましくは0.4〜0.9dL/gの望ましいインヘレント粘度が得られるように調整できる。ポリマーの更なる処理によって、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0dL/g及び更にそれ以上のインヘレント粘度を達成することができる。
【0039】
これらの製造方法は、例えば米国特許第2,465,319号及び同第3,047,539号に記載されている。しかし、本発明のポリエステルは公知のいくつかの方法のいずれかによって製造できる。
【0040】
ポリマーは、酸成分がテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルであり且つポリエステルポリマー組成物中で望ましい場合がある任意の他の二酸の遊離酸又はジメチルエステルを含む場合もあるものを含めて、公知の溶融重合法によっても製造できる。二酸又はジメチルエステルは、モノマーが結合してエステル及びジエステルを、次いでオリゴマーを、最終的にはポリマーを形成するのに充分な高い温度まで触媒の存在下でジオール(エチレングリコール、イソソルビド、任意のジオール)と共に加熱する。重合プロセス終了時のポリマー生成物は溶融ポリマーである。ジオールモノマー(例えばエチレングリコール及びイソソルビド)は揮発性であり、重合の進行中に一部は反応器から蒸留する。
【0041】
重合反応は、1種又はそれ以上の常用の重合触媒の存在下で実施できる。ポリエステルの縮合に代表的な触媒又は触媒系は公知である。典型的な触媒は、例えば米国特許第4,025,492号、第4,136,089号、第4,176,224号、第4,238,593号及び第4,208,527号に開示されており、これらの開示を引用することによって本明細書に取り入れる。更に、R.E.Wilfong,Journal of Polymer Science,54,385,(1961)は、ポリエステル縮合反応において有用な典型的触媒を記載している。好ましい触媒系としては、Ti、Ti/P、Mn/Ti/Co/P、Mn/Ti/P、Zn/Ti/Co/P、Zn/Al及びLi/Alが挙げられる。コバルトを重縮合に使用しない場合には、共重合可能なトナーをコポリエステル中に混和して、色が重要な性質である可能性がある用途に適当であるようにこれらのコポリエステルの色を制御できる。触媒及びトナーの他に、酸化防止剤、染料などのような他の常用添加剤を典型的な量でコポリエステル化に使用できる。
【0042】
このような添加剤の例としては、顔料、着色剤、安定剤、酸化防止剤、押出助剤、スリップ剤、カーボンブラック、難燃剤及びそれらの混合物が挙げられる。
【0043】
1種又はそれ以上の分岐剤も、本発明の範囲内において生成されるポリエステルの製造に有用である場合がある。分岐剤は、ポリエステルの酸単位部分に又はグリコール単位分に分岐を生じるものであることもできるし、混成物であることもできる。これらの分岐剤のいくつかは本明細書中に既に記載してある。とはいえ、このような分岐剤の実例は、多官能価酸、多官能価グリコール及び酸/グリコール混成物である。例としては、トリ又はテトラカルボン酸、例えばトリメシン酸、ピロメリット酸及びそれらの低級アルキルエステルなど、並びにテトロール、例えばペンタエリスリトールが挙げられる。トリオール、例えば、トリメチロールプロパン又はジヒドロキシカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びに誘導体、例えばジメチルヒドロキシテレフタレートなども、本発明において有用である。
【0044】
本発明を、その好ましい実施態様に関する以下の実施例によって更に説明することができるが、当然のことながら、これらの実施例は説明のためにのみ記載するのであって、特に断らない限り、本発明の範囲を限定することを目的としない。出発原料は、特に断らない限り市販されている。
【実施例】
【0045】
例1(本発明例)
イソソルビド(219.21g)を、溶解するまで水38.68gと混合した(水中イソソルビド85重量%;水及びイソソルビドの重量%は合計100重量%である)。この溶液に、Amoco TA−22 TPA 830.5g、Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee(Eastman)によって市販されているCHDM−D(溶融、約50℃)504.6g及びエチレングリコール31.4gのスラリーを添加した。合したこのスラリーを、真空を用いてParr圧力反応器中に引いた。Parr反応器をシールし、20psigまで加圧し、約1時間の間に275℃まで加熱し、同条件に4時間50分保持し、その間に付属の分別カラムによって、次いで凝縮器によって水を除去した。圧力を35分の間に10psigに低下させてから、Parr圧力反応器を圧抜きし、反応生成物、ポリエステルオリゴマーを排出した。ポリエステルオリゴマーはオフホワイトであるが透明であり、溶解していないTPAの兆候は見られなかった。ポリエステルオリゴマーを、従来の重合法によってポリマーに転化した。
【0046】
例2(本発明例)
すりガラスのヘッド、撹拌機及び窒素注入口を装着した500ml丸底フラスコに、テレフタル酸ジメチル97.0g(0.50モル)、エチレングリコール33.2g(0.5357モル)、1,4−シクロヘキサンジメタノール23.7g(0.1643モル)、イソソルビドが83.5%(60.6g)であるイソソルビド/水溶液からのイソソルビド50.6g(0.35モル)、ブタノール溶液中チタン触媒16百万分率(ppm)及びエチレングリコール溶液中マンガン触媒46ppmを添加した。フラスコに対し、100mm真空までのパージと大気圧までの窒素パージを交互に3回行った。フラスコをBelmont金属浴に浸漬し、200℃において2時間、200rpmの撹拌速度で加熱した。温度を210℃に上昇させ、これらの条件を更に2時間保持した。この後では、理論量のメタノールが回収されていた。エチレングリコール/ブタノール溶液中60ppmのリン触媒を添加し、温度を280℃に上昇させた。フラスコ中の圧力を5分の間に大気圧から0.1〜0.5mmHgまで低下させた。温度を280℃に且つ圧力を0.1〜0.5mmに60分間保持した。15RPMの最小撹拌速度が得られるまで、粘度の増加につれて撹拌を減少させた。真空を中止し、窒素をフラスコ中に流入させた。ポリマーを冷却し、フラスコから取り除き、3−mmのスクリーンを通るように粉砕した。分析結果:I.V.=0.54dL/g;エチレングリコール52.6モル%;1,4−シクロヘキサンジメタノール32.2モル%;イソソルビド14.6モル%;ジエチレングリコール0.60モル%;GPC Mw=29400,L*明度=82.97,a*明度=−1.15,b*明度=11.88;第2周期ガラス転移温度=97.0℃。
【0047】
例3(比較例:例1との比較)
イソソルビド(219.21g)を、2L金属ビーカー中でAmoco TA−22 TPA 830.5g及びエチレングリコール31.0gに添加してから、Eastman Chemical Company,Kingsport,Tennessee(Eastman)によって市販されている溶融(約50*C)CHDM−D 533.57gを添加した。この混合物は非常に高粘度で、ペースト状であり、更に加熱及び撹拌せずにPaar反応器に添加するには流動性が充分でなかった。合したペーストは、管とバルブのセットアップによる真空によってParr反応器中に引くことができる充分に粘度の低いスラリーを得るために、180*Cより高温に加熱する。Parr反応器をシールし、22psigまで加圧し、約1時間の間に277℃まで加熱し、これらの条件に5時間保持し、その間に付属の分別カラムによって、次いで凝縮器によって水を除去した。圧力を35分の間に10psigに低下させてから、Parr圧力反応器を圧抜きし、反応生成物、ポリエステルオリゴマーを排出した。ポリエステルオリゴマーはオフホワイトであるが透明であり、溶解していないTPAの兆候は見られなかった。ポリエステルオリゴマーを、従来の重合法によってポリマーに転化した。
【0048】
本発明を、特にその好ましい実施態様に関して詳述したが、本発明の精神及び範囲内で変化及び変更が可能であることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)イソソルビドの均質水溶液を入手し;
(b)工程(a)の均質水溶液を反応器に供給し;
(c)1種若しくはそれ以上のグリコール及び1種若しくはそれ以上のジカルボン酸を、工程(a)の水溶液中に、又は工程(b)の前に、工程(b)の間に及び/若しくは工程(b)の後に、工程(b)の反応器中に供給し;
(d)エステル化を行うのに充分な温度及び圧力において且つ、場合によっては、適当な触媒の存在下で前記反応器の内容物をエステル化し;
(e)プレポリマーを生成せしめ;そして
(f)重縮合を行ってポリエステルを生成せしめるのに充分な温度及び圧力において適当な触媒の存在下で前記プレポリマーを重縮合する
工程を含んでなるポリエステルの製造方法。
【請求項2】
イソソルビドモノマーに水を添加することによって前記イソソルビドの均質水溶液を得る請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1〜99重量%のイソソルビドを水に添加する(但し、イソソルビドと水の総重量%は100重量%である)請求項2に記載の方法。
【請求項4】
60〜95重量%のイソソルビドを水に添加する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
70〜90重量%のイソソルビドを水に添加する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
イソソルビドの水溶液が本質的にイソソルビドと水のみからなり、イソソルビドの前記水溶液を反応器に供給する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
水溶性添加剤及び/又はイソソルビド以外のモノマーを工程(a)のイソソルビド水溶液に添加する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
非水溶性添加剤及び/又はモノマーを工程(a)のイソソルビド水溶液に添加する請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリエステルが0.25〜50モル%のイソソルビドを含み、ポリエスエル中のグリコールの総モル%が100モル%である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリエステルが0.25〜30モル%のイソソルビドを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリエステルが20〜30モル%のイソソルビドを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリエステルが1〜20モル%のイソソルビドを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリエステルが1〜8モル%のイソソルビドを含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリエステルがイソソルビドとエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれた1種又はそれ以上のグリコールとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリエステルがイソソルビドとエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群から選ばれた1種又はそれ以上のグリコールとを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリエステルがテレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリエステルがテレフタル酸及びイソフタル酸からなる群から選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリエステルがテレフタル酸を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ポリエステルがイソフタル酸を更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ポリエステルが、テレフタル酸及びイソフタル酸からなる群から選ばれた1種又はそれ以上のジカルボン酸と、イソソルビド、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールからなる群から選ばれた1種又はそれ以上のグリコールとを含んでなる請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ポリエステルがテレフタル酸80〜100モル%、エチレングリコール60〜99.75モル%及びイソソルビド0.01〜50モル%(但し、ジカルボン酸成分の総モル%は100モル%であり且つグリコール成分の総モル%は100モル%である)を含んでなる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ポリエステルがイソソルビドを0.25〜40モル%含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリエステルがイソソルビドを2〜20モル%含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリエステルがイソソルビドを2〜10モル%含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリエステルがエチレングリコールを80〜98モル%含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリエステルがエチレングリコールを90〜98モル%含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリエステルがテレフタル酸を90〜100モル%含む請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリエステルがイソフタル酸を0〜10モル%含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリエステルが1,4−シクロヘキサンジメタノール50〜99.75モル%、テレフタル酸80〜100モル%、イソソルビド0.25〜50モル%を含んでなり、そしてグリコール含量の残りが、もしあれば、エチレングリコールを含む(但し、グリコールの総モル%は合計100モル%であり且つジカルボン酸の総モル%は合計100モル%である)請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記ポリエステルがイソソルビドを1〜40モル%含む請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ポリエステルがイソソルビドを5〜30モル%含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ポリエステルがテレフタル酸を90〜100モル%含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ポリエスエルがイソフタル酸を含む請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記ポリエステルが1,4−シクロヘキサンジメタノール50〜99.75モル%、テレフタル酸80〜100モル%、イソソルビド0.25〜50モル%を含んでなり、そしてグリコール含量の残りが、もしあれば、エチレングリコールを含む(但し、グリコールの総モル%は合計100モル%であり且つジカルボン酸の総モル%は合計100モル%である)請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記ポリエステルがイソソルビドを5〜30モル%含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ポリエステルがイソソルビドを10〜20モル%含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ポリエステルがテレフタル酸を90〜100モル%含む請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリエスエルがイソフタル酸を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
(a)イソソルビドの均質水溶液を入手し;
(b)工程(a)の均質水溶液を反応器に供給し;
(c)1種若しくはそれ以上のグリコール及び1種若しくはそれ以上のジカルボン酸を、工程(a)の水溶液中に、又は工程(b)の前に、工程(b)の間に及び/若しくは工程(b)の後に、工程(b)の反応器中に供給し;
(d)エステル化を行うのに充分な温度及び圧力において且つ、場合によっては、適当な触媒の存在下で前記反応器の内容物をエステル化し;
(e)プレポリマーを生成せしめ;そして
(f)重縮合を行ってポリエステルを生成せしめるのに充分な温度及び圧力において適当な触媒の存在下で前記プレポリマーを重縮合する
工程を改良点とするテレフタル酸残基からの反復単位並びにイソソルビドとエチレングリコール残基及び1,4−シクロヘキサンジメタノール残基からなる群から選ばれた1種又はそれ以上のグリコールからの反復単位を含んでなるポリエステルを、エステル化及び/又はエステル交換とそれに続く重縮合によって製造することによって得られるポリエステル

【公開番号】特開2011−99118(P2011−99118A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27693(P2011−27693)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2004−552057(P2004−552057)の分割
【原出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】