説明

インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法

【課題】大量の廃インクを発生させることなく、不吐出の原因となる気泡や異物を除去することが可能な、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現すること。
【解決手段】ワイパを振動させながら記録ヘッドの吐出口面の気泡除去ワイピングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録ヘッドのインク吐出口面をワイピングして回復処理を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで作製された画像や、デジタルカメラ等の撮像装置で撮像された画像の出力装置として、記録ヘッドが往復移動しながらインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が広く用いられている。このインクジェット記録装置は、小型かつ安価な構成で銀塩写真に匹敵する高品位な画像を形成することができる。
【0003】
このようなインクジェット記録装置では、複数の吐出口を備えたインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドともいう)の各吐出口から記録媒体に対してインクを吐出することで記録が行われる。
【0004】
記録媒体に対してインクを吐出した際に、記録媒体に着弾したインクが跳ね返って、記録ヘッドの吐出口を備えた面である吐出口面に付着することがある。また、紙粉等のゴミが吐出口面に付着することもある。このような、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクやゴミ等の異物は、記録に影響を及ぼすことがある。つまり、吐出する際にインクが吐出口近傍に付着した異物に引き寄せられることで吐出方向が変わり、インクが所望の着弾位置に対してずれて着弾してしまう。
【0005】
そのため従来は、弾性部材等によって吐出口面を払拭することで記録ヘッドの吐出口面に付着した異物を除去する、所謂ワイピングによる吐出口面の回復処理が行なわれていた。
【0006】
吐出口面に異物が付着すること以外では、吐出口と連通するノズル内に入り込む気泡も、不吐出の原因となるため除去する必要がある。このようにノズル内にある気泡は、従来の方法のワイピングでは取り除くことができない。そのため、従来は、記録ヘッドの吐出口面にゴムキャップを当接させて、外部の負圧発生手段によってキャップ内に負圧を発生させることでノズル内のインクと共に気泡を吸引して排出することで取り除く方法が採られていた。
【0007】
特許文献1には、記録ヘッド表面の汚染物質をクリーニングするために、ワイパに音波振動器を接続する技術が提案されている。また、吐出面に付着した増粘インクやゴミ、ケバを掻き落とすために特許文献2では、ワイピングを行うワイパ部材に超音波振動を与える構成が提案されている。さらに、特許文献3では、記録ヘッドを摺擦する摺擦部が振動することにより、摺擦部と記録ヘッドとの間の圧力を弱めてインク吐出面上に付着したゴミをかきとることで、吐出口面の撥水性コート膜の変形、剥離を防止する構成が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−190515号公報
【特許文献2】特開平7−25028号公報
【特許文献3】特開平10−44446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の方法で気泡を除去する場合、気泡と共にインクも排出するため大量の廃インクが発生し、ランニングコストの増加を招いてしまう。また、特許文献1から特許文献3に記載されている技術では、吐出口面の異物の除去はできても、ノズル内の気泡を取り除くことはできない。
【0010】
よって本発明は、大量の廃インクを発生させることなく、不吐出の原因となる気泡や異物を除去することが可能な、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、本発明のインクジェット記録ヘッドの回復方法は、吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの前記吐出口を備えた面を弾性部材でなるワイパで払拭することで、前記インクジェット記録ヘッドの吐出状態を回復させる前記インクジェット記録ヘッドの回復方法において、前記ワイパは前記吐出口面に対して、所定の進入量をもって前記吐出口面と接触し、前記ワイパを振動させて前記記録ヘッドの前記吐出口面を払拭することで、前記ワイパに付着した前記インクによって前記吐出口から前記インクが流入あるいは流出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記インクジェット記録ヘッドの回復方法による記録ヘッドの回復を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワイパは吐出口面に対して、所定の進入量をもって吐出口面と接触し、ワイパを振動させて記録ヘッドの吐出口面を払拭することで、ワイパに付着したインクによって吐出口からインクを流入あるいは流出させる。これによって、大量の廃インクを発生させることなく、不吐出の原因となる気泡や異物を除去することが可能な、インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態を適用可能なシリアルタイプのインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を模式的に示した断面図である。
【0015】
G10Bk,G10Y,G10M,G10Cは、それぞれブラック,イエロー,マゼンタ,シアンのインク色に対応したインクカートリッジであり、それぞれ吐出エネルギ発生手段として電気熱変換素子(以下、ヒータともいう)を備えた記録ヘッドを備えている。この記録ヘッドはヒータが発生する熱エネルギによってインクに膜沸騰を生じさせて、インクを吐出する。これらのインクカートリッジはキャリッジG32に搭載されており、キャリッジG32と共に主走査方向(α方向)に移動可能となっている。紙送りローラG27は記録媒体を抑えながら図中の矢印β方向に回転することで、記録媒体を副走査方向(γ方向)に搬送することができる。また、給紙ローラG28は記録媒体の給紙を行う。プラテンG29は、記録位置にて記録媒体を平坦に保つように支えている。キャリッジベルトG36はキャリッジG32がキャリッジシャフトG12に沿ってα方向に走査する際に用いられる。
【0016】
このようにして、それぞれシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのインクに対応した記録ヘッドに記録信号を与えることにより記録媒体にカラー画像が形成される。
【0017】
図2は、本実施形態において、記録ヘッドの吐出口面の払拭動作(以下、ワイピングともいう)を行うワイピング機構の一例を示した図である。ワイパW1001はクリップ部材W1002で保持されており、そのクリップ部材W1002は連結部材W1003で保持されている。また、クリップ部材W1002は、スライドレールW1006を移動可能なワイプベースW1011に取り付けられている。さらにワイプベースW1011は、連結部材W1003を通じ、タイミングベルトW1007の駆動によりスライドレールW1006上を移動できる。タイミングベルトW1007は、従動プーリW1004と駆動プーリW1005とによって支持され、駆動プーリW1005には、タイミングベルトW1007を駆動する駆動モータW1010の軸が連結されている。また、回復動作時のワイパW1001の位置を制御するために、スライドレールW1006の両端部にはフォトセンサW1008、W1009が設けられている。
【0018】
図3は、図2のワイピング機構が実際に記録ヘッドH10の記録素子基板H100の吐出口面H1001を払拭することで清掃している様子を示している。また、図4は、ワイパW1001と記録ヘッドH10の当接する部位の拡大図を示している。
【0019】
ワイピングによる回復動作時において、ワイパW1001がスライドレールW1006によってスライドして移動することで記録ヘッドH10の吐出口面H1001の払拭が行われる。その時、図4に示すように、吐出面H1001とワイパW1001の上端面との間には進入量がxmmほど設けられている。この進入量xは変更が可能であり、複数種類の進入量を設定してワイピングを行うことができる構成になっている。そして、ワイパW1001がスライドレールW1006上を移動することにより、ワイパW1001が撓みながら記録ヘッドH10の吐出口面を払拭する。
【0020】
図5は、本実施形態の記録ヘッドH10の断面を示した断面図である。記録素子基板H100内部に設けられているヒータH1003が発熱することにより、インクが膜沸騰を生じ、ノズルH1005内部に気泡が形成され、結果として、メニスカスH1002から液滴I10が吐出される。
【0021】
図6は、図5の記録ヘッドH10のノズルH1005内部に気泡が生じている状態を示した断面図である。このように何かしらの原因により、ノズルH1005内部に気泡が形成されることがインクジェットタイプの記録ヘッドでは頻出する。このような状態のままヒータH1003を発熱させても吐出するインク量が少ないため、十分な膜沸騰状態が得られず、結果として不吐状態となってしまう。
【0022】
このようにノズル内に気泡が発生した場合、従来は記録素子基板H100の吐出口面H1001に対してキャップなどを当接させ、ポンプによってそのキャップ内に負圧を生じさせて、インクと共に気泡を除去していた。しかし、この方法の場合、発生する廃インクの量が多く、ランニングコストに与える影響が近年非常に大きくなってきている。
【0023】
そこで、本実施形態では、廃インク量を大幅に低減しつつ、ノズル内部気泡を除去して記録ヘッドの吐出状態を回復する技術を提供する。具体的には、インク除去やゴミ除去(ゴミ除去ワイピング)を行う際には進入量xを0.5mm〜2mmで行うが、気泡の除去(気泡除去ワイピング)を行う際には進入量xを0.5mm〜2mmよりも少なくし、好ましくは0.2mm以下に制御する構成を有する。そして、気泡除去ワイピング時にワイパW1001が振動しながら(第1のモード)吐出口面H1001のワイピングを行ない、ゴミ除去ワイピング時はワイパを振動させずに(第2のモード)吐出口面のワイピングを行う。
【0024】
ここで、従来のワイピング動作と比較しながら本実施形態のワイピング動作について説明する。
図7(a)、(b)は、従来における記録ヘッドの吐出口面J1001をワイパY1001でワイピングしている状態を示した図である。図7(a)、(b)において、記録素子基板J100やワイパY1001自体の構造は、本実施形態の記録素子基板H100やワイパW1001と同様であるが、従来との区別を明確にするために、あえて符号を変えて示している。
【0025】
ワイパY1001が進入量0.5mm以上を有しながら吐出面J1001に沿って、図7(a)のように、吐出口面J1001に付着していたインクやノズルJ1005からかき出したインクと共に移動する。その後、ワイパY1001がノズルJ1006に到達すると、ワイパY1001に付着しているインクI11とインクメニスカスJ1002とが連通する(図7(b))。
【0026】
図7(b)のように、インクI11とインクメニスカスJ1002とが連通すると、ノズルJ1006内のインクには、インクを引き出す力と、ワイパY1001による押込む力の両方が働く。すなわち、インクを引き出す力によっては、ノズルJ1006内のインクが吐出口J1008から排出されるようなインクの流れが生じ、また、インクを押し込む力によっては、ノズルJ1006内のインクの共通液室J1007側への流れが生じる。このように、相反する二つの方向の力が働き互いに相殺されることで、ノズル内部の泡は、その位置を移動することなく状態を維持する。従って従来の記録装置において、ノズルJ1006内の気泡はワイピングの後もそのまま残っていることがあった。
【0027】
本実施形態では、ワイパW1001で吐出口面H1001のワイピングを行う際に、タイミングベルトW1007(図2、図3参照)を介してワイパW1001を動かすモータW1010(図2、図3参照)を振動させる。そして、このモータW1010の振動をワイパW1001に伝えて、ワイパW1001に、吐出口面に対して垂直方向(以下、上下方向ともいう)の振動成分の振動を引き起こす。このワイパW1001の上下方向の振動は、ワイパW1001がワイピング中にノズル部に達した際に、ノズル内のインクを引き出す、あるいはインクをノズルに押し込むように作用する。その結果、ノズル内に気泡が有る場合、その気泡はノズル内のインクと共に引き出される、あるいは押し込まれることになる。引き出される場合、気泡はインクと共にノズルから記録ヘッドH10の外部へと引き出され、押し込まれる場合は浮力によって共通液室側へ向かい、いずれにしても気泡はノズル内から除去される。以下、図面を用いて気泡除去原理の詳細を説明する。
【0028】
図8(a)、(b)および図9(a)から(c)は、本実施形態の記録装置における記録ヘッドH10の吐出口面H1001をワイパW1001で気泡除去ワイピングしている状態を示した図である。
【0029】
本実施形態では、記録ヘッドH10の吐出口面H1001に対するワイパW1001の進入量xを0.2mm以下としている。これによってワイピング時のワイパW1001の変形量を少なくしている。また、ワイピング時にワイパW1001を移動させるための駆動源であるモータW1010を、振動させながら駆動して、ワイパW1001をスライドレールW1006上で移動させる。このようにして、モータW1010の振動をワイパW1001に伝えながら吐出口面H1001の清掃動作を行うことが本実施形態の特徴である。
【0030】
モータW1010を振動させる方法の一例として、本実施形態ではモータW1010にステッピングモータを用い、低周波領域(低速領域)の共振点でステッピングモータを回転させている。
【0031】
図8(a)のように、ワイパW1001は、エッジ部で吐出口面H1001に付着したインクや吐出口H1009からかき出したインクを集めたインクI11と共に、振動しながら吐出口面H1001を移動する。そして図8(b)のように、ノズルH1006にワイパW1001が接触した際に、モータW1010の振動で上方向にワイパが移動した場合、ワイパW1001に付着していたインクI11がノズルH1006内に押込まれる。これによって、ノズルH1006内部にインクに共通液室方向への流れを生じさせる。この流れによって、ノズルH1006内の気泡H1004は、インクと共に共通液室H1007の方へと流れて行き、浮力によって記録ヘッドH10の上部へと抜ける。
【0032】
図9(a)は、ワイパW1001が振動しながらノズルH1006に到達し、ワイパW1001と共に移動してきたインクI11がノズルH1006内のインクと連通した状態を示した図である。その後、ワイパW1001が更に前進し、図9(b)に示したようにノズルH1006の真下に到達した際に図9(c)のように振動で下方向にワイパW1001が移動した場合、ノズルH1006内のインクには、吐出口H1008から引き出される流れが生じる。この流れによって、ノズルH1006内の気泡H1004は、インクと共に吐出口H1008から記録ヘッドH10の外部へと抜ける。
【0033】
このように、ワイパW1001を振動させながら吐出口面H1001のワイピングを行うことで、ワイパW1001がノズルに到達するとその振動によって、ノズル内に気泡が存在する場合には気泡をノズルから除去することができる。
【0034】
なお、このようにワイパW1001の上下動による振動を行う際に、10μm以下の上下方向成分の振幅では、気泡がノズル内部で微小量移動することは確認できるが、気泡除去率が上下方向振幅10μm以上の時と比較して低下することを確認した。従って、ワイパW1001の振幅の上下方向成分は10μm以上あることが好ましい。
【0035】
また、本実施形態では、記録ヘッドに対するワイパW1001のワイピング方向は1方向だけでワイピングを行い、ワイピング後ワイパW1001が戻る際には、ワイパW1001が吐出口面に当たらないように移動させてからワイパW1001を戻す。
【0036】
また、進入量xを変化させる構成としては、ワイピングユニットW100を上下させる構成か、ワイパW1001を上下させる構成もしくは、記録ヘッドH10を上下させる構成、また、これらの各構成を組み合わせた構成のいずれの構成でもよい。
【0037】
実際に実験を行ったデータについて以下で説明する。実験では図3に示したように、ワイパW1001を記録ヘッドH10に当接させながらモータW1010を振動させて気泡除去ワイピングを行った。ワイパW1001の材質はエーテルウレタンを用い、肉厚は1.0mm、エッジ精度±15μm以下のものを用いた。図4におけるワイパW1001の進入量はx=0.2mmであり、モータW1010は山洋電気(株)製2相ステッピングモータ(103H5205−0440)を用いた。そして、一般にモータ内部の共振による振動が発生しやすいステップ数である200PPSで、ワイピング速度は9.7mm/secで気泡除去ワイピングを行った。
【0038】
図10(a)から(c)は、振動させながら気泡除去ワイピングを行った場合の、ワイピング回数毎の吐出口面H1001の一部を示した図である。吐出口面のノズルに発生する気泡には、上述したようなノズル内のインクで発生する比較的小さな気泡(以下、小気泡ともいう)と、吐出口を完全に気泡が覆う状態で発生する比較的大きな気泡(以下、大気泡ともいう)とがある。いずれの気泡もインクの正常な吐出の妨げになるため除去することが望ましい。
【0039】
図10(a)はワイピング回数が0回、つまり気泡除去ワイピングを行う前の吐出口面H1001の状態であり、複数の大気泡H1011が吐出口に付いている。また、ノズル内には小気泡H1004も確認することができる。大気泡、小気泡とも無い吐出口にはインクによるメニスカスH1002が形成されている。図10(b)は、振動させながら気泡除去ワイピングを1回行った状態であり、図10(a)と比べて、大気泡H1011が大幅に少なくなっており、小気泡H1004に関しては完全になくなっている。図10(c)は、振動させながらの気泡除去ワイピングを2回行った後の吐出口面H1001の状態である。図10(b)に見られたや大気泡H1011は無くなっており、大気泡H1011、小気泡H1004が完全に除去されているのを確認することができた。
【0040】
図11、図12はワイピングを行った回数毎の気泡の発生状況を表にまとめたものであり、図11は通常の(振動無しの)ワイピング、図12は振動させながらの気泡除去ワイピングの結果をそれぞれ表わしている。通常の(振動無しの)ワイピングではワイピングを2回行った後で、ワイピング前3個あった小気泡はなくなっているが、大気泡は依然として33個が残った状態であった。振動させながらの気泡除去ワイピングでは、気泡除去ワイピングを2回行った後で、ワイピング前、小気泡が2個、大気泡34個あったものが完全になくなっているのを確認することができた。
【0041】
このように、ワイパを振動させながら気泡除去ワイピングを行うことで、小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0042】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
図13は、本実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。第1の実施形態ではワイパW1001を振動させる方法としてモータW1010を共振させて、その振動をワイパW1001に伝えて振動させる方法を採用した。本実施形態ではワイプベースW1011に振動素子W1012を設け、その振動素子W1012の振動によってワイパW1001を振動させる。振動における上下方向の振幅は、第1の実施形態と同様に10μm以上であることが好ましい。
【0043】
このように、振動させながら気泡除去ワイピングを行うことで、小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置および
インクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0044】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
図14は、本実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。本実施形態のワイパW1013は吐出口面と接触する部分を円弧形状にしている。この円弧形状部が吐出口面と接触することで、ワイピング時にワイパW1013が変形しても、吐出口面との安定した接触を維持することができる。
【0045】
このように、吐出口面と接触する部分が円弧形状のワイパを振動させながら気泡除去ワイピングを行う。これによって、小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0046】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
図15は、本実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。本実施形態では、ワイパW1001の幅がLmmであり吐出口面に沿って速度Vmm/secで移動する場合、1回のワイピング動作で全てのノズルに少なくとも1回はワイパW1001が当接するように、ワイパ上下方向の振動周期fをf>V/L(Hz)とする。図15(a)においてワイパW1001がN個のノズルと接触していたとする。隣接するノズルを飛ばすことなく、さらにN個のノズルと接する(図15(b)参照)ためには、ワイパW1001が1回の上下振動動作でLmm移動する必要がある。その際、ワイパW1001は吐出口面に沿って、速度Vmm/secで移動している。そのため、全てのノズルに少なくとも1回はワイパW1001を当接させるためには、振動周期fはf>V/L(Hz)である必要がある。
【0047】
このように、ワイパW1001の幅L、移動速度V、振動周期fの関係を、振動周期f>V/L(Hz)とする。これによって、ワイパW1001が全てのノズルと接触するようになり、小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0048】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第5の実施形態を説明する。第5の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
本実施形態では、第1の実施形態と同様にモータによってワイパW1001を振動させて気泡除去ワイピング動作を行うが、気泡除去ワイピング動作と同時に記録ヘッドから予備吐出を行うことを特徴とする。ワイパW1001で気泡除去ワイピングを行う場合、ワイパW1001によってかき集められたインクI11(図7(a)参照)が少なくなることがある。本発明における気泡除去ワイピングでは、ワイパがかき集めたインクを媒介にしてノズル内の気泡を除去するときに、かき集めたインクが少なくなると、ノズル内の気泡を適切に除去できない場合がある。
【0049】
そこで、本実施形態のように、ワイピング動作中に予備吐出を行うことで、ワイパW1001に常時インクが付着するようになる。その結果、ワイピング動作の途中でワイパW1001に付着しているインクI11の量がなくなることなく、より多くのノズルに常にインクI11がある状態で気泡除去ワイピング動作を行うことができるため、ノズル内部気泡除去率を向上させることができる。
【0050】
このように、予備吐出を行いながらワイパを振動させて気泡除去ワイピングを行う。これによって小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0051】
(第6の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第6の実施形態を説明する。第6の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
上記各実施形態では、ワイパW1001を振動させながら、記録ヘッドに対して一方向にワイピングを行っていたが、本実施形態では、両方向、つまり記録ヘッドに対してワイパを往復させながら気泡除去ワイピングを行う。第1の実施形態で説明したように、振動させながら気泡除去ワイピングを行う方法は回数を重ねることで、より信頼性が向上することがわかっている。そのため、往復動作で振動させながら気泡除去ワイピングを行うことで、より信頼性を向上させることができる。
【0052】
このように、ワイパを振動させて往復方向で気泡除去ワイピングを行う。これによって小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0053】
(第7の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第7の実施形態を説明する。第7の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
本実施形態では、進入量0.2mmでワイパW1001を振動させながら吐出口面の気泡除去ワイピング行った後に、ワイパW1001の進入量を0.5〜2mmに変化させて、振動させずにゴミ除去ワイピングを行なう。これによって、気泡除去ワイピング後に吐出口面に小さなインク滴が残った場合でも、ゴミ除去ワイピングによってそれらの小さなインク滴までも除去することができる。
【0054】
このように、ワイパを振動させて気泡除去ワイピングを行った後にワイパを振動させることなくゴミ除去ワイピングを行なう。これによって小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0055】
(第8の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第8の実施形態を説明する。第8の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。したがって、以下では特徴的な部分についてのみ説明を行う。
図16(a)、(b)は、本実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。本実施形態のワイピング機構は、図のように進入量の異なる2種類のワイパW1001AとワイパW1001Bとを備えている。ワイパW1001Aの進入量X1は、X1=0.5〜2mmであり、ワイパW1001Bの進入量X2は、X2=0.2mmとなっている。
【0056】
このような構成のワイピング機構で、先ずはワイパW1001AとワイパW1001Bとを振動させながら、図16(a)の状態から図16(b)の位置までの往路の気泡除去ワイピングを行なう。その後、図16(b)の位置から図16(a)の位置まで、同様に振動させながら復路の気泡除去ワイピングを行なう。そして、次に図16(a)の状態から図16(b)の位置までワイパW1001AとワイパW1001Bとを振動させずにゴミ除去ワイピングを行なう。このように、気泡除去ワイピングを複数回行なった後に、ゴミ除去ワイピングを行なうことで、気泡除去ワイピング後に吐出口面に小さなインク滴が残った場合でも、ゴミ除去ワイピングによってそれらの小さなインク滴までも除去することができる。
【0057】
このように、2種類のワイパを備えたワイピング機構を振動させて気泡除去ワイピングを行った後にワイパを振動させることなくゴミ除去ワイピングを行なう。これによって小気泡、大気泡ともに完全に除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0058】
なお、上記ではゴミ除去ワイピングについては往路のみ行なっているが、気泡除去ワイピングの後に行なうゴミ除去ワイピングも、往路と復路の両方で行ってもよい。
【0059】
また、第2の実施形態のように、ワイプベースW1011に振動素子を設け、その振動素子の振動によってワイパW1001Bのみを振動させてもよい。
【0060】
(第9の実施形態)
本実施形態では、本発明のワイピング機構をフルラインタイプの記録ヘッドに適用した例である。まず、フルラインタイプの記録装置の概略について説明する。
【0061】
図17は、本実施形態を適用可能なフルラインタイプの記録装置を示した概略断面図である。F10Bk,F10Y,F10M,F10Cは、それぞれブラック,イエロー,マゼンタ,シアンのインク色に対応したバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドであり、それぞれに吐出エネルギ発生手段として電気熱変換素子(ヒータ)を有している。各記録ヘッドは吐出口を備えており、ヒータへの通電時にインク中に生じる気泡を圧力源として吐出口からインク液滴を吐出させる。記録ヘッドは、ブロックF42に固定されており、そのブロックF42には、吐出口からのインク液滴の吐出の有無を検出するための読取りヘッドF41が設けられている。
【0062】
キャッピングユニットF43は、スタンバイ時等、非記録時にブロックF42が図中一点鎖線で示す位置にある時に、記録ヘッドF10C〜F10Bkに対向する位置まで移動して記録ヘッドF10C〜F10Bkの吐出口面と当接してキャップする。また、キャッピングユニットF43は、吐出口から排出された廃インクの受け皿となり、排出された廃インクは、キャッピングユニットF43から不図示の廃インクタンクへと導かれる。
【0063】
エンドレスの帯電吸着ベルトF44は、記録媒体F47が記録ヘッドF10Bk,F10Y,F10M,F10Cの各々と所定間隔を介して対向配設されるように記録媒体F47を搬送する。バックプラテンF45は、帯電吸着ベルトF44を介して各記録ヘッドに対向配設される。
【0064】
給送カセットF46は、普通紙などの記録媒体F47が収納され、記録装置本体に着脱自在に装着されている。ピックアップローラF48は、給紙カセットF46内の最上面の記録媒体F47を1枚だけ送り出して給送する。搬送ローラF49は、ピックアップローラF48から送り出された記録媒体F47を搬送路F50へ搬送する。搬送ローラF51は搬送路F50の出口側に配設されており、搬送路F50から搬送された記録媒体F47を記録可能な位置へと搬送する。
【0065】
記録媒体F47に記録によって付着したインク液滴は、乾燥用ヒータF53とファンF54による熱風により乾燥定着される。排出ローラF55は、定着の終了した記録媒体F47を装置外に排出する。トレイF56は、排出された記録媒体F47を順次ストックする。
【0066】
記録開始の操作が行われると、指定されたサイズの記録媒体F47がピックアップローラF48によって給紙カセットF46から送り出される。送り出された記録媒体F47は、搬送ローラF49およびF51によって搬送され、バックプラテンF45によって平面状になっている帯電吸着ベルトF44に乗せられる。記録媒体F47の先端部が、記録ヘッドF10C,F10M,F10Y,F10Bkの各々の下部に到着するのに伴って、各記録ヘッドの電気熱変換素子が画像データに応じて駆動される。この電気熱変換素子の駆動により、記録情報に応じたインク液滴が吐出口から記録媒体F47の表面に向けて飛翔し、その着弾により記録が行われる。
【0067】
記録媒体F47の吸湿性が悪い場合、表面に付着したインク液滴が乾燥しないまま、記録面が何かと接触すると、擦られて汚れが生じるので、乾燥ヒータF53およびファンF54によって強制乾燥を行って定着させる。インク液滴の定着が終了した記録媒体F47は、排出ローラF55によってトレイF56へ排出される。
【0068】
以上のように、それぞれシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのインクに対応した記録ヘッドにそれぞれのヘッドに応じた記録信号を与えることによりカラー画像が形成される。
【0069】
このような構成のフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、上記各実施形態のワイピング機構を適用することができる。
【0070】
このようにフルラインタイプの記録ヘッドでも振動させながら気泡除去ワイピングを行うことで小気泡、大気泡ともに除去することができ、大量の廃インクを発生しないインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの回復方法を実現することができた。
【0071】
なお、上記各実施形態では、記録ヘッドに電気熱変換素子の熱エネルギによりインクを吐出する構成を説明したが、これに限定するものではなく、圧電素子の変位によってインクを吐出する構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本実施形態を適用可能なシリアルタイプのインクジェット記録装置を模式的に示した断面図である。
【図2】本実施形態において、記録ヘッドの吐出口面の払拭動作を行うワイピング機構の一例を示した図である。
【図3】図2のワイピング機構が実際に記録ヘッドの記録素子基板のインク吐出口面を清掃している時の様子を示している。
【図4】ワイパと記録ヘッドの当接する部位の拡大図を示している。
【図5】第1の実施形態の記録ヘッドの断面を示した断面図である。
【図6】図5の記録ヘッドのノズル内部に気泡が生じている状態を示した断面図である。
【図7】(a)、(b)は、従来における記録ヘッドの吐出口面をワイパでワイピングしている状態を示した図である。
【図8】(a)、(b)は、第1の実施形態の記録装置における記録ヘッドの吐出口面をワイパで気泡除去ワイピングしている状態を示した図である。
【図9】(a)から(c)は、第1の実施形態の記録装置における記録ヘッドの吐出口面をワイパで気泡除去ワイピングしている状態を示した図である。
【図10】(a)から(c)は、振動させながら気泡除去ワイピングを行った場合の、ワイピング回数毎の吐出口面の一部を示した図である。
【図11】ワイピングを行った回数毎の気泡の発生状況をまとめた表である。
【図12】ワイピングを行った回数毎の気泡の発生状況をまとめた表である。
【図13】第2の実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。
【図14】第3の実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。
【図15】第4の実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。
【図16】(a)、(b)は、第8実施形態のワイピング機構が記録ヘッドの吐出口面を気泡除去ワイピングしている様子を示している。
【図17】第9の実施形態を適用可能なフルラインタイプの記録装置を示した概略断面図である。
【符号の説明】
【0073】
H10 記録ヘッド
I11 インク
H1001 吐出口面
H1002 メニスカス
H1003 ヒータ
H1004 小気泡
H1005 ノズル
H1006 ノズル
H1011 大気泡
W1001 ワイパ
W1006 スライドレール
W1010 モータ
W1011 ワイプベース
W1012 振動素子
W1013 ワイパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドの前記吐出口を備えた面を弾性部材でなるワイパで払拭することで、前記インクジェット記録ヘッドの吐出状態を回復させる前記インクジェット記録ヘッドの回復方法において、
前記ワイパは前記吐出口面に対して、所定の進入量をもって前記吐出口面と接触し、前記ワイパを振動させて前記記録ヘッドの前記吐出口面を払拭することで、前記ワイパに付着した前記インクによって前記吐出口から前記インクが流入あるいは流出することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項2】
前記インクジェット記録ヘッドの前記吐出口面を払拭する際に、前記ワイパを振動させる第1のモードと、前記ワイパを振動させない第2のモードとがあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項3】
前記ワイパの前記吐出口面に対する所定の前記進入量は複数種類の設定ができることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項4】
前記第1のモードの所定の前記進入量は、前記第2のモードの所定の前記進入量よりも少ないことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項5】
前記第1のモードの所定の前記進入量は、0.2mm以下であることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項6】
前記ワイパの振動は、前記吐出口面に対して垂直方向を振動成分とする振動であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項7】
前記ワイパの振動の振幅は10μmよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項8】
前記ワイパの振動は、前記ワイパの駆動源を駆動させたときの前記駆動源の振動によって振動していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項9】
前記駆動源はステッピングモータであり、前記ワイパの振動は前記ステッピングモータを低速領域の共振点で駆動させたときに発生する振動によることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項10】
前記ワイパに振動は、振動素子の振動によることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項11】
前記ワイパの、前記ワイパが払拭する方向に沿った長さをLとすると、前記ワイパが前記吐出口面を払拭する時の前記ワイパの速度をVとすると、前記ワイパが振動する振動周期fはf>V/Lの関係であることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項12】
前記第1のモードの時は、前記吐出口から前記インクを吐出しながら前記ワイパにて払拭を行なうことを特徴とする請求項2ないし請求項11のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項13】
前記第1のモードでの前記ワイパによる前記吐出口面の払拭を複数回行った後に前記第2のモードでの前記ワイパによる前記吐出口面の払拭を行うことを特徴とする請求項2ないし請求項12のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項14】
長さの異なる2種類の前記ワイパを備えて、この前記ワイパの長さの違いによって、複数種類の前記進入量を実現し、前記第1のモードで前記吐出口面の払拭を行った後に前記第2のモードで前記吐出口面の払拭を行うことを特徴とする請求項2ないし請求項13のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項15】
長さの異なる2種類の前記ワイパのうち、長さが短い前記ワイパのみが、前記振動素子によって振動することを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項16】
前記弾性部材はゴムであることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項17】
前記ワイパはエッジ部を備えており、該エッジ部で前記吐出口面の払拭を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項18】
前記ワイパは円弧形状部を備えており、該円弧形状部で前記吐出口面の払拭を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項19】
前記インクジェット記録ヘッドはシリアルタイプの記録ヘッドであることを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項20】
前記インクジェット記録ヘッドはフルラインタイプの記録ヘッドであることを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項21】
前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギを用いて、前記インクに気泡を生じさせ、該気泡の圧力によって前記インクを吐出することを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項22】
前記インクジェット記録ヘッドは、圧電素子の変位により、インクを吐出することを特徴とする請求項1ないし請求項20のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法。
【請求項23】
請求項1から請求項22のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの回復方法による記録ヘッドの回復を用いることを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−297966(P2009−297966A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153365(P2008−153365)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】