説明

イネ遺伝子組換え事象17053およびその使用方法

本発明は、遺伝子組換えイネ事象17053、ならびに事象17053に由来した植物、植物細胞、種子、器官および商品を提供する。また、本発明は、事象17053に特有のポリヌクレオチド、ならびに事象17053に特有のポリヌクレオチドを含む植物、植物細胞、種子、器官および商品を提供する。また、本発明は、事象17053に関する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遺伝子組換えイネ事象17053に関する。本事象を含む植物は、グリホサート除草剤に対する耐性を示す。また、本発明は、事象17053に関連する核酸分子、植物、植物器官、植物種子、植物細胞、農産物および方法に関する。本発明は、本事象にユニークであり、イネ植物のゲノムへの遺伝子組換えDNAの挿入と関連して創製されたヌクレオチド分子を提供する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年3月30日付けで出願した米国仮出願第61/164,899号(ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)の利益を主張する。
【0003】
(配列表の取込み)
本開示の一部分である配列表は、EFSウェブを介して提出された本発明のヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を含む、「MONS246WO_ST25.txt」と題するコンピューター判読可能な15KBのファイルを含む。本配列表の対象をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。
【背景技術】
【0004】
コメは世界の多数の地域における重要な作物である。生物工学方法は、改善された形質を持つコメを生成するためにイネに適用されてきている。かかる改善された1つの形質は、除草剤耐性である。植物中の除草剤耐性導入遺伝子の発現は、除草剤耐性の所望の特性を有する植物を生成する目的で有用である。植物中の導入遺伝子の発現は、恐らく染色質構造(例えば、異質染色質)、または組込み部位に近い転写調節因子(例えば、エンハンサー)の近接により、導入遺伝子の染色体の位置によって影響され得る。この理由のために、導入遺伝子の最適な発現、従って特定の所望の特性を有する事象を同定するために、しばしば多数の個々の植物形質転換事象をスクリーニングすることが必要である。例えば、それは、事象中の導入遺伝子発現のレベルにおける広範囲の変動が存在し得ることが植物において観察されている。また、発現の空間的または時間的なパターンにおける差、例えば、種々の植物組織中の相対的な導入遺伝子発現レベルにおける差も存在でき、これは、導入された遺伝子構築体に存在する転写調節因子から期待されるパターンに対応しないかもしれない。従って、商業目的のための所望の導入遺伝子発現レベルおよびパターンを有する事象につき、数百〜数千の異なる遺伝子組換え事象を生成し、これらをスクリーニングすることが必要となり得る。次いで、所望のレベルまたはパターンの導入遺伝子発現を有するかかる事象は、植物育種方法を用いる性的交配によって導入遺伝子を他の遺伝的背景に遺伝子移入するために用い得る。かかる交配の後代は、元来の形質転換体の導入遺伝子発現特性を有するであろう。これは、特定の地域の生育条件に適切に適する多数の異なる品種における信頼できる遺伝子発現を保証するために用い得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は遺伝子組換えイネ事象17053に関する。本事象を含む植物は、グリホサート除草剤に対する耐性を示す。また、本発明は、事象17053に関連する核酸分子、植物、植物器官、植物種子、植物細胞、農産物および方法に関する。本発明は、本事象にユニークであり、イネ植物のゲノムへの遺伝子組換えDNAの挿入と関連して創製されたヌクレオチド分子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、米国培養細胞系統保存機関(ATCC)に受入番号PTA−9843で寄託された代表的な種子を有する、グリホサート除草剤の施用に商業上許容できる耐性を示す事象17053を含む遺伝子組換えイネ植物を提供する。また、本発明は、事象17053を含むイネの種子、後代、植物器官、細胞および商品を提供する。また、本発明は、事象17053を含むイネのゲノムに関連する新規なDNA分子、およびこれらの分子の使用方法を提供する。また、本発明は、遺伝子組換えイネ事象17053およびこの事象を含む植物の使用方法、ならびにグリホサート耐性イネの生成方法を提供する。
【0007】
本発明は、イネ事象17053に関係するDNA分子を提供する。これらのDNA分子は、イネ事象17053の導入遺伝子挿入およびフランキングゲノムDNA間の結合、および/または挿入DNAに隣接するゲノムDNAの領域、および/または挿入部位に隣接する組込み遺伝子組換えDNAの領域、および/または組込み遺伝子組換え発現カセットの領域、および/またはこれらの領域のいずれかのコンティグ配列を表すかまたはそれらに由来するヌクレオチド配列を含み得る。また、本発明は、イネ事象17053に特徴的なプライマーおよびプローブとして有用なDNA分子を提供する。これらの分子を含むイネ植物、植物細胞、植物器官、商品、後代および種子を提供する。
【0008】
本発明は、イネ事象17053に由来したDNAの存在を検出するのに有用な方法、組成物およびキットを提供する。本発明は、DNAを含む試料と、イネ事象17053からのゲノムDNAとの核酸増幅反応に用いた場合にイネ事象17053に特徴的な増幅されたDNAを生成するプライマーセットとを接触させ、核酸増幅反応を行い、それにより増幅されたDNAを生成し、次いで、増幅されたDNAを検出することによる事象17053の検出方法を提供する。また、本発明は、DNAを含む試料と、イネ事象17053からのゲノムDNAとのハイブリダイゼーション反応に用いた場合にイネ事象17053に特異的なDNA分子にハイブリダイズするプローブとを接触させ、ハイブリダイゼーション反応を行ない、次いで、DNA分子へのプローブのハイブリダイゼーションを検出ことによる事象17053の検出方法を提供する。また、イネ事象17053に由来したDNAの存在を検出するのに有用な本発明の方法および組成物を含むキットを提供する。
【0009】
本発明は、事象17053を含むイネの植物、植物細胞または種子に由来するイネ植物、種子、植物細胞、後代植物、植物器官、または商品を提供する。また、本発明は、配列番号:1〜6、ならびにその相補体および断片よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するDNA分子、あるいは配列番号:6に少なくとも90%の配列同一性を含むDNA分子を含むイネ植物、種子、植物細胞、後代植物、植物器官、または商品を提供する。また、本発明は、例えば、DNA増幅方法において、事象17053あるいは配列番号:1および/または2を含む増幅されたDNA分子を生成するDNA分子を含むイネの植物または種子に由来するイネ植物、種子、植物細胞、後代植物、植物器官または商品を提供する。
【0010】
本発明は、事象17053を含むイネを植え、次いで、事象17053を含む植物を害することなく、雑草を防除できる有効量のグリホサート除草剤を施用することによる、圃場における雑草の防除方法を提供する。
【0011】
本発明は、事象17053を含むか、または配列番号:1または配列番号:2を含むイネ植物と第2のイネ植物とを性的交配し、それにより、種子を生成し、その種子を生育させて、後代植物を生成し、後代植物をグリホサートで処理し、次いで、グリホサートに耐性である後代植物を選択することによる、グリホサート除草剤の施用に耐性であるイネ植物および/または種子の生成方法を提供する。また、方法は、選択された後代植物を自家受粉して、複数の第2世代の後代植物を生成し、これらからグリホサート耐性植物を選択することを含み得る。また、方法は、選択された後代植物ともう一つのイネ植物とを性的交配させ、種子を生育させて、第2世代の後代植物を生成し、第2世代の後代植物をグリホサートで処理し、次いで、グリホサートに耐性である第2世代の後代植物を選択することを含む。本発明は、事象17053を含みかつ配列番号:1または配列番号:2を含むグリホサート耐性植物を自家受粉し、それにより、種子を生成し、その種子を生育させて、後代植物を生成し、後代植物とグリホサートで処理し;次いで、グリホサートに耐性である後代植物を選択することによる、グリホサート除草剤の施用に耐性であるイネ植物および/または種子の生成方法を提供する。
【0012】
本発明の前記および他の態様は、以下の詳細な記載からより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】イネ事象17053の概略図:[A]は、5’結合領域の相対的位置に対応し、それはイネゲノムと遺伝子組換えの挿入されたDNAの5’部分との間の結合部である(配列番号:1として提供);[B]は、3’結合領域の相対的位置に対応し、それはイネゲノムと挿入された遺伝子組換えDNAの3’部分との間の結合部である(配列番号:2として提供);[C]は、5’フランキング領域の相対的位置、および挿入された遺伝子組換えDNAの5’末端の一部分に対応し、それは事象17053の組込み発現カセットおよび導入遺伝子DNAの5’末端の領域に隣接する5’イネゲノム配列を含む(配列番号:3として提供);[D]は、3’フランキング領域の相対的位置、および挿入された遺伝子組換えDNAの3’末端の一部分に対応し、それは事象17053の組込み発現カセットおよびに導入遺伝子DNAの3’末端の領域に隣接する3’イネゲノム配列を含む(配列番号:4として提供);[E]は、事象17053のゲノムに挿入された導入遺伝子発現カセットを表す(配列番号:5として提供);および[F]は、左から右に図中に表された、配列番号:3、配列番号:5および配列番号:4を含む、フランキング配列および導入遺伝子発現カセットの隣接配列を表し(配列番号:6として提供)、ここに、配列番号:1および配列番号:2は、これらの配列が事象17053の結合配列を前記に組み込まれるので、前記にごとく組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(配列の簡単な記載)
配列番号:1−イネゲノムDNAと組込み発現カセットとの間の5’結合配列を表わす20ヌクレオチド配列。このヌクレオチド配列は、配列番号:3の第565〜584位に対応する([C]、図1参照)および配列番号:6の第565〜584位に対応する。
【0015】
配列番号:2−組込み発現カセットとイネゲノムDNAとの間の3’結合を表す20ヌクレオチド配列。このヌクレオチド配列は、配列番号:4の第626〜645位に対応し([D]、図1参照)、配列番号:2の逆方向の相補体は、配列番号:6の第3707〜3726位に対応する。
【0016】
配列番号:3−遺伝子組換えDNAの領域まででかつ遺伝子組換えDNAの領域を含む事象17053の挿入されたDNAに隣接する5’配列。配列番号:3の第565〜584のヌクレオチド位置は、配列番号:1の第1〜20位のヌクレオチド位置に対応し、配列番号:3の第575〜584のヌクレオチド位置は、配列番号:5の第1〜10位置に対応する。
【0017】
配列番号:4−遺伝子組換えDNA挿入の領域まででかつ遺伝子組換えDNA挿入の事象17053の挿入されたDNAに隣接する3’配列。配列番号:4の第626〜645のヌクレオチド位置は、配列番号:2の第1〜20位のヌクレオチド位置に対応し、配列番号:4の第626〜645のヌクレオチド位置の逆方向の相補的な鎖は、配列番号:5の第3133〜3142のヌクレオチド位置に対応する。
【0018】
配列番号:5−グリホサート除草剤耐性を与える組込み発現カセットの配列。配列番号:5は、配列番号:6の575〜3716のヌクレオチド位置に対応する。
【0019】
配列番号:6−事象17053(配列番号:3)の挿入されたDNAに隣接する5’配列のコンティグ、組込み発現カセットの配列(配列番号:5)および事象17053の挿入DNAに隣接する3’配列(配列番号:4の逆方向相補体)を表す配列。
【0020】
配列番号:7−事象17053を同定するために用いたプライマーSQ4194。プライマーSQ4194は、右の導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの5’領域に隣接するゲノム領域に相補的である。プライマーSQ4194およびSQ4191(配列番号:8)の組合せを用いて生成されたアンプリコンは、事象17053の存在を示す。
【0021】
配列番号:8−事象17053を同定するために用いたプライマーSQ4191。
プライマーSQ4191は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの5’領域に相補的である。プライマーSQ4194(配列番号:7)およびSQ4191の組合せを用いて生成されたアンプリコンは、事象17053の存在を示す。
【0022】
配列番号:9−事象17053を同定するために用い、かつ、5’結合配列の断片に相補的であるプローブPB1494。このプローブは、6FAMTMのごとき検出可能な標識に連結し得る。6FAMTM標識プローブPB1494のごときプローブと組み合わせたSQ4194およびSQ4191のごとき、プライマーを用いるTAQMAN(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)アッセイ中の蛍光シグナルの放出は、事象17053の存在に特徴的である。
【0023】
配列番号:10−事象17053を同定するために用いたプライマーSQ1875。プライマーSQ1875は、導入遺伝子DNA挿入境界へ接近する挿入された発現カセットの3’領域に相補的である。プライマーSQ1875およびSQ3623(配列番号:11)の組合せを用いて生成されたアンプリコンは、事象17053の存在を示す。
【0024】
配列番号:11−事象17053を同定するために用いたプライマーSQ3623。
プライマーSQ3623は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの3’末端に隣接するゲノム領域に相補的である。プライマーSQ1875(配列番号:10)およびSQ3623の組合せを用いて生成されたアンプリコンは、事象17053の存在を示す。
【0025】
配列番号:12−ゲノムDNAに隣接する事象17053を同定するために用いたプライマーSQ1871。プライマーSQ1871は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの5’領域に相補的である。
【0026】
配列番号:13−ゲノムDNAに隣接する事象17053を同定するために用いたプライマーSQ1869。プライマーSQ1869は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの5’領域に相補的である。
【0027】
配列番号:14−ゲノムDNAに隣接する事象17053を同定するために用いたプライマーSQ1880。プライマーSQ1880は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの3’領域に相補的である。
【0028】
配列番号:15−ゲノムDNAに隣接する事象17053を同定するために用いたプライマーSQ3626。プライマーSQ3626は、導入遺伝子DNA挿入境界に接近する挿入された発現カセットの5’末端に隣接するゲノム領域に相補的である。
【0029】
(詳細な記載)
以下の定義および方法は、本発明をより良好に定義し、本発明の実施において当業者を導くために提供される。特記しない限りは、用語は、関連技術分野における当業者により従来の使用により理解されるべきである。
本明細書に用いた「含む」なる用語は、「限定されるものではないが、〜を含む」を意味する。
【0030】
本発明は、事象17053、およびグリホサート除草剤の施用に対する商業上許容できる耐性を示す事象17053を含む遺伝子組換えイネ植物を提供する。この事象は、イネ遺伝資源の染色体/ゲノムへの遺伝子組換えDNAの単一の挿入を含む。植物を含む事象は、以下のものによって生成できる:(i)注目する導入遺伝子を含む核酸構築体での植物細胞の形質転換、(ii)植物のゲノムへの導入遺伝子の挿入に起因する植物の集団の再生、および(iii)植物のゲノム中の特定の位置への導入遺伝子の挿入により特徴付けられた特定の植物の選択。「事象」なる用語とは、ゲノム中の特定の位置への注目する遺伝子の特定の遺伝子組換え挿入をいう。その事象を含む植物とは、植物ゲノムの特定の位置に挿入された導入遺伝子を含む元来の形質転換体をいうことができる。また、その事象を含む植物は、植物ゲノムの特定の位置に挿入された導入遺伝子を含む形質転換体の後代をいうことができる。かかる後代は、形質転換体またはその後代、およびもう一つの植物間の性的交配により生成し得る。かかる他の植物は、同一もしくは異なる導入遺伝子を含む遺伝子組換え植物、および/または異なる品種からのもののごとき非遺伝子組換え植物であり得る。反復親への戻し交配の繰り返し後でさえ、形質転換した親からの挿入されたDNAおよびフランキングDNAは、同一ゲノムの位置での交配の後代に存在する。
【0031】
本明細書に用いた「イネ」なる用語は、Oryza sativaを意味し、野生イネ種ならびに種間での生育を可能にする属Oryzaに属するそれらの植物を含めたイネで生育できるすべての植物品種を含む。
【0032】
また、「事象」なる用語は、挿入されたDNA、および挿入されたDNAのいずれか一側に直ちに隣接しているフランキングイネゲノムDNAを含む元来の形質転換体からのDNA分子をいう。このDNA分子は、イネ植物のゲノムに遺伝子組換えDNAを挿入する行為によって(すなわち、形質転換の行為によって)創製される。従って、このDNA分子は、このヌクレオチド配列がイネゲノムDNAおよび遺伝子組換えDNA挿入物の特定の領域の双方の配列を含むという点で、双方とも事象に特異的であり、その組換えDNAが挿入されたイネ植物のゲノムにユニークであるヌクレオチド配列を含む。従って、周囲のイネ植物ゲノムDNAに関しての事象17053に挿入されたDNAの配置は、イネ事象17053に特有でかつユニークである。また、このDNA分子は、事象17053を含み、それ自体が植物において静的であり、植物の後代に伝え得る植物のイネ染色体の不可欠な部分である。
【0033】
事象17053は、イネ植物に施用されたグリホサート除草剤に対する耐性を与える。「グリホサート」はN−ホスホノメチル−グリシンおよびその塩をいう。N−ホスホノメチル−グリシンは、広範囲の植物種に対する活性を有する除草剤である。植物表面に施用された場合、グリホサートは植物を介して全身的に移動する。グリホサートは、芳香族アミノ酸の合成のための前駆体を提供するシキミ酸経路のその抑制により植物毒素である。
【0034】
本明細書に用いた「組換え体」なる用語は、通常天然に見出されず、かつそれ自体がヒト介在によって創製されたDNAおよび/またはタンパク質および/または有機体の形態をいう。かかるヒト介在は、組換えDNA分子および/または組換え植物を生成し得る。本明細書に用いた「組換えDNA分子」は、天然に一緒に発生せず、ヒト介在の結果であるDNA分子の組合せを含むDNA分子、例えば、互いに異種の少なくとも2つのDNA分子の組合せを含むDNA分子、および/または人工的に合成され、天然に通常存在するポリヌクレオチド配列から逸脱するポリヌクレオチド配列を含むDNA分子、および/または宿主細胞のゲノムDNAおよび宿主細胞のゲノムの関連するフランキングDNAに人工的に組み込まれた導入遺伝子を含むDNA分子である。組換えDNA分子の一例は、イネゲノムへの導入遺伝子の挿入に起因して、本明細書に記載されたDNA分子であり、それは最終的には、その有機体中の組換RNAおよび/または蛋白分子の発現を生じさせ得る。本明細書に用いた「組換え植物」は、天然に通常存在しない植物であり、ヒト介在の結果であり、導入遺伝子および/またはそのゲノムに組み込まれた異種のDNA分子を含む。かかるゲノムの改変の結果、遺伝子組換え植物は、関連する野性型植物とは明確に異なる。組換え植物の一例は、事象17053を含むと本明細書に記載されたイネ植物である。
【0035】
本明細書に用いた「導入遺伝子」なる用語は、宿主細胞のゲノムに人工的に組み込まれたポリヌクレオチド分子をいう。かかる導入遺伝子は、宿主細胞に異種であり得る。「遺伝子組換え植物」なる用語は、かかる導入遺伝子を含む植物をいう。
【0036】
本明細書に用いた「異種」なる用語は、天然における第2の分子と組み合わせて通常見出されない第1の分子をいう。例えば、分子は、第1の種に由来し、第2の種のゲノムに挿入され得る。かくして、分子は、宿主に異種であり、宿主細胞のゲノムに人工的に組み込まれるであろう。
【0037】
本明細書に用いた「キメラ」なる用語は、第2のDNA分子に第1のDNA分子を融合させることにより生成された単一のDNA分子をいい、ここに、第1のDNA分子も第2のDNA分子も、その配置、すなわち、他方に融合されたもので通常見出されないであろう。かくして、キメラDNA分子は通常天然に見出されない限りは新しいDNA分子である。
【0038】
本発明は、DNA分子およびそれらの対応するヌクレオチド配列を提供する。本明細書に用いた「DNA」、「DNA分子」、「ポリヌクレオチド分子」なる用語は、ゲノムまたは合成起源の二本鎖DNA分子、すなわち、5’(上流)末端から3’(下流)末端から読まれるデオキシリボヌクレオチド塩基のポリマーまたはポリヌクレオチド分子をいう。本明細書に用いた「DNA塩基配列」、「ヌクレオチド配列」または「ポリヌクレオチド配列」なる用語は、DNA分子のヌクレオチド配列をいう。本明細書に用いた命名法は、米国特許法施行規則第1.822条によって必要とされ、WIPO標準 ST.25(1998)、付録2、表1および3中の表に記載されたものである。本発明は、遺伝子組換え事象17053のゲノム中に存在する2つのヌクレオチド配列鎖の1つの鎖だけを参照して、特に、配列番号:1〜6を参照して開示される。従って、含意および派生によって、当該技術分野において完全な相補体または逆方向の相補的配列といわれる相補的配列も、本発明の範囲内にあり、従って、特許請求された主題の範囲内にあることも意図される。
【0039】
挿入された遺伝子組換えDNA、およびその挿入された遺伝子組換えDNAのいずれかの末端に隣接するイネゲノムDNAの実質的なセグメントに対応するヌクレオチド配列は、配列番号:6として本明細書に提供される。このサブセクションは、配列番号:5として提供された挿入された遺伝子組換えDNAである。リン酸ジエステル結合によって物理的に連結し、従って、挿入された遺伝子組換えDNA(配列番号:5)の5’末端に隣接するイネゲノムDNAのヌクレオチド配列は、配列番号:3に示すごとく記載される。リン酸ジエステル結合によって物理的に連結し、従って、挿入された遺伝子組換えDNA(配列番号:5)の3’末端に隣接するイネゲノムDNAのヌクレオチド配列は、配列番号:4に示すごとく記載される。
【0040】
さらに、事象17053は、2つのポリヌクレオチド配列を含み、遺伝子組換えDNAがゲノムDNAに挿入される場合に、1つは5’位置にわたり、1つは3’位置にわたり、これは本明細書では結合配列という。「結合配列」または「結合領域」とは、挿入された遺伝子組換えDNAおよび隣接したフランキングゲノムDNAの双方にわたるDNA配列および/または対応するDNA分子をいう。結合配列は、2つの20ヌクレオチド配列によって任意に表わされ、配列番号:1および配列番号:2として提供され、その各々は、挿入物DNAの10ヌクレオチドに結合した直ちに隣接するフランキングゲノムDNAの10ヌクレオチドを表す。これらのヌクレオチドは、リン酸ホスホジエステル結合により連結される。イネにおいて、配列番号:1および配列番号:2は、そのゲノム中で天然には発生せず、遺伝子組換え事象17053に特有でユニークであり、イネ植物に由来するいずれかのヌクレオチド配列におけるこれらの配列、またはこれらの各配列の少なくとも約11,少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドの同定は、DNAがイネ事象17053から得られることに決定的であり、イネ事象17053からのDNAの試料中の存在に特徴的である。配列番号:1は、イネゲノムDNAと挿入されたDNAの5’末端との間の結合にわたる20ヌクレオチド配列である。配列番号:2は、イネゲノムDNAと挿入されたDNAの3’末端との間の結合にわたる20ヌクレオチド配列である。かくして、本発明は、配列番号:1および配列番号:2のいずれかまたは双方に記載された少なくともヌクレオチド配列を含むDNA分子を提供する。配列番号:1の少なくとも約11、少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含むのに十分な遺伝子組換えイネ事象17053に由来したDNAのいずれのセグメントも、本発明の範囲内にある。配列番号:2の少なくとも約11、少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含むのに十分な遺伝子組換えイネ事象17053に由来したDNAのいずれのセグメントも、本発明の範囲内にある。加えて、この段落内に記載されたいずれかの配列に相補的な配列を含むいずれのポリヌクレオチドも、本発明の範囲内である。図1は、5’〜3’に配置された配列番号:6に対し、配列番号:1〜5の物理的な配置を示す。また、本発明は、配列番号:6の少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%を含む核酸分子を提供する。
【0041】
本発明は、試料中の事象17053に由来したDNAの存在を分析するためのプライマーまたはプローブのいずれとしても用いることができる典型的なDNA分子を提供する。かかるプライマーまたはプローブは標的核酸配列に特異的で、それ自体が本明細書に記載された本発明方法によるイネ事象17053の同定に有用である。
【0042】
「プライマー」は、典型的には、熱増幅を含む特定のアニーリングまたはハイブリダイゼーションにおける使用のために設計される高度に精製され単離されたポリヌクレオチドである。プライマー対は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のごとき熱増幅におけるイネゲノムDNAの試料のごときテンプレートDNAと共に用いて、かかる反応から生成したアンプリコンが、プライマーがテンプレートにハイブリダイズした場合に2つの部位間に位置したテンプレートDNAの配列に対応するDNA配列を有する場合にアンプリコンを生成し得る。本明細書に用いた「アンプリコン」は、増幅技術を用いて合成されたDNAの一片または断片である。本発明の1つの具体例において、事象17053に特徴的なアンプリコンは、イネゲノム中で天然に見出されない配列を含む。本発明のアンプリコンは、配列番号:1、配列番号:2および/またはその相補体の少なくとも約11の隣接ヌクレオチド、少なくとも約13の隣接ヌクレオチド、または少なくとも約11、少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含む。プライマーは、典型的には、相補的な標的DNA鎖にハイブリダイズして、プライマーと標的DNA鎖との間のハイブリダイゼーションを形成するように設計され、プライマーの存在は、テンプレートとして標的DNA鎖を用いるプライマーの伸長(すなわち、延長するポリヌクレオチド分子へのさらなるヌクレオチドの重合)を始めるポリメラーゼによる認識ポイントである。本発明に用いたプライマー対は、典型的には、熱増幅反応または他の従来の核酸増幅方法において、プライマー対の個々のメンバーによって結合するための標的とされた位置間にポリヌクレオチドセグメントを直線的に増幅する目的で、2本鎖のヌクレオチドセグメントの反対の鎖に結合する2つのプライマーの使用をいうように意図される。プライマーとして有用な典型的なDNA分子は、配列番号:7〜8および10〜11として提供される。配列番号:7および配列番号:8として提供されるプライマー対は、第1のDNA分子、および第1のDNA分子とは異なる第2のDNA分子として提供され、双方の分子は、各々、イネ事象17053に由来したテンプレートDNAでの熱増幅反応中に一緒に用いた場合に、配列番号:1の少なくとも約11の隣接ヌクレオチド、少なくとも約13の隣接ヌクレオチド、あるいは少なくとも約11、少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドを含むアンプリコンを生成するDNAプライマーとして機能するための配列番号:3、配列番号:5または配列番号:6あるいはその相補体のいずれかの隣接ヌクレオチドの十分な長さのものである。典型的な対のDNA分子、すなわち、第1のDNA分子およびその第1のDNA分子とは異なる第2のDNA分子としての配列番号:10および配列番号:11が提供され、双方の分子は、各々、イネ事象17053に由来したテンプレートDNAでの熱増幅反応中に一緒に用いた場合に、配列番号:2の少なくとも約11の隣接ヌクレオチド、少なくとも約13の隣接ヌクレオチド、あるいは少なくとも約11、少なくとも約13または少なくとも約15の隣接ヌクレオチドのアンプリコンを生成するDNAプライマーとして機能するための配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6あるいはその相補体のいずれかの隣接ヌクレオチドの十分な長さのものである。
【0043】
「プローブ」は、標的核酸の鎖に相補的である単離された核酸である。本発明によるプローブは、デオキシリボ核酸またはリボ核酸だけでなく、ポリアミドおよび標的DNA配列に特異的に結合する他のプローブ物質も含み、かかる結合の検出は、特定の試料中のその標的DNA配列の存在を分析、識別、決定または確認するのに有用であることができる。プローブは、従来の検出可能な標識またはリポーター分子、例えば、放射性同位体、リガンド、化学発光剤または酵素に結合し得る。本発明の1つの具体例において、事象17053に特徴的なプローブは、イネゲノムにおいて天然に見出されない配列を含む。プローブとして有用な典型的なDNA分子は配列番号:9として提供される。
【0044】
本発明によるプローブおよびプライマーは、標的配列と完全な配列同一性を有することができるが、標的配列に優先的にハイブリダイズする能力を保持する標的配列とは異なるプライマーおよびプローブも、従来方法によって設計され得る。核酸分子がプライマーまたはプローブとして機能するために、使用した特定の溶媒および塩濃度下で安定な2本鎖構造を形成できるために、配列における十分に相補的であることだけを必要とする。いずれの通常の核酸ハイブリダイゼーションまたは増幅方法を用いても、試料中のイネ事象17053からの遺伝子組換えDNAの存在を同定できる。プローブおよびプライマーは、長さが一般的に少なくとも約11以上のヌクレオチド、少なくとも約18以上のヌクレオチド、少なくとも約24以上のヌクレオチドまたは少なくとも約30以上のヌクレオチドである。かかるプローブおよびプライマーは、ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下で標的DNA配列に特異的にハイブリダイズする。通常のストリンジェンシー条件は、Sambrookら, 1989、およびHaymesら, Nucleic Acid Hybridization, a Practical Approach, IRL Press, Washington, DC (1985)により記載される。本明細書に用いた2つの核酸分子は、その2つの分子が逆平行の2本鎖核酸構造を形成できるならば、相互に特異的にハイブリダイズできると言われる。核酸分子は、それらが完全な相補性を示すならば、もう一つの核酸分子の「相補体」であると言われる。本明細書に用いた分子は、一方の分子のすべてのヌクレオチドが他方のヌクレオチドに相補的である場合に、「完全な相補性」を示すと言われる。2つの分子が、それらが少なくとも通常の「低ストリンジェンシー」条件下でそれらが相互にアニーリングされたままとするのを可能とするように十分な安定性で相互にハイブリダイズできるならば、「最小に相補的」であると言われる。同様に、分子は、それらが通常の「高ストリンジェンシー」条件下でそれらが相互にアニーリングされたままとするのを可能とするように十分な安定性で相互にハイブリダイズできるならば、「相補的」であると言われる。従って、完全な相補性からの逸脱は、かかる逸脱が2本鎖構造を形成する分子の能力を完全に除外しない限りは、許容可能である。
【0045】
本明細書に用いた「単離された」なる用語は、そのネイティブまたは天然状態においてそれに通常関連する他の分子から少なくとも部分的に分子を分離することをいう。1つの具体例において、「単離された」なる用語は、そのネイティブまたは天然状態においてDNA分子に通常隣接する核酸から少なくとも部分的に単離されたDNA分子をいう。かくして、例えば、組換え技術の結果としての通常関連しない調節またはコード配列に融合したDNA分子は、本明細書において単離されたと考えれれる。かかる分子は、宿主細胞の染色体に組み込まれたか、または他のDNA分子を含む核酸溶液中に存在する場合でさえ、単離されたと考えられる。
【0046】
当業者によく知られた多数の方法を用いて、本発明に開示されるDNA分子またはその断片を単離および操作できる。例えば、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術を用いて、特定の出発DNA分子を増幅でき、および/または元来の分子の変異体を生成できる。また、DNA分子またはその断片は、化学的手段によって直接的に断片を合成することによってのごとく、他の技術によって得ることができ、自動オリゴヌクレオチドシンセサイザーの使用により一般的に実行される。
【0047】
従って、本明細書に提供されるDNA分子および対応するヌクレオチド配列は、特に、イネ事象17053を同定する、イネ事象17053を含む植物品種または雑種を選択する、試料中のイネ事象17053に由来したDNAの存在を検出する、およびイネ事象17053またはイネ事象17053を含む植物および植物器官の存在および/または不存在につき試料をモニタリングするのに有用である。
【0048】
本発明は、イネ植物、後代、種子、植物細胞、植物器官(例えば、花粉、胚珠、鞘、花、根または茎組織、繊維および葉)および商品を提供する。これらの植物、後代、種子、植物細胞、植物器官および商品は、本発明の検出可能な量のポリヌクレオチド。すなわち、配列番号:1および配列番号:2として供される配列の少なくとも1つを有するポリヌクレオチドを含む。また、本発明の植物、後代、種子、植物細胞および植物器官は、1以上のさらなる導入遺伝子を含み得る。かかる導入遺伝子は、限定されるものではないが、耐虫性の増加、水使用効率の増加、収率効率の増加、耐乾燥性の増加、種子品質の増加、栄養価の改善および/または除草剤耐性の増加を含めた望ましい形質を与えるタンパク質をコードするいずれかのヌクレオチド配列またはRNA分子であり得、ここに、その望ましい形質は、かかるさらなる導入遺伝子を欠くイネ植物に関して測定される
【0049】
本発明は、事象17053を含む遺伝子組換えイネに由来したイネ植物、後代、種子、植物細胞、ならびに花粉、胚珠、鞘、花、根または茎組織、および葉のごとき植物器官を提供する。事象17053を含む種子の代表的試料は、本発明を可能にする目的でブダペスト条約により寄託されている。その寄託を受けるために選択された貯蔵所は、郵便番号2011、10801 University Boulevard, Manassas, Virginia USAの住所を有する米国培養細胞系統保存機関(ATCC)である。そのATCC貯蔵所は、事象17053種子に受入番号PTA−9843を割り当てた。
【0050】
本発明は、そのゲノム中に存在する配列番号:1および配列番号:2を有するDNA分子を含む微生物を提供する。かかる微生物の例は、遺伝子組換え植物細胞である。本発明の植物細胞のごとき微生物は、限定されるものではないが、以下を含めて多数の産業上の適用に有用である:(i)科学研究または産業調査用の研究ツールとしての使用;(ii)引き続いての科学的調査または工業製品として用い得る内因性または組換え炭水化物、脂質、核酸もしくは蛋白質製品を生成する小分子のための培養での使用;および(iii)農業の研究または生成に次いで用い得る遺伝子組換え植物または植物組織培養物を生成する現代の植物組織培養技術での使用を含めて多数の産業適用に有用である。遺伝子組換え植物細胞のごとき微生物の生成および使用は、現代の微生物学技術およびヒト介在を利用して、人工のユニークな微生物を生成する。このプロセスにおいて、組換えDNAを植物細胞のゲノムに挿入して、自然発生の植物細胞とは離れおよびユニークである遺伝子組換え植物細胞を創製する。次いで、この遺伝子組換え植物細胞は、現代の微生物学技術を用いて細菌および酵母菌のように培養することができ、未分化の単細胞状態で存在し得る。新しい植物細胞の遺伝子組成および表現型は、細胞のゲノムへの異種DNAの組込みによって創製された技術的効果である。本発明のもう一つの態様は、本発明の微生物の使用方法である。遺伝子組換え植物細胞のごとき本発明の微生物の使用方法は、(i)細胞のゲノムへ組換えDNAを組み込み、次いで、細胞を用いて、同じ異種DNAを所有するさらなる細胞を得ることによる遺伝子組換え細胞を生成する方法;(ii)現代の微生物学技術を用いて、組換えDNAを含む細胞を培養する方法;(iii)培養細胞から内因性ももしくは組換え炭水化物、脂質、核酸または蛋白質製品を生成し精製する方法;および(iv)遺伝子組換え植物または遺伝子組換え植物組織培養物を生成するための遺伝子組換え植物細胞での現代の植物組織培養技術を使用する方法を含む。
【0051】
本発明の植物は、後代に導入遺伝子を含めた事象DNAを伝え得る。本明細書に用いた「後代」は、いずれの植物、種子、植物細胞および/または祖先植物に由来した事象DNAおよび/または配列番号:1もしくは配列番号:2として提供される少なくとも1つの配列を有するポリヌクレオチドを含む再生可能な植物器官を含む。植物、後代および種子は、導入遺伝子にホモ接合性またはヘテロ接合性であり得る。後代は事象17053を含むイネ植物により生成された種子、および/または事象17053を含むイネ植物からの花粉で受精された植物によって生成された種子から生育し得る。
【0052】
後代植物は、自家受粉(「自配」としても知られている)して、植物、すなわち、導入遺伝子にホモ接合性の植物の真の生育系を生成する。適切な後代の自家受粉は、双方の追加された外来性遺伝子にホモ接合性である植物を生成できる。
【0053】
別法として、後代植物は、他家交配、例えば、もう一つの無関係な植物で生育させて、変種または雑種の種子または植物を生成し得る。他の無関係な植物は、遺伝子組換えまたは非遺伝子組み換えであり得る。かくして、本発明の変種または雑種種子または植物は、イネ事象17053の特有でユニークなDNAを欠く第1の親と、イネ事象17053を含む第2の親とを交配させることにより誘導する結果、イネ事象17053の特有でユニークなDNAを含む雑種を生じ得る。各親は、その交配または生育が、本発明の植物または種子、すなわち、配列番号:1および配列番号:2を含むイネ事象17053の特有でユニークなDNAを含有する少なくとも1つの対立遺伝子を有する種子において生じる限りは、雑種または生来/変種であることができる。かくして、2つの異なる遺伝子組換え植物を交配させて、2つの独立して分離するさらなる外来性遺伝子を含む雑種子孫を生成し得る。例えば、事象17053を含むグリホサート耐性のイネを他の遺伝子組換えイネ植物と交配させて、双方の遺伝子組換え親の特性を有する植物を生成できる。この1つの例は、1以上のさらなる形質を有するイネ植物との事象17053を含むグリホサート耐性のイネの交配であり、その結果、グリホサートに耐性であり、1以上のさらなる形質を有する後代の植物または種子を生じるであろう。例えば、ホスフィノトリシンまたはグルホシネート除草剤に対する耐性を示すイネ植物を事象17053を含むイネ植物と交配させて、グリホサート除草剤およびホスフィノトリシンまたはグルホシネート除草剤に耐性の後代植物または種子を生成できた。かくして、本明細書に開示された方法に用いた植物および種子は、1以上のさらなる導入遺伝子を含み得る。かかる導入遺伝子は、限定されるものではないが、耐虫性の増加、水使用効率の増加、収率効率の増加、耐乾燥性の増加、種子品質の増加、栄養価の改善、ストレス耐性の改善および/または除草剤耐性の増加を含めた望ましい形質を与えるタンパク質をコードするいずれかのヌクレオチド配列またはRNA分子であり得、ここに、望ましい形質は、かかるさらなる導入遺伝子を欠くイネ植物に関して測定される。
【0054】
遺伝子組換え植物耐性が示されており、本発明の方法が適用できる除草剤は、限定されるものではないが、グリホサート、グルホシネート、スルホニル尿素系、イミダゾリノン系、ブロモキシニル、デラポン、シクロヘキサンジオン、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ抑制剤およびイソキサフルトール除草剤を含む。除草剤耐性に関与するタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、当該技術分野において知られており、限定されるものではないが、グリホサート−耐性5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸塩シンターゼ(EPSPS)(例えば、米国特許第5,627,061号;第5,633,435号;第6,040,497号;第5,094,945号;第5,804,425号;第6,248,876号;第7,183,110号;RE39,247号を参照);グリホサートオキシドレダクターゼ(GOX)(例えば、米国特許第5,776,760号を参照);グリホサート−n−アセチルトランスフェラーゼ(GAT);スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシベンゾエート、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノンおよび/またはヘテロアリールエーテルに対する耐性についての除草剤耐性アセト乳酸シンターゼ(ALS、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)としても知られている);アリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル(AOPP)(例えば、ハロキシホップ、キザロホップ、ジクロロホップおよびジクロホップ)に対する耐性についての除草剤耐性のアセチルコエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCアーゼ)またはR−2,4−ジクロロフェノキシプロピオン酸ジオキシゲナーゼ(rdpA);合成オーキシン除草剤に対する耐性についての2,4−Dジオキシゲナーゼ(tfdA)、R−2,4−ジクロロフェノキシプロピオン酸ジオキシゲナーゼ(rdpA)、アリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ(AAD)および/またはS−2,4−ジクロルプロップジオキシゲナーゼ(sdpA)のごとき解毒タンパク質;ブロモキシニル耐性についてのブロモキシニルニトリラーゼ(Bxn)(例えば、米国特許第4,810,648号を参照);ノルフルラゾンに対する耐性についてのフィトエンデサチュラーゼ(crtI);グルホシネートおよびビアラホスに対する耐性についてのビアラホス抵抗性(bar)またはホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)タンパク質(例えば、米国特許第5,646,024号および第5,276,268号を参照);および耐性4−ヒドロキシフェニルピルバートジオキシゲナーゼ(HPPD)、解毒シトクロムP450、またはアルスロバクターグロビホルミス(Artbrobacter globiformis)HPPオキシダーゼ(HPPO)およびシュードモナス−アシドボランス4−HPA 1−ヒドロキシラーゼ(HPAH)およびNADHオキシドレダクターゼ(HPAC)のようなHPPD経路バイパスのごときトリケトン(メゾトリオン、テンボトリオン、トプラメゾン(topromezone)、イソキサゾール)除草剤耐性についてのタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子を含む。
【0055】
遺伝子組換え植物に有用な他のタンパク質をコードするポリヌクレオチド分子は、当該技術分野において知られており、限定されるものではないが、E. coli cspA(PCT公開第WO2005/033318号);B. subtilis cspB(PCT公開第WO2005/033318号);Zea mays Mg輸送体(米国公開第20040034888号;第20070011783号;第20070294782号);Zea mays nfb2 (a.k.a hap3) (米国公開第20050022266号および第20080104730号;PCT公開第WO2008/002480号);綿csp様(米国シリアル番号第11/980,758号;米国公開第20050097640号;PCT公開第WO2005/033318号);小麦csp様(米国特許第7,214,786号;米国公開第20050097640号);G1988(米国シリアル番号09/474,435号;PCT公開第WO04/031349号);G1073(米国特許第6,717,034号および米国公開第20050097631号);G1274(米国公開第20090265813号);およびCGPG2117(米国公開第20080090998号)をコードするポリヌクレオチドを含む。遺伝子組換え植物に有用なタンパク質をコードする他のポリヌクレオチド分子は、当該技術分野において知られており、殺線虫剤、殺真菌剤および殺虫剤のごとき病害虫防除に有用なものを含む。殺虫剤は、限定されるものではないが、Bt毒素、および/またはXenhorabdus、 Photorhabdus、Bacillus (例えば、 Bacillus laterosporous)、 Serratia, Klebsiella、 Erwinia等からの毒素を含む。Bt毒素は、限定されるものではないが、VIP毒素、Cry1、Cry2、Cry3、Cry4、Cry5、Cry7、Cry8、Cry9毒素、およびBtに由来したものなどのごとき2成分の殺虫性毒素を含む。
【0056】
また、親植物への戻し交配および非遺伝子組換え植物との他家交配は、栄養繁殖であると考えられる。異なる形質および作物に一般的に用いる他の育種方法の記載は、いくつかの引用文献の1つ、例えば、Fehr, Breeding Methods for Cultivar Development, Wilcox J. ed., American Society of Agronomy, Madison WI (1987)に見出すことができる。
【0057】
本発明は、事象17053を含むイネ植物に由来する植物器官を提供する。本明細書に用いた「植物器官」とは、事象17053を含むイネ植物に由来した物質を含む植物のいずれかの器官をいう。植物器官は、限定されるものではないが、花粉、胚珠、鞘、花、根もしくは茎組織、繊維および葉を含む。植物器官は、生存、非生存、再生可能および/または再生不能であり得る。
【0058】
本発明は、事象17053を含むイネ植物に由来する商品を提供する。本明細書に用いた「商品」とは、事象17053を含むイネ植物、種子、植物細胞または植物器官に由来した物質を含むいずれかの組成物または生成物をいう。商品は消費者に販売でき、生存または非生存であり得る。非生存商品は、限定されるものではないが、非生存種子および粒;加工された種子、種子部分および植物器官;脱水された植物組織、冷凍植物組織および加工された植物組織;陸生および/または水生動物消費用の動物飼料、ヒト消費用の油、食事、小麦粉、フレーク、糠、繊維、ミルク、チーズ、紙、クリーム、ワインおよびいずれかの他の食物のために加工された種子および植物器官;バイオマスおよび燃料生成物を含む。生存商品は、限定されるものではないが、種子および植物細胞を含む。かくして、事象17053を含むイネを用いて、イネから典型的に獲得されるいずれの商品も製造できる。事象17053を含む植物から由来するいずれのかかる商品も、イネ事象17053に対応する少なくとも検出可能な量の特有でユニークなDNAを含むこともでき、具体的には、配列番号:1および配列番号:2の少なくとも15の隣接ヌクレオチドを含有する検出可能な量のポリヌクレオチドを含み得る。本明細書に開示された検出方法を含めて、ポリヌクレオチド分子についての検出のいずれの標準的な分析法も用い得る。商品は、商品中にいずれかの検出可能な量の配列番号:1または配列番号:2が存在するならば、本発明の範囲内にある。
【0059】
従って、本発明の植物、後代、種子、植物細胞、植物器官(例えば、花粉、胚珠、鞘、花、根または茎組織および葉)および商品は、特に、農業の目的のための事象17053を含む種子および/または植物器官を生成する目的で植物を生育する、植物育種および研究目的のための事象17053を含む後代を生成する、産業および研究適用についての微生物学技術での使用、および消費者への販売に有用である。
【0060】
本発明は、グリホサート除草剤を用いる雑草の防除方法、および植物の生成方法、ならびに事象17053を含む植物を提供する。圃場における雑草の防除方法が提供され、それは、圃場において事象17053を含む変種または雑種植物を植え、次いで、事象17053を含む植物を傷害することなく、圃場において雑草を防除する目的で圃場に除草上有効量のグリホサートを施用することよりなる。グリホサート除草剤のかかる施用は、発芽前、すなわち、事象17053を含む種子が植えられかつ事象17053を含む植物が出現する前のいずれかの時点、あるいは出芽後、すなわち、事象17053を含む植物が出現した後のいずれかの時点であり得る。また、圃場において雑草を防除するもう一つの方法が提供され、有効量のグリホサート除草剤を施用して雑草を防除し、次いで、圃場における事象17053を含むイネを植えることよりなる。グリホサート除草剤のかかる施用は、播種前、すなわち、事象17053を含む種子を植える前であり、限定されるものではないが、播種前約14日〜播種前約1日を含めた播種前のいずれの時点でもなすことができる。圃場における使用のための除草上有効用量のグリホサートは、栽培期にわたり、1エーカー当たり約0.5ポンドから1エーカー当たり約4.5ポンドと同程度までの範囲よりなるべきである。グリホサートの複数の施用、例えば、2つの施用(例えば、播種前施用でかつ出芽後施用、または出芽前施用および出芽後施用)または3つの施用(例えば、播種前施用、出芽前施用および出芽後施用)を栽培期にわたり用い得る。
【0061】
本発明の遺伝子組換え事象17053に特有でユニークなDNA配列を含む除草剤耐性のイネ植物の生成方法が提供される。これらの方法に用いた遺伝子組換え植物は、導入遺伝子にホモ接合性またはヘテロ接合性であり得る。これらの方法によって生成された後代植物は、変種または雑種植物であり得;植物によって生成された種子、および/または事象17053を含むイネ植物からの花粉で受精された植物によって生成されたイネ事象17053を含む種子から生育でき;および導入遺伝子にホモ接合性またはヘテロ接合性であり得る。引き続いて、後代植物を自家受粉して、真の生育系の植物、すなわち、導入遺伝子にホモ接合性の植物を生成するか、あるいは、他家交配、例えば、もう一つの無関係の植物と生育して、変種もしくは雑種種子または植物を生成し得る。
【0062】
グリホサート除草剤の施用に耐性であるイネ植物は、配列番号:1および配列番号:2の配列を含むポリヌクレオチド分子を含む事象17053を含む植物ともう一つのイネ植物とを性的交配し、それにより、種子を生成し、次いで、これを後代植物に生育することにより生成し得る。次いで、これらの後代植物はグリホサート除草剤で処理して、グリホサート除草剤に耐性である後代植物を選択し得る。別法として、これらの後代植物を分析法を用いて分析して、事象17053DNAを含む後代植物を選択し得る。交配に用いた他の植物は、グリホサート除草剤に耐性であっても、耐性でなくともよく、遺伝子組換えであってもなくてもよい。生成された後代植物および/または種子は、変種または雑種種子であり得る。
【0063】
この方法の実施において、1つの植物ともう一つの植物とを性的交配する、すなわち、他家交配する工程は、ヒト介在、例えば、ヒトの手により、1つの植物の花粉を集めて、この花粉と第2の植物の花柱または柱頭とを接触させる;ヒト手および/または行為により、天然の自家受粉を防止し、他家交配が、受精が生じるように発生するにちがいないように(例えば、雄穂除去、または化学的ガメトサイドの適用により)植物の雄しべまたは葯を除去、破壊またはカバーする;「指令された受粉」についての位置における受粉用昆虫のヒト配置によって(例えば、果樹園または圃場にミツバチの巣を配置することによって、または受粉用昆虫を含む植物をかごに入れることによって);ヒトにより、花の器官を咲かせるかまたは除去して、(例えば、それらをヒト介在なくして天然の避けられない自己花粉媒介者として、他家交配を妨害または防止する花を天然に有するイネにおいて)花柱または柱頭上で外来性の花粉の配置または接触を可能とする;植物の選択的な配置(例えば、受粉近傍において意図的に植物を植える)によって;および/または開花を誘発するまたは(花粉用の柱頭の)感受性を促進する化学薬品の適用によって達成または促進し得る。
グリホサート除草剤の施用に耐性であるイネ植物は、配列番号:1または2の配列を含むポリヌクレオチド分子を含む事象17053を含む植物を自家受粉し、それにより、種子を生成し、次いで、後代植物に生育することによって生成され得る。次いで、これらの後代植物をグリホサート除草剤で処理して、グリホサート除草剤に耐性である後代植物を選択し得る。別法として、これらの後代植物は、分析方法を用いて分析して、事象17053DNAを含む後代植物を選択し得る。
【0064】
この方法を実施することにおいて、ある植物とそれ自体とを性的交配する、すなわち、自家受粉または自配する工程は、ヒト介在、例えば、ヒトの手により、植物の花粉を集めて、この花粉と同一の植物の花柱または柱頭とを接触させ、次いで、所望により、植物のさらなる受精を防止する;ヒト手および/または行為により、天然の自家受粉を防止し、他家交配が、受精が生じるように発生するにちがいないように(例えば、雄穂除去、または化学的ガメトサイドの適用による)他の付近の植物の雄しべまたは葯を除去、破壊またはカバーする;「指令された受粉」についての位置における受粉用昆虫のヒト配置によって(例えば、受粉用昆虫を含む植物のみをかごに入れることによって);花またはその器官のヒト操作により、自家受粉を可能する;植物の選択的配置により(受粉近傍を超えて植物を意図的に植える);および/または開花を誘発するまたは感受性を促進する化学薬品の適用によって達成または促進し得る。
【0065】
これらの方法によって包含され、これらの方法を用いて生成された後代イネ植物および種子は他のイネ植物とは異なるであろう。それは、例えば、後代イネ植物および種子は、組み換えであって、それ自体がヒト介在によって作成され;グリホサート除草剤耐性であり;本発明の導入遺伝子DNAよりなる少なくとも1つの対立遺伝子を含み;および/または配列番号:1および配列番号:2よりなる群から選択される検出可能な量のポリヌクレオチド配列を含むためである。種子は、個々の後代から選択でき、その種子が配列番号:1および配列番号:2を含む限りは、それは本発明の範囲内にあるであろう。
【0066】
本発明を実施するにおいて、2つの異なる遺伝子組換え植物を交配して、2つの独立し分離する異種遺伝子を含む雑種子孫を生成できる。適切な後代の自家受粉は、双方の遺伝子にホモ接合性である植物を生成できる。また、親植物への戻し交配および非遺伝子組換え植物との他家交配は、栄養繁殖であると考えられる。異なる形質および作物に一般的に用いる他の方法の記載は、いくつかの引用文献の1つ、例えば、Fehr, Breeding Methods for Cultivar Development, Wilcox J. ed., American Society of Agronomy, Madison WI (1987)に見出すことができる。
【0067】
また、本明細書に開示された方法に用いる植物および種子は、1以上のさらなる導入遺伝子を含み得る。かかる導入遺伝子は、限定されるものではないが、耐虫性の増加、水使用効率の増加、収率効率の増加、耐乾燥性の増加、種子品質の増加、栄養価の改善、および/または除草剤耐性の増加を含めた望ましい形質を与えるタンパク質をコードするいずれかのヌクレオチド配列またはRNA分子であり得、ここに、望ましい形質は、かかるさらなる導入遺伝子を欠くイネ植物に関して測定される。
【0068】
したがって、本発明の方法は、特に、農業目的または研究目的のために事象17053を含む種子および/または植物器官を生成する目的で植物を生育しつつ、圃場における雑草を防除し、植物生育または研究目的のため事象17053を含む後代を選択し、次いで、事象17053を含む後代植物および種子を生成するのに有用である。
【0069】
本発明の植物、後代、種子、植物細胞、植物器官(例えば、花粉、胚珠、鞘、花、根または茎組織、および葉)および商品は、DNA組成物、遺伝子発現および/またはタンパク質発現につき評価し得る。かかる評価は、PCR、ノーザンブロット、サザンブロット、ウエスタンブロット、免疫沈降法およびELISAのごとき標準的方法、あるいは本明細書において提供された検出方法および/または検出キットを用いることにより行い得る。
【0070】
試料中のイネ事象17053に特異的な物質の存在の検出方法が提供される。1つの方法は、事象17053を含むイネの細胞、組織または植物に特異的でかつそれらに由来するDNAの存在の検出よりなる。方法は、熱増幅に適切な条件に付される際に事象17053DNAからアンプリコン、特に、配列番号:1もしくは配列番号:2のいずれかの少なくとも15の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含むアンプリコンを生成できるプライマー対と接触するテンプレートDNA試料を提供する。テンプレートDNA分子が配列番号:1および配列番号:2に記載された特有でユニークなヌクレオチド配列を組み込む限りは、アンプリコンは、イネ事象17053に由来したテンプレートDNA分子から生成される。アンプリコンは、アンプリコンの生成における使用につき選択されたポリメラーゼに依存して、1本鎖もしくは2本鎖のDNAまたはRNAであり得る。方法は、いずれかのかかる熱増幅反応において生成されたアンプリコン分子の検出、およびアンプリコン配列内で配列番号:1もしくは配列番号:2に対応するヌクレオチドまたはその相補体の存在を確認することを提供する。アンプリコンにおける配列番号:1もしくは配列番号:2に対応するヌクレオチドまたはその相補体の検出は、事象17053に特異的なDNA、かくして試料中に事象17053を含む生物学的物質の存在につき決定的および/または特徴的である。
【0071】
もう一つの方法は、イネ植物またはイネ植物組織に由来した物質よりなる試料中で配列番号:3および配列番号:4に対応するDNA分子の存在を検出するために提供される。その方法は、(i)イネ植物からまたは異なるイネ植物の群からのDNA試料を抽出し、(ii)DNA試料と、配列番号:1または配列番号:2のいずれかに記載された少なくとも15の隣接ヌクレオチドを示すDNAプローブ分子とを接触させ、(iii)プローブおよびDNA試料が、ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることを可能にし、次いで、(iv)プローブおよび標的DNA試料間のハイブリダイゼーション事象を検出することよりなる。ハイブリッド組成物の検出は、DNA試料中で場合によっては、配列番号:3または配列番号:4の存在に特徴的である。ハイブリダイゼーションの不存在は、別法として試料中の遺伝子組換え事象の不存在に特徴的である。あるいは、特定のイネ植物が、配列番号:1もしくは配列番号:2に対応する配列のいずれかまたは双方、あるいはその相補体を含むことを決定することは、イネ植物が事象17053に対応する少なくとも1つの対立遺伝子を含むことに決定的である。
【0072】
かくして、核酸プローブを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)またはDNAハイブリダイゼーションのごときいずれかのよく知られた核酸検出方法により、本発明の核酸分子の存在を検出することは可能である。事象に特異的なPCRアッセイは、例えば、Taverniersら (J. Agric. Food Chem., 53: 3041-3052, 2005)により言及され、遺伝子組換えトウモロコシ系Bt11、Bt176およびGA21、およびキャノーラ事象RT73についての事象に特異的な追跡システムが示されている。この研究において、事象に特異的なプライマーおよびプローブは、各事象についてのゲノム/導入遺伝子結合の配列に基づいて設計された。また、遺伝子組換え植物事象に特異的なDNA検出方法は、米国特許第6,893,826号;第6,825,400号;第6,740,488号;第6,733,974号;第6,689,880号;第6,900,014号および第6,818,807号に記載されている。
【0073】
DNA検出キットが提供される。1つのタイプのキットは、試料中の遺伝子組換えイネ事象17053に由来したDNAの存在を検出するのに特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能する配列番号:3、配列番号:5または配列番号:6に同様または相補的な隣接ヌクレオチドの十分な長さの少なくとも1つのDNA分子を含む。キットで検出されるDNA分子は、配列番号:1に記載の少なくとも15の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含む。別法として、キットは、生物学的試料中の遺伝子組換えイネ事象17053に由来したDNAの存在を検出するのに特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能するための配列番号:4、配列番号:5または配列番号:6に同様または相補的な隣接ヌクレオチドの十分な長さの少なくとも1つのDNA分子を含み得る。キットで検出されるDNA分子は、配列番号:2に記載の少なくとも15の隣接ヌクレオチド、またはその相補体を含む。
【0074】
代替キットは、標的DNA試料が前記のごときプライマー対と接触し、次いで、配列番号:2の少なくとも15の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含むアンプリコンを生成するのに十分な核酸増幅反応を行う方法を使用する。アンプリコンの検出、およびそのアンプリコンの配列内の配列番号:1または配列番号:2の15以上の隣接ヌクレオチドまたはその相補体の存在の決定は、標的DNA試料中の事象17053に特異的なDNAの存在に決定的であるか、別法として、その存在に特徴的である。
【0075】
試料中の事象17053DNAに特有でユニークであるDNAの存在または不存在さえを決定、検出または分析するのに有用であるDNAプローブとして用いるのに十分なDNA分子が、提供される。DNA分子は、配列番号:1の少なくとも15の隣接ヌクレオチドもしくはその相補体、または配列番号:2の少なくとも15の隣接ヌクレオチドもしくはその相補体を含む。
【0076】
核酸増幅は、熱増幅方法を含めた当該技術分野において知られた種々の核酸増幅方法のいずれによっても達成できる。イネ事象17053からの異種のDNA挿入物の配列、結合配列またはフランキング配列(ATCC PTA−9843として寄託された事象17053を含む代表的な種子試料を含む)は、本明細書に提供された配列に由来するプライマーを用いて、その事象からのかかる配列を増幅し、次いで、アンプリコンまたはクローン化されたDNAの標準的なDNA配列決定によって確認(必要ならば修正)できる。
【0077】
これらの方法によって生成されたアンプリコンは、複数の技術によって検出し得る。隣接するフランキングゲノムDNA配列および挿入されたDNA配列の双方をオーバーラップさせるDNAオリゴヌクレオチドが設計される場合、かかる1つの方法は、遺伝ビット分析(Genetic Bit Analysis)(Nikiforov, et al. Nucleic Acid Res. 22:4167-4175, 1994)である。オリゴヌクレオチドは、マイクロウェルプレートのウェル中で固定化される。(挿入配列中の1つのプライマーおよび隣接するフランキングゲノム配列中の1つのプライマーを用いて)注目する領域の熱増幅後に、1本鎖のアンプリコン(熱増幅生成物)を固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、期待された次の塩基に特異的なDNAポリメラーゼおよび標識されたddNTPsを用いて、一塩基伸長反応用のテンプレートとして機能させることができる。読取りは、蛍光性またはELISAベースであり得る。蛍光性または他のシグナルの検出は、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび一塩基伸長による挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0078】
もう一つの方法は、Winge (Innov. Pharma. Tech. 00:18-24, 2000)によって記載されたピロシーケンス(Pyrosequencing)技術である。この方法において、隣接するゲノムDNAおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドが設計される。そのオリゴヌクレオチドは、注目する領域からの1本鎖の熱増幅生成物にハイブリダイズされ(挿入された配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列の1つのプライマー)、DNAポリメラーゼ、ATP、スルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ、アデノシン5’ホスホスルファートおよびルシフェリンの存在下でインキュベートされる。ddNTPは個々に加えられ、その組み込みの結果、光シグナルが測定される。光シグナルは、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび一または多重の塩基伸長により導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0079】
Chenら(Genome Res. 9:492-498, 1999)によって記載された蛍光偏光法は、アンプリコンを検出するために用いることができる方法である。この方法を用いて、ゲノムのフランキングおよび挿入されたDNA結合部をオーバーラップさせるオリゴヌクレオチドが設計される。このオリゴヌクレオチドは注目する領域からの一本鎖の増幅生成物にハイブリダイズされ(挿入DNAにおける1つのプライマーおよびフランキングゲノムDNA配列における1つのプライマー)、DNAポリメラーゼおよび蛍光標識ddNTPの存在下でインキュベートされる。一塩基伸長の結果、ddNTPの組み込みを生じる。組み込みは、蛍光測定器を用いて偏光の変化として測定できる。偏光の変化は、成功した増幅、ハイブリダイゼーションおよび一塩基伸長による導入遺伝子挿入物/フランキング配列の存在を示す。
【0080】
また、TAQMAN(商標登録)(PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を用い、製造者により提供された指示を用いてDNA配列の存在を検出および/または定量し得る。略言すると、ゲノムフランキングおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブおよび増幅プライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。FRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光性部分がFRETプローブ上の消光部分から離れて切断および遊離する。蛍光シグナルは、成功した増幅およびハイブリダイゼーションによりフランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。
【0081】
分子標識(Molecular Beacon)は、Tyangiら (Nature Biotech.14:303-308, 1996)に記載された配列検出に用いるために記載されている。略言すると、フランキングゲノムおよび挿入物DNA結合部をオーバーラップさせるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブのユニークな構造の結果、それは蛍光性および消光部分を密接な近接に保つ二次構造を含む。FRETプローブおよび増幅プライマー(挿入物DNA配列における1つのプライマーおよびフランキングゲノム配列における1つのプライマー)が、熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環する。増幅の成功に続いて、標的配列へのFRETプローブのハイブリダイゼーションの結果、蛍光性および消光部分のプローブ二次構造および空間的分離を除去し、蛍光シグナルを生成する。蛍光シグナルは、成功した増幅およびハイブリダイゼーションにより、フランキング/導入遺伝子挿入物配列の存在を示す。DNA試料を分離および増幅する方法およびデバイスを提供するマイクロフルイディクス(例えば、米国特許公開第2006068398号、米国特許第6,544,734号参照);特異的なDNA分子を検出および定量するための光学色素(例えば、WO/05017181参照);DNA分子の検出用の電子センサーを含む検出のためのナノチューブデバイス(例えば、WO/06024023参照);および/または、次いで検出され得る特定のDNA分子を結合するナノビーズのごとき当該技術分野に知られた他の方法を本発明の方法を実施するために用い得る。
【0082】
DNA検出キットは、本明細書に開示された組成物、およびDNA検出の当該技術分野においてよく知られた方法を用いて開発できる。キットは、試料中の事象17053の同定に有用であり、適切な事象DNAを含むイネ植物を育種する方法に適用できる。キットは、配列番号:1〜6もしくはその断片に同様または相補的であるDNAプライマーまたはプローブを含み得る。従って、本発明のキットおよび検出方法は、特に、イネ事象17053を同定する、事象17053を含む植物品種または雑種を選択する、試料中のイネ事象17053に由来したDNAの存在を検出する、およびイネ事象17053またはイネ事象17053を含む植物、植物器官または商品の存在および/または不存在について試料をモニタリングするのに有用である。
【0083】
以下の実施例は、本発明のある種の好ましい具体例の例を示すために含める。以下の実施例において開示された技術が、本発明者が本発明の実施に良好な機能を見出したアプローチを表し、かくして、その実施についての好ましい様式の例を含むと考えることができることは、当業者により理解されるであろう。しかしながら、本開示に徴して、当業者ならば、多数の変更を開示された特定の具体例になすことができ、依然として、本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似する結果を得ることができることを理解するであろう。
【実施例】
【0084】
実施例1:イネの形質転換および事象選択
この実施例は、遺伝子組換えイネ事象をどのように創製するか、および事象17053をどのように選択するかを記載する。遺伝子組換えグリホサート耐性の事象17053は、図1に示すごときその配列が配列番号:5に記載される導入遺伝子DNA断片でのイネ細胞の粒子銃媒介形質転換によって生成した。導入遺伝子DNA断片は、アグロバクテリウムチュメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ノパリンシンターゼ遺伝子に由来した3’転写末端領域DNA分子(T−AGRtu.nos)に作動可能に結合した、グリホサート耐性EPSPS(AGRtu.EPSPS:CP4)をコードするDNA分子に作動可能に連結した、葉緑体通過ペプチド(CTP2、シロイヌナズナEPSPS)をコードするDNA分子に作動可能に連結した、イネアクチン1遺伝子から由来するイントロン分子(I−Os.Act1)に作動可能に連結した、複製エンハンサーを含むカリフラワーモザイクウイルスに由来したプロモーター(P−CaMV.e35S)分子を含む発現カセットを含む。
【0085】
まず、イネ品種M−202からの外植片を粒子銃方法を用いて、4つの発現カセットの1つで最初に形質転換した。次いで、形質転換細胞をグリホサートを含む培地で選択して、生存細胞を植物に再生した。形質転換プロセスは、928のR0植物を生成し、各R0植物は、別々の個々の事象であった。これらの928事象をPCRおよびサザン分析によってR0段階にてスクリーニングして、多重コピー事象および/または分子複合事象を除去した。PCR分析について、最初に、エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイを抽出されたDNAで用いた。PCRスクリーニングに基づいて、565のR0事象を選択した。次いで、これらの565のR0事象をサザン分析によってスクリーニングした。サザン分析について、DNAをイネ組織から抽出し、NcoI、EcoRIまたはSspIで消化し、サザンブロットハイブリダイゼーション分析技術およびCaMV35SプロモーターおよびEPSPSコード配列に相補的な放射性のDNAプローブを用いてハイブリダイズした。これらのデータを用いて、イネゲノムに挿入された導入遺伝子カセットのコピー数を決定し、単一の挿入を有する240のR0事象を選択した。
【0086】
次いで、240の選択事象を、異型植物を同定するために表現型および稔性分析用グロースチャンバーに進めた。グロースチャンバー表現型および稔性スクリーニングから、170の事象を前進のために選択した。次いで、これらの170のR1事象をグロースチャンバー中でグリホサート耐性につきスクリーニングした。また、これらの植物は、無傷の導入遺伝子挿入につき2次的サザン分析によって分析した。これらの分析から収集したデータを用いて、19の事象を前進のために選択した。引き続いて、これらの事象の13についてのR2植物を圃場試験に進めた。複数特性についての圃場試験データを1栽培期を超えて13の各事象についての植物につき収集し、また、5つの事象につき2栽培期で収集した。第1年の圃場試験において、13の事象を、複数複製の圃場試験設計において最小3つの位置でのグリホサート耐性および農学的同等物につき試験した。結果を表1に示す。
【0087】
【表1】

【0088】
次いで、これらのデータを用いて、第2年圃場試験に進める5つのリード事象を選択した。これらの第2年圃場試験において、5つのリード事象を6つの位置の複合の複数圃場試験設計においてグリホサートおよび農学的同等物に対する耐性につき試験した。結果を表2に示す。
【0089】
【表2】

【0090】
2シーズンの効力試験において、植物を、典型的な商業的な割合の2倍であるエーカー当たり3ポンド酸当量(ポンドae/ac)量のグリホサート、または典型的な商業的な割合の3倍である4.5ポンドae/ac)量のグリホサートで成長の4〜6葉期にて処理した。生長グリホサート耐性は生長損傷として測定した。また、再生グリホサート耐性は収率および%稔性として測定した。これらの試験からのデータを用いて、事象17053を選択した。事象17053は、3ポンドae/acまたは4.5ポンドae/acのいずれでも生長損傷も、コメ粒のトン/エーカー(T/ac)として測定したグリホサート処理後の収率損失も示さなかった。
【0091】
実施例2:挿入DNAに隣接するイネ染色体配列の単離
すべてのPCR反応用のイネゲノムDNAを迅速な高pH/高塩溶解プロトコールを用いて単離した。このプロトコールでは、約0.1gの凍結乾燥した地表葉組織を、600μl(マイクロリットル)の溶解緩衝剤(100mMトリス、 1M KCl、10mM EDTA、pH9.5)と撹拌することにより混合し、続いて、摂氏65度にて45〜60分間インキュベートした。次に、チューブを再び撹拌し、200μlの沈澱反応緩衝剤(5M酢酸カリウム、pH7.0)を添加し、再び撹拌して、遠心分離した。DNA溶液の600μlアリコートをきれいなチューブに移し、500μlの氷冷イソプロパノールを添加して、DNAを沈殿させた。遠心分離後、DNAペレットを70%エタノールで洗浄し、空気乾燥して、このDNAを250μlの水に再懸濁した。
【0092】
Liuら(Plant Journal 8: 457-463, 1995)に記載されたTAIL−PCRプロトコールを実質的に用いて、導入遺伝子挿入に隣接するイネゲノムDNAの伸長をその17053事象につき得た。フランキングゲノムDNAを同定するために、2組の2つのネステッドゲノム−ウオーキングプライマーを、フランキング結合部付近に設計した。一方の組を組込み発現カセットの5’末端から退場するように設計し、他方は組込み発現カセットの3’末端から退場するように設計した。
【0093】
5’TAIL−PCR用プライマーは、第1ラウンド用のプライマーSQ1871(配列番号:12)および第2ラウンド用のプライマーSQ1869(配列番号:13)である。3’TAIL−PCR用プライマーは、第1ラウンド用のプライマーSQ1875(配列番号:10)および第2ラウンド用のプライマーSQ1880(配列番号:14)である。
【0094】
各フランキング領域の同定について、2つのネステッドプライマーをLiuら(Plant Journal 8: 457-463, 1995)に記載された、短い任意の縮重(AD)プライマーでの連続PCR反応に用いた。5’および3’フランキング配列の双方のためのPCRの第1のラウンドでは、それぞれのPCR反応を表3に詳述したように設定した。これらの反応をデフォルトランプ速度設定で、表4に記載した循環パラメーターを持つMJエンジン・サーモサイクラー中で行った。
【0095】
【表3】

【0096】
【表4】

【0097】
表5に詳述のごとく、TAIL−PCRの第1ラウンドのアリコートをTAIL−PCRの第2ラウンドに用いた。これらの反応は、デフォルトランプ速度設定で表6に記載した循環パラメーターでMJエンジン・サーモサイクラー中で行った。
【0098】
【表5】

【0099】
【表6】

【0100】
TAIL−PCRアンプリコンを視覚化するために、第2ラウンドのアリコートを2.0%アガロースゲル上で試行し、エチジウムブロマイドで染色した。加えて、TAIL−PCRの第2ラウンドのアリコートをモンサントゲノム配列決定センターに提出して、配列決定した。配列分析は、モンサント所有のフランキング配列適用配列分析ソフトウェアで行った。PCRプライマーは、第2ラウンドのTAIL−PCR反応の配列決定結果において観察されたゲノムフランキング配列を確認するように設計した。事象17053について、5’ゲノムフランキング配列は、プライマー対SQ3626(配列番号:15)とSQ1869(配列番号:13)でのPCR反応によって確認した。事象17053について、3’ゲノムフランキング配列は、プライマー対SQ3623(配列番号:11)とSQ1875(配列番号:10)でのPCR反応によって確認した。
【0101】
実施例3:事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)アッセイ
この実施例は、試料中の事象17053を同定するために開発した事象特異的エンドポイントTAQMAN(登録商標)の熱増幅方法を記載する。この方法で有用な条件の例を表7および表8に記載する。方法に有用なDNA分子は、例えば、プライマーSQ4194(配列番号:7)、SQ4191(配列番号:8)および6FAM(商標)標識オリゴヌクレオチドプローブPB1494(配列番号:9)である。他のプローブおよびプライマーは、本明細書に提供された導入遺伝子挿入物の配列および/またはフランキング配列に基づいて設計し得る。PB1494(配列番号:9)とのこれらの反応方法に用いる場合のSQ4194(配列番号:7)およびSQ4191(配列番号:8)は、事象17053DNAに特徴的であるDNAアンプリコンを生成する。この分析のための対照は、事象17053DNAを含むイネからの陽性対照、非遺伝子組換えイネからの陰性対照およびテンプレートDNAを含まない陰性対照を含む。
【0102】
これらのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp PCR System 9700 もしくは Stratagene Robocycler, MJ Engine, Perkin-Elmer 9700、またはEppendorf Mastercycler Gradient サーモサイクラーでの使用のために最適化する。他の方法および装置は、生物学的試料中の事象17053DNAの同定用のアンプリコンを生成するのに有用であろうことが当業者に知られている。試料を分析する場合、表7および表8に記載された循環パラメーターを使用し得る。Eppendorf Mastercycler GradientまたはMJ Engineにおいて熱増幅を行う場合、そのサーモサイクラーは計算モードで試行されるであろう。Perkin-Elmer 9700において熱増幅を行う場合、そのサーモサイクラーは最大でのランプ速度で設定されるであろう。
【0103】
【表7】

【0104】
【表8】

【0105】
実施例4:生育活動中の事象17053の同定。
この実施例は、事象17053を含むイネを用いて、いずれかの生育活動の後代内の事象17053をどのように同定し得るかを記載する。DNA事象プライマー対を用いて、事象17053に特徴的なアンプリコンを生成する。事象17053に特徴的なアンプリコンは、少なくとも1つの結合配列を含み、それは、本明細書において、配列番号:1または配列番号:2として供される(図1に示された、各々、[A]および[B])。配列番号:1(図1の[A])は、導入遺伝子挿入物の5’末端とのフランキング配列の結合部に対応するヌクレオチド配列である(配列番号:3の565〜584位:図1参照)。配列番号:2([B]、図1参照)は、導入遺伝子挿入物の3’末端とのフランキング配列の結合部に対応するヌクレオチド配列である(配列番号:4[D]の第626〜645位:図1参照)。
【0106】
事象17053に特徴的なアンプリコンを生成する事象プライマー対は、フランキング配列(配列番号:3および4)および挿入された遺伝子組換えDNA配列(配列番号:5)を用いて設計したプライマー対を含む。配列番号:1の少なくとも11ヌクレオチドを見出す特徴的なアンプリコンを獲得するために、配列番号:3の第1〜564塩基に基づいた順方向プライマー分子および挿入された発現カセットDNA配列、配列番号:5の第1〜3142位に基づいた逆方向プライマー分子を設計し、ここに、それらのプライマー分子は、配列番号:3および配列番号:5に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さの隣接ヌクレオチドのものである。配列番号:2の少なくとも11ヌクレオチドを見出す特徴的なアンプリコンを獲得するために、挿入された発現カセット、配列番号:5の第1〜3142位に基づいた順方向プライマー分子、および3’フランキング配列、配列番号:4の第1〜645塩基に基づいた逆方向プライマー分子を設計し、ここに、それらのプライマー分子は、配列番号:4および配列番号:5に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さの隣接ヌクレオチドのものである。実際的な目的のために、限られたサイズ範囲、例えば、100〜1000の塩基間のアンプリコンを生成するプライマーを設計するであろう。より小さな(より短いポリヌクレオチド長)のサイズのアンプリコンは、一般的にPCR反応においてより確実に生成され、短いサイクル時間を可能とでき、容易にアガロースゲル上で分離および視覚化されるか、またはエンドポントTAQMAN(登録商標)様アッセイにおける使用に適する。より小さなアンプリコンはDNAアンプリコン検出の当該技術分野において知られた方法によって生成および検出できる。加えて、プライマー対を用いて生成したアンプリコンはベクターにクローン化でき、増殖、単離および配列決定できるか、または当該技術分野においてよく確立された方法を用いて直接的に配列決定できる。事象17053またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:3もしくは配列番号:5の組合せまたは配列番号:4および配列番号:5の組合せに由来したいずれのプライマー対も、本発明の態様である。事象17053を含む植物またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:3の少なくとも11の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含む、いずれの単一の単離されたDNAポリヌクレオチドプライマー分子も、本発明の態様である。事象17053を含む植物またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:4の少なくとも11の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含む、いずれの単一の単離されたDNAポリヌクレオチドプライマー分子も、本発明の態様である。事象17053を含む植物またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するDNA増幅方法に有用である配列番号:5の少なくとも11の隣接ヌクレオチドまたはその相補体を含む、いずれの単一の単離されたDNAポリヌクレオチドプライマー分子も、本発明の態様である。
【0107】
この分析のための増幅条件の一例を表7および表8に例示する。しかしながら、これらの方法、あるいは配列番号:3もしくは配列番号:4に相同的または相補的であるDNAプライマーまたは事象17053に特徴的なアンプリコンを生成する事象17053の導入遺伝子挿入物(配列番号:5)のDNA配列の使用の変更は、本開示の範囲内にある。特徴的なアンプリコンは、少なくとも1つの導入遺伝子/ゲノム結合部DNA(配列番号:1または配列番号:2)、またはその実質的な部分に相同的または相補的なDNA分子を含む。
【0108】
試料中の事象17053の分析は、事象17053からの陽性対照、事象17053ではないイネ植物からの陰性対照(例えば、限定されるものではないが、M−202)および/またはイネゲノムDNAを含まない陰性対照を含み得る。内因性イネDNA分子を増幅するプライマー対は、DNA増幅条件についての内部標準として機能し得る。配列番号:3,配列番号:4または配列番号:5に記載された配列から選択された配列のいずれの断片も、表7および表8に示した方法によりアンプリコンの生成のためのDNA増幅プライマーとして用いることもでき、かかるアンプリコンは、事象17053をかかる特徴的な増幅反応用のテンプレートとして用いる場合に、事象17053に特徴的であり得る。表7および表8の方法に対する変更を含むこれらのDNAプライマー配列の使用は、本発明の範囲内にある。事象17053に特徴的である配列番号:3,配列番号:4および配列番号:5から由来した少なくとも1つのDNAプライマー配列により生成されたアンプリコンは、本発明の態様である。
【0109】
かくして、配列番号:3、配列番号:4または配列番号:5に由来した十分な長さの隣接ヌクレオチドの少なくとも1つのDNAプライマーを含み、DNA増幅方法に用いる場合に事象17053を含む植物またはその後代に特徴的なアンプリコンを生成するであろうDNA検出キットを設計でき、これは本発明の態様である。DNA増幅方法において試験された場合に事象17053に特徴的なアンプリコンを生成するイネ植物器官もしくは種子または商品は、本発明の態様である。事象17053アンプリコンについてのアッセイは、Applied Biosystems GeneAmp(登録商標)PCR System 9700 もしくはStratagene RoboCycler(登録商標)またはMJ Engine、または Perkin-Elmer 9700, または Eppendorf Mastercycler(登録商標) Gradient tサーモサイクラー、または表8に示した事象17053に特徴的なアンプリコンを生成するのに用いることができるいずれかの他の増幅システムを用いることにより行うことができる。
【0110】
前記に開示し、特許請求の範囲に引用したイネ事象17053を含む種子の代表的試料の寄託は、郵便番号2011、10801 University Boulevard, Manassas, VAの米国培養細胞系統保存機関(ATCC)にブタペスト条約下でなされた。寄託日は2009年2月18日であった。この寄託についてのATCC受入番号はPTA−9843である。寄託は、30年の期間、または最後の請求の5年後、あるいは特許有効期間のいずれか長く貯蔵施設において維持され、その期間中に必要ならば交換されるであろう。
【0111】
本発明の原理を例示および記載すると、本発明は、かかる原理から逸脱することなく、配置および詳細に変更できることは、当業者には明らかであろう。発明者らは、添付した特許請求の範囲の精神および範囲内にあるすべての変更を特許請求する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3および配列番号:4よりなる群から選択される配列を有するポリヌクレオチド分子;
(b)配列番号:3のヌクレオチドの第565〜584位の少なくとも15の隣接ヌクレオチドの配列を有するポリヌクレオチド分子;
(c)配列番号:4のヌクレオチドの第626〜645位の少なくとも11の隣接ヌクレオチドの配列を有するポリヌクレオチド分子;または
(d)(a)、(b)もしくは(c)に相補的な配列
を含むDNA分子。
【請求項2】
配列番号:6に少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む請求項1記載のDNA分子。
【請求項3】
該DNA分子が事象17053に由来し、事象17053を含む種子の代表的試料が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されている請求項1記載のDNA分子。
【請求項4】
イネ植物、植物細胞、種子、後代植物、植物器官または商品に含まれる請求項1記載のDNA分子。
【請求項5】
事象17053からのテンプレート分子から生成されたアンプリコンである請求項1記載のDNA分子。
【請求項6】
事象17053の存在に特徴的であるポリヌクレオチドプローブであって、該プローブが配列番号:1および配列番号:2、ならびにその相補体よりなる群から選択される配列の少なくとも11の隣接ヌクレオチドの配列に結合するのに十分な長さであることを特徴とする該ポリヌクレオチドプローブ。
【請求項7】
第1のDNA分子、および第1のDNA分子と異なる第2のDNA分子よりなる1対のDNA分子であって、該DNA分子は、イネ事象17053からのテンプレートとの増幅反応において一緒に用いた場合にDNAプライマーとして機能して、試料中のイネ事象17053に特徴的なアンプリコンを生成するのに十分な長さの配列番号:6の隣接ヌクレオチドまたはその相補体のヌクレオチド配列を有する該1対のDNA分子。
【請求項8】
該アンプリコンが、配列番号:1および配列番号:2ならびにその相補体よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む請求項7記載の1対のDNA分子。
【請求項9】
(a)DNA試料と請求項7記載の1対のDNA分子とを接触させ;
(b)配列番号:1および配列番号:2ならびにその相補体よりなる群から選択される配列の少なくとも11の隣接ヌクレオチドを有するポリヌクレオチド分子を含むアンプリコンを生成するのに十分な増幅反応を行い;次いで
(c)該DNAアンプリコンを検出する
ことを含み、
ここに、該DNAアンプリコンの検出は、該DNA試料中のイネ事象17053からの該DNA分子の存在に特徴的であることを特徴とするイネ事象17053からのDNA分子の存在の検出方法。
【請求項10】
試料中の配列番号:3および配列番号:4よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むDNA分子の存在の検出方法であって、
(a)試料と配列番号:1および配列番号:2、ならびにその相補体よりなる群から選択されるポリヌクレオチド配列を含むDNAプローブとを接触させ、ここに、該DNAプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:3および配列番号:4よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含むDNA分子とハイブリダイズし、かつストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号:3および配列番号:4よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含まないDNA分子とハイブリダイズせず:
(b)該試料および該DNAプローブをストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に付し;次いで
(c)配列番号:3および配列番号:4よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む該DNA分子に対する該DNAプローブのハイブリダイゼーションを検出することを特徴とする該検出方法。
【請求項11】
イネ事象17053からDNAの存在を検出するのに特異的なDNAプライマーまたはプローブとして機能するのに十分な長さの配列番号:6およびその相補体の隣接ヌクレオチド配列のヌクレオチド配列を含む少なくとも1つのDNA分子を含み、該DNAの検出が、試料中の該イネ事象17053の存在に特徴的であるDNA検出キット。
【請求項12】
該DNA分子が、配列番号:1もしくは配列番号:2またはその相補体の少なくとも15の隣接ヌクレオチドを含む請求項11記載のDNA検出キット。
【請求項13】
(a)試料と請求項7記載の1対のDNA分子とを接触させ;
(b)配列番号:1もしくは配列番号:2またはその相補体の少なくとも15の隣接ヌクレオチドを含むアンプリコンを生成するのに十分な核酸増幅反応を行い;次いで
(c)該アンプリコンを検出する
ことを含む方法を使用する、請求項11記載のDNA検出キット。
【請求項14】
配列番号:1、配列番号:2およびその相補体よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含むイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項15】
該植物、種子、細胞またはその植物器官がグリホサート除草剤処置に耐性である請求項14記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項16】
そのゲノムが、DNA増幅方法において試験された場合に事象17053に特徴的なアンプリコンを生成する、請求項14記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項17】
事象17053を含む種子の代表的試料が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されている事象17053を含むイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項18】
植物またはその器官が、グリホサート除草剤処置に耐性である請求項17記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項19】
該イネ植物または種子が、事象17053から由来するか、または事象17053を含む少なくとも1つの親を有する雑種であり、事象17053を含む種子の代表的試料が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されている請求項17記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項20】
細胞、花粉、胚珠、鞘、花、根組織、茎組織または葉組織として規定される請求項17記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項21】
さらに、該事象17053を含むいずれかの世代のイネ植物の後代植物として規定される請求項17記載のイネ植物、種子、細胞またはその植物器官。
【請求項22】
配列番号:1および配列番号:2よりなる群から選択されるDNA分子を含むイネ商品。
【請求項23】
さらに、全体または加工されたイネ種子、動物飼料、油、ミール、粉末、フレーク、糠、パフトライス(puffed rice)、ミルク、チーズ、紙、クリーム、ワイン、アルコール、バイオマスおよび燃料生成物よりなる群から選択される商品として規定される請求項22記載のイネ商品。
【請求項24】
商品が事象17053を含み、該事象17053を含む代表的な種子が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されている請求項22記載のイネ商品。
【請求項25】
さらに、DNA増幅方法において試験された場合に事象17053に特徴的なアンプリコンを生成する核酸を含む請求項22記載のイネ商品。
【請求項26】
さらに、DNA増幅方法において試験された場合に事象17053に特徴的なアンプリコンを生成でき、該事象17053を含む代表的な種子が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されているイネ植物またはその器官。
【請求項27】
アンプリコンが配列番号:1または配列番号:2を含む請求項26記載のイネ植物。
【請求項28】
DNA増幅方法において試験された場合に事象17053に特徴的なアンプリコンを生成でき、該事象17053を含む代表的な種子が、ATCC受入番号PTA−9843として寄託されているイネ種子。
【請求項29】
アンプリコンが配列番号:1または配列番号:2を含む請求項28記載のイネ種子。
【請求項30】
ATCC受入番号PTA−9843として寄託されている事象17053を含む代表的な種子を該植物事象17053のゲノムに導入することを含むグリホサート除草剤に耐性のイネ植物の生成方法。
【請求項31】
(a)事象17053を含む第1のイネ植物と、事象17053を欠く第2のイネ植物とを交配させて、後代植物を生成し;次いで
(b)該事象17053を含み、かつグリホサートに耐性である第1の後代植物を少なくとも選択する
工程を含む請求項30記載の方法。
【請求項32】
さらに、該第1の後代植物を自家受粉して、第2世代の後代植物を生成し、次いで、少なくとも該事象17053にホモ接合性の第1の植物を選択することを含むことを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
(a)請求項17記載のイネ植物またはその器官を得;次いで
(b)イネ植物またはその器官からイネ商品を生成する
ことを含むイネ商品の生成方法。
【請求項34】
商品が、全体または加工されたイネ種子、動物飼料、油、ミール、粉末、フレーク、糠、パフトライス、ミルク、チーズ、紙、クリーム、ワイン、アルコール、バイオマスおよび燃料生成物よりなる群から選択される請求項33記載の方法。
【請求項35】
雑草の生長を防除するのに有効なグリホサートの量で圃場を処理することを含み、イネ植物は、グリホサートに耐性を示す、事象17053を含むイネ植物を含む圃場における雑草生長の防除方法。
【請求項36】
該有効量のグリホサートが、1エーカー当たり約0.5ポンド〜約4.5ポンドである請求項35記載の方法。
【請求項37】
配列番号:1、配列番号:2およびその相補体よりなる群から選択されるDNA分子を含む非生存植物物質。
【請求項38】
配列番号:1、配列番号:2およびその相補体よりなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド分子を含む微生物。
【請求項39】
該微生物が植物細胞である請求項38記載の微生物。

【図1】
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【公表番号】特表2012−521783(P2012−521783A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503576(P2012−503576)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/029096
【国際公開番号】WO2010/117737
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】