説明

イメージングユニット梱包体

【課題】 感光体ユニットに現像ユニットを取り付けたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体に大きな衝撃が加わった場合に、感光体ユニットに対する現像ユニットの取付状態等が変化するのを防止する。
【解決手段】 感光体11を備えた感光体ユニット10に、現像装置21を備えた現像ユニット20が取り付けられたイメージングユニットAを梱包箱50内に収容させたイメージングユニット梱包体において、イメージングユニットの両側にイメージングユニットを持ち上げた状態で保持する保持部材33と、イメージングユニットと所要間隔を介してその周囲を覆う筒状になった補強部材40とを設け、イメージングユニットにおける現像ユニットと補強部材との間に第1クッション材41を設けると共に、補強部材と梱包箱との間に第2クッション材42を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体を備えた感光体ユニットに、現像装置を備えた現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体に係り、特に、上記のイメージングユニット梱包体を輸送したりする際に、イメージングユニット梱包体が落下する等により、このイメージングユニット梱包体に大きな衝撃が加わった場合に、上記のイメージングユニットに加わる衝撃を緩和させて、イメージングユニットにおける感光体ユニットと現像ユニットとの取付状態等が変化するのを防止するようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置に用いる各種のユニットを、段ボール等で構成された梱包箱内に収容させて、運搬したり、保管したりすることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、複数のトナーカートリッジをまとめて包装して1つの梱包体内に収容させるようにしたものが提案されている。
【0004】
また、近年においては、感光体を備えた感光体ユニットや、現像装置を備えた現像ユニットを梱包箱内に収容させるにあたり、感光体を備えた感光体ユニットに、現像装置を備えた現像ユニットを取り付けたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体が用いられるようになった。
【0005】
ここで、このようなイメージングユニットを梱包箱内に収容させるにあたっては、例えば、図1に示すように、感光体ユニット10に現像ユニット20を取り付けた時に歪みが発生するのを抑制するため、感光体ユニット10に対して現像ユニット20の両側部をスプリング等の付勢部材31により付勢させた状態で取付部材32によって取り付けるようにしている。
【0006】
そして、このように感光体ユニット10に現像ユニット20が取り付けられたイメージングユニットAの両側に保持部材33を配置させ、各保持部材33における保持用凹部33a内に、上記のイメージングユニットAにおける感光体ユニット10の長手方向両側の端部を挿入させて、この感光体ユニット10に現像ユニット20を吊り下げるようにして、このイメージングユニットAを一対の保持部材33間に持ち上げた状態で保持させると共に、段ボールなどで構成された補強部材40を筒状に折り曲げ、この筒状になった補強部材40により、上記のイメージングユニットAと所要間隔を介するようにしてその周囲を覆うようにする。
【0007】
次いで、このように一対の保持部材33によって保持させると共に筒状になった補強部材40で所要間隔を介してその周囲を覆った状態で、このイメージングユニットAを梱包箱50内に収容させ、上記の各保持部材33において、下方に突出した下緩衝用突起33bと、上方に突出した上緩衝用突起33cと、側方に突出した横緩衝用突起33dとを、それぞれ梱包箱50の底部と、上部と、側部との内面に当接させるようにしている。
【0008】
そして、このように梱包箱50の内面に当接させた各保持部材33における各緩衝用突起33b,33c,33dや上記の補強部材40により、衝撃時にイメージングユニットAに加わる負荷を軽減させると共に、上記の付勢部材31により感光体ユニット10と現像ユニット20との間に加わる負荷を軽減させて、感光体ユニット10に対する現像ユニット20の取付状態が変化するのを防止するようにしている。
【0009】
しかし、このようにしてイメージングユニットAを梱包箱40内に収容させた場合においても、このイメージングユニット梱包体がある程度の高さから落下される等により、上記のイメージングユニットAに付勢部材31の許容値を超える大きな衝撃が加わると、上記の取付部材32が変形して、感光体ユニット10に対する現像ユニット20の取付状態が変化する等の問題があった。
【特許文献1】特開平10−139070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、感光体を備えた感光体ユニットに、現像装置を備えた現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体において、このイメージングユニット梱包体がある程度の高さから落下される等により、大きな衝撃が加わった場合においても、感光体ユニットに対する現像ユニットの取付状態等が変化するのを十分に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明においては、上記のような課題を解決するため、感光体を備えた感光体ユニットに、現像装置を備えた現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体において、上記のイメージングユニットの両側にイメージングユニットを持ち上げた状態で保持する保持部材と、イメージングユニットと所要間隔を介してその周囲を覆う筒状になった補強部材とを設け、上記のイメージングユニットにおける現像ユニットと補強部材との間に第1クッション材を設けると共に、上記の補強部材と梱包箱との間に第2クッション材を設けた。
【0012】
ここで、上記の補強部材としては、大きな衝撃が加わった場合に変形できる段ボール等の可撓性材料で構成されたものを用いることが好ましい。
【0013】
また、上記の第2クッション材としては、大きな衝撃が加わった場合における変形量が少なくて、上記の補強部材が変形するように、発泡倍率が30〜50倍のポリスチレン等の硬度の高いものを用いることが好ましい。
【0014】
また、上記の第1クッション材としては、上記の補強部材の変形に伴って変形して、現像ユニットに加わる衝撃を緩和できるように、低密度発泡ポリエチレン等の硬度の低いものを用いることが好ましい。
【0015】
また、本発明のイメージングユニット梱包体において、上記の感光体ユニットに現像ユニットを取り付けるにあたり、取付時における歪みを抑制すると共に、感光体ユニットと現像ユニットとの間に加わる負荷を軽減させるために、感光体ユニットに現像ユニットを付勢手段により付勢させた状態で取り付けることが好ましい。
【0016】
また、本発明のイメージングユニット梱包体において、上記のイメージングユニットを梱包箱内に収容させるにあたっては、重量が大きい現像ユニットを下にして梱包箱内に収容させるようにし、上記の第1クッション材を、感光体ユニットに現像ユニットを取り付ける取付位置の下方における現像ユニットと補強部材との間に設けるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるイメージングユニット梱包体においては、感光体ユニットに現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させるにあたり、イメージングユニットの両側にイメージングユニットを持ち上げた状態で保持する保持部材と、イメージングユニットと所要間隔を介してその周囲を覆う筒状になった補強部材とを設け、上記のイメージングユニットにおける現像ユニットと補強部材との間に第1クッション材を設けると共に、上記の補強部材と梱包箱との間に第2クッション材を設けたため、このイメージングユニット梱包体に大きな衝撃が加わった場合においても、上記の保持部材や補強部材に加えて、第1クッション材及び第2クッション材により、イメージングユニットに加わる負荷が軽減され、感光体ユニットに対する現像ユニットの取付状態等が変化するのが防止される。
【0018】
特に、上記の補強部材に大きな衝撃が加わった場合に変形できる可撓性材料で構成されたものを用い、上記の第2クッション材に大きな衝撃が加わった場合における変形量が少ない硬度の高いものを用いると共に、上記の第1クッション材に硬度の低いものを用いると、このイメージングユニット梱包体がある程度の高さから落下されて、このイメージングユニット梱包体に大きな衝撃が加わった場合に、補強部材と梱包箱との間における第2クッション材が変形せずに、上記の補強部材が撓むように変形すると共に、この補強部材の変形に伴って、この補強部材と現像ユニットとの間における上記の第1クッション材が変形し、現像ユニットに加わる衝撃が大きく緩和され、感光体ユニットに対する現像ユニットの取付状態等が変化するのが一層防止されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態に係るイメージングユニット梱包体を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るイメージングユニット梱包体は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態に係るイメージングユニット梱包体においても、図2に示すように、感光体ユニット10に対して現像ユニット20の両側部をスプリング等の付勢部材31により付勢させた状態で取付部材32によって取り付けるようにしている。
【0021】
そして、このように感光体ユニット10に現像ユニット20が取り付けられたイメージングユニットAの両側に保持部材33を配置させ、各保持部材33における保持用凹部33a内に上記のイメージングユニットAにおける感光体ユニット10の長手方向両側の端部を挿入させて、この感光体ユニット10に現像ユニット20を吊り下げるようにして、このイメージングユニットAを一対の保持部材33間に持ち上げた状態で保持させるようにしている。
【0022】
また、この実施形態においては、図3及び図4に示すように、段ボールなどの可撓性材料で構成された補強部材40を四角筒状に折り曲げ、この四角筒状になった補強部材40により、上記のイメージングユニットAと所要間隔を介するようにしてその周囲を覆うにあたり、この補強部材40が現像ユニット20と対向する面において、上記の取付部材32によって感光体ユニット10に取り付けられた現像ユニット20の両側部の近傍と接触するようにして、低密度発泡ポリエチレン等で構成された硬度の低い一対の第1クッション材41を設けている。また、この補強部材40において、上記の一対の第1クッション材41が設けられた面の裏面側に、一対の第1クッション材41間の中央部に位置するようにして、発泡倍率が30〜50倍のポリスチレン等で構成された硬度の高い第2クッション材42を、上記の各保持部材33における下方に突出した下緩衝用突起33bの高さとほぼ同じ厚みになるように設けている。
【0023】
そして、上記の補強部材40を筒状に折り曲げて、この補強部材40により上記のイメージングユニットAの周囲を覆うようにすると共に、上記の一対の第1クッション材41を現像ユニット20下部の両側部に接触させて、現像ユニット20を保持させるようにする。
【0024】
次いで、このようにイメージングユニットAを一対の保持部材33によって保持させると共に筒状になった補強部材40によりその周囲を覆った状態で、図5及び図6に示すように、現像装置21が設けられた現像ユニット20が、感光体11が設けられた感光体ユニット10の下に位置するようにして、このイメージングユニットAを梱包箱50内に収容させ、上記の各保持部材33において、下方に突出した下緩衝用突起33bと、上方に突出した上緩衝用突起33cと、側方に突出した横緩衝用突起33dとを、それぞれ梱包箱50の底部と、上部と、側部との内面に当接させると共に、補強部材40に設けられた第2クッション材42を梱包箱50の底部の内面に当接させるようにする。
【0025】
このようにすると、このイメージングユニット梱包体がある程度の高さから落下されて、このイメージングユニット梱包体に大きな衝撃が加わり、図7に示すように、上記の保持部材33における下緩衝用突起33bが潰れて扁平になり、上記の梱包箱50と補強部材40との間隔が狭くなった場合、上記の第2クッション材42が殆ど変形せずに、この第2クッション材42に押されて、上記の可撓性材料で構成された補強部材40が撓むように変形すると共に、この補強部材40の変形に伴って、補強部材40と現像ユニット20との間に設けられた硬度の低い第1クッション材41が変形するようになる。
【0026】
この結果、イメージングユニット梱包体に加わった大きな衝撃が何段階にも分散されて吸収され、特に、上記の補強部材40が変形すると共に、この補強部材40と現像ユニット20との間に設けられた第1クッション材41が変形することにより、現像ユニット20に加わる衝撃が大きく緩和されるようになり、現像ユニット20に上記の付勢部材31の許容値を超える大きな衝撃が加わって上記の取付部材32が変形するのが防止され、感光体ユニット10に対する現像ユニット20の取付状態等が変化するということがなくなる。
【0027】
なお、この実施形態においては、上記の第1クッション材41と第2クッション材42とを補強部材40に取り付けるようにしたが、第1クッション材41と第2クッション材42とを補強部材40に着脱自在に取り付けるようにしたり、第1クッション材41を現像ユニット20と補強部材40との間に、第2クッション材42を補強部材40と梱包箱50との間に挟み込むようにしたりすることも可能である。
【0028】
また、この実施形態においては、感光体ユニット10に対して現像ユニット20をスプリング等の付勢部材31により付勢させた状態で取付部材32によって取り付けるようにしたが、板バネのような弾性を有する取付部材(図示せず)によって感光体ユニット10に対して現像ユニット20を付勢させた状態で取り付けるようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】感光体ユニットに現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させた従来のイメージングユニット梱包体を示した概略横断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るイメージングユニット梱包体において、感光体ユニットに現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットの両側に保持部材を配置させて、イメージングユニットを一対の保持部材間に持ち上げた状態で保持させた状態を示した概略横断面図である。
【図3】上記の実施形態に係るイメージングユニット梱包体において、イメージングユニットの周囲を覆う補強部材を折り曲げる前の状態を示した概略平面図である。
【図4】上記の実施形態に係るイメージングユニット梱包体において、一対の保持部材間に持ち上げられた状態で保持されたイメージングユニットの周囲を覆うようにして補強部材を取り付けた状態を示した概略横断面図である。
【図5】図4に示した状態でイメージングユニットを梱包箱内に収容させた上記の実施形態に係るイメージングユニット梱包体を示した概略横断面図である。
【図6】図4に示した状態でイメージングユニットを梱包箱内に収容させた上記の実施形態に係るイメージングユニット梱包体を示した概略縦断面図である。
【図7】上記の実施形態に係るイメージングユニット梱包体が落下されて大きな衝撃が加わった場合に変形する状態を示した概略横断面図である。
【符号の説明】
【0030】
A イメージングユニット
10 感光体ユニット
11 感光体
20 現像ユニット
21 現像装置
31 付勢部材
32 取付部材
33 保持部材
33a 保持用凹部
33b 下緩衝用突起
33c 上緩衝用突起
33d 横緩衝用突起
40 補強部材
41 第1クッション材
42 第2クッション材
50 梱包箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を備えた感光体ユニットに、現像装置を備えた現像ユニットが取り付けられたイメージングユニットを梱包箱内に収容させたイメージングユニット梱包体において、上記のイメージングユニットの両側にイメージングユニットを持ち上げた状態で保持する保持部材と、イメージングユニットと所要間隔を介してその周囲を覆う筒状になった補強部材とを設け、上記のイメージングユニットにおける現像ユニットと補強部材との間に第1クッション材を設けると共に、上記の補強部材と梱包箱との間に第2クッション材を設けたことを特徴とするイメージングユニット梱包体。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージングユニット梱包体において、上記の補強部材が可撓性を有することを特徴とするイメージングユニット梱包体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のイメージングユニット梱包体において、上記の第2クッション材を上記の第1クッション材よりも硬度の高い材料で構成したことを特徴とするイメージングユニット梱包体。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のイメージングユニット梱包体において、上記の感光体ユニットに現像ユニットが付勢手段により付勢された状態で取り付けられていることを特徴とするイメージングユニット梱包体。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のイメージングユニット梱包体において、上記の感光体ユニットに取り付けられた現像ユニットを下にして、上記のイメージングユニットを梱包箱内に収容させたことを特徴とするイメージングユニット梱包体。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のイメージングユニット梱包体において、上記の第1クッション材を、感光体ユニットに現像ユニットを取り付ける取付位置の下方における現像ユニットと補強部材との間に設けたことを特徴とするイメージングユニット梱包体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−220837(P2009−220837A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65159(P2008−65159)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】