インクジェット記録装置及び記録方法
【課題】 インクジェット記録装置を用いて記録する際、連続記録をすると吐出が不安定になる場合があった。
【解決手段】 記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて制御する駆動電圧制御手段を少なくとも有する。
【解決手段】 記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて制御する駆動電圧制御手段を少なくとも有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェット記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、記録ヘッドに備えられたノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のうち、屋外サイン用途のインクジェット記録装置は、記録素子として圧電素子を使用した記録ヘッドを用い、有機溶剤を主溶媒とするインクを用いるものが一般的である。
【０００３】
このようなインクジェット記録装置を用いて連続して記録を行うと、記録条件によっては、吐出が不安定となってノズルから偏向してインクが吐出する場合や更にはインクが不吐出となる場合があった。このような吐出の不安定を回避する技術として、様々な技術が開示されている。例えば、特許文献１は、特定の構成のブレードとその動きを制御する構成を用いて吐出の不安定を回避する技術を開示している。
【０００４】
インクジェット記録装置を用いて記録を行う際の記録条件としては、インクの種類、記録画像の種類、記録時の環境温度及び環境湿度、記録媒体の種類、記録モードなど様々ある。その他にも、記録ヘッドの駆動電圧、記録ヘッドと記録媒体の距離、記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風するファンがある場合のそのファンによる風力など様々ある。これら記録条件の組合せ次第で、記録ヘッドから吐出されたインクの吐出速度や吐出量、ミストの数、連続して吐出した際の吐出の安定性が変わってくる。
【０００５】
このうち、ミストの数を減らす技術として、以下のような技術が開示されている。特許文献２は、記録ヘッドと記録媒体間の距離に関するデータに基づいてミストファンの動きを制御することによりミストを低減する技術を開示している。また、特許文献３は、ミスト発生に関連する記録条件を取得する手段とミスト低減条件の設定手段を有することによりミストを低減する技術を開示している。さらに、特許文献４は、記録ヘッドと記録媒体間の距離を識別する距離識別部を備え、この距離識別部により識別された距離に応じて駆動パルスを変更することによりミストを低減する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−２６１２５６号公報
【特許文献２】特開２００９−１０１６６３号公報
【特許文献３】特開２００７−２９６７５４号公報
【特許文献４】特開２００５−２４６６９０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、特許文献１で開示されている技術を用いると、吐出の安定性は向上するものの、使用するインクの種類などによっては効果が不十分な場合があるということがわかった。
【０００８】
また、本発明者等が吐出の安定性を向上することを目的として更に鋭意検討した結果、記録条件を様々変更させた場合に、吐出の安定性を向上する記録条件とミストを低減する記録条件とは必ずしも一致するわけではないということがわかった。つまり、特許文献２から特許文献４で開示されている技術は、ミストを低減する技術であるものの、必ずしも吐出の安定性を向上させる技術ではないということがわかった。
【０００９】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、連続記録をした際でも安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
また、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出する記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の課題を解決するための本発明は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定手段を少なくとも有することを特徴とする。
【００１１】
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出工程と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定工程と、前記駆動電圧設定工程で設定した駆動電圧で記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、連続記録をした際でも安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することができる。また、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出する記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図２】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図３】本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【００１５】
本実施形態のインクジェット記録装置１は、図１に示すように、記録媒体５０を水平に配置して図１の紙面奥行き方向に搬送し、インクジェット方式によって、記録媒体５０の表面に記録データに応じた画像や文字などを記録する。
【００１６】
インクジェット記録装置１は、記録媒体５０を搬送する搬送部４０と、記録媒体５０に記録する記録部４１とを備える。また、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に往復走査して記録を行う記録ヘッド９と、記録ヘッド９をクリーニングするクリーニングユニット１０とを備える。また、インクジェット記録装置１は、記録データの受信や記録動作の制御を含めた装置全体の制御を行う制御部（不図示）を備える。
【００１７】
搬送部４０は、図１の紙面奥行き方向に延ばされた略平板状のプラテン２上に、モータ５によって紙面に沿う水平軸回りに回転される複数のピンチローラ３を備える。そして、これらピンチローラ３によって、ピンチローラ３の回転軸と平行な回転軸回りに回転自在に支持されたグリッドローラ４が、紙面奥行き方向に複数配列されている。これらグリッドローラ４は、プラテン２の上方において図１の紙面奥行き方向に延びる水平面に整列され、記録媒体５０の搬送路を形成している。
【００１８】
記録部４１は、搬送部４０およびクリーニングユニット１０の上方で、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に延在されたキャリッジレール７と、キャリッジレール７に沿って移動可能に設けられた記録ヘッドユニット８とを備える。また、記録ヘッドユニット８をキャリッジレール７上で位置制御および速度制御可能に往復移動させるモータ６を備える。さらに、記録ヘッドユニット８に記録用のインクを供給する着脱可能なインクカートリッジ１７を備える。
【００１９】
本実施形態では、インクカートリッジ１７には、カラー記録を行うための複数色のインクが備えられ、配管（インク流路）としての複数のインクチューブ１６を介して、色ごとに、記録ヘッドユニット８に供給できるようになっている。
【００２０】
記録ヘッドユニット８は、下面側に、インクの色や記録範囲などに応じて、複数の記録ヘッド９が設けられ、インクチューブ１６から供給されるインクは、同色の記録を行う記録ヘッド９に分配して供給される。記録ヘッドユニット８は、不図示のつまみにより高さ方向に移動可能となっており、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を任意に調整することができる。記録ヘッドユニット８には、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３が設けられている。距離センサ１３としては、例えばレーザーを利用するものが用いられるが特に限定されない。
【００２１】
また、記録ヘッドユニット８には、各記録ヘッド９の温度を適宜の温度範囲に保つための冷却ファン１８が設けられている。なお、この冷却ファン１８を駆動することにより各記録ヘッド９の間を風が通り抜ける構成となっている。記録中にこの冷却ファン１８を駆動することにより記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に風を送ることができる。このため、この冷却ファン１８は、記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風するファンとしての役割も兼ねている。
【００２２】
なお、記録ヘッド９の詳細は図示しないが、各ノズルにインクを供給するインク室や、圧電素子などを用いた吐出機構が設けられている。記録ヘッド９は該圧電素子などを用いた吐出機構によってインクの吐出及びノズルのインクメニスカスを微振動させる空駆動動作を行うことが可能な構成となっている。また、ノズルは吐出機構の構成や記録画素ピッチなどに応じて適宜の個数及び配列ピッチで設けることができる。例えば、２５６個などの多数のノズルを配列することができる。本実施例の記録ヘッド９は、記録素子として圧電素子を用いているが、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドであっても良い。
【００２３】
モータ６の位置制御、速度制御は、制御部の制御信号に応じて行われ、モータ６は記録動作時には記録ヘッドユニット８を所定速度で記録媒体５０上を復移動させる。また、モータ６はクリーニング動作時にはクリーニングユニット１０内の所定のクリーニング位置に記録ヘッドユニット８を移動できるようになっている。
【００２４】
クリーニングユニット１０は、本実施形態では、記録ヘッド９内のインクをノズルから外部に吸引することで記録ヘッド９をクリーニングする吸引クリーニング部１４Ａと、記録ヘッド面をワイピング処理することで記録ヘッド９をクリーニングするワイプ部１４Ｂとからなる。クリーニングユニット１０は、搬送部４０の側方かつ記録部４１の下方における記録ヘッドユニット８の移動経路上に、搬送部４０側からワイプ部１４Ｂ、吸引クリーニング部１４Ａの順に配置されている。本実施形態は、これら吸引クリーニング部１４Ａ、ワイプ部１４Ｂの上方位置が、所定のクリーニング位置となっている。
【００２５】
吸引クリーニング部１４Ａの概略構成は、キャップ１１、キャップ駆動部（不図示）、吸引ポンプ１２、ポンプ駆動部（不図示）、大気開放弁（不図示）および大気開放弁駆動部（不図示）からなる。
【００２６】
これらのうち、少なくともキャップ１１は記録ヘッド９ごとに設けられている。ただし、キャップ駆動部、吸引ポンプ１２、大気開放弁および大気開放弁駆動部は、記録ヘッド９ごとに各動作を共通化できる場合には、複数のキャップ１１に対して１台設ける構成としてもよい。
【００２７】
キャップ駆動部は、キャップ１１の上下方向の位置を選択的に切り換えるための上下動を行うものであり、例えば、機械的、電磁的、流体的な適宜の昇降手段からなる。そのため、キャップ駆動部は、モータ６によってキャリッジレール７上を移動されて吸引クリーニング部１４Ａの上方に位置した状態の記録ヘッドユニット８に対して、キャップ１１を上下方向に進退させ、キャップ１１が記録ヘッド面を封止する状態と、封止を解除する状態とを切り換えることができるようになっている。
【００２８】
吸引ポンプ１２は、吸引空間内の空気、インクなどの内容物を吸引して、吸引空間外に排出するためのものであり、適宜構成の流体ポンプ、例えばロータリポンプなどを採用することができる。本実施形態では、ポンプ駆動部により吸引量を可変できる構成としている。また、吸引ポンプ１２の吸引量は、必要に応じて多段階に変化できるようにしてもよい。吸引ポンプ１２は、吸引口が吸引管に接続され、排出口が排出管に接続されている。排出管の他端は、廃液ボトル１５に接続されている。
【００２９】
吸引クリーニング部１４Ａにおいて、キャップ駆動部、大気開放弁駆動部、ポンプ駆動部は、不図示のクリーニング制御部にそれぞれ電気的に接続され、クリーニング制御部からの制御信号により、それぞれの動作が制御されるようになっている。
【００３０】
ワイプ部１４Ｂは、周知のワイピング処理を行うものであればどのような構成を有していてもよい。例えば、ワイプ部１４Ｂの上方に移動された記録ヘッド９の記録ヘッド面上でワイプ液を含んだワイピングブレードを相対移動させることで、記録ヘッド面をワイピングする構成を採用することができる。
【００３１】
図２は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
図２において２０は制御部であり、制御部２０は、演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するＣＰＵ２５と、該ＣＰＵ２５によって実行すべき制御プログラム等を格納するＲＯＭ２６と、記録データのバッファやＣＰＵ２５による処理のワークエリア等として用いられるＲＡＭ２７などを備える。
【００３２】
本実施形態のインクジェット記録装置１において、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、記録ヘッド９を駆動する駆動電圧を設定し、記録ヘッド駆動部２２を介して記録ヘッド９の駆動を制御する。本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッドユニット８に設けられた不図示のつまみにより任意に記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を調節することが可能である。本実施形態では、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍとなる位置を基本の距離とし、このときの記録ヘッドの駆動電圧を基本の電圧とする。記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍよりも長くなるに従って所定の基準で記録ヘッド９の駆動電圧が低くなり、この距離が２ｍｍよりも短くなるに従って所定の基準で記録ヘッド９の駆動電圧が高くなる。
【００３３】
また、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、冷却ファン１８の回転数を設定する。また、制御部２０は、冷却ファン駆動部２１を介して冷却ファン１８の駆動を制御する。本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が基本の距離である２ｍｍにおける冷却ファン１８の回転数を基本の回転数としている。この距離が２ｍｍよりも長くなるに従って所定の基準で回転数が大きくなり、この距離が２ｍｍよりも短くなるに従って所定の基準で回転数が小さくなる。
【００３４】
なお、本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９を記録媒体５０の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行う所謂マルチパス記録方式で記録を行うインクジェット記録装置である。制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、このパス数を設定する。本実施形態では、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍとなる位置を基本の距離とし、このときのパス数を８パスとしている。この距離が第一の閾値となる所定の距離よりも長い場合のパス数を４パスとし、この距離が第二の閾値となる所定の距離よりも短い場合のパス数を１６パスとしている。
【００３５】
つまり、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が長くなるほど、記録ヘッドの駆動電圧を低く、冷却ファン１８による記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風する風力を大きく、マルチパス記録方式におけるパス数を少なく設定する。このように設定して記録を行うことで、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出することができる。なお、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が長くなるほど記録ヘッドの駆動電圧を小さくする設定のみをする場合でも効果はあるが、冷却ファン１８による記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風する風力を大きくする設定、マルチパス記録方式におけるパス数を少なくする設定の少なくとも何れか１つを組み合わせると更に効果は大きくなる。
【００３６】
また、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が基本の距離である場合の記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数は、入力部２３を介して外部装置から任意に入力可能である。また、これらはインクジェット記録装置１に備えられたオペレーションパネル２４を介しても任意に入力可能である。なお、これらの記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数に関するデータは、不揮発性メモリとしてのＥＥＰＲＯＭ２８に格納される。制御部２０は、これらの格納されたデータに従って記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数を設定する。
【００３７】
次に、本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクは、有機溶剤を主溶媒とするいわゆる溶剤インクである。この溶剤インクを用いた際に、本発明の効果は特に顕著となる。
【００３８】
次に、本発明の記録方法について説明する。
図３は、本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
なお、本実施形態で使用するインクジェット記録装置１は、記録ヘッドと記録媒体との距離を検出するセンサと記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風するファンを有し、記録ヘッドを前記記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うマルチパス方式のインクジェット記録装置である。
【００３９】
インクジェット記録装置は、ホストコンピュータから画像データを入力すると、最初に、ステップＳ１１０で記録ヘッドと記録媒体との距離を距離センサにより検出する。
次に、ステップＳ１２０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じて駆動電圧を設定する。
【００４０】
次に、ステップＳ１３０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じてパス数を設定する。
次に、ステップＳ１４０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じてファンの回転数を設定する。
【００４１】
そして、最後に、ステップＳ１５０で、ステップＳ１２０で設定した記録ヘッドの駆動電圧、ステップＳ１３０で設定したパス数及びステップＳ１４０で設定したファンの回転数で、記録を行うことで本実施形態の記録方法の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
上記本発明のインクジェット記録装置及び記録方法は、一般的なインクジェット記録装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００４３】
１ 記録装置
９ 記録ヘッド
１３ 距離センサ
２０ 制御部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェット記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、記録ヘッドに備えられたノズルからインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置のうち、屋外サイン用途のインクジェット記録装置は、記録素子として圧電素子を使用した記録ヘッドを用い、有機溶剤を主溶媒とするインクを用いるものが一般的である。
【０００３】
このようなインクジェット記録装置を用いて連続して記録を行うと、記録条件によっては、吐出が不安定となってノズルから偏向してインクが吐出する場合や更にはインクが不吐出となる場合があった。このような吐出の不安定を回避する技術として、様々な技術が開示されている。例えば、特許文献１は、特定の構成のブレードとその動きを制御する構成を用いて吐出の不安定を回避する技術を開示している。
【０００４】
インクジェット記録装置を用いて記録を行う際の記録条件としては、インクの種類、記録画像の種類、記録時の環境温度及び環境湿度、記録媒体の種類、記録モードなど様々ある。その他にも、記録ヘッドの駆動電圧、記録ヘッドと記録媒体の距離、記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風するファンがある場合のそのファンによる風力など様々ある。これら記録条件の組合せ次第で、記録ヘッドから吐出されたインクの吐出速度や吐出量、ミストの数、連続して吐出した際の吐出の安定性が変わってくる。
【０００５】
このうち、ミストの数を減らす技術として、以下のような技術が開示されている。特許文献２は、記録ヘッドと記録媒体間の距離に関するデータに基づいてミストファンの動きを制御することによりミストを低減する技術を開示している。また、特許文献３は、ミスト発生に関連する記録条件を取得する手段とミスト低減条件の設定手段を有することによりミストを低減する技術を開示している。さらに、特許文献４は、記録ヘッドと記録媒体間の距離を識別する距離識別部を備え、この距離識別部により識別された距離に応じて駆動パルスを変更することによりミストを低減する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−２６１２５６号公報
【特許文献２】特開２００９−１０１６６３号公報
【特許文献３】特開２００７−２９６７５４号公報
【特許文献４】特開２００５−２４６６９０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、本発明者等が鋭意検討した結果、特許文献１で開示されている技術を用いると、吐出の安定性は向上するものの、使用するインクの種類などによっては効果が不十分な場合があるということがわかった。
【０００８】
また、本発明者等が吐出の安定性を向上することを目的として更に鋭意検討した結果、記録条件を様々変更させた場合に、吐出の安定性を向上する記録条件とミストを低減する記録条件とは必ずしも一致するわけではないということがわかった。つまり、特許文献２から特許文献４で開示されている技術は、ミストを低減する技術であるものの、必ずしも吐出の安定性を向上させる技術ではないということがわかった。
【０００９】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、連続記録をした際でも安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
また、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出する記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の課題を解決するための本発明は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定手段を少なくとも有することを特徴とする。
【００１１】
また、上記の課題を解決するための別の本発明は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出工程と、前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定工程と、前記駆動電圧設定工程で設定した駆動電圧で記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、連続記録をした際でも安定に吐出するインクジェット記録装置を提供することができる。また、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出する記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【図２】本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【図３】本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図１は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示す正面図である。
【００１５】
本実施形態のインクジェット記録装置１は、図１に示すように、記録媒体５０を水平に配置して図１の紙面奥行き方向に搬送し、インクジェット方式によって、記録媒体５０の表面に記録データに応じた画像や文字などを記録する。
【００１６】
インクジェット記録装置１は、記録媒体５０を搬送する搬送部４０と、記録媒体５０に記録する記録部４１とを備える。また、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に往復走査して記録を行う記録ヘッド９と、記録ヘッド９をクリーニングするクリーニングユニット１０とを備える。また、インクジェット記録装置１は、記録データの受信や記録動作の制御を含めた装置全体の制御を行う制御部（不図示）を備える。
【００１７】
搬送部４０は、図１の紙面奥行き方向に延ばされた略平板状のプラテン２上に、モータ５によって紙面に沿う水平軸回りに回転される複数のピンチローラ３を備える。そして、これらピンチローラ３によって、ピンチローラ３の回転軸と平行な回転軸回りに回転自在に支持されたグリッドローラ４が、紙面奥行き方向に複数配列されている。これらグリッドローラ４は、プラテン２の上方において図１の紙面奥行き方向に延びる水平面に整列され、記録媒体５０の搬送路を形成している。
【００１８】
記録部４１は、搬送部４０およびクリーニングユニット１０の上方で、記録媒体５０の搬送方向と直交する方向に延在されたキャリッジレール７と、キャリッジレール７に沿って移動可能に設けられた記録ヘッドユニット８とを備える。また、記録ヘッドユニット８をキャリッジレール７上で位置制御および速度制御可能に往復移動させるモータ６を備える。さらに、記録ヘッドユニット８に記録用のインクを供給する着脱可能なインクカートリッジ１７を備える。
【００１９】
本実施形態では、インクカートリッジ１７には、カラー記録を行うための複数色のインクが備えられ、配管（インク流路）としての複数のインクチューブ１６を介して、色ごとに、記録ヘッドユニット８に供給できるようになっている。
【００２０】
記録ヘッドユニット８は、下面側に、インクの色や記録範囲などに応じて、複数の記録ヘッド９が設けられ、インクチューブ１６から供給されるインクは、同色の記録を行う記録ヘッド９に分配して供給される。記録ヘッドユニット８は、不図示のつまみにより高さ方向に移動可能となっており、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を任意に調整することができる。記録ヘッドユニット８には、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３が設けられている。距離センサ１３としては、例えばレーザーを利用するものが用いられるが特に限定されない。
【００２１】
また、記録ヘッドユニット８には、各記録ヘッド９の温度を適宜の温度範囲に保つための冷却ファン１８が設けられている。なお、この冷却ファン１８を駆動することにより各記録ヘッド９の間を風が通り抜ける構成となっている。記録中にこの冷却ファン１８を駆動することにより記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に風を送ることができる。このため、この冷却ファン１８は、記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風するファンとしての役割も兼ねている。
【００２２】
なお、記録ヘッド９の詳細は図示しないが、各ノズルにインクを供給するインク室や、圧電素子などを用いた吐出機構が設けられている。記録ヘッド９は該圧電素子などを用いた吐出機構によってインクの吐出及びノズルのインクメニスカスを微振動させる空駆動動作を行うことが可能な構成となっている。また、ノズルは吐出機構の構成や記録画素ピッチなどに応じて適宜の個数及び配列ピッチで設けることができる。例えば、２５６個などの多数のノズルを配列することができる。本実施例の記録ヘッド９は、記録素子として圧電素子を用いているが、記録素子としてヒータを用いた記録ヘッドであっても良い。
【００２３】
モータ６の位置制御、速度制御は、制御部の制御信号に応じて行われ、モータ６は記録動作時には記録ヘッドユニット８を所定速度で記録媒体５０上を復移動させる。また、モータ６はクリーニング動作時にはクリーニングユニット１０内の所定のクリーニング位置に記録ヘッドユニット８を移動できるようになっている。
【００２４】
クリーニングユニット１０は、本実施形態では、記録ヘッド９内のインクをノズルから外部に吸引することで記録ヘッド９をクリーニングする吸引クリーニング部１４Ａと、記録ヘッド面をワイピング処理することで記録ヘッド９をクリーニングするワイプ部１４Ｂとからなる。クリーニングユニット１０は、搬送部４０の側方かつ記録部４１の下方における記録ヘッドユニット８の移動経路上に、搬送部４０側からワイプ部１４Ｂ、吸引クリーニング部１４Ａの順に配置されている。本実施形態は、これら吸引クリーニング部１４Ａ、ワイプ部１４Ｂの上方位置が、所定のクリーニング位置となっている。
【００２５】
吸引クリーニング部１４Ａの概略構成は、キャップ１１、キャップ駆動部（不図示）、吸引ポンプ１２、ポンプ駆動部（不図示）、大気開放弁（不図示）および大気開放弁駆動部（不図示）からなる。
【００２６】
これらのうち、少なくともキャップ１１は記録ヘッド９ごとに設けられている。ただし、キャップ駆動部、吸引ポンプ１２、大気開放弁および大気開放弁駆動部は、記録ヘッド９ごとに各動作を共通化できる場合には、複数のキャップ１１に対して１台設ける構成としてもよい。
【００２７】
キャップ駆動部は、キャップ１１の上下方向の位置を選択的に切り換えるための上下動を行うものであり、例えば、機械的、電磁的、流体的な適宜の昇降手段からなる。そのため、キャップ駆動部は、モータ６によってキャリッジレール７上を移動されて吸引クリーニング部１４Ａの上方に位置した状態の記録ヘッドユニット８に対して、キャップ１１を上下方向に進退させ、キャップ１１が記録ヘッド面を封止する状態と、封止を解除する状態とを切り換えることができるようになっている。
【００２８】
吸引ポンプ１２は、吸引空間内の空気、インクなどの内容物を吸引して、吸引空間外に排出するためのものであり、適宜構成の流体ポンプ、例えばロータリポンプなどを採用することができる。本実施形態では、ポンプ駆動部により吸引量を可変できる構成としている。また、吸引ポンプ１２の吸引量は、必要に応じて多段階に変化できるようにしてもよい。吸引ポンプ１２は、吸引口が吸引管に接続され、排出口が排出管に接続されている。排出管の他端は、廃液ボトル１５に接続されている。
【００２９】
吸引クリーニング部１４Ａにおいて、キャップ駆動部、大気開放弁駆動部、ポンプ駆動部は、不図示のクリーニング制御部にそれぞれ電気的に接続され、クリーニング制御部からの制御信号により、それぞれの動作が制御されるようになっている。
【００３０】
ワイプ部１４Ｂは、周知のワイピング処理を行うものであればどのような構成を有していてもよい。例えば、ワイプ部１４Ｂの上方に移動された記録ヘッド９の記録ヘッド面上でワイプ液を含んだワイピングブレードを相対移動させることで、記録ヘッド面をワイピングする構成を採用することができる。
【００３１】
図２は、本発明の好ましい実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を模式的に示すブロック図である。
図２において２０は制御部であり、制御部２０は、演算、制御、判別、設定などの処理動作を実行するＣＰＵ２５と、該ＣＰＵ２５によって実行すべき制御プログラム等を格納するＲＯＭ２６と、記録データのバッファやＣＰＵ２５による処理のワークエリア等として用いられるＲＡＭ２７などを備える。
【００３２】
本実施形態のインクジェット記録装置１において、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、記録ヘッド９を駆動する駆動電圧を設定し、記録ヘッド駆動部２２を介して記録ヘッド９の駆動を制御する。本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッドユニット８に設けられた不図示のつまみにより任意に記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を調節することが可能である。本実施形態では、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍとなる位置を基本の距離とし、このときの記録ヘッドの駆動電圧を基本の電圧とする。記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍよりも長くなるに従って所定の基準で記録ヘッド９の駆動電圧が低くなり、この距離が２ｍｍよりも短くなるに従って所定の基準で記録ヘッド９の駆動電圧が高くなる。
【００３３】
また、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、冷却ファン１８の回転数を設定する。また、制御部２０は、冷却ファン駆動部２１を介して冷却ファン１８の駆動を制御する。本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が基本の距離である２ｍｍにおける冷却ファン１８の回転数を基本の回転数としている。この距離が２ｍｍよりも長くなるに従って所定の基準で回転数が大きくなり、この距離が２ｍｍよりも短くなるに従って所定の基準で回転数が小さくなる。
【００３４】
なお、本実施形態のインクジェット記録装置１は、記録ヘッド９を記録媒体５０の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行う所謂マルチパス記録方式で記録を行うインクジェット記録装置である。制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離を検出する距離センサ１３の検出距離に応じて、このパス数を設定する。本実施形態では、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が２ｍｍとなる位置を基本の距離とし、このときのパス数を８パスとしている。この距離が第一の閾値となる所定の距離よりも長い場合のパス数を４パスとし、この距離が第二の閾値となる所定の距離よりも短い場合のパス数を１６パスとしている。
【００３５】
つまり、制御部２０は、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が長くなるほど、記録ヘッドの駆動電圧を低く、冷却ファン１８による記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風する風力を大きく、マルチパス記録方式におけるパス数を少なく設定する。このように設定して記録を行うことで、インクジェット記録装置を用いて連続記録をした際でも安定に吐出することができる。なお、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が長くなるほど記録ヘッドの駆動電圧を小さくする設定のみをする場合でも効果はあるが、冷却ファン１８による記録ヘッド９と記録媒体５０の記録面との間に送風する風力を大きくする設定、マルチパス記録方式におけるパス数を少なくする設定の少なくとも何れか１つを組み合わせると更に効果は大きくなる。
【００３６】
また、記録ヘッド９と記録媒体５０との距離が基本の距離である場合の記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数は、入力部２３を介して外部装置から任意に入力可能である。また、これらはインクジェット記録装置１に備えられたオペレーションパネル２４を介しても任意に入力可能である。なお、これらの記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数に関するデータは、不揮発性メモリとしてのＥＥＰＲＯＭ２８に格納される。制御部２０は、これらの格納されたデータに従って記録ヘッド９の駆動電圧の値、冷却ファン１８の回転数及びマルチパス記録方式におけるパス数を設定する。
【００３７】
次に、本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクについて説明する。
本発明のインクジェット記録装置で好ましく使用されるインクは、有機溶剤を主溶媒とするいわゆる溶剤インクである。この溶剤インクを用いた際に、本発明の効果は特に顕著となる。
【００３８】
次に、本発明の記録方法について説明する。
図３は、本発明の記録方法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
なお、本実施形態で使用するインクジェット記録装置１は、記録ヘッドと記録媒体との距離を検出するセンサと記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風するファンを有し、記録ヘッドを前記記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うマルチパス方式のインクジェット記録装置である。
【００３９】
インクジェット記録装置は、ホストコンピュータから画像データを入力すると、最初に、ステップＳ１１０で記録ヘッドと記録媒体との距離を距離センサにより検出する。
次に、ステップＳ１２０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じて駆動電圧を設定する。
【００４０】
次に、ステップＳ１３０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じてパス数を設定する。
次に、ステップＳ１４０で、制御部２０において、ステップＳ１１０で検出した記録ヘッド９と記録媒体５０との距離に応じてファンの回転数を設定する。
【００４１】
そして、最後に、ステップＳ１５０で、ステップＳ１２０で設定した記録ヘッドの駆動電圧、ステップＳ１３０で設定したパス数及びステップＳ１４０で設定したファンの回転数で、記録を行うことで本実施形態の記録方法の処理は終了する。
【産業上の利用可能性】
【００４２】
上記本発明のインクジェット記録装置及び記録方法は、一般的なインクジェット記録装置に利用することができる。
【符号の説明】
【００４３】
１ 記録装置
９ 記録ヘッド
１３ 距離センサ
２０ 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、
前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
前記駆動電圧設定手段は前記距離が長いほど前記駆動電圧を低く設定することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
【請求項３】
前記インクジェット記録装置は前記記録ヘッドを前記記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記同一記録領域に対して走査させる走査回数を前記距離に応じて設定する走査回数設定手段をさらに有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】
前記走査回数設定手段は前記距離が長いほど前記走査回数を少なく設定することを特徴とする請求項３に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】
前記記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風する送風手段と、
前記送風手段による風力を前記距離に応じて設定する風力設定手段をさらに有することを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】
前記風力設定手段は前記距離が長いほど前記風力を大きく設定することを特徴とする請求項５に記載のインクジェット記録装置。
【請求項７】
前記記録ヘッドは記録素子として圧電素子を使用していることを特徴とする請求項１乃至６の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項８】
前記インクは有機溶剤を主溶媒としていることを特徴とする請求項１乃至７の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項９】
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出工程と、
前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定工程と、
前記駆動電圧設定工程で設定した駆動電圧で記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする記録方法。
【請求項１】
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出手段と、
前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項２】
前記駆動電圧設定手段は前記距離が長いほど前記駆動電圧を低く設定することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
【請求項３】
前記インクジェット記録装置は前記記録ヘッドを前記記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査して記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記同一記録領域に対して走査させる走査回数を前記距離に応じて設定する走査回数設定手段をさらに有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】
前記走査回数設定手段は前記距離が長いほど前記走査回数を少なく設定することを特徴とする請求項３に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】
前記記録ヘッドと前記記録媒体の記録面との間に送風する送風手段と、
前記送風手段による風力を前記距離に応じて設定する風力設定手段をさらに有することを特徴とする請求項１乃至４の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】
前記風力設定手段は前記距離が長いほど前記風力を大きく設定することを特徴とする請求項５に記載のインクジェット記録装置。
【請求項７】
前記記録ヘッドは記録素子として圧電素子を使用していることを特徴とする請求項１乃至６の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項８】
前記インクは有機溶剤を主溶媒としていることを特徴とする請求項１乃至７の何れか１項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項９】
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置の記録方法であって、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離を検出する検出工程と、
前記記録ヘッドの駆動電圧を前記距離に応じて設定する駆動電圧設定工程と、
前記駆動電圧設定工程で設定した駆動電圧で記録する記録工程を少なくとも有することを特徴とする記録方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１３−８６３００（Ｐ２０１３−８６３００Ａ）
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２２６９１１（Ｐ２０１１−２２６９１１）
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（３９５００３１８７）株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（３９５００３１８７）株式会社セイコーアイ・インフォテック (173)
【Ｆターム（参考）】
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