説明

インクジェットインキ

本発明はインクジェット印刷のためのインキに関し、詳しくは、自己分散顔料着色剤およびジェット性能を損なわずにプリント品質を強化する特定の可溶性ポリマーを含む水性インキに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットインキに関し、詳しくは、自己分散顔料およびプリント品質を改善する特定の可溶性ポリマーを含む水性インクジェットインキに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷は、インキの小滴が紙などのプリント媒体上に沈着して所望の画像を形成する非衝撃印刷プロセスである。小滴は、マイクロプロセッサーによって発生した電気信号に応答してプリントヘッドから噴出される。
【0003】
染料と顔料の両方はインクジェットインキのための着色剤として用いられてきた。染料が顔料に比べて典型的には配合するのがより容易である一方で、染料は速く色あせし、より擦り落とされがちである。水性媒体に分散された顔料を含むインキは、印刷された画像の耐水性および耐光性において水溶性染料を用いるインキより有利に優れる。
【0004】
水性インクジェットインキのために適する顔料は当業界で一般に周知されている。伝統的には、顔料は、ビヒクル中の顔料の安定な分散をもたらすために高分子分散剤または界面活性剤などの分散剤によって安定化された。しかし、より最近、いわゆる「自己分散性」顔料または「自己分散」顔料(以後「SDP」)が開発されてきた。その名称が示唆するように、SDPは分散剤なしで水に分散可能である。
【0005】
SDPは、同じ顔料装填率でのより高い安定性およびより低い粘度の観点から伝統的な分散剤安定化顔料より有利であることが多い。
【0006】
しかし、SDPインキにより作成されたプリントは擦り落としおよび汚れを受け易い傾向がある。(特許文献1)には、SDPインクジェットインキにおける劣った耐汚れ性(その特許の中で耐擦り/引っ掻き性と呼ばれた)の問題が実証されている(表3の比較例2)。画像特性を改善するためにSDPおよび分散剤安定化顔料の組み合わせが教示されている。(特許文献2)には、SDPインクジェットインキによる劣った耐汚れ性(その特許の中で高いからより弱い抵抗と呼ばれている)の問題が同様に実証されている(表1の実施例9)。
【0007】
プリント特性を改善するためのポリマー結合剤の添加は頻繁に提案されている。SDPおよびポリマー入りのインキは、例えば、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献7)、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)、(特許文献10)、(特許文献11)および(特許文献12)で開示されている。
【0008】
上で明示した刊行物のすべては、完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する。
【0009】
SDPインキは、あらゆるインクジェットインキのように良好なジェット性能(ジェット性)を示さなければならない。好ましいジェット性の特性は、滴の安定な体積および方向を含み、コゲーションを殆どまたは全く含まない。プリント品質を改善するためのインキ配合物への添加剤はジェット性を犠牲にして用いるべきでない。
【0010】
良好なプリント品質および良好なジェット性を提供する改善されたSDPインクジェットインキ配合物がなお必要とされている。
【0011】
【特許文献1】EP−A−第1114851号明細書
【特許文献2】EP−A−第1158030号明細書
【特許文献3】米国特許第5,571,311号明細書
【特許文献4】米国特許第5,630,868号明細書
【特許文献5】米国特許第5,672,198号明細書
【特許文献6】米国特許第6,057,384号明細書
【特許文献7】米国特許第6,103,780号明細書
【特許文献8】米国特許第6,329,446号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0147252号明細書
【特許文献10】EP−A−第1304364号明細書
【特許文献11】EP−A−第1146090号明細書
【特許文献12】EP−A−第0894835号明細書
【特許文献13】米国特許第5,554,739号明細書
【特許文献14】米国特許第5,609,671号明細書
【特許文献15】米国特許第5,698,016号明細書
【特許文献16】米国特許第5,707,432号明細書
【特許文献17】米国特許第5,718,746号明細書
【特許文献18】米国特許第5,747,562号明細書
【特許文献19】米国特許第5,749,950号明細書
【特許文献20】米国特許第5,803,959号明細書
【特許文献21】米国特許第5,837,045号明細書
【特許文献22】米国特許第5,846,307号明細書
【特許文献23】米国特許第5,851,280号明細書
【特許文献24】米国特許第5,861,447号明細書
【特許文献25】米国特許第5,885,335号明細書
【特許文献26】米国特許第5,895,522号明細書
【特許文献27】米国特許第5,922,118号明細書
【特許文献28】米国特許第5,928,419号明細書
【特許文献29】米国特許第5,976,233号明細書
【特許文献30】米国特許第6,099,632号明細書
【特許文献31】米国特許第6,123,759号明細書
【特許文献32】米国特許第6,153,001号明細書
【特許文献33】米国特許第6,221,141号明細書
【特許文献34】米国特許第6,221,142号明細書
【特許文献35】米国特許第6,221,143号明細書
【特許文献36】米国特許第6,277,183号明細書
【特許文献37】米国特許第6,281,267号明細書
【特許文献38】米国特許第6,332,919号明細書
【特許文献39】米国特許第6,375,317号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2001/0035110号明細書
【特許文献41】EP−A−第1086997号明細書
【特許文献42】EP−A−第1167471号明細書
【特許文献43】EP−A−第1122286号明細書
【特許文献44】国際公開第01/10963号パンフレット
【特許文献45】国際公開第01/25340号パンフレット
【特許文献46】国際公開第01/94476号パンフレット
【特許文献47】米国特許第5,085,698号明細書
【特許文献48】米国特許第5,519,085号明細書
【特許文献49】米国特許第5,231,131号明細書
【特許文献50】米国特許出願公開第2003/0184629号明細書
【特許文献51】米国特許第6,087,416号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
SDP着色剤を含む水性インキへの可溶性構造化ポリマー結合剤の添加がジェット性能を損なわずに印刷済み画像の改善された耐久性を可能にすることが今見出された。それに反して、可溶性非構造化(ランダム)ポリマーの添加はジェット性能に対して有害である。
【0013】
更に、SDPおよび分散されたポリマー結合剤を含むインキのジェット性能を可溶性構造化ポリマーの添加によって改善することが可能であることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの発見により、本発明は、
(a)SDP着色剤;
(b)水性ビヒクル;および
(c)可溶性構造化ポリマー
を含むことを特徴とする水性インクジェットインキ組成物に関する。
【0015】
インクジェットインキは当業者に周知されている他の添加剤および補助剤を任意選択的に含んでもよい。こうした任意の1種の添加剤は、分散されたポリマー結合剤である。好ましくは、SDP着色剤はカーボンブラックSDP着色剤である。
【0016】
本発明は、少なくとも3種の異なる着色インキ(CMYなど)、好ましくは少なくとも4種の異なる着色インキ(CMYKなど)を含み、前記インキの少なくとも1種が上で記載された水性インクジェットインキであるカラー印刷のためのインクジェットインキセットにも関連する。
【0017】
本発明は、基材上にインキを噴出させる工程を含むインクジェット印刷のための方法であって、前記インキが上で記載された水性インクジェットインキである方法になお更に関連する。
【0018】
本発明は、基材上にインクジェットインキセットを噴出させる工程を含むインクジェット印刷のための方法であって、前記インクジェットインキセットが上で記載された通りである方法になお更に関連する。
【0019】
本発明のこれらの特徴および利点ならびに他の特徴および利点は以下の詳細な説明を読むことから当業者によってより容易に理解されるであろう。分かりやすくするために別々の実施形態の文脈において以上および以下で記載されている本発明の特定の特徴を単一実施形態の組み合わせで提供してもよいことは認められるべきである。逆に、簡単にするために単一実施形態の文脈で記載されている本発明の種々の特徴を別々にまたはあらゆる下位組み合わせで提供してもよい。更に、文脈によって特に明確に指定されない限り、単数の指示内容は複数も含んでよい(例えば、「a」および「an」は1つ、あるいは1つまたは複数を指してもよい)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明によると、SDP着色剤、水性ビヒクルおよび特定の可溶性ポリマーを含むインクジェットインキが提供される。規定された可溶性ポリマーは、インキ配合物中で適切なレベルで存在する時にジェット性能を犠牲にせずにプリント品質を強化する「構造化ポリマー」である。インキは、プリント品質を更に強化するために、分散されたポリマー結合剤も任意選択的に含んでよい。インキは、関連した技術において周知された他の添加剤および補助剤も任意選択的に含んでよい。
【0021】
本明細書において、強化された「プリント品質」または改善された「プリント品質」の指示内容は、例えば耐擦り性(指擦り)、耐水性(水滴)および耐汚れ性(より高いペンストローク)を含む耐久性(色除去に対する抵抗)の幾つかの側面が向上することを一般に意味する。
【0022】
(着色剤)
本発明のインキ中の着色剤は顔料を含む。定義により、顔料は水性ビヒクル中で(著しい程度に)溶液を形成せず、分散されなければならない。
【0023】
本発明の顔料着色剤は、より詳しくは自己分散顔料である。SDPは、別の分散剤なしで安定な分散を可能にするために分散性付与基で表面改質される。水性ビヒクル中での分散のために、表面改質は、親水性基および最も典型的にはイオン性親水性基の付加を含む。例えば、米国特許公報(特許文献13)、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献14)、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献15)、米国特許公報(特許文献16)、米国特許公報(特許文献17)、米国特許公報(特許文献18)、米国特許公報(特許文献19)、米国特許公報(特許文献20)、米国特許公報(特許文献21)、米国特許公報(特許文献22)、米国特許公報(特許文献23)、米国特許公報(特許文献24)、米国特許公報(特許文献25)、米国特許公報(特許文献26)、米国特許公報(特許文献27)、米国特許公報(特許文献28)、米国特許公報(特許文献29)、米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献30)、米国特許公報(特許文献31)、米国特許公報(特許文献32)、米国特許公報(特許文献33)、米国特許公報(特許文献34)、米国特許公報(特許文献35)、米国特許公報(特許文献36)、米国特許公報(特許文献37)、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献38)、米国特許公報(特許文献39)、米国特許公報(特許文献40)、(特許文献41)、(特許文献1)、(特許文献2)、(特許文献42)、(特許文献43)、(特許文献44)、(特許文献45)および(特許文献46)を参照すること。それらの開示は完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する。
【0024】
SDP着色剤は、そのイオン特性によって更に定義することが可能である。アニオンSDPは水性媒体中でアニオン表面電荷を有する粒子をもたらす。逆に、カチオンSDPは水性媒体中でカチオン表面電荷を有する粒子をもたらす。粒子の表面電荷は、例えばアニオン部分またはカチオン部分を有する基を粒子表面に結合することにより付与することが可能である。本発明のSDPは、必ずしも必須ではないけれども、好ましくはアニオン性である。
【0025】
アニオンSDP表面に結合されたアニオン部分は、適切ないかなるアニオン部分であることも可能であるが、好ましくは(I)または(II)である。
−COZ (I) −SOZ (II)
式中、Zは、有機塩基の共役酸、アルカリ金属イオン;、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンおよびスルホニウムイオンなどの「オニウム」イオン、ならびにテトラアルキルアンモニウムイオン、テトラアルキルホスホニウムイオンおよびトリアルキルスルホニウムイオンなどの置換「オニウム」イオン、または適する他のあらゆるカチオン対イオンからなる群から選択される。有用なアニオン部分はホスフェートおよびホスホネートも含む。タイプI(「カルボキシレート」)アニオン部分は最も好ましい。
【0026】
アニオン基の密度が顔料表面平方メートル当たり約3.5μモル未満(3.5μモル/m)、より好ましくは約3.0μモル未満である官能化度も好ましい。約1.8μモル/m未満、更には約1.5μモル/m未満の官能化度も適し、SDPのある特定のタイプのために好ましい場合がある。本明細書において上でおよび別途に用いられる「官能化度」は、本明細書で更に記載される方法により測定される、単位表面積当たりSDPの表面上に存在する親水性基の量を意味する。
【0027】
カルボキシル化アニオンSDP化学種には、例えば、前に援用した米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献14)および(特許文献46)に記載された化学種が挙げられ、スルホン化(タイプII)SDPには、例えば、前に援用した米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献28)および(特許文献11)に記載されたSDPが挙げられる。
【0028】
最大の色の濃さおよび良好なジェット性のために小さい着色剤粒子を用いることが望ましい。粒度は、一般には約0.005マイクロメートル〜約15マイクロメートルの範囲内であってもよく、典型的には約0.005〜約1マイクロメートルの範囲内であり、好ましくは約0.005〜約0.5マイクロメートルであり、より好ましくは約0.01〜約0.3マイクロメートルの範囲内である。
【0029】
本インキ中で用いられるSDPのレベルは、印刷された画像に所望の光学密度を付与するために典型的に必要とされるレベルである。典型的には、SDPレベルは、インキの約0.01〜約10重量%の範囲内である。
【0030】
SDPは、カーボンブラックに基づくSDPのようにブラックであってもよいか、またはPB15:3および15:4シアン、PR122および123マゼンタならびにPY128および74イエローに基づくものなどの着色された顔料であってもよい。
【0031】
SDPは、官能基または官能基を含む分子を顔料の表面上にグラフトすることにより、または物理的処理(真空プラズマなど)によって、あるいは化学処理(例えば、オゾンまたは次亜塩素酸による酸化)によって調製してもよい。親水性官能基の単一種または複数種を1つの顔料粒子に結合してもよい。官能化のタイプおよび官能化度は、例えば、インキ中の分散安定性、色密度、およびインクジェットヘッドの前縁での乾燥特性を考慮に入れることにより適切に決定してもよい。更なる詳細は、上で援用した多くの刊行物を参照することにより見ることが可能である。
【0032】
好ましい1実施形態において、SDP上の親水性官能基は、主としてカルボキシル基、またはカルボキシル基とヒドロキシル基の組み合わせである。なおより好ましくは、SDP上の親水性官能基は直接結合されており、主としてカルボキシル基、またはカルボキシル基とヒドロキシル基の組み合わせである。
【0033】
親水性官能基が直接結合されている好ましい顔料は、例えば前に援用した(特許文献46)に記載された方法によって製造してもよい。この刊行物において記載された方法によって処理されたカーボンブラックは高い表面活性の水素分を有し、それは水中で非常に安定な分散を提供するために塩基で中和される。この方法を着色された顔料に応用することも可能である。
【0034】
好ましい実施形態において、本発明のインキ中の着色剤はSDPのみを含む。他の顔料着色剤が分散剤安定化顔料として存在する場合、分散剤は好ましくは本明細書において言及されたものなどの構造化ポリマーである。更に、構造化ポリマーによる分散剤安定化顔料が存在する時、SDPのための構造化分散剤および可溶性構造化ポリマーは好ましくは同じポリマーである。
【0035】
(水性ビヒクル)
「水性ビヒクル」は、水または水と少なくとも1種の水溶性有機溶媒(共溶媒)の混合物を意味する。適する混合物の選択は、所望の表面張力および粘度、選択された着色剤、インキの乾燥時間、およびインキが印刷される基材のタイプなどの特定の用途の要件に応じて異なる。選択してもよい水溶液有機溶媒の代表的な例は、米国特許公報(特許文献47)で開示されている(その開示は、完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する)。
【0036】
水と水溶性溶媒の混合物を用いる場合、水性ビヒクルは典型的には約30%〜約95%の水を含有し、残り(すなわち、約70%〜約5%)は水溶性溶媒である。好ましい組成物は、水性ビヒクルの全重量を基準にして約60%〜約95%の水を含有する。
【0037】
インキ中の水性ビヒクルの量は、インキの全重量を基準にして典型的には約70%〜約99.8%、好ましくは約80%〜約99.8%の範囲内である。
【0038】
水性ビヒクルは、界面活性剤またはグリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールなどの浸透剤を含めることにより速い浸透(迅速乾燥)であるようにすることが可能である。グリコールエーテルには、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルが挙げられる。1,2−アルカンジオールは好ましくは1,2−C4−6アルカンジオール、最も好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。適する界面活性剤には、エトキシル化アセチレンジオール(例えばエアー・プロダクツ(Air Products)製の「サーフィノールズ(Surfynols)」(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第一アルコール(例えばシェル(Shell)製の「ネオドール(Neodol)」(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第二アルコール(例えばユニオン・カーバイド(Union Carbide)製の「タージトール(Tergitol)」(登録商標)シリーズ)、スルホスクシネート(例えばサイテック(Cytec)製の「アエロゾル(Aerosol)」(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えばウィトコ(Witco)製の「シルウェット(Silwet)」(登録商標)シリーズ)およびフルオロ界面活性剤(例えば本願特許出願人製の「ゾニル(Zonyl)」(登録商標)シリーズ)が挙げられる。
【0039】
添加されるグリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールの量は適切に決定しなければならないが、インキの全重量を基準にして典型的には約1〜約15重量%、より典型的には約2〜約10重量%の範囲内である。界面活性剤は、インキの全重量を基準にして典型的には約0.01〜約5%、好ましくは約0.2〜約2%の量で用いてもよい。
【0040】
(可溶性ポリマー結合剤)
インキは少なくとも1種の可溶性ポリマー結合剤を含有する。可溶性は、水性ビヒクルに溶解されることを意味する。可溶性ポリマーは更に構造化ポリマーである。「構造化ポリマー」という用語は、ブロック構造、分岐構造またはグラフト構造を有するポリマーを意味する。米国特許公報(特許文献47)で開示されたものなどのABブロックコポリマーまたはBABブロックコポリマー、米国特許公報(特許文献48)で開示されたものなどのABCブロックコポリマーおよび米国特許公報(特許文献49)で開示されたものなどのグラフトポリマーは特に好ましい。これらの3つの刊行物の開示は完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する。
【0041】
数平均分子量(M)は、好ましくは約1,000〜約20,000、より好ましくは約1,000〜約10,000、最も好ましくは約2,000〜約6,000の範囲内である。これらの可溶性ポリマーは、好ましくは、イオン性モノマー、好ましくはイオン性酸基を有するアニオンモノマーよりなる。好ましい酸含有率は、ポリマーグラム当たり約0.65〜約6ミリ当量の間であり、ポリマーグラム当たり約0.90〜約1.75ミリ当量の間が最も好ましい。すべてのポリマーは、ヒドロキシル、アミドおよびエーテルに限定されないが、それらを含む親水性基を有するモノマーも含んでよい。好ましくは、アニオンポリマーはアニオンSDPと合わせて用いられ、カチオンポリマーはカチオンSDPと合わせて用いられる。
【0042】
特に好ましい実施形態において、可溶性結合剤ポリマーは(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体のモノマーより実質的になり、好ましいMは約4000〜約6000の間である。
【0043】
好ましい1実施形態において、可溶性構造化ポリマーは線状である。
【0044】
可溶性構造化ポリマーは、インキの最終重量を基準にして少なくとも約0.3%、好ましくは少なくとも約0.6%のレベルで有利に用いられる。上限はインキ粘度または他の物理的限界によって支配されるが、インキの全重量を基準にして一般には約3%以下の可溶性ポリマーがインキ中に存在し、より一般には約2%以下の可溶性ポリマーが存在する。
【0045】
顔料対可溶性構造化ポリマー結合剤の重量比(P/B)も関連する。P/Bは、好ましくは約0.5〜約20の間、より好ましくは約2〜約10の間である。
【0046】
(分散されたポリマー結合剤)
インキは分散されたポリマー結合剤を任意選択的に含んでもよい。これらは、ビヒクルに溶解されているのでなく均質分散相にあるポリマーであり、時には、「エマルジョンポリマー」または「ラテックス」とも呼ばれる。ポリマーは、インキを基材に結合するために適するあらゆる化学的クラスであることが可能であり、ポリマーには、例えば、ポリアクリレート、スチレン−ポリアクリレートおよびポリウレタンが挙げられる。
【0047】
米国特許公報(特許文献50)で開示された結合剤などのポリウレタン分散液結合剤は特に好ましい。その開示は、完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する。
【0048】
(他の成分)
他の成分がインキの安定性およびジェット性を妨げない程度に、こうした他の成分をインクジェットインキに配合してもよい。その程度は、日常の実験によって容易に決定することが可能である。こうした他の成分は、一般的な意味において当業界で周知されている。
【0049】
微生物の成長を抑制するために殺虫剤を用いてもよい。
【0050】
例えば重金属不純物の有害作用を排除するために、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸(GEDTA)ならびにそれらの塩などの金属イオン封鎖剤(キレート化剤)を含めることは有利な場合がある。
【0051】
(インキ特性)
ジェット速度、小滴の分離長さ、滴サイズおよびストリーム安定性はインキの表面張力および粘度によって大いに影響を受ける。顔料入りインクジェットインキは、典型的には25℃で約20ダイン/cm〜約70ダイン/cmの範囲内の表面張力を有する。粘度は25℃で30cPほどに高いことが可能であるが、典型的には多少、より低い。インキは、広範囲の噴出条件、すなわちピエゾエレメントの駆動周波数、あるいはドロップオンデマンド装置または連続装置のいずれかのためのサーマルヘッドに関する噴出条件、ならびにノズルの形状およびサイズと適合する物理的特性を有する。インキは、インクジェット装置内で著しい程度に目詰まりしないように長期間にわたって優れた貯蔵安定性を有するべきである。更に、インキは、インキが接触することになるインクジェット印刷装置の部品を腐食させるべきでなく、インキは本質的に無臭および無毒であるべきである。
【0052】
特定のいかなる粘度範囲にもプリントヘッドにも限定されないけれども、本発明インキセットは、サーマルプリントヘッドによって要求される用途などの、より低い粘度の用途に特に適合する。従って、本発明インキおよび定着剤の粘度(25℃)は、約7cps未満であることが可能であり、好ましくは約5cps未満であり、最も有利には約3.5cps未満である。サーマルインクジェットアクチュエータは、インキ滴を噴出させるために瞬間加熱/泡形成に頼っており、滴形成のこのメカニズムは、より低い粘度のインキを一般に必要とする。
【0053】
(基材)
本発明は一般的電子写真複写機紙などの普通紙上の印刷のために特に有利である。
【0054】
(インキセット)
本発明によるインキセットは少なくとも3種の異なる着色インキ(CMYなど)、好ましくは少なくとも4種の着色インキ(CMYKなど)を含む。ここで、インキの少なくとも1種は、上で記載したように
(a)SDP着色剤;
(b)水性ビヒクル;および
(c)可溶性構造化ポリマー
を含む。
【0055】
上で示したように、好ましくは、インキセットは、少なくとも4種の異なる着色インキ(CMYK)を含む。ここで、ブラック(K)インキは、上で記載したように
(a)ブラックSDP着色剤;
(b)水性ビヒクル;および
(c)可溶性構造化ポリマー
を含む。
【0056】
インキセットの他のインキも好ましくは水性インキであり、着色剤として染料、顔料またはそれらの組み合わせを含有してもよい。こうした他のインキは、一般的な意味において当業者に知られている。
【実施例】
【0057】
(分散液1)
カーボンブラック(デグッサ(Degussa)製のS−160、表面積150m/g)を(特許文献46)に記載されたプロセスによりオゾンで酸化させ、LiOHで中和した。回収後、水中の自己分散カーボンブラック顔料の16.6重量%分散液を3.5cps(25℃)の粘度で得た。中央粒度は110nmであり、酸価(官能化度)は3.3μモル/mであった。測定された官能化度は、3.0μモル/m未満の目標レベルより若干高かった。
【0058】
このSDP(および(特許文献46)によるプロセスによって製造されたこれらの実施例中の他のSDP)の官能化度(酸価)は、処理済み顔料を7のpHに中和するために必要とされる塩基の当量モルによって決定した。表面親水性基が実質的にすべて酸性であるので、酸価も官能化度に等しい。
【0059】
塩基の当量モルは、滴定によって、あるいはアルカリ金属水酸化物などの無機塩基の場合、原子吸収(AA)または誘導結合プラズマ(ICP)分析によって決定することが可能である。SDPグラム当たりの塩基のモルを得、そして顔料の表面積により除し、適切に単位を調節することによりμモル/mに換算する。正確を期すために、中和されたサンプルは測定を妨害する遊離酸または塩などの汚染物を含んではならない。
【0060】
(分散液2)
カーボンブラック(デグッサ(Degussa)製のFW−18、表面積260m/g)を(特許文献46)に記載されたプロセスによりオゾンで酸化させた。回収後、水中の自己分散カーボンブラック顔料の17重量%分散液を6.4cps(25℃)の粘度で得た。中央粒度は90nmであり、酸価(官能化度)は2.8μモル/m未満であった。
【0061】
(ポリマー1(可溶性構造化ポリマー))
ポリマー1は、ベンジルメタクリレート//メタクリル酸/エチルトリエチレングリコールメタクリレート(BzMA//MAA/ETEGMA、モル比13//13/7.5)からなるブロックコポリマーである。ETEGMAの量を若干落としたことを除き、米国特許公報(特許文献51)(完全に記載されたかのようにすべての目的のために本明細書に引用して援用する)に記載された「ポリマー2」に似た方式でポリマー1を調製した。数平均分子量は約5,000であり、重量平均分子量は約5,000g/モルであった。
【0062】
(ポリマー2(可溶性ランダムポリマー、比較))
ポリマー2は、ベンジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルトリエチレングリコールメタクリレートおよびメタクリル酸(BzMA/HEMA/ETEGMA/MAA、重量比60/20/10/10)からなるランダムコポリマーであり、ランダムポリマーを製造するために適切な割合ですべてのモノマーを共添加したことを除き、ポリマー1と同じ技術によって製造した。数平均分子量は約5,000であり、重量平均分子量は約5,000g/モルであった。
【0063】
(ポリマー3(可溶性構造化ポリマー))
ポリマー3は、ベンジルメタクリレート//メタクリル酸/エチルトリエチレングリコールメタクリレート(BzMA//MAA/ETEGMA、重量比40/50/10)からなるブロックコポリマーである。上のポリマー1と同じ技術によってポリマー3を調製した。数平均分子量は約2000〜2500であり、重量平均分子量は約2500g/モルであった。
【0064】
(ポリマー4(可溶性構造化ポリマー))
ポリマー5は、メタクリル酸//ベンジルメタクリレート/エチルトリエチレングリコールメタクリレート(MAA//BzMA//ETEGMA、モル比13//15/14)からなるブロックコポリマーである。BzMA比がより高いことを除き、前に援用した米国特許公報(特許文献48)に記載された「調製4」に似た方式でポリマー5を調製した。数平均分子量は約5,000であり、重量平均分子量は約5,000g/モルであった。
【0065】
(ポリウレタン分散液(PUD)結合剤)
PUD1は、ポリエステルジオールであるポリオール成分によるポリウレタンである。酸価は25であり、中央粒子径は0.018マイクロメートルであった。PUD1を固形物26重量%入りの水分散液として用いた。
【0066】
PUD2は、ポリカーボネートポリエステルジオールであるポリオール成分によるポリウレタンである。酸価は25であり、中央粒子径は0.036マイクロメートルであった。PUD2を固形物40重量%入りの水分散液として用いた。
【0067】
(インキの調製)
可溶性構造化ポリマー入りのインキ(実施例1〜5)およびランダム可溶性ポリマー入りの比較インキ(比較例1〜3)を以下の処方により調製した。
【0068】
【表1】

【0069】
可溶性構造化ポリマー入りのPUD結合剤を含むインキおよびPUD結合剤単独入りの比較インキを以下の処方により調製した。
【0070】
【表2】

【0071】
(基材)
以下の紙をプリント試験において基材として用いた。ハンマーミル・コピー・プラス(Hammermill Copy Plus)事務紙、ゼロックス(Zerox)4024事務紙および「ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)事務紙。
【0072】
(滴重量試験)
HP51645Aサーマルインクジェットペンを試験しようとするインクで満たした。0.08ミリ秒の連射のために12kHzの周波数でコンピュータ噴射22個選択ノズルによってドライバーを制御した。インキ滴を集め、秤量し、噴射された滴当たりの重量(滴重量)を計算する。カートリッジ内のインキ体積(約25グラム)がなくなるまで、同じ22個ノズルを用いて滴を噴射し秤量するプロセスを繰り返す。試験中に変更が行われる場合、噴出されたインキの量の関数としての滴重量をプロットすることが可能である。最も好ましくは、良好な色密度を提供する観点から、滴重量は試験全体を通して一定のままである。
【0073】
(コゲーション試験)
コゲーションは、サーマルインクジェットペンを滴重量試験において用いた後のサーマルインクジェットペンのノズルおよび/またはレジスタ上に残された残留物の量の目安である。ノズルプレートをこじ開けてレジスタおよびノズルチャンバを露出させた後、用いたレジルタノズルを顕微鏡で観察し、次の通り採点した。
良−残留物の際だった量なし−クリーンレジスタ
可−残留物少量−部分的に覆われたレジスタ
不可−残留物の際だった量−覆われたレジスタ
最も好ましくは、長いペン寿命の観点から、残留物はない。
【0074】
【表3】

【0075】
上と等しい配合を有するが、可溶性結合剤の全くない(「ポリマーが添加されていない」場合)インキについて、滴重量は25〜28ナノグラムであり、コゲーション評点は良であった。可溶性ランダムポリマーの添加(実施例C1〜C3)は、コゲーション評点の低下および滴体積の減少を引き起こした。可溶性構造化ポリマー(実施例1〜5)を有する本発明実施例は、良のコゲーション評点および一般に「ポリマーが添加されていない」場合に似た滴重量を示す。実施例1のより低い滴重量は、比較的より高い粘度によって説明することが可能である。可溶性ポリマーのより高いレベルはインキ粘度を高め、多くのインクジェットペンは、より低い粘度のインキのために設計される。
【0076】
添加された可溶性構造化ポリマー(結合剤)は、特に約20を上回るP/B(顔料対結合剤)で、より効果的には10を上回る比で、印刷されたページ上のインキの耐久性を改善する。特に、耐擦り性(指による擦り落としへの抵抗)および耐水性(水滴との接触によるブリードへの抵抗)が改善される。
【0077】
【表4】

【0078】
上の実施例において、PUDのみを有するインキ(比較例6および比較例7)は、可溶性構造化ポリマーの添加(実施例6〜7)によって改善されている。コゲーションは、より良好であり、滴体積は、より高い。更に、可溶性構造化ポリマーとPUDの両方からの印刷されたページ上のインキの耐久性の恩恵が実現されている。従って、耐擦り性、耐水性および耐汚れ性(ハイライターペンストロークからのブリードへの抵抗)はすべて改善されている。ポリマー4もPUDの無いインキ中で有利に用いられる。
【0079】
(可溶性構造化ポリマーとしてのグラフトコポリマーを含有するインキ)
可溶性グラフトポリマーであるポリマー5を次の通り調製した。最初に、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート−co−メタクリル酸のマクロモノマーを部分1〜3の反応により製造した。
【0080】
【表5】

【0081】
温度計、スターラー、添加漏斗、還流コンデンサおよび反応物上で窒素シールを維持する手段が装着された2リットルフラスコに部分1の混合物を投入した。混合物を還流温度に加熱し、約20分にわたり還流させた。部分2の溶液を240分にわたり添加した。反応混合物を約62℃の還流温度で保持しつつ部分2と同時に部分3を270分にわたり反応器にフィードした。還流をもう2時間続け、溶液を室温に冷却した。得られたマクロモノマー溶液は透明で希薄なポリマー溶液であり、約33%の固形物含有率を有していた。マクロモノマーは12.5重量%のエトキシトリエチレングリコールメタクリレートおよび87.5%のメタクリル酸を含み、標準としてポリメチルメタクリレートを用いてメチル化マクロモノマーサンプルについてゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって測定して約1600の重量平均分子量および800の数平均分子量を有していた。
【0082】
その後、マクロモノマーをフェノキシエチルアクリレートおよびエトキシトリエチレングリコールメタクリレートと共重合して、グラフトブロック構造をもたらした。以下の合成は、マクロモノマーからのブロックコポリマー、フェノキシエチルアクリレート−co−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート//g−エトキシトリエチレングリコールメタクリレート−co−メタクリル酸、重量による50/20//4/26の調製を例示している。
【0083】
【表6】

【0084】
温度計、スターラー、添加漏斗、還流コンデンサおよび反応物上で窒素シールを維持する手段が装着された3リットルフラスコに部分4の混合物を投入した。混合物を還流温度に加熱し、約10分にわたり還流させた。時間零で、部分6の溶液の16.7%を添加した。その後、反応混合物を約65℃の還流温度で保持しつつ部分5および残り部分6の80%を240分にわたり同時に添加した。反応をもう1時間にわたり還流状態で保持し、その後、部分6の溶液の残りを添加した。混合物を120℃に加熱し、蒸留し、揮発分約360gを集めた。温度が90℃に達した時に部分6約30gを添加してポリマー溶液を希釈した。混合物が120℃に達した時、加熱を停止し、部分6の残りを添加した。その後、反応を室温に冷却した。その後、ポリマーを水酸化リチウムで中和し、混合物を水で調節して、約20%の固形物含有率を有する溶液を提供した。
【0085】
こうして製造されたポリマー5は、50.4重量%のPOEA、23.3重量%のETEGMAおよび26.3重量%のMAAのおよその総合的組成ならびに約4000の数平均分子量および約13600g/モルの重量平均分子量を有するPOEA/ETEGMA−g−ETEGMA/MAAのグラフトポリマーであった。
【0086】
可溶性グラフトポリマー5入りのインキ8は以下の処方により調製した。
【0087】
【表7】

【0088】
前の本発明インキと同様に、インキE8−10中の可溶性構造化ポリマーは、ジェット性能に及ぼす有害な作用なしに強化された耐擦り性および耐水性を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)SDP着色剤;
(b)水性ビヒクル;および
(c)可溶性構造化ポリマー
を含むことを特徴とする水性インクジェットインキ組成物。
【請求項2】
前記可溶性構造化ポリマーが約0.5〜約20の間のP/B比で存在することを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項3】
前記可溶性ポリマーが約1,000〜約20,000の範囲内の数平均分子量を有する実質的に線状のアニオンポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項4】
前記実質的に線状の可溶性ポリマーがブロックコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項5】
分散されたポリマー結合剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項6】
前記分散されたポリマー結合剤がポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項7】
自己分散顔料がアニオン性親水性部分を含む自己分散カーボンブラック顔料であることを特徴とする請求項1に記載のインキ。
【請求項8】
前記自己分散カーボンブラック顔料上の前記アニオン性親水性部分が顔料表面に直接結合した第一カルボキシル基であることを特徴とする請求項7に記載のインキ。
【請求項9】
少なくとも3種の異なる着色インキであって、その少なくとも1種がシアンであり、その少なくとも1種がマゼンタであり、その少なくとも1種がイエローである着色インキを含み、前記インキの少なくとも1種が請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性インクジェットインキであることを特徴とするカラー印刷のためのインクジェットインキセット。
【請求項10】
少なくとも4種の異なる着色インキであって、その少なくとも1種がシアンであり、その少なくとも1種がマゼンタであり、その少なくとも1種がイエローであり、その少なくとも1種がブラックである着色インキを含み、前記インキの少なくとも1種が請求項1〜8のいずれか1項に記載のブラックインキであることを特徴とするカラー印刷のためのインクジェットインキセット。

【公表番号】特表2007−505203(P2007−505203A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533106(P2006−533106)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/015265
【国際公開番号】WO2004/104119
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】