説明

インクジェット記録媒体

【課題】基材、金属膜およびインク受容層からなるインクジェット記録媒体において、高い光沢感を落とすことなく、記録媒体を着色すること。
【解決手段】金属層の鑑賞側の面上に設けられた第一の層の屈折率がこの第一の層の鑑賞側の面上に設けられた第二の層と屈折率が異なっており、且つ第一の層(異屈折率層)の厚さが可視光線の波長範囲の1/4の整数倍の値であることを特徴とするインクジェット記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方式のプリンターを用いて印刷が可能なアイキャッチ効果の高い金属光沢感を持ち、且つ色味をもった記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方式を用いてアイキャッチ効果の高い印刷物を得るため、金属光沢感をもつインクジェット記録画像の開発が進められている。そのためのインクジェット記録媒体としてポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミ蒸着を行い、該フィルムの蒸着を施した面の反対面に記録層を設けた記録シートや特許文献1にあるような支持体の一方の面に接着樹脂層、金属箔、記録層を順次積層してなる金属光沢記録媒体が提案されている。
【0003】
上記の基材、金属膜およびインク受容層からなるインクジェット記録媒体では、金属膜により高い光沢性が得られる。しかし、人の目を引くには光沢感だけでは不足と感じる場合もおおく、光沢感のほかに色味をつけたい場合もある。このような場合に金属膜では色味を広範囲に調整することは困難であった。また、着色したフィルター層を設けることもありえるが、このフィルター層による光の吸収で画像そのものの明度が下がったり、せっかくの金属光沢をも損なってしまう問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−327442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高い金属光沢をもち、色味を有し、且つ明度の高いキャッチアイ効果の高い画像を作成できるインクジェット記録媒体の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、上記目的の解決手段は下記の通りである。
本発明1のインクジェット用記録媒体は、少なくとも基材からなる層と、金属層およびインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、金属層の鑑賞側の面上に設けられた異屈折率層の屈折率がこの異屈折率層の鑑賞側の面上に設けられた層と屈折率が異なっており、且つ前記異屈折率層の厚さが可視光線の波長範囲の1/4の整数倍の値であることを特徴とする。
【0007】
発明2は、発明1において更に、
該媒体の鑑賞側からインク受容層、透明基材層および金属層との順で設けられ、且つ前記透明基材層と金属層との間に透明基材層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられたことを特徴とする。
【0008】
発明3は、発明1において更に、
該媒体の鑑賞側からインク受容層、金属層および基材層との順で設けられ、且つ前記インク受容層と金属層との間にインク受容層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられたことを特徴とする。
【0009】
発明4は、発明1において更に、
該媒体の鑑賞側からインク受容層、透明基材層、プライマー層および金属層との順で設けられ、且つ前記プライマー層と金属層との間にプライマー層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられたことを特徴とする。
【0010】
発明5は、発明1において更に、
該媒体の鑑賞側からインク受容層、プライマー層、金属層および基材層との順で設けられ、且つ前記プライマー層と金属層との間にプライマー層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられたことを特徴とする。
【0011】
本発明において、可視光線は360nm〜830nmの波長範囲のものである(JISZ8120参照)。異屈折率層の厚みは最大で2μm以内が望ましい。これ以上厚いと透明性が低くなり、光沢性に影響を与える。
前記第一の層と第二の層(すなわち屈折率の互いに異なる2つの層)の間の屈折率の差は、0.05以上あればよく、0.08以上あるのが更に好ましく、0.1以上あるのが特に好ましい。
厚みは、異屈折率層用塗布液の水分濃度の調整で調整することが可能である。水分の量を多くすれば、厚みは薄い方向に行く。水分を少なくすれば、厚みを大きくすることができる。
【0012】
屈折率の互いに異なる2層は、異屈折率層と基材層、異屈折率層とインク受容層、異屈折率層とプライマー層などの2層の組み合わせがありえる。
【0013】
可視光線の波長の1/4の整数倍をもつことで、例えば異屈折率層が95nmの厚みを持つときは往復で190nmの行路長差となり、380nmの波長の光を弱めることになり、媒体は黄色味を帯びることになる。また、異屈折率層の厚みが190nmであると行路差は380nmとなり、380nmの光を強め、760nmの光を弱め、青みがかった色を帯びる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
好ましい層構成は、例えば次のようなものである。
鑑賞側からみて、
例1―インク受容層、透明基材層、異屈折率層及びアルミ層
例1で、異屈折率層がプライマー層の成分を含んでいてもよい
例2−インク受容層、透明基材層、プライマー層、異屈折率層及びアルミ層
例1や例2ようにアルミ層が最外層の場合、この上には保護層を設けてもよい。
例3−インク受容層、異屈折率層、アルミ層、基材層
例3で、異屈折率層がプライマー層の成分を含んでいてもよい
例4−インク受容層、プライマー層、異屈折率層、アルミ層、基材層
などがある。
【0015】
異屈折率層は屈折率を変化させるための物質を含む。インクジェット記録層には通常多くの高分子材料が含まれており、これらの材料の屈折率は1.5から1.55程度であり、1.45程度の屈折率をもつシリカは望ましい。また、二酸化チタンは高い屈折率をもつ異屈折率層を作成するに有効である。
異屈折率層にシリカを使用するときのバインダーとしては、PVAやメタクリル樹脂など屈折率の低いものを選択するとよい。
異屈折率層にシリカを使用したときには異屈折率層の上に設ける層のバインダーとしては、1.55から1.6程度の比較的高い屈折率を示すウレタン樹脂、1.6から1.7の屈折率を持つポリチオウレタン樹脂やポリチオエーテルポリチオウレタン樹脂を使用するのが望ましい。このとき、異屈折率層のすぐ上の層(前記第二の層)のみが屈折率が高いとこの層とそのほかに層との間で干渉が起こったりするので、これを防止するには異屈折率層以外のすべての層で屈折率を高くするのがよく、例えば、全体の層でウレタン樹脂を使用すれば異屈折率層以外の層で屈折率を高めることができて望ましい。
【0016】
本発明に用いられる基材としては、天然パルプ紙、合成繊維あるいは合成樹脂フィルムを擬紙化したいわゆる合成紙、繊維構造体(織布、編布、不織布)、ガラスファイバーシートなど無機質シート、合成樹脂フィルム、ガラス、金属面、板あるいは合板、積層板などでもプリンターで搬送可能であり記録できる可撓性、折り曲げ適性などを有する範囲であれば、特に問題なく使用できる。
【0017】
透明基材としては、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、セルロース系フィルム、ポリアミド系フィルム、アラミド系フィルム等が好適に使用できる。その中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に望ましい。
【0018】
金属層は蒸着によって透明フィルムの面上に設けられるか或いは金属箔を貼り付けることで設けることができる。
使用される金属は、アルミニウム、錫、亜鉛、金、銅などであるが、アルミが高い光沢度を得るには、コストを考えるともっとも望ましい。
金属膜の厚みは、1オングストローム〜20μmが好ましい。1オングストロームより薄い場合は金属特有の金属光沢が得られず、20μmより厚い場合には厚くしただけの効果が得られない。
【0019】
本発明におけるプライマー層は、前記透明フィルムと前記金属層との間に接着性を高めるためのものである。該プライマー層は、アクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂の有機溶剤溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティング法、スプレイコーティング法などの通常のコーティング法により均一な厚みに塗布し、乾燥(熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの場合は硬化)することによって塗膜化される。前記プライマー層の厚みは通常0.005〜2μmの範囲、好ましくは0.01〜1μmの範囲である。プライマー層の厚みは、プライマー層に微粒子を入れて凹凸を形成させるときはその微粒子の径より薄くするのが望ましい。
【0020】
本発明で使用されるインク受容層には、高い光沢性をえるために、インク吸収性、耐水性、透明性のよいインク受容層を作成することで知られているウレタンやアクリルなどの分散樹脂の使用が好ましく、またウレタンまたはアクリルなどの分散樹脂をカルボジイミドで架橋させたものも更に好ましく使用できる。特に、樹脂としてウレタン樹脂が広く使われている。
【0021】
このようなインク受容層としては、例えば下記構成のものが知られている。
シラノール基を有するポリウレタン樹脂をポリイソシアネート、ポリエチレンイミン及びカルボジイミド樹脂から選ばれた架橋剤で架橋された樹脂を含む特開2003−166183に開示されているようなインク受容層
具体的にはこの公報の実施例5にあるポリウレタン樹脂エマルジョン(武田薬品工業(株)製タケラックXW−75−X35(固形分30重量%))75重量%とカルボジイミド樹脂(日清紡績(株)製カルボジライトV−02)15重量%などからなるインク受容層、
アクリル重合物とカルボジイミド基を有する化合物を含有する特開2004−345110に記載のインク受理層、
特開2009−125958に記載のポリエステル系ウレタンラテックス及びアクリルシリコーン系ラテックスなどの分散樹脂とカルボジイミドを含有するインク受理層。
また、特開2005−74880に記載の水性ウレタン樹脂および水性アクリル樹脂の2種と架橋剤を含むインク受容層も使用できる。
さらに、加水分解性シリル基を架橋成分として有しているカチオン性アクリルシリコンエマルション系樹脂のような分散樹脂とカチオン性ウレタン系樹脂との併用系のように分散樹脂とウレタン樹脂とを架橋したような特開2006−88341に記載のものも好ましい。
【0022】
ウレタン樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系等が例示できる。カチオン性ポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
カチオン性ウレタン系樹脂は、ポリエステル系、ポリエーテル系等が例示できるが、カチオン性ポリエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体樹脂、または、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル−酢酸ビニル、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル等のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル・スチレン共重合体樹脂等が例示できる。カチオン性アクリル・スチレン共重合体樹脂が好ましい。
インク受容層固形分中のカチオン性アクリルシリコンエマルション系樹脂とカチオン性ウレタン系樹脂の重量%は、カチオン性アクリルシリコンエマルション系樹脂が5〜25%で、カチオン性ウレタン系樹脂が75〜95%のものが好ましい。
さらには、カチオン性アクリルシリコンエマルション系樹脂が10〜20%で、カチオン性ウレタン系樹脂が80〜90%のものが好ましい。
【0023】
架橋剤として、ポリイソシアネート、ポリエチレンイミン及びカルボジイミド樹脂から選ばれるものが用いられる。
カルボジイミド樹脂は、ジイソシアネート類又はジイソシアネート類とトリイソシアネート類とを脱二酸化炭素縮合して得られる縮合反応物の末端イソシアネート基を親水性基で封止してなる水溶性又は水分散性カルボジイミド化合物である。
ジイソシアネート類及びトリイソシアネート類としては、脂環族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び芳香族イソシアネートのいずれでもよく、分子中にイソシアネート基を少なくとも2個以上、特に2個有するものが好適である。このようなイソシアネートとしては、分子中にメチレン基の炭素原子に結合したイソシアネート基を有しないイソシアネート化合物では4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(TIDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)などが、また分子中にメチレン基の炭素原子に結合したイソシアネート基を2個以上有する脂環族、脂肪族、芳香族イソシアネートではヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、1,12−ジイソシアネートドデカン(DDI)、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)、及び2,4−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン(OCDI)などが挙げられる。
末端イソシアネート基を封止する化合物は、イソシアネート基と反応し得る基を有する水溶性又は水分散性有機化合物であって、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の二官能性の水分散性有機化合物のモノアルキルエステル又はモノアルキルエーテル、あるいはカチオン系の官能基(例えば窒素を含む基)、又はアニオン系の官能基(例えばスルホニル基を含む基)を持つ一官能の有機化合物などが挙げられ、特に、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが好適である。
【実施例】
【0024】
実施例1 インクジェット用記録媒体1の作製
100μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、下記配合の異屈折率層塗液1の塗液をワイヤバーで厚みが95nmであるように塗布し、乾燥して異屈折率層を設けた。塗布乾燥後の異屈折率層の屈折率は1.46である。
<異屈折率層塗液配合1>
市販の非球状シリカゾル 10重量部
(日産化学製、スノーテックスUP、SiO濃度20重量%)
ポリビニルアルコール10重量%水溶液 1重量部
(ケン化度96〜98、重合度約2600)
イオン交換水 1589重量部
界面活性剤(旭硝子製、サーフロン145) 0.0001重量部
を加えて撹拌する。
ついで、異屈折率層の上に、特表平9−511955の記載に基づき約500オングストロームの厚さのアルミニウム層を減圧条件下にて蒸着により形成する。
次いで、該フィルムのアルミニウム層がある面の反対の表面に次の液体を塗布してインク受容層とする。
【0025】
<インク受容層形成組成物1>
ポリエーテル系ウレタン樹脂
(第一工業製薬株式会社 スーパーフレックス600固形分25%) 93重量部
カルボジイミド
(日清紡ケミカル株式会社 商品名;カルボジライトV02−L2) 7重量部
【0026】
上記重量比は乾燥重量比である。
上記成分をイオン交換水に順次投入し攪拌処理を行なった後、乾燥塗膜が20μmとなるようにインク受容層を設けてインクジェット用記録媒体1を得た。
【0027】
実施例2 インクジェット用記録媒体2の作製
100μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に下記の組成のプライマー層を乾燥厚みが0.5μmになるように設けた。
(プライマー層用組成1)
・ポリウレタン樹脂(N−5247 日本ポリウレタン社製) …100重量部
・溶剤(トルエン/メチルエチルケトン/IPA=1/1/1) …100重量部
次いで、このプライマー層の上に実施例1で使用した異屈折率層塗液配合1の塗液をワイヤバーで厚みが95nmであるように塗布し、乾燥して異屈折率層を設けた。
次いで、異屈折率層の上に、特表平9−511955の記載に基づき約500オングストロームの厚さのアルミニウム層を減圧条件下にて蒸着により形成する。
このようにして得たプライマー層、異屈折率層及びアルミ層がこの順で積層されたポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミ層のある面と反対の面に実施例1で使用したインク受容層形成組成物1を乾燥塗膜が20μmとなるように塗布しインク受容層を設けてインクジェット用記録媒体2を得た。
【0028】
実施例3 インクジェット用記録媒体3の作製
特表平9−511955の記載に基づき、100μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、約500オングストロームの厚さのアルミニウム層を減圧条件下にて蒸着により形成した。
この上に実施例1で使用した異屈折率層塗液配合1の塗液をワイヤバーで厚みが195nmであるように塗布し、乾燥して異屈折率層を設けた。この異屈折率層の上に実施例1で使用したインク受容層形成組成物1を乾燥塗膜が20μmとなるように塗布しインク受容層を設けてインクジェット用記録媒体3を得た。
【0029】
実施例4 インクジェット用記録媒体4の作製
上記実施例3の異屈折率層の厚みを390nmであるように塗布する以外は実施例3と同様にしてインクジェット用記録媒体4を得た。
【0030】
実施例5 インクジェット用記録媒体5の作製
特表平9−511955の記載に基づき、100μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、約500オングストロームの厚さのアルミニウム層を減圧条件下にて蒸着により形成した。
この上に実施例1で使用した異屈折率層塗液配合1の塗液をワイヤバーで厚みが195nmであるように塗布し、乾燥して異屈折率層を設けた。
ついで実施例2で使用したプライマー層用組成1の酸化チタン微粒子を含むプライマー層を乾燥厚みが0.5μmになるように設けた。
このプライマー層の上に実施例1で使用したインク受容層形成組成物1を乾燥塗膜が20μmとなるように塗布しインク受容層を設けてインクジェット用記録媒体5を得た。
【0031】
<インクジェット用記録媒体の評価>
実施例1〜5のインクジェット用記録媒体をA4判に断裁し、写真画像をインクジェットプリンターで(エプソン製PM−5000C)で記録した。この記録済み記録媒体について下記の評価を行った。
(1)記録媒体の色味の評価
実施例1〜5の記録媒体の色味と写真画像への影響を官能検査した。
(2)アイキャッチ効果の評価
蛍光灯のもとで白地の壁に貼り付け、10m離れた時点から目視で観察する。壁の白さと差別化され際だってその存在が強調されているものをアイキャッチ効果優、壁の白さに同化してその存在が判然としないものをアイキャッチ効果劣と判定する。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1から明らかなように、実施例1〜5の記録媒体は、アイキャッチ効果を落とさず、写真画像に影響を与えることなく、非画像部に色味を与えることができる。なお、記録媒体の色味の評価は、官能評価の他に、分光光度計によって可視領域の反射スペクトルを測定することによる評価を行なっても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材からなる層と、金属層およびインク受容層を有するインクジェット記録媒体において、金属層の鑑賞側の面上に設けられた異屈折率層の屈折率がこの異屈折率層の鑑賞側の面上に設けられた層と屈折率が異なっており、且つ前記異屈折率層の厚さが可視光線の波長範囲の1/4の整数倍の値であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
【請求項2】
前記インクジェット記録媒体において、該媒体の鑑賞側からインク受容層、透明基材層および金属層との順で設けられ、且つ前記透明基材層と金属層との間に透明基材層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられた請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
【請求項3】
前記インクジェット記録媒体において、該媒体の鑑賞側からインク受容層、金属層および基材層との順で設けられ、且つ前記インク受容層と金属層との間にインク受容層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられた請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
【請求項4】
前記インクジェット記録媒体において、該媒体の鑑賞側からインク受容層、透明基材層、プライマー層および金属層との順で設けられ、且つ前記プライマー層と金属層との間にプライマー層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられた請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
【請求項5】
前記インクジェット記録媒体において、該媒体の鑑賞側からインク受容層、プライマー層、金属層および基材層との順で設けられ、且つ前記プライマー層と金属層との間にプライマー層と屈折率の異なる異屈折率層が設けられた請求項1に記載のインクジェット記録媒体。

【公開番号】特開2012−45714(P2012−45714A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186913(P2010−186913)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】