説明

インクジェット式記録ヘッドユニット及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置

【課題】高速で高品質な印刷を低コストで行うことができるインクジェット式記録ヘッドユニット及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置を提供する。
【解決手段】インクを吐出するノズル開口21が並設されたノズル列21Aが複数設けられたインクジェット式記録ヘッドユニットであって、同一の吐出信号に基づいて前記ノズル開口21Aから吐出されるインク滴のインク吐出量がノズル列21Aの一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向を有する所定の一対のノズル列21Aが、前記ノズル列21Aのインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出するノズル開口が並設された複数のノズル列から異なる色のインクを吐出させて、印刷を行うインクジェット式記録ヘッドユニット及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットとも言う)としては、インクを吐出するノズル開口が開口するインク吐出面を有するインクジェット式記録ヘッドと、インクジェット式記録ヘッドのインク吐出面に接着剤を介して接着される固定板等の保持部材とを具備するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、インクジェット式記録ヘッドに圧力発生室の圧力変動特性を調整するための補正回路を設け、補正回路によって圧力発生室の圧力変動特性のばらつきを防止して印刷品質を向上するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−096419号公報(第7〜12頁、第1〜3図)
【特許文献2】特開2000−351209号公報(第6〜10頁、第1〜3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクジェット式記録ヘッドは、製造時の成膜ばらつきや圧力発生室の形成時のばらつきなどにより、圧電素子等の圧力発生手段の変位特性や圧力発生室の容積などにばらつきが生じ、1つのノズル列においてノズル開口から吐出されるインク滴のインク吐出量が当該ノズル列の一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向が生じてしまうという問題がある。
【0006】
そして、ノズル列のインク吐出量が漸小する傾向を揃えてインクジェット式記録ヘッドを複数配置したインクジェット式記録ヘッドユニットでは、例えば、インクジェット式記録ヘッドユニットを主走査方向に移動させて印刷を行う1パス印刷を行った後、記録用紙を副走査方向に移動させてさらに1パス印刷を行う、いわゆるマイクロフィードやバインド印刷を行うと、各パスの間で色濃度が急激に変化して、印刷品質が劣化してしまうという問題がある。
【0007】
また、特許文献2のように、補正回路を設けることで、インク吐出特性のばらつきを防止することができるが、補正回路が必要で部品点数が多くなりコストが増大してしまうという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、高速で高品質な印刷を低コストで行うことができるインクジェット式記録ヘッドユニット及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の態様は、インクを吐出するノズル開口が並設されたノズル列が複数設けられたインクジェット式記録ヘッドユニットであって、同一の吐出信号に基づいて前記ノズル開口から吐出されるインク滴のインク吐出量がノズル列の一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向を有する所定の一対のノズル列が、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドユニットにある。
かかる態様では、例えば、所定の一対のノズル列のそれぞれから異なる色を吐出させて、各色を重ね合わせて各種色を印刷した際に、色の濃度をノズル列のノズル開口の並設方向で平均化することができる。したがって、マイクロフィード印刷やバインド印刷を行った際にパス間の濃度ムラを防止して、高速で高品質な印刷を行わせることができる。また、ノズル列の配置だけで濃度ムラを防止できるため、駆動波形の補正を行う補正回路等が不要となり、低コストで高速で高品質な印刷を行わせることができる。
【0010】
ここで、前記一対のノズル列が、色相の異なるインクを吐出するものであることが好ましい。また、前記一対のノズル列が、シアン系インクとマゼンダ系インクとをそれぞれ吐出するものであることが好ましい。これによれば、使用頻度の高い色相の異なるシアン系インクとマゼンダ系インクとを吐出するノズル列のインク吐出量の傾向を互いに反転するように配置することで、高品質な印刷を行わせることができる。
【0011】
また、前記一対のノズル列が、第1の無彩色インクと前記第1の無彩色インクよりも高明度な第2の無彩色インクとをそれぞれ吐出するものであることが好ましい。これによれば、特に使用頻度の高いインク、すなわち、無彩色であるブラックよりも高明度な第1の無彩色であるライトブラックインクと、第1の無彩色よりも高明度な第2の無彩色であるライトライトブラックインクとを吐出するノズル列のインク吐出量の傾向を互いに反転するように配置することで、高品質な印刷を行わせることができる。
【0012】
また、グレーの色を印刷するために使用されるインクを吐出する前記ノズル列に対して、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されていることが好ましい。これによれば、特に色の濃度ムラが生じ易いグレーの色を印刷するために使用されるインクを吐出するノズル列のインク吐出量の傾向を互いに反転するように配置することで、濃度ムラを確実に防止することができる。
【0013】
本発明の他の態様は、上記態様のインクジェット式記録ヘッドユニットを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置にある。かかる態様では、高速で高品質な印刷を低コストで行わせることができるインクジェット式記録装置を実現できる。
【0014】
本発明の他の態様は、インクを吐出するノズル開口が並設されたノズル列を具備するインクジェット式記録ヘッドが複数設けられたインクジェット式記録ヘッドユニットの製造方法であって、前記インクジェット式記録ヘッドを製造した際に、同一の吐出信号に基づいて前記ノズル開口から吐出されるインク滴のインク吐出量が当該ノズル列の一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向を有する前記インクジェット式記録ヘッドが形成された場合に、当該インクジェット式記録ヘッドを、所定の一対のノズル列において、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドユニットの製造方法にある。
かかる態様では、インクジェット式記録ヘッドの製造時にノズル列のインク吐出量にばらつき傾向が生じたとしても、例えば、所定の一対のノズル列のそれぞれから異なる色を吐出させて、各色を重ね合わせて各種色を印刷した際に、色の濃度をノズル列のノズル開口の並設方向で平均化することができる。したがって、マイクロフィード印刷やバインド印刷を行った際にパス間の濃度ムラを防止して、高速で高品質な印刷を行わせることができる。また、インクジェット式記録ヘッドの配置だけで濃度ムラを防止できるため、駆動波形の補正を行う補正回路等が不要となり、低コストで高速で高品質な印刷を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、インクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図1に示すように、インクジェット式記録装置Iは、インクジェット式記録ヘッドを有するインクジェット式記録ヘッドユニット1(以下、ヘッドユニット1とも言う)を具備する。ヘッドユニット1は、インク供給手段を構成する複数のカートリッジ1Aが着脱可能に設けられ、キャリッジ3に搭載されている。このヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット1の各インクジェット式記録ヘッドは、詳しくは後述するが、本実施形態では、8色のカラーインクを吐出するものとしており、8色のインクをそれぞれ貯留した8つのインクカートリッジ1Aが設けられている。
【0016】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0017】
ここで、ヘッドユニット1について詳細に説明する。なお、図2は、ヘッドユニットの概略構成を示す分解斜視図である。
【0018】
図2に示すように、ヘッドユニット1のカートリッジケース210は、インク供給手段であるインクカートリッジ1Aがそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する。また、カートリッジケース210の底面には、一端が各カートリッジ装着部211に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク連通路(図示なし)が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路に形成されたフィルタ(図示なし)を介して固定されている。
【0019】
また、このようなカートリッジケース210の底面側には、インクを吐出する複数のインクジェット式記録ヘッド2が固定されている。インクジェット式記録ヘッド2には、詳しくは後述するが、それぞれノズル開口が並設されたノズル列が設けられており、各インクジェット式記録ヘッド2のノズル列からは、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)、イエロー(Y)のインクが吐出される。すなわち、本実施形態では、1つのヘッドユニット1に、8色のインクをそれぞれ吐出するノズル列が設けられた8つのインクジェット式記録ヘッド2が設けられている。なお、ライトブラック(LK)、ライトシアン(LC)及びライトマゼンダ(LM)は、ブラック(K)、シアン(C)及びマゼンダ(M)よりも高明度なものを言い、ライトライトブラック(LLK)、ライトライトシアン(LLC)及びライトライトマゼンダ(LLM)は、ライトブラック(LK)、ライトシアン(LC)及びライトマゼンダ(LM)よりも高明度なものを言う。
【0020】
また、インクジェット式記録ヘッド2のノズル開口が開口するインク吐出面側には、複数のインクジェット式記録ヘッド2のインク吐出面側を保護するカバーヘッド240が設けられている。なお、インクジェット式記録ヘッド2のインク吐出面は、詳しくは後述するが、インクを吐出するノズル開口が開口する面のことであり、カバーヘッド240は、各インクジェット式記録ヘッド2のインク吐出面のノズル列21Aをそれぞれ開口する露出開口部241が設けられている。
【0021】
具体的には、カバーヘッド240は、ノズル開口21を露出する露出開口部241と、露出開口部241を画成すると共にインクジェット式記録ヘッド2のインク吐出面Aに接合される接合部242とを具備する。
【0022】
接合部242は、本実施形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド2に亘ってインク吐出面Aの外周に沿って設けられた固定用枠部243と、隣接するインクジェット式記録ヘッド2の間に延設されて露出開口部241を分割する固定用梁部244とで構成されている。そして、固定用枠部243及び固定用梁部244からなる接合部242が複数のインクジェット式記録ヘッド2のインク吐出面Aに同時に接合されている。
【0023】
ここで、インクジェット式記録ヘッド2の一例について説明する。なお、図3は、インクジェット式記録ヘッドの平面図及びそのA−A′断面図である。
【0024】
図示するように、インクジェット式記録ヘッド2を構成する流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0025】
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向一端部側には、インク供給路14と連通路15とが隔壁によって区画されている。また、連通路15の一端には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなるインク流路が設けられている。なお、インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
【0026】
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20のノズル開口21は、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通する位置に穿設されている。本実施形態では、流路形成基板10に圧力発生室12が並設された列を1列設けたため、1つのインクジェット式記録ヘッド2にはノズル開口21の並設されたノズル列21Aが1列設けられている(図8参照)。そして、本実施形態では、このノズルプレート20のノズル開口21が開口する面がインク吐出面Aとなっている。このようなノズルプレート20としては、例えば、シリコン単結晶基板やステンレス鋼(SUS)等の金属基板などが挙げられる。
【0027】
また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド2は、ノズル開口21の並設方向が、ヘッドユニット1の主走査方向(キャリッジ3の移動方向)とは交差する方向、すなわち、副走査方向(記録シートSの搬送方向)となるようにヘッドユニット1に搭載される。すなわち、複数のインクジェット式記録ヘッド2は、ノズル列21Aが、ヘッドユニット1の主走査方向に並列されるように搭載される。
【0028】
さらに、インクジェット式記録ヘッド2には、それぞれノズルプレート20が設けられており、当該ノズルプレート20はカバーヘッド240の露出開口部241よりも若干広い面積を有してカバーヘッド240と重畳する領域で接着剤によって固定されている。
【0029】
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、詳しくは後述するが、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
【0030】
圧電体層70は、下電極膜60上に形成されるペロブスカイト構造の結晶膜である。圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を1〜2μm前後の厚さで形成した。
【0031】
また、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出された引き出し配線として、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が設けられている。そして、このリード電極90は、詳しくは後述する貫通孔33で駆動回路120と接続配線121を介して電気的に接続されている。
【0032】
さらに、圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、連通部13に対向する領域にリザーバ部31が設けられた保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバ部31は、上述したように、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバ部31のみをリザーバとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
【0033】
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
【0034】
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0035】
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍(接続層301)は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
【0036】
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。なお、接続配線121は、上述のように接続層301上のリード電極90に電気的に接続されている。また、接続配線121とリード電極90との接続は、例えば、ワイヤボンディング等が挙げられる。
【0037】
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0038】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド2では、図2に示すインクカートリッジとカートリッジケース210のインク連通路を介して接続されたインク導入口からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0039】
以下、このようなインクジェット式記録ヘッド2の製造方法について、図4〜図7を参照して説明する。なお、図4〜図7は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示す圧力発生室の長手方向の断面図である。まず、図4(a)に示すように、シリコンウェハである流路形成基板用ウェハ110の表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン(SiO2)からなる二酸化シリコン膜51を形成する。次いで、図4(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。
【0040】
次に、図4(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の絶縁体膜55上の全面に亘って白金(Pt)とイリジウム(Ir)とからなる下電極膜60を形成すると共に所定形状にパターニングする。
【0041】
次に、図5(a)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ110の全面に形成した後、図5(b)に示すように、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。圧電素子300を構成する圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。また、圧電体層70の形成方法は、本実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。なお、圧電体層70の形成方法は、特に限定されず、例えば、MOD法やスパッタリング法等を用いるようにしてもよい。
【0042】
次に、図5(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って金(Auからなるリード電極90を形成後、各圧電素子300毎にパターニングする。
【0043】
次に、図6(a)に示すように、保護基板用ウェハ130を、流路形成基板用ウェハ110上に接着剤35を介して接着する。ここで、この保護基板用ウェハ130は、保護基板30が複数一体的に形成されたものであり、保護基板用ウェハ130には、リザーバ部31及び圧電素子保持部32が予め形成されている。
【0044】
次いで、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みに薄くする。次いで、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上にマスク膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図7に示すように、流路形成基板用ウェハ110をマスク膜52を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、圧電素子300に対応する圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15等を形成する。
【0045】
そして、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハ110等を図3に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド2とする。
【0046】
このような工程により製造されたインクジェット式記録ヘッド2には、1つのノズル列21A(図8参照)において、同一駆動信号に基づいてノズル開口21から吐出されるインク滴のインク吐出量が、当該ノズル列21Aの一端部側に設けられたノズル開口21から他端部側に設けられたノズル開口21に向かって漸小する傾向を有するインクジェット式記録ヘッド2が製造される場合がある。これは、例えば、上述した製造方法によりインクジェット式記録ヘッド2を製造した際の圧電素子300の成膜時の膜厚や焼成温度等のばらつきや、流路形成基板10を異方性エッチングする際のエッチング量のばらつきなどによって発生する。なお、ノズル列21Aにおけるインク吐出量のばらつき傾向は、ノズル開口21の開口面積のばらつきなど他の要因によっても発生するため、これらの製造方法に限定されるものではない。
【0047】
このように、1つのノズル列21Aにおいて、ノズル開口21から吐出されるインク吐出量が漸小する傾向を有するインクジェット式記録ヘッド2は、所定の一対のノズル列21A、本実施形態では、使用頻度の高いインクを吐出する一対のノズル列21Aで、ノズル列21Aのインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されている。
【0048】
なお、インクジェット式記録ヘッド2の各ノズル開口21から吐出されるインク吐出量は、例えば、ノズル開口21に対応する圧電素子300(圧電体層70)の静電容量を測定し、圧電素子300の変位量を把握することで圧電素子300に対応するインク吐出量を把握することができる。また、圧力発生室12の共振周波数を測定することでも、インク吐出量を把握することができる。このようなノズル列21Aにおけるインク吐出量の傾向の測定は、複数個に1つの割合でノズル開口21に対応する圧電素子300を測定することで把握することができる。
【0049】
このようにインクジェット式記録ヘッド2のインク吐出量を測定することで、インクジェット式記録ヘッド2のインク吐出量の傾向を取得し、インク吐出量の傾向に基づいてインクジェット式記録ヘッド2を分類する。ちなみに、インクジェット式記録ヘッド2のインク吐出量の傾向に基づく分類は、複数のインクジェット式記録ヘッド2を組み合わせてヘッドユニット1を製造する際に、インクジェット式記録ヘッド2のカートリッジケース210等への取り付け向き(ノズル列21Aの向き)はその形状により規定されるため、インクジェット式記録ヘッド2自体の形状とインク吐出量の傾向とに基づいて行われる。なお、ヘッドユニット1を製造する際には、インク吐出量の傾向が詳しくは後述する配置となるように、インクジェット式記録ヘッド2を配置する。このため、予めインクジェット式記録ヘッド2をインク吐出量の傾向に基づいて分類しておくことで、ヘッドユニット1の製造工程を簡略化することができる。
【0050】
ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニット2における複数のインクジェット式記録ヘッド2の配置について詳細に説明する。なお、図8は、ヘッドユニットのインクジェット式記録ヘッドの配置を示す平面図である。
【0051】
図8に示すように、本実施形態では、1つのヘッドユニット1に8個のインクジェット式記録ヘッド2A〜2Hが設けられ、各インクジェット式記録ヘッド2A〜2Hのノズル列21Aからはそれぞれ異なる色、すなわち、ブラック(K)、ライトブラック(LK)、ライトライトブラック(LLK)、イエロー(Y)、シアン(C)、ライトシアン(LC)、マゼンダ(M)、ライトマゼンダ(LM)が吐出される。
【0052】
このようなヘッドユニット1では、使用頻度の最も高いインクは、ライトシアン(LC)、ライトマゼンダ(LM)であり、これらのインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2F、2Hは、ノズル列21Aのインク吐出量の傾向が互いに反転するように配置されている。
【0053】
すなわち、ライトシアン(LC)インクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2Fは、ノズル列21Aのインク吐出量が図8中下側に向かって漸小するように配置され、ライトマゼンダ(LM)インクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2Hは、ノズル列21Aのインク吐出量がインクジェット式記録ヘッド2Fとは逆の図8中上側に向かって漸小するように配置されている。
【0054】
また、その他に使用頻度の高いインクは、無彩色インクであるブラックよりも高明度な第1の無彩色インクであるライトブラック(LK)と、第1の無彩色インクよりも高明度な第2の無彩色インクであるライトライトブラック(LLK)であり、これらのインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2B、2Cも、ノズル列のインク吐出量の傾向が互いに反転するように配置されている。
【0055】
すなわち、ライトブラック(LK)インクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2Bは、ノズル列21Aのインク吐出量が図8中下側に向かってが漸小するように配置され、ライトライトブラック(LLK)インクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2Cは、ノズル列21Aのインク吐出量が、インクジェット式記録ヘッド2Bとは逆の図8中上側に向かって漸小するように配置されている。
【0056】
このように、使用頻度の高いインク、すなわち、ライトシアン(LC)とライトマゼンダ(LM)とや、ライトブラック(LK)とライトライトブラック(LLK)とのインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2F、2H及び2B及び2Cを、ノズル列21Aのインク吐出量の傾向が互いに反転するように配置することで、これらのインクを用いて重ねることで、各種の色を印刷させた際に、色濃度をノズル列21Aのノズル開口21が並設された方向で平均化させることができる。
【0057】
すなわち、図9(a)に示すように、ヘッドユニット1を主走査方向に移動させながら、複数のノズル列21Aからインクを吐出させて印刷を行う1パス印刷を行い、記録シートSを副走査方向に1パス分移動し、その後、ヘッドユニット1を主走査方向に移動させながら印刷を行う1パス印刷を行う、いわゆるマイクロフィード印刷やバインド印刷を行った際に、色濃度をノズル列21Aのノズル開口21が並設された方向で平均化することができるため、1パス印刷と1パス印刷との間200に濃度ムラが生じるのを防止することができる。ちなみに、ライトシアン(LC)とライトマゼンダ(LM)とや、ライトブラック(LK)とライトライトブラック(LLK)となどを吐出するインクジェット式記録ヘッド2F、2H、2B、2Cで、ノズル列21Aのインク吐出量の傾向が同一となるように配置した場合、図9(b)に示すように、各1パス印刷で、色濃度がノズル列21Aのノズル開口21が並設された方向で同一方向となるため、1パス印刷と1パス印刷との間201で、濃淡ムラが生じてしまう。
【0058】
このように、使用頻度の高いインク、特に使用頻度の高い淡いインク(LC、LMやLK、LLK)を吐出する一対のノズル列21Aをインク吐出量の傾向が互いに反転するように配置することで、マイクロフィード印刷やバインド印刷という高速な印刷方向で印刷したとしても、パス間の濃度ムラが生じるのを防止して、印刷品質を向上することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ライトシアン(LC)及びライトマゼンダ(LM)と、ライトブラック(LK)及びライトライトブラック(LLK)とのインク吐出量の傾向が互いに反転するようにしたため、これらのインクを使用してパス間で特に濃度ムラが生じ易いグレーの印刷を行った際に、濃度ムラを確実に防止することができる。
【0060】
また、本実施形態では、さらに、淡いインク以外の色相の異なるインク、すなわち、シアン(C)、マゼンダ(M)のインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2E、2Gを、ノズル列21Aのインク吐出量の傾向が互いに反転するように配置した。これにより、シアン(C)とマゼンダ(M)とを用いた色についても、パス間での濃度ムラが生じるのを防止することができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、ブラック(K)とイエロー(Y)とのインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド2A、2Dを図8に示すようなインク吐出量の傾向となるように配置した。すなわち、図8に示すように、ノズル列21Aの並列方向に向かって、ノズル列21Aのインク吐出量の傾向が、2列ずつ同じ傾向となるように配置した。これにより、例えば、1つのインクジェット式記録ヘッド2に2列のノズル列21Aを設けた場合、2列のノズル列21Aのインク吐出量の傾向はほぼ同じ傾向となるが、このような配置とすることで、ライトシアン(LC)及びライトマゼンダ(LM)、ライトブラック(LK)及びライトライトブラック(LLK)、シアン(C)及びマゼンダ(M)のそれぞれのインク吐出量の傾向を互いに反転させることができる。
【0062】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、ヘッドユニット1に8色のインクを吐出する8つのインクジェット式記録ヘッド2A〜2Hを設けた例を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、ヘッドユニットに4色のインク、すなわち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する4つのインクジェット式記録ヘッドを設けた場合には、使用頻度の最も高いインクであるシアン(C)とマゼンダ(M)とのインクを吐出するノズル列において、インク吐出量の傾向が互いに反転するように配置すればよい。
【0063】
また、上述した実施形態1では、インク流路である圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子300を有するアクチュエータ装置を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のアクチュエータ装置や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のアクチュエータ装置などを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用することができる。すなわち、本発明は、ノズル列の一端部側から他端部側に向かってインク吐出量が漸小する傾向を有するインクジェット式記録ヘッドであれば、何れの圧力発生手段を用いたものであってもよい。
【0064】
さらに、上述した実施形態1では、ヘッドユニット2を保持したキャリッジ3が、主走査方向に移動するインクジェット式記録装置Iを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、ヘッドユニット1を移動させることなく、複数のヘッドユニット1を主走査方向に亘って配置して、記録シートSを副走査方向に移動させて印刷する所謂ライン式のインクジェット式記録装置に用いられるヘッドユニットであっても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態1に係る記録装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係るヘッドユニットの平面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る印刷時の濃度ムラを示す図である。
【符号の説明】
【0066】
I インクジェット式記録装置、 1 インクジェット式記録ヘッドユニット、 2、2A〜2H インクジェット式記録ヘッド、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室。 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 21A ノズル列、 30 保護基板、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 300 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するノズル開口が並設されたノズル列が複数設けられたインクジェット式記録ヘッドユニットであって、
同一の吐出信号に基づいて前記ノズル開口から吐出されるインク滴のインク吐出量がノズル列の一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向を有する所定の一対のノズル列が、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドユニット。
【請求項2】
前記一対のノズル列が、色相の異なるインクを吐出するものであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録ヘッドユニット。
【請求項3】
前記一対のノズル列が、シアン系インクとマゼンダ系インクとをそれぞれ吐出するものであることを特徴とする請求項2記載のインクジェット式記録ヘッドユニット。
【請求項4】
前記一対のノズル列が、第1の無彩色インクと前記第1の無彩色インクよりも高明度な第2の無彩色インクとをそれぞれ吐出するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドユニット。
【請求項5】
グレーの色を印刷するために使用されるインクを吐出する前記ノズル列に対して、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドユニット。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドユニットを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置。
【請求項7】
インクを吐出するノズル開口が並設されたノズル列を具備するインクジェット式記録ヘッドが複数設けられたインクジェット式記録ヘッドユニットの製造方法であって、
前記インクジェット式記録ヘッドを製造した際に、同一の吐出信号に基づいて前記ノズル開口から吐出されるインク滴のインク吐出量が当該ノズル列の一端部側から他端部側に向かって漸小する傾向を有する前記インクジェット式記録ヘッドが形成された場合に、当該インクジェット式記録ヘッドを、所定の一対のノズル列において、前記ノズル列のインク吐出量の漸小する傾向が互いに反転するように配置することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−56600(P2009−56600A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223225(P2007−223225)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】