説明

インクジェット記録装置、記録方法及びテストパターン記録方法

【課題】記録媒体によるインクの吸収能力だけでなく、双方向記録が行われる際のバンドムラの有無及びマイクロビーディングの有無を確認することができる記録装置、記録方法及びテストパターン記録方法を提供する。
【解決手段】テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、第一の間隔で第一のテストパターンの記録を行うように、記録ヘッド202によるインクの吐出動作が制御される。そして、第二のテストパターンを記録する際には、テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、第一の間隔よりも長い第二の間隔で記録を行うように、記録ヘッド202によるインクの吐出動作が制御される。そして、第一のテストパターンと第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて記録ヘッド202によるインクの吐出動作が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録画像の記録に用いられるパラメータを選択、作成するためのテストパターンを記録するインクジェット記録装置、記録方法及びテストパターン記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置においては、記録が行われる場合に、その記録媒体の特性に合わせて入力画像に対し適切に色補正やインク色分解等の画像処理を行い、記録画像の画質を向上させるように工夫が行われてきた。例えば、この記録装置を利用するユーザが、記録媒体に適当な複数のテストパターンを記録し、そのテストパターンの記録された画像に基いて記録装置を駆動するためのアプリケーションやドライバ上から、適切なパラメータを選択し、記録を行う。従って、ユーザが記録しようとする記録媒体や記録環境に適したパラメータが選択されて記録が行われることで、良好な記録画像を得ることができる。
【0003】
このように、予めテストパターンを記録媒体に記録し、記録媒体に記録されたテストパターンの記録状態に応じて、記録の際に用いられるパラメータが選択、作成され、そのパラメータに応じて記録が行われる記録装置について、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、インクの打ち込み量の異なる複数のパターンが予め形成され、これらのパターンから、にじみが現れないような記録媒体のインク吸収能力に応じた最適なパターンが選択される。そして、選択されたパターンに応じてインク打ち込み量を考慮したパラメータが選択、作成され、そのパラメータに従って記録が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−142206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のテストパターンから最適なテストパターンが選択され、選択されたテストパターンに基いてパラメータが選択、作成されて、そのパラメータに従って記録が行われたとしても、記録画像の品質が十分でない場合がある。
【0006】
記録ヘッドが主走査方向に走査を行いながら記録が行われるシリアルスキャン方式が採用された記録装置で、同一の記録位置に対して複数回走査が行われることによって記録が行われるマルチパス方式が採用されて記録が行われる場合について説明する。マルチパス方式によって記録が行われる場合、実際に記録媒体に記録画像を記録する際には、記録ヘッドが記録媒体における記録領域の幅方向全体に亘って走査しつつ記録が行われた後に記録媒体の搬送が行われて、次の走査分の記録が行われる。これに対して、実際の記録の前段階で予めテストパターンを記録する際には、テストパターン形成領域の幅の分だけ走査しつつ記録が行われた後に記録媒体の搬送が行われて、次の走査分の記録が行われる。
【0007】
一般に、記録媒体における記録領域の幅方向への大きさは、テストパターンの幅方向への大きさよりもきわめて大きい。このため、所定領域への記録の際に、ある領域への記録が行われてから次のパスで記録が行われるまでの時間が、実際の記録画像の記録と、テストパターンの記録との間で大きく異なる場合がある。つまり、パス間におけるインク着弾時間の差が、実際の記録画像の記録と、テストパターンの記録との間で大きく異なる場合がある。
【0008】
ところが、このような場合でも予め選択されたテストパターンに基いてパラメータが選択、作成されて、そのパラメータに従って記録が行われる。従って、実際の記録画像の記録の際に、最適な条件で記録が行われない可能性がある。
【0009】
記録画像における色間の境界ブリードや記録媒体からのインクの溢れといった現象に関しては、パス間におけるインク着弾時間の差の短い方が条件が厳しいので、テストパターンの記録で十分に確認することができる。すなわち、テストパターンの記録で色間の境界ブリードや記録媒体からのインクの溢れが発生しないことを確認していれば、実際の記録画像の記録の際にこれらが発生することは少ない。従って、記録によって得られる画像の品質が低下することは少ない。
【0010】
しかしながら、実際の記録画像の記録ではパターン記録時よりもパス間のインク着弾時間の差が長く、これによって実際の記録画像の記録において双方向記録が行われる際の往方向走査での記録と復方向走査での記録との間の差が大きい部分が生じる。往方向走査での記録と復方向走査でのインク着弾時間の差が比較的大きい部分と比較的短い部分とが生じるので、これらの部分の間でインクが記録媒体に浸透するインクの記録媒体への浸透定着状態が異なる。従って、これらの部分の間で記録画像の色味に差が生じ、記録画像にバンドムラが生じることがある。また、インク着弾時間の差が長くなることによって、隣接するドット同士が付着し、記録画像にマイクロビーディングが生じることがある。テストパターンの記録ではパス間におけるインク着弾時間の差が短いので、記録されたテストパターンから、実際の記録画像を記録する際のバンドムラやマイクロビーディングの発生を判断することは難しい。
【0011】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、色間の境界ブリードや記録媒体からのインクの溢れだけでなく、双方向記録が行われる際のバンドムラ及びマイクロビーディングの発生を確認することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。また、そのようなインクジェット記録装置による記録方法及びテストパターン記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、記録画像を形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって記録画像を形成するマルチパス記録を行うインクジェット記録装置において、テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で第一のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第一のテストパターン記録制御手段と、テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第二のテストパターン記録制御手段とを有し、前記記録制御手段は、前記第一のテストパターンと前記第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする。
【0013】
本発明の記録方法は、記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、記録画像を形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって記録画像を形成するマルチパス記録を行うインクジェット記録装置によって記録を行う記録方法において、テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で行われて第一のテストパターンの記録を行う第一のテストパターン記録ステップと、テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で行われて第二のテストパターンの記録を行う第二のテストパターン記録ステップと、前記第一のテストパターンと前記第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて、前記記録制御手段が前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御するインク吐出動作制御ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明のテストパターン記録方法は、記録媒体にインクを吐出してテストパターンの記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、前記テストパターンを形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって前記テストパターンを形成するインクジェット記録装置によって前記テストパターンの記録を行うテストパターン記録方法において、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で行われて第一のテストパターンの記録を行う第一のテストパターン記録ステップと、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で行われて第二のテストパターンの記録を行う第二のテストパターン記録ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、色間の境界にじみ、インク溢れだけでなく、インクの着弾時間の違いから生じる双方向バンドムラやビーディング現象をそれぞれが発生し易い条件で確認することができる。そのため、ユーザは記録に不利な現象が生じることを確実に判断しながら最適な画像処理パラメータを作成することができ、高品質な記録画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置に搭載された記録ヘッドの吐出口形成面の平面図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置の制御系のブロック図である。
【図4】図1のインクジェット記録装置によって記録を行う際の画像データの処理の流れを説明するための説明図である。
【図5】図1のインクジェット記録装置を用いて記録を行う際の、記録媒体における記録領域と記録ヘッドの位置関係を説明するための説明図である。
【図6】記録の際に、マイクロビーディングが発生した場合の記録画像の現れ方について説明するための説明図である。
【図7】図1のインクジェット記録装置によって4パス記録でテストパターンの記録が行われる際の、それぞれのパスごとに記録される領域を説明するための説明図である。
【図8】(a)は色間の境界にじみやインクの溢れについて確認するためのテストパターンについて説明するための説明図であり、(b)は双方向バンドムラやマイクロビーディングについて確認するためのテストパターンについて説明するための説明図である。
【図9】図1のインクジェット記録装置によって記録を行う際に、記録媒体への最大インク打ち込み量を設定する際のフローを示すフローチャートである。
【図10】図1のインクジェット記録装置によって記録を行う際に、それぞれのテストパターンの記録を行うときのフローを示すフローチャートである。
【図11】(a)はインク着弾時間差制御を行わずに記録を行う場合について説明するための説明図であって、(b)、(c)、(d)はインク着弾時間差制御が行われてテストパターンを記録する場合について説明するための説明図である。
【図12】図1のインクジェット記録装置によってテストパターンの記録を行う際の、テストパターンにおける記録位置と記録ヘッドの位置関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係るインクジェット記録装置100の模式的な斜視図である。記録装置100のキャリッジユニット
201に搭載される記録ヘッド202は、走査方向203に沿って、異なる色調のインク、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のインクそれぞれの吐出部を配置している。Pは記録媒体であり、矢印207の方向に搬送される。205はキャリッジユニット201を移動させるためのベルト、206は、記録媒体Pを搬送する搬送ローラー、204は、キャリッジユニット201に電気信号を送るフレキシブルケーブルである。記録ヘッド202は、記録媒体Pを横切ってキャリッジユニット201を矢印203の方向に走査させながら記録媒体に記録を行う。図1に示されるように、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段を有している。1回のキャリッジユニットの走査が完了後、記録媒体Pを矢印207の方向に所定量搬送する。この動作を繰り返して記録媒体に画像を記録する。また、本実施形態では、記録装置は、最大幅60インチの記録媒体に記録可能である。
【0019】
図2は、記録ヘッドにおける吐出口形成面の平面図を示しており、吐出口列の一部が示されている。参照符号401、402、403、404は、図4における左から順にブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色のインクを吐出する吐出口列を示している。なお、吐出口列における吐出口同士の間隔は、1200dpiであり、各色の吐出口列の吐出口数は、1280個である。
【0020】
図3は、本実施形態の記録装置における制御構成を示すブロック図である。CPU300は、ROM301に格納されている制御プログラムを実行する。RAM302は、このCPU300の制御実行の際にワークエリアとして用いられる。また、記録装置は、不揮発性のメモリ306を備えている。ASIC303は、CPU300による制御の下、モータドライバ304、305を介してキャリッジモーター302、記録媒体搬送モーター(不図示)のそれぞれ制御することで記録媒体の搬送動作や記録ヘッドの走査を行う。ROM301、RAM302、CPU300及びASIC303は、記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段として機能する。
【0021】
図4は、本実施形態の記録装置により記録が行われる際の、画像処理の構成を示すブロック図である。本実施形態の画像処理では、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)各色8ビット(それぞれ256階調)の画像データ(輝度データ)が入力される。そして、最終的にC吐出口列群、M吐出口列群、Y吐出口列群、K吐出口列群が吐出する各吐出口列群1ビットのビットイメージデータ(記録データ)として出力する処理を行う。なお、色の種類や、色の階調はこの値に限るものではない。まず、ホスト装置において、多次元のLUT(ルックアップテーブル)1201を用いてR、G、B多値の輝度信号で表現される画像データが、R、G、B多値のデータに変換される。この色空間変換前処理(前段色処理とも称する)は、記録対象におけるR、G、Bの画像データが表わす入力画像の色空間と、記録装置で再現可能な色空間との間の差を補正するために行なわれる。
【0022】
R、G、Bの画像データを例にとって画像処理について説明する。前段色処理を施されたR、G、BまたはC、M、Y、K各色のデータは、記録装置に送信される。記録装置は、多次元LUT1202を用いてホスト装置より受信した前段色処理を施されたR、G、BまたはC、M、Y、K各色のデータをC、M、Y、K多値のデータに変換する。この色変換処理(後段処理とも称する)は、輝度信号で表現される入力系のRGB系の画像データを、濃度信号で表現するための記録装置における出力系のCMYK系の画像データに色変換するために行なわれる。次に、後段色処理が施されたC、M、Y、K多値のデータは、それぞれの色の1次元LUT1203により出力γ補正が行なわれる。通常、記録媒体の単位面積当たりに記録されるドットの数と、記録された画像を測定して得られる反射濃度などの記録特性は、線形関係にならない。そのため、例えばC、M、Y、K各10ビットの入力階調レベルとそれによって記録される画像の濃度レベルが線形関係となるように、C、M、Y、K多値の入力階調レベルを補正する出力γ補正処理が行なわれる。この色変換処理または出力γ補正の際に、最大インク打ち込み量の情報を考慮し、この最大インク打ち込み量を超えないようなCMYKデータに変換することが一般的である。次に、2値化処理1204を行う。本実施形態の記録装置は、2値記録装置であるので上記のように得られたC,M,Y,K各色8ビットのデータは、C,M,Y,K各色1ビットのデータに量子化される。本実施形態では、2値化の手法として誤差拡散法を用いる。この誤差拡散法を用いた量子化方法それ自身は公知の技術であるのでここではその説明は省略する。2値化の手段には誤差拡散法の他にディザ法を用いても構わない。更に、インデックスパターンによるインデックス展開を行って構わない。その後、マスクパターンなどによってパス分配処理1205を行い、各インク色のデータは各パス毎に分配され、各インク色の各吐出口列で記録するデータを生成する。本実施形態における画像処理パラメータとは、1201、1202、1203で使用されるLUTのことである。
【0023】
本実施形態の記録装置によって行われる実際に記録画像を記録する記録動作について説明する。本実施形態の記録装置では、記録ヘッドが主走査方向に走査を行いながら記録が行われるシリアルスキャン方式が採用されている。また、記録画像を形成するときに同一の記録位置に対して記録ヘッドが複数回走査することによって記録画像を形成するマルチパス方式が採用されて記録が行われている。また、記録ヘッドの走査における往方向及び復方向の両方で記録が行われる双方向記録が行われている。ここでは特に、マルチパス記録によって行われる記録動作の各パス間の経過時間について説明する。
【0024】
図5を用いて、本実施形態の記録媒体に画像を記録する時の動作とその時発生するパス間のインク着弾時間差に関して説明する。図5に示されるように、本実施形態では、記録媒体は主走査方向に沿う方向にLの長さを有している。特に、本実施形態では、記録媒体の主走査方向に沿う長さは60インチである。なお、このパス間のインク着弾時間差は、画像の走査方向のサイズによって異なり、記録画像における最大幅の画像領域を記録する際に最も大きくなる。図5では、画像1000を4パス記録で記録している。1001から1005は、時間の経過と共に変化する記録ヘッドの位置について示している。まず、1001の位置にある記録ヘッドを矢印1006の方向に速度40インチ/秒で走査しながら記録領域1011を記録する。次に、記録媒体を搬送し、画像に対して記録ヘッドを1002の状態にし、矢印1007の方向に走査しながら記録領域1011、1012を記録する。1001のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域1013、1014の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0025】
記録領域1013の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
記録領域1014の時間差=0.2秒
次に、記録媒体を搬送し、画像に対して、記録ヘッドを1003の状態にし、矢印1008の方向に走査しながら記録領域1011、1012を記録する。1002のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域1013、1014の2パス目と3パス目、記録領域1015、1016の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0026】
記録領域1013の時間差=0.2秒
記録領域1014の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
記録領域1015の時間差=0.2秒
記録領域1016の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
同様の動作を繰り返すことで、画像が形成され1013〜1016各々の記録領域のパス間の時間差は表1のようになる。
【0027】
【表1】

【0028】
表1から、記録媒体の搬送方向(副走査方向)に隣接する記録領域1013と1015および1014と1016とでは、パス間の時間差が異なっていることがわかる。このように、領域ごとにパス間のインク着弾時間の差が異なると、その間にインクが記録媒体に浸透する浸透定着状態が変化することから、これらの領域ごとに着弾したインクによる色味が異なる。従って、双方向記録が行われる場合には、それぞれのパスで記録される領域ごとに主走査方向に延びたバンドムラが発生する。また、パス間の時間差が3.2秒と大きくなる領域では、記録画像にマイクロビーディングが発生し易くなる。
【0029】
特に、記録媒体が比較的大きい場合の記録動作においては、パス間のインク着弾時間に比較的大きな差が生じることがある。従って、インクジェット記録装置は、このようなパス間のインク着弾時間差を考慮して記録媒体へのインク打ち込み量を決定することが要求される。
【0030】
ここで、マイクロビーディング現象についての模式図を図6に示す。図6(a)が通常のドットの状態を拡大した模式図である。図6(b)がビーディングの発生している状態である。このように、マイクロビーディングが発生すると、隣接ドットが不規則に繋がることで、均一感がなくなり、記録画像の画質が低下してしまう。
【0031】
このような記録動作が行われる前に記録に用いる各種のパラメータを設定するために、予め複数のパターンが記録され、複数のパターンから最適なパターンが選択される。そして、選択されたパターンに基いて、記録が行われる。
【0032】
図7に本実施形態のテストパターン記録方法を示す。本実施の形態では、4パス記録にてテストパターンを記録する。入力データの解像度は、記録ヘッドの主走査方向に2400dpi、記録媒体の搬送方向に1200dpiである。図7(a)に記録デューティー100%のデータを示す。図7(a)に示されるひとつの長方形状のマス目が各画素となっており、黒くなっている画素がドットを付加する画素位置となる。図7(b)の4つのマスクパターンを順次入力データとANDしながら記録され、4回のスキャンで全てのデータが記録される。601が1パス目、602が2パス目、603が3パス目、604が4パス目のマスクパターンである。なお、マスクパターンは、図の左上の画素を基準にデータにかけられ、タイル状に繰り返し使用される。図7(c)が1パス目の記録状態、図7(d)が2パス終了時点の記録状態、図7(e)が3パス終了時点の記録状態、図7(f)が4パス終了時点の記録状態である。
【0033】
図8(a)、(b)を用いて、本実施形態で使用する2種類のパターンについて説明する。このパターンは、予めパターンを記録媒体に記録し、記録媒体に記録されたパターンの記録状態に応じて、記録の際に用いられるパラメータが選択、作成され、そのパラメータに応じて記録を行うためのものである。
【0034】
図8(a)には、色間の境界にじみやインクの溢れについて確認するためのテストパターン(以下、第一のテストパターンという)が示されている。参照符号の501、503、505がイエローのインクによって記録されるテストパターンであり、参照符号502、504、506がブラックのインクによって記録されるテストパターンである。このときの記録デューティーは、501、502が100%、503、504が150%、505、506が200%である。なお、記録デューティーはこれに限定されるものでなく、記録媒体のインク定着特性等によって、変えるのが好ましい。ここでは、記録デューティーは、単位領域に打ち込まれるドットの割合のことを言い、一つの格子に1ドットずつ配置した状態をちょうど100%とする。また、一つの格子に種類の異なる二種類のインクによるドットが1ドットずつ配置され、結果的に一つの格子に2ドットずつ配置された場合は、その状態を200%の記録デューティーとする。
【0035】
図8(b)には、双方向バンドムラやマイクロビーディングについて確認するためのテストパターン(以下、第二のテストパターンという)が示されている。このテストパターンでは、シアンとイエローのインクが等量ずつ記録され、記録デューティーは、507が100%、508が150%、509が200%となっている。図8(a)、(b)では、矢印510の方向がキャリッジ走査方向となっており、本実施形態では主走査方向に約20cm(7.9インチ)のテストパターンが形成されている。パターンの主走査方向への幅は、本実施形態で使用した記録装置の最小記録用紙サイズのA4幅サイズを想定して決定したものである。
【0036】
なお、テストパターンの主走査方向への幅としては、本実施形態では20cmのテストパターンを記録しているが、本発明は特にこれに限定されるものではない。ただし、色間の境界にじみやインクの溢れの発生を確認する際には、パス間のインク着弾時間の差の短い条件でテストパターンを記録する方が、これらの現象が生じ易く、記録にとって厳しい条件となる。このため、第一のパターンの記録を行う際には、パターンの記録を厳しい条件の下で行うために、記録するパターンの幅をできる限り小さくすることが好ましい。そのために、例えば、図8(a)に示されるデューティーの異なる3つのパターンを縦方向に配置することで記録ヘッドの走査する距離を短縮し、パス間におけるインク着弾時間の差を短くすることとしても良い。
【0037】
矢印511、512の方向への各パターンの長さは、図8(a)に示すパターンでは約6cm、図8(b)に示すパターンでは約10cmに形成されている。特に図8(b)に示すパターンに関しては、双方向バンドムラを判断するため、テストパターン記録方法をインク着弾時間について考慮して決定することが要求される。本実施形態では、各パターンは、4パスによって記録される。そのため、本実施形態では、1200dpiで記録を行う記録ヘッドによって記録が行われ、一つのバンドの矢印512方向に沿う長さは、320画素である。図8(b)に示されるパターンの矢印512に沿う方向の長さに関しては、視認性の観点から、少なくとも一つのバンドの矢印512に沿う方向への長さの4倍になるように、パターンにおけるその方向への長さを決定している。
【0038】
図9は、本実施形態による記録媒体への最大インク打ち込み量設定方法を説明するフローチャートである。インク打ち込み量設定実行命令が入力されると、S1100で記録媒体の種類が入力される。以下のフローチャートにおける操作も含めて、実行命令は、記録装置本体の操作パネルから指示しても良いし、記録装置に接続されているホストから指示しても良い。S1101で最大インク打ち込み量を設定する記録モードを選択する。S1102で図8(a)、(b)に示した2つのパターンを指定された記録モードで記録する。S1103でユーザは、複数形成された第一のパターンおよび第二のパターンのそれぞれのうち、画像品位が良好なパターンをそれぞれのパターンから一つずつ選択する。複数形成された各パターンには、記号もしくは番号が付記されており、複数の第一のテストパターン、複数の第二のテストパターンから、それぞれユーザが選択可能である。次に、S1103で各種類から一つずつ選択されたパターンの情報を基に、S1104で最大インク打ち込み量が決定される。最大インク打ち込み量の設定の際には、第一のテストパターンから選択されたパターンと第二のテストパターンから選択されたパターンから、インク打ち込み量の少ない量のパターンが選択される。そして、選択されたパターンのインク打ち込み量から、その記録媒体における最大インク打ち込み量が判断される。続いて、S1105において、S1104で決定された最大インク打ち込み量に対応する画像処理パラメータが設定される。このときの、画像処理パラメータが、S1100、S1101で選択されたメディア種類、記録モードに対応した最大インク打ち込み量として設定され、最大インク打ち込み量設定シーケンスを終了する。
【0039】
図10に本実施形態によるテストパターン記録の際のフロー図を示す。図9のS1102テストパターン記録の命令(S701)を受けて記録パターンが第一のパターン記録の命令か否かを判定する(S702)。第一のパターンを記録する場合は、インク着弾時間差制御処理を行わずにそのままのインク着弾時間差(第一の間隔)で記録動作を開始する(S703)(第一のテストパターン記録ステップ)。このとき、CPU300等は、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で第一のテストパターンの記録を行うように、記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第一のテストパターン記録制御手段として機能する。一方、第二のパターンを記録する場合は、インク着弾時間差制御処理(S704)を経て記録動作を開始する(S703)。なお、テストパターン記録命令は、ホストからユーザによって指示しても良いし、記録装置の操作パネルから指定しても良い。また、指定の際、第一のパターンの記録と第二のパターンの記録を指定できるようにしても良いし、テストパターン記録指示に基づいて、自動的に第一のパターンを記録後第二のパターンを記録するようにしても良い。
【0040】
図11に、第二パターンについて行われるインク着弾時間の差の制御について説明するための説明図を示す。図11(a)は、インク着弾時間差の制御が行われない場合の、通常のテストパターンを記録する場合のキャリッジの動作を模式的に示したものである。矢印(800)の方向が、記録媒体の搬送方向(副走査方向)である。テストパターン(801)に対して、図11(a)の左から右に(802)キャリッジを走査しながら記録する。さらに所定量の記録媒体の搬送後、図の右から左に(803)キャリッジを走査しながら記録する。次に、図の左から右に(804)キャリッジを走査しながら記録する。同様の動作を繰り返して、テストパターンを記録する。
【0041】
図11(b)〜(d)には、インク着弾時間差の制御が行われた場合の記録ヘッドの動作について説明するための模式的な説明図が示されている。図11(b)は、図の左から右に(805)キャリッジを走査しながら記録する点は、図11(a)と同じだが、テストパターンの幅を超えて(806)キャリッジ走査をさせる。そして、反転後、図の右から左に(807)キャリッジを走査し、808の走査時に記録する。次に、図の左から右に(809)キャリッジを走査しながら記録する。同様な動作を繰り返してテストパターンの記録を行う。これにより、テストパターンを記録する805と808とにパス間のインク着弾時間に差を生じさせることができる。
【0042】
図12を用いてテストパターンを記録する際のパス間のインク着弾時間の差について説明する。900はテストパターンである。まず、第一のテストパターンを記録する際の、インク着弾時間差の制御が行われない図11(a)のキャリッジ動作時のインク着弾時間差に関して説明する。図12には、画像900を4パス記録で記録している例が示されている。図12に示されるように、本実施形態のテストパターンは、主走査方向に沿う方向にlの長さを有している。本実施形態では、テストパターンは、主走査方向に沿う方向に20cmの長さを有している。901から905は、時間の経過によって位置を変える記録ヘッドを示している。まず、901の位置にある記録ヘッドを矢印906の方向に速度40インチ/秒で走査しながら記録領域911を記録する。次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを902の状態にし、矢印907の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。901のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0043】
記録領域913の時間差=7.9/40×2+0.2=0.6秒
記録領域914の時間差=0.2秒
次に、記録媒体を副走査方向に320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを903の状態にし、矢印908の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。902のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の2パス目と3パス目、記録領域915、916の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0044】
記録領域913の時間差=0.2秒
記録領域914の時間差=7.9/40×2+0.2=0.6秒
記録領域915の時間差=0.2秒
記録領域916の時間差=7.9/40×2+0.2=0.6秒
同様の動作を繰り返すことで、画像が形成され913〜916各々の記録領域のパス間の時間差は表2のようになる。
【0045】
【表2】

【0046】
ここで、隣接する記録領域913と915および914と916とでは、パス間の時間差(第一の間隔)は上述した実際の記録画像を記録する際のパス間の時間差に比べてかなり小さい。また、どの記録領域も1秒以下の短時間で記録され、色間の境界にじみやインク溢れには厳しい状態となっている。そのため、色間の境界にじみやインク溢れに関しては、パターンで確認すれば十分であるといえる。しかしながら、テストパターンは、パス間におけるインク着弾時間の差が、幅60インチの記録媒体に画像を記録した場合に比べて極端に短くなっている。従って、双方向バンドムラやマイクロビーディングの判断を行うための第二のテストパターンの記録には適していない条件になっている。
【0047】
そこで、本実施形態のテストパターンの記録を行う際には、双方向ムラやマイクロビーディングの発生の有無を確認するための第二のパターンを記録する際に、インク着弾時間差の制御を行うこととする。本実施形態では、図11(b)に示されるように、記録ヘッドが主走査方向に走査する長さを長くすることで、パターン記録の際のインク着弾時間の差を実際の記録画像の記録の際のインク着弾時間の差に近づける方法について説明する。
【0048】
図12を用いて、本実施形態の第二のテストパターンの記録の際のパス間のインク着弾時間の差について説明する。900はテストパターンである。まず、図11(b)に示されるようにインク着弾時間差の制御が行われて記録ヘッドの走査が行われるインク着弾時間差の制御に関して説明する。本実施形態では、画像900は4パス記録によって記録されている。まず、901の位置にある記録ヘッドを矢印906の方向に速度40インチ/秒で走査しながら記録領域911を記録する。このとき、テストパターンの主走査方向の大きさ(20cm)によらず、記録領域の最大記録幅(本実施形態では60インチ)への画像を想定して、パターンを記録した後に記録を行わずに最大記録幅の走査が行われるまで走査のみが行われる。次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを902の状態にし、矢印907の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。901のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0049】
記録領域913の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
記録領域914の時間差=0.2秒
次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを903の状態にし、矢印908の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。902のヘッドの記録終了後、キャリッジが反転することによって記録ヘッドの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の2パス目と3パス目、記録領域915、916の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0050】
記録領域913の時間差=0.2秒
記録領域914の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
記録領域915の時間差=0.2秒
記録領域916の時間差=60/40×2+0.2=3.2秒
以下、同様の動作を繰り返すことで、画像が形成され913〜916各々の記録領域のパス間のインク着弾時間の差は表3のようになる。
【0051】
【表3】

【0052】
表3に示されるように、隣接する記録領域913と915の間および914と916との間では、パス間のインク着弾時間の差を、表1に示す実際の記録画像の記録(最大幅60インチ)の際のインク着弾時間差に近づけている。特に、本実施形態におけるパターン記録のインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間の差(第二の間隔)が、実際の記録画像の記録におけるインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間差に近づいている。このように、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録が行われる(第二のテストパターン記録ステップ)。そして、CPU300等は、記録ヘッドが第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第二のテストパターン記録制御手段として機能する。本実施形態では、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を、記録媒体に記録画像を記録するときの時間の間隔に近づけるように、記録ヘッドによるインクの吐出動作が制御されている。そして、本実施形態では特に、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を、記録領域に記録画像を記録するときの時間の間隔と同一となるように、記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する。
【0053】
そして、最終的に、最大インク打ち込み量の設定の際には、第一のテストパターンから選択されたパターンと第二のテストパターンから選択されたパターンから、インク打ち込み量の少ない方のパターンが選択される。そして、選択されたパターンのインク打ち込み量から、その記録媒体における最大インク打ち込み量が判断される。そして、判断された最大インク打ち込み量に基いて、パラメータが選択、作成されて、そのパラメータに従って、記録画像の記録時における記録ヘッドによるインクの吐出動作が制御される(インク吐出動作制御ステップ)。このように、記録制御手段としてのCPU300等は、第一のテストパターンと第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する。
【0054】
なお、第二のテストパターンを記録する際に、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を実際の記録画像の記録の際の走査の間の時間の間隔に近づけるために、記録媒体の主走査方向に沿う長さを検知する。このとき、本実施形態では、ユーザが記録媒体の大きさを把握し、ユーザが記録媒体の大きさを記録装置に入力することで記録媒体の主走査方向に沿う長さが検知されることとしている。なお、記録媒体の主走査方向に沿う長さを検知する記録領域長さ検知手段として、記録装置にセンサ等が用いられ、記録媒体の主走査方向に沿う長さがセンサによって検知されることとしても良い。そして、検知された記録媒体の主走査方向に沿う長さに基いて、記録媒体に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が検知される。このとき、CPU300等は、検知された記録媒体の主走査方向に沿う長さに基いて、記録媒体に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を検知する走査間隔検知手段として機能する。第二の記録パターンの記録の際には、記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔に近づけるように、記録ヘッドによるインクの吐出動作が制御される。
【0055】
なお、記録装置が、記録媒体の全体に亘って記録を行うのではなく、記録媒体の一部のみに記録を行うのであれば、記録が行われる記録領域のみの主走査方向に沿う長さを検知することとしても良い。そして、記録領域の主走査方向に沿う長さに基いて、記録領域に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が検知されることとしても良い。
【0056】
以上のように、色間の境界にじみやインクの溢れを確認するための第一のテストパターンを記録する際には、インク着弾時間差の制御が行われずに記録が行われる。従って、パス間のインク着弾時間の差が短く、色間の境界にじみやインクの溢れを確認するのに厳しい状態でテストパターンの選択が行われる。従って、実際の記録画像の記録の際に色間の境界にじみやインクの溢れ発生の有無を確実に判断しながら、記録媒体への最適なインクの打ち込み量を設定することができる。また、双方向バンドムラやビーディングを確認するための第二のテストパターンを記録する際には、インク着弾時間差制御が行われながらパターンの記録が行われる。このため、インク着弾時間の差が影響する双方向バンドムラやビーディングの発生の有無の確認を行う際には、実際の記録画像の記録の際のパス間のインク着弾時間の差に近い状態が再現されて記録を行うことができる。従って、第二のテストパターンから双方向バンドムラやビーディングの発生の有無を厳しい条件で確認することで、実際の記録画像の記録の際の双方向バンドムラやビーディングの発生の有無を確実に判断することができる。そして、これらのテストパターンの結果から、インク打ち込み量の少ない量のパターンを選択することで、記録媒体へのインクの打ち込み量が設定されて、打ち込み量に基き記録の際に用いられるパラメータを設定することができる。
【0057】
このように2つのそれぞれのテストパターンについて、画質低下を招く現象の発生し易い条件によって記録が行われる。これにより、ユーザは、色間の境界にじみやインクの溢れだけでなく双方向バンドムラやビーディングのいずれもが生じないような記録媒体への最大インク打ち込み量を把握することができる。これによって、ユーザは最適な画像処理パラメータを設定することができる。またそれと共に、記録領域の走査方向に沿う長さに関係なく最適な画像処理パラメータを設定することができるので、記録する画像の走査方向長さによらず、高画質な記録画像を得ることができる。
【0058】
(第二実施形態)
次に、図11(c)を用いて、第二実施形態について説明する。図11(c)に、第二実施形態に用いられる第二のパターンの記録におけるパス間のインク着弾時間の差を制御する方法について説明するための説明図を示す。
【0059】
第二実施形態が、第一実施形態と異なる点は、第二のパターン記録時のパス間におけるインク着弾時間差の制御方法である。図11(c)は、図の左から右(810)に記録ヘッドが走査し、次に右から左(812)に記録ヘッドが走査しながらテストパターン記録をする点については図11(a)と同じである。しかし、キャリッジが反転する際に(811)所定量の停止時間を設ける点で、第二実施形態は第一実施形態と異なる。これにより、テストパターンを記録する810と812とにスキャン間の時間差を生じさせることができる。次に、右から左(813)にキャリッジを走査しながらテストパターン記録をする。
【0060】
図12を用いてパス間のインク着弾時間の差について説明する。900はテストパターンである。まず、インク着弾時間差の制御を行うために、図11(c)に示される記録ヘッド走査の際のインク着弾時間差に関して説明する。画像900を4パス記録によって記録が行われている例である。901から905は、記録ヘッドである。まず、901の位置にある記録ヘッドを矢印906の方向に速度40インチ/秒で走査しながら記録領域911を記録する。次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを902の状態にし、矢印907の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。901のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。さらに、本実施形態では、記録領域913を記録した後キャリッジが反転する際に、キャリッジが停止することで記録ヘッドの停止時間を2.6秒設ける。ここで、記録領域913、914の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0061】
記録領域913の時間差=7.9/40×2+2.6+0.2=3.2秒
記録領域914の時間差=2.6+0.2=2.8秒
次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを903の状態にし、矢印908の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。902のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の2パス目と3パス目、記録領域915、916の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0062】
記録領域913の時間差=0.2秒
記録領域914の時間差=7.9/40×2+0.2=0.6秒
記録領域915の時間差=0.2秒
記録領域916の時間差=7.9/40×2+0.2=0.6秒
次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを904の状態にし、矢印909の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。903の記録ヘッドによる記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像の記録を開始するまでの時間は、0.2秒である。さらに、本実施の形態では、キャリッジの反転の際に、ここでも停止時間を2.6秒設ける。ここで、記録領域913、914の3パス目と4パス目、記録領域915、916の2パス目と3パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0063】
記録領域913の時間差=7.9/40×2+2.6+0.2=3.2秒
記録領域914の時間差=2.6+0.2=2.8秒
記録領域915の時間差=7.9/40×2+2.6+0.2=3.2秒
記録領域916の時間差=2.6+0.2=2.8秒
同様の動作を繰り返すことで、画像が形成され913〜916各々の記録領域のパス間の時間差は表4のようになる。
【0064】
【表4】

【0065】
このように、第二のパターンの記録の際に、隣接する記録領域913と915との間及び914と916との間のパス間のインク着弾時間差を、表1に示す実際の記録画像の記録(最大幅60インチ)の際のインク着弾時間差に近づけることができる。特に、本実施形態におけるパターン記録のインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間の差が、実際の記録画像の記録におけるインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間差に近づいている。このように、本実施形態では、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査同士の間に、記録ヘッドが走査を停止する走査停止時間が設けられている。これにより、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、記録画像の記録時における間隔よりも長い時間間隔で、第二のテストパターンの記録を行うように、記録ヘッドによるインクの吐出動作が制御される。従って、第二のパターンによって双方向バンドムラやビーディングの発生の有無の確認を行う際に、実際の記録画像の記録の際のパス間のインク着弾時間の差に近い状態で再現されて記録を行うことができる。従って、精度良く双方向バンドムラやビーディングの発生の有無の確認を行うことができる。
【0066】
(第三実施形態)
次に、図11(d)を用いて第三実施形態について説明する。第三実施形態が第一実施形態及び第二実施形態と異なる点は、第二のテストパターンの記録の際のパス間におけるインク着弾時間差の制御方法である。
【0067】
本実施形態では、図11(d)に示されるように、記録ヘッドの走査の際に、走査の速度を低下させることでパス間のインク着弾時間差を実際の記録画像の記録の際のインク着弾時間差に近づけている。具体的には、図の左から右(814)、右から左(815)、左から右(816)の走査のそれぞれにおいて記録が行われる際に、キャリッジの走査速度を低下させることで、パス間のインク着弾時間差を実際の記録に近づけている。
【0068】
図12を用いてパス間のインク着弾時間差について説明する。900はテストパターンである。まず、インク着弾時間差制御図11(d)のキャリッジ動作時のインク着弾時間差に関して説明する。図12には、画像900を4パス記録で記録している例が示されている。901から905は時間の経過に伴い移動して位置を変える記録ヘッドである。まず、901の位置にある記録ヘッドを矢印906の方向に速度5インチ/秒で走査しながら記録領域911を記録する。次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを902の状態にし、矢印907の方向に走査しながら記録領域911、912を記録する。901のヘッドの記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0069】
記録領域913の時間差=7.9/5×2+0.2=3.4秒
記録領域914の時間差=0.2秒
次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを903の状態にし、矢印908の方向に記録ヘッドが走査しながら記録領域911、912を記録する。902の記録ヘッドによる記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の2パス目と3パス目、記録領域915、916の1パス目と2パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0070】
記録領域913の時間差=0.2秒
記録領域914の時間差=7.9/5×2+0.2=3.4秒
記録領域915の時間差=0.2秒
記録領域916の時間差=7.9/5×2+0.2=3.4秒
次に、記録媒体を320画素分(1200dpi)搬送し、画像に対して、記録ヘッドを904の状態にし、矢印909の方向に記録ヘッドが走査しながら記録領域911、912を記録する。903の記録ヘッドによる記録終了後、キャリッジの走査方向が反転して画像を記録開始するまでの時間は、0.2秒である。ここで、記録領域913、914の3パス目と4パス目、記録領域915、916の2パス目と3パス目の時間差は、各々以下のようにして求められる。
【0071】
記録領域913の時間差=7.9/5×2+0.2=3.4秒
記録領域914の時間差=0.2秒
記録領域915の時間差=7.9/5×2+0.2=3.4秒
記録領域916の時間差=0.2秒
同様の動作を繰り返すことで、画像が形成され913〜916各々の記録領域のパス間の時間差は表5のようになる。
【0072】
【表5】

【0073】
表5に示されるように、第二のパターンの記録の際に、隣接する記録領域913と915との間及び914と916との間のパス間のインク着弾時間差を、表1に示す実際の記録画像の記録(最大幅60インチ)の際のインク着弾時間差に近づけている。特に、本実施形態におけるパターン記録のインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間の差が、実際の記録画像の記録におけるインク着弾時間の差が最大となる位置のインク着弾時間差に近づいている。従って、第二のパターンによって双方向バンドムラやビーディングの発生の有無の確認を行う際に、実際の記録画像の記録の際のパス間のインク着弾時間の差に近い状態で再現されて記録を行うことができる。従って、精度良く双方向バンドムラやビーディングの発生の有無の確認を行うことができる。
【0074】
なお、上記実施形態においては、記録媒体は主走査方向に60インチの幅を有しているものを想定してテストパターンの記録を行うこととしているが、本発明はこれに限定されない。実際に記録画像の記録に用いられる記録媒体の大きさを想定してテストパターンの記録を行うのであれば、これ以外の大きさの記録媒体を想定してテストパターンの記録が行われても良い。また、テストパターンの主走査方向への大きさは20cmに限定されず、他の大きさであっても良い。
【0075】
なお、本明細書において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0076】
また、記録装置とは、プリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置などのプリント機能を有する装置、ならびにインクジェット技術を用いて物品の製造を行なう製造装置を含む。
【0077】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
【0078】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【符号の説明】
【0079】
202 記録ヘッド
201 キャリッジユニット
P 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、
記録画像を形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって記録画像を形成するマルチパス記録を行うインクジェット記録装置において、
テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で第一のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第一のテストパターン記録制御手段と、
テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する第二のテストパターン記録制御手段とを有し、
前記記録制御手段は、前記第一のテストパターンと前記第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
記録画像が形成される記録領域の主走査方向に沿う長さを検知する記録領域長さ検知手段と、
前記記録領域長さ検知手段によって検知された記録領域の主走査方向に沿う長さに基いて、前記記録領域に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を検知する走査間隔検知手段とを有し、
前記第二のテストパターン記録制御手段は、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を、前記記録領域に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔に近づけるように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
記録画像が形成される記録領域の主走査方向に沿う長さを検知する記録領域長さ検知手段と、
前記記録領域長さ検知手段によって検知された記録領域の主走査方向に沿う長さに基いて、前記記録領域に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を検知する走査間隔検知手段とを有し、
前記第二のテストパターン記録制御手段は、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔を、前記記録領域に記録画像を記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔と同一となるように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記第二のテストパターン記録制御手段は、第二のテストパターンを記録するときの前記記録ヘッドの走査する長さを第一のテストパターンを記録するときの前記記録ヘッドの走査する長さよりも長くすることで、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記第二のテストパターン記録制御手段は、第二のテストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査同士の間に、記録ヘッドが走査を停止する走査停止時間が設けられることで、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記第二のテストパターン記録制御手段は、第二のテストパターンを記録するときの前記記録ヘッドの走査する速度を第一のテストパターンを記録するときの前記記録ヘッドの走査する速度よりも遅くすることで、同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で第二のテストパターンの記録を行うように、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、記録画像を形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって記録画像を形成するマルチパス記録を行うインクジェット記録装置によって記録を行う記録方法において、
テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で行われて第一のテストパターンの記録を行う第一のテストパターン記録ステップと、
テストパターンを記録するときの同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で行われて第二のテストパターンの記録を行う第二のテストパターン記録ステップと、
前記第一のテストパターンと前記第二のテストパターンとのうち、単位面積当たりのインクの打ち込み量の少ない方のテストパターンに基いて、前記記録制御手段が前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御するインク吐出動作制御ステップとを有することを特徴とする記録方法。
【請求項8】
記録媒体にインクを吐出してテストパターンの記録を行う記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に前記記録ヘッドを移動させて走査させる走査手段と、前記記録ヘッドによるインクの吐出動作を制御する記録制御手段とを有し、前記テストパターンを形成するときに同一の記録位置を複数回走査することによって前記テストパターンを形成するインクジェット記録装置によって前記テストパターンの記録を行うテストパターン記録方法において、
同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が第一の間隔で行われて第一のテストパターンの記録を行う第一のテストパターン記録ステップと、
同一の記録位置への記録における複数回の走査の間の時間の間隔が、前記第一の間隔よりも長い第二の間隔で行われて第二のテストパターンの記録を行う第二のテストパターン記録ステップとを有することを特徴とするテストパターン記録方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−121234(P2011−121234A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279579(P2009−279579)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】