説明

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、記録装置及び画像形成物

【課題】緑味或いは赤味を無くし又は和らげたインクジェット記録用イエローインクを提供する。
【解決手段】少なくとも、顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水を含有し、前記顔料として少なくともイソインドリン系顔料が選択され、かつ彩度を65以上80以下になるようにその他顔料が用いられ混合されているインクジェット用記録インクであり、前記選択されたイソインドリン系顔料が緑味の黄色である場合は前記その他顔料はマゼンタ顔料、前記選択されたイソインドリン系顔料が赤味の黄色である場合は前記その他顔料はシアン顔料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い画像彩度が得られ、かつ吐出安定性にも優れ、更にはインク液保存安定性にも優れたインクジェット用インクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。
インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方、カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。しかし、顔料系インクは染料系インクと比べてノズルの目詰まりが生じやすい傾向がある。
【0003】
顔料分散とは凝集体として存在している顔料を一次粒子または一次粒子に近い状態まで磨砕または解砕する操作であるが、顔料の一般的分散方法は、顔料と分散剤を分散媒体中で混合した顔料分散混合液をボールミルやサンドミルなどの分散装置と分散メディアを組み合わせ、磨砕または分散するものである。分散メディアとしてガラス、鉄、セラミックスなどの材質からなる直径数mmから1mm程度のビーズが使用されている。このビーズ径を小さくすることにより、幾何級数的に単位体積当たりのビーズ個数が増え、顔料とビーズとの衝突個数が飛躍的に増大し、顔料の微粒子分散が可能になる。
【0004】
最近では、液晶ディスプレイの高コントラスト化や撮像素子の微細化、インクジェットインクの高着色・高鮮明化等の要求に伴い、分散組成物中における顔料の微粒子化および高濃度化の要求が高まっているが、粒子径を微細化すればするほど、また顔料濃度を高くすればするほど、凝集を起こしやすくなり、安定な分散組成物を得ることが困難となっている。
【0005】
こうした問題を解決する為に、顔料自体の改良検討(顔料の表面処理)や顔料に対して良好な吸着性を有する分散剤、界面活性剤の開発、および顔料分散剤等の提案がこれまでに行われてきた。
カラーフィルターやインクジェット用インクに用いられる顔料としては、フタロシアニン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾ系顔料、染料レーキ顔料等が挙げられ、特にフタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料を中心に数々の顔料分散剤が報告されてきた。
【0006】
例えば、顔料のスルホン化物あるいはその金属塩を顔料と混和する方法(例えば、特許文献1〜3参照)、置換アミノメチル誘導体を混和する方法(例えば、特許文献4参照)、フタルイミドメチル誘導体を混和する方法(例えば、特許文献5参照)等が知られている。しかしながら、これらの方法は、特定骨格の顔料に対しては効果が認められるものの、スルホン基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基などを導入することが難しい骨格の顔料に対しては有用ではない。
特にカラーフィルターやインクジェットの分野で現在広く使用されているC.I.ピグメントイエロー139に代表されるイソインドリン系顔料に対しては、こうした官能基を導入することが難しく、これまで非常に限られた構造の顔料分散剤しか報告されていない。
【0007】
また特許文献6、7では、イソインドリン骨格を有し、酸性基を導入した構造が提案されているが、純度良く製造することが難しく、より簡便により分散安定効果の高い顔料分散剤の提案が求められていた。
【0008】
一方、黄色顔料であるイソインドリン系顔料は、赤味或いは緑味を有するものが多く、そのままでフルカラー記録用のイエローインクに使用するのには問題があり、その対策が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記のような事情に鑑みなされたもので、従来から一般に使用されているイソインドリン系顔料をそのまま用いて、インクジェット記録に有用な鮮明性(彩度)にすぐれたイエローインクを提供することである。本発明の他の目的は、従来から汎用されている顔料分散剤が適用できるインクジェット用イエローインクを提供することである。本発明のまた他の目的は、彩度が高く、吐出安定性や液安定性にも優れたインクジェット用イエローインクを提供することである。本発明のさらに他の目的は、前記イエローインクを用いるインクジェット記録装置および記録方法、画像形成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討した結果、少なくとも、顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水を含有したインクジェット用記録インク(イエローインク)において、顔料としてイソインドリン系顔料が選択され、彩度を65以上80以下になるように、前記選択されたイソインドリン系顔料が緑味の黄色である場合にはマゼンタ顔料を混合して緑味を無くし又は和らげ、前記選択されたイソインドリン系顔料が赤味の黄色である場合にはシアン顔料を混合して赤味を無くし又は和らげることによって、所望のイエローインクが得られることを確かめた。本発明はこうした知見に基づいてなされてものである。即ち、上記課題は以下に記載する発明によって達成される。
【0011】
(1)少なくとも、顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水を含有し、前記顔料として少なくともイソインドリン系顔料が選択され、かつ彩度を65以上80以下になるようにその他顔料が用いられ混合されていることを特徴とするインクジェット用記録インク(イエローインク)。
【0012】
(2)前記イソインドリン系顔料が、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185のいずれかであることを特徴とする上記(1)に記載のインクジェット用記録インク。
【0013】
(3)前記その他顔料がピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、ピグメントブルー15:3のいずれかであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のインクジェット用記録インク。
【0014】
(4)前記分散剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基またはアラルキル基を表し、mは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。)
【0017】
(5)前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする上記(4)に記載のインクジェット用記録インク。
【0018】
(6)前記樹脂エマルジョンが、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれに記載のインクジェット用記録インク。
【0019】
(7)上記(1)〜(6)のいずれに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【0020】
(8)上記(1)〜(6)のいずれに記載のインクジェット用記録インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【0021】
(9)上記(8)に記載のインクジェット記録装置を用いて画像支持体上に印字することを特徴とする画像形成方法。
【0022】
(10)上記(9)に記載の画像形成方法によって、画像支持体上に印字されたことを特徴とする画像形成物。
【0023】
(11)前記画像支持体が紙であることを特徴とする上記(10)に記載の画像形成物。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像彩度が高く、吐出安定性や液安定性にも優れたインクジェット用記録インク(イエローインク)、並びに、インクジェット記録装置及び画像記録方法、画像形成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は少なくとも、顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水を含有したインクジェット用記録インク(イエローインク)であって、前記顔料として少なくともイソインドリン系顔料(イエロー顔料)が選択され、かつ彩度を65以上80以下になるようにその他顔料が用いられ混合されていることを特徴とするものである。
【0027】
〔分散剤〕
本発明においては、顔料の分散剤としてはいかなるものであってもよいが、下記一般式(1)で表される化合物を用いることにより平均粒径が小さく、又粒度分布に於ける標準偏差の小さいインクインクジェット用記録インクを得ることができる。
【0028】
【化2】

【0029】
式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基またはアラルキル基を表し、mは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。
【0030】
一般式(1)において、nは好ましくは20以上200以下、より好ましくは30以上50以下である。nが20未満では分散安定性が低下する傾向があり、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きい顔料を含むインクとなるため満足な彩度が得られない。また、nが200より大きいとインクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。一般式(1)において、ポリエチレンオキシエチレン(POE)(n=40)βナフチルエーテルが更に好ましい。
【0031】
本発明の分散剤としては、前記一般式(1)で表される化合物以外では、水溶性スチレンアクリル樹脂(HPD−96、ジョンソンポリマー社製)や、下記構造式(2)で表されるスチレン化フェノール系(ノイゲンEA−177、n=25:HLBから推定)等を使用することができる。
【0032】
【化3】

【0033】
本発明のイエローインクにおいて、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対し10〜200質量部、好ましくは15〜100質量部、より好ましくは20〜50質量部の範囲である。10〜200質量部の範囲であれば、顔料の分散性が向上するとともに顔料分散体やインクの経時的保存安定性が向上する。
【0034】
〔樹脂エマルジョン〕
本発明のインクには、主に画像耐擦化性向上及び着色剤に顔料を用いた場合の保存安定性向上の目的で樹脂エマルジョンが添加されている。
樹脂エマルジョンの樹脂としては、ウレタン樹脂及びスチレン−アクリル樹脂から選ばれた少なくとも1種を用いる。これにより顔料粒子の周りに樹脂エマルジョンが保護コロイドとして形成され、インク保存性、画質、画像耐久性が従来よりも向上する。これらの樹脂は、他の樹脂と比較して、紙上で皮膜を形成し印刷物の耐擦性を向上させる効果も強いし、インクが紙のような記録媒体に着弾した際、増粘乃至凝集する性質を持つため、着色成分の浸透を抑制し、紙への定着を促進する効果を有する。
特にウレタン樹脂はカーボンブラックの分散安定性を向上させるので好ましい。また、2種以上の樹脂を併用する場合、組み合わせを適切なものにすれば、インクの保存性を確保しつつ画質、画像耐久性を更に上げることができる。
【0035】
前記のウレタン樹脂とは、主鎖がウレタン結合の連なるポリウレタン骨格を主体として構成される高分子化合物を指す。特に水分散性のウレタン樹脂が好ましい。このような水分散性のウレタン樹脂としては、ポリウレタン骨格の主鎖中に、水に安定に分散させるために必要な親水成分を導入したり、あるいは外部乳化剤で分散することにより得られるポリウレタンの水分散体が一般的であるが、主鎖中に親水成分を導入した自己分散タイプ(自己乳化型)のものがより好ましい。コロイダルディスパージョン、エマルジョン、サスペンション、スラリーといった形態のいずれであってもよい。
水分散性のウレタン樹脂の例としては、ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、ポリカーボネートジオール類などのジオール化合物と、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸基含有ジオールとを反応して得られる水分散性の各種のウレタン樹脂(エステル系ウレタン樹脂、エーテル系ウレタン樹脂、カーボネート系ウレタン樹脂など)が挙げられるが、これらの中でも特にアニオン性自己乳化型エーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
【0036】
上記のジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)などが挙げられる。
【0037】
上記のジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。インクの保存安定性の観点からは、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のジオール化合物が好ましく、ポリエーテル系又はポリカーボネート系が更に好ましく、ポリエーテル系が最も好ましい。ポリエーテル系、ポリカーボネート系は水中で加水分解による変質を起こしにくいため、保存安定性が良好になる。
上記の酸基含有ジオールとしては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。特にジメチロールブタン酸が好ましい。
【0038】
ウレタン樹脂の合成方法としては、イソシアネート基と反応しない低沸点溶剤(アセトン等)中で、イソシアネート末端プレポリマーを合成し、ジアミン、ポリオールなどで親水基を導入後、水で希釈して相転換させ、溶剤は留去させてポリウレタンディスパージョンを得る溶液法、親水基を導入したイソシアネート基末端プレポリマーを最初に合成し、水中に分散後、アミンで鎖延長を行うプレポリマー法、その他、ホットメルト法、ウレタンプレポリマーを乳化剤水溶液中で媒体である水を鎖伸長剤として使用する方法、疎水性ポリオールと芳香族ポリイソシアネートから得られる遊離イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの芳香環をスルホン化する工程を経る方法、ブロックイソシアネートを使用する方法など、色々と知られているが、特に限定されるものではない。
プレポリマー法によって合成する場合には、低分子量のポリヒドロキシ化合物を使用してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、上記ポリエステルジオールの原料として挙げたグリコール及びアルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、そのアルキレンオキシド低モル付加物などが挙げられる。
【0039】
水分散性のウレタン樹脂の場合、有機溶剤相で作成したウレタンプレポリマーを転相・乳化し水相で更に鎖延長させる方法が一般的に知られている。この際の鎖伸長剤としてジアミン等のポリアミン類が一般的である。具体的には、ウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後、又は中和しながら水延長又はジ若しくはトリアミン延長する。アミン延長の際に鎖伸長剤として使用するポリアミン類としては、通常、ジアミン又はトリアミンが用いられる。また、その具体例としてはヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジンなどが挙げられる。
しかしながら、鎖伸長剤としてポリアミン類を使用したウレタン樹脂を用いると、インクの保存安定性が良くない傾向にあることが判明した。これは、アミン延長したウレタン樹脂(ポリウレタンウレア部分を含むウレタン樹脂)は加水分解を生じやすいこと、更に、加水分解によって生じたポリアミン類もまた顔料分散液中で凝集剤として働くことから、二重に悪い影響を与えていると推測される。
【0040】
ウレタン樹脂は、Li、Na、K等のアルカリ金属塩、アンモニア、ジメチルアミン、(モノ、ジ、トリ)エタノールアミン等の有機アミン塩などの形で使用できる。これらは前述の方法で得られたウレタン樹脂を更に中和することにより得ることができる。
この中和の際に使用する塩基としては、所望の塩のカウンターイオンなどに応じて適宜選択することができ、例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウムなどの無機塩基が挙げられる。
【0041】
次に、スチレン−アクリル樹脂について更に説明する。
この樹脂は、水性媒体中で周知の遊離ラジカル乳化重合法で調製でき、一種類のモノマーから製造されるホモポリマー、又は一種類より多いモノマーから製造されるコポリマーを用いることができる。水不溶性ホモポリマーを生成するモノマーを含むポリマーが、そのようなモノマーのコポリマーと同様に好ましい。またポリマー組成物全体がラテックスを形成するのに十分に水不溶性であるならば、水溶性ホモポリマーを生成するモノマーを含むこともできる。
これらのポリマーは乳化重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、イオン重合(カチオン、アニオン)、Atomic Transfer Radical Polymerization及び重合技術分野において周知の他の重合法で製造できる。
【0042】
好ましいポリマーの例は、水性乳剤中のビニルモノマーの遊離ラジカル重合により調製されるスチレン−アクリル樹脂である。ポリマーラテックスは、水不溶性ホモポリマーを生成する、エチレン系不飽和疎水性モノマーを含むホモポリマー又はコポリマー又は架橋ポリマーが好ましく、ポリマー組成物全体がラテックスを形成するのに十分な水不溶性であるならば、水溶性ホモポリマーを生成するエチレン系不飽和親水性モノマーをも含むモノマーのコポリマーも同様に好ましい。
これらのスチレン−アクリル樹脂は、乳化重合、分散重合、懸濁重合、粉砕又は溶液/バルク重合により製造することができる。この方法及び安定化剤についての詳しい情報は、“Emulsion Polymerization and Emulsion Polymer”(P.A.Lovell,M.S.El−Aasser,John Wiley & Sons Ltd.,England、1977年)等に記載されている。
【0043】
市販の樹脂エマルジョンとしては、J−450,J−734,J−7600,J−352,J−390,J−7100,J−741,J−74J,J−511,J−840,J−775,HRC−1645,HPD−71,PDX−6102B,JDX−5050(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、BASF社製)、UC−3900(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、東亜合成社製)、SF460,SF460S,SF420,SF110,SF300,SF361(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、日本ユニカー社製)、W−6020,W−5025,W−5661,W−6010(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、三井化学社製)などが挙げられる。
【0044】
樹脂エマルジョンの添加量は、インク全体の0.1〜10質量%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲である。0.1質量%未満では十分な定着性が得られないことがあり、10質量%を超えると、固形分が多く溶媒が少ない組成となることから、保存安定性が悪化したり、ノズルでの乾燥や固化が発生しやすくなり、吐出性が低下したりする場合がある。
【0045】
〔水〕
水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
また、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いることにより、インクを長期間保存する場合にカビやバクテリアの発生を防ぐことができるので好適である。
【0046】
〔顔料〕
本発明で主として用いられる顔料は、イソインドリン系顔料(イエロー顔料)である。
イソインドリン系顔料は、1,3−ジイミノイソインドリンと活性メチレン化合物を縮合して得られる顔料で、例えばC.I.ピグメントイエロー139が挙げられる。この他にも本発明においては、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー185等が好ましく用いられる。
【0047】
C.I.ピグメントイエロー109は、下記構造式(3)を有する有機化合物で緑味の黄色顔料である。
【0048】
【化4】

【0049】
C.I.ピグメントイエロー110は、下記構造式(4)を有する有機化合物で赤味の黄色顔料ある。
【0050】
【化5】

【0051】
C.I.ピグメントイエロー139は、下記構造式(5)を有する有機化合物で赤味の黄色顔料ある。
【0052】
【化6】

【0053】
C.I.ピグメントイエロー185は、下記構造式(6)を有する有機化合物で緑味の黄色顔料である。
【0054】
【化7】

【0055】
前記イソインドリン系顔料の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なほど発色性に優れるため、10〜200nm、好ましくは10〜150nmである。イソインドリン系顔料の粒径は、前記イソインドリン系顔料、分散剤及び分散媒体の選択、分散条件、濾過条件の設定などにより調整することができ、またイソインドリン系顔料の粒径を制御することにより、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、インク組成物の透明性及び硬化感度を維持することができる。
【0056】
本発明のイエローインクの彩度を65以上80以下になるように混合される前記黄色顔料以外の顔料(以降「補色顔料」ともいう)の好ましい例としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントブルー15:3等が挙げられる。
【0057】
C.I.ピグメントレッド122は、下記構造式(7)を有する有機化合物でマゼンタ顔料である。
【0058】
【化8】

【0059】
C.I.ピグメントバイオレット19は、下記構造式(8)を有する有機化合物でマゼンタ顔料である。
【0060】
【化9】

【0061】
C.I.ピグメントブルー15:3は、下記構造式(9)を有する有機化合物でシアン顔料である。
【0062】
【化10】

【0063】
前記補色顔料の平均粒径としては、前記イソインドリン系顔料の平均粒径の場合と同様特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なほど発色性に優れるため、10〜200nm、好ましくは10〜150nmである。前記補色顔料の粒径も、前記イソインドリン系顔料の場合と同様、補色顔料、分散剤及び分散媒体の選択、分散条件、濾過条件の設定などにより調整することができる。
【0064】
イソインドリン系顔料と補色顔料との混合は、得られるイエローインクの彩度が65〜80の範囲となるような割合で混合されるが、概ね質量比で、イソインドリン系顔料:補色顔料=99:1〜99.9:0.1、好ましくは99.2:0.8〜99.6:0.4である。
【0065】
<彩度>
本発明のインクジェット用インク(イエローインク)の彩度は65〜80の範囲であり、65未満では色再現性に乏しくなる懸念となり、80超では赤みもしくは緑みの強いイエローとなって不具合である。
こうした彩度65〜80のイエローインクの使用によれば、記録(印字)された画像は良好な鮮明性を有するものである。
本発明でいう彩度(L*)は、次のような測定・試験により求められるものである。
【0066】
1.測定項目の定義
この試験法で定義される測定項目とその意味を以下に定義する。
L* :UV分光光度計(日立社製、U−3300)の測定スペクトルから計算される、液体の明度
a* :UV分光光度計(日立社製、U−3300)の測定スペクトルから計算される、液体の色差a*
b* :UV分光光度計(日立社製、U−3300)の測定スペクトルから計算される、液体の色差b*
【0067】
2.機器構成
(1)UV分光光度計(日立社製、U−3300)
(2)精密電子天秤
(3)石英セル(光路長:10mm)
(4)純水(ブランク測定、希釈、洗浄用)
【0068】
3.試験環境
25℃
【0069】
4.測定手順
〈No.1〉測定サンプルの調整
サンプルを精密電子天秤で約0.5g精秤し、純水を加えて約20gまで希釈し、均一に攪拌する。この希釈したサンプルを精密電子天秤で約0.5g精秤し、純水を加えて約50gまで希釈し、均一に攪拌し、測定サンプルを調製する。
〈No.2〉測定条件設定(光度計条件、測定条件)
データモード :Abs
スキャンスピード:300nm/min
波長範囲 :800〜200nm
測光値範囲 :3.000〜0.000 Abs
スリット :2.0nm
ホトマル電圧 :自動制御
光源切換波長 :自動切換(340nm)
ベースライン補正モード:ユーザー1
サンプリング間隔:0.5nm
高分解能測定 :off
初期待ち時間 :0 sec
〈No.3〉手順
(i)ベースラインを測定し、設定する。(ii)測定サンプル液をセルに入れ、サンプル側にセットする。(iii)サンプルの分光スペクトルを測定する。(iv)測定した分光スペクトルより、L*、a*、b* を求める。
彩度(L*)は上記a、b値を用いて
【0070】
【数1】

【0071】
のことをいう。
【0072】
〔その他成分〕
本発明のイエローインクには、前記の顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水の他に、必要に応じて、水溶性有機溶剤、湿潤剤、浸透剤、pH調整剤、防腐剤などが含有されていてもよい。
【0073】
水溶性有機媒体の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等、またノニオン、アニオン、カチオン、両性の各種の界面活性剤などが挙げられる。
水溶性有機媒体のインク中の含有量は、1〜50質量%が好ましい。
【0074】
湿潤剤は、特に乾燥による記録ヘッドのノズルの詰まりを防止することを目的に添加されるものである。湿潤剤の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノ−ル等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらは、水とともに単独もしくは複数混合して用いられる。
湿潤剤のインク中の含有量は、1〜50質量%が好ましい。
【0075】
浸透剤はインク組成物と被記録材の濡れ性を向上させ、浸透速度を調整する目的で添加されるものである。浸透剤の具体例としては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、などの脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中でも、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが特に好ましい。
浸透剤のインク中の含有量は、1〜30質量%が好ましい。
【0076】
〔インクジェット用インクの調製〕
本発明のインクは公知の方法で作製できる。例えば顔料分散体、水、水溶性有機溶剤等を、サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー、超音波分散機等を用いて攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子を濾過過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
【0077】
〔インクカートリッジ、インクジェット記録装置等〕
上記本発明の顔料系インクジェット用インクは、例えばカラー画像を形成するために複数の異なる色相のインクを重ねて画像支持体に画像形成するインクジェット記録用インクセット、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることが出来る。また本発明の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行って画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマンド型としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が挙げられる。
【0078】
本発明においてインク受容体(画像支持体)は、紙などのインクに対して吸収性を有するもの、インク組成物に対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な受容体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。
このうち、紙が経済性の点と画像の自然さの点で最も好ましい。
【0079】
本発明のインクカートリッジ(以下カートリッジ)及びインクジェット記録装置について図1を用いて説明する。
図1において、本発明のインクジェット用インクが収容されるインクカートリッジ20は、キャリッジ18に収納される。ここで、カートリッジ20は便宜上複数設けられているが、複数である必要はない。このような状態でインクジェット用インクが、カートリッジ20からキャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aに供給される。なお、図1において、吐出ノズル面は下方向を向いた状態であるため見えない状態であるが、この吐出ノズルからインクジェット用インクが吐出される。
キャリッジ18に搭載された液滴吐出ヘッド18aは、主走査モータ24で駆動されるタイミングベルト23によってガイドシャフト21、22にガイドされて移動する。一方、特定のコート紙(画像支持体)はプラテン19によって液滴吐出ヘッド18aと対面する位置に置かれる。なお、図中における各符号、1はインクジェット記録装置、2は本体筐体、16はギア機構、17は副走査モータ、25及び27はギア機構、26は主走査モータを示す。
本発明におけるインクジェット用インクを収容したインクジェット記録装置を用いて画像支持体上にパターン形成を行えば、オンデマンドで画像支持体に印刷された画像形成体が得られる。また、インクジェット用インクの補充はインクカートリッジ単位で取り替えることが可能である。
【実施例】
【0080】
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお、ここでの部数は質量部を表す。Y顔料はイエロー顔料を意味するものである。
【0081】
実施例で用いるY顔料(イエロー顔料)α、β、γ及びδ、比較例で用いるY顔料(イエロー顔料)εを表1に示す。なお、顔料種ε(ピグメントイエロー74)はアゾ系顔料である。
【0082】
【表1】

【0083】
実施例で用いる補色顔料ζ、ρ及びηを表2に示す。
【0084】
【表2】


また、実施例及び比較例で用いる分散剤I〜VIIを表3、樹脂エマルジョンa、b及びcを表4に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
【表4】

【0087】
前記のY顔料、補色顔料、分散剤を蒸留水中に分散ないし溶解させて全量が1000部となる下記表5に示す分散体No.1〜No.15を調製した。
【0088】
【表5】

【0089】
上記表5での混合物(分散体)をプレミックス後、ビーズミル分散機(寿工業社製、UAM−015)を用い0.03mmジルコニアビーズ(密度:6.03×10−6g/m)で周速8m/s、液温30℃で15分間分散した後、遠心分離機(久保田商事(株)製、Model−3600)で粗大粒子を遠心分離し分散体の平均粒子径100nmを得た。
【0090】
〔実施例1〜13、比較例1〜5〕
全量が100部となるように、インク成分を混合した。
・インク基本処方
顔料固形分 8.0部
グリセリン 20.0部
ジエチレングリコール 10.0部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
樹脂エマルジョン 2.0部
蒸留水 残り
インクを調整し、30分攪拌後孔径0.8μmのメンブランフィルターで濾過、真空脱気して、表6に示す実施例・比較例のインクジェット記録インク(イエローインク)を得た。
【0091】
【表6】

【0092】
上記のインクジェット用記録インクをリコー社製インクジェットプリンター(IPSiO GX 5000)用インクパックに充填してインクカートリッジを作成した。
【0093】
得られたイエローインクのベタ濃度、彩度、吐出安定性、インク保存性を評価した。評価結果をまとめて表7に示す。
【0094】
<ベタ濃度評価>
ゼロックス(株)社製PPC用紙XEROX4200に印字し、印字画像をXrite濃度計にて測定した。ブルーフィルターは用いず、(株)リコー製PPC用紙Type6200 10枚を束ねて下地にして測定し、下記の基準に従い評価した。このとき、乾燥塗工の条件は435mg/A4である。
○:0.90以上
△:0.90未満0.70以上
×:0.70未満
【0095】
<彩度評価>
前述の測定方法に従い日立社製UV分光光度計(U−3300)によりイエローインクを測定し、下記評価基準に従って評価した。
×:彩度80より大
○:彩度65以上 80以下
×:彩度65未満
【0096】
<吐出安定性評価>
プリンタを恒温恒湿槽に入れ、槽内の環境を温度32℃、湿度30%RHに設定、以下の印刷パターンチャートを20枚連続で印字後、20分間印字を実施しない休止状態にし、これを50回繰り返し、累計で1,000枚印写後、ノズルプレートを顕微鏡で観察し、固着の有無を判断した。
−印刷パターンチャート−
印刷パターンは、画像領域中、印字面積が、紙面全面積中、各色印字面積が5%であるチャートにおいて、各インクを100%dutyで印字した。印字条件は、記録密度は300dpi、ワンパス印字とした。
○:ノズル近傍に固着なし
△:ノズル近傍にやや固着あり
×:ノズル近傍に固着あり
【0097】
<インク保存性評価>
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
○:10%以内
△:30%以内 10%を超える
×:30%を超える
【0098】
【表7】

【0099】
表7に示されるように、本発明によれば、ベタ濃度、彩度が高く、吐出安定性や液安定性にも優れたインクジェット用記録インク(イエローインク)を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
1 インクジェット記録装置
2 本体筐体
16 ギア機構
17 副走査モータ
18 キャリッジ
18a 液滴吐出ヘッド
19 プラテン
20 インクカートリッジ(カートリッジ)
21 ガイドシャフト
22 ガイドシャフト
23 タイミングベルト
24 主走査モータ
25 ギア機構
26 主走査モータ
27 ギア機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【特許文献1】特公昭41−2466号公報
【特許文献2】特開昭63−172772号公報
【特許文献3】特公昭50−4019号公報
【特許文献4】特公昭39−16787号公報
【特許文献5】特開昭55−108466号公報
【特許文献6】特開2005−179489号公報
【特許文献7】特開2007−120777号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、顔料、分散剤、樹脂エマルジョン、水を含有し、前記顔料として少なくともイソインドリン系顔料が選択され、かつ彩度を65以上80以下になるようにその他顔料が用いられ混合されていることを特徴とするインクジェット用記録インク。
【請求項2】
前記イソインドリン系顔料が、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー185のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録インク。
【請求項3】
前記その他顔料がピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、ピグメントブルー15:3のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用記録インク。
【請求項4】
前記分散剤が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用記録インク。
【化1】


(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基またはアラルキル基を表し、mは0〜7の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。)
【請求項5】
前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット用記録インク。
【請求項6】
前記樹脂エマルジョンが、アニオン性自己乳化型のエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれに記載のインクジェット用記録インク。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれに記載のインクジェット用記録インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれに記載のインクジェット用記録インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載のインクジェット記録装置を用いて画像支持体上に印字することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像形成方法によって、画像支持体上に印字されたことを特徴とする画像形成物。
【請求項11】
前記画像支持体が紙であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−201849(P2012−201849A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69594(P2011−69594)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】