説明

イメージスキャナ付き印刷装置

【課題】少ないスキャナの駆動回数で赤目補正ができ、かつ補正箇所に位置ずれを生じず、しかも少ないメモリ資源で前記赤目補正ができる赤目補正技術を提供する。
【解決手段】画像読取手段111と、一時記憶処理手段112と、赤目検出手段113と、赤目領域記憶処理手段114と、RGB/YCC変換手段115と、YCC画像記憶処理手段116と、YCC/RGB変換手段117と、赤目補正手段118と、印刷データ作成手段119とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナで読み取った画像に赤目補正をして印刷することができるイメージスキャナ付き印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータに接続することなく使用できるプリンタ(スタンドアロンプリンタ)が普及するようになっている。この種のプリンタには、デジタルカメラ用のメモリカードやメモリスティックを装着するためのスロットを有するものもあるし、イメージスキャナを搭載したものもある。
【0003】
スタンドアロンプリンタには、メモリカードに記憶された画像(JPEG画像,RGB画像等)を印刷する際に、赤目を補正を行うことができるものがある。
赤目は、暗所で人物をフラッシュ撮影したような場合に、その人物の瞳孔部分が赤色(または金色)に感光されてしまう現象である。
スキャナにコンピュータが接続されている場合には、読み取った人物画像に赤目が表れている場合には、コンピュータに搭載した赤目補正ソフトにより赤目補正を行うことができる。
【0004】
赤目補正に際しては、赤目領域の検出と赤目領域の色補正を行わなければならない。このためには、印刷に先立って、画像中の人物の顔を認識して目の位置を特定するとともに、赤目が生じている否かを判定し、赤目が生じているときにはその位置(赤目領域)を記憶する。そして、印刷時には印刷データの赤目領域の色を黒色等に置き換える処理を行う。
【0005】
スタンドアロンプリンタでは、メモリカードに格納された画像について赤目補正を行う場合、メモリカードから、所定ライン数ごとまたは所定の画像ブロックごとの画像データを画像処理部に呼び出す。この場合には、スタンドアロンプリンタに搭載されたメモリ容量が小さくても、当該メモリに大きな作業領域を確保できなくても、メモリカードから少しずつ画像データを呼び出すことで赤目補正ができる。
【0006】
一方、人物の顔を含む複数の写真等を1回のスキャナ操作でまとめて読み取った際に、各画像の配置(レイアウト)が誤っている場合(画像が傾いたり、上下左右にズレている場合)には、その配置を自動修正するとともに、赤目が生じているときは赤目補正を行って印刷する技術も知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スキャナ付きスタンドアロンプリンタに搭載されたスキャナにより読み取った画像について、赤目補正を行う場合には、読み取った画像を一端RGB等の画像の形でメモリに格納し、上記と同様に赤目の検出および赤目補正を行うことになる。
【0008】
しかし、この場合にはスキャナ付きスタンドアロンプリンタには大容量のメモリが必要とされるため、内部メモリ容量が少ない場合には、赤目補正機能を搭載することができない。
【0009】
スキャナ付きスタンドアロンプリンタに大容量メモリが搭載されていない場合に、スキャナにより少なくとも2回のスキャンを行うことで、読み取った画像について赤目補正をすることも不可能ではない。
【0010】
たとえば、1回目のスキャン(プレスキャン)で赤目の位置検出のみを行い、2回目のスキャンで赤目の位置検出情報を参照し赤目補正を行いつつ、赤目補正後のデータを印刷機構に転送することもできよう。
【0011】
しかし、実際には、2回のスキャンを行った場合、スキャナの機械誤差等に起因して、1回目のスキャンで検出した赤目領域と、2回目のスキャンで読み取った画像上の赤目領域とが異なってしまうことがある。その結果、赤目補正が正しくなされず、赤目でない部分を黒色等で置き換えてしまうといった問題が生じてしまう。このようなことから、従来のスキャナ付きスタンドアロンプリンタでは、スキャナで読み取った画像についての赤目補正は行われていない。
【0012】
また、各画像の配置(レイアウト)が誤っている場合に、その配置を自動修正するとともに写真に赤目がある赤目補正を行って印刷する印刷方法では、通常の印刷装置は搭載したメモリ容量が小さいため、配置補正を行うことができるものであっても、写真(読み取った画像)に赤目があるときにメモリ容量との関係で赤目の補正をすることができないことがある。一方、赤目補正を行うことができる印刷装置でも、スキャナによる読み取りの際に生じた配置を補正しようとすると赤目領域がずれてしまうことがある。
【0013】
本発明の目的は、少ないスキャナの駆動回数で赤目補正ができ、かつ赤目補正箇所に位置ずれが生じず、しかも大容量のメモリを要せずとも赤目補正ができるイメージスキャナ付き印刷装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の目的は、被写体が人の写真を含む複数画像を1回のスキャナ操作で読み取った際に、前記各画像の配置が誤っている場合にその配置を自動修正するとともに、前記写真に赤目があるときは赤目補正を行って印刷することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
《基本態様》
本発明のイメージスキャナ付き印刷装置は(1),(2)を要旨とする。
(1)「 原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷装置において、
前記読取りに際して所定ライン数のRGB画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記所定ライン数の前記RGB画像データをYCC画像データに変換し、全データを一画像のJPEG画像として記憶するYCC画像記憶処理手段と、
1ラインごとまたは所定ライン数ごとに前記YCC画像データをRGB画像データに変換するYCC/RGB変換手段と、
前記変換した前記RGB画像データにかかる画像に、前記赤目テーブルに記憶した赤目領域が含まれるときは、前記RGB画像データについて赤目補正を行う赤目補正手段と、
前記RGB画像データから印刷データを作成するに際して、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされたRGB画像データから印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
を含むことを特徴とするイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0016】
(2)「 前記赤目補正手段は、前記画像データについて赤目補正を行うに際して、ラインデータ一時記憶処理手段(バッファメモリまたはFIFOメモリ)に、前記YCC/RGB変換手段により変換したYCC画像データを所定ライン数に記憶することを特徴とする(1)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0017】
本発明の印刷方法は下記((3),(4))を要旨とする。
(3)「 原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷方法であって、
前記読取りに際して所定ライン数のRGB画像データをラインデータ記憶装置に記憶する一時記憶処理ステップと、
前記RGB画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記赤目が検出されたときはその赤目の位置を赤目テーブルに記憶する赤目領域記憶処理ステップと、
前記所定ライン数の前記RGB画像データをYCC画像データに変換するRGB/YCC変換ステップと、
前記YCC画像データの全データを一画像のJPEG画像として画像記憶装置に記憶するYCC画像記憶処理ステップと、
1ラインごとまたは所定ライン数ごとに前記YCC画像データをRGB画像データに変換するYCC/RGB変換ステップと、
前記変換した前記RGB画像データにかかる画像に、前記赤目テーブルに記憶した赤目領域が含まれるときは、前記RGB画像データについて赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記変換したRGB画像データのうち、
前記赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データ、
前記赤目補正がなされたRGB画像データについては当該赤目補正がされたRGB画像データ、
から印刷データを作成して前記印刷機構に転送する印刷データ作成ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0018】
(4)「 前記一時記憶処理ステップがバッファメモリまたはFIFOメモリであることを特徴とする(3)に記載の印刷方法。」
《第1応用態様》
【0019】
本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の第1応用態様は(A1)〜(A3)を要旨とする。
(A1)「 原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷装置において、
前記読み取った原稿画像の画像データを記憶する画像記憶処理手段と、
前記画像データの1回目の呼び出し操作において、所定ライン数の画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記画像データの2回目の呼び出し操作において、呼び出した画像データにかかる画像に赤目領域が含まれるときは、前記画像データについて赤目補正を行う赤目補正手段と、
前記画像データから印刷データを作成するに際して、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
を備えたことを特徴とするイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0020】
(A2)「 前記画像記憶手段により記憶された画像データがRGB画像データであることを特徴とする(A1)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0021】
(A3)「 前記画像記憶手段により記憶された画像データがYCC画像データであることを特徴とする(3)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0022】
本発明の印刷方法の第1応用態様は(A4)〜(A6)を要旨とする。
(A4)「 原稿画像を読み取って印刷する方法であって、
前記読み取りに際して、所定ライン数の画像データを一画像として画像記憶装置に記憶する画像記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置から所定ライン数ごとまたは処理ユニットごとに画像データを呼び出す操作を合計で2回行う画像データ呼び出しステップと、
前記画像データ呼び出し手段の1回目の操作において所定ライン数の画像データをラインデータ記憶装置に記憶する画像データ一時記憶ステップと、
前記ラインデータ記憶装置に記憶された画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは、その赤目の位置を赤目テーブルに記憶する赤目領域記憶ステップと、
前記画像データ呼び出しステップにおける2回目の操作において、呼び出した画像データにかかる画像に前記赤目テーブルに記憶した赤目領域が含まれるときは、前記画像データについて赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記2回目の操作において、呼び出した画像データのうち、
前記赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データから印刷データを作成し
前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する、
印刷データ作成ステップと、
を含むことを特徴とする印刷方法。」
【0023】
(A5)「 前記画像データがRGB画像データであることを特徴とする(A4)に記載の印刷方法。」
【0024】
(A6)「 原稿画像を読み取って印刷する方法であって、
前記原稿画像の読み取りに際して、所定ライン数のRGB画像データをYCC画像に変換するRGB/YCC変換ステップ、
前記YCC画像を順次蓄積して、YCC画像として画像記憶装置に記憶するYCC画像記憶ステップと、
前記画像記憶装置から所定ライン数ごとまたは処理ユニットごとにYCC画像を呼び出しRGB画像データに変換する操作を合計で2回行うYCC/RGB変換ステップと、
前記YCC/RGB変換手段の1回目の操作において所定ライン数の前記RGB画像データをラインデータ記憶装置に記憶する画像データ一時記憶ステップと、
前記ラインデータ記憶装置に記憶されたRGB画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは、その赤目の位置を記憶する赤目領域記憶ステップと、
前記YCC/RGB変換手段の2回目の操作において、呼び出したRGB画像データにかかる画像に、前記赤目領域が含まれるときは、前記RGB画像データについて赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記YCC/RGB変換手段の1回目の操作において、呼び出したRGB画像データのうち、
前記赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データを作成し、
前記赤目補正がなされたRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データを作成する、
印刷データ作成ステップと、
を含むことを特徴とする印刷方法。」
《第2応用態様》
【0025】
本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の第2応用態様は(B1)〜(B3)を要旨とする。
(B1)「 原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷装置において、
前記読み取った原稿画像の画像データを記憶する画像記憶処理手段と、
前記画像データの1回目の呼び出し操作において、所定ライン数の画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記画像データの2回目の呼び出し操作において、呼び出した画像データにかかる画像に赤目領域が含まれるときは、前記画像データについて赤目補正を行う赤目補正手段と、
前記画像データから印刷データを作成するに際して、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
を備えたことを特徴とするイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0026】
(B2)「 前記画像記憶手段により記憶された画像データがRGB画像データであることを特徴とする(B1)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0027】
(B3)「 前記画像記憶手段により記憶された画像データがYCC画像データであることを特徴とする(B2)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0028】
本発明の印刷方法の第2応用態様は(B4),(B5)を要旨とする。
(B4)「 原稿画像を読み取って印刷する印刷方法において、
前記原稿画像の読み取りに際して、所定ライン数の画像データをラインデータ記憶装置に記憶するラインデータ一時記憶処理ステップと、
前記ラインデータ記憶装置に記憶された画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは、その赤目の位置を赤目領域テーブルに記憶する赤目領域記憶処理ステップと、
前記ラインデータ記憶装置に記憶された画像データを順次呼び出し、全データを一画像として画像記憶装置に記憶する画像記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置に記憶された前記一画像について1ラインごとまたは所定ライン数ごとに画像データを呼び出す画像データ呼出しステップと、
前記画像データ呼出しステップにおいて呼び出した画像データにかかる画像に、前記赤目領域が含まれるときは、前記画像データについて赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記画像データ呼出しステップにおいて呼び出した画像データのうち、
前記赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データから印刷データを作成し、
前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する、
印刷データ作成ステップと、
を含むことを特徴とする印刷方法。」
【0029】
(B5)「 前記画像データがRGB画像データであることを特徴とする(B4)に記載の印刷方法。」
《第3応用態様》
【0030】
本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の第3応用態様は(C1),(C2)を要旨とする。
【0031】
(C1)「 原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷装置において、
前記原稿画像の読み取りに際して、所定ライン数の画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記原稿画像を一画像として記憶する画像記憶処理手段と、
前記記憶された前記一画像について1ラインごとまたは所定ライン数ごとに画像データを呼び出し、当該呼び出した画像データにかかる画像に、前記赤目領域が含まれるときは、前記画像データについて赤目補正を行う赤目補正手段と、
前記画像データから印刷データを作成するに際して、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
を含むことを特徴とするイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0032】
(C2)「 前記赤目補正手段は、前記画像データについて赤目補正を行うに際して、
ラインデータ一時記憶処理手段(バッファメモリまたはFIFOメモリ)に、前記記憶された前記一画像から1ラインごとまたは所定ライン数ごとの画像データを呼び出すことを特徴とする(1)に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。」
【0033】
本発明の印刷方法の第3応用態様は(C3)〜(C6)を要旨とする。
(C3)「 プレスキャンと、原稿画像に含まれる各個別画像の数と同じ回数の本スキャンにより、順次当該各個別画像の読み取りを行った後に印刷を行う方法であって
前記プレスキャンに際して、前記各個別画像の配置を検出する個別画像配置検出ステップと、
前記各個別画像が誤った配置で読み取られたきは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報を作成する配置情報処理ステップと、
本スキャン回数に対応する前記個別画像の画像データを記憶する画像記憶処理ステップと、
前記配置情報を参照して前記個別画像が誤った配置で読み取られているかを検出し、誤った配置で読み取られているときは正しい配置となるように当該個別画像の画像データについて配置補正処理を行う配置補正ステップと、
前記画像記憶装置に記憶された前記各個別画像の画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは赤目領域を赤目テーブルに記憶する赤目領域記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置から前記各個別画像の画像データを一部分ずつ呼び出し、当該画像データに前記赤目領域が含まれるときは赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記呼び出した画像データのうち前記赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷方法。」
【0034】
(C4)「 複数の個別画像が含まれる原稿画像を読み取って印刷する方法であって、
プレスキャンに際して、前記各個別画像の配置を検出する個別画像配置検出ステップと、
前記各個別画像が誤った配置で読み取られたときは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報を作成する配置情報処理ステップと、
本スキャンにおいて読み取った前記原稿画像の画像データを画像記憶装置に記憶する画像記憶処理ステップと、
前記配置情報を参照して前記原稿画像中の前記各個別画像が誤った配置で読み取られているかを検出し、誤った配置で読み取られているときは正しい配置となるように当該個別画像の画像データについて配置補正処理を行う配置補正ステップと、
前記画像記憶装置に記憶された前記原稿画像中の前記各個別画像の画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは赤目領域を赤目テーブルに記憶する赤目領域記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置から当該画像記憶装置に記憶されてた前記原稿画像の画像データを一部分ずつ呼び出し、当該画像データに前記赤目領域が含まれるときは赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記呼び出した画像データのうち前記赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成ステップと、
を備えたことを特徴とする印刷方法。」
【0035】
(C5)「 複数の個別画像が含まれる原稿画像を読み取って印刷する方法であって、
プレスキャンに際して前記各個別画像の配置を検出する個別画像配置検出ステップと、
前記各個別画像が誤った配置で読み取られたときは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報を作成する配置情報処理ステップと、
本スキャンにおいて、所定ライン数の画像データを記憶し、当該画像データを前記配置情報に基づき、前記各個別画像の画像データに分離して記憶する個別画像データ分離記憶ステップと、
前記配置情報を参照して前記原稿画像中の前記各個別画像が誤った配置で読み取られているかを検出し、誤った配置で読み取られているときは正しい配置となるように当該画像データについて配置補正処理を行う配置補正ステップと、
前記個別画像データ分離記憶手段により分離された各個別画像をそれぞれ画像記憶装置に記憶する画像記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置に記憶された前記原稿画像中の前記各個別画像の画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する赤目検出ステップと、
前記赤目が検出されたときは赤目領域を赤目テーブルに記憶する赤目領域記憶処理ステップと、
前記画像記憶装置から当該画像記憶装置に記憶されてた前記原稿画像の画像データを一部分ずつ呼び出し、当該画像データに前記赤目領域が含まれるときは赤目補正を行う赤目補正ステップと、
前記呼び出した画像データのうち前記赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成する印刷データ作成ステップと、
含むことを特徴とする印刷方法。」
【0036】
(C6)「 前記配置情報処理ステップは、
前記個別画像配置検出ステップにおいて検出した前記各個別画像の配置を、少なくとも位置情報および傾斜角情報を含む配置情報として配置情報記憶装置に記憶する配置情報記憶処理ステップと、
前記各個別画像が誤った配置で読み取られた画像であるかを判定する誤配置判定ステップと、
前記各個別画像が誤った配置で読み取られたと判定したときは、正しい配置となる配置情報を作成して前記配置情報記憶装置に記憶する配置情報作成ステップと、
を含むことを特徴とする(C3)から(C5)の何れかに記載の方法。」
【発明の効果】
【0037】
《基本態様の効果》
本発明のイメージスキャナ付き印刷装置では、RGB画像データの読取りに際して赤目検出を行うとともに赤目領域をテーブルに記憶し、この読み取ったRGB画像データをJPEGデータに変換して記憶することでメモリ容量の節減を図り、印刷装置に転送する際にYCC画像データをRGB画像データに1ラインごとに読み出す際に赤目補正を行うようにした。したがって、スキャナの駆動回数を減らすことができ、かつ位置ずれがしない赤目補正ができ、しかも少ないメモリ資源で前記赤目補正ができるようになった。
《第1応用態様の効果》
【0038】
第1応用態様では、原稿画像の読み取り、画像データをメモリに格納した後に、当該メモリから2回のデータ呼び出しを行い、1回目の呼び出しにおいて赤目検出を行うとともに赤目領域をテーブルに記憶し、2回目の呼び出しにおいて赤目補正を行うようにした。したがって、スキャナの駆動回数を減らすことができ、かつ位置ずれがしない赤目補正ができるようになった。本発明は、コンピュータが必ずしも接続されないスタンドアロンプリンタに適用する場合に有効である。
《第2応用態様》
【0039】
第2応用態様では、画像データの読み取りに際して赤目検出を行うとともに赤目領域をテーブルに記憶し、この読み取ったデータを印刷装置に転送する際に赤目補正を行うようにした。したがって、スキャナの駆動回数を減らすことができ、かつ位置ずれがしない赤目補正ができるようになった。
《第3応用態様》
【0040】
第3応用態様では、被写体が人の写真を含む複数画像を読み取る際に、前記各画像の配置が誤っている場合に前記写真に赤目があるときは赤目補正を行いつつ、その配置を自動修正して画像ごとに個別に印刷をすることができる。
また、被写体が人の写真を含む複数画像を読み取る際に、前記各画像の配置が誤っている場合に前記写真に赤目があるときは赤目補正を行いつつ、その配置を自動修正して複数画像を一画像として印刷をすることができる。
さらに、少ないメモリ資源を用いて上記印刷をすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
《基本態様の実施例》
図1は本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施例を示す説明図である。図1において、イメージスキャナ付き印刷装置11は、原稿画像G0を読み取るスキャナ機構1110と、印刷を行う印刷機構1120とを備え、画像読取手段111と、ラインデータ一時記憶処理手段112と、赤目検出手段113と、赤目領域記憶処理手段114と、RGB/YCC変換手段115と、YCC画像記憶処理手段116と、YCC/RGB変換手段117と、赤目補正手段118と、印刷データ作成手段119とを含む。
【0042】
画像読取手段111は、スキャナ機構1110を駆動し、スキャナ機構1110が読み取った原稿画像G0のRGB画像データLDRGBを取得する。
ラインデータ一時記憶処理手段112は、スキャナ機構1110による読取りに際して、画像読取手段111から所定ライン数(本実施例では8ラインや16ライン)のRGB画像データLDRGBをデータライン記憶装置(本実施例では、ラインバッファLB)に記憶する。図2(A)に原稿画像G0上の16ラインを示す。ラインバッファLBは、図3(A),(B)に示すような構成であってもよく、この場合には、ラインデータが16ラインを単位に格納される。なお、図3(A)では、5ライン目(n=5)がラインバッファLBに格納される様子が示されている。また、図3(B)では16ラインのRGB画像データLDRGBが8ラインずつに分けられてRGB/YCC変換手段115に転送される様子が示されている。
【0043】
また、ラインバッファLBは、図4に示すようなFIFO構成であってもよく、この場合には、読取りラインが1ラインずつラインバッファLBにプッシュされて格納される。図4ではラインバッファLBは32ラインにより構成されている。ラインバッファLBのポインタは、16ラインごとに赤目検出を行うため、16ラインごとにリセットされる(後述する図6のフローチャートのS1101,S1105参照)。なお、図4では、5ライン目(n=5)がラインバッファLBに格納される様子が示されている。
【0044】
赤目検出手段113は、ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBにかかる画像に含まれる赤目を検出する。赤目検出手段113は、ラインバッファLBが図3(A),(B)に示す構成の場合には16ライン分の画像をイメージに展開し、図4に示す構成である場合には、32ラインの画像をイメージに展開して、周知の赤目検出を行う。
【0045】
赤目検出に際しては、展開イメージに含まれるオブジェクトを抽出し、図示しない記憶装置(ROM)に記憶してある、赤目の形状パターン、赤目の周囲の形状パターン、あるいは顔パターンと比較する。ラインバッファLBが図4(A),(B)に示す構成である場合には、人物の目が16ライン単位の処理ライン群にまたがっているような場合でも赤目検出を正確に行うことができる。図2(B)に16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示し、図2(C)に16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示す。
赤目検出手段113により赤目が検出されたときは、赤目領域記憶処理手段114により、その赤目の位置が赤目テーブルTBLREに記憶される。赤目テーブルTBLREには、図5に示すように、赤目ナンバ、赤目中心、赤目径等が登録される。
【0046】
ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBは、RGB/YCC変換手段115により呼び出され、YCC画像データLDYCCに変換される。ラインバッファLBが図3(A),(B)に示す構成である場合には、16ライン分のRGB画像データLDRGBは次の16ラインの書き込みが開始される前にRGB/YCC変換手段115に転送される。ラインバッファLBが図4に示すFIFO構成である場合には、32ライン前のRGB画像データLDRGBが、新たに読み込まれたRGB画像データLDRGBによりプッシュされて、順次画像メモリGMに転送される(なお、原稿画像G0の最後の32ライン分については、新たに読み込まれるRGB画像データLDRGBはないが、順次画像メモリGMに転送される。
【0047】
YCC画像記憶処理手段116は、呼び出したYCC画像データLDYCCを画像記憶装置(本実施例では画像メモリGM)に書き込み、一画像(ここではJPF画像GJPG)として記憶する。
YCC/RGB変換手段117は、画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGについて1ラインごとまたは所定ライン数ごとにYCC画像データLDYCCを呼び出しRGB画像データLDRGBに変換する。
赤目補正手段118は、YCC/RGB変換手段117により変換したRGB画像データLDRGBにかかる画像中に、赤目テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるときに、当該RGB画像データLDRGBについて当該赤目領域の画素色を黒色等に置き換える。ここでは、補正後のRGB画像データをLDRGB′で示す。
【0048】
印刷データ作成手段119は、YCC/RGB変換手段117により変換したRGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段118により赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段118により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′については当該RGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成し、これらの印刷データPDを印刷機構1120に転送する。
【0049】
以下、図6のフローチャートにより、イメージスキャナ付き印刷装置11の動作を詳細に説明する。
図6において、画像読取手段111は、ラインデータ記憶装置(本実施例では16ライン分のラインバッファLB)の領域を確保し、読み取ラインポインタがn=1にセットされる(S1101)。
【0050】
スキャナ機構1110により原稿画像G0は1ラインずつ読み取られ(S1102)、1ラインずつのRGB画像データLDRGBが、ラインデータ一時記憶処理手段112によりラインバッファLBに記憶されると(S1103)、nがインクリメント(n=n+1)される(S1104)。図7(A)に、S1103において、ラインバッファLBにRGB画像データLDRGBが途中まで記憶される様子を示す。
【0051】
S1102〜S1104の処理はn=16になるまで繰り返される(S1105の「NO」)。
16ラインの読取りが終了すると(S1105の「YES」)、ラインバッファLBから16ライン数のRGB画像データLDRGBが所定のメモリ空間に呼び出されてイメージに展開され(図6(B)参照)、赤目検出手段113により、この展開イメージに含まれる赤目が検出される(S1106)。
S1106において赤目が検出されたときは(S1107の「YES」)、赤目領域記憶処理手段114は、その赤目の位置を赤目テーブルTBLREに記憶する(S1108)。
【0052】
S1107において赤目が検出されないとき(S1107の「NO」)、およびS1106において赤目が検出された場合において赤目の位置が赤目テーブルTBLREに記憶されたとき(S1108)は、RGB/YCC変換手段115により、ラインバッファLBに記憶された8ライン数のRGB画像データLDRGBが、YCC画像データLDYCCに変換される(S1109)。すなわち、RGB画像データLDRGBについて、8ラインずつ、DCT変換、量子化、ハフマン圧縮を行うことでYCC画像データLDYCCが作成される。
このYCC画像データLDYCCは、画像メモリGMに記憶される(S1110)。図7(B)に、S1109において、16ライン数のRGB画像データLDRGBがRGB/YCC変換されて画像メモリGMに記憶される様子を示す。
【0053】
スキャンが終了するまで、S1101からS1110までの処理が繰り返され(S1111の「NO」)る。スキャンを終了したときは一画像(ここではJPEG画像GJPG)が画像メモリGMに記憶される。
スキャンが終了すると(S1111の「YES」)、YCC/RGB変換手段117により、画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGについて8ラインごとにYCC画像データLDYCCが呼び出され、RGB画像データLDRGBに変換される(S1112)。このRGB画像データLDRGBは、図示しない8ラインバッファに保存され(S1113)、8ラインバッファのポインタmが初期化(m=1)される(S1114)。
【0054】
赤目補正手段118は、8ラインバッファのRGB画像データLDRGBを呼び出し、このRGB画像データかかる画像に、赤目テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるときは(S1115の「YES」)、RGB画像データLDRGBを黒色等のデータに置き換える(S1116)。
【0055】
図7(C)に、S1113において画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGのYCC画像データLDYCCが1ラインごとに呼び出され、S1116においてRGB画像データLDRGBについて赤目の補正がされる様子を示す。
【0056】
そして、印刷データ作成手段119は、RGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段118により赤目補正がなされていない(S1115の「NO」参照)RGB画像データLDRGBについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段118により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′についてはこのRGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成し(S1117)、これらの印刷データPDを印刷機構1120に転送する(S1118)。図2(D)に赤目補正がされた印刷画像G0を示す。
【0057】
S1113からS1118の処理は、m=8になるまで繰り返され(S1119の「NO」)、mが8を超えたときは、次の8ラインが画像メモリGMから呼び出され(S1119の「NO」:S1113から1118)、全ラインについて処理が終了したときに(S1120の「NO」)、全ての処理が終了する。
【0058】
《第1応用態様の実施例》
図8は第1応用態様のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施例を示す説明図である。図8において、イメージスキャナ付き印刷装置21は、原稿画像G0を読み取るスキャナ機構2110と、印刷を行う印刷機構2120とを備え、さらに画像読取手段211と、RGB画像記憶手段213と、RGB画像データ呼出し手段214と、画像データ一時記憶手段215と、赤目検出手段216と、赤目領域記憶処理手段217と、赤目補正手段218と、印刷データ作成手段219とを含んで構成されている。
【0059】
画像読取手段211は、スキャナ機構2110を駆動し、スキャナ機構2110が読み取た原稿画像G0のRGB画像データLDRGBを取得する。
YCC画像記憶手段213は、RGB画像データLDRGBを順次蓄積して、JPEG画像として画像記憶装置(本実施例では画像メモリGM)に記憶する。
RGB画像データ呼出し手段214は、画像メモリGMに記憶されたRGB画像GRGBについて1ラインごとまたは所定ライン数ごと、あるいは処理ユニットごとにRGB画像データLDRGBを呼び出す操作を合計で2回行う。
【0060】
画像データ一時記憶手段215は、RGB画像データ呼出し手段214により呼び出された所定ライン数のRGB画像データLDRGBを、ラインデータ記憶装置(本実施例ではラインバッファLB)に記憶する。
赤目検出手段216は、ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBにかかる画像に含まれる赤目を検出する。
【0061】
赤目検出に際しては、展開イメージに含まれるオブジェクトを抽出し、図示しない記憶装置(ROM)に記憶してある、赤目の形状パターン、赤目の周囲の形状パターン、あるいは顔パターンと比較する。赤目検出手段216は、16ライン、32ライン等、搭載メモリの容量や搭載プロセッサの処理能力に応じて適宜のライン数の画像をイメージに展開することができ、この展開したイメージ画像から赤目を検出することができる。図10(A)に示した原稿画像の16ライン数の画像をイメージに展開した様子を図10(B)に示し、32ライン数の画像をイメージに展開した様子を図10(C)に示す。
【0062】
赤目検出手段216により赤目が検出されたときは、赤目領域記憶処理手段217は、赤目テーブルTBLREをその赤目の位置に記憶する。赤目テーブルTBLREには、図11に示すように、赤目ナンバ、赤目中心、赤目径等が登録される。
【0063】
赤目補正手段218は、RGB画像データ呼出し手段214の2回目の呼び出しにおいて、呼び出したRGB画像データLDRGBにかかる画像中に赤目テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるか否かを検出し、RGB画像データについて赤目補正を行う。赤目補正は、赤目領域の画素色を黒色等に置き換えることにより行われる。図8では、補正後のRGB画像データをLDRGB′で示す。
【0064】
印刷データ作成手段219は、RGB画像データ呼出し手段214の1回目の呼び出しにおいて、呼び出したRGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段218により赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段218により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′については当該RGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成し、これらの印刷データPDを印刷機構2120に転送する。
【0065】
図9は本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の他の実施例を示す説明図である。図9において、イメージスキャナ付き印刷装置22は、原稿画像G0を読み取るスキャナ機構2210と、印刷を行う印刷機構2220とを備え、画像読取手段221と、RGB/YCC変換手段222と、YCC画像記憶手段223と、YCC/RGB変換手段224と、画像データ一時記憶手段225と、赤目検出手段226と、赤目領域記憶処理手段227と、赤目補正手段228と、印刷データ作成手段229とを含む。
【0066】
画像読取手段221は、図8の画像読取手段221と同じであり、スキャナ機構2210を駆動し、スキャナ機構2210は原稿画像G0を読み取り、スキャナ機構2210からRGB画像データLDRGBを取得する。
RGB/YCC変換手段222は、画像読取手段221による読み取りに際して、所定ライン数のRGB画像データをYCC画像に変換する。たとえば、RGB画像データLDRGBについて8ラインずつDCT変換、量子化、ハフマン符号化が行われ、YCC画像LDYCCが作成される。
YCC画像記憶手段223は、RGB/YCC変換手段222により変換されたYCC画像LDYCCを順次蓄積して、JPEG画像として画像記憶装置(本実施例では画像メモリGM)に記憶する。
【0067】
YCC/RGB変換手段224は、画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGについて1ラインごとまたは所定ライン数ごと、あるいは処理ユニットごとにYCC画像LDYCCを呼び出しRGB画像データLDRGBに変換する操作を合計で2回行う。
【0068】
画像データ一時記憶手段225は、YCC/RGB変換手段224の1回目の操作において所定ライン数のRGB画像データLDRGBを、ラインデータ記憶装置に記憶する。
赤目検出手段226は、ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBにかかる画像に含まれる赤目を検出する。
【0069】
赤目検出に際しては、展開イメージに含まれるオブジェクトを抽出し、図示しない記憶装置(ROM)に記憶してある、赤目の形状パターン、赤目の周囲の形状パターン、あるいは顔パターンと比較する。
赤目検出手段226は、16ライン、24ライン等、搭載メモリの容量や搭載プロセッサの処理能力に応じて適宜のライン数の画像をイメージに展開することができ、この展開したイメージ画像から赤目を検出することができる。本実施例でも、展開するイメージ画像のライン数は適宜定めることができ、たとえば、図10(B)に示したように16ライン数の画像をイメージに展開することもできる、図10(C)に示したように32ライン数の画像をイメージに展開したすることもできる。
【0070】
赤目領域記憶処理手段227は、赤目検出手段226により赤目が検出されたときは、赤目テーブルTBLREをその赤目の位置に記憶する。この場合の赤目テーブルTBLREには、図11に示すように、赤目ナンバ、赤目中心、赤目径等が登録される。
【0071】
赤目補正手段228は、画像データ呼び出し手段224の2回目の操作において、呼び出したRGB画像データLDRGBにかかる画像中に赤目テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるか否かを検出し、RGB画像データについて赤目補正を行う。赤目補正は、赤目領域の画素色を黒色等に置き換えることにより行われる。図9では、補正後のRGB画像データをLDRGB′で示す。
【0072】
印刷データ作成手段229は、YCC/RGB変換手段224の1回目の操作において、呼び出したRGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段228により赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段228により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′については当該RGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成する。そして、これらの印刷データPDを印刷機構2120に転送する。
【0073】
まず、図12のフローチャートにより、イメージスキャナ付き印刷装置21の動作を詳細に説明する。
図12において、画像読取手段211はスキャナ機構2110に原稿画像G0の読みを指示する。そして、スキャナ機構2110により原稿画像G0の読み取りが行われ(S2101)、原稿画像G0が全て読み取られ画像メモリGMに記憶される(S2102)。
【0074】
次に、画像メモリGMからXライン数の原稿画像G0を所定のメモリ(作業領域)にイメージに展開して赤目の検出を行う(S2103)。Xライン数の画像に赤目が検出されたときは(S2104の「YES」)、赤目領域情報をテーブルTBLREに記憶する(S2105)。赤目領域情報をテーブルTBLREに記憶したとき、およびS2104においてXライン数の画像に赤目が含まれないときは(S2104の「NO」)、原稿画像G0の全ラインについてS2103からS2105の処理が終了したか否かを判断し、処理が終了していないとき(S2106の「NO」)は処理をS2103に戻す。処理が終了しているときには(S2106の「YES」)、原稿画像G0から1ラインを取り出し、1ライン内のデータについて、赤目テーブルTBLREを参照して、赤目の有無、赤目領域を検出する(S2107)。
【0075】
1ライン内のデータに赤目領域が含まれているときは(S2108の「YES」)、赤目領域のデータを黒色等のデータに置き換える(S2108)。
S2108において、1ライン内のデータを黒色等のデータに置き換えたとき、または呼び出したラインに赤目領域が含まれていないとき(S2108の「NO」)、は、印刷データPDを作成し(S2110)、これを印刷機構2120に転送する(S21111)。
【0076】
次に、図13のフローチャートにより、イメージスキャナ付き印刷装置22の動作を詳細に説明する。
図13において、画像読取手段221はスキャナ機構2110に原稿画像G0の読みを指示する。
スキャナ機構2210による読み取り開始に際しては、読み取ラインのポインタがn=1にセットされる(S2201)。
【0077】
そして、ラインバッファLBに、RGB画像データが1ラインずつ記憶され(S2202,S2203)、nは順次インクリメントされ(S2204)、ラインバッファLBに8ラインのRGB画像データが記憶される(S2205の「NO」)。これらのRGB画像データLDRGBはYCC画像LDYCCに変換され(S2206)、画像メモリGMに記憶される。図14にラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBがYCC画像LDYCCに変換されて画像メモリGMに記憶される様子を示す。
【0078】
S2201からS2207までの処理(RGB/YCC変換)は、原稿画像G0の全ラインについて行われる(S2208の「NO」)。
全ラインについてのRGB/YCC変換が終了し(S2208の「YES」)、画像メモリGMにJPEG画像GJPGが一画像として記憶されたときは、8×Yラインの所定のメモリ領域MAが初期化され(S2209)、8×Yライン単位でシフトするポインタMが1にセットされる(M=1)(S2210)。次いで、JPEG画像GJPGの8ライン数のYCC画像LDYCCがRGB画像データLDYCCに変換されてメモリ領域MAに格納され(S2211)、Mがインクリメントされ(M=M+1)(S2212)、S2211の処理がM=Yとなるまで繰り返される(S2213)。図15にY=3の場合に、8×YラインのRGB画像データLDRGBがメモリ領域MAに記憶された様子を示す。
【0079】
次に、領域メモリMAの画像中に赤目あるかが検出され(S2214)、赤目があるときは(S2214の「YES」)、赤目領域情報がテーブルTBLREに記憶される(S2215)。赤目領域情報がテーブルTBLREに記憶されたとき、およびS2214において赤目がないと判断されたときは(S2214の「NO」)、S2209からS2215までの処理が、JPEG画像GJPGの全ラインについて行われたか否かが判断される(S2216)。JPEG画像GJPGの全ラインについて行われていないときは(S2216の「NO」)、処理をS2209に戻す。
【0080】
赤目領域の検出は、上記の例では、8×YラインのRGB画像データLDRGBについて行ったが、図16(A)に示すように、前回の赤目検出(S2214)において使用したRGB画像データLDRGBのうち、最終8ライン数のデータをメモリ領域MAの先端行(図面上ではメモリの最下段)に残しておくこともできる。この場合には、最終8ライン数のデータを上述した8×Yライン(図16(A)ではY=3)のRGB画像データLDRGBに足し合わせて赤目検出を行う。また、図16(B)に示すように、8×Yライン(図16(B)ではY=3)のYCC画像LDYCCを、RGB画像データLDRGBに変換する際に、前回変換(前回のS2211)したYCC画像LDYCCの最後の8ラインを、今回変換(今回のS2211)するYCC画像LDYCCの最初の8ラインとすることができる。図16(A),(B)のようにすることで、8ラインと8ラインの境界に赤目が存在するような場合でも正確に赤目を検出することができる。
【0081】
S2209からS2214までの処理がJPEG画像GJPGの全ラインについて行われたときは、8ライン数を記憶するラインバッファを初期化し(S2217)、画像メモリGMから8ライン数のYCC画像LDYCCを取り出しRGB画像データLDRGBに変換してラインバッファLBに記憶する(S2218)。8ラインバッファに記憶したRGB画像データLDRGBにかかる画像に、赤目テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるときは(S2219の「YES」)、RGB画像データLDRGBを黒色等のデータに置き換える(S2220)。
図17に、画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGのYCC画像LDYCCがS2218において1ラインごとに呼び出され、S2220においてRGB画像データLDRGBについて赤目の補正がされる様子を示す。
【0082】
そして、印刷データ作成手段229は、RGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段228により赤目補正がなされていない(S2219の「NO」)RGB画像データLDRGBについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段228により赤目補正がなされた(S2220)RGB画像データLDRGB′については、このRGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成し(S2221)、これらの印刷データPDを印刷機構2120に転送する(S2222)。図10(D)に赤目補正がされた印刷画像G0を示す。S2217からS2222の処理は、画像メモリGMに記憶されたJPEG画像GJPGの、全ラインについて繰り返して行われ(S2223の「NO」)、全ラインについて処理が終了したときに(S2223の「YES」)、全ての処理が終了する。
《第2応用態様》
【0083】
図18は本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施例を示す説明図である。図18において、イメージスキャナ付き印刷装置31は、原稿画像G0を読み取るスキャナ機構310と、印刷を行う印刷機構3120とを備え、画像読取手段311と、ラインデータ一時記憶処理手段312と、赤目検出手段313と、赤目領域記憶処理手段314と、画像記憶処理手段315と、画像データ呼出し手段316と、赤目補正手段317と、印刷データ作成手段318とを含む。
【0084】
画像読取手段311は、スキャナ機構310を駆動し、スキャナ機構310が読み取った原稿画像G0のRGB画像データLDRGBを取得する。
ラインデータ一時記憶処理手段312は、スキャナ機構310による読み取りに際して、画像読取手段311から所定ライン数(本実施例では8ラインや36ライン)のRGB画像データをデータライン記憶装置(本実施例では、ラインバッファLB)に記憶する。図19(A)に原稿画像G0上の16ラインを示す。
ラインバッファLBは、図20(A)に示すような構成であってもよく、この場合には、ラインデータが16ラインを単位に格納される。
【0085】
また、ラインバッファLBは、図20(B)に示すようなFIFO構成であってもよく、この場合には、読み取りラインが1ラインずつラインバッファLBにプッシュされて格納される。図20(B)ではラインバッファLBは32ラインにより構成されている。ラインバッファLBのポインタは、16ラインごとに赤目検出を行うため、16ラインごとにリセットされる(後述する図22のフローチャートのS301,S305参照)。なお、図20(A),(B)では、5ライン目(n=5)がラインバッファLBに格納される様子が示されている。
【0086】
赤目検出手段313は、ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBにかかる画像に含まれる赤目を検出する。赤目検出手段313は、ラインバッファLBが図20(A)に示す構成の場合には16ライン数の画像をイメージに展開し、図20(B)に示す構成である場合には、32ラインの画像をイメージに展開して、周知の赤目検出を行う。図19(B)に16ライン数の画像をイメージに展開した様子を示し、図19(C)に16ライン数の画像をイメージに展開した様子を示す。
【0087】
赤目検出に際しては、展開イメージに含まれるオブジェクトを抽出し、図示しない記憶装置(ROM)に記憶してある、赤目の形状パターン、赤目の周囲の形状パターン、あるいは顔パターンと比較する。ラインバッファLBが図20(B)に示す構成である場合には、人物の目が16ライン単位の処理ライン群にまたがっているときでも赤目検出を正確に行うことができる。
【0088】
赤目領域記憶処理手段314は、赤目検出手段313により赤目が検出されたときは、その赤目の位置を赤目領域テーブルTBLREに記憶する。赤目領域テーブルTBLREには、図21に示すように、赤目ナンバ、赤目中心、赤目径等が登録される。
【0089】
画像記憶処理手段35は、ラインバッファLBに記憶されたRGB画像データLDRGBを画像記憶装置(本実施例では画像メモリGM)に書き込み、一画像(ここではRGB画像GRGB)として記憶する。ラインバッファLBが図20(A)に示す構成である場合には、16ライン数のRGB画像データLDRGBは次の16ラインの書き込みが開始される前に画像記憶処理手段315に転送される。ラインバッファLBが図20(B)に示すFIFO構成である場合には、32ライン前のRGB画像データLDRGBが、新たに読み込まれたRGB画像データLDRGBによりプッシュされて、順次画像メモリGMに転送される(なお、原稿画像G0の最後の32ライン数については、新たに読み込まれるRGB画像データLDRGBはないが、順次画像メモリGMに転送される。
【0090】
画像データ呼出し手段316は、画像メモリGMに記憶された画像GRGBについて1ラインずつRGB画像データLDRGBを呼び出す。
赤目補正手段317は、画像データ呼出し手段316により呼び出したRGB画像データLDRGBにかかる画像中に、赤目領域テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるときに、当該RGB画像データLDRGBについて当該赤目領域の画素色を黒色等に置き換える。ここでは、補正後のRGB画像データをLDRGB′で示す。
【0091】
印刷データ作成手段318は、画像データ呼出し手段316により呼び出したRGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段317により赤目補正がなされていないRGB画像データについては当該RGB画像データから印刷データPDを作成し、(2)赤目補正手段317により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′については当該RGB画像データLDRGB′から印刷データPDを作成し、これらの印刷データPDを印刷機構3120に転送する。
【0092】
以下、図22のフローチャートにより、イメージスキャナ付き印刷装置3の動作を詳細に説明する。
図22において、画像読取手段311は、ラインデータ記憶装置(本実施例では16ライン数のラインバッファLB)の領域を確保し、ポインタがn=1にセットされる(S301)。
【0093】
スキャナ機構3110により原稿画像G0は1ラインずつ読み取られ(S302)、1ラインずつのRGB画像データLDRGBが、ラインデータ一時記憶処理手段312によりラインバッファLBに記憶されると(S303)、nがインクリメント(n=n+1)される(S304)。図23(A)に、S303において、ラインバッファLBにn=15のRGB画像データLDRGBが記憶される様子を示す。
【0094】
S302〜S304の1ラインずつの処理はn=16になるまで繰り返される(S305の「NO」)。
16ラインの読み取りが終了すると(S305の「YES」)、ラインバッファLBから16ライン数のRGB画像データLDRGBが所定のメモリ空間に呼び出されてイメージに展開され(図22(B)参照)、赤目検出手段313により、展開イメージに含まれる赤目が検出される(S306)。
【0095】
S306において赤目が検出されたときは(S307の「YES」)、その赤目の位置が、赤目領域記憶処理手段314により赤目領域テーブルTBLREに記憶される(S308)。
【0096】
S306において赤目が検出されないとき(S307の「NO」)、およびS308において赤目が検出された場合において赤目の位置が赤目領域テーブルTBLREに記憶されたときは、画像記憶処理手段315により、ラインバッファLBに記憶された16ライン数のRGB画像データLDRGBが画像メモリGMに記憶される(S309)。図23(B)に、S309において、16ライン数のRGB画像データLDRGBが画像メモリGMに記憶される様子を示す。
【0097】
スキャンが終了するまで、S301からS309までの処理が繰り返される(S310の「NO」)。スキャンを終了したときは一画像(ここではRGB画像GRGB)が画像メモリGMに記憶される。スキャンが終了すると(S310の「YES」)、画像メモリGMに記憶されたRGB画像GRGBのRGB画像データLDRGBが1ラインごとに画像データ呼出し手段36により呼び出される(S311)。
【0098】
画像データ呼出し手段316により呼び出したRGB画像データLDRGBにかかる画像に、赤目領域テーブルTBLREに記憶した赤目領域が含まれるときは(S312の「YES」)、RGB画像データLDRGBは赤目補正手段317により黒色等のデータに置き換える(S313)。
【0099】
図23(C)に、S311において画像メモリGMに記憶されたRGB画像GRGBのRGB画像データLDRGBが1ラインごとに呼び出され、S313においてRGB画像データLDRGBについて赤目の補正がされる様子を示す。
【0100】
そして、RGB画像データLDRGBのうち、(1)赤目補正手段317により赤目補正がなされていない(S312の「NO」参照)RGB画像データLDRGBについては当該画像データから印刷データPDが印刷データ作成手段318により作成され、(2)赤目補正手段37により赤目補正がなされたRGB画像データLDRGB′についてはこのRGB画像データLDRGB′から印刷データPDが印刷データ作成手段38により作成され(S314)、これらの印刷データPDは印刷機構3120に転送される(S315)。図19(D)に赤目補正がされた印刷画像G0を示す。
《第3応用態様の実施例》
《第1実施例》
【0101】
図24は第3応用態様の第1実施例を示するイメージスキャナ付き印刷装置を示す説明図である。
図24において、イメージスキャナ付き印刷装置41は、複数の個別画像g1〜gN(図24ではN=4の場合を示す)が含まれる原稿画像G0をスキャナ機構4180により読み取って、印刷機構4190により印刷するものであって、画像読取り手段4101と、個別画像配置検出手段4102と、配置情報処理手段4103と、画像記憶処理手段4104と、配置補正手段4105と、赤目検出手段4106と、赤目領域記憶処理手段4107と、画像データ呼出し手段4108と、赤目補正手段4109と、印刷データ作成手段4110とを備える。
【0102】
画像読取り手段4101は、スキャナ機構4180を駆動して、プレスキャンによる原稿画像G0の読み取りを行った後、各個別画像g1〜gNの数と同じ回数の本スキャンにより、順次、当該各個別画像g1〜gNの読み取りを行う。
個別画像配置検出手段4102は、画像読取り手段4101によるプレスキャンに際して、各個別画像g1〜gNの配置を検出する。
【0103】
配置情報処理手段4103は、個別画像配置検出手段4102により検出した各個別画像g1〜gNの配置が誤った配置で読み取られた画像であるときは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報LYを作成する。
配置情報処理手段4103は、配置情報記憶処理手段41031と、誤配置判定手段41032と、配置情報作成手段41033とから構成でき、個別画像配置検出手段4102により検出した各個別画像g1〜gNの配置を、少なくとも位置情報(座標)および傾斜角情報を含む配置情報LYとして配置情報記憶装置41030に記憶する。配置情報LYには、各個別画像g1〜gNの大きさ情報を含めることもできる。
【0104】
誤配置判定手段41032は、配置情報記憶装置41030に記憶した各個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られた画像であるかを判定する。
配置情報作成手段41033は、誤配置判定手段41032が、各個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られているか否かを判定し、当該誤った配置で読み取られた個別画像について正しい配置となる配置情報LYを作成して配置情報記憶装置41030に記憶する。
【0105】
画像記憶処理手段4104は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、スキャン回数に対応する個別画像(g1〜gNのうちひとつ)をJPEGデータ(GYCC)として画像記憶装置41041に記憶する。
配置補正手段4105は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、配置情報LYを参照して、画像記憶装置41041に記憶された個別画像のそれぞれが誤った配置で読み取られた個別画像であるかを判定し、当該個別画像(g1〜gNの何れか)が誤った配置で読み取られているときは正しい配置となるように当該個別画像(g1〜gNのうちひとつ)の画像データについて配置補正処理を行う。なお、このとき配置情報LYには、各個別画像g1〜gNの大きさ情報を含めてあるときは各個別画像g1〜gNの大きさを同じにする補正を行うことができる。
【0106】
赤目検出手段4106は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、画像記憶装置41041に記憶された個別画像個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する。
赤目領域記憶処理手段4107は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、赤目検出手段4106が個別画像の画像データにかかる画像に赤目が含まれていることを検出したときは赤目領域を赤目テーブル41071に記憶する。
【0107】
画像データ呼出し手段4108は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、画像記憶装置41041から個別画像の画像データ(JPEGデータGYCC)を一部分ずつ呼び出してRGBデータに変換する。
赤目補正手段4109は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、画像データ呼出し手段4108により呼び出した画像データにかかる画像に、赤目領域が含まれるときは、画像データについて赤目補正を行う。
【0108】
印刷データ作成手段4110は、画像読取り手段4101による各回の本スキャンごとに、画像データ呼出し手段4108により呼び出した画像データのうち、赤目補正手段4109により赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正手段4109により赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データ、から印刷データを作成して印刷機構4190に転送する。
【0109】
図25のフローチャートおよび図26(A),(B)の説明図により図24に示したイメージスキャナ付き印刷装置1による印刷方法を説明する。
この印刷方法では、以下に示すように、複数の個別画像g1〜gNが含まれる原稿画像G0をスキャナによりプレスキャンと複数の本スキャンにより読み取って印刷を行う。
【0110】
複数の写真等の原稿をスキャナにセットし、スキャナ機構4180を駆動して、画像読取り手段4101により原稿画像G0のプレスキャンを行う(プレスキャンステップS4101A)。写真等はスキャナに正しく配置されない場合(斜めにセットされたり、上下・左右にずれて配置される場合)があるが、本発明では、このような正しく配置されない場合でも、そのままスキャンが行われる。
【0111】
本実施例では、プレスキャンステップS4101Aにおいては、モノクロの読み取りが行われ。なお、後述する本スキャンよりも解像度が低い読み取りであってもよい。図26(A)にプレスキャンした画像PGの例を示す。
個別画像配置検出手段4102は、プレスキャンステップS4101Aにより読み取った画像について、個別画像g1〜gN(ここでは、N=1)の配置を検出する(個別画像配置検出ステップS4102)。たとえば、読み取った画像の画素から写真等の矩形輪郭を判別することで、個別画像の枚数、個別画像の大きさ、個別画像の傾きを検出する。
【0112】
個別画像配置検出手段4102が、個別画像配置検出ステップS4102において、個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られていることを検出したきは、配置情報処理手段4103はその個別画像(以下「gk」で示す)について正しい配置となる配置情報LYを作成する(配置情報処理ステップS4103)。配置情報LYは、個別画像gkが傾斜している場合には傾斜角であり、位置ずれがある場合には位置座標(たとえば個別画像の左上の座標)である。
【0113】
配置情報処理ステップS4103では。個別画像配置検出ステップS4102において検出した各個別画像gkの配置を、少なくとも位置情報および傾斜角情報を含む配置情報LYとして配置情報記憶装置41030に記憶し(配置情報記憶処理ステップS41031)、これらの個別画像gkが誤った配置で読み取られた画像であるかを判定し(誤配置判定ステップS41032)、個別画像gkが誤った配置で読み取られた画像であると判定されたときは、当該誤った配置で読み取られた個別画像について正しい配置となる配置情報LYを作成して記憶する(配置情報作成ステップS41033)。
【0114】
次に、図24には示していないが、読み取り回数レジスタの値nの値が「1」にセットされ(S41031)、画像読取り手段4101により第1回目の個別画像gkの読み取りを行う(本スキャンステップS4101B)。この本スキャンステップS4101Bでの読み取りは、個別画像の数と同じ回数(N回)行われる。この読み取りでは、画像読取り手段4101は、原稿画像G0のうち個別画像g1の領域のみのスキャンを行うようにしてもよいし、原稿画像G0全体をスキャンした後、個別画像g1の領域の画像のみを抽出するようにしてもよい。
【0115】
画像記憶処理手段4104は、個別画像g1の画像データを記憶し(画像記憶処理ステップS4104)、配置情報記憶装置41030の配置情報LYを参照して、画像記憶処理ステップS4104において記憶された個別画像g1が誤った配置で読み取られているか否かを判定し、誤った配置で読み取られているときは正しい配置となるように当該個別画像の画像データについて配置補正処理を行う(配置補正ステップS4105)。
【0116】
次に、赤目検出手段4105により、画像記憶処理ステップS4104において記憶された個別画像g1の画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出し(赤目検出ステップS4106)、個別画像g1の画像データにかかる画像に赤目が含まれていることが検出されたときは赤目領域記憶処理手段4107により赤目領域を記憶する(赤目領域記憶処理ステップS4107)。この赤目検出に際しては、周知の手法、たとえば個別画像g1中から人の顔のパターン照合等を行う方法が採用される。
【0117】
この後、画像データ呼出し手段4108により、画像記憶処理ステップS4104において記憶された個別画像g1の画像データ(JPEGデータGYCC)を一部分ずつ呼び出してRGBデータに変換し(画像データ呼出しステップS4108)、この呼び出した画像データにかかる画像に、赤目領域記憶処理ステップS4107において記憶した赤目領域が含まれるときは、赤目補正手段4109により画像データについて赤目補正を行う(赤目補正ステップS4109)。
【0118】
この赤目補正の後、印刷データ作成手段4110は、画像データ呼出しステップS4108において呼び出した画像データのうち、赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた印刷データが作成され印刷機構4190に転送され(印刷データ作成ステップS4110)、印刷が行われる(印刷ステップS4111)。
【0119】
この後、ステップS41031でセットしたレジスタの値nがインクリメントされる(n=n+1)(S4112)。次に、配置情報記憶装置41030に記憶したNの値を参照して、n>Nが判断され、個別画像g1についてと同様に、すべての個別画像について、n>N(ここではN=4)となるまで、S4101B,S4104〜S4112の処理が行われる(S4113、「end」)
図26(B)に、4回の本スキャンにおける、画像記憶処理ステップS4104,配置補正ステップS4105,赤目補正ステップS4109での処理の例を示す。
《第2実施例》
【0120】
図27は第3応用態様の一実施例を示するイメージスキャナ付き印刷装置を示す説明図である。
図27において、イメージスキャナ付き印刷装置42は、複数の個別画像g1〜gN(本実施例ではN=4)が含まれる原稿画像G0をスキャナ機構4280により読み取って、印刷機構4290により印刷するものであって、画像読取り手段4201と、個別画像配置検出手段4202と、配置情報処理手段4203と、画像記憶処理手段4204と、配置補正手段4205と、赤目検出手段4206と、赤目領域記憶処理手段4207と、画像データ呼出し手段4208と、赤目補正手段4209と、印刷データ作成手段4210とを備える。
【0121】
画像読取り手段4201は、スキャナ機構4280を駆動して、プレスキャンによる原稿画像G0の読み取りを行った後、本スキャンにより原稿画像G0の読み取りを行う。
個別画像配置検出手段4202は、画像読取り手段4201によるプレスキャンに際して、各個別画像g1〜gNの配置を検出する。
【0122】
配置情報処理手段4203は、個別画像配置検出手段4202により検出した個別画像g1〜gNの配置が誤った配置で読み取られた画像であるときは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報LYを作成する。
配置情報処理手段4203は、配置情報記憶処理手段42031と、誤配置判定手段42032と、配置情報作成手段42033とを有している。
配置情報記憶処理手段42031は、個別画像配置検出手段4202により検出した各個別画像g1〜gNの配置を、少なくとも位置情報および傾斜角情報を含む配置情報LYとして配置情報記憶装置42030に記憶する。
【0123】
誤配置判定手段42032は、配置情報記憶装置42030に記憶した各個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られた画像であるかを判定する。
配置情報作成手段42033は、誤配置判定手段42032が誤った配置で読み取られた個別画像であると判定したときは、正しい配置となる配置情報LYを作成して配置情報記憶装置42030に記憶する。
画像記憶処理手段4204は、画像読取り手段4201による本スキャンにおいて読み取った原稿画像をJPEGデータ(GYCC)として画像記憶装置42041に記憶する。
【0124】
配置補正手段4205は、画像記憶装置42041に記憶された原稿画像中の個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られているときは、配置情報LYを参照して当該個別画像が正しい配置となるように当該個別画像g1〜gNの画像データについて配置補正処理を行う。
赤目検出手段4206は、画像記憶装置42041に記憶された原稿画像G0中の各個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する。
【0125】
赤目領域記憶処理手段4207は、赤目検出手段206が各個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれていることを検出したときは赤目領域を赤目テーブル42071に記憶する。
画像データ呼出し手段4208は、画像記憶装置42041から画像記憶装置42041に記憶されてた原稿画像の画像データ(JPEGデータGYCC)を一部分ずつ呼び出してRGBデータに変換する。。
赤目補正手段4209は、画像データ呼出し手段4208により呼び出した画像データにかかる画像に、赤目テーブル42071に記憶した赤目領域が含まれるときは、画像データについて赤目補正を行う。
【0126】
印刷データ作成手段4210は、画像データ呼出し手段4208により呼び出した画像データのうち、赤目補正手段4209により赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正手段4209により赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成して印刷機構4290に転送する。
【0127】
図28のフローチャートおよび図29(A),(B)の説明図により図27に示したイメージスキャナ付き印刷装置42による印刷方法を説明する。
この印刷方法では、以下に示すように、複数の個別画像g1〜gNが含まれる原稿画像G0を、スキャナにより1回のプレスキャンと1回の本スキャンを行って印刷を行う。
画像読取り手段4201により原稿画像G0のプレスキャンを行うプレスキャンステップS4201Aにおける処理は、第1実施例の画像読取り手段4101によるプレスキャンステップS4201Aにおける処理と同じである。図29(A)にプレスキャンした画像PGの例を示す。
【0128】
個別画像配置検出ステップS4202、配置情報処理ステップS4203(配置情報記憶処理ステップS42031,誤配置判定ステップS42032,配置情報作成ステップS42033)における処理は、第1実施例の個別画像配置検出ステップS4102、配置情報処理ステップS4103(配置情報記憶処理ステップS41031,誤配置判定ステップS41032,配置情報作成ステップS41033)における処理と同じである。
プレスキャンステップS4201Aを実行した後に、再度画像読取り手段4201により原稿画像G0全体の読み取りを行い(本スキャンステップS4201B)、画像記憶装置4204に原稿画像G0の画像データを記憶する(画像記憶処理ステップS4204)。
【0129】
そして、原稿画像G0中の個別画像g1〜gNの何れかが誤った配置で読み取られているときは、配置補正手段4205により配置情報LYを参照して当該個別画像が正しい配置となるように当該個別画像の画像データについて配置補正処理を行う(配置補正ステップS4205)。
次に、赤目検出手段4206により個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出し(赤目検出ステップS4206)、個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれていることが検出されたときは赤目領域記憶処理手段4207により赤目領域を赤目テーブルS42081に記憶する(赤目領域記憶処理ステップS4207)。
【0130】
この後、画像記憶処理ステップS4204において記憶された原稿画像G0の画像データ(JPEGデータGYCC)を画像記憶装置42041から一部分ずつ呼び出してRGBデータに変換し(画像データ呼出しステップS4208)、この呼び出した画像データにかかる画像に、赤目領域が含まれるときは、赤目補正手段4209により画像データについて赤目補正を行う(赤目補正ステップS4209)。
【0131】
この赤目補正の後、印刷データ作成手段4210は、画像データ呼出しステップS4208において呼び出した画像データのうち、赤目補正ステップS4209において赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正ステップS4209において赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成して印刷機構4290に転送する(印刷データ作成ステップS4210)。
【0132】
図29(B)に、本スキャンにおける、画像記憶処理ステップS4204,配置補正ステップS4205,赤目補正ステップS4209での処理の例を示す。
《第3実施例》
【0133】
図30は本発明の一実施例を示すイメージスキャナ付き印刷装置を示す説明図である。
図30において、イメージスキャナ付き印刷装置43は、複数の個別画像g1〜gN(図27ではN=4の場合を示す)が含まれる原稿画像G0をスキャナ機構4380により読み取って、印刷機構4390により印刷するものであって、画像読取り手段4301と、個別画像配置検出手段4302と、配置情報処理手段4303と、個別画像データ分離記憶手段4304と、配置補正手段4305と、画像記憶処理手段4306と、赤目検出手段4307と、赤目領域記憶処理手段4308と、画像データ呼出し手段4309と、赤目補正手段4310と、印刷データ作成手段4311とを備える。
【0134】
画像読取り手段4301は、スキャナ機構4380を駆動して、プレスキャンによる原稿画像G0の読み取りを行った後、本スキャンにより原稿画像の読み取りを行う。
個別画像配置検出手段4302は、画像読取り手段4301によるプレスキャンに際して、各個別画像g1〜gN(本実施例ではN=4)の配置を検出する。
配置情報処理手段4303は、個別画像配置検出手段4302により検出した個別画像g1〜gNの配置が誤った配置で読み取られた画像であるときは、当該個別画像について正しい配置となる配置情報LYを作成する。
【0135】
配置情報処理手段4303は、配置情報記憶処理手段43031と、誤配置判定手段43032とを含む。
配置情報記憶処理手段3031は、個別画像配置検出手段4302により検出した各個別画像g1〜gNの配置を、少なくとも位置情報および傾斜角情報を含む配置情報LYとして配置情報記憶装置43030に記憶する。
誤配置判定手段43032は、配置情報記憶装置43030に記憶した各個別画像g1〜gNが誤った配置で読み取られた画像であるかを判定する。
【0136】
配置情報作成手段43033は、誤配置判定手段43032が誤った配置で読み取られた個別画像であると判定したときは、正しい配置となる配置情報LYを作成して配置情報記憶装置3030に記憶する。
個別画像データ分離記憶手段4304は、画像読取り手段4301による本スキャンに際して、所定ライン数の画像データを記憶し、この所定ライン数の画像データを、配置情報処理手段4303により作成された配置情報LYに基づき、各個別画像g1〜gNの画像データに分離して記憶する。
配置補正手段4305は、個別画像データ分離記憶手段4304に記憶された原稿画像G0中の各個別画像が誤った配置で読み取られているときは、配置情報LYを参照して各個別画像g1〜gNが正しい配置となるように当該画像データについて配置補正処理を行う。
【0137】
画像記憶処理手段4306は、個別画像データ分離記憶手段4304により分離された個別画像データをJPEGデータ(GYCC)として画像記憶装置43061に記憶する。
赤目検出手段4307は、画像記憶装置43061に記憶された原稿画像中の各個別画像の画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出する。
赤目領域記憶処理手段4308は、赤目検出手段4307が個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれていることを検出したときは赤目領域を赤目テーブル43081に記憶する。
画像データ呼出し手段4309は、画像記憶装置43061から画像記憶装置43061に記憶された原稿画像の画像データ(JPEGデータGYCC)を一部分ずつRGBデータとして呼び出す。
【0138】
赤目補正手段4310は、画像データ呼出し手段4309により呼び出した画像データにかかる画像に、赤目テーブル43081に記憶した赤目領域が含まれるときは、画像データについて赤目補正を行う。
印刷データ作成手段4311は、画像データ呼出し手段4309により呼び出した画像データのうち、赤目補正手段4310により赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正手段4310により赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成して印刷機構4390に転送する。
【0139】
図31のフローチャートおよび図32(A),(B)の説明図により図27に示したイメージスキャナ付き印刷装置2による印刷方法を説明する。
この印刷方法では、第2実施例と同様、複数の個別画像g1〜gNが含まれる原稿画像G0を、スキャナにより1回のプレスキャンと1回の本スキャンを行って印刷を行う。
画像読取り手段4301により原稿画像G0のプレスキャンを行うプレスキャンステップS4301Aにおける処理は、第1実施例および第2実施例の画像読取り手段4101,S4201によるプレスキャンステップS4201Aにおける処理と同じである。図32(A)にプレスキャンした画像PGの例を示す。
【0140】
個別画像配置検出ステップS4302、配置情報処理ステップS4303(配置情報記憶処理ステップS43031,誤配置判定ステップS43032,配置情報作成ステップS43033)における処理は、第1実施例および第2実施例の個別画像配置検出ステップS4102,S4202、配置情報処理ステップS4103,S4203(配置情報記憶処理ステップS41031,S42031、誤配置判定ステップS41032,S42032、配置情報作成ステップS41032,S42033)における処理と同じである。
プレスキャンステップS4301Aを実行した後に、再度画像読取り手段4301により原稿画像G0全体の読み取りを行う(本スキャンステップS4301B)。この読み取りにおいて、個別画像データ分離記憶手段304は、所定ライン数の画像データを記憶し、この所定ライン数の画像データを、配置情報処理ステップS4303において作成された配置情報LYに基づき、各個別画像g1〜gNの画像データに分離して記憶する(個別画像データ分離記憶ステップS4304)。
【0141】
そして、個別画像データ分離記憶ステップS4304において記憶された画像データが誤った配置の個別画像g1〜gNの画像データであるときは、配置補正手段4305により配置情報LYを参照して画像データにかかる画像が正しい配置となるように画像データについて配置補正処理を行い(配置補正ステップS4305)、これらの分離された画像データを画像記憶処理手段4306により画像記憶装置43061に記憶する(画像記憶処理ステップS4306)。
【0142】
配置補正ステップS4305は、図32(B)に示すように、複数ラインバッファに所定ライン数の画像を格納し、正しい姿勢となったときの横方向の画素ラインが複数ラインバッファLBにすべて格納される記憶容量を持っている。そして、複数ラインバッファLBから正しい姿勢の画素ラインが抜き出されて後述するように画像処理ステップS4306において画像記憶装置43061に記憶され、赤目補正ステップS4310において赤目補正がなされる。
次に、画像記憶処理ステップS4306において記憶された原稿画像中の各個別画像g1〜gNの画像データにかかる画像に赤目が含まれているか否かを検出し(赤目検出ステップS4307)、赤目が含まれていることを検出したときは赤目領域記憶処理手段4308により赤目領域を赤目テーブルS43081に記憶する(赤目領域記憶処理ステップS4308)。
【0143】
この後、画像記憶装置43061に記憶された原稿画像G0の画像データ(JPEGデータGYCC)を画像記憶装置43061から一部分ずつ呼び出し(画像データ呼出しステップS4309)、この呼び出した画像データにかかる画像に、赤目領域が含まれるときは、赤目補正手段4310により画像データについて赤目補正を行う(赤目補正ステップS4310)。
この赤目補正の後、印刷データ作成手段4311は、画像データ呼出しステップS4309において呼び出した画像データのうち、赤目補正ステップS4310において赤目補正がなされていない画像データについては当該画像データ、赤目補正ステップS4310において赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされた画像データから印刷データを作成して印刷機構4390に転送する(印刷データ作成ステップS4311)。
【0144】
以上に説明したイメージスキャナ付き印刷装置41,42,43では、ユーザが、所定の選択手段(選択ボタン等)の操作により本発明の印刷方法による処理を自動的に行わせることができるし、本発明の印刷方法による処理を行わせないようにもできる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】(A)は原稿画像上の16ラインを示す図、(B)は16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示す図、(C)は16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示す図、。(D)は赤目補正がされた印刷画像を示す図である。
【図3】ラインデータが16ラインを単位に格納されるラインバッファを示す図であり、(A)は5ライン目が格納される様子を示す図、(B)は8ラインずつがRGB/YCC変換手段により呼び出される様子を示す図である。
【図4】32のラインデータを格納するFIFO構成のラインバッファを示す図であり、5ライン目が格納される様子を示す図である。
【図5】赤目テーブルを示す図である。
【図6】イメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートの補助説明図であり、(A)は図6のステップS1103における処理の説明図、(B)はステップS1109における処理の説明図、(C)は図6のステップS1111および図6のS1113における処理の説明図である。
【図8】本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施形態を示す説明図である。
【図9】本発明のイメージスキャナ付き印刷装置の他の実施形態を示す説明図である。
【図10】(A)は原稿画像上の16ラインを示す図、(B)は16ライン数の画像をイメージに展開した様子を示す図、(C)は16ライン数の画像をイメージに展開した様子を示す図、。(D)は赤目補正がされた印刷画像を示す図である。
【図11】赤目テーブルを示す図である。
【図12】図8のイメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】図9のイメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】図13のフローチャートのS2303,S2306,S2307における処理の補助説明図である。
【図15】図12のフローチャートのS2311,S2314における処理の補助説明図である。
【図16】(A)は赤目検出を高精度で行うための処理の一例を示す説明図である。、(B)は赤目検出を高精度で行うための処理の他の例を示す説明図である。
【図17】赤目補正のフローチャートのS2319,S2320における処理の補助説明図である。
【図18】第2応用形態のイメージスキャナ付き印刷装置の一実施例を示す説明図である。
【図19】(A)は原稿画像上の16ラインを示す図、(B)は16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示す図、(C)は16ライン分の画像をイメージに展開した様子を示す図、。(D)は赤目補正がされた印刷画像を示す図である。
【図20】(A)は、ラインデータが16ラインを単位に格納されるラインバッファを示し、(B)は32のラインデータを格納するFIFO構成のラインバッファを示す図である。
【図21】赤目領域テーブルを示す図である。
【図22】イメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】図22のフローチャートの補助説明図であり、(A)はステップS3103における処理の説明図、(B)はステップS3109における処理の説明図、(C)はステップS3111およびS3113における処理の説明図である。
【図24】第3応用態様の第1実施例を示するイメージスキャナ付き印刷装置の説明図である。
【図25】図24のイメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図26】(A)はプレスキャンした画像の例を示す図、(B)は本スキャンにおける、画像記憶処理ステップ,配置補正ステップ,赤目補正ステップでの処理の例を示す図である。
【図27】第3応用態様の第2実施例を示するイメージスキャナ付き印刷装置の説明図である。
【図28】図27のイメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図29】(A)はプレスキャンした画像の例を示す図、(B)は本スキャンにおける画像記憶処理ステップ,配置補正ステップ,赤目補正ステップでの処理の例を示す図である。
【図30】第3応用態様の第3実施例を示するイメージスキャナ付き印刷装置の説明図である。
【図31】図30のイメージスキャナ付き印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図32】(A)はプレスキャンした画像の例を示す図、(B)は本スキャンにおける配置補正ステップ、画像記憶処理ステップ,赤目補正ステップでの処理の例を示す図である。
【符号の説明】
【0146】
11 イメージスキャナ付き印刷装置
111 画像読取手段
112 ラインデータ一時記憶処理手段
113 赤目検出手段
114 赤目領域記憶処理手段
115 画像記憶処理手段
116 RGB画像データ呼出し手段
117 赤目補正手段
118 赤目補正手段
119 印刷データ作成手段
1110 スキャナ機構
1120 印刷機構
22 RGB/YCC変換手段
23 YCC画像記憶手段
24 YCC/RGB変換手段
211,221 画像読取手段
213 RGB画像記憶手段
214 RGB画像データ呼出し手段
215,25 画像データ一時記憶手段
216,26 赤目検出手段
217,27 赤目領域記憶処理手段
218,28 赤目補正手段
219,29 印刷データ作成手段
2110 スキャナ機構
2120 印刷機構
31 イメージスキャナ付き印刷装置
311 画像読取手段
312 ラインデータ一時記憶処理手段
313 赤目検出手段
314 赤目領域記憶処理手段
315 画像記憶処理手段
316 画像データ呼出し手段
317 赤目補正手段
318 印刷データ作成手段
3110 スキャナ機構
3120 印刷機構
41,42,43 イメージスキャナ付き印刷装置
4101,4201,4302 画像読取り手段
4102,4202,4302 個別画像配置検出手段
4103,4203,4303 配置情報処理手段
4104,4204,4306 画像記憶処理手段
4105,4205,4305 配置補正手段
4106,4206,4307 赤目検出手段
4107,4207,4308 赤目領域記憶処理手段
4108,4208,4309 画像データ呼出し手段
4109,4209,4310 赤目補正手段
4110,4210,4311 印刷データ作成手段
4180,4280,4380 スキャナ機構
4190,4390,4390, 印刷機構
4304 個別画像データ分離記憶手段
G0 原稿画像
g1〜gN 個別画像
LY 配置情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取って印刷するイメージスキャナ付き印刷装置において、
前記読取りに際して所定ライン数のRGB画像データにかかる画像に含まれる赤目を検出する赤目検出手段と、
前記所定ライン数の前記RGB画像データをYCC画像データに変換し、全データを一画像のJPEG画像として記憶するYCC画像記憶処理手段と、
1ラインごとまたは所定ライン数ごとに前記YCC画像データをRGB画像データに変換するYCC/RGB変換手段と、
前記変換した前記RGB画像データにかかる画像に、前記赤目テーブルに記憶した赤目領域が含まれるときは、前記RGB画像データについて赤目補正を行う赤目補正手段と、
前記RGB画像データから印刷データを作成するに際して、前記赤目補正がなされた画像データについては当該赤目補正がされたRGB画像データから印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
を含むことを特徴とするイメージスキャナ付き印刷装置。
【請求項2】
前記赤目補正手段は、前記画像データについて赤目補正を行うに際して、ラインデータ一時記憶処理手段に、前記YCC/RGB変換手段により変換したYCC画像データを所定ライン数に記憶することを特徴とする請求項1に記載のイメージスキャナ付き印刷装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図2】
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【図10】
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【図19】
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【図26】
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【図29】
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【図32】
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【公開番号】特開2008−113085(P2008−113085A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293229(P2006−293229)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】