説明

イムノゲン付着とその製造法および使用法

【課題】呼吸器疾患複合体においてコロニー形成性の病因イムノゲンの吸着あるいは付着を、動物の粘膜に該イムノゲンが付着するのを抑制することによって、実質的に阻止する、微生物付着抑制剤、ならびに前記抑制剤の製造法および使用法を提供する。
【解決手段】前記抑制剤は、産卵年齢内またはその年齢に達する頃に雌の鳥にターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンを接種した後、ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対する抗体含有成分を卵内に含んだ卵が鳥の中に産生されるに充分な時間を経過させ、その鳥が産んだ卵を収穫し、殻から前記卵の抗体含有成分を分離することにより、製造される。
以上のような方法で生成された微生物付着抑制剤は、動物に投与されて、動物の気道においてターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンの付着を実質的に阻止するために用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸器疾患複合体におけるコロニー形成性の病因イムノゲンの吸着あるいは付着を、宿主食用動物(host food animal)、高価な非食用動物(high value nonfood animal)、動物学上の動物(zoological animal)、コンパニオンアニマル、実験動物またはヒトを含めた動物の粘膜に該イムノゲンが付着するのを抑制することにより、実質的に阻止するための、家禽卵抗体の形の、微生物付着抑制剤、かかる付着抑制剤の製造法およびかかる付着抑制剤の使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物のグループは、動物の気道の中で非常に複雑な相互作用をする。これらの動物とは、2〜3の例を挙げると、乳牛、飼養場ウシ(feedlot cattle)、ブタ、およびニワトリや七面鳥等の鳥類である。組織体(organisms)は動物のグループによって異なるが、基本的にはパスツレラ(Pasteurellae)、Mannhiemae、およびヘモフィルス属(Haemophilus)のグループ、マイコプラズマ(Mycoplasma)などのバクテリア、およびウシRSウィルス(BRSV)、ウシウィルス性下痢(BVD)、パラインフルエンザ(PI)、感染性ウシ鼻気管炎(infectious bovine rhinotrocheitus:IBR)、ブタインフルエンザ(H、H)等の呼吸グループ、菌類および寄生生物およびそれらの組み合わせである。このような組織体は、日和見感染性の(oppotunistic)呼吸病原体で、健康な動物の気道上部に存在している可能性がある。ヘモフィルス属(Haemophilus)はあまり無いが、パスツレラ(Pasteurella)およびマイコプラズマ種は、鼻咽腔から吸い込まれると、気道の下部に侵入し、ウシ呼吸疾患コンプレックス(BRDC)を引き起こす可能性がある。乳牛もしくは飼養場ウシは、様々なストレスの多い環境、例えば船に積み込まれたり、乳離れさせられたり、ウィルス性の感染症、悪天候、天候の変化、飼養場内での移動、栄養不足、および狭い場所に押し込まれたり、といったことによって免疫系や身体的、免疫学的防御能力が低下することがある。そうすることで、多数の微生物が鼻咽腔領域から気道下部、肺の内部まで入り込んで行く。これによって肺呼吸疾患コンプレックスが誘発され、前記肺呼吸疾患コンプレックスにはウシの輸送熱コンプレックスが含まれる。動物間の伝染は通常、空気によって運ばれる飛沫または飼料もしくは水の汚染による。いちど微生物が鼻咽喉領域に取り付いてしまうと、空気を吸う間、エアロゾル(aerosol)は、バクテリアを気道の下部まで運んでしまう。こうすることで組織体は気管支および肺胞細胞に取り付いたり、増殖して肺炎を引き起こしたりする。肺感染症は、臨床的な兆候を現さずに障害を引き起こすのではなく、平均的な日々のゲイン(average daily gain)が減っていく。動物は食欲が無くなり、すぐに病気になり、数時間以内に死に至る。疾病率は非常に高く、一頭が発病すると群れの他の動物も簡単に感染してしまう。こういったことから、飼養場(feedlot)が非常に重要に成ってくる。同じような大量発生が、ブタの群れおよびニワトリや七面鳥といった鳥類の群れでも起こる。現在有効なワクチンでも、このようなコンプレックスから動物を保護するのには限界がある。これは、一部には、鼻咽喉領域における免疫防御の欠如によるものかもしれない。呼吸ウィルスのグループは、動物を衰弱させ、宿主の免疫学的反応を失わせるが、それは動物を病気や死に至らしめる気管支肺炎(BRD)を誘発する気道の下部に侵入するバクテリア菌株(通常は、Mannhiema hemolyticaもしくはPasteurella multocida)による。ウシに見られる輸送熱肺炎および風土病性肺炎のどちらにおいても、結局共通する特徴はバクテリア病原体である。ウシ呼吸疾患(BRD)は今日、飼養場(feedlots)における損失に関する病気を誘発する原因となっている。BRDに関する財政的な損失には、死体処理、投薬、獣医による診察、人件費といった治療に関するコストも含まれている。一回の治療(one treatment)に係る平均コストは一頭あたり8.80ドルである。BRDに対する治療を受けた若い雌ウシで発症したのは37.9%以下である。かわりに、一度も治療を受けたことの無い動物は、一頭あたり平均11.48ドルかかる。治療した動物と治療していない動物とでは、一日あたりの平均収益(gains)が異なる。治療した動物に関していうと、最終的な利益は、一頭あたり57.48ドルより低い。BRDのリストによると、死亡した全てのオスの子ウシの20.6%が飼養場(feedlot)で死んでいる。
【0003】
ブタ呼吸疾患コンプレックスはよく知られていて、ブタの群れ全体の90%に影響を与える同じようなタイプの病気である。Mycoplasma hypopneumoniaは第一病原体で、一般的にPasteurella multocida‐A型および‐D型のような第二病原体のコンプレックスと関連しており、高熱もしくは発育不良といった臨床的兆候を引き起こす。こういった組織体が複合すると、ブタにおいて深刻な肺炎を引き起こしたり、長引かせたりすることがある。ブタの繁殖と呼吸症候群(PRRS)は、ブタに関して、肺炎のもう一つの重要な要因と成り得る。有毒なPRRS着色剤(stains)を最小限投与しただけでは、深刻な生殖疾患を誘発しかねない。一般的に、ブタ呼吸疾患の原因となる病原体には、Haemophilus parasuis、ブタインフルエンザ菌(Haemophilus suis)、Haemophilus planopneumonia、Pasteurella(Mannhiema)haemolyticaおよびPasteurella multocida(A型およびD型)に加えて、PRRSウィルス、ブタインフルエンザ(H1N1、H3N2)およびMycoplasma hypopneumoniaeが含まれる。動物の健康に関して、全体的な経済的影響を見積もるのは困難である。群れの中で肺炎性肺病変(pneumonic lung lesions)のために呼吸の状態が悪くなると、或る群れでは70%のブタが影響を受ける。ウィルスに対するワクチン投与とバクテリアに対する投薬を組み合わせることで、こういった問題、つまり常に重要となるワクチンを投与するタイミング、を制御する手助けとなる。投薬は、コストおよび動物に与えるダメージを最小限に抑えるため、適切な時期に行なわなければならない。
【0004】
Mycoplasma hypopneumoniaeのような組織体は、「ブタの家畜風土病性肺炎(SEP)」と呼ばれる重要な慢性的呼吸疾患の原因と成り得る。この組織体は単独で、ブタに関して、深刻な肺炎の原因と為り得るため、養豚場にとっては重大な脅威である。
【0005】
アクチノバチルス胸膜肺炎(Actinobacillus pleuropneumoniae)は「ブタ胸膜肺炎」を引き起こし、その結果、深刻な経済的損失や動物の死に見舞われる。ワクチンが開発されても、同一源の保護は実践されなかった。過去数年の間に、14の血清型および2つの生物型が世界的に確認された。成育ブタおよび非育ブタ(growing and finishing pigs)どちらも、群れを守るために予防接種を受けなければならない。
【0006】
ブタの群れにおいて見られる呼吸疾患の主な影響は、食欲が減退して、発育障害が起こることである。このことによって、ブタにおける均等性の減少、死亡率の増加、一日あたりの平均収益(average daily gain)の減少、および一腹で産まれてくる頭数の減少などが起こる。生産者の報告によると、群れ全体のほぼ14.4%が呼吸疾患を発症する。ワクチンや薬剤を投与することでコストが嵩み、全体的なパフォーマンスは低下する。見積もりによると、一日あたりの体重増加の落ち込みや病気治療のために使用される抗生物質の費用として養豚業者が一年間に負担する金額は、4億6700万円(467 million)といわれている。死亡した成育‐非育ブタの全頭数の39%以上が呼吸疾患を患っていた。
【0007】
特定条件の診断もしくは治療に用いる鳥類卵抗体の生成法は既に知られている。組織体、特に組織体のコロニー形成、および動物の気道に病因イムノゲンの付着とコロニー形成を抑制する鳥類卵抗体の生成法は提唱されていない。
【0008】
代表的な先行技術特許は以下の通りである:ポルソンの米国特許4555019号、ストール等の米国特許4748019号、トコロの米国特許5080895号、キャロルの米国特許5196193号、リーの米国特許5367054号、コールマンの米国特許5585098号、ストール等の米国特許5753268号。
【0009】
ラウンの米国特許3794732号では、反芻動物における飼料の利用を向上させるために、反芻動物の食料にポリエステル抗生物質を用いることが議論されている。ここでは特に、反芻動物において成長促進剤として抗生物質を用いることに着目している。
【0010】
ラウンの米国特許3947836号では、反芻動物が経口摂取した場合、飼料の有効利用が出来るように、特別に調合された抗生物質混合物の使用について議論されている。特に、酢酸塩に対してより多くのプロピオン酸塩が作り出せるような反芻胃の機能を有していれば、飼料をより有効に活用できる、と述べられている。
【0011】
アイビー等の米国特許4933364号では、成長および哺乳動物を生産している飼料(food producing mammals)の飼料効率を促進するための、現在の方法に取って代わる方法に関して議論されている。彼等が使用を提案している亜鉛抗生物質は、哺乳動物を生産している飼料の飼料効率を高めるような亜鉛抗生物質コンプレックスを創製するために、不溶解性の形で添加することが出来る。彼等は2つの参考文献、米国特許3501568号および米国特許3794732号を挙げており、その中ではモネンシンに関して非常に詳細に述べられている。
【0012】
モネンシンのような添加物の利用に関する他の文献においても、このような物質の賢い応用の必要性が述べられているが、それは、ウマのような動物に対しては有毒なものと成り得るからである。乳牛への使用は認可されていないこういった抗生物質は、十分注意して管理する必要がある。さらに、古くからウシの飼料に添加されていた基本的なサプリメントである糖蜜にモネンシンが添加できなくなると、始めのうちは摂食量が少なくなっている(Pate,F.「Ionophores Do Not Appear To Work In Molasses Supplements」,ONA Reports、第2頁、1996年11月、Florida Cattleman and Livestock Journal;Lona,R.P.et al,J.Anim.Sci.75(1):2571−2579,1979)。
【0013】
ポルソンの米国特許4550019号では、家禽卵の卵黄抗体の製造と使用に関して述べられており、前記抗体は、ヒトも含む、動物の、受動的な免疫処置に関する免疫学的調製品を作製し、免疫吸着過程、特に定量的分析テスト、とりわけ診断、病理学的、法医学的、および薬物動態学的研究に関するマイクロ・アッセイへの免疫試薬として考えられている。
【0014】
ストール等の米国特許4748018号では、何種類も存在する抗原のいずれかに対して、鳥類の卵黄抗体を用いた哺乳動物の受動的な免疫処置の方法に関して述べられており、哺乳動物が初めて抗体に対する耐性を身に付けた後に、様々な条件下で様々な方法による投与が試みられたり、抗体を混合した様々な組成物を用いて行なわれている。
【0015】
トコロの米国特許5080895号では、卵由来の物質を含んでいる特異的な抗体およびそれらの製造方法、および感染性の疾患もしくはそれ以外の疾患に対する治療への応用、そして、家畜および家禽の飼料、化粧品および医薬品の添加物として、更には血清学的診断分野への応用に関して述べられている。明確には述べられていないが、明らかなのは、飼料に卵抗体を混合することで、家畜や家禽の腸内で発生する感染症の治療に用いられる抗体を容易に経口投与することが可能である、ということである。
【0016】
キャロルの米国特許5196193号およびその分割特許である米国特許5443976号では、ヘビ、クモ、サソリもしくはクラゲの毒を中和するウマ抗体あるいは鳥類の卵黄抗体を含んでいる解毒剤、に関して述べられている。
【0017】
リーの米国特許5367054号では、乳を分泌する反芻動物のミルク中に含まれる少数の体細胞に対して、卵免疫グロブリンを大規模に精製する方法、に関して述べられている。
【0018】
ストール等の米国特許5753268号では、反コレステロール性卵ワクチンとその製造方法、および血管障害のあるヒトおよび他の動物に対するダイエットサプリメントとしての使用、に関して述べている。
【特許文献1】米国特許 4555019号
【特許文献2】米国特許 4748019号
【特許文献3】米国特許 5080895号
【特許文献4】米国特許 5196193号
【特許文献5】米国特許 5367054号
【特許文献6】米国特許 5585098号
【特許文献7】米国特許 5753268号
【特許文献8】米国特許 3794732号
【特許文献9】米国特許 3947836号
【特許文献10】米国特許 4933364号
【特許文献12】米国特許 3501568号
【特許文献13】米国特許 3794732号
【特許文献14】米国特許 4550019号
【特許文献15】米国特許 4748018号
【特許文献16】米国特許 5443976号
【特許文献17】米国特許 5753228号
【非特許文献1】「Ionophores Do Not Appear To Work In Molasses Supplements」 Pate,F.,ONA Reports,第2頁、1996年11月、Florida Cattleman and Livestock Journal
【非特許文献2】Lona,R.P.et al,J.Anim.Sci.75(1):2571−2579,1979
【非特許文献3】Charly,H and C.Weaver、3rdEdition、Foods:a scientific approach,Merril−Prentice Hall,p350,1998
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
広く述べてきたように、本発明は、動物、例えば宿主食用動物、高価な非食用動物、動物学上の動物、コンパニオンアニマルもしくはヒトに投与して、コロニー形成性イムノゲンが気道に付着するのを抑制するもしくは実質的に阻止するための、微生物付着抑制剤の製造方法に係るものであり、前記方法は、先ず、特定のターゲットとなるイムノゲンを、雌鳥に、その産卵年齢内またはその年齢に達する頃に、接種することにより、行なわれる。それから、その鳥の体内にターゲットとなるイムノゲンに対する抗体が生成されるに充分な時間が経過した後に、その鳥が産んだ卵を収穫する。卵の黄身とアルブミン抗体含有物を殻から分離する。卵の抗体含有物は、直接使用されてもよく、増量剤上に配置される、或いは担体物質と混合されてもよい。抗体は、液体中に加えられても、リックタブ(lick tub)中に混ぜられて、動物のいる周囲環境にスプレーもしくは吹き付けられたもよい。卵抗体付着抑制物質は、必要に応じて、使用のために、蓄積されたり、運搬されてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0020】
ターゲットとなるイムノゲンに特異的な抗体を混合した卵の内容物は、抗体物質の直接散布、または大気中に抗体物質を飛沫同伴することで、動物もしくはヒトに投与される。該物質は、注射器またはスプレーで、直接動物の鼻咽頭領域に注入することで導入される。該物質は、噴霧銃で直接あるいは鼻腔内への接種によって投与される。エアロゾル混合物を作成し、動物の頭上もしくは鼻孔に霧のように散布して投与される。もう一つの方法は、該物質を担体と混合して、飼料の「コーティング」(“top dressing”on feed)として投与することである。該物質を水に添加し、その溶液を動物もしくはヒトに飲ませることで、特別な需要(needs)が満たされ得る。活性物質が、配送のために大量に、リック(licks)や飼葉桶に添加されてもよい。ゲル状の混合物が一般的な動物飼料混合物を用いて作成され、「リックタブ」(飼料添加物の桶)に注ぎ込まれる。気道に活性物質を運び込むために、その他の配送システムも、採用されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施により、大量の抗体を、安全で安価に、しかも効率的に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、コロニー形成性微生物、例えばPasteurella(Mannhiema)haemolytica,P.multocida,およびHaemophilus somnus、ブタインフルエンザ、マイコプラズマbovisもしくはM.hypopneumoniae等、の能力を抑制することで、動物の気道における粘液性膜および気管支や肺胞細胞に付着して、微生物が転移増殖するのを阻止する方法について述べている。微生物がコロニー化できなければ、ストレスを誘発するような環境に晒されても、動物の免疫学的防御は保たれたままである。その結果、感染すると死亡率が高くなるような輸送熱も含め、肺炎性の呼吸疾患をあまり患わなくなる(図1)。
【0023】
全ての哺乳動物および鳥類も、自分自身に対する抗体を作成できるようになるよりずっと早い時期、つまり非常に幼い頃から、即時的な免疫反応を示す同じような防御のタイプの反応を示す。より具体的に言えば、能動的抗体防御と言われており、この防御メカニズムは、哺乳動物の場合、胎盤、母乳、またはその両方を通じて子供に譲り渡されて行く。しかし、鳥類の場合、胎芽段階から発達する卵内に存在する抗体の貯蔵庫から能動的抗体防御を受け取ることになる。特に、鳥類は、卵からかえると、母親の漿液以上の濃度で抗体を含み、非常に大きな抗体の供給源となる自分たちの卵を“ロード・アップ(load up)”する性質を有している。さらに、鳥類の抗体は、とくに有害な状況下では、哺乳動物の抗体よりもずっと、消化作用に対して安定で耐性である。一度接種されると、雌鳥は、アルブミン中には共通したトリIgMおよびIgA免疫グロブリンを堆積させるのに対し、黄身の中には特異的なIgY免疫グロブリンを積層させる。アルブミンは全卵プレパレーションに対する耐性を補ったり、鳥類の抗体を保護する手助けをする。卵黄内の鳥類IgY免疫グロブリンは、それらの宿主に付着しているアドヘリン(adherins)ように密接に結合して、それらを、膜で覆い(coat)、包み込み(cover)、除去する(obliterate)。アルブミン、IgYおよびIgA免疫グロブリンは、該抗体含有物質の気道粘液組織に対する結合力を高め、それは、該抗体含有物質を長期間に亘って維持する効果を与える。IgMおよびIgA免疫グロブリンは、ジスルフィド結合を有しており、それは分子を互いに繋ぎ止め、より大きな抗体含有分子を与える。より大きな抗体含有分子は、動物もしくはヒトの気道においてターゲットとなるイムノゲンの付着を阻止するのに、より効果的である。アルブミンは、IgY免疫グロブリンの活性を保護し、それによって気道での活動寿命を長くする、タンパク質である。さらに、卵内に存在する大量の抗体は、直近までその母親が暴露され立ち向かってきた抗原に対して、ずっと排他的な特異的な抗体である。これは全て、大量の、経済的に製造された、高度に特異的で安定な抗体のための極めて理想的な源である、鳥の卵に帰着する。鳥類の抗体を生成するのにニワトリを用いて、本発明が説明されているが、七面鳥、アヒル、ガチョウ、ダチョウ、エミュ、キジ、ハト、ウズラなどを含む、他の家禽もしくはそれらの組み合わせが用いられてもよい。
【0024】
特に、若い雌のニワトリ、例えばロード・アイランド・レッド、ホワイト・レグホーン種、セックス・リンク・ハイブリッド・クロス(sex−linked hybrid crosses)およびその他の品種から得られるグループは、サイズや体積の大きな卵に適しており、およそ16〜19週齢の産卵期までは取り扱いも容易であり、所望の最終的な製品の量や時期によって予定されるスケジュールに基づく、安定して連続的な製造工程をもたらす。およそ2〜4週間の分離および順化の期間を過ぎると、各グループは接種プログラムに突入するが、それは、それに対する抗体が所望される特異的な抗原(イムノゲン)の再水和された専有調製品(rehydrated proprietary preparation)を用いて行なわれる。微生物の培養組織は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)などの企業から得ることが出来る。培養組織は抗原を分離するのに用いられる。抗原は準備されたイムノゲンに応じて調製され、筋肉注射で注入されるが、好ましくは皮下注射で注入される。ほぼ4〜5週で、集められた(collected)平均的な卵は、所望の特異的な抗体を、容易に使用でき安定な形で、大量に含有するであろう。ニワトリは、高い抗体レベルを維持するために、産卵期の間中、ターゲットとなるイムノゲンで再接種され得る。
【0025】
前もって予定していたニワトリのグループから卵を選んで割れ目を入れ、内容物を殻から分離して混合し、好ましくは低温殺菌を施して、ニワトリ由来の内在する病原性微生物を死滅させたり、内在する汚染物質を減じたりする。ELISAや凝集反応(agglutination)などの標準的なテスト処置を用いて、抗体の活性をモニターする。該典型的なバッチ(batch)は、次いで、他の平均的製造レベル(other average production levels)でのニワトリのグループに由来するバッチとブレンドされて、豊富な標準化活性成分をもたらす。該卵抗体微生物抑制物質は、キャリヤー材料、例えば大豆油や巨丸剤および/もしくは錠剤に載せて、貯蔵および輸送される。処方書および最終的な消費者の要求や仕様に従って、最終的な抗体製品にはいくつかのタイプの無害性添加物、例えば乾燥乳漿あるいは大豆の殻、蒸留した穀物、糖蜜、大豆もしくは籾殻または食料配給に関する仕様書に対する嗜好品などが含まれていてもよい。前述のような処置に基づいて製造された一つの卵からは、特異的な微生物のコロニー化(colonization)に対し少なくとも140〜160回分の管理された保護を与えるに充分に活性で安定な製品が産生されよう。この方法は、肉牛および乳牛、ブタ、ニワトリ、七面鳥、コンパニオンアニマル、高級非食用動物、動物学的動物およびヒトの中に存在する組織体が引き起こす呼吸疾患を制御する経済的で、安全で、効果的な方法を初めて提供したものである。
【0026】
イムノゲン付着抑制剤ならびにその製造および使用方法は、一覧に示した微生物種に特異的なイムノゲンを生成する。該イムノゲンは、産卵期の鳥類動物に接種される。接種された雌鳥は、アルブミン内にIgMおよびIgA型、卵黄内にIgY型の特異的抗体を含有している卵を産卵する。卵は採集され、全割卵由来の材料は、糖蜜、大豆油、DMSO、PBSバッファおよびビタミンE溶液などの担体混合物と適切な濃度で混ぜ合わされる。この溶液は最適化されて、スプレーされたり、噴霧されたり、鼻咽腔内に注入されたり、ゲル状にされたり、もしくは飼料やリックタブ(lick tubs)に混入されたりする。保護材料が食事中に畜舎もしくは飼養場の中で、朝夕に一回ずつ散布される。散布の回数は試験をすることで決定される。該材料は無毒なので、与えられた畜舎に必要に応じ必要な量だけ散布される。好適な方法としては、片方の鼻の孔に対して半分量ずつを直接鼻の中に注入するか、または直接鼻にスプレーする方法と飼料、リックタブ、もしくは噴霧方式とを組み合わせてもよい。
【0027】
製品はいずれもターゲットとなるイムノゲンに特異的な鳥類の抗体を含有する自然な調製品である。これらの抗体が細胞壁の外表面、アドヘリンレセプタ(adherin recepter)、ピリもしくはピレイト(pilli or pilated)構造およびカプセル、またはウィルスのキャプシドに付着すると、組織体が粘液性膜に吸着できなくなる。微生物は増殖もしくはコロニー化できなくなる。微生物が気道を下ることが出来なくなり、気道下部で疾患を引き起こさないようにする。該材料を散布することにより、霧が鼻咽頭を覆い、バクテリア、ウィルスもしくは他の微生物が水滴中に広がるのが阻止される。霧はまた、飼料や水を覆うことで、組織体が動物間で広がっていくのを防いでくれる。本発明の方法によって、抗生物質を使用せずに、動物が飼養場や畜舎の中で死んだり、病気にかかったりするのを実質的に減らすことが出来る。
【0028】
呼吸性組織体を減ずることで、肺病変が減少し、二次感染が減少し、日々のゲイン(daily gain)が改善し、パフォーマンスが改善し、飼料効率が改善し、そしてコストが削減できる。動物の肺炎を制御することで、成長効率および生活の質、並びに呼吸性組織体のより低い内在的な広がりが改善される。同様の例が、コンパニオンアニマルやヒトにおいても得られる。
【0029】
ここで述べた本発明の修正や変更は、その精神および範囲を逸脱しない限りにおいては可能である。記載した特定の実施態様は、単に例として取り上げたものであって、添付した請求項の範囲によってのみ、本発明は制限される。
【0030】
最も好結果を齎す、コロニー化した微生物、バクテリア、ウィルスおよび寄生生物などは、その表面に宿主の様々な表面部分に存在する一つもしくはそれ以上のタイプの特異的な分子に非常にしっかり固着し得る、多数の異なるタイプの分子を発展させ、それらは「アドヘリン」(adherins)もしくは「インティミン」(intimins)と称される。該付着抑制剤は、非常にユニークな化学構造に対してフィットするようなタイプの錠と鍵を有するそれらの宿主にそれら自身が付着するこれらのアドヘリンに対して、非常に強固に結びついたり、それを包み込んだり、覆い隠したり、消滅させたりすることができる、驚くほど高い特異性を有する鳥類抗体である。卵黄の中に存在する鳥類のIgY免疫グロブリンは、それら自身をそれらの宿主に付着させるアドヘリンに対して非常に強固に結びついたり、それを包み込んだり、覆い隠したり、消滅させたりする。アルブミン、IgMおよびIgA免疫グロブリンは、該抗体含有物質のより長い持続効果を与える、気道の粘液組織中の該抗体含有物質の結合を増大させる。IgMおよびIgA免疫グロブリンは、分子を繋ぎ止め、より大きな抗体含有分子を提供する、ジスルフィド結合を有している。該より大きな抗体含有分子は、動物やヒトの気道にターゲットとなるイムノゲンが付着するのを阻止するのにより効果的である。アルブミンは、該IgY免疫グロブリンの活性を保護し、それによって気道における活動を増進する、タンパク質である。更に、この直接的な攻撃に加えて、大抵の生物学的な流体、たとえば血液、リンパ、唾液、涙、およびある程度までの腸管の分泌物に含まれている補体系の構成要素は、抗体が取り付くと、様々な防御活動へのトリガーであると認識する。特異的な抗体の付着やコーティングは、多くの他の細胞防御システムの非常に有望な可動性と結びついているため、化学的な不活性が即座に最高潮に達し、最終的にはターゲットとなる微生物は破壊される。
【0031】
本発明を、更に、以下の実施例によって説明する:
【実施例1】
【0032】
産卵期にある雌鳥の選択
産卵期にある雌鳥の系統は、必要性と使用に応じて様々である。ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウ、ハト、ウズラ、ダチョウ、エミュまたは他の家禽も含めて、どんな産卵期の家禽雌鳥が接種されてもよい。好ましいのは産卵期にあるニワトリの一般的な系統であり、そして通常は、1年に産む卵の数、卵の大きさおよび住環境の手軽さによって選択される。ロード・アイランド・レッド、ホワイト・レグホーン、レッド・セックス・リンク・ハイブリッドは、卵の大きさ(ラージからエクストラ・ラージ、50〜65gm)に基づいて選択された動物であり、免疫処置スケジュールのために用いられた。1年間に一羽の雌鳥が産む卵の数に加えて、動物の取り扱いの容易さ、卵の大きさや均一性が観察された。如何なる産卵する鳥類の雌も使用可能であるが、費用および扱いの容易さから、これたのニワトリが最良と判明した。ホワイト・レグホーン、W98ハイブリッドが、最上の均一性と、より多くの1羽当りの卵数を与えた。これらの動物は、ラージからエクストラ・ラージ(50〜65gm)の卵を、一羽当り年間300個までの卵を産む。
【実施例2】
【0033】
イムノゲンに対するPM抗原の準備
Pasteurella Multicoda(ATCC 15743)がモデル・バクテリアとして使用された。組織体がウシから分離された。ストックの再水和のためのATCC法が次に行なわれた。該バクテリアは、TSBの1.0mlで再水和される。ブレイン・ハート・インフュージョン(BHI、Acumedia)を用いて、該バクテリア上のPM抗原を刺激する。ストックTSBは、BHIブロスに接種され、37℃で18〜24時間培養される。これは、バクテリア上で発達した体腔の抗原および付着した抗原を刺激する。BHIブロスの入ったフラスコは、BHI・ブロス・カルチャーで接種される。ゆっくりと攪拌しながら、フラスコは37℃で保温される。血液寒天培地プレートは、形態を確立するため、コロニーを分離するように画線培養される。良い成長が観察されるのは、22時間後である。フラスコは結合され、該物質の採取は、およそ3000rpmで30分間の遠心分離と滅菌生食水(0.9%)で行なわれる。採取された物は、チューブ内に集められる。濃度のチェックは、分光光度計目録およびマクフャーランド(McFarland)懸濁液内バクテリア計量器標準を用いて行なわれる。該物質は、およそ1×10/mlに希釈される。4%ナトリウム・デオキシ・コール酸塩(Difco)溶液が、0.9%滅菌生食水(Herzberg,1972)にカルチャーと共に1対1の割合で加えられ、およそ18時間、室温(22〜24℃)で攪拌される。該物質は攪拌されて、全ての細胞は取り除かれる。上澄みがPM抗原に対するストックとして使用される。乾燥重量は、およそ14.9mg/mlである。製品は滅菌PBSで、PMイムノゲンに対して1mg/mlでpH7.4に希釈される。
【実施例3】
【0034】
イムノゲンに対するPH抗原の準備
PH抗原に対するストックとして、ストックP.Haemolytyca(ATCC 14000)を使用する。組織体がウシから分離された。ストックの再水和のためのATCC法を次に行なわれた。該バクテリアは、TSBの1.0mlで再水和される。ブレイン・ハート・インフュージョン(BHI、Acumedia)を用いて、該バクテリア上のPM抗原を刺激する。ストックTSBは、BHIブロスに植え付けられ、37℃で18〜24時間培養される。これは、該バクテリア上で発達した体腔の抗原および付着した抗原を刺激する。BHIブロスの入ったフラスコは、BHI・ブロス・カルチャーで接種される。ゆっくりと攪拌しながら、フラスコは37℃で保温される。良い成長が観察されるのは、22時間後である。血液寒天培地プレートは、形態を確立するため、コロニーを分離するように画線培養される。フラスコは結合され、該物質の採取は、およそ3000rpmで30分間の遠心分離と滅菌生食水(0.9%)で行なわれる。採取された物は、チューブ内に集められる。濃度のチェックは、分光光度計目録およびマクフャーランド懸濁液内バクテリア計量器標準を用いて行なわれる。該物質は、およそ1×10/mlに希釈される。4%ナトリウム・デオキシ・コール酸塩(Difco)溶液が、0.9%滅菌生食水(Herzberg,1972)にカルチャーと共に1対1の割合で加えられ、およそ18時間、室温(22〜24℃)で攪拌される。該物質は攪拌され、全ての細胞は取り除かれる。上澄みがPH抗原に対するストックとして使用される。乾燥重量が測定される。製品は滅菌PBSで、PHイムノゲンに対して1mg/mlでpH7.4に希釈される。
【実施例4】
【0035】
イムノゲンに対するHS抗原の準備
ストックHaemophilus sommus(ATCC 43626)がHS抗原に対するストック・バクテリア・カルチャーとして使用することが出来る。組織体がウシから分離された。ストックの再水和のためのATCC法が次に行なわれた。該バクテリアはTSBの1.0mlで再水和される。ATCC媒質:814GC媒質を用いて、該バクテリア上のHS抗原を刺激する。ストックTSBは814GC媒質に植え付けられ、37℃、5%二酸化炭素中で18〜24時間培養される。これは、該バクテリア上で発達した体腔の抗原および付着した抗原を刺激する。良い成長が観察されるのは、22〜48時間後である。血液寒天培地プレートは、形態を確立するため、コロニーを分離するように画線培養される。フラスコは結合され、該物質の採取は、およそ3000rpmで30分間の遠心分離と滅菌生食水(0.9%)で行なわれる。採取された物は、チューブ内に集められる。濃度のチェックは、分光光度計目録およびマクフャーランド懸濁液内バクテリア計量器標準を用いて行なわれる。該物質は、およそ1×10/mlに希釈される。4%ナトリウム・デオキシ・コール酸塩(Difco)溶液が、0.9%滅菌生食水(Herzberg,1972)にカルチャーと共に1対1の割合で加えられ、およそ18時間、室温(22〜24℃)で攪拌される。該物質は攪拌されて、全ての細胞は取り除かれる。上澄みがHS抗原に対するストックとして使用される。乾燥重量が測定される。製品は滅菌PBSで、HSイムノゲンに対して1mg/mlでpH7.4に希釈される。
【実施例5】
【0036】
イムノゲンに対するHSa抗原の準備
ストック用ブタインフルエンザ菌(ATCC 19417、H.parasuis)をHSa抗原に対するストックとして使用する。組織体がブタから分離された。ストックの再水和のためのATCC法が次に行なわれた。該バクテリアはTSBの1.0mlで再水和される。ATCC媒質5129:ヘモフィルス試験媒質を用いて、該バクテリア上のHSa抗原を刺激する。ストックTSBが#5129ブロスに植え付けられ、37℃で24〜48時間培養される。これは、該バクテリア上で発達した体腔の抗原および付着した抗原を刺激する。#5129ブロスを有するフラスコもしくは#814媒質を含有するプレートは、ストック・ブロス・カルチャーと一緒に接種される。フラスコは、37℃、5%二酸化炭素で保温される。良い成長が観察されるのは48時間後である。血液寒天培地プレートは、形態を確立するために、コロニーを分離するように画線培養される。フラスコは結合され、該物質の採取は、およそ3000rpmで30分間の遠心分離と滅菌生食水(0.9%)で行なわれる。採取された物は、チューブ内に集められる。濃度のチェックは、分光光度計目録およびマクフャーランド懸濁液内バクテリア計量器標準を用いて行なわれる。該物質は、およそ1×10/mlに希釈される。4%ナトリウム・デオキシ・コール酸塩(Difco)溶液が、0.9%滅菌生食水(Herzberg,1972)にカルチャーと共に1対1の割合で加えられ、およそ18時間、室温(22〜24℃)で攪拌される。該物質は攪拌されて、全ての細胞は取り除かれる。上澄みがHSa抗原に対するストックとして使用される。乾燥重量が測定される。製品は滅菌PBSで、HSaイムノゲンに対して1mg/mlでpH7.4に希釈される。
【実施例6】
【0037】
PH、PM,HSおよびHSa抗原を用いた鶏卵および飼料内抗体モニター用ELISAプレートの準備
PH,PM,HSおよびHSaELISA:96ウェル・アッセイ・プレート(平坦底面コースター)が、pH9.6の炭素塩バッファ内で様々な濃度の抗原(10μg〜200μg/ml)10μl/mlを用いてコーティングされてた。プレートは22〜37℃の間で、18時間まで培養された。ウェルは相互汚染を避けるために吸引された。プレートは0.5%BSAの390μl/wellで封鎖され、37℃で1時間培養された。プレートは制御に対して能動的または受動的な二者択一の横筋(alternative rows)でコーティングされた。TweenTM20を含む洗浄バッファで、プレートを一度すすがれた。希釈されたサンプルのウェル一個あたり100マイクロリットルが二重のウェル内のウェルに加えられ、37℃で一時間培養された。ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(Kirkegard and Perry 研究所;1:1000〜1:3000)と結合されたゴート・アンチ‐チキンIgG(Goat anti−chicken IgG)が加えられた。培養を一時間行なった後、製作者の支持に従って培養基(TMB,KPL)が加えられ、10分後に反応が0.1Mの燐酸で停止される。ウェルの光密度は、450nmで、ダイナテック・エリサ・リーダー(Dynatech ELISA Reader)を用いて測定され、更なるデータ解析のために、情報は記録される。
【実施例7】
【0038】
個々の卵および漿液の時間経過解析
特異的な抗原に対する抗体反応をモニターするために、卵が、接種の期間において、様々な時間経過で選択された。選択されたニワトリが、第0日にモニターされ、一ヶ月を単位に4ヵ月後まで続けられた。全卵が殻から収集され、それから1mlのサンプルが取得された。このサンプルは、それから、抗体含有物を解析するため、バッファと一緒に取り出された。PH,PM,HSおよびHSaイムノゲンに対する標準的なELISAが解析に用いられた。ネガティブなリーディングはODリーディングから引き算された。
【実施例8】
【0039】
PHイムノゲンを用いたニワトリの免疫処置
産卵期、およそ19週齢、の雌鳥、ホワイト・レグホーンを選び出して、ストックPHイムノゲンを注射した。4種類の注射(500μg、100μg、200μg、及び250μg)を一週間別々に(one week apart)与えた。最後の初期注射から二週間後に漿液サンプルを収集した。もし促進剤が必要なら、(6ヵ月ごとに)各促進剤に100μgが与えられた。4週間の内に、全ての雌鳥が卵内に素晴らしい抗体を創り出した。ELISA PHリーディングは平均して、1:10000希釈に対しては1.00ODおよび1:50000希釈に対しては0.265ODであった。
【実施例9】
【0040】
PMイムノゲンを用いたニワトリの免疫処置
産卵期、およそ19週齢、の雌鳥、ホワイト・レグホーンを選び出して、ストックPMイムノゲンを注射した。4種類の注射(500μg、100μg、200μg、および250μg)を一週間別々に(one week apart)与えた。最後の初期注射(last initial injection)から二週間後に漿液サンプルを収集した。もし促進剤が必要なら、(6ヵ月ごとに)各促進剤に100μgが与えられた。4週間の内に、全ての雌鳥が卵内に素晴らしい抗体を創り出した。ELISA PMリーディングは平均して、1:10000希釈に対しては1.42ODおよび1:50000希釈に対しては0.68ODであった。
【実施例10】
【0041】
HSイムノゲンを用いたニワトリの免疫処置
産卵期、およそ19週齢、の雌鳥、ホワイト・レグホーンを選び出して、ストックHSイムノゲンを注射した。4種類の注射(500μg、100μg、200μg、および250μg)を一週間別々に(one week apart)与えた。最後の初期注射(last initial injection)から二週間後に漿液サンプルを収集した。もし促進剤が必要なら、(6ヵ月ごとに)各促進剤に100μgが与えられた。4週間の内に、全ての雌鳥が卵内に素晴らしい抗体を創り出した。ELISA HSリーディングは平均して、1:10000希釈に対しては0.95ODおよび1:50000希釈に対しては0.250ODであった。
【実施例11】
【0042】
HSaイムノゲンを用いたニワトリの免疫処置
産卵期、およそ19週齢、の雌鳥、ホワイト・レグホーンを選び出して、ストックHSイムノゲンを注射した。4種類の注射(500μg、100μg、200μg、および250μg)を一週間別々に(one week apart)与えた。最後の初期注射(last initial injection)から二週間後に漿液サンプルを収集した。もし促進剤が必要なら、(6ヵ月ごとに)各促進剤に100μgが与えられた。4週間の内に、全ての雌鳥が卵内に素晴らしい抗体を創り出した。ELISA HSaリーディングは平均して、1:10000希釈に対しては1.40ODおよび1:50000希釈に対しては0.576ODであった。
【実施例12】
【0043】
ストック生成全卵試薬の準備
選択された雌鳥が、全卵試薬のバッチを創り出すのに用いることが出来るように全部で4種類のイムノゲングループから結合(combine)された。スターリング(米国特許5753228号)では、卵の選択とその保管法に関して提案し、素晴らしい再検討を行なっている。卵は無作為に選択され、殻は取り除かれた。全卵はよく混合され、標準的な条件下((60℃(140°F.)3.5分間)、Charley,HおよびC.Weaver、第3刷、食物:科学的アプローチ、メリル‐プレンティスホール、350頁、1998年)で低温殺菌される。いちど低温殺菌を施すと、活性の試験を行なうために、乾燥するか担体上に吹き付けられるまで4℃で保管された。250μlのサンプルが解析された。
【0044】
ELISAに対する結果の例が以下に与えられている。
【0045】
【表1】

全卵の低温殺菌:PM,PH,HS,HSa混合物
【実施例13】
【0046】
抗体活性に対する食品添加物の解析
該物質のサンプルは3種類のバッチから収集された。サンプルの解析は、低温殺菌および保管後の活性をモニターするために行なわれ、PH,PM,HSおよびHSaイムノゲンに対してELISAシステムを用いて行なわれた。良い抗体反応が全卵バッチ工程の後に記録された。20種類の例示的生成方法から創り出した3種類のバッチによるデータを以下の表に示す:
【0047】
【表2】

【実施例14】
【0048】
飼養場ウシ(Feed Lot Cattle)における試験
2種類の異なった源(source)に由来する222頭の子牛のグループが、アイダホに輸送された。109頭の子牛は第0日に処置され、113頭は第2日に処置された。全ての子牛には通常のワクチンが接種され、病気のストレスを軽減し、平均的な日々の収益率(average daily gain)および摂食効率(feed efficiency)が増進するようにデザインされた抗生物質を含んだ工程が施された。グループの半数は、鼻腔内投与によって物質が与えられた。投与量は直接外鼻孔に注入された(片側に1.5cc:合計3ml)。該動物は標識を付けられ、35日間モニターされた。全ての子牛が同じ畜舎の中に収容された。テストグループはN=111、コントロールグループはN=111であった。以下の結果が得られた:
【0049】
【表3】

コントロール(n=111) テスト(n=111)
【実施例15】
【0050】
飼養場ウシのテスト
165頭の競売小屋の子牛が夏の中頃に輸送された。子牛は第0日と、第2日に処置された。全ての子牛には通常のワクチンが接種され、病気のストレスを軽減し、平均的な日々の収益率(average daily gain)および摂食効率(feed efficiency)が増進するようにデザインされた抗生物質を含んだ工程が施された。グループの半数は、鼻腔内投与によって該物質が与えられた。投与量は直接外鼻孔に注入された(片側に1.5cc:合計3ml)。動物は標識を付けられ、35日間モニターされる。全ての子牛が同じ畜舎の中に収容される。テストグループはN=82、コントロールグループはN=83であった。以下の結果が得られた:
【0051】
【表4】

コントロール(n=83) テスト(n=82)
【実施例16】
【0052】
飼養場ウシのテスト
子牛の2つのグループがアイダホに輸送された。第1グループ由来の77頭の子牛が第0日に処置された。グループの半数(n=39)はテストとして、もう半数(n=38)はコントロールとして処置された。78頭の第2グループは同じく第2日に処置された。子牛は全て、通常のワクチンが接種され、温められ、インプラントが与えられ、そして病気のストレスを軽減し且つ平均的な日々の収益率および摂食効率が増進するようにデザインされた抗生物質を含んだ工程が施された。テストグループには、鼻腔内投与によって該物質が与えられた。投与量は直接外鼻孔に注入された(片側に1.5cc:合計3ml)。動物は標識を付けられ、35日間モニターされた。病院へ連れて行かれたテストグループの動物は、射水路(chute)を通るたびに通常の処置に加えて、促進剤が与えられた。コントロール牛は、通常の処置のみが施された。テストグループはN=77,コントロールグループはN=78であった。以下のような結果が得られた:
【0053】
【表5】

コントロール(n=78) テスト(n=77)
【実施例17】
【0054】
離乳した子牛のテスト
子牛の4つのグループから、毎週およそ1000〜2000頭の子牛が離乳させられた。子牛は小さなグループとして扱われた。全ての子牛は通常のワクチンが接種され、温められ、インプラントが与えられ、そして病気のストレスを軽減し且つ平均的な日々の収益率および摂食効率が増進するようにデザインされた抗生物質を含んだ工程が施された。グループは全て、鼻腔内投与によって物質が与えられた。投与量は直接外鼻孔に注入された(片側に1.5cc:合計3ml)。動物は標識を付けられ、22日間モニターされた。病院へ連れて行かれたテストグループの動物は、射水路(chute)を通るたびに通常の処置に加えて、促進剤が与えられた。テストグループはN=5000であった。22日後、50頭の動物に対してのみ呼吸性の問題が生じた。
【実施例18】
【0055】
リックタブ(Lick Tubs)のテスト
リックタブの製造工程は非常にシンプルで明快である。この例の製造は、前もって調整しておいた湿気を帯びた物質と蒸留した濃縮シロップ剤を標準的なタブに加え、水分量を高めるように調節することによって成される。我々は、より乾燥した材料と我々の液体物質を取り替えることで、同じような特性を有する申し分の無いタブを達成するよう一般に作られている標準的なタブと同じ水分量を達成するために、我々は、より乾燥した材料と我々の液体物質を置換えた。
【0056】
一例となるリックタブを製造する全体的なバッチには、以下のような成分が含まれている:
可溶性物質を含有する乾燥蒸留穀物(DDGS) 1170ポンド
コーン・グルテン食物(Corn Gluten Meal) 1365ポンド
湿潤蒸留穀物(wet coke) 465ポンド
ビタミンとミネラルの予備混合物 750ポンド
酸化マグネシウム 600ポンド
混合抗体 540リットル
食用グレードの糖蜜(Food grade Molasses) 10ガロン
カビ抑制剤(Mold Inhibitor) 6ポンド
【0057】
DDGS、コーン・グルテン食物、湿潤ケーキ(wet cake)、カビ抑制剤、予備混合物および酸化マグネシウムが、5トンミキサートラックに入れられ、5分間混合される。それから該材料と糖蜜が加えられる。これは30分間混合される。こうして出来上がった材料の重量は、およそ5630ポンドである。この混合物は、側面に取り付けられた滑降斜面路から28個のプラスチック製タブに、200ポンドずつ流し込まれ、固形材料に圧縮される。タブは次いで48時間硬化されて、何か発泡する甘い香りを放つ、非常に硬くて、樹皮で覆われたような褐色の製品(bark brown product)になる(図4)。
【0058】
試験的に、一つのタブは、197頭の600ポンドの雄の子牛の畜舎の中にいる牛の傍に置かれた。試験飼養場内のウシは非常にこの材料に関心を示した。彼らは一日に何度もタブの周辺に近づいてきた。消費は一日、一頭あたり7.7グラムであった。より多くのタブを畜舎の中に設置すれば、一頭あたりの消費は多少増えるであろうと予想される。
【実施例19】
【0059】
表面仕上げ(Top Dressing)の開発
カギとなる調剤薬の一つが表面仕上げに用いられる。特殊な全卵が、全体量が7〜9LとなるようにPH,PM,HSおよびHAs抗原で接種を施した雌鳥から収集される。全卵材料は、2LのPBS、pH7.4、4.5Lの糖蜜および4Lの蒸留水に添加される。これはよく混合され、微生物の繁殖を抑えたりや貯蔵寿命を伸ばしたりするために、食用ビタミンE、バニラ、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウムといった保存料が添加される。全体量は18Lである。混合物は均一な溶液となるように攪拌される。それから混合物は、シュルーター・カンパニー(Schlueter Company)製の食品低温殺菌装置で低温殺菌される。該材料は、冷やされて、使用されるまで4℃で保存される。
【0060】
この材料は必要に応じて食品上に注がれる。通常は7日毎に一回分配され、合計3回適用される。
【実施例20】
【0061】
エアロゾルまたはスプレーに関する物質の開発
カギとなる調剤薬の一つがエアロゾルまたはスプレーに用いられ得る。特殊な全卵が、全体量が10LとなるようにPH,PM,HSおよびHAs抗原で接種を施した雌鳥から収集される。全卵材料は、6LのPBS、pH7.4および2Lの糖蜜に添加される。これはよく混合され、微生物の繁殖を抑えたりや貯蔵寿命を伸ばしたりするために、食用ビタミンE、バニラ、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムおよびクエン酸ナトリウムといった保存料が添加される。全体量は18Lである。混合物は均一な溶液となるように攪拌される。それから混合物は低温殺菌される。該材料は、冷やされて、使用されるまで4℃で保存される。
【0062】
この材料は、エアロゾルを形成するように動物の頭上に直接スプレーされる。また該材料は、水鉄砲のような圧力銃に注ぎ込まれてもよい。カウボーイはこの材料を注ぎ込んだ銃を牧場に若しくは飼養場畜舎内に携帯し、必要に応じてウシに直接吹き付けてもよい。こうすることで、牧場での非常に多才な適用手段を与えることが出来るようになる。通常は7日毎に一回分配され、合計3回または必要に応じて適用される。
【実施例21】
【0063】
ブタによる動物テスト
およそ60lbsである77頭の食用ブタのグループが、表面仕上げに関して実施例20で作成された材料を用いてテストされた。動物は表面仕上げした材料を第0日、7日、14日および21日に与えられた。この農場の過去5年間に亘って、呼吸疾患を原因とする損失の平均は、7.5%であり、30%以上が畜舎に入れられた最初の21日の間に投薬を受けていた。テスト期間である62日の間、動物は全て素晴らしい状態を維持し、スケジュールよりも優っていて、損失、投薬共に0%であった。
【実施例22】
【0064】
ブタによる動物テスト
およそ50lbsである80頭の食用ブタのグループおよびグループの小牛も考慮して、表面仕上げに関して実施例20で作成された物質を用いてテストされた。動物は表面仕上げした物質を第0日、7日、14日および21日に与えられた。この農場の、呼吸疾患を原因とする損失の平均は、最初の21日で5%であり、30%以上が投薬を受けた。これらは昔であれば、元気にならなかった。これは、この農場の過去5年間に亘る平均である。テスト期間である55日の間、全ての動物は非常に良い状態を維持し、過去のデータよりも良い結果である損失1.25%および投薬0%という結果が得られた。
【0065】
宿主の気道内鼻咽頭領域にコロニーを作る微生物は何れも、繁殖するために粘膜表面に突き刺さるかあるいは付着できなければならない。呼吸性肺炎疾患微生物、例えばPasteurella multocida,M.haemolytica,Haemophilus somnus,ブタ・インフルエンザ・ウィルスおよびマイコプラズマ・バクテリアは、前記ルールに対して例外ではない。菌類および寄生体に由来する他の微生物は、動物やヒトに呼吸疾患を引き起こさせる組織体(organisms)に含まれる。本発明の付着抑制剤は、累積基盤への付着を妨害し、そうすることで特にターゲットとなる微生物がコロニー化して、増殖し、気道を下って、肺を含む気道下部に侵入するのを妨げる。単純な鼻への注入、スプレー、表面飼料もしくはリックタブの使薬(vehicle)によって、本製品は実質的に宿主に対して特異的な抗体調剤薬を供給でき、前記調剤薬は動物の病気を治癒するのではなく、単に内在する微生物を取り除き、気道上部に新しく進入してきた微生物が付着するのを妨げるようにデザインされている。該付着抑制剤は宿主自身には全く影響を与えず、全て天然のもので出来ており、動物体内の望まれない残留物は全て捨て去り、このように全ての食品に関して全く影響を与えない。更に、微生物は増殖を抑えられているので、時が経てば(例えば21−30日)、動物の粘膜から自然消滅してしまい、飼養場内の潜在的な汚染物質の重大な源が消滅してしまうであろう。適切に管理すれば、飼養場を介して動物間の相互汚染のリスクは低くなり、本質的に消滅する。同じような適用法がコンパニオンアニマル、動物学的動物、非食用高級動物またはヒトに対しても開発されるであろう。彼らもまた、呼吸疾患を患っている。
【0066】
その精神および範囲を逸脱しない限り、前に述べたように本発明の様々な部分的な修正や変化が作られるであろうことは明らかである。ここで述べた特別な実施例は、単に例として取り上げたものであって、本発明は添付の請求項によってのみ制限される。本発明の実施に伴う占有的な特性や特権は、以下に請求されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.産卵年齢内またはその年齢に達する頃に、雌の鳥に、ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンを接種し;
B.該鳥の中で、該鳥の卵の中に、ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対する抗体含有成分が産生できるようになるに充分な時間を経過させ;
C.該鳥が産んだ該卵を収穫し;
D.該卵の該抗体含有成分を殻から分離する
ことからなる方法で製造され;動物に投与して、該動物の気道においてターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンの付着を実質的に阻止するための微生物付着抑制剤。
【請求項2】
前記コロニー形成性イムノゲンが、呼吸疾患を引き起こすことで動物の摂食能力が低下することが知られているものである、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項3】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、P.Multicoda、M.haemolytica、H.somnusおよびH.suisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項2記載の微生物付着抑制剤。
【請求項4】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、マイコプラズマ胸膜肺炎、M.hypopneumoniaeおよびM.bovisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項2記載の微生物付着抑制剤。
【請求項5】
該抗体含有成分が、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウ、キジ、エミュ、ハト、ダチョウ、ウズラの卵またはそれらの任意の組合せから誘導される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記コロニー形成性イムノゲンが、ヒトに呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項1記載の微生物の付着抑制剤。
【請求項7】
前記卵の該分離された抗体含有成分と担体材料との混合を含む、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項8】
A.前記卵の該分離された抗体含有成分を混合すること;および
B.前記卵の該混合された分離された抗体含有成分を低温殺菌して、潜在する病原性微生物を取り除くこと
を含む、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項9】
前記卵の分離された抗体含有成分の該低温殺菌された混合物を担体材料上で貯蔵することを含む、請求項8記載の微生物付着抑制剤。
【請求項10】
該担体材料が、大豆油、糖蜜、蒸留乾燥された穀物および甜菜パルプからなる材料の群から選択される、請求項9記載の微生物付着抑制剤。
【請求項11】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、コンパニオンアニマルに呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項12】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ウマ、動物学上の動物、および実験動物のような高価値の非食用動物に呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項13】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ブタのインフルエンザ(H1N1、H3N2)を含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
【請求項14】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ウシのRSウィルス(BRSV)、ウシのウィルス性下痢(BVD)、ウシのパラインフルエンザ‐3型(BPI)、および感染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウィルスを含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項1記載の微生物付着抑制剤。
動物の気道においてターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンの付着を実質的に阻止するために動物に投与される微生物付着抑制剤。
【請求項15】
食用動物に投与して、該食用動物の気道においてターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンの付着を実質的に阻止するための、微生物付着抑制剤であって、該ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対して特異的な抗体を含む卵内容物をからなることを特徴とする、微生物付着抑制剤。
【請求項16】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、動物の摂食能力を低下させ、毎日の平均摂食量を低減すると知られている、請求項15記載の微生物付着抑制剤。
【請求項17】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ブタのインフルエンザ(H1N1,H3N2)を含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項15記載の微生物付着抑制剤。
【請求項18】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ヒトに呼吸コンプレックスを引き起こすと知られている、請求項17記載の微生物付着抑制剤。
【請求項19】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ウシのRSウィルス(BRSV)、ウシのウィルス性下痢(BVD)、ウシのパラインフルエンザ‐3型(BPI)、および感染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウィルスを含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項15記載の微生物付着抑制剤。
【請求項20】
A.産卵年齢内またはその年齢に達する頃に、雌の鳥に対してPRRS由来のP抗原を接種し;
B.PRRS由来のP抗原に対する抗体が該鳥および該鳥が産卵した卵の中に産生されるに充分な時間を経過させ;
C.鳥が産んだ卵を収穫し;
D. 前記卵の該抗体含有成分を分離する
ことからなる方法で製造され;
コロニー形成性イムノゲンの増殖を抑えるために、コロニー形成性イムノゲンの食用動物の気道への付着性を抑制することにより、前記食用動物の気道にコロニー形成性イムノゲンが存在することによって生じる呼吸ストレスを減らすことによって、食用動物の成長を促進するための、微生物付着抑制剤。
【請求項21】
前記卵の該分離された抗体含有成分が、担体材料と前記卵の該抗体含有成分との混合によって得られる、請求項20記載の微生物付着抑制剤。
【請求項22】
該担体材料が、大豆油、糖蜜、蒸留して得た乾いた穀物および甜菜パルプの群から選択される、請求項21記載の微生物付着抑制剤。
【請求項23】
該抗体含有成分が、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウ、キジ、エミュ、ハト、ダチョウ、ウズラの卵またはそれらの任意の組合せから誘導される、請求項20記載の微生物付着抑制剤。
【請求項24】
前記コロニー形成性イムノゲンが、コンパニオンアニマルに呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項20記載の微生物付着抑制剤。
【請求項25】
前記コロニー形成性イムノゲンが、ウマ、動物学上の動物、および実験動物のような高価値の非食用動物に呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項20記載の微生物付着抑制剤。
【請求項26】
イムノゲンの増殖を抑えるために、ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンの、動物の気道への付着性を抑制して、該イムノゲンの増殖性を低減することによって、動物の呼吸疾患を減少させる方法であって、前記方法が:
A.産卵年齢内またはその年齢に達する頃に、雌の鳥にターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンを接種し;
B.該ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対する抗体含有成分を卵内に含んだ卵が鳥の中に生産されるに充分な時間を経過させ;
C.該鳥が産んだ該卵を収穫し;
D.前記収穫された卵の全内容物を卵殻から分離し;
E.前記収穫された卵の該分離された内容物を混合し;
F.前記動物に、前記収穫された卵の混合された分離された内容物を投与し、それによって該ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対する該抗体が、該動物の気道に該ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが付着するのを抑制する
ことから成る、動物の呼吸疾患を減少させる方法。
【請求項27】
前記コロニー形成性イムノゲンが、マイコプラズマ胸膜肺炎、M.hypopneumoniae、およびM.bovisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記コロニー形成性イムノゲンが、P.multicoda、M.haemolytica、H.somnusおよびH.suisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ウシのRSウィルス(BRSV)、ウシのウィルス性下痢(BVD)、ウシのパラインフルエンザ‐3型(BPI)、および感染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウィルスを含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ブタのインフルエンザ(H1N1,H3N2)を含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項31】
前記収穫された卵の該混合された分離された内容物を担体材料との混合することを含む、請求項26記載の方法。
【請求項32】
前記収穫された卵の該分離された内容物の混合物を低温殺菌して、潜在する病原性微生物を取り除くことを含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
低温殺菌を施された分離された前記収穫された卵の該分離された内容物の該低温殺菌された混合物を、担体材料上で貯蔵することを含む、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記卵の抗体含有成分が、前記卵の該抗体含有成分を有する材料を動物の飼料にスプレーする若しくは注ぎ込むことにより、動物に投与される、請求項26記載の微生物付着抑制剤。
【請求項35】
該材料が、乳漿、糖蜜、PBS、および醤油油(soy oil)を含む材料の群から選択される、請求項34記載の微生物付着抑制剤。
【請求項36】
該抗体含有成分が、動物の周囲に該抗体含有成分をスプレーすることにより、投与される、請求項26記載の方法。
【請求項37】
該抗体含有成分が、該抗体含有成分を動物の鼻腔内に注入することにより投与される、請求項26記載の方法。
【請求項38】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、マイコプラズマ胸膜肺炎、M.hypopneumoniae、およびM.bovisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項39】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、P.multicoda、M.haemolytica、H.somnusおよびH.suisを含む呼吸性バクテリアの群から選択される、請求項26記載の方法。
【請求項40】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ブタのインフルエンザ(H1N1,H3N2)を含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項26記載の微生物付着抑制剤。
【請求項41】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ウシのRSウィルス(BRSV)、ウシのウィルス性下痢(BVD)、ウシのパラインフルエンザ‐3型(BPI)、および感染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウィルスを含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項26記載の微生物付着抑制剤。
【請求項42】
ヒトに投与することで、ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンがヒトの気道に付着するのを抑制する微生物の付着抑制剤の製造方法で、前記方法が:
A.産卵年齢内またはその年齢に達する頃に、雌の鳥に対してターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンを接種し;
B.該ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンに対する抗体含有を卵内に含んだ卵が該鳥の中に産生されるに充分な時間を経過させ;
C.鳥が産んだ卵を収穫し;
D.前記収穫された卵の全内容物を卵殻から分離し;
E.前記収穫された該分離された卵の内容物を混合する;
ことから成る、微生物付着抑制剤の製造方法。
【請求項43】
前記コロニー形成性イムノゲンが、ヒトに呼吸疾患を引き起こすことが知られているものである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記ターゲットとなるコロニー形成性イムノゲンが、ブタのインフルエンザ(H1N1,H3N2)を含む呼吸性ウィルスの群から選択される、請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記卵の該分離された抗体含有成分を担体材料と混合することを含む、請求項42記載の方法。
【請求項46】
A.分離された前記卵の抗体含有物を混合し;
B.前記卵の該混合され分離された抗体含有成分を低温殺菌して、潜在する病原性微生物を取り除くこと
を含む、請求項42記載の方法。
【請求項47】
前記卵の分離された抗体含有成分の該低温殺菌された混合物を、担体材料上で貯蔵することを含む、請求項46記載の方法。
【請求項48】
該担体材料が、大豆油、糖蜜、蒸留して得た乾いた穀物および甜菜パルプを含む材料の群から選択される、請求項47記載の方法。



【公表番号】特表2006−519230(P2006−519230A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503630(P2006−503630)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/004623
【国際公開番号】WO2004/073393
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(505298489)
【出願人】(505298490)
【Fターム(参考)】