説明

インクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置およびメディア位置設定方法

【課題】メディアが移動させずに、メディアを傷めることなくメディアの高さ位置を検出できるメディア位置設定装置を提供する。
【解決手段】メディアを支持して高さ方向と高さ方向と直行する平面に沿う第1の方向とに移動する支持手段と、インクヘッドが固定的に配設され、平面上で第1方向と直行する第2方向に延設されたレール上を移動する移動手段とを備えたメディア位置設定装置であって、第2方向に延設されるとともに、第1方向に回動可能に設けられた検出部材と、検出部材が回動したことを検知するセンサーとを有し、検出部材にメディアが接触した際に、検出部材が回動することで、メディアを検出する検出手段と、検出手段からの結果に応じて、支持手段を高さ方向で移動するとともに、支持手段の高さ方向の移動に伴って検出手段によりメディアが検出されない高さ位置を支持手段の印刷時の高さ位置に設定する設定手段とを有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置およびメディア位置設定方法に関し、さらに詳細には、メディアたる記録紙などの媒体上に、紫外線を照射すると硬化するインク(本明細書においては、「紫外線を照射すると硬化するインク」を、単に「紫外線硬化インク」と適宜に称する。)をインクジェット方式により吐出して印刷を行うインクジェットプリンタにおいてメディアの高さ方向の位置を設定するインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置およびメディア位置設定方法に関する。
【0002】
なお、本明細書において「媒体」とは、普通紙などの紙類よりなる各種の記録媒体は勿論のこと、PVC、ポリエステルなどの樹脂材料やアルミ、鉄、木材のような材料などの各種の材料が含まれるものとする。
【0003】
また、本明細書においてインクジェット方式とは、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法によるインクジェット技術による印刷方式を意味するものとする。
【背景技術】
【0004】
従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、メディアとして、例えば、給紙装置によって供給された記録紙上に、記録紙の幅方向(なお、本明細書においては、当該記録紙の幅方向を、「主走査方向」と適宜に称することとする。)で移動するインクヘッドを用い、インクジェット方式により記録紙に対して所定の印刷を行うようにしたインクジェットプリンタが知られている。
【0005】
こうしたインクジェットプリンタにおいて印刷を行う際には、メディアとインクヘッドとの距離を所定の範囲に保つようにしている。
【0006】

ここで、メディアとインクヘッドとの距離が所定の範囲に保たれているか否かを検出するための手法として、例えば、特許文献1に開示された技術が知られている。
【0007】
この特許文献1に開示された技術は、インクヘッドの側面部分に突出部を設け、インクヘッドを走査する際に当該突出部がメディアに接触するか否かによってメディアとインクヘッドとの間の距離を保たれているか否かの判断を行うようにしている。
【0008】
具体的には、インクヘッドを走査させるためのモーターの電流値を監視し、突出部がメディアに接触することによって電流値が上昇した際には、突出部とメディアとが接触したと判断してメディアとインクヘッドとの間の距離を保たれていないと判断する。
【0009】
そして、メディアとインクヘッドと間の距離を保たれていない旨を作業者に通知し、作業者に対してメディアとインクヘッドとの距離の再設定を促すようにしている。
【0010】

しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、突出部がインクヘッドに対して固定的に配設されているため、突出部がメディアと接触することによってメディアを傷めてしまうという問題点が指摘されていた。
【0011】
また、こうした構成においは、上記したような、メディアがローラーに挟持されてインクヘッドの走査方向と直行する方向に搬送されるようなインクジェットプリンタにおいては、有効であるが、インクヘッドの走査方向と直行する方向に移動するテーブル上にメディアが載置されるようなインクジェットプリンタにおいては、当該メディアがインクヘッドに設けられた突出部の接触によって移動してしまうことがあるという問題点が指摘されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3859059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メディアを傷めることなくメディアの高さ位置を設定することができるインクジェットプリンタのにおけるメディア位置設定装置およびメディア位置設定方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、メディアを支持し、上記メディアを高さ方向および該高さ方向と直行する平面に沿う第1の方向に移動する支持手段と、上記支持手段に支持された上記メディアに対してインクを吐出するインクヘッドと、上記インクヘッドが固定的に配設されるとともに、上記支持手段の上方側に配置され、かつ、上記平面上において上記第1の方向と直交する第2の方向に延設されたガイドレール上を移動する移動手段とを有するインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置であって、上記支持手段と上記ガイドレールとの間において上記第2の方向に延設されるとともに、上記第1の方向に回動可能に設けられ、一方の端部において下方側に延設された板状部材を備えた検出部材と、上記板状部材から上記検出部材が回動したことを検知するセンサーとを有し、上記検出部材に上記メディアが接触した際に、上記検出部材が回動して当該回動をセンサーが検知することで、上記メディアを検出する検出手段と、上記検出手段からの検出結果に応じて、上記支持手段を高さ方向で移動するとともに、上記支持手段の高さ方向の移動に伴って、上記検出手段により上記メディアが検出されない高さ位置を上記支持手段の印刷時の高さ位置に設定する設定手段とを有するようにしたものである。
【0015】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、印刷開始前に、上記設定手段により設定された上記支持手段の印刷時の高さ位置において、上記支持手段を上記第1の方向に移動させることにより、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの確認を行う確認手段とを有するようにしたものである。
【0016】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記設定手段により設定された上記支持手段の印刷時の高さ位置において、上記支持手段を上記第1の方向に移動させながら上記メディアに対して印刷を行っているときに、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの監視を行う第1の監視手段とを有するようにしたものである。
【0017】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記第1の監視手段において、上記検出手段によって上記メディアが検出された場合に、印刷を終了するか、上記支持手段を高さ方向で移動させて印刷を継続するかを選択する選択手段とを有するようにしたものである。
【0018】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、印刷を行っていないときに、上記インクヘッドまたは上記支持手段を移動させる処理を行う場合に、上記支持手段を上記第1の方向に移動させて、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの監視を行う第2の監視手段とを有するようにしたものである。
【0019】
また、本発明は、メディアを支持し、上記メディアを高さ方向および該高さ方向と直行する平面に沿う第1の方向に移動する支持手段と、上記支持手段に支持された上記メディアに対してインクを吐出するインクヘッドと、上記インクヘッドが固定的に配設されるとともに、上記支持手段の上方側に配置され、かつ、上記平面上において上記第1の方向と直交する第2の方向に延設されたガイドレール上を移動する移動手段とを有するインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法であって、上記支持手段と上記ガイドレールとの間において上記第2の方向に延設されるとともに、上記第1の方向に回動可能に設けられ、一方の端部において下方側に延設された板状部材を備えた検出部材と、上記板状部材から上記検出部材が回動したことを検知するセンサーとを有する検出手段を有し、上記検出手段により、上記検出部材に上記メディアが接触した際に、上記検出部材が回動して当該回動をセンサーが検知することで、上記メディアを検出する検出工程と、上記検出工程での検出結果に応じて、上記支持手段を高さ方向で移動するとともに、上記支持手段の高さ方向の移動に伴って、上記検出手段により上記メディアが検出されない高さ位置を上記支持手段の印刷時の高さ位置に設定する設定工程とを有するようにしたものである。
【0020】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、印刷開始前に、上記設定工程で設定された上記支持手段の印刷時の高さ位置において、上記支持手段を上記第1の方向に移動させることにより、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの確認を行う確認工程とを有するようにしたものである。
【0021】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記設定工程で設定された上記支持手段の印刷時の高さ位置において、上記支持手段を上記第1の方向に移動させながら上記メディアに対して印刷を行っているときに、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの監視を行う第1の監視工程とを有するようにしたものである。
【0022】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記第1の監視工程において、上記検出手段によって上記メディアが検出された場合に、印刷を終了するか、上記支持手段を高さ方向で移動させて印刷を継続するかを選択する選択工程とを有するようにしたものである。
【0023】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、印刷を行っていないときに、上記インクヘッドまたは上記支持手段を移動させる処理を行う場合に、上記支持手段を上記第1の方向に移動させて、上記検出手段により上記メディアが検出されるか否かの監視を行う第2の監視工程とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、以上説明したように構成されているので、メディアを傷めることなくメディアの高さ位置を設定することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、インクジェットプリンタの概略構成斜視説明図である。
【図2】図2は、図1のインクジェットプリンタの開閉カバーを開いた状態を示す概略構成斜視説明図である。
【図3】図3は、図2のA矢視図である。
【図4】図4は、図1のB矢視図である。
【図5】図5は、図1のインクジェットプリンタの要部を示す概略構成斜視説明図である。
【図6】図6は、ホルダーに設けられたインクヘッドおよび紫外線照射ランプを示す模式的に示す模式図である。
【図7】図7は、開閉蓋を開いた状態を示す概略構成斜視説明図である。
【図8】図8は、開閉蓋および開閉カバーを開いた状態を示す概略構成斜視説明図である。
【図9】図9は、移動機構を示す概略構成説明図である。
【図10】図10は、図9のI−I線断面図である。
【図11】図11(a)は、インクジェットプリンタに設けられた検出装置を示す概略構成斜視説明図であり、また、図11(b)は、図11(a)の要部を示す説明図である。
【図12】図12は、検出装置における検出部材を示す概略構成斜視説明図である。
【図13】図13は、検出装置における検出部材とセンサーとの配置関係を示す説明図である。
【図14】図14は、図12のII−II線断面図である。
【図15】図15は、検出装置において検出部材が前方側に回動した状態を示す説明図である。
【図16】図16は、検出装置において検出部材が後方側に回動した状態を示す説明図である。
【図17】図17は、印刷処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図18】図18は、設定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図19】図19は、確認処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図20】図20は、印刷を行っている際の監視処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図21】図21は、回転ユニットを示す概略構成斜視説明図である。
【図22】図22は、印刷を行っていない際の監視処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置およびメディア位置設定方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0027】

ここで、図1には、インクジェットプリンタの概略構成斜視説明図が示されている。また、図2には、図1のインクジェットプリンタの開閉カバーを開いた状態を表す概略構成斜視説明図が示されている。また、図3には、図2のA矢視図が示されている。また、図4には、図1のB矢視図が示されている。また、図5には、図1のインクジェットプリンタの要部を表す概略構成斜視説明図が示されている。
【0028】

この図1に示すインクジェットプリンタ10は、印刷装置12を筐体14内に収容した構成となっており、筐体14に設けられた開閉カバー16を開けることにより筐体14内の空間を外部空間と通じさせ、開閉カバー16を閉めることにより、筐体14内の空間を外部空間と隔絶するようにしたものである。
【0029】
なお、本明細書において、筐体14の内部空間と外部空間とを隔絶するということは、筐体14の内部空間を完全に密閉状態とするものではなく、筐体14の内部空間に外部空間から塵埃が入り込み難い程度に筐体14により筐体14の内部空間と外部空間とが隔てられていることである。
【0030】
即ち、筐体14内に設けられた印刷装置12において紫外線照射ランプ44、46(後述する。)から照射された紫外線が外部にほぼ漏れなくなるとともに、筐体14の外部から筐体14の内部に塵埃が入り込み難く、筐体14内に設けられた印刷装置において排気ファン50(後述する。)により、筐体14内部の空気と筐体14外部の空気を入れ換えることが可能である。
【0031】

筐体14は、略矩形形状のベース部材18上に形成された印刷装置12を囲うように右側面14a、背面14b、左側面14c、前面14dおよび上面14eを形成している。
【0032】
筐体14の背面14bには、開口部14baが設けられており、当該開口部14baにダクトホースを接続可能な構成となっている(図4を参照する。)。なお、この開口部14baの近傍には印刷装置12に設けられた排気ファン50(後述する。)が位置することになり、排気手段50により筐体14内部の空気をダクトホースを介して筐体14外部に排出するようになされている。
【0033】
上面14eは、前方側に傾斜した前方傾斜面14eaと後方側に傾斜した後方傾斜面14ebとにより形成されており、前方傾斜面14eaと後方傾斜面14ebとが接合部14ecにおいて接合している。
【0034】
また、上面14eから前面14dにかけて開口部14fが設けられており、この開口部14fには、上面14eから前面14dにかけた形状に合わせて成形された開閉カバー16が設けられている。
【0035】
この開閉カバー16は、当該開閉カバー16を閉じた状態であっても筐体14内部が視認可能なように透明のアクリル板により形成された窓部16aが形成されている。
【0036】
また、窓部16aは、筐体14内部に収容される印刷装置12に設けられた紫外線照射ランプ44、46(後述する。)から照射される紫外線を吸収する加工が施されている。
【0037】
さらに、筐体14の開口部14fにおいては、筐体14内において開口部14fの周囲に折返し部14faが設けられており、開閉カバー16を閉じた状態のときに、当該折返し部14faと開閉カバー16とが当接し、当該折返し部14fa上に開閉カバー16が位置するようになる。
【0038】
これにより、筐体14内に収容される印刷装置12に設けられた紫外線照射ランプ44、46(後述する。)から照射される紫外線の、開閉カバー16の窓部16aおよび開閉カバー16と筐体14とが当接した部分からの漏れが極めて少量なものになる。このため、筐体14の外部に漏れる紫外線は、特許文献1に開示されたような従来の技術によるインクジェットプリンタの外部に漏れる紫外線と比較して著しく減少するものである。
【0039】
即ち、筐体14は、ベース部材18、右側面14a、背面14b、左側面14c、前面4d、上面14eおよび開閉カバー16により、印刷装置12を囲んで、筐体14内部に収容するようにしたものである。
【0040】

また、印刷装置12は、ベース部材18上に形成されており、ベース部材18の左方側には、インクカートリッジを収容するカートリッジ収容部32が配設され、ベース部材18の右方側にはマイクロコンピューターなどの制御部(図示せず。)やインクヘッド30(後述する。)のクリーニングを行うクリーニングユニット(図示せず。)が配設されている。
【0041】
また、ベース部材18の略中央部はメディアが載置されるとともに、前方側、後方側、上方側および下方側に移動可能な移動機構52(後述する。)を備えたテーブル22が配設されている。
【0042】
さらに、テーブル22の上方側においては、左右方向に延設された中央壁24の壁面24aにガイドレール26が配設され、このガイドレール26にはホルダー28が摺動自在に装着されている。そして、このホルダー28には、メディア上に紫外線硬化インクを吐出するとともに、テーブル22上に載置されるメディアと対向するようにしてインクヘッド30が固定的に配設されている。
【0043】
また、ガイドレール26は、筐体14の上面14eにおける前方傾斜面14eaと下方傾斜面14ebとが接合する接合部14ecの下方側近傍に位置するようになされている。つまり、ガイドレール26が筐体14の上面14eの接合部14ecの下方側近傍に位置するように、ガイドレール26の配置位置および筐体14の上面14eの寸法が設計されている。
【0044】
なお、印刷装置12の全体の動作は、ベース部材18の右方側に設けられた制御部(図示せず。)により制御されており、必要に応じて、作業者により操作子群20(後述する。)が操作され、当該操作の内容に基づいて当該制御部により印刷装置12の動作が制御されるものである。
【0045】
また、印刷装置12は、筐体14内に収容されるものであるが、カートリッジ収容部32やテーブル22が配設された領域は、開閉カバー16を開けることにより開放される(図2、3を参照する。)。
【0046】
ここで、ホルダー28は、図示しない駆動装置によってガイドレール26に沿って左右方向に移動するものであり、以下、ホルダー28が移動する方向を走査方向と適宜に称することとする。
【0047】
ホルダー28には、走査方向と一致する方向に一列に並んで6つのインクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6が配設されている(図6を参照する。)。これら6つのインクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6は、それぞれインクジェット方式により紫外線硬化インクを吐出するものであって、ベース部材18の左方側に設けられたカートリッジ収容部32内に配設され、それぞれ異なる色彩のインクを収容するインクカートリッジ34−1、34−2、34−3、34−4、34−5、34−6とインクチューブ36を介して接続されている。
【0048】
なお、中央壁24の後方側には、走査方向(つまり、左右方向である。)に延設された断面略U字形状のガイド部材38が配設されており、当該ガイド部材38内にインクチューブ内のインクを循環するためのインクチューブモーター40が配設される。
【0049】
また、中央壁24およびガイド部材38はそれぞれ、左方側の端部において筐体14の左側面14cと接続されるとともに、左方側の端部において筐体14の右側面14aと接続される。これにより、筐体14においては、左側面14cおよび右側面14aを固定するための支柱などを設ける必要がなくなり、筐体14を構成する構成部品が少なくて済む。
【0050】

また、ホルダー28においては、左右両端部においてメディアと対向するようにして紫外線照射ランプ44、46が配設されている(図6を参照する。)。
【0051】
そして、ホルダー28に配設された6つのインクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6には、6つのインクカートリッジ34−1、34−2、34−3、34−4、34−5、34−6のそれぞれに収容された紫外線硬化インクがインクチューブモーター40によりインクチューブ36を介して供給されるものである。
【0052】
また、インクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6の下面にはそれぞれ、供給された紫外線硬化インクをメディアに対して吐出する吐出口としてインクジェットノズル(図示せず。)が複数個配設されている。
【0053】
さらに、紫外線照射ランプ44、46は、インクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6のインクジェットノズル(図示せず。)から吐出される紫外線硬化インクの飛滴が落下するメディア上に紫外線を照射して、メディア上において紫外線硬化インクを硬化させるものである。
【0054】
また、ホルダー28は、駆動装置(図示せず。)によってガイドレール26上を走査方向に移動するものである。これによりホルダー28に固定的に配設されたインクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6および紫外線照射ランプ44、46もホルダー28の移動に伴ってメディア上を走査方向に移動する。
【0055】
このとき、走査方向において行き方向から帰り方向に折り返す折返位置Pおよび帰り方向から行き方向に折り返す折返位置Qが予め設定されており、この各折返位置において走査方向が変更される。
【0056】
即ち、インクヘッド30−1、30−2、30−3、30−4、30−5、30−6および紫外線照射ランプ44、46はホルダー28と一体的に、右側面14a側から左側面14c側へと走査方向における行き方向で移動し、折返位置Pに到達すると移動方向が変更され、左側面14c側から右側面14a側へと走査方向における帰り方向で移動することとなる(図5を参照する。)。
【0057】

また、カートリッジ収容部32は、ベース部材18の左方側における後方側に配設され、それぞれ異なる色彩のインクが収容されたインクカートリッジ34−1、34−2、34−3、34−4、34−5、34−6を着脱可能に収容することができる。
【0058】
また、カートリッジ収容部32は、前面に開閉蓋32aが設けられており、インクカートリッジ34−1、34−2、34−3、34−4、34−5、34−6を交換する場合には、この開閉蓋32aを開けて交換すべきインクカートリッジの交換を行い(図7を参照する。)、インクカートリッジの交換が終了したら開閉蓋32aを閉めた状態とする(図2を参照する。)。なお、こうした開閉蓋32aは、ガイドレール26の前面よりも後方側に位置するように設計されている。
【0059】
このようにしてカートリッジ収容部32をベース部材18の左方側における後方側に配設することにより、カートリッジ収容部32の前方側には何も配設されていない空間が形成されることとなる。
【0060】

また、テーブル22は、移動機構52の上方側に設けられており、この移動機構52により前方側、後方側、上方側および下方側に移動することが可能となっている(図8を参照する。)。
【0061】
移動機構52は、前方側および後方側に移動する移動機構54と上方側および後方側に移動する移動機構62とから構成されるものである。
【0062】
移動機構54は、ベース部材18上に形成された凹部18a内に前後方向に延設されたレール56と、レール56と摺動自在に配設される台座58と、制御部(図示せず。)により台座58をレール56上で前後方向に移動するモーター60とを有して構成されている。
【0063】
レール56は、前後方向、つまり、ガイドレール26と直交する方向に延設されており、レール56に摺動自在に配設された台座58は、モーター60の駆動によりレール56を前方側および後方側に移動することができる。これにより、台座58はガイドレール26より前方側に位置することが可能となるとともに、ガイドレール26より後方側に位置することが可能となる。従って、移動機構52の上方側に設けられるテーブル22もガイドレール26より前方側に位置することが可能となるとともに、ガイドレール26より後方側に位置することが可能となる。
【0064】
また、移動機構54において台座58が最も後方側に位置するときには、テーブル22は検出装置80(後述する。)よりも後方側に位置し、移動機構54において台座58が最も前方側に位置するときには、テーブル22は検出装置80(後述する。)よりも前方側に位置することとなる。
【0065】
また、移動機構62は、台座58において昇降可能に設けられた昇降部材64と、制御部(図示せず。)により昇降部材64を上下方向で移動するモーター66とを有して構成されている(図9、10を参照する。)。
【0066】
台座58内には4つのネジ68a、68b、68c、68dが立設されており、この4つのネジと昇降部材64のに設けられた4つの孔64a、64b、64c、64dとがネジ結合により接続されている。
【0067】
また、4つのネジ68a、68b、68c、68dと、モーター66の回転軸66aとの間には、無端状にベルト70が張設されている。
【0068】
そして、モーター66が駆動して回転軸66aが矢印C方向に回転すると、ベルト70が矢印D方向に回転し、4つのネジ68a、68b、68c、68dはそれぞれ、矢印E方向に回転することとなり、これにより昇降部材64は上方側に移動することとなる。
【0069】
また、モーター66が駆動して回転軸66aが矢印F方向に回転すると、ベルト70が矢印G方向に回転し、4つのネジ68a、68b、68c、68dはそれぞれ、矢印H方向に回転することとなり、これにより昇降部材64は下方側に移動することとなる。
【0070】

また、印刷装置12の後方側における上方側には排気ファン50が設けられており、当該排気ファン50は、筐体14の背面14bに設けられた開口部14baを介して筐体14内の排気を行うものである。
【0071】
印刷装置12の右方側には、印刷装置12の動作や制御の処理の指示を行うために操作子群20が設けられており、この操作子群20には、操作状態や印刷終了など作業者に所定の情報を通知することが可能な表示部20a、印刷装置12を起動するためのキー、インクヘッド30の位置を指定するキー、画像データなどの信号に基づいて画像の作成を開始するためのキーや、光沢感のある印刷あるいは光沢感のない印刷のいずれかを選択するためのキーや、テーブル22の高さ位置を設定する際の開始となる高さ位置たる設定開始高さ位置を設定するためのキーや、印刷装置12を停止するためのキーなどが配設されているものである。
【0072】
また、印刷装置12の右方側には、インクヘッド30が待機位置に位置するときに、当該インクヘッド30のインクジェットノズル(図示せず。)などに付着した付着物を除去するワイパー(図示せず。)や当該インクジェットノズルが配置された領域を封止するキャップなどを備えたクリーニングユニット(図示せず。)が配設されている。さらに、印刷装置12の右方側には、クリーニングユニット(図示せず。)などから排出される廃インクを貯留する廃液ボトル72も備えられている。
【0073】

また、中央壁24においてガイドレール26の下方側であり、かつ、前方側および後方側に移動するテーブル22の上方側には、検出装置80が設けられている(図11(a)(b)を参照する。)。
【0074】
この検出装置80は、テーブル22に載置されたメディアとガイドレール26を走査方向に移動するインクヘッド30とが接触するか否かを検出するものであり、印刷装置12においては、検出装置80の検出結果に基づいて、制御部(図示せず。)によってテーブル22とインクへッド30との距離を制御するものである。
【0075】
検出装置80は、右方側において下方側に延設された板状部材82−1が設けられるとともに、走査方向に延設された検出部材82と、検出部材82が傾いたことを検出するセンサー84とを有して構成される(図11(b)、12、13を参照する。)。
【0076】
なお、検出装置80においては、検出部材82に設けられた板状部材82−1およびセンサー84は、カバー部材88により覆われている。
【0077】
検出部材82は、右側面82bに孔82−2が設けられており、左側面82cに孔82−3が設けられ、この孔82−2および孔82−3はそれぞれ同軸線上に設けられている。そして、この検出部材82は、中央壁24の下方側に設けられた固定部材86に、この孔82−2、82−3を介して回動可能に配設されている。
【0078】
つまり、検出部材82は、この孔82−2、82−3の軸線上で回動可能につり下げられた状態であって、このつり下げられた状態から当該軸線を回転軸として前方側および後方側に回動することとなる。なお、以下においては、検出部材82がつり下げられた状態にあることを初期状態と称することとする。
【0079】
また、検出部材82は、前面82aの下方側は前方側に傾斜した傾斜部82aaが設けられており、後面82cの下端部82caより前面82aの下端部82aaaの方が下方側に位置している(図14を参照する。)。
【0080】
なお、検出部材82は、前面82aの下端部82aaa高さ位置が、インクヘッド30の下端部、つまり、インクヘッド30に設けられたインクジェットノズル(図示せず。)の下面より、わずかに下方側に位置するようにして固定部材86に固定されている。
【0081】
さらに、右側面82bに右方側に突出した突部82baが設けられており、この82baにバネ82−4が設けられている。
【0082】
このバネ82−4は、一方の端部82−4aを突部82baに設けられた孔82baaに配設されるとともに、他方の端部82−4bを固定部材86において左方側に突出した突部86aに設けられた孔86aaに配設される。この際、バネ82−4は、一定の張力が生じるように設計されている。
【0083】
このため、検出部材82が前方側または後方側に回動した際には、バネ82−4の付勢力により、検出部材82は初期状態に戻ることができるとともに、当該付勢力により、振動により検出部材82が前方側または後方側に回動してしまうことを防止することができる。
【0084】
また、板状部材82−1は、検出部材82の右方側に設けられており、下端部82−1aにおいて右方側に突出した板部82−1bが形成されている。
【0085】
そして、検出部材82が前方側に回動すると、板状部材82−1も前方側に回動し、検出部材82が後方側に回動すると、板状部材82−1も後方側に回動することとなる。
【0086】
センサー84は、制御部(図示せず。)に接続されるとともに、固定部材86に設けられており、一定の間隔を開けて投光部84−1と受光部84−2とを備えている。
【0087】
そして、このセンサー84は、検出部材82が固定部材86に配設された際に、投光部84−1と受光部84−2との間に、板状部材82−1の板部82−1bがそれぞれ接することなく位置するようにして固定部材86に配設される。
【0088】
そして、センサー84は、検出部材82の回動に伴って板状部材82−1に設けられた板部82−1bが前方側または後方側に移動すると(図15、16を参照する。)、投光部84−1から投光された光が受光部84−2において受光されることになる。
【0089】
センサー84は、接続された制御部(図示せず。)に受光部84−2において受光したという信号を出力する。これにより、当該制御部においてテーブル22に載置されたメディアの検出が可能となる。
【0090】
即ち、検出装置80においては、テーブル22が後方側から前方側に移動する際に、テーブル22に載置されたメディアがインクヘッド30の下端部に接触する高さ位置に位置する場合には、メディアが検出部材82の前面82aに接触することとなり、検出部材82は前方側に回動する(図15に示す状態である。)。
【0091】
すると、投光部84−1から投光される光を遮蔽していた板部82−1bが前方側に移動し、これにより当該光が受光部84−2に受光され、センサー84から受光部84−2において受光したという情報が制御部(図示せず。)に出力されて、当該制御部で検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。
【0092】
また、テーブル22が前方側から後方側に移動する際には、テーブル22に載置されたメディアがインクヘッド30の下端部に接触する高さ位置に位置する場合には、メディアが検出部材82の前面82aに接触することとなり、検出部材82は後方側に回動する(図16に示す状態である。)。
【0093】
すると、投光部84−1から投光される光を遮蔽していた板部82−1bが後方側に移動し、これにより当該光が受光部84−2に受光され、センサー84から受光部84−2において受光したという情報が制御部(図示せず。)に出力されて、当該制御部で検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。
【0094】

以上の構成において、インクジェットプリンタ10においてメディアに対して印刷を行う場合には、まず、作業者は操作子群20を操作して電源を入れる。すると、制御部(図示せず。)の制御により、移動機構52が作動され、ガイドレール26の後方側に位置しているテーブル22が高さ方向の最も下方側に位置した状態で前方側に移動され、テーブル22がガイドレール26の前方側に位置される。さらに、制御部(図示せず。)によりクリーニングユニット(図示せず。)が制御され、ンクジェットノズル(図示せず。)が配置された領域からキャップを外した状態となる。
【0095】
その後、作業者は開閉カバー16を開けて、テーブル22上にメディアを印刷面を上方側に向けて載置する。この際、作業者はカートリッジ収容部32の前方側に形成された空間内に、次に印刷するメディアを置くなどするようにしてもよい。
【0096】
そして、テーブル22上にメディアを載置した後に、作業者は開閉カバー16を閉め、外部コンピューターから印刷データを入力するとともに、操作子群20により設定開始高さ位置や、「光沢感あり」あるいは「光沢感なし」といった印刷結果の質感の選択の選択や、「単方向印刷」あるいは「双方向印刷」といった印刷の種類の選択など、印刷に必要となる情報を入力し、操作子群20を操作して印刷を開始すると、印刷処理が開始される。
【0097】

ここで、図17のフローチャートには、印刷処理の詳細な内容が示されており、この印刷処理においては、まず、メディアを載置したテーブル22の高さ方向の印刷位置を設定する設定処置を行う(ステップS1702)。
【0098】
このステップS1702の処理においては、図18に示す設定処理により、メディアが載置されたテーブル22を、インクヘッド30とメディアとが接触しないように、自動的にメディアの高さ方向の印刷位置を設定する。
【0099】

ここで、図18のフローチャートには、設定処理の詳細な内容が示されており、このテーブル高さ位置決定処理においては、まず、メディアが載置されたテーブル22を、テーブル22が高さ方向の最も下方側に位置した状態で移動機構54において台座58を最も後方側に移動させる、つまり、テーブル22を最も後方側に移動させる(ステップS1802)。
【0100】
次に、予め入力されたテーブル22の設定開始高さ位置に基づいて、移動機構62によりテーブル22の高さを設定開始高さ位置に移動させる(ステップS1804)。
【0101】
そして、移動機構54によりテーブル22を後方側から前方側に移動させる(ステップS1806)。
【0102】
ステップS1806の処理でテーブル22を後方側から前方側に移動させている際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS1808)。
【0103】
即ち、ステップS1808の判断処理においては、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0104】
このステップS1808の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、移動機構54による後方側から前方側へのテーブル22の移動が続けられて、テーブル22を最も前方側まで移動させる、つまり、移動機構54における台座58が最も前方側まで移動すると(ステップS1810)、テーブル22の高さ方向の位置を変更することなくテーブル22を最も後方側まで移動させる(ステップS1812)。
【0105】
そして、テーブル22が最も後方側まで移動すると、移動機構62により昇降部材64を上昇させることによりテーブル22を1.0mm上昇させ(ステップS1814)、ステップS1806の処理に進み、再度、移動機構54によりテーブル22を後方側から前方側に移動させ、ステップS1808以降の処理を行う。
【0106】
一方、ステップS1808の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアを検出したと判断された場合には、テーブル22の移動を直ちに停止する(ステップS1816)。
【0107】
このステップS1816の処理においては、制御部(図示せず。)において検出装置80においてメディアを検出したと判断されると、当該制御部により移動機構54が停止される。
【0108】
テーブル22の移動を停止した後に、停止位置において移動機構62によりテーブル22を0.5mm下降させる(ステップS1818)。
【0109】
次に、テーブル22を0.5mm下降させた際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS1820)。
【0110】
即ち、ステップS1820の判断処理は、ステップS1808の判断処理と同様に、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0111】
このステップS1820の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアを検出したと判断された場合には、ステップS1818の処理に進み、ステップS1818以降の処理を行う。
【0112】
一方、ステップS1820の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、移動機構54によりテーブル22の後方側から前方側への移動を再開する(ステップS1822)。
【0113】
つまり、ステップS1822の処理においては、検出装置80によりメディアを検出した際に停止した停止位置から再度移動が開始されることとなる。
【0114】
そして、テーブル22の後方側から前方側への移動を再開させた後に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS1824)。
【0115】
即ち、ステップS1824の判断処理は、ステップS1808やステップS1820の判断処理と同様に、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0116】
このステップS1824の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアを検出したと判断された場合には、ステップS1816の処理に進み、テーブル22の移動を直ちに停止し、ステップS1818以降の処理を行う。
【0117】
一方、ステップS1824の判断処理において、センサーセンサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、テーブル22が最も前方側まで移動し(ステップS1826)、このときのテーブル22の高さ方向の位置を高さ方向における印刷位置として設定し(ステップS1828)、設定処理を終了する。
【0118】
つまり、このステップS1828の処理においては、設定される高さ方向の印刷位置を制御部(図示せず。)に設けられた記憶部(図示せず。)に記憶するものである。この記憶部(図示せず。)に記憶された印刷位置は、次の設定処理が開始されるときに削除される。
【0119】

そして、ステップS1702の処理により、テーブル22の高さ方向の印刷位置が設定されると、次に、テーブル22上に載置されたメディアの印刷領域を入力する(ステップS1704)。
【0120】
このステップS1704の処理においては、作業者は、操作子群20を操作して、ホルダー28を走査方向の行き方向および帰り方向で移動させるとともに、テーブル22を移動機構52により前方側から後方側に移動させ、このときにメディアにおける印刷領域を入力する。なお、入力したデータは制御部(図示せず。)に設けられた記憶部(図示せず。)に記憶される。この記憶部(図示せず。)に記憶されたデータについては、次の入力データが入力される際に削除される。
【0121】
その後、テーブル22の高さ方向の印刷位置の確認処理を行う(ステップS1706)。
【0122】

ここで、図19のフローチャートには、このステップS1706における確認処理の詳細な処理内容が示されており、確認処理においては、まず、移動機構62によりテーブル22を高さ方向の最も下方側に位置させた状態とする(ステップS1902)。
【0123】
そして、移動機構54によりテーブル22を最も後方側に移動させ(ステップS1904)、その後、移動機構62により、ステップS1702の処理において設定されたテーブル22の高さ方向の印刷位置までテーブル22を移動させる(ステップS1906)。
【0124】
テーブル22を印刷位置まで移動させると、移動機構54によりテーブル22を後方側から前方側へ移動させる(ステップS1908)。
【0125】
ステップS1908の処理でテーブル22を後方側から前方側に移動させている際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS1910)。
【0126】
即ち、ステップS1910の判断処理においては、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0127】
このステップS1910の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、移動機構54により後方側から前方側へのテーブル22の移動が続けられて、テーブル22を最も前方まで移動させる(ステップS1912)。
【0128】
そして、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触しないことが確認され(ステップS1914)、確認処理を終了する。
このステップS1914の処理においては、制御部(図示せず。)において、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触しないとの確認情報が、当該制御部に設けられた記憶部(図示せず。)に記憶される。この記憶部(図示せず。)に記憶された確認情報は、後述するステップS1712の処理で印刷が開始されると削除させる。
【0129】
なお、ステップS1914の処理においては、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触せず安全が確認された旨を表示部20aを介して作業者に通知するようにしてもよい。
【0130】
一方、ステップS1910の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアが検出されたと判断された場合には、テーブル22の移動を直ちに停止する(ステップS1916)。
【0131】
このステップS1916の処理においては、制御部(図示せず。)において検出装置80においてメディアを検出したと判断されると、当該制御部により移動機構54が停止される。
【0132】
テーブル22の移動を停止した後に、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触した旨を、表示部20aを介して作業者に通知し(ステップS1918)、確認処理を終了する。

そして、ステップS1706の確認処理による確認結果に基づいて、安全に印刷することが可能であるか否かの判断を行う(ステップS1708)。
【0133】
即ち、ステップS1708の判断処理においては、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触しないと確認された場合には、制御部(図示せず。)により安全に印刷することが可能であると判断され、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触すると確認された場合には、制御部(図示せず。)により安全に印刷印刷することが不可能であると判断される。
【0134】
ステップS1708の判断処理において、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触することが確認されたため安全に印刷することが不可能であると判断された場合には、作業者に、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触することが確認されたため安全に印刷することが不可能である旨を通知し(ステップS1710)、印刷処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS1708の判断処理において、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触しないことが確認されたため安全に印刷することが可能であると判断された場合には、作業者が予め入力した情報に基づいて、テーブル22を移動機構52により後方側から前方側に移動させ、かつ、ホルダー28を走査方向の行き方向および帰り方向で移動させながら、メディアの印刷面に紫外線硬化インクによる印刷を行う(ステップS1712)。なお、作業者が予め入力した情報とは、例えば、印刷データ、印刷結果の質感の選択および印刷の種類の選択などである。
【0136】

具体的には、ステップS1712の処理においては、作業者により予めなされた設定が、印刷の質感の選択において「光沢感あり」が選択され、印刷の種類において「単方向印刷」を選択された場合、制御部(図示せず。)により紫外線照射ランプ44は印刷中は常時点灯し、紫外線照射ランプ46は印刷中は常時消灯するように制御される。
【0137】
そして、待機位置から走査方向の行き方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出され、紫外線効硬化インクの飛滴がメディアの印刷面の所定の位置に落下する。
【0138】
こうして走査方向の行き方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されるときは、行き方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ44は点灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ46は消灯している。
【0139】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上に、紫外線は照射されず、当該飛滴は、印刷面上の所定の位置に落下したままで、印刷面上において硬化することはない。
【0140】
そして、走査方向における行き方向で移動するホルダー28が折返位置Pに到達すると、その移動方向が走査方向の帰り方向に変更される。なお、折返位置は、予め設定している位置であってもよいし、ステップS1102の処理において入力した入力結果に基づいて算出した位置であってもよい。
【0141】
こうして走査方向の帰り方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときには、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクは吐出されない。
【0142】
こうして走査方向の帰り方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されないときには、帰り方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線硬化ランプ46は消灯しており、インクヘッド30の後段に位置する紫外線硬化ランプ44は点灯している。
【0143】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上に、紫外線硬化ランプ44から紫外線が照射されて当該飛滴が印刷面上で硬化する。
【0144】
こうして、印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、紫外線が照射されるまでに所定の時間が経過している。
【0145】
このため、メディアの印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、その表面状態が平滑な状態で硬化されることとなり、粒子感のない光沢感のある印刷結果となる。
【0146】

また、作業者により予めなされた設定が、印刷の質感の選択において「光沢感あり」が選択され、印刷の種類において「双方向印刷」を選択された場合、制御部(図示せず。)により紫外線照射ランプ44は行き方向において点灯し、帰り方向において消灯するように制御され、紫外線照射ランプ46は行き方向において消灯し、帰り方向において点灯するように制御される。
【0147】
そして、待機位置から走査方向の行き方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出され、紫外線効硬化インクの飛滴がメディアの印刷面の所定の位置に落下する。
【0148】
こうして走査方向の行き方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されるときは、行き方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ44は点灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ46は消灯している。
【0149】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上に、紫外線は照射されず、当該飛滴は、印刷面上の所定の位置に落下したままで、印刷面上において硬化することはない。
【0150】
そして、走査方向における行き方向で移動するホルダー28が折返位置Pに到達すると、その移動方向が走査方向の帰り方向に変更される。この際、行き方向で移動する際に点灯していた紫外線照射ランプ44を消灯させ、行き方向で移動する際に消灯していた紫外線照射ランプ46を点灯させる。
【0151】
その後、走査方向の帰り方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出され、紫外線硬化インクの飛滴がメディアの印刷面の所定の位置に落下する。
【0152】
こうして走査方向の帰り方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されるときには、帰り方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ46は点灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ44は消灯している。
【0153】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上には、帰り方向で移動する紫外線照射ランプ46から紫外線が照射されて、当該飛滴は印刷面上において硬化する。
【0154】
一方、走査方向の帰り方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上には、帰り方向で移動するインクヘッド30の後段に位置する紫外線照射ランプ44は消灯しているので、紫外線が照射されず、当該飛滴は印刷面上において硬化することはない。
【0155】
そして、走査方向の帰り方向で移動するホルダー28が折返位置Qに到達すると、その移動方向を行き方向に変更する。この際、帰り方向で移動する際に点灯していた紫外線照射ランプ46を消灯させ、帰り方向で移動する際に消灯していた紫外線照射ランプ44を点灯させる。
【0156】
その後、走査方向の行き方向の移動で、ホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出され、紫外線効硬化インクの飛滴がメディアの印刷面の所定の位置に落下する。
【0157】
こうして走査方向の行き方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されるときは、行き方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ44は点灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ46は消灯している。
【0158】
その結果、走査方向の帰り方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上には、行き方向で移動する紫外線照射ランプ44から紫外線が照射されて、当該飛滴は印刷面上において硬化する。
【0159】
一方、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上には、行き方向で移動するインクヘッド30の後段に位置する紫外線照射ランプ46は消灯しているので紫外線が照射されず、当該飛滴は印刷面上において硬化することはない。
【0160】
こうして、印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、紫外線が照射されるまでに所定の時間が経過している。
【0161】
このため、メディアの印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、その表面状態が平滑な状態で硬化されることとなり、粒子感のない光沢感のある印刷結果となる。
【0162】

また、作業者により予めなされた設定が、印刷の質感の選択において「光沢感なし」が選択され、印刷の種類において「単方向印刷」を選択された場合、制御部(図示せず。)により紫外線照射ランプ44は常時消灯するように制御され、紫外線照射ランプ46は、常時点灯するように制御される。
【0163】
そして、待機位置から走査方向の行き方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出され、紫外線効硬化インクの飛滴がメディアの印刷面の所定の位置に落下する。
【0164】
こうして走査方向の行き方向の移動で紫外線硬化インクが吐出されるときは、行き方向において移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ44は消灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ46は点灯している。
【0165】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上に、行き方向で移動する紫外線照射ランプ46から紫外線は照射され、当該飛滴は印刷面上において硬化する。
【0166】
ここで、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下した印刷面上には、その後直ちに行き方向で移動するインクヘッド30の後段に位置する紫外線照射ランプ46から紫外線が照射されることになる。
【0167】
即ち、印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、非常に短い時間しか経過していない状態で紫外線が照射されることになる。
【0168】
このため、メディアの印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは表面状態が平滑になる前に硬化されることとなり、粒子感あって光沢感のない印刷結果となる。
【0169】

また、作業者により予めなされた設定が、印刷の質感の選択において「光沢感なし」が選択され、印刷の種類において「双方向印刷」を選択された場合、制御部(図示せず。)により紫外線照射ランプ44は行き方向で移動する際には消灯し、帰り方向で移動する際には点灯するように制御され、紫外線照射ランプ46は行き方向で移動する際に点灯し、帰り方向で移動する際に消灯するよう制御される。
【0170】
そして、待機位置から走査方向の行き方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出されるときには、行き方向で移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ44は消灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ46は点灯している。
【0171】
その結果、走査方向の行き方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線効硬化インクの飛滴が落下したメディアの印刷面上には、その後直ちに紫外線照射ランプ46から紫外線が照射されることになる。
【0172】
一方、走査方向の帰り方向でホルダー28とともにインクヘッド30および紫外線照射ランプ44、46が一体的に移動するときに、インクジェットノズル(図示せず。)から紫外線硬化インクが吐出されるときには、帰り方向で移動するインクヘッド30の前段に位置する紫外線照射ランプ46は消灯しており、後段に位置する紫外線照射ランプ44は点灯している。
【0173】
その結果、走査方向の帰り方向において移動するインクヘッド30から吐出された紫外線硬化インクの飛滴が落下したメディアの印刷面上には、その後直ちに紫外線照射ランプ44から紫外線が照射されることになる。
【0174】
即ち、印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは、非常に短い時間しか経過していない状態で紫外線が照射されることになる。
【0175】
このため、メディアの印刷面上に吐出された紫外線硬化インクは表面状態が平滑になる前に硬化されることとなり、粒子感あって光沢感のない印刷結果となる。
【0176】

また、このステップS1712の処理においては、上記したような印刷中に、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触したか否かを監視する監視処理が行われる。即ち、印刷が開始されると同時に、印刷を行っている際の監視処理が開始される。
【0177】
ここで、図20に示すフローチャートには、このステップS1712における印刷を行っている際の監視処理の詳細な処理内容が示されており、この印刷を行っている際の監視処理においては、まず、後方側から前方側へテーブル22を移動させて印刷を行う(ステップS2002)。
【0178】
そして、ステップS2002の処理でテーブル22を後方側から前方側に移動させて印刷を行っている際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS2004)。
【0179】
即ち、ステップS2004の判断処理においては、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0180】
このステップS2004の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、印刷が終了したか否かの判断を行う(ステップS2006)。
【0181】
このステップS2006の判断処理において、印刷が終了していないと判断されると、ステップS2002の処理に戻り、テーブル22を後方側から前方側へ移動させて印刷を行い、ステップS2004以降の処理を行う。
【0182】
一方、ステップS2006の判断処理において、印刷が終了したと判断されると、監視処理が終了する。
【0183】
また、ステップS2004の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアが検出されたと判断された場合には、テーブル22の移動を直ちに停止する(ステップS2008)。
【0184】
このステップS2008の処理においては、制御部(図示せず。)において検出装置80においてメディアを検出したと判断されると、当該制御部により移動機構54が停止される。
【0185】
テーブル22の移動を停止した後に、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触した旨を、表示部20aを介して作業者に通知し(ステップS2010)、印刷を継続するか否かを作業者に選択させる(ステップS2012)。
【0186】
なお、ステップS2012の処理においては、表示部20aに印刷を継続するまたは継続しないという選択肢を表示させ、作業者は操作子群20に設けられたカーソルキーなどにより当該選択肢のいずれか一方を選択することとなる。
【0187】
そして、制御部(図示せず。)において、ステップS2012の処理で作業者は印刷を継続するを選択したか否かの判断を行う(ステップS2014)。
【0188】
このステップS2014の判断処理において、印刷を継続すると選択した場合には、停止位置において移動機構62によりテーブル22を0.5mm下降させる(ステップS2016)。
【0189】
その後、テーブル22を0.5mm下降させた際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS2018)。
【0190】
即ち、ステップS2018の判断処理は、ステップS2004の判断処理と同様に、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0191】
このステップS2018の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアを検出したと判断された場合には、ステップS2014の処理に進み、ステップS2016以降の処理を行う。
【0192】
また、ステップS2018の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアが検出されていないと判断された場合には、ステップS2002の処理に進み、移動機構54によりテーブル22の後方側から前方側への移動を再開する。つまり、テーブル22の後方側から前方側への移動が再開されるときには、検出装置80によりメディアを検出した際に停止した停止位置から再度移動が開始されることとなる。その後、ステップS2004の処理以降の処理が行われる。
【0193】
一方、ステップS2014の判断処理において、印刷を継続しないと選択したと判断された場合には、そのまま印刷を終了し(ステップS2020)、監視処理を終了する。
【0194】

そして、ステップS1712の処理が終わると、制御部(図示せず。)による制御により、印刷が終了した旨を操作子群20の表示部20aに表示し(ステップS1714)、ホルダー28を待機位置まで移動させ、クリーニングユニット(図示せず。)によりインクジェットノズル(図示せず。)および当該インクジェットノズルの近傍をクリーニングし、クリーニングが終了するとキャップによりインクジェットノズルが配設された領域をキャップにより封止し(ステップS1716)、印刷処理を終了する。
【0195】

そして、上記した印刷処理が終了すると、作業者は開閉カバー16を開けて、印刷処理されたメディアを取り出す。その後、再度別のメディアに印刷を行う場合には、印刷処理を行うメディアをテーブル22上に載置し、操作子群20を操作して印刷を開始する。このとき、先の印刷と同じ印刷を行う場合には、印刷データの入力や操作子群20を操作して印刷に必要な情報を入力することなく操作子群20を操作して印刷を開始する。一方、先の印刷の異なる印刷(例えば、異なる質感の印刷結果を取得したい場合などである。)を行う場合には、先の印刷と異なる情報の再入力を行った後に、操作子群20を操作して印刷を開始することとなる。
【0196】
その後、メディアへの印刷が終了すると、作業者により操作子群20を操作されて電源が切られると、制御部(図示せず。)により移動機構52が制御されて、テーブル22をガイドレール26の前方側からガイドレール26の後方側に移動させて電源が切られる。
【0197】

以上において説明したように、インクジェットプリンタ10は、ガイドレール26の下方側であり、かつ、テーブル22の上方側に、右方側に板状部材82−1が設けられるとともに、中央壁24に回動可能に設けられた検出部材82と、板状部材82−1の先端部において右方側に屈曲して設けられた板部82−1bが投光部84−1と受光部84−2とに間に位置するように配設されたセンサー84とにより構成された検出装置80を備えるようにした。
【0198】
そして、印刷を開始する前に、検出装置80を用いてテーブル22の印刷位置を設定する設定処理において、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触することのない印刷位置にテーブル22を自動的に設定するようにした。
【0199】
また、印刷を開始する前に、設定されたテーブル22の印刷位置においてメディアとインクヘッド30の下端部とが接触するか否かを確認し、安全に印刷できるか確認できるようにした。
【0200】
さらに、印刷を行っている際に、メディアとインクヘッド30の下端部とが接触するか否かを監視するようにし、印刷中にメディアの高さ方向に位置が変化しても、メディアとインクヘッド30の下端部とが接触しないようにした。
【0201】
これにより、フラットヘッドタイプのインクジェットプリンタ10においては、メディアを傷めることなくメディアを検出することができ、印刷開始前に自動的にテーブル22の高さ方向の印刷位置を設定することができるようになる。
【0202】
さらに、インクジェットプリンタ10においては、設定した印刷位置において安全に印刷できるか確認できるとともに、印刷中にメディアの高さ方向の位置が変化したとしても、検出装置80によりメディアとインクヘッド30の下端部とが接触することがなくなる。
また、検出部材82をガイドレール26の下方側であり、かつ、テーブル22の上方側において回動可能に配設するようにしたため、従来の技術によるインクヘッドに固定的に設けられた突出部がメディアの接触する場合と比べて、メディアへの衝撃が小さくなり、テーブル22に載置されたメディアが移動し難くなる。
【0203】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(12)に示すように変形することができるものである。
【0204】
(1)上記した実施の形態においては、紫外線硬化インクと当該紫外線硬化インクに対して紫外線を照射する紫外線照射ランプ44、46を用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、紫外線とは異なる放射線の可視光や電子線あるいは、その他の光を照射する光照射手段を用い、当該光照射手段により照射された光によって固化あるいは増粘する性質を有する各種インクを用いるようにしてもよい。
【0205】
さらに、インクヘッド30から吐出されるインクの種類は、特に限定されるものではなく、紫外線硬化インク以外のインク、例えば、顔料系インク、染料系インク、溶剤インク、水性インク(昇華インク)、新溶剤系のエコソルインクなどの様々な種類のインクやコーティング剤や下地剤などが使用可能なものである。
【0206】
その際には、ホルダー28においては、紫外線照射ランプ44、46は設けられることはないものであるが、紫外線照射ランプ44、46に代えて、使用するインクに応じた硬化手段を設けるようにしてもよい。
【0207】
(2)上記した実施の形態においては、上面14eを前方傾斜面14eaと後方傾斜面14ebとにより構成されるようにして筐体14を形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、上面を平板状とし、筐体14の外形を略直方体形状とするようにしてもよく、要は、印刷装置12を収容することができるとともに、内部空間と外部空間とを隔絶することが可能な構成であれば、筐体14はどのような形状であってもよい。
【0208】
(3)上記した実施の形態においては、特に記載しなかったが、印刷装置12によるメディアへの印刷中に開閉カバー16が作業者により開けられた場合には、制御部(図示せず。)によって印刷装置12によるメディアへの印刷を中止するように制御するようにしてもよい。
【0209】
この際には、開閉カバー16の開閉を検知するセンサーなどを設け、当該センサーによる検知結果に基づいて、制御部(図示せず。)により印刷を中止するように制御する。
【0210】
(4)上記した実施の形態においては、印刷装置12において、テーブル22上にメディアを載置し、テーブル22を前方側から後方側に移動させながらメディアに対して印刷を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0211】
例えば、印刷装置12のテーブル22に換えて、回転ユニット104を設けるようにしてもよい(図21を参照する。)。
【0212】
こうした回転ユニット104を用いることによって、円筒、円柱あるいは球などの形状のメディアに対して印刷を行うことができるようになる。
【0213】
以下、図12を参照しながら、回転ユニットについて詳細に説明する。
【0214】
この回転ユニット104は、ベース部材18上に配設される上下方向駆動ユニット106と、上下方向駆動ユニット106の上面106aの左方側に固定的に配設される回転軸駆動ユニット108と、上下方向駆動ユニット106の上面106aにおいて回転軸駆動ユニット108の右方側に配設される支持ユニット110と、回転軸駆動ユニット108の右側面108aに設けられた保持部材112と、保持部材112と対をなして支持ユニット110の左側面110aに設けられた保持部材114とを有して構成されている。
【0215】
支持ユニット110は、上下方向駆動ユニット106の上面106a上に走査方向に平行に設けられた溝106b上を摺動自在に設けられており、支持ユニット110を走査方向に移動させて、左側面110aに設けられた保持部材114と回転軸駆動ユニット108の右側面108aに設けられた保持部材112とによって、円筒、円柱あるいは球などの形状のメディアを保持するようにしている。
【0216】
また、支持ユニット110には、支持ユニット固定部110−1が設けられており、この支持ユニット固定部110−1により上下方向駆動ユニット106に設けられた溝106b上の任意の位置で支持ユニット110を固定することができる。
【0217】
支持ユニット110の左側面110aに設けられた保持部材114は、略円柱形状に形成され、円筒、円柱あるいは球などの形状のメディアと当接する側面114aが凹んだ形状となっている。
【0218】
また、保持部材114は、側面114aと対向する側面114bの中心部において支持ユニット110の左側面110aに設けられた支持部材110aaに回転可能に支持されている。
【0219】
なお、この支持部材110aaは、後述する回転軸駆動ユニット108に設けられた回転軸108aaと同軸上に設けられている。
【0220】
また、回転軸駆動ユニット108の右側面108aに設けられた保持部材112は、保持部材114と同様の形状であって、略円筒形状に形成され、円筒、円柱あるいは球などの形状のメディアが当接する側面112aが凹んだ状態となっている。
【0221】
そして、保持部材112は、側面112aと対向する側面112bの中心部において回転軸駆動ユニット108の右側面108aから突出して設けられた回転軸(図示せず。)と接続されている。
【0222】
このため、保持部材112は、回転軸駆動ユニット108内に設けられた駆動モーター(図示せず。)により回転軸(図示せず。)が回転するものである。
【0223】
つまり、保持部材112と保持部材114とは同一の回転軸で回転するものであり、保持部材112および保持部材114により保持された円筒、円柱あるいは球などの形状のメディアは、回転軸駆動ユニット108内に設けられた駆動モーター(図示せず。)の駆動して当該回転軸周りに回転する。
【0224】
また、上下方向駆動ユニット106は、上記した移動機構52と同様の構成により前方側、後方側、上方側および後方側に移動するようにしてもよいし、ホルダー28が走査する下方側においてベース部材18に固定的に配設され、図示しない駆動モーターの駆動により上下方向に移動するようにしてもよい。
【0225】
(5)上記した実施の形態においは、ベース部材18の略中央部においてテーブル22を設けるようにし、右方側に制御部(図示せず。)、クリーニングユニット(図示せず。)、廃液ボトル72などを設けるようにし、左方側にカートリッジ収容部32を設けるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。つまり、左方側に制御部(図示せず。)、クリーニングユニット(図示せず。)、廃液ボトル72などを設けるようにし、右方側にカートリッジ収容部32を設けるようにしてもよい。
【0226】
(6)上記した実施の形態においては、操作子群20において、操作状態や印刷終了など作業者に所定の情報を通知することが可能な表示部20a、印刷装置12を起動するためのキー、インクヘッド30の位置を指定するキー、画像データなどの信号に基づいて画像の作成を開始するためのキーや、光沢感のある印刷あるいは光沢感のない印刷のいずれかを選択するキーや印刷するメディアの厚さを入力するためのキー、テーブル22の高さ位置を決定する際の開始高さ位置を設定するためのキー、印刷装置12を停止するためのキーなどが配設されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0227】
つまり、操作子群20に、設定可能な各種条件を表示したり、操作状態や印刷の終了など作業者に所定の情報を通知することが可能な表示部20aと、印刷装置12を起動および停止するためのキー、印刷を開始するためのキー、表示部20aに表示された各種条件を選択するカーソルキーや、選択した条件を決定するためのキーなどを設けるようにしてもよい。
【0228】
このとき、表示部20aに表示された各種条件のうちの選択可能な項目をカーソルキーなどにより選択し、選択した条件を決定するためのキーにより決定するようにする。
【0229】
このようにすることにより、操作子群20に設けるキーの数を少なくすることができる。
【0230】
(8)上記した実施の形態においては、監視処理において、ステップS2010の処理において、テーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触した旨を表示部20aに表示した後に、作業者に印刷を継続するか否かの選択を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0231】
即ち、作業者に印刷を継続するか否かを選択させることなく、ステップS2020の処理に進み、印刷を終了させるようにしてもよい。
【0232】
(9)上記した実施の形態においては、特に記載しなかったが、印刷を行っていないときにもメディアの高さ位置を監視するようにしてもよい。
【0233】
ここで、印刷を行っていないときとは、インクヘッド30またはテーブル22を移動させる処理を伴う処理であって、具体的には、規格外のメディア(つまり、本発明によるインクジェットプリンタ10において規定した印刷可能なメディアの大きさよりも大きいメディアのことである。)をテーブル22に載置したまま、操作子群20を操作してテーブル22を移動させた場合や規格外のメディアをテーブル22に載置したまま、インクヘッドメンテナンス操作を行った場合などが挙げられる。
【0234】
なお、インクヘッドメンテナンス操作においては、テーブル22を最も後方側移動させるため、規格外のメディアをテーブル22に載置していると当該メディアが検出装置80に検出され、メンテナンスのためにインクヘッドが動作する前にテーブル22に載置されたメディアとインクヘッド30の下端部とが接触することを確認することができる。
【0235】

ここで、図22のフローチャートには、印刷を行っていない際の監視処理の詳細な内容が示されており、この印刷を行っていない際の監視処理は、作業者が印刷以外のときにインクヘッド30またはテーブル22を移動さえる処理を行った場合に開始されるものである。
【0236】
即ち、この印刷を行っていない際の監視処理は、まず、テーブル22を前方側または後方側に移動させる(ステップS2202)。
【0237】
テーブル22を前方側または後方側に移動させている際に、検出装置80においてメディアが検出されたか否かの判断を行う(ステップS2204)。
【0238】
即ち、ステップS2204の判断処理は、ステップS2004の判断処理と同様に、センサー84において受光部84−2が受光したか否かを判断するものである。つまり、センサー84において受光部84−2が受光したと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されたと判断される。一方、センサー84において受光部84−2が受光していないと判断された場合には、制御部(図示せず。)により検出装置80においてメディアが検出されていないと判断される。
【0239】
このステップS2204の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光していない、つまり、メディアを検出されていないと判断された場合には、テーブル22をそのまま前方側または後方側に移動し、前方側に移動している場合にはテーブル22が最も前方側に移動し、後方側に移動している場合はテーブル22が最も後方側に移動し(ステップS2206)、印刷を行っていない際の監視処理を終了する。
【0240】
一方、ステップS2204の判断処理において、センサー84により受光部84−2が受光した、つまり、メディアを検知したと判断された場合には、テーブル22の移動を直ちに停止する(ステップS2208)。
【0241】
テーブル22の移動を停止した後に、テーブル22に載置したメディアとインクヘッド30の下端部とが接触した旨を、表示部20aを介して作業者に通知し(ステップS2210)、印刷を行っていない際の監視処理を終了する。
【0242】
(10)上記した実施の形態においては、設定処理において、テーブル22を最も前方側まで移動させた(ステップS1810)後に、テーブル22を最も後方側まで移動させて(ステップS1812)テーブル22を1.0mm上昇させ(ステップS1814)、ステップS1806の処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0243】
つまり、テーブル22を最も前方まで移動させた後に、テーブル22を1.0mm上昇させて、ステップS1806の処理に進むようにしてもよい。
【0244】
即ち、上記した実施の形態においては、検出装置80においてメディアが検出されるまで、後方側から前方側に向かって移動するときにのみ、メディアが検出装置80によって検出されるようにしていたが、上記した変形例においては、検出装置80においてメディアが検出されるまで、後方側から前方側に向かって移動するときと、前方側から後方側に向かって移動するときとにおいて、メディアが検出装置80によって検出されるものである。
【0245】
(11)上記した実施の形態においては、移動機構62によりテーブル22を上昇する際には1.0mmとし、下降する際には0.5mmとしたが、こうしたテーブル22の上昇量および下降量については、これに限られるものではないことは勿論であり、作業者により予め設定可能な構成としてもよい。この際には、上昇量より下降量が小さい値となるようにする。
【0246】
(12)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(11)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0247】
本発明は、紫外線硬化インクなどのメディア上に照射される光によって固化あるいは増年する特性を有する光硬化型インクを用いたインクジェットプリンタに利用することができる。
【符号の説明】
【0248】
10 インクジェットプリンタ、14 筐体、14fa 折返し部、16 開閉カバー、16a 窓部、22 テーブル、26 ガイドレール、30 インクヘッド、32 カートリッジ収容部、38 ガイド部材、44、46 紫外線照射ランプ、50 排気ファン、52、54、56 昇降機構、72 廃液ボトル、104 回転ユニット、112 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアを支持し、前記メディアを高さ方向および該高さ方向と直行する平面に沿う第1の方向に移動する支持手段と、
前記支持手段に支持された前記メディアに対してインクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドが固定的に配設されるとともに、前記支持手段の上方側に配置され、かつ、前記平面上において前記第1の方向と直交する第2の方向に延設されたガイドレール上を移動する移動手段と
を有するインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置であって、
前記支持手段と前記ガイドレールとの間において前記第2の方向に延設されるとともに、前記第1の方向に回動可能に設けられ、一方の端部において下方側に延設された板状部材を備えた検出部材と、前記板状部材から前記検出部材が回動したことを検知するセンサーとを有し、前記検出部材に前記メディアが接触した際に、前記検出部材が回動して当該回動をセンサーが検知することで、前記メディアを検出する検出手段と、
前記検出手段からの検出結果に応じて、前記支持手段を高さ方向で移動するとともに、前記支持手段の高さ方向の移動に伴って、前記検出手段により前記メディアが検出されない高さ位置を前記支持手段の印刷時の高さ位置に設定する設定手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置において、さらに、
印刷開始前に、前記設定手段により設定された前記支持手段の印刷時の高さ位置において、前記支持手段を前記第1の方向に移動させることにより、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの確認を行う確認手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置において、さらに、
前記設定手段により設定された前記支持手段の印刷時の高さ位置において、前記支持手段を前記第1の方向に移動させながら前記メディアに対して印刷を行っているときに、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの監視を行う第1の監視手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置。
【請求項4】
請求項3に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置において、さらに、
前記第1の監視手段において、前記検出手段によって前記メディアが検出された場合に、印刷を終了するか、前記支持手段を高さ方向で移動させて印刷を継続するかを選択する選択手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置において、さらに、
印刷を行っていないときに、前記インクヘッドまたは前記支持手段を移動させる処理を行う場合に、前記支持手段を前記第1の方向に移動させて、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの監視を行う第2の監視手段と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装置。
【請求項6】
メディアを支持し、前記メディアを高さ方向および該高さ方向と直行する平面に沿う第1の方向に移動する支持手段と、
前記支持手段に支持された前記メディアに対してインクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドが固定的に配設されるとともに、前記支持手段の上方側に配置され、かつ、前記平面上において前記第1の方向と直交する第2の方向に延設されたガイドレール上を移動する移動手段と
を有するインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法であって、
前記支持手段と前記ガイドレールとの間において前記第2の方向に延設されるとともに、前記第1の方向に回動可能に設けられ、一方の端部において下方側に延設された板状部材を備えた検出部材と、前記板状部材から前記検出部材が回動したことを検知するセンサーとを有する検出手段を有し、
前記検出手段により、前記検出部材に前記メディアが接触した際に、前記検出部材が回動して当該回動をセンサーが検知することで、前記メディアを検出する検出工程と、
前記検出工程での検出結果に応じて、前記支持手段を高さ方向で移動するとともに、前記支持手段の高さ方向の移動に伴って、前記検出手段により前記メディアが検出されない高さ位置を前記支持手段の印刷時の高さ位置に設定する設定工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法。
【請求項7】
請求項6に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法において、さらに、
印刷開始前に、前記設定工程で設定された前記支持手段の印刷時の高さ位置において、前記支持手段を前記第1の方向に移動させることにより、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの確認を行う確認工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法。
【請求項8】
請求項6および7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法において、さらに、
前記設定工程で設定された前記支持手段の印刷時の高さ位置において、前記支持手段を前記第1の方向に移動させながら前記メディアに対して印刷を行っているときに、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの監視を行う第1の監視工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法。
【請求項9】
請求項8に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定装方法において、さらに、前記第1の監視工程において、前記検出手段によって前記メディアが検出された場合に、印刷を終了するか、前記支持手段を高さ方向で移動させて印刷を継続するかを選択する選択工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法。
【請求項10】
請求項6、7、8または9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法において、さらに、
印刷を行っていないときに、前記インクヘッドまたは前記支持手段を移動させる処理を行う場合に、前記支持手段を前記第1の方向に移動させて、前記検出手段により前記メディアが検出されるか否かの監視を行う第2の監視工程と
を有することを特徴とするインクジェットプリンタにおけるメディア位置設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−1004(P2013−1004A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135150(P2011−135150)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り JAPAN SHOP 2011(第40回 店舗総合見本市) 株式会社日本経済新聞社 平成23年3月8日から11日
【出願人】(000116057)ローランドディー.ジー.株式会社 (163)
【Fターム(参考)】