説明

イミダゾピリミジン系化合物及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子

【課題】高い電子輸送能力を有する新規化合物、及び該化合物を含む有機発光素子の提供。
【解決手段】下記化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物、及び該化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子。


(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、相互独立的に、水素、C−C30アリール基等であり、、Ar及びArは、C−C30アリール基等であり、p及びqは、相互独立的に、1〜5の整数であり、m及びnは、相互独立的に、0〜4の整数であるが、m及びnが何れも0である場合は除外する。)該有機発光素子は、低駆動電圧、高効率、高輝度、長寿命及び低消費電力特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イミダゾピリミジン系化合物及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子に係り、さらに詳細には、有機発光素子の電子輸送層への使用に適したイミダゾピリミジン系化合物及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストが優秀であるだけでなく、応答時間が速くて多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板の上部にアノードが形成されており、このアノードの上部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有する。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物で形成された有機薄膜である。
【0004】
前述したような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
【0005】
アノードとカソードとの間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経由して発光層に移動する。正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合してエキシトンを生成する。このエキシトンが励起状態から基底状態に変化し、これにより、発光層の蛍光性分子が発光することによって画像を表現する。電子輸送層の形成材料として、オキサジアゾール類、チアジアゾール類のようなヘテロ芳香族系化合物が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、従来の有機発光素子は、満足すべき駆動電圧、輝度、電流密度、電力効率、寿命特性を有していないので、その改善が必要である。
【特許文献1】米国特許第6,559,256号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、前述の問題点を解決するために、高い電子輸送能力を有するイミダゾピリミジン系化合物を提供することである。
【0008】
本発明が 解決しようとする他の課題は、本発明のイミダゾピリミジン系化合物を利用して、高効率、低駆動電圧、高輝度、低消費電力及び長寿命を有する有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を達成するために、本発明は、下記化学式(I)を有することを特徴とするイミダゾピリミジン系化合物を提供する。
【化1】

【0010】
ここで、
、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、相互独立的に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、置換もしくは非置換のC−C30アルキル基、置換もしくは非置換のC−C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC−C30アシル基、置換もしくは非置換のC−C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC−C30アリール基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
ないしRのうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができ、
ないしR10のうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができ、
及びLは、相互独立的に、単結合、置換もしくは非置換のC−C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC−C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、
Ar及びArは、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C30アリール基または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
p及びqは、相互独立的に、1ないし5の整数であり、
m及びnは、相互独立的に、0ないし4の整数であるが、m及びnが何れも0である場合は除外する。
【0011】
本発明の他の課題を達成するために、本発明は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に前記イミダゾピリミジン系化合物を含む有機膜と、を備えた有機発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物は、電子輸送性能が優秀であり、これを含む有機膜を備えた有機発光素子は、低駆動電圧、高輝度、高効率、低消費電力及び長寿命を有しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】
本発明によるイミダゾピリミジン系化合物は、化学式(I)を有する。化学式(I)によれば、アントラセン環の1ないし8位置のうち1つ以上に連結基L及び/またはLを介してイミダゾピリミジン環が連結されている。
【0015】
これは、アントラセン環の9及び10位置は、構造的に弱い位置なので、アントラセン環の9及び10位置に官能基を導入すると導入された官能基が熱、酸素、水分によってアントラセン環から容易に離れうるためである。例えば、電子不足のイミダゾピリミジン環がアントラセン環の9または10位置に連結されている場合には、有機発光素子の有機層を成膜するための工程(例えば、蒸着法など)または有機発光素子の駆動時に発生する熱によって、イミダゾピリミジン環は、アントラセン環から容易に離れて、それにより素子特性の低下を招きうる。しかし、本発明の化合物において、アントラセン環の9及び/または10位置には、アリール基またはヘテロアリール基のような芳香族環が導入されており、アントラセン環の1ないし8位置のうち1つ以上には、電子不足のイミダゾピリミジン環が導入されており、これにより化合物の構造的な安定性及び電子移動度が向上しうる。
【0016】
化学式(I)において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、相互独立的に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、置換もしくは非置換のC−C30アルキル基、置換もしくは非置換のC−C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC−C30アシル基、置換もしくは非置換のC−C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC−C30アリール基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基である。ここで、RないしRのうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができ、RないしR10のうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができる。
【0017】
例えば、RないしR10は、相互独立的に、水素、置換もしくは非置換のC−C10アルキル基、置換もしくは非置換のC−C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C12アリール基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリール基でありうる。
【0018】
また、RないしRのうち相互隣接した2以上またはRないしR10のうち相互隣接した2以上が結合して、置換または非置換のC−C12芳香族環を形成しうるが、これに限定されるものではない。
【0019】
化学式(I)において、L及びLは、相互独立的に、単結合、置換もしくは非置換のC−C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC−C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリーレン基である。
【0020】
例えば、L及びLは、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C12アリーレン基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリーレン基でありうるが、これに限定されるものではない。
【0021】
化学式(I)において、Ar及びArは、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C30アリール基または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基である。
【0022】
例えば、Ar及びArは、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C12アリール基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリール基でありうる。
【0023】
化学式(I)において、p及びqは、相互独立的に、1ないし5の整数、好ましくは1ないし3の整数である。すなわち、LまたはLには、1つ以上のイミダゾピリミジン環が連結されうるが、それは、LまたはLの化学構造によって選択されうる。
【0024】
化学式(I)において、m及びnは、相互独立的に、0ないし4の整数でありうる。このとき、m及びnが何れも0である場合は除外する。すなわち、本発明によるイミダゾピリミジン系化合物のアントラセン環の1ないし8位置のうち少なくとも1つ以上は、必ずイミダゾピリミジン環と連結されねばならない。
【0025】
例えば、mは、0であり、nは、1でありうる。または、m及びnは、何れも1でありうる。
【0026】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミール、へキシルなどが挙げられ、アルキル基のうち1つ以上の水素原子は、ハロゲン、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基及びその塩、スルホン酸基及びその塩、リン酸及びその塩、C−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基、C−C20アリールアルキル基、C−C20ヘテロアリール基、またはC−C30ヘテロアリールアルキル基で置換されうる。
【0027】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アルコキシ基の具体的な例として、メトキシ、エトキシ、フェニルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ナフチルオキシ、イソプロピルオキシ、ジフェニルオキシがあり、これらのアルコキシ基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0028】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アシル基の具体的な例として、アセチル、エチルカルボニル、イソプロピルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチレンカルボニル、ジフェニルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルがあり、これらのアシル基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0029】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アルケニル基は、前述のように定義されたアルキル基の中間や末端に炭素二重結合を含有していることを意味する。その例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、へキシレンがある。これらのアルケニル基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0030】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アルキニル基は、前述のように定義されたアルキル基の中間や末端に炭素三重結合を含有していることを意味する。その例としては、アセチレン、プロピレン、フェニルアセチレン、ナフチルアセチレン、イソプロピルアセチレン、t−ブチルアセチレン、ジフェニルアセチレンがある。これらのアルキニル基のうち少なくとも1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0031】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30アリール基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数6ないし30個のカルボン酸芳香族系を意味し、これらの2以上の環は、相互融合されるか、または単結合を通じて連結されうる。これらのアリール基のうち1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0032】
置換または非置換のC−C30アリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、C−C10アルキルビフェニル基(例えば、エチルビフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−、m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α、α−ジメチルベンジル)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、アントラセニル基、アズレニル基、へプタレニル基、アセナフチルレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ぺリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、へプタフェニル基、へプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基が挙げられる。
【0033】
本発明の化学式(I)において、非置換のC−C30ヘテロアリール基は、N、O、P及びSのうちから選択された1個以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなる系を意味し、これらの2以上の芳香族環は、相互融合されるか、または単結合を通じて連結されうる。これらのヘテロアリール基のうち1つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様な置換基で置換可能である。
【0034】
化学式(I)において、非置換のC−C30ヘテロアリール基の例には、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基が挙げられる。
【0035】
さらに具体的に、化学式(I)において、RないしR10は、相互独立的に、水素、C−C10アルキル基、C−C10ハロアルキル基、C−C10アルケニル基、C−C10ハロアルケニル基、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、またはC−C10アルコキシナフチル基でありうるが、これに限定されるものではない。
【0036】
また、化学式(I)において、L及びLは、相互独立的に、フェニレン基、ハロフェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、C−C10アルコキシフェニレン基、ナフチレン基、ハロナフチレン基、C−C10アルキルナフチレン基、または C−C10アルコキシナフチレン基でありうるが、これに限定されるものではない。
【0037】
一方、化学式(I)において、Ar及びArは、相互独立的に、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、ピリジニル基、ハロピリジニル基、C−C10アルキルピリジニル基、C−C10アルコキシピリジニル基、キノリニル基、ハロキノリニル基、C−C10アルキルキノリニル基、C−C10アルコキシキノリニル基、イソキノリニル基、ハロイソキノリニル基、C−C10アルキルイソキノリニル基、またはC−C10アルコキシイソキノリニル基でありうるが、これに限定されるものではない。
【0038】
本発明の一態様によれば、化学式(I)を有する化合物は、下記構造を有する〔化合物1〕ないし〔化合物9〕でありうるが、これに限定されるものではない。
【化2】


【0039】
本発明の化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物は、公知の多様な方法を利用して製造可能であり、これは、当業者に容易に認識可能である。
【0040】
例えば、本発明の化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物は、下記化学式(II)を有する化合物を、下記化学式(III)を有する化合物及び/または下記化学式(IV)を有する化合物と反応させて得られる。
【化3】

【0041】
これらの化学式のうち、RないしR10、L、L、Ar、Ar、p、q、n及びmについての定義は、前述したものを参照する。本発明の化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物を製造する方法は、鈴木(Suzuki)反応を利用したものでありうる。
【0042】
前述したような化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物は、有機発光素子の有機膜に含まれうる。より詳細には、本発明による有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物を含む有機膜と、を備える。好ましくは、有機膜は、電子輸送層でありうる。一方、有機発光素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち1つ以上をさらに備えうる。例えば、本発明による有機発光素子は、本発明の化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物を含む有機膜が電子輸送層である場合に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子注入層をさらに備えうる。それだけでなく、燐光材料を利用して発光層を形成する場合に、正孔阻止層をさらに備えることもあるなど、多様な変形例が可能である。
【0043】
より詳細には、本発明による有機発光素子の一例を図1に示す。図1の有機発光素子は、基板/第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極からなる構造を有する。または、本発明による有機発光素子は、基板/第1電極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極からなる構造を有するか、または基板/第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2電極からなる構造を有しうるが、これに限定されるものではない。このとき、電子輸送層は、本発明の化学式(I)を有する化合物を含みうる。
【0044】
本発明による有機発光素子の発光層は、赤色、緑色、青色または白色光を生成しうる燐光または蛍光ドーパントを含みうる。このうち、燐光ドーパントは、Ir、Pt、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、Tb及びTmからなる群から選択された1つ以上の元素を含む有機金属化合物でありうる。
【0045】
以下、本発明による有機発光素子の製造方法を図1に示された有機発光素子を参照して説明する。
【0046】
まず、基板の上部に、高い仕事関数を有する第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法によって第1電極を形成する。第1電極は、アノードまたはカソードでありうる。ここで、基板としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用するが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板が好ましい。第1電極用物質としては、伝導性に優れた酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Mg、Agが使用されうるが、これに限定されるものではない。第1電極は、透明電極、半透明電極または反射電極でありうる。
【0047】
次いで、第1電極の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティング法、LB(Langmuir Blodgett)法のような多様な方法を利用して正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)を形成しうる。
【0048】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合に、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、所望の正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、一般的に、蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択することが好ましい。
【0049】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合に、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、所望の正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpmないし5000rpmのコーティング速度、コーティング後溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃ないし200℃の温度範囲で適切に選択することが好ましい。
【0050】
正孔注入層物質としては、特に制限されず、公知の正孔注入層物質のうちから任意に選択されうる。例えば、米国特許第4,356,429号明細書に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、Advanced Material,6,p.677(1994)に記載されているスターバースト型アミン誘導体類であるTCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、または溶解性のある伝導性高分子であるPani/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸))、Pani/CSA(ポリアニリン/カンフルスルホン酸)、またはPANI/PSS(ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホン酸))が使用されうる。
【化4】

【0051】
正孔注入層の厚さは、約100Åないし10000Å、好ましくは、100Åないし1000Åでありうる。正孔注入層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な正孔注入特性が得られ、駆動電圧の上昇を実質的に防止しうる。
【0052】
次いで、正孔注入層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティング法、LB法のような多様な方法を利用して正孔輸送層(HTL:Hole Transport Layer)を形成しうる。真空蒸着法またはスピンコーティンウ法によって正孔輸送層を形成する場合に、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内で選択される。
【0053】
正孔輸送層物質は、特に制限されず、公知の正孔輸送層物質のうちから任意に選択して使用しうる。例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)などの芳香族縮合環を有する通常のアミン誘導体が使われる。
【化5】

【0054】
正孔輸送層の厚さは、約50Åないし1000Å、好ましくは、100Åないし600Åでありうる。正孔輸送層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な正孔輸送特性が得られ、駆動電圧の上昇が実質的に防止されうる。
【0055】
次いで、正孔輸送層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティング法、LB法のような方法を利用して発光層(EML:Emitting Layer)を形成しうる。真空蒸着法またはスピンコーティング法によって発光層を形成する場合に、その蒸着条件またはコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内で選択される。
【0056】
発光層は、公知の多様な発光物質を利用して形成しうる。一方、発光層は、公知のホスト及びドーパントを利用して形成することもあり、ドーパントの場合、公知の蛍光ドーパント及び公知の燐光ドーパントを何れも使用しうる。
【0057】
例えば、ホストとしては、Alq(トリス(8−キノリノレート)アルミニウム)、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾール))またはDSA(ジスチリルアリレン)などを使用しうるが、これに限定されるものではない。
【0058】
ドーパントの場合、Ir(ppy)(ppyは、フェニルピリジンの略語である)(緑色)、(4,6−F2ppy)Irpic(参照文献:Chihaya Adachi et al. Appl.Phys.Lett., 79,2082−2084, 2001)、PtOEP(Platinum(II) Octaethylporphyrin)、下記化学式(V)を有する化合物(韓国特許公開2005−0078472号公報参照)、Firpic、TBPeなどを使用しうるが、これに限定されるものではない。
【化6】

【0059】
ドーパントの含有量は、発光層の形成材料100重量部(すなわち、ホスト及びドーパントの総重量は、100重量部という)を基準として、0.1ないし20重量部であり、特に0.5〜12重量部であることが好ましい。ドーパントの含有量が前述したような範囲を満足する場合には、燐光や蛍光の濃度消光が実質的に防止されうる。
【0060】
発光層の厚さは、約100Åないし1000Å、好ましくは、200Åないし600Åでありうる。発光層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な発光特性が得られ、駆動電圧の上昇が実質的に防止されうる。
【0061】
発光層が燐光ドーパントを含む場合、三重項励起子または正孔が電子輸送層に広がる現象を防止するために、正孔阻止層(HBL:Hole Blocking Layer)を発光層の上部に形成しうる(図1には、図示せず)。この時に使用しうる正孔阻止層物質は、特に制限されず、公知の正孔阻止層物質のうちから任意に選択して利用しうる。例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、または特開平11−329734号公報に記載されている正孔阻止材料、Balq、BCPを利用しうる。
【0062】
正孔阻止層の厚さは、約50Åないし1000Å、好ましくは、100Åないし300Åでありうる。正孔阻止層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な正孔阻止特性が得られ、駆動電圧の上昇が実質的に防止されうる。
【0063】
次いで、発光層の上部に、電子輸送層(ETL:Electron Transport Layer)を真空蒸着法、スピンコーティング法、またはキャスティング法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合に、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内で選択される。
【0064】
電子輸送層物質は、前述したような化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物を利用しうる。または、前述したような化学式(I)を有するイミダゾピリミジン系化合物と、キノリン誘導体、特に、Alq、TAZ(トリアゾール系化合物)のような公知の材料とを組み合わせて利用することもできる。
【0065】
電子輸送層の厚さは、約100Åないし1000Å、好ましくは、100Åないし500Åでありうる。電子輸送層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な電子輸送特性が得られ、駆動電圧の上昇が実質的に防止されうる。
【0066】
また、電子輸送層の上部に、真空蒸着法またはスピンコーティング法などの方法を利用して、陰極から電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)が積層されうる。
【0067】
電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層の形成材料として公知である任意の物質を利用しうる。電子注入層の蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内で選択される。
【0068】
電子注入層の厚さは、約1Åないし100Å、好ましくは、5Åないし90Åでありうる。電子注入層の厚さが前述したような範囲を満足する場合には、適切な電子注入特性が得られ、駆動電圧の上昇が実質的に防止されうる。
【0069】
最後に、電子注入層の上部に、真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用して第2電極を形成しうる。第2電極は、カソードまたはアノードとして使われうる。第2電極形成用の物質としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物を使用しうる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)が挙げられる。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透明カソードを使用することもできる。
【0070】
以下、本発明による〔化合物1〕ないし〔化合物3〕の合成例及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子の製造に関する実施例を具体的に例示するが、本発明は、下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0071】
合成例1:〔化合物1〕の合成
下記反応式1の反応経路によって、〔化合物1〕を合成した。
【化7】

【0072】
中間体1aの合成
臭素酸250mlに臭化銅(10g、44mmol)と2−アミノアントラキノン(8g、35.8mmol)を入れて、65℃に加熱した。ガス発生が終了した後、反応溶液を室温まで冷却し、20%の塩酸水溶液(1000ml)に添加し、ジクロロメタンで抽出した。有機層の残留水分を無水硫酸マグネシウムで除去した後に減圧下乾燥させた。カラムクロマトグラフィで分離(ジクロロメタン:ノルマルへキサン=4:1)して中間体1aを黄色粉末(7.7g)として得た。
【0073】
中間体1bの合成
窒素雰囲気下で、乾燥THF 100mlに中間体1a(10g、34.8mmol)を添加した。反応混合液を−78℃に冷却した後、臭化2−ナフチルマグネシウム(0.5M、10mmol)を反応混合液に徐々に添加した。反応液を室温まで温度を上げて3時間攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を添加した後、塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を除去した。得られた混合物を少量のエチルエーテルに溶かした後に、石油エーテルを添加して数時間攪拌し、固体化合物を得た。これを濾過した後に真空乾燥させ、ジナフチルアルコールを黄色粉末(17.6g)として得た。
【0074】
窒素雰囲気下で、得られたジナフチルアルコール(17.6g、32.4mmol)を酢酸200mlに分散させた後、ヨウ化カリウム(53.4g、330mmol)、次亜リン酸ナトリウム水和物(58g、660mmol)を添加し、3時間攪拌・還流した。反応液を室温まで冷却した後、濾過して、水とメタノールとで洗浄し、真空乾燥させ、中間体1bを薄黄色粉末(11.3g)として得た。
【0075】
中間体1cの合成
窒素雰囲気下で、乾燥THF 70mlに中間体1b(5g、9.81mmol)を溶かし、−78℃でブチルリチウム(4.7ml、11.8mmol)を滴加した。−78℃で1時間攪拌した後、トリメチルホウ酸(2.20ml、29.4mmol)を添加した。室温まで加温し、1時間インキュベーションした。その後、2Nの塩酸水溶液を添加し、3時間攪拌した。得られた固体化合物をトルエンで洗浄・濾過して薄黄色粉末の中間体1cを得た(3.27g、収率70%)。
【0076】
中間体1dの合成
エタノール(150ml)に2−アミノピリミジン(3.39g、35.98mmol)と2,4’−ジブロモアセトフェノン(10g、35.98mmol)とを溶かして12時間還流した。室温まで冷却して、白色の固体を得、これをNaHCO飽和水溶液で洗浄・濾過した。有機層の残留水分を無水硫酸マグネシウムで除去し、減圧乾燥させた後、再結晶(ジクロロメタン/ノルマルへキサン)して中間体1dを板状結晶として得た(8.02g、収率82%)。
【0077】
化合物1の合成
中間体1c(1.85g、3.90mmol)と中間体1d(1g、3.90mmol)とを炭酸カリウム(2.7g、19.5mmol)水溶液とTHFとの混合溶媒に入れ、攪拌しながらPd(PPh(225mg、0.196mmol)を添加し、6時間還流した。室温まで冷却した後、得られた固体化合物を水、エタノール、及びトルエンで洗浄・濾過して化合物1を黄色粉末として得た(1.73g、収率71%)。
【0078】
H NMR(400MHz,CDCl)8.51(1H)、8.40(1H)、8.12(1H)、8.06−7.99(5H)、7.96(2H)、7.85(1H)、7.78−7.59(15H)、7.32(2H)、6.84(1H)。
【0079】
合成例2:〔化合物2〕の合成
中間体1bの合成方法のうち、臭化2−ナフチルマグネシウムの代わりに臭化フェニルマグネシウムを使用した点を除いては、合成例1と同じ方法で〔化合物2〕を合成した。
【0080】
H NMR(400MHz,CDCl)8.54(1H)、8.42(1H)、8.07(2H)、7.96(1H)、7.83(1H)、7.80(1H)、7.73−7.48(15H)、7.35(2H)、6.87(1H)。
【0081】
合成例3:〔化合物3〕の合成
中間体1bの合成方法のうち臭化2−ナフチルマグネシウムの代わりに臭化フェニルマグネシウムを使用した点と、1dの合成方法のうち2,4’−ジブロモアセトフェノンの代わりに2,4’−ジブロモプロピオフェノンを使用した点とを除いては、合成例1の〔化合物1〕の製造方法と同じ方法で〔化合物3〕を合成した。
【0082】
H NMR(400MHz,CDCl)8.54(1H)、8.22(1H)、7.97(1H)、7.93(2H)、7.70(1H)、7.71−7.52(15H)、7.35(2H)、6.92(1H)、2.73(3H)。
【0083】
実施例1
アノードとしては、コーニング社の15Ω/cm(1200Å)のITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmのサイズに切断して、イソプロピルアルコールと純水とでそれぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。基板の上部にm−MTDATAを真空蒸着して750Åの厚さの正孔注入層を形成した後、正孔注入層の上部にα−NPDを真空蒸着して150Åの厚さの正孔輸送層を形成した。正孔輸送層の上部にホストとしてDSA 97重量部、ドーパントとしてTBPeを3重量部使用して、300Å厚さの発光層を形成した。発光層の上部に合成例1から得た〔化合物1〕を真空蒸着して200Åの厚さの電子輸送層を形成した。電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して80Åの厚さの電子注入層を形成した後、Alを真空蒸着して3000Åの厚さのカソードを形成することによって、有機発光素子を完成させた。
【0084】
実施例2
電子輸送層の形成材料として、合成例1から得た〔化合物1〕の代わりに、合成例2から得た〔化合物2〕を使用したという点を除いては、実施例1と同じ方法で有機発光素子を完成させた。
【0085】
実施例3
電子輸送層の形成材料として、合成例1から得た〔化合物1〕の代わりに、合成例3から得た〔化合物3〕を使用したという点を除いては、実施例1と同じ方法で有機発光素子を完成させた。
【0086】
比較例
電子輸送層の形成材料として、合成例1から得た〔化合物1〕の代わりに、Alqを使用したという点を除いては、実施例1と同じ方法で有機発光素子を完成させた。
【0087】
評価例
実施例1、2及び3の有機発光素子及び比較例の有機発光素子に対して、電流密度(mA/cm)、駆動電圧(V)、輝度(cd/m)、及び効率(lm/W)をPR650(Spectroscan) Source Measurement Unit.(PhotoResearch社製)を利用して評価して、その結果を下記表1に表した。
【表1】

【0088】
実施例1、2及び3の有機発光素子は、表1に記載されたように、比較例の有機発光素子より向上した電流密度、駆動電圧、輝度、効率特性を有する。したがって、本発明による化学式(I)を有するイミダゾピリミジン化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子は、従来の有機発光素子に比べて、高輝度、高効率、低駆動電圧、長寿命駆動が可能であるということが分かる。
【0089】
本発明について、前述のように合成例及び実施例を参照して説明したが、これらは例示的なものに過ぎず、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、本発明による有機発光素子の構造の一例を概略的に示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(I)を有することを特徴とするイミダゾピリミジン系化合物:
【化1】

ここで、
、R、R、R、R、R、R、R、R、及びR10は、相互独立的に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ基、シアノ基、置換もしくは非置換のC−C30アルキル基、置換もしくは非置換のC−C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC−C30アシル基、置換もしくは非置換のC−C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC−C30アリール基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
ないしRのうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができ、
ないしR10のうち相互隣接した2以上は、相互結合して飽和または不飽和環を形成することができ、
及びLは、相互独立的に、単結合、置換もしくは非置換のC−C30アルキレン基、置換もしくは非置換のC−C30アリーレン基、または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリーレン基であり、
Ar及びArは、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C30アリール基または置換もしくは非置換のC−C30ヘテロアリール基であり、
p及びqは、相互独立的に、1ないし5の整数であり、
m及びnは、相互独立的に、0ないし4の整数であるが、m及びnが何れも0である場合は除外する。
【請求項2】
前記RないしR10が、相互独立的に、水素、置換もしくは非置換のC−C10アルキル基、置換もしくは非置換のC−C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC−C12アリール基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項3】
前記RないしR10が、相互独立的に、水素、C−C10アルキル基、C−C10ハロアルキル基、C−C10アルケニル基、C−C10ハロアルケニル基、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、またはC−C10アルコキシナフチル基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項4】
前記RないしRのうち相互隣接した2以上または前記RないしR10のうち相互隣接した2以上が結合して、置換または非置換のC−C12芳香族環を形成することを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項5】
前記L及びLが、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C12アリーレン基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリーレン基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項6】
前記L及びLが、相互独立的に、フェニレン基、ハロフェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、C−C10アルコキシフェニレン基、ナフチレン基、ハロナフチレン基、C−C10アルキルナフチレン基、またはC−C10アルコキシナフチレン基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項7】
前記Ar及びArが、相互独立的に、置換もしくは非置換のC−C12アリール基、または置換もしくは非置換のC−C12ヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項8】
前記Ar及びArが、相互独立的に、フェニル基、ハロフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基、ピリジニル基、ハロピリジニル基、C−C10アルキルピリジニル基、C−C10アルコキシピリジニル基、キノリニル基、ハロキノリニル基、C−C10アルキルキノリニル基、C−C10アルコキシキノリニル基、イソキノリニル基、ハロイソキノリニル基、C−C10アルキルイソキノリニル基、またはC−C10アルコキシイソキノリニル基であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項9】
mが0であり、nが1であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【請求項10】
m及びnがいずれも1であることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物
【請求項11】
化学式(I)を有する化合物が、下記構造を有する〔化合物1〕ないし〔化合物9〕のうち何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載のイミダゾピリミジン系化合物。
【化2】


【請求項12】
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に請求項1ないし11のうち何れか1項に記載の化合物を含む有機膜と、
を備えることを特徴とする有機発光素子。
【請求項13】
前記有機膜が電子輸送層であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記第1電極と前記第2電極との間に正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層及び電子注入層からなる群から選択された1つ以上の層をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の有機発光素子。
【請求項15】
前記第1電極と前記第2電極との間に正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子注入層をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の有機発光素子。

【図1】
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【公開番号】特開2008−222706(P2008−222706A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2392(P2008−2392)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】