説明

インクカートリッジおよびその製造方法

【課題】密閉不良となったインクカートリッジの蓋を付け替えて、正常なインクカートリッジに容易に再生することができる構造を提供する。
【解決手段】インクタンク3と、インクタンク3の開口部を振動溶着で閉じるための蓋21とを有するインクカートリッジである。インクタンク3の開口部3aが開口した面に、蓋21を溶着可能にする第1のダイレクタ11、および、別の蓋22を溶着可能にする第2のダイレクタ12が設けられている。そして、インクタンク3の開口部に溶着された蓋21の、第2のダイレクタ12に対応する部分が、蓋21の第1のダイレクタ11と接合する面に対して凹んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクカートリッジおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、底面に記録素子基板が設けられた容器にインクを収容し蓋で閉じてなるインクカートリッジの製造工程には接着、熱カシメなどの様々な結合方法が用いられている。中でも、アルミやチタンなどで作られたホーンと冶具で樹脂同士を圧接させた状態で、ホーンを超音波振動させることで、樹脂同士の接触面に摩擦熱を発生させ相溶かした時点で冷却して結合させる超音波溶着が知られている。この超音波溶着は短時間で溶着が済むこと、高精度、高再現性、高気密性や溶着強度の高さから最もよく用いられている。樹脂成形品の接合部にエネルギー・ダイレクター(以下、ダイレクタと略す)と呼ばれる凸条部を設け、溶着が容易に出来るようにしている。
【0003】
インクカートリッジの作製時においても、蓋に設けられたダイレクタと、固定されたインクタンクとを押圧接触させながら、記録素子基板のインク吐出口面に沿って蓋に振動を加える(横振動を加える)ことで両者を接合する方法が採られていた(特許文献1)。これは、蓋を記録素子基板のインク吐出口面に沿って振動させるという方法が、記録素子基板への損傷を与えずに高精度に組み付けられるということによる。
【0004】
また、トナーやインク等の消耗品を容易に詰め替えることができるように、蓋(天板)を壊れやすくした構成もある(特許文献2)。蓋を壊してトナー室に開口を形成して、この開口からトナーは充填される。トナー充填後、蓋を壊して形成された開口にテープを接着してトナー室が密閉される。
【特許文献1】特開2006−44230号公報
【特許文献2】特開2001−122361号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、以下のような課題がある。
【0006】
インクカートリッジを大量生産する際に、蓋とインクタンクとを溶着で接合した部分が完全に密閉されていないカートリッジが、発生することがある。。その場合、インクタンク内のインクが密閉されていない部分を介して外部へ漏れてしまう可能性がある。。また、密閉されていないためインクの蒸発が通常よりも早くなり、インクの物性が変化しやすくなってしまう。。このような問題が生じてしまうと、大量生産を行うカートリッジでは、少ない不良発生率であっても、その不良数は非常に多くなってしまう。
【0007】
一度、インクタンクに溶着した蓋を外すと、接合していた部分が凝集破壊して、インクタンク側の溶着面は凸凹な面になっている。そこに、もう一度、蓋を振動溶着しても強固な接合はできずに、上記の問題が再び生じる。また、この問題を回避するために凹凸な溶着面を平らな面に再加工するには、製造時間とコストがかかってしまう。
【0008】
また、蓋を壊した後にその開口をテープで接着する方法は、本発明に係るインクカートリッジには不向きである。その理由は、蓋にはインクカートリッジを搭載するプリンタ本体と嵌合して固定するために必要なリブが設けられているため、テープでは代用できない。また、テープの場合、インクの蒸発が早くなってしまい、インクの物性が変ってしまう可能性がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、蓋とインクタンクとを溶着で接合した部分が完全に密閉されずに不良となったインクカートリッジの蓋を付け替えて、正常なインクカートリッジに容易に再生することができる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの態様は、インクを収容するための容器と、前記容器の一面に開いた開口部を溶着で閉じるための蓋とを有するインクカートリッジにおいて、
前記容器における前記開口部の外周部に、前記蓋を溶着するための第1のエネルギー・ダイレクターと第2のエネルギー・ダイレクターを有し、
前記外周部に前記蓋が前記第1のエネルギー・ダイレクターで溶着され、かつ、溶着された前記蓋と前記外周部の少なくとも一方が前記第2のエネルギー・ダイレクターと前記蓋とが対向する位置において、前記第2のエネルギー・ダイレクターを避ける形状であるインクカートリッジとその製造方法を提供することにある。
【0011】
このような特徴により、蓋と容器とを溶着で接合した部分が完全に密閉されずに不良となった場合、蓋を容器から外しても第2のダイレクタは潰れずにそのまま残っている。これにより、第2のダイレクタを利用して、蓋の反対側面あるいは別の蓋を容器に良好に溶着することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、蓋とインクタンクとを溶着で接合した部分が完全に密閉されずに不良となったインクカートリッジの蓋を付け替え、良好に溶着できるので、正常なインクカートリッジに容易に再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
以下の各実施形態を適用できるインクカートリッジ1は、図6に示されるように、インクタンク3と、インクタンク3の一面である上面の開口部を閉じる蓋2と、蓋2に対面するインクタンク底面に組み付けられた記録素子基板4と、を備えたものである。インクタンク3は、インク成分の蒸発を抑えるためにガラス繊維を入れるなどのバリア性の高い樹脂材料を用いて形成された容器である。さらに、記録素子基板4は、インクタンク3内のインクを吐出させる為の部品である。
【0015】
インクタンク3の内部には、繊維束を積層したインク吸収部材が、記録素子基板4と対向するインクタンク上面の開口部から挿入されている。インク吸収部材の挿入後、インクタンク3内のインク吸収部材の内部には所定のインクが注入され、インクタンク3の開口部を閉鎖する為に溶着により蓋2が結合される。溶着の方法は熱溶着、振動溶着、超音波溶着などいずれの方法でも構わない。例えば振動溶着の場合、溶着の振動方向は、開口部が開いたインクタンク上面と平行に振動させる横振動か、あるいは、それと垂直な方向に振動させる縦振動のどちらを選択しても良い。蓋2にはインクタンク3の内部を外気に連通する為の大気連通口と、インクジェットプリンタ本体と嵌合して固定するためのリブ5を備えている。
【0016】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1として、図6のA−A断面でインクタンクと蓋の溶着の様子を示した概略図である。振動溶着を例にして以下説明する。
【0017】
図1に示すように、インクタンク3における開口部3aの周縁面(外周部)には、第1の蓋21,第2の蓋22との振動溶着を行う際のエネルギーを伝えるダイレクタ11,12を備える。第1のダイレクタ11は、第2のダイレクタ12を挟んで、タンクの開口部3aに対して、より外側に位置している。両方のダイレクタ11,12は、幅0.5mm、高さ約0.5mmで開口面より突出した断面三角形状をしている。
【0018】
第1の蓋21は、インクタンク3の開口部3aが開けられた上面(以下、開口面と呼ぶ。)と略同一寸法で、第1のダイレクタ11と溶着可能である。そして、第1の蓋21が第1のダイレクタ11と振動溶着されるときに第2のダイレクタ12の部分を避けるように、蓋21の、第2のダイレクタ12に対応している部分が凹んでいる。凹み量は第2のダイレクタ12の高さより大きい約0.6mmに設定されている。この結果、図1(b)に示すように、第1の蓋21における第1のダイレクタ11と接合する面をインクタンク3の開口面に溶着しても、第2のダイレクタ12の先端が第1の蓋21の面まで届かない。ここで、蓋21とインクタンク3との接合部のエアーリーク検査を行い、基準を越えていなければ、そのインクカートリッジは良品となる。
【0019】
しかし、第1の蓋21とインクタンク3との溶着不良が発生した場合、インクタンク3から第1の蓋21が外される。このとき、第1の蓋21の、第2のダイレクタに対応する部分が凹んだ構成であるため、図1(c)に示すように、第2のダイレクタ12は潰れずにそのまま残っている。この状態のインクタンク3であれば、図1(d)に示すように、第1の蓋21とは別の蓋である第2の蓋22を第2のダイレクタ12と溶着させることが可能となり、再びインクタンク3と蓋22との強固な接合を行うことができる。ここで第2の蓋22は、インクタンク3の開口面に対向する面が、第2のダイレクタと接触し、溶着可能であるような面形状となっている。図1(d)では平面形状になっているが、第2のダイレクタと対向する部分が凸状面になっていても構わない。
【0020】
このように、本実施形態の構成によれば、第1の蓋21を外して第2の蓋22を溶着することができ、一度溶着不良となったインクカートリッジを正常なインクカートリッジにするための蓋の付け替え作業が、時間とコストをかけずに良好に行える。
【0021】
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2として、図6のA−A断面でインクタンクと蓋の溶着の様子を示した概略図である。
【0022】
上記実施形態1では、第1の蓋と第2の蓋を用いてインクカートリッジの再生作業を行う場合を説明したが、図2のように第1の溶着面23とその反対側の第2の溶着面24を持つ1つの蓋2で行っても良い。
【0023】
蓋2の一方の面が、インクタンク3の開口面に溶着される第1の溶着面23として使用されるが、第1の溶着面23は、実施形態1で説明したように第2のダイレクタ12に対応している部分が凹んでいる。そのため、第1の溶着面23における第1のダイレクタ11と接合する面をインクタンク3の開口面に溶着しても、第2のダイレクタ12先端が第1の蓋21の面まで届かない。つまり、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0024】
ここで、蓋2とインクタンク3との接合部のエアーリーク検査を行い、蓋2とインクタンク3との溶着不良が発生していると判断した場合、インクタンク3から蓋2が外される。このとき、蓋2が上記した構成であるため、図1(c)に示したように、第2のダイレクタ12は潰れずにそのまま残っている。
【0025】
本実施形態では、蓋2がインクタンク3の開口面と略同一寸法であり、蓋2の他方の面である第2の溶着面24は、少なくとも第2のダイレクタ12に対応する部分が平らになっている。そのため、図2(b)に示すように、インクタンク3から外した蓋2をひっくり返して、第2の溶着面24とインクタンク3とを第2のダイレクタ12を介して溶着させることができる。
【0026】
なお、図6に示したように、蓋2には、インクカートリッジとプリンタ本体との嵌合を可能にするためのリブ5が設けられていることがある。そのため、蓋2をひっくり返し溶着しても、プリンタ本体との嵌合が出来るように、本実施形態の蓋2には、第1の溶着面23と第2の溶着面24の両面にプリンタ本体との勘合するためのリブ5が設けられている。リブ5は、インクタンク3と第1の溶着面23および第2の溶着面24の溶着を妨げない位置にあれば、いずれの場所でも構わない。
【0027】
さらに蓋の構成として、蓋と溶着されるインクタンクの第1のダイレクタ11が、第2のダイレクタ12よりも内側(タンクの開口部側)に位置していても良い。その場合の蓋は、例えば図3に示すような形状となる。つまり、図3で示すところの蓋2は、実施形態2と同じく1つの蓋をひっくり返し、2面を利用した構成になっている。図3において、インクタンク3と溶着される蓋2の第1の溶着面23の面積は、第2のダイレクタ12で囲まれる領域よりも小さい形状となっている。かつ蓋2の第2の溶着面24の面積は、第2のダイレクタ12で囲まれる領域よりも大となる形状とする。第1の溶着面23と、第2の溶着面24の面積をこのような構成にすることで、図3に示す一つの蓋2をひっくり返してインクタンクに溶着できる。
【0028】
(実施形態3)
図4は、本発明の実施形態3として、図6のA−A断面でインクタンクと蓋の溶着の様子を示した概略図である。
【0029】
インクタンク3における開口部3aの周縁面(外周部)には、図4に示すような2段の段差が設けられている。これらの各段差には、それぞれダイレクタ11,12が配置されている。つまり、インクタンク3の第1のダイレクタ11が設けられた面と第2のダイレクタ12が設けられた面の、第1の蓋21に対する重力方向の高さが、異なっている。インクタンク開口部周縁面が段差形状になり、各段差部にそれぞれダイレクタが設けられている。
【0030】
第2のダイレクタ12が設けられた面は開口部3aの周囲に環状に存在し、さらに、この外側に位置する段差のある面に、第1のダイレクタ11が設けられた面が環状に存在する。つまり、第1のダイレクタ11は、第2のダイレクタ12よりも外側に位置している。
【0031】
両方のダイレクタ11,12は、それぞれが設けられた面にて幅0.5mm、高さ約0.5mmで突出した断面三角形状をしている。そして、ダイレクタ11,12の各々が設けられた面の段差が約0.6mmあり、第2のダイレクタ12の先端が、第1のダイレクタ11が設けられた面より低い位置関係にある。
【0032】
第1の蓋21は、インクタンク3の開口面と略同一寸法であるので、第1のダイレクタ11が設けられた面に橋渡しされるように、第1のダイレクタ11と溶着される。このとき、図4(b)に示すように、第1の蓋21における第1のダイレクタ11と接合する面をインクタンク3に溶着しても、第2のダイレクタ12先端が第1の蓋21の面まで届かない。インクタンク3の開口部3aの外周部が、段差によって、溶着された蓋21に第2のダイレクタ11が接しないように避ける形状になっているからである。ここで、蓋21とインクタンク3との接合部のエアーリーク検査を行い、基準を越えていなければ、そのインクカートリッジは良品となる。
【0033】
しかし、第1の蓋21とインクタンク3との溶着不良が発生した場合、インクタンク3から第1の蓋21が外される。このとき、インクタンク3における開口部3aの周縁面が上記した構成(開口部の周縁面が段差形状になり、各段差部にそれぞれダイレクタが設けられている。)であるため、図4(c)に示すように、第2のダイレクタ12は潰れずにそのまま残っている。この状態のインクタンク3であれば、図4(d)に示すように、第1の蓋21とは別の蓋である第2の蓋22を第2のダイレクタ12と溶着させることが可能となる。よって再びインクタンク3と蓋2との強固な接合を行うことができる。なお、第2の蓋22は、第1のダイレクタ11が設けられた面と干渉せず、かつ、第2のダイレクタ12が設けられた環状の面に収まるような寸法のものでなければならない。
【0034】
このように、本実施形態の構成によれば、第1の蓋21を外して第2の蓋22を溶着することができ、一度溶着不良となったインクカートリッジを正常なインクカートリッジに再生するための蓋の付け替え作業が、時間とコストをかけずに良好に行える。
【0035】
(実施形態4)
図5は、本発明の実施形態4として、図6のA−A断面でインクタンクと蓋の超音波溶着の様子を示した概略図である。
【0036】
上記実施形態3では、第1の蓋と第2の蓋を用いてインクカートリッジの再生作業を行う場合を説明したが、図5のように第1の溶着面23とその反対側の第2の溶着面24を持つ1つの蓋2で行っても良い。
【0037】
上記実施形態3と同様、インクタンク3における開口部3aの周囲に、第2のダイレクタ12が設けられた面が環状に存在し、さらに、この外側に、第1のダイレクタ11が設けられた面が環状に存在する。その上、第1のダイレクタ11が設けられた面が、第2のダイレクタ12が設けられた面よりも重力方向において高い位置に形成され、第2のダイレクタ12の先端が、第1のダイレクタ11が設けられた面より低い位置関係にある。第1のダイレクタと第2のダイレクタの位置が、重力方向において異なっている。
【0038】
本実施形態では、インクタンク3の開口面に溶着させる蓋2の一方の面である第1の溶着面23が、実施形態3で説明したようにインクタンク3の開口面と略同一寸法を持つ。第1の溶着面23は、第1のダイレクタ11が設けられた、第2のダイレクタ12の先端よりも高い面に橋渡しされるように、第1のダイレクタ11と溶着される。このとき、図5(a)に示すように、第1の蓋21における第1のダイレクタ11と接合する面をインクタンク3に溶着しても、第2のダイレクタ12先端が蓋2の面まで届かない。つまり、実施形態3と同様の効果が得られる。
【0039】
ここで、蓋2とインクタンク3との接合部のエアーリーク検査を行い、蓋2とインクタンク3との溶着不良が発生していると判断した場合、インクタンク3から蓋2が外される。このとき、インクタンク3における開口部3aの周縁面が上記した構成であるため、図4(c)に示したように、第2のダイレクタ12は潰れずにそのまま残っている。
【0040】
ここで、蓋2の他方の面にある第2の溶着面24は、蓋2の、第1のダイレクタ11と対応する面よりも高く位置し、かつ、第2のダイレクタ12が設けられた環状の面内に収まるような寸法となっている。つまり、第2の溶着面24は、溶着時に、第1のダイレクタ11が設けられた面と干渉しない。そして、第2の溶着面24は少なくとも第2のダイレクタ12に対応する部分が平らである。そのため、図5(b)に示すように、インクタンク3から外した蓋2をひっくり返して、第2の溶着面24とインクタンク3とを第2のダイレクタ12を介して溶着させることができる。
【0041】
なお、図6に示したように、蓋2には、インクカートリッジとプリンタ本体との嵌合を可能にするためのリブ5が設けられていることがある。そのため、蓋2をひっくり返し溶着してもプリンタ本体との嵌合が出来るように、本実施形態の蓋2には、第1の溶着面23と第2の溶着面24の両面にプリンタ本体との勘合するためのリブ5が設けられている。勿論、リブ5は、インクタンク3と第1の溶着面23および第2の溶着面24の溶着を妨げないように設計する必要がある。
【0042】
以上各実施形態を示して本発明を説明したが、本発明では、インク容器の開口部の外周部に少なくとも2つのエネルギー・ダイレクターを設ける。そして、その外周部と、外周部に第1のエネルギー・ダイレクターで振動溶着された蓋の少なくとも一方が、第2のエネルギー・ダイレクターを避ける形状となっていれば、本発明は上記の実施形態に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態1に適用されるインクカートリッジの断面図である。
【図2】本発明の実施形態2に適用されるインクカートリッジの断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に適用されるインクカートリッジの断面図である。
【図4】本発明の実施形態3に適用されるインクカートリッジの断面図である。
【図5】本発明の実施形態4に適用されるインクカートリッジの断面図である。
【図6】本発明に適用されるインクカートリッジの模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 インクカートリッジ
2 蓋
3 インクタンク
4 記録素子基板
11 第1のダイレクタ
12 第2のダイレクタ
21 第1の蓋
22 第2の蓋
23 第1の溶着面
24 第2の溶着面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するための容器と、前記容器の一面に開いた開口部を溶着で閉じるための蓋とを有するインクカートリッジにおいて、
前記容器における前記開口部の外周部に、前記蓋を溶着するための第1のエネルギー・ダイレクターと第2のエネルギー・ダイレクターを有し、
前記外周部に前記蓋が前記第1のエネルギー・ダイレクターで溶着され、かつ、溶着された前記蓋と前記外周部の少なくとも一方が前記第2のエネルギー・ダイレクターと前記蓋とが対向する位置において、前記第2のエネルギー・ダイレクターを避ける形状であることを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項2】
前記蓋の一方の面が、前記第1のエネルギー・ダイレクターと溶着される第1の溶着面であり、前記蓋の他方の面が、前記第2のエネルギー・ダイレクターで溶着される第2の溶着面であることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
【請求項3】
前記外周部が段差形状となっており、各段差部にそれぞれ第1のエネルギー・ダイレクターまたは第2のエネルギー・ダイレクターが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
【請求項4】
前記蓋の前記第2のエネルギー・ダイレクターに対応する部分が、前記蓋の前記第1のエネルギー・ダイレクターと接合する面に対して、凹んでいることを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
【請求項5】
前記第1のエネルギー・ダイレクターが、前記第2のエネルギー・ダイレクターに対して、前記容器の前記開口部側に設けられ、
前記蓋の、前記第1のエネルギー・ダイレクターに溶着される部分で囲まれる領域の面積が、前記第2のエネルギー・ダイレクターに溶着される部分で囲まれる領域の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
【請求項6】
前記第1のエネルギー・ダイレクターと溶着する第1の蓋と、前記第2のエネルギー・ダイレクターと溶着する第2の蓋が異なっていることを特徴とする請求項1または3または5に記載のインクカートリッジ。
【請求項7】
請求項6記載のインクカートリッジの製造方法であって、
前記蓋を外し、前記容器の前記開口部の外周部に設けられた前記第2のエネルギー・ダイレクターに別の蓋を溶着することを特徴とするインクカートリッジの製造方法。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載のインクカートリッジの製造方法であって、
前記蓋を外し、前記容器の前記開口部の外周部に設けられた前記第2のエネルギー・ダイレクターに前記蓋の前記第2の溶着面を溶着することを特徴とするインクカートリッジの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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