説明

インクジェット用顔料分散液及びそれを用いたインクジェット用インク

【課題】 画像濃度が高く、吐出安定性や液安定性も優れたインクジェット用顔料分散液及びそれを用いた顔料系インクジェット用インクに関連した技術を提供する。
【解決手段】 少なくともカーボンブラック、分散剤、及び水を含有する顔料分散液であって、カーボンブラックの平均粒子径(D50)が50nm〜120nmでありかつカーボンブラックのPVC黒度が10〜30であること特徴とするインクジェット用顔料分散液。前記分散剤が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を含有することが好ましい。
【化1】


(一般式(1)中、nは20以上200以下の整数を、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、又はアラルキル基を、mは0〜7の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット用顔料分散液及びそれを用いたインクジェット用インクに関するものであり、詳しくは吐出安定性、液安定性に優れたインクジェット用インクに関するものである。更に詳しくは、インクジェットヘッドの目詰まりが改良され、高い画像濃度が得られ、かつ保存安定性の優れたインクジェット用黒色インクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
【0003】
しかし顔料系インクは染料系インクと比べてノズルの目詰まりが生じやすい傾向がある。顔料インクは、一般に水やアルコール類等の水性溶媒中に色材及び分散剤を予備分散させた分散物を調整したのち、該分散物をサンドミル等のメディア型分散機を用いて所定の程度まで分散させる分散工程を行い、次いで所定の濃度に希釈することにより調整されている。
【0004】
一方、近年においては画像の高濃度化、精細性向上のためにインクの粒子径を小さくすることが望まれるが、顔料インクの分散においては分散機の方式、分散プロセス条件等の選択次第では小粒径となると液の凝集がしやすく、吐出安定性が保証できなくなり、いまだこの課題を十分解決したものはない。
【0005】
ノズルの目詰まりや色域を改善するには顔料の平均粒径を小さくする必要があるが、現在多く用いられているスチレン−アクリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体(特許文献1等)、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(特許文献2等)等の高分子分散剤を用いたインク、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(特許文献3等)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル硫酸塩(特許文献4等)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルリン酸塩(特許文献5等)等の界面活性剤を用いたインクのいずれにおいても顔料の平均粒径が大きく、画像濃度、色調の鮮明性、吐出安定性や液安定性に劣るものであった。
【0006】
また黒色インクに関してもカーボンブラックを用いた顔料系インク液の種々の提案がなされている。自己分散型カーボンブラック(特許文献6)、カーボンブラックの帯黄性改良(特許文献7)、ブラックインクが反応性染料(特許文献8)、等が提案されているが、いまだ十分とはいえない。
【特許文献1】特開昭56−147863号公報
【特許文献2】特開昭61−083267号公報
【特許文献3】特開平5−105837号公報
【特許文献4】特開平10−168367号公報
【特許文献5】特開平10−88050号公報
【特許文献6】特開2002−3767号公報
【特許文献7】特開2002−256193号公報
【特許文献8】特開2002−241652号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような事情に鑑みなされたもので、画像濃度が高く、吐出安定性や液安定性も優れたインクジェット用顔料分散液、及びそれを用いた顔料系インクジェット用インクに関連した技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討した結果、カーボンブラックの物理化学特性及び顔料分散液の平均粒子径(D50)を特定することにより上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下の(1)〜(15)である。
【0009】
(1)少なくともカーボンブラック、分散剤、及び水を含有する顔料分散液であって、カーボンブラックの平均粒子径(D50)が50nm〜120nmでありかつカーボンブラックのPVC黒度が10〜30であること特徴とするインクジェット用顔料分散液である。
【0010】
(2) 前記分散剤が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット用顔料分散液である。
【化4】

(一般式(1)中、nは20以上200以下の整数を、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、又はアラルキル基を、mは0〜7の整数を表す。)
【0011】
(3)前記分散剤が下記一般式(2)で示される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする前記(2)に記載のインクジェット用顔料分散液である。
【化5】

(一般式(2)中、nは20以上200以下の整数を表す。)
【0012】
(4)前記分散剤が下記式で示される化合物を含有することを特徴とする前記(3)に記載のインクジェット用顔料分散液である。
【化6】

【0013】
(5)前記分散剤が重量基準としてカーボンブラック1に対し0.3以上2以下の割合で含まれることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のインクジェット用顔料分散液である。
(6)前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のインクジェット用顔料分散液である。
【0014】
(7)前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の顔料分散液を含有してなる顔料系インクジェット用インクである。
(8)前記顔料系インクジェット用インクのカーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%であることを特徴とする前記(7)記載の顔料系インクジェット用インクである。
【0015】
(9)前記(7)又は(8)に記載の顔料系インクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジである。
(10)前記(7)又は(8)に記載の顔料系インクジェット用インクを画像支持体上に吐出させ記録を行うことを特徴とするインクジェットプリント装置である。
(11)前記インクジェットプリント装置がピエゾ方式であることを特徴とする前記(10)記載のインクジェットプリント装置である。
(12)前記インクジェットプリント装置がサーマル方式であることを特徴とする前記(10)記載のインクジェットプリント装置である。
【0016】
(13)前記(7)又は(9)記載の顔料系インクジェット用インクを用いてインクジェットプリント装置で印字することを特徴とする画像形成方法である。
(14)前記(7)又は(9)記載の顔料系インクジェット用インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物である。
(15)前記画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする前記(14)記載の画像形成物である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のインクジェット用顔料分散液及びそれを用いたインクジェット用インクは、高い画像濃度であり、吐出安定性、インク保存性においても従来のものより優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
前記のように本発明の特徴は、カーボンブラック(顔料)粒子の平均粒径(D50)が50nm〜120nmである。平均粒径(D50)が50nm未満、また120nmを超えても画像濃度が低くなる。
なお、本発明に於ける平均粒径(D50)は、体積平均粒径であり、常法により測定することが可能で、たとえば日機装(株)製の粒度分析計UPA150を使用して測定することができる。
平均粒子径(D50)は、分散機を用いて顔料を分散する際、分散機回転部周速、分散時間、分散液流量、分散液温度によって制御することが可能である。本発明においては、顔料粒子の平均粒径(D50)は50nm〜120nmである。分散機回転部周速はあまり高過ぎると顔料分散液が凝集しやすく、低すぎると分散効率が悪く生産性が落ちるため好ましくは6m/s〜13m/sである。
【0019】
さらに分散時間は上記メディアミル内の分散液滞留時間5分の平均粒径の変化が2%未満で分散を終了することが望ましい。
さらには分散液流量は300ml/分以上が好ましく、300ml/分未満では分散液温度が上昇し分散安定性に好ましくない。また循環方式の分散は短時間分散に於いては粒子径標準偏差が大きくなる傾向にあり好ましくない。さらには分散液温度は分散時10℃未満が好ましく、さらに好ましくは4℃〜8℃が分散安定性が良い。
また下記で説明する分散機としてビーズミルを用いる場合は、分散媒体(ビーズ)の大きさを調節することによって粒径の制御が可能である。この場合、平均粒子径(D50)を50nm〜120nmにするには0.1mm〜1.0mmφ程度のビーズを用いることが好ましく、さらに好ましくは0.1mm〜0.5mmφのビーズである。
【0020】
また本発明の顔料分散液は分散剤が重量基準としてカーボンブラック1に対し0.3以上2以下の割合で含まれるのが好ましい。さらに好ましくは、前記割合はカーボンブラック1に対し0.5〜2である。このような分散剤の使用量を採用することにより、平均粒径(D50)が50nm〜120nmにすることができ、これにより画像濃度、吐出安定性、液安定性が良い顔料分散液を提供することができる。
なお、前記分散剤の使用量が0.3未満では前記効果が達成されにくいほか、顔料分散液及びインクの保存安定性が劣り、その結果ノズルの目詰まりが発生しやすい傾向があり、2より大きいと顔料分散液およびインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
【0021】
本発明の顔料分散液に使用される分散剤は、特に制限されないが、下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を使用することにより短時間で平均粒径(D50)が50nm〜120nmの顔料分散液を得ることができ好ましい。
【化7】

(一般式(1)中、nは20以上200以下の整数、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、又はアラルキル基、mは0〜7の整数を表す。)
【0022】
一般式(1)において、nは好ましくは20以上200以下、さらに好ましくは30以上50以下である。nが20未満では分散安定性が低下する傾向があり、nが200より大きいと分散液及びインクの粘度が高くなる傾向がある。一般式(1)で表される化合物としては、POE(n=40)βナフチルエーテル、POE(n=40)1−メチルβナフチルエーテル、POE(n=60)1,5−ジメチルβナフチルエーテル等が挙げられ、中でもPOE(n=40)βナフチルエーテルが更に好ましい。
【0023】
本発明の顔料分散液に使用されているカーボンブラックとしては、例えばファーネス法あるいはチャネル法で製造されたカーボンブラック等が挙げられる。
本発明で使用されるカーボンブラックのPVC黒度は10〜30が好ましく、更に好ましくは15〜25であり、高い画像濃度と吐出安定性、液保存安定性に優れる。
尚、本発明でのPVC黒度とは三菱化学株式会社カーボンカタログ「三菱カーボンブラック/三菱導電性カーボンブラック」中の8ページ記載の物理化学試験法で言うPVC黒度のことで、カーボンブラックとPVC樹脂をロールで練和し、シート化後標準試料と相対比較した数値で、#5:1、#40:10、#45:20、MCF88:30、#900:35と設定した際の各銘柄の黒度の指数表示値である。
【0024】
本発明の顔料分散液においてカーボンブラックの濃度は分散液全量に対して5重量%以上50重量%以下が好ましい。5重量%未満では生産性が劣り、50重量%より多いと顔料分散液の粘度が高すぎて分散が困難になる傾向がある。
【0025】
また、本発明の顔料分散液には、水の他に各種添加剤を配合することができる。例えば、水溶性有機媒体としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、またノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。
【0026】
本発明の顔料分散液は、前記カーボンブラック、分散剤、水、必要に応じて各種添加剤をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって得られる。
このとき、分散剤の使用量を前記のように重量基準としてカーボンブラック1に対し0.3以上2以下の割合にするとともに、湿式分散処理を採用するのが好適である。尚本発明で言う湿式分散処理とはカーボンブラック、分散剤、水、必要に応じて水溶性有機溶剤等の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等により、いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散する処理のことである。
【0027】
このようにして得られた本発明の顔料分散液は、特に顔料系インクジェット用インクとして好適に使用することができる。
顔料系インクジェット用インクは公知の方法、例えば本発明の顔料分散液、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置等で粗大粒子をろ過し、脱気することによって得られる。尚、インクにおけるカーボンブラックの濃度はインク全量に対して1重量%以上15重量以下が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、15重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなくノズルの目詰まりが発生しやすくなる。またインクには前記顔料分散液への添加剤で記した材料と同等の材料を必要に応じて配合することができる。たとえば水溶性有機溶剤の含有量としては、インク全量に対して0重量%以上50重量%以下、好ましくは5重量%〜40重量%、さらに好ましくは10重量%〜35重量%である。
【0028】
このようにして得られた本発明の顔料系インクジェット用インクは、例えばカラー画像を形成するために複数の異なる色相のインクを重ねて画像支持体に画像形成するインクジェット記録用インクセット、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることができるる。
また本発明の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行って画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。
印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお実施例中の部は重量基準である。
【0030】
実施例1
処方1
カーボンブラック MCF88(三菱化学株式会社製) 150部
一般式(1)の化合物(n=40、m=0) 110部
パイオニンA−51−B(竹本油脂社製) 2部
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックス後ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型)で0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温8℃で120分間分散し、顔料分散液(A)を得た。
【0031】
実施例2〜5
実施例1のカーボンブラックを順次#850、#45、#990、MA600(三菱化学株式会社製)に変えた以外は同様にして顔料分散液(B)、(C)、(D)、(E)を得た。
【0032】
実施例6〜10
実施例1〜5の分散時間を変え各顔料分散液の粒径(D50)を表1の様に調整し顔料分散液(F)、(G)、(H)、(I)、(J)を得た。
【0033】
比較例1、2
実施例1のカーボンブラックを順次#2300、#260(三菱化学株式会社製)にする以外は同様にして顔料分散液(K)、(L)を得た。
【0034】
比較例3〜7
実施例1〜5の分散時間を変え各顔料分散液の粒径(D50)を表1の様に調整し顔料分散液(M)、(N)、(O)、(P)、(Q)を得た。
【0035】
比較例8
比較例1の分散時間を変える以外は同様にして顔料分散液の粒径(D50)を表1の様に調整し顔料分散液(R)を得た。
【0036】
比較例9
実施例4の分散時間を変える以外は同様にして顔料分散液の粒径(D50)を表1の様に調整し顔料分散液(S)を得た。
【0037】
比較例10
実施例2の分散時間を変える以外は同様にして顔料分散液の粒径(D50)を表1の様に調整し顔料分散液(T)を得た。
【0038】
顔料分散液(A)〜(T)の分散終了時のカーボンブラックの平均粒径(D50)を日機装株式会社製粒度分析計UPA150にて測定した。結果は表1に示す。
上記の方法で得られた顔料分散液(A)〜(J)を用いて下記インク処方1によりインク液を調整し、30分攪拌後孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過、真空脱気して(a)〜(j)の実施例のインク液を得た。同様に顔料分散液(K)〜(T)にインク処方1によりインクを調製し、30分攪拌後孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過、真空脱気して(k)〜(t)の比較例のインク液を得た。
インク処方1
顔料分散液(顔料濃度15重量%) 40.0部
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 22.5部
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 0.45部
蒸留水 73.55部
【0039】
上記のインク液(a)〜(t)に含まれるカーボンブラックの平均粒径(D50)を顔料分散液の場合と同様に測定した。またEPSON社製インクジェットプリンタMJ−930Cでゼロックス(株)社製PPC用紙4024に印字し、吐出安定性及び印字画像をXrite濃度計にて測定した。結果を表1に示す。
【0040】
画像濃度
画像濃度は画像サンプルのベタ画像の測色をXrite濃度計にて測定を行う。
吐出安定性
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
【0041】
インク保存性
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃で3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
◎:5%未満(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
○:5〜10%(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
△:30%以内(粒径、表面張力、粘度の全て項目)
×:50%を超える(粒径、粘度)
【0042】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともカーボンブラック、分散剤、及び水を含有する顔料分散液であって、カーボンブラックの平均粒子径(D50)が50nm〜120nmでありかつカーボンブラックのPVC黒度が10〜30であること特徴とするインクジェット用顔料分散液。
【請求項2】
前記分散剤が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用顔料分散液。
【化1】

(一般式(1)中、nは20以上200以下の整数を、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、又はアラルキル基を、mは0〜7の整数を表す。)
【請求項3】
前記分散剤が下記一般式(2)で示される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット用顔料分散液。
【化2】

(一般式(2)中、nは20以上200以下の整数を表す。)
【請求項4】
前記分散剤が下記式で示される化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット用顔料分散液。
【化3】

【請求項5】
前記分散剤が、重量基準としてカーボンブラック1に対し0.3以上2以下の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用顔料分散液。
【請求項6】
前記カーボンブラックの含有量が5重量%から50重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用顔料分散液。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット用顔料分散液を含有してなる顔料系インクジェット用インク。
【請求項8】
前記顔料系インクジェット用インクのカーボンブラックの含有量が1重量%から20重量%である請求項7記載の顔料系インクジェット用インク。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の顔料系インクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の顔料系インクジェット用インクを画像支持体上に吐出させ記録を行うことを特徴とするインクジェットプリント装置。
【請求項11】
前記インクジェットプリント装置がピエゾ方式であることを特徴とする請求項10記載のインクジェットプリント装置。
【請求項12】
前記インクジェットプリント装置がサーマル方式であることを特徴とする請求項10記載のインクジェットプリント装置。
【請求項13】
請求項7又は8記載の顔料系インクジェット用インクを用いてインクジェットプリント装置で印字することを特徴とする画像形成方法。
【請求項14】
請求項7又は8記載の顔料系インクジェット用インクを用いてインクジェットプリント装置で印字された画像形成物。
【請求項15】
前記画像形成物の画像支持体が紙であることを特徴とする請求項14に記載の画像形成物。

【公開番号】特開2006−57032(P2006−57032A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241817(P2004−241817)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】