説明

インクジェットインク

【課題】特にプラスチックフィルムの表面に、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して、エッジがシャープで鮮明で、良好な印字をすることができ、印字の耐擦過性や耐水性も良好で、印字面をこすったり水で濡らしたりしても印字が滲んだりかすんだり消えたりしにくい上、安全性の面でも優れており、例えば調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸しても印字が失われないため、特に食品用レトルトパック等への印字に適したインクジェットインクを提供する。
【解決手段】染料、水、および水溶性有機溶剤を含む水性のインクジェットインクであって、前記染料として、
少なくとも1色の造塩染料と、
酸性染料、および塩基性染料からなる群より選ばれた少なくとも1色の染料と、
を併用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に吸水性を有しないプラスチックフィルムの表面に直接に、例えばオンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて印字をするための、水性のインクジェットインクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のノズルから、制御信号に応じて随時インク滴を吐出させて印字をする、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタとしては、インク滴を吐出させるためのメカニズムの相違に基づいて、インクジェットインクを加熱して気泡を発生させて、その体積増加分のインクジェットインクをノズルから吐出させるサーマル方式のものや、ピエゾ素子の振動を利用するピエゾ方式のもの等が知られている。
【0003】
前記オンデマンド型のインクジェットプリンタに用いるインクジェットインクとして、従来は、少なくとも水を含む水性溶剤に水溶性染料を溶解した水性のインクジェットインクが一般的に用いられてきた。
しかし水性のインクジェットインクを用いて、例えば食品用レトルトパック等を構成するポリプロピレンフィルム(OPP、CPP等)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、あるいはナイロンフィルム等のプラスチックフィルムの、吸水性を有しない表面に直接に印字をしても満足の行く結果は得られない。
【0004】
すなわち水性のインクジェットインクは、前記のように吸水性を有しないプラスチックフィルムに対する浸透性を有しないため、例えば紙の表面に印字をした場合のようにインクジェットインクが吸水によって急速に乾燥されることがなく、乾燥するまでに比較的長い時間を要する。そのため乾燥するまでの間に、インクジェットインクが前記表面ではじかれたり滲んだりしやすく、エッジがシャープで鮮明な良好な印字を得ることはできない。
【0005】
また、例えば乾燥前に誤って印字面に触れたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりもしやすい。
さらに複数枚のプラスチックフィルムに連続して印字をする際に、インクジェットプリンタから先に排出されたプラスチックフィルムの表面のインクジェットインクが乾燥する前に、その上に後から排出されたプラスチックフィルムが重ねられることにより印字が裏写りするおそれもある。これらの問題は、特に高速印刷時に顕著である。
【0006】
印刷直後に加熱してインクジェットインクを強制的に乾燥させることが考えられるが、その場合はインクジェットプリンタに、前記加熱のための装置等を加える必要があり全体の構造が複雑化するとともに印字の操作が煩雑化する上、消費エネルギーが増大するといった問題がある。また加熱乾燥には一定の時間を要するため、高速印刷をするのも難しくなる。
【0007】
また乾燥した後も、水溶性染料はプラスチックフィルムの表面に良好に定着されないため、それ自体が水溶性であることと相まって、例えば印字面をこすったりプラスチックフィルムの表面を水で濡らしたりすることで印字が滲んだり、かすんだり、あるいは消えたりしやすく、印字の耐擦過性や耐水性が低いという問題もある。
さらに食品用レトルトパックの場合は、調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸した際に印字が失われてしまうという問題もある。
【0008】
この点、例えばニグロシン染料等の油溶性染料を有機溶剤に溶解した、筆記具等に多用される油性のインクを用いれば、前記油溶性染料は水溶性を有しない上、プラスチックフィルムに対する定着性に優れるため、印字の耐擦過性や耐水性を向上できる。
それとともに、有機溶剤としてプラスチックフィルムに対する浸透性を有するものを用いること等により、前記プラスチックフィルムの表面に印字したインクを、加熱等をすることなく短時間で乾燥させて、エッジがシャープで鮮明な印字が得られる可能性はある(例えば特許文献1参照)。
【0009】
しかし油性のインクを、特に水性のインクジェットインク用に設計されたオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用しても安定した印字をすることはできない。
すなわち、ノズルから吐出されるインク滴のサイズや形状、あるいは前記インク滴がノズルから吐出されてプラスチックフィルムの表面に達するまでの軌跡等にばらつきや乱れ等を生じやすい上、有機溶剤が早期に乾燥してインク中の固形分がノズルの詰まり等を生じやすい。
【0010】
そのため、前記油性のインクをインクジェットプリンタに使用した場合には、エッジがシャープで鮮明な印字を得ることはできない。
また特許文献1で油溶性染料として用いているニグロシン染料は鮮明な黒色を印字できるという利点を有するものの、製造工程で金属を用い、前記金属が成分中に含まれる可能性があるため、特に食品用レトルトパック等の食品用途の印字に使用するのは安全性の面で問題がある。
【0011】
特許文献2には、油溶性染料を界面活性剤に溶解させた溶液を、さらに水溶性有機溶剤、および水と混合したインクジェットインクが記載されている。
かかるインクジェットインクは水を含むため、オンデマンド型のインクジェットプリンタに使用して安定して印字できると考えられる。また界面活性剤と水溶性有機溶剤の作用によって、本来的に水に不溶であるニグロシン染料等の油溶性染料を、インクジェットインク中に安定に分散できると考えられる。
【0012】
しかし、特許文献2において水溶性有機溶剤として使用しているN−メチル−2−ピロリドンやエチレングリコールは、例えばニグロシン染料等の溶解性には優れるものの、いずれも乾燥しにくいため、印刷後に加熱して強制的に乾燥させる必要がある。
そのため、先に説明したようにインクジェットプリンタに、加熱のための装置等を加える必要があり全体の構造が複雑化するとともに印字の操作が煩雑化する上、消費エネルギーが増大するといった問題がある。また加熱乾燥には一定の時間を要するため、高速印刷をするのも難しくなる。
【0013】
またエチレングリコールは、特に食品用レトルトパック等の食品用途の印字に使用するには安全性の面でも問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平5−156197号公報
【特許文献2】特公平5−64666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、特にプラスチックフィルムの表面に、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して、エッジがシャープで鮮明で、良好な印字をすることができ、印字の耐擦過性や耐水性も良好で、印字面をこすったり水で濡らしたりしても印字が滲んだりかすんだり消えたりしにくい上、安全性の面でも優れており、例えば調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸しても印字が失われないため、特に食品用レトルトパック等への印字に適したインクジェットインクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明者は、少なくとも染料、水、および水溶性有機溶剤を含む、いわゆる水性のインクジェットインクに用いる染料として、水溶性を有しない上、プラスチックフィルムに対する定着性に優れるため印字の耐水性等を向上できる油溶性染料の中から、安全性に優れるとともに、水性のインクジェットインク中で適度な分散性を有するいわゆる造塩染料を選択して使用することを検討した。
【0017】
例えば黒色であれば、前記ニグロシン染料に代えて、赤、青、黄の3色(色の三原色)の造塩染料、緑と赤の2色の造塩染料、あるいは紫と黄の2色の造塩染料等を併用して黒を表現するとともに、各色の造塩染料として、ニグロシン染料よりも安全性に優れたものを組み合わせて用いることを検討した。
しかし全ての色の染料をいずれも造塩染料とした場合には、前記水性のインクジェットインク中での分散安定性が不十分であり、特にインクジェットインクを低温で保管した際に、前記造塩染料が析出したりしやすいことが判明した。
【0018】
そこでさらに検討した結果、前記複数色の染料として、造塩染料と、いずれも水溶性染料である酸性染料および/または塩基性染料とを少なくとも併用すればよいことを見出した。
すなわち本発明は、染料、水、および水溶性有機溶剤を含み、前記染料としては、
少なくとも1色の造塩染料と、
酸性染料、および塩基性染料からなる群より選ばれた少なくとも1色の染料と、
を含む2種以上の染料を併用したことを特徴とするインクジェットインクである。
【0019】
なお造塩染料とは、陽イオンと陰イオンとの塩であって、前記いずれかのイオンが発色部分として機能する染料を指す。具体例としては、水溶性染料である酸性染料または塩基性染料を対になるイオンと反応させることにより、水に不溶で、かつ有機溶剤に可溶とした染料や、前記酸性染料と塩基性染料とを反応させることにより、同様に水に不溶で、かつ有機溶剤に可溶とした染料等が挙げられる。
【0020】
かかる造塩染料を、酸性染料および/または塩基性染料と併用すると、水と水溶性有機溶剤とを含む水性のインクジェットインク中での前記各染料の分散安定性を向上することができる。
また、水溶性染料である酸性染料および/または塩基性染料を含んでいるにも拘らず、印字の水溶性を著しく抑制するとともにプラスチックフィルムに対する定着性を向上して、印字の耐擦過性や耐水性を向上できる。
【0021】
これらの理由は明らかではないが、おそらく造塩染料と、酸性染料および/または塩基性染料とが複合塩を形成してそれぞれの特性を補い合うためであろうと推測される。
なお染料としては、それぞれ色の異なる造塩染料、酸性染料、および塩基性染料を併用するのが好ましい。かかる3種の染料を併用すると、造塩染料と酸性染料、造塩染料と塩基性染料だけでなく、酸性染料と塩基性染料も複合塩を形成するためか、特に併用した各染料の全体としての水溶性をさらに抑制するとともに、プラスチックフィルムに対する定着性を向上して、印字の耐擦過性、耐水性をより一層向上できる。
【0022】
水溶性有機溶剤としては、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種と、
炭素数2〜4の脂肪族アルコールと
を併用するのが好ましい。
【0023】
これらの水溶性有機溶剤は、いずれも造塩染料に対して良好な溶解性を有しているとともに、前記造塩染料を含む各染料を、水性のインクジェットインク中に良好に分散させるために機能する。また適度の乾燥性を有しており、N−メチル−2−ピロリドンやエチレングリコール等に比べて乾燥しやすい上、乾燥が速すぎないためノズルの詰まり等も生じ難い。しかもエチレングリコール等に比べて安全性にも優れている。
【0024】
そのため前記水溶性有機溶剤を選択して併用することにより、造塩染料を含む各染料の分散安定性を良好に維持して、例えば低温で保管した際に析出を生じさせることなしに、インクジェットインクの乾燥性や安全性をさらに向上できる。
本発明のインクジェットインクは、さらに式(1):
【0025】
【化1】

【0026】
〔式中、R〜Rのうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤を含んでいてもよい。
前記式(1)のフッ素系界面活性剤を含有させることにより、各染料を、インクジェットインク中により微細に分散させて印字の鮮明性を向上できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、特にプラスチックフィルムの表面に、オンデマンド型のインクジェットプリンタを用いて安定して、エッジがシャープで鮮明で、良好な印字をすることができ、印字の耐水性も良好で、印字面をこすったり水で濡らしたりしても印字が滲んだりかすんだり消えたりしにくい上、安全性の面でも優れており、例えば調理のためにパックごと熱湯に浸して煮沸しても印字が失われないため、特に食品用レトルトパック等への印字に適したインクジェットインクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、染料、水、および水溶性有機溶剤を含むインクジェットインクであって、前記染料としては、
少なくとも1色の造塩染料と、
酸性染料、および塩基性染料からなる群より選ばれた少なくとも1色の染料と、
を含む2種以上の染料を併用したことを特徴とするものである。
【0029】
前記各染料の組み合わせは任意に設定できる。
例えば赤、青、黄の3色(色の三原色)の染料を併用して、ニグロシン染料に代わる黒色を表現する場合には、例えば下記の組み合わせ等が挙げられる。
(i) 造塩染料2色と、酸性染料1色の組み合わせ。
(ii) 造塩染料2色と、塩基性染料1色の組み合わせ。
(iii) 造塩染料1色と、酸性染料2色の組み合わせ。
(iv) 造塩染料1色と、塩基性染料2色の組み合わせ。
(v) 造塩染料1色と、酸性染料1色と、塩基性染料1色の組み合わせ。
【0030】
このうち(v)の3種の染料の組み合わせが特に好ましい。かかる併用系によれば、先に説明したように造塩染料と酸性染料、造塩染料と塩基性染料だけでなく、酸性染料と塩基性染料も複合塩を形成するため、特に併用した各染料の全体としての水溶性を抑制するとともに、プラスチックフィルムに対する定着性を向上して、印字の耐擦過性、耐水性をさらに向上できる。
【0031】
また水溶性染料として酸性染料のみを使用する場合〔前記(i)(iii)の場合〕と、塩基性染料のみを使用する場合〔前記(ii)(iv)の場合〕とでは、前者より後者の方が、特に印字の耐水性を向上する点では好ましい。
この理由としては、
一般に塩基性染料は分子の広い範囲に亘って正電荷が共鳴構造を形成し、極性が低い構造をとりやすいため、極性の高い水に対する溶解性が低いこと、
これに対し酸性染料は、例えばスルホン酸塩やカルボン酸塩といった水中で完全溶解する極性解離基を多く有し、親水性が高いこと、
等が考えられる。
【0032】
また前記3色の組み合わせの場合、3色のうちの1色を造塩染料、1色を酸性染料および/または塩基性染料とすれば、他の1色は、例えば造塩染料以外の他の油溶性染料を使用しても構わない。
緑と赤の2色、あるいは紫と黄の2色の染料を併用して、ニグロシン染料に代わる黒色を表現する場合には、造塩染料と酸性染料、もしくは造塩染料と塩基性染料を組み合わせればよい。4色以上の場合も同様であって、4色のうちの少なくとも1色を造塩染料、他の少なくとも1色を酸性染料および/または塩基性染料とすることで、発明の効果を達成できる。
【0033】
前記造塩染料、酸性染料および/または塩基性染料としては、それぞれ任意の色の染料を組み合わせて用いることができる。
(造塩染料)
赤色の造塩染料としては、例えば保土谷化学工業(株)製の登録商標AIZEN(登録商標)シリーズのうちSPILON(登録商標)Fiery Red BH(C.I.ソルベントレッド81)、SPILON Red C−GH、SPILON Red C−BH、SPILON Pink BH(C.I.ソルベントレッド82)、SPILON Violet ECH(C.I.ソルベントバイオレット27);中央合成化学(株)製のAL Red 2308、Alcohol Pink P−30;オリエント化学工業(株)製のSPIRIT Red 102;同じくオリエント化学工業(株)製のVALIFAST(登録商標)シリーズのうちRed 1308、Red 1355等の1種または2種以上が挙げられる。
【0034】
青色の造塩染料としては、例えば保土谷化学工業(株)製のAIZENシリーズのうちSPILON Blue C−RH、S.P.T. Blue 121;中央合成化学(株)のAlcohol Blue B−10等の1種または2種以上が挙げられる。
黄色の造塩染料としては、例えば保土谷化学工業(株)製のAIZENシリーズのうちS.B.N. Yellow 543、SPILON Yellow C−GNH、SPILON Yellow C−2GH;オリエント化学工業(株)製のOplas(登録商標)Yellow 140;中央合成化学(株)製のAlcohol Yellow Y−10、Oil Yellow CH;三菱化学(株)製のDIARESIN(登録商標)Yellow L3G等の1種または2種以上が挙げられる。
【0035】
また、その他の色の造塩染料としては、例えば紫色の造塩染料として保土谷化学工業(株)製のAIZENシリーズのうちSPILON Violet C−RH等が挙げられる。
(酸性染料)
赤色の酸性染料としては、例えばC.I.アシッドレッド7、14、18、19、20、45、50、51、52、56、87、92、97、254、259等の1種または2種以上が挙げられる。
【0036】
青色の酸性染料としては、例えばC.I.アシッドブルー1、7、9、15、25、27、74、90、93、C.I.アシッドグリーン9等の1種または2種以上が挙げられる。
黄色の酸性染料としては、例えばC.I.アシッドイエロー9、17、19、23、25、36、42等の1種または2種以上が挙げられる。
【0037】
(塩基性染料)
赤色の塩基性染料としては、例えばC.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、37、38、39、92、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14等の1種または2種以上が挙げられる。
青色の塩基性染料としては、例えばC.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、24、25、26、28、29、45、54、65、C.I.ベーシックグリーン1、4等の1種または2種以上が挙げられる。
【0038】
黄色の塩基性染料としては、例えばC.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、19、21、25、32、33、36、51、C.I.ベーシックオレンジ2、15、21、22等の1種または2種以上が挙げられる。
(他の油溶性染料)
前記造塩染料、酸性染料および/または塩基性染料と併用してもよい他の油溶性染料のうち赤色の油溶性染料としては、例えばC.I.ソルベントレッド1、23、C.I.ディスパーズレッド9;オリエント化学工業(株)製のVALIFAST Red 2303、Orient Oil Pink OP等の1種または2種以上が挙げられる。
【0039】
青色の油溶性染料としては、例えばC.I.ソルベントブルー12、55、73;保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Blue GNH;オリエント化学工業(株)製のOrient Oil Blue 603、VALIFAST Blue 2604等の1種または2種以上が挙げられる。
さらに黄色の油溶性染料としては、例えばC.I.ソルベントイエロー15、16、56、C.I.ソルベントオレンジ1、2、6、14等の1種または2種以上が挙げられる。
【0040】
前記造塩染料と、酸性染料および/または塩基性染料とを含む2種以上の染料の合計の配合割合は、インクジェットインクの総量の2質量%以上、特に3質量%以上であるのが好ましく、6質量%以下、特に5質量%以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、色濃度の高い鮮明な印字が得られないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、たとえ造塩染料と、酸性染料および/または塩基性染料とを併用したとしても、水性のインクジェットインク中での分散安定性が不十分になるおそれがある。
【0041】
なお各染料の色味および配合比率は、表現したい色味に応じて任意に設定すればよい。
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、前記造塩染料を良好に溶解しうる種々の水溶性有機溶剤のうち、近年では安全性の観点からプロピレングリコールエーテル、脂肪族アルコールが好ましい。
【0042】
またプロピレングリコールエーテルとしては、20℃での蒸気圧がおよそ5〜11hPa程度であって適度の乾燥性を有し、印字後に短時間で乾燥できる上、乾燥が速すぎずノズルの詰まり等を生じ難いことから、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGMEE)等が好ましい。
一方、脂肪族アルコールとしては、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の炭素数2〜4の脂肪族アルコールが好ましい。
【0043】
炭素数が1であるメチルアルコールは乾燥が速すぎてノズルの詰まり等を生じやすい。また炭素数が5以上である脂肪族アルコールは水に対する相溶性が低い上、乾燥に時間がかかる傾向がある。これに対し、炭素数が2〜4の脂肪族アルコールは適度の乾燥性を有し、印字後に短時間で乾燥できる上、乾燥が速すぎずノズルの詰まり等を生じ難い。
特に水溶性有機溶剤としては、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種と、
炭素数2〜4の脂肪族アルコールと
を併用するのが好ましい。また炭素数2〜4の脂肪族アルコールとしては、特に炭素数3のn−プロパノールが好ましい。
【0044】
これにより、造塩染料の溶解性を向上するとともに、前記造塩染料を含む各染料の分散安定性を良好に維持して、例えば低温で保管した際に析出を生じさせることなしに、インクジェットインクの乾燥性や安全性をさらに向上できる。
前記両水溶性有機溶剤の合計の配合割合は、インクジェットインクの総量の60質量%以上、特に70質量%以上であるのが好ましく、90質量%以下、特に85質量%以下であるのが好ましい。
【0045】
両水溶性有機溶剤の合計の配合割合が前記範囲より少ない場合には、染料として、たとえ造塩染料と、酸性染料および/または塩基性染料とを併用したとしても、その分散安定性が不十分になるおそれがある。またインクジェットインクの乾燥性が低下するおそれもある。一方、前記範囲を超える場合には、オンデマンド型のインクジェットプリンタに使用して印字をする際に、インクジェットインクの、ノズルからの吐出の安定性が低下するおそれがある。
【0046】
これに対し、前記合計の配合割合を前記範囲内とすることにより、インクジェットインクの、ノズルからの吐出の安定性や、各染料の分散安定性を良好に維持時ながら、インクジェットインクの乾燥性を向上することができる。
なお、かかる前記効果を良好に発揮させることを考慮すると、プロピレングリコールモノメチルエーテル、および/またはプロピレングリコールモノエチルエーテルの配合割合は、インクジェットインクの総量の10質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、30質量%以下、特に25質量%以下であるのが好ましい。
【0047】
また炭素数2〜4の脂肪族アルコールの配合割合は、インクジェットインクの総量の45質量%以上、特に50質量%以上であるのが好ましく、65質量%以下、特に60質量%以下であるのが好ましい。
(界面活性剤)
各染料の分散安定性をさらに向上することを考慮すると、インクジェットインクには界面活性剤を含有させるのが好ましい。前記界面活性剤としては、式(1):
【0048】
【化2】

【0049】
〔式中、R〜Rのうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤が好ましい。
式(1)のフッ素系界面活性剤を含有させると、各染料の分散安定性を向上できるだけでなく、前記各染料を、インクジェットインク中により微細に分散させて印字の鮮明性をも向上できる。
【0050】
前記式(1)のフッ素系界面活性剤としては、例えば式中のR〜Rのうちの1つがパーフルオロアルキル基、残りの2つがアンモニウム基である化合物の溶液であるデュポン(株)製のゾニールFSE(有効成分:25質量%)、式中のR〜Rのうちの2つがパーフルオロアルキル基、残りの1つがアンモニウム基である化合物の溶液であるデュポン(株)製のゾニールFSP(有効成分:35質量%)等の1種または2種以上が挙げられる。
【0051】
なお界面活性剤としては、式(1)のフッ素系界面活性剤以外の他の界面活性剤を用いることもできる。
かかる他の界面活性剤としては、例えば下記の各種フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
式(2):
【0052】
【化3】

【0053】
〔式中、Rは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基を示す。〕
で表される化合物の溶液であるデュポン(株)製のゾニールFSA(有効成分:25質量%)。
式(3):
【0054】
【化4】

【0055】
〔式中、Xは水素原子またはアンモニウム基を示す。〕
で表される化合物の溶液であるデュポン(株)製のゾニールFS−62(有効成分:25質量%)。
式(4):
【0056】
【化5】

【0057】
で表され、式中のnが8であるものを主成分とし、nが10、12であるものを若干含む混合物を有効成分として、イソプロパノールと水との混合溶剤に30質量%の割合で溶解した溶液であるAGCセイミケミカル(株)製の登録商標サーフロン(SURFLON)S−111N。
界面活性剤の配合割合は、前記界面活性剤中の有効成分の配合割合で表してインクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.03質量%以上であるのが好ましく、0.15質量%以下、特に0.1質量%以下であるのが好ましい。
【0058】
配合割合が前記範囲未満では、前記界面活性剤を含有させることによる、各染料の分散安定性をさらに向上する効果が十分に得られないおそれがある。また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、インクジェットインクが泡立ったりしやすくなるおそれがある。
本発明のインクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を含有させても良い。前記添加剤としては、例えば防かび剤、殺生剤等が挙げられる。
【0059】
前記各成分を含む本発明のインクジェットインクは、例えばサーマル方式、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに特に好適に使用できる。
【実施例】
【0060】
以下の実施例、比較例におけるインクジェットインクの調製、および試験を、突起した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
染料としては、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現した。
赤色:C.I.ソルベントレッド81〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製の登録商標AIZEN SPILON Fiery Red BH〕
青色:C.I.ベーシックブルー9(塩基性染料)
黄色:C.I.アシッドイエロー42(酸性染料)
界面活性剤としては、式(1):
【0061】
【化6】

【0062】
中のR〜Rのうちの1つがパーフルオロアルキル基で、残りの2つがアンモニウム基である化合物の溶液であるフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のゾニールFSE、有効成分:25質量%〕を用いた。
水としては超純水を用い、水溶性有機溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMME)とn−プロパノールとを用いた。
【0063】
前記各成分を、下記表1に示す割合で配合して混合したのち5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
【0064】
【表1】

【0065】
〈実施例2〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
赤色:C.I.ソルベントレッド81〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Fiery Red BH〕・・・1.9質量部
青色:C.I.ベーシックブルー9(塩基性染料)・・・0.4質量部
黄色:AIZEN SPILON S.B.N Yellow 543〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製〕・・・1.9質量部
〈実施例3〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0066】
赤色:C.I.ソルベントレッド81〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Fiery Red BH〕・・・1.9質量部
青色:C.I.ベーシックブルー9(塩基性染料)・・・0.4質量部
黄色:C.I.ソルベントイエロー16(その他の油溶性染料)・・・1.9質量部
〈実施例4〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0067】
赤色:C.I.ソルベントレッド81〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Fiery Red BH〕・・・1.9質量部
青色:C.I.アシッドブルー1(酸性染料)・・・0.4質量部
黄色:AIZEN SPILON S.B.N Yellow 543〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製〕・・・1.9質量部
〈実施例5〉
水溶性有機溶剤のうちプロピレングリコールモノメチルエーテルに代えて、同量のプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGMEE)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0068】
〈実施例6〉
界面活性剤として、ゾニールFSEに代えて、前記式(1)中のR〜Rのうちの2つがパーフルオロアルキル基で、残りの1つがアンモニウム基である化合物の溶液であるフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のゾニールFSP、有効成分:35質量%〕を同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0069】
〈実施例7〉
界面活性剤として、ゾニールFSEに代えて、式(2):
【0070】
【化7】

【0071】
〔式中、Rは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基を示す。〕
で表される化合物の溶液であるフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のゾニールFSA、有効成分:25質量%〕を同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例8〉
界面活性剤として、ゾニールFSEに代えて、式(3):
【0072】
【化8】

【0073】
〔式中、Xは水素原子またはアンモニウム基を示す。〕
で表される化合物の溶液であるフッ素系界面活性剤〔デュポン(株)製のゾニールFS−62、有効成分:25質量%〕を同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例9〉
界面活性剤として、ゾニールFSEに代えて、式(4):
【0074】
【化9】

【0075】
で表され、式中のnが8であるものを主成分とし、nが10、12であるものを若干含む混合物を有効成分として、イソプロパノールと水との混合溶剤に30質量%の割合で溶解した溶液であるフッ素系界面活性剤〔AGCセイミケミカル(株)製の登録商標サーフロン(SURFLON)S−111N〕を同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0076】
〈比較例1〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
赤色:C.I.ソルベントレッド81〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製のAIZEN SPILON Fiery Red BH〕・・・1.9質量部
青色:AIZEN SPILON S.P.T Blue 121〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製〕・・・0.4質量部
黄色:AIZEN SPILON S.B.N Yellow 543〔造塩染料、保土谷化学工業(株)製〕・・・1.9質量部
〈比較例2〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0077】
赤色:C.I.ソルベントレッド1(その他の油溶性染料)・・・1.9質量部
青色:C.I.ベーシックブルー9(塩基性染料)・・・0.4質量部
黄色:C.I.ソルベントイエロー16(その他の油溶性染料)・・・1.9質量部
〈比較例3〉
染料として、下記の3色の染料を併用して、その混色により黒色を再現したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
【0078】
赤色:C.I.アシッドレッド254(酸性染料)・・・1.9質量部
青色:C.I.ベーシックブルー9(塩基性染料)・・・0.4質量部
黄色:C.I.アシッドイエロー42(酸性染料)・・・1.9質量部
〈比較例4〉
染料として、油溶性染料であるC.I.ソルベントブラック5(ニグロシン染料)を単独で用いたところ、その量を2.5質量部と少なくしても、後述する分散安定性評価において、インクジェットインクの調整直後の段階で既にニグロシン染料の析出が見られたため、その他の評価は断念した。
【0079】
〈比較例5〉
前記比較例4において、超純水をn−プロパノールに置き換えたところニグロシン染料の析出を防止できた。n−プロパノールの量は75.6質量部、ニグロシン染料の量は4.2質量部とした。
〈耐水性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、オンデマンド型のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード社製のDeskJet(登録商標)6127〕に使用して、OPPフィルムの表面にベタ印字をした後、前記印字直後のOPPフィルムの、ベタ印字の部分の一部を23±1℃の水に30秒間浸漬し、引き上げて乾燥させたのち、前記水に浸漬した部分と浸漬していない部分のベタ印字の濃度(OD値)を、それぞれグレタグマクベス社製のマクベス濃度計を用いて測定した。そして式(a):
【0080】
【数1】

【0081】
によってOD値の維持率を求めて、下記の基準で、インクジェットインクの耐水性を評価した。
◎:維持率90%以上。耐水性極めて良好。
○:維持率80%以上。90%未満、耐水性良好。
△:維持率70%以上。80%未満、耐水性は多少低いものの実用上差し支えなし。
【0082】
×:維持率70%未満。耐水性不良。
〈印字鮮明性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを、オンデマンド型のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード社製のDeskJet(登録商標)6127〕に使用して、OPPフィルムの表面に線幅0.2ptの細線を印字し、下記の基準で印字の鮮明性を評価した。
【0083】
◎:鮮明な細線を印字できた。印字鮮明性極めて良好。
○:ほぼ問題のない細線を印字できた。印字鮮明性良好。
△:細線が途切れることはなかったが、太さにばらつきを生じた。印字鮮明性は多少低いものの実用上差し支えなし。
×:はじきによる細線の途切れや著しい滲みが見られた。印字鮮明性不良。
【0084】
〈染料の分散安定性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクをろ紙に滴下して3時間後に状態を観察する試験を、インクジェットインクの調製直後と、前記インクジェットインクを5℃で10日間、低温保存後に実施し、下記の基準で染料の分散安定性を評価した。
○:調製直後、および低温保存後のいずれにおいても、滴下したインクジェットインクは均等に拡がった。分散安定性良好。
【0085】
×:調製直後の試験では、滴下したインクジェットインクが均等に拡がったものの、低温保存後の試験では、滴下したインクジェットインクの中央部に析出した染料の塊が見られた。分散安定性不良。
××:調製直後の試験で既に、滴下したインクジェットインクの中央部に析出した染料の塊が見られた。分散安定性極めて不良。
【0086】
以上の結果を表2、表3に示す。
【0087】
【表2】

【0088】
【表3】

【0089】
表3の比較例1の結果より、赤、青、黄の3色の染料を全て造塩染料とした場合には、前記染料の分散安定性が不十分であることが判った。
また比較例2、3の結果より、赤、青、黄の3色の染料を全て水溶性染料である酸性染料および塩基性染料とした場合には印字の耐水性が得られず、その一部を造塩染料以外の他の油溶性染料に置き換えても耐水性は改善されないことが判った。
【0090】
さらに比較例4、5の結果より、ニグロシン染料を単独で使用した場合には、前記ニグロシン染料の、水性のインクジェットインク中での分散安定性が著しく低く、これを改善するために水をn−プロパノールに置き換えると分散安定性は改善されるものの、インクジェットインクの、ノズルからの吐出の安定性が低下する結果、印字の鮮明性が低下することが判った。
【0091】
これに対し表2の実施例1〜9の結果より、赤、青、黄の3色の染料として、造塩染料と、酸性染料および/または塩基性染料とを併用することにより、前記各染料の分散安定性、および印字の耐水性を良好に維持しながら、ニグロシン染料を使用した場合と同等の十分な着色力でもって、OPPフィルムの表面に印字できることが判った。
また実施例1〜6と実施例7〜9の結果より、フッ素系界面活性剤としては、前記式(1)〜(3)で表されるものを用いるのが好ましく、特に式(1)で表されるフッ素系界面活性剤を選択して使用することにより、印字の鮮明性を向上できることが判った。
【0092】
さらに実施例1〜6の結果より、染料として造塩染料と、酸性染料と、塩基性染料とを併用することにより、印字の耐水性をさらに向上できることが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料、水、および水溶性有機溶剤を含むインクジェットインクであって、前記染料としては、
少なくとも1色の造塩染料と、
酸性染料、および塩基性染料からなる群より選ばれた少なくとも1色の染料と、
を含む2種以上の染料を併用したことを特徴とするインクジェットインク。
【請求項2】
前記染料としては、それぞれ色の異なる造塩染料、酸性染料、および塩基性染料を併用した請求項1に記載のインクジェットインク。
【請求項3】
水溶性有機溶剤としては、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびプロピレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種と、
炭素数2〜4の脂肪族アルコールと
を併用した請求項1または2に記載のインクジェットインク。
【請求項4】
式(1):
【化1】

〔式中、R〜Rのうちの1つまたは2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕
で表されるフッ素系界面活性剤をも含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。

【公開番号】特開2012−21046(P2012−21046A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158069(P2010−158069)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(306029349)ゼネラル株式会社 (19)
【Fターム(参考)】