説明

インサート物を内蔵する2重射出成形方法及び該2重射出成形方法により製作されたインサート物内蔵型電子製品ケース

【課題】インサート物が剥落しない美麗なケースを製造する2重射出成形方法を提供する。
【解決手段】本発明の2重射出成形方法は、固定金型100と可動金型200とを含む第1及び第2金型組立体を有し、固定金型はランナーを備え、ランナーはゲートを備え、第1及び第2金型組立体の可動金型とが一体である2重射出成形装置を用いる2重射出成形方法であり、第1金型組立体を型開きし、インサート物400を第1金型組立体の可動金型200内に配置し、第1金型組立体の可動金型200を固定金型100と結合させ、第1射出液を第1金型組立体内に射出し、第1金型組立体を型開きし、作られた1次射出成形品を第2金型組立体の可動金型に移動させ、第2金型組立体の可動金型を固定金型と結合させ、第2射出液を第2金型組立体内に射出し、第2金型組立体を型開きし、完成された射出成形品を第2金型組立体から取り出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話、PDA等の携帯用端末機、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン等のような電子製品の外装ケースを2重射出成形する方法及び該方法により製作された電子製品の外装ケースに関する。より具体的には、メーカーのロゴ等のようなインサート物を内蔵する方式の2重射出成形方法及び該2重射出成形方法により製作されたインサート物内蔵型電子製品の外装ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のデスクトップコンピュータやノートパソコン等のような電子製品の外装ケースは、一般的に単一の金型を用いる方式の射出成形により制作される。図2及び図3は、このような方式で製作されたデスクトップコンピュータの前面ケース1及びノートパソコンの上部面ケース10を示している。このような方式で製作されたコンピュータケースは、ケースの表面が外部にそのまま露出するため、外部からの衝撃や接触に対する機械特性が弱く、外観も美麗なデザインを具現するのに限界がある。
【0003】
一般的に、電子製品の外装ケースは、メーカーのロゴ、製品の仕様を表す文字等のような様々な文字や記号を備えており、このような文字や記号は、電子製品の外装ケースの射出成形時に金型内に挿入されるもので、通常、インサート物と称される。
【0004】
一方、コンピュータケースには、コンピュータのメーカーのロゴ2、12、各種の案内表示3、13、コンピュータの仕様を表す表示4、14、コンピュータの内部に用いられた部品の製作会社のロゴ5、15等の多様な標識(本発明における「インサート物」に該当する)を有する。このような標識は、平面状の紋様や立体形状のデザインであり得る。従来のコンピュータ用ケースでは、このような標識をケースの表面に接着剤等を用いて接着していたが、標識をケースの表面に接着するためには、ケースの製作工程以外に別の接着工程を経なければならない。そして、接着剤によって接着された標識は、時間が経つにつれて接着力が弱くなり、簡単に剥がれやすくなるという不具合がある。更に、標識が立体型のデザインである場合には、外部に突き出て、見映えがよくないだけでなく、接着力が更に弱くなるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電子製品用ケースにインサート物を挿入する従来の方式を改善して、電子製品用ケースにインサート物を挿入するための別の追加工程が不要であり、挿入後に剥がれ落ちる恐れが全くなく、外観も美麗な電子製品用ケースを製造する2重射出成形方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の2重射出成形方法は、第1の態様として、固定金型と可動金型とを含む第1金型組立体及び第2金型組立体を有しており、該固定金型は、それぞれ、ランナーが形成されており、該ランナーは、それぞれ、ゲートが設置されており、該第1金型組立体の可動金型と該第2金型組立体の可動金型とが一体に形成されている2重射出成形装置を用いる2重射出成形方法であって、前記第1金型組立体の可動金型を固定金型から離れるように移動させ、前記第1金型組立体を型開きするステップ;インサート物を前記第1金型組立体の可動金型内に配置するステップ;前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;前記第1金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第1射出液を前記第1金型組立体内に射出するステップ;前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型から離れるように移動させ、該第1金型組立体を型開きするステップ;前記第1金型組立体で作られた1次射出成形品を前記第2金型組立体の可動金型に移動させるステップ;前記第2金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;前記第2金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第2射出液を該第2金型組立体内に射出するステップ;前記第2金型組立体の可動金型を前記固定金型から離れるように移動させ、該第2金型組立体を型開きするステップ;及び完成された射出成形品を前記第2金型組立体から取り出すステップ;を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の2重射出成形方法の第2の態様は、インサート物を第1金型組立体内の可動金型内に配置する代わりに、第1金型組立体で1次射出成形品を作った後、これを第2金型組立体の可動金型内に移動させてから、インサート物を前記1次射出成形品内に配置することを除き、前記第1の態様の2重射出成形方法と基本的に同じ構成を有している。
【0008】
また、本発明の2重射出成形方法の第1の態様及び第2の態様において、前記2重射出成形装置はインサート物把持用機構又はロボットアームを更に備え、インサート物を第1金型組立体の可動金型内(第1の態様)あるいは1次射出成形品内(第2の態様)に配置するステップが、前記インサート物把持用機構又はロボットアームによって行われることが好ましい。
【0009】
更に、前記可動金型内(第1の態様)あるいは1次射出成形品内(第2の態様)には、前記インサート物を位置決め保持するための前記インサート物に対応する形状の凹部を備えることが好ましい。
【0010】
また更に、前記インサート物は、背面に接着剤が塗布されていることが好ましい。
【0011】
また更に、前記可動金型と前記インサート物とが磁性体であり、前記インサート物を磁力によって、前記可動金型内に固定する構成としてもよい。
【0012】
前述した本発明の2重射出成形方法により製作された電子製品用ケースは、透明な樹脂で成形される外層及び該外層の内側面に有色の樹脂が射出されて成形される内層から構成される2重層からなり、該外層及び該内層の間に挿入されたインサート物を含んでいる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の2重射出成形方法によると、電子製品用ケースの外表面層と内表面層との間に多様な種類のインサート物を直接挿入して、一体型に電子製品用ケースを製作することができるので、インサート物を挿入するための別の追加工程がなく、各種のインサート物を電子製品用ケースに挿入することができ、一度の工程で完成品を作ることができる利点がある。
【0014】
更に、本発明に係る電子製品用ケースは、2重層となるように形成されているので、単一層のケースに比べて強度が強く、外層を透明にすることで、内蔵されたインサート物が外部から認識できるようにすると共に、インサート物の脱落、破損、接触による損傷等を確実に防止することができ、特に立体形状のインサート物であっても剥がれ落ちる恐れが全くないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の2重射出成形方法及びその方法による射出成形品は、全ての電子製品の外装ケースに適用することができるが、以下では、図示の簡略化及び説明の便宜のために、デスクトップコンピュータ用の外装ケースとノートパソコン用の外装ケースを中心に、本発明を説明する。
【0016】
まず、図1を参照して、本発明に係る2重射出成形方法を具体的に説明する。本発明の2重射出成形方法の第1実施形態は、固定金型100と可動金型200とを含む第1金型組立体100、200及び第2金型組立体(図示せず)を有しており、前記固定金型100は、それぞれ、ランナー(図示せず)が形成されており、該ランナーは、それぞれ、ゲート(図示せず)が設置されており、前記第1金型組立体の可動金型200と前記第2金型組立体の可動金型とは一体に形成されている2重射出成形装置を用いる2重射出成形方法に関するものである。
【0017】
まず、第1金型組立体を型開きするために、可動金型200を固定金型100から離れるように矢印A方向と反対方向に移動させる。次に、コンピュータのメーカーのロゴ、コンピュータの仕様を表す文字、又はコンピュータに内蔵されたマイクロプロセッサのメーカーのロゴ等のようなインサート物400(図面上において、1つのインサート物のみが示されているが、複数個のインサート物を含むこともできる)を可動金型200内に配置させる。
【0018】
この際、通常、2重射出成形装置にインサート物把持用機構又はロボットアーム300を更に備え、前記インサート物把持用機構又はロボットアーム300によって、インサート物400を第1金型組立体の可動金型200(第1実施形態)あるいは1次射出成形品(第2実施形態)内に配置させることが好ましい。インサート物把持用機構又はロボットアーム300は、インサート物400を摘み上げて、インサート物400を第1金型組立体の可動金型200(第1実施形態)あるいは1次射出成形品(第2実施形態)内に自動的に配置させる装置として、第1金型組立体又は第2金型組立体が型開きした状態で、該第1金型組立体又は第2金型組立体の可動金型と固定金型との間に進入し、インサート物を第1金型組立体の可動金型200(第1実施形態)あるいは1次射出成形品(第2実施形態)内に配置させた後、前記第1金型組立体又は第2金型組立体を型閉じする前に、第1金型組立体又は第2金型組立体の外側に移動する装置である。
【0019】
次に、可動金型200を矢印A方向に移動させて固定金型100と結合させた後、固定金型100に設置されているゲート(図示せず)を介して、第1射出液を第1金型組立体内に射出する。この際、前記第1射出液は、内部のインサート物400がよく見えるように透明又は半透明の樹脂を用いることが好ましい。
【0020】
次に、前記第1金型組立体の可動金型200を固定金型100から離れるように矢印A方向と反対方向に移動させ、該第1金型組立体を型開きした後、該第1金型組立体で作られた1次射出成形品(半製品)を前記第2金型組立体の可動金型に移動させる。
【0021】
この際、第1金型組立体で作られた1次射出成形品を前記第2金型組立体の可動金型に移動させる方法は、次のように行われる。
【0022】
第1金型組立体の可動金型200を180度回転させると、第1金型組立体の可動金型200は、第2金型組立体の可動金型の位置に移動することになり、第2金型組立体の可動金型が第1金型組立体の可動金型の位置に移動することになる。より具体的に説明すると、第1金型組立体の可動金型と第2金型組立体の可動金型とは、水平方向に一体に連結されているので、第1金型組立体の可動金型200を180度回転させると、自動的に第1金型組立体の可動金型200と第2金型組立体の可動金型とが互いに位置を切り替えることになる(つまり、第1金型組立体の可動金型200が第2金型組立体の可動金型となり、第2金型組立体の可動金型が第1金型組立体の可動金型200となる)。
【0023】
結論的に、第1金型組立体の可動金型200を180度回転させることにより、第1金型組立体で作られた1次射出成形品(半製品)を第2金型組立体の可動金型に移動させることになる。
【0024】
次に、前記第2金型組立体の可動金型を固定金型と結合させた後、該第2金型組立体の固定金型に設置されたゲートを介して、第2射出液を該第2金型組立体内に射出する。通常、第1射出液は、内部のインサート物がよく見えるように透明又は半透明の樹脂を用いるが、第2射出液は、デザインを考慮して、適切な色の有色樹脂を用いる。
【0025】
次に、前記第2金型組立体の可動金型を固定金型から離れるように移動させ、該第2金型組立体を型開きした後、完成された射出成形品を該第2金型組立体から取り出す。
【0026】
なお、図1に示されているように、通常、前記可動金型200は、内部に、インサート物400を位置決め保持するためのインサート物400に対応する形状の凹部を備えている。
【0027】
更に、必要に応じて、インサート物400の背面に接着剤を塗布し、インサート物400を可動金型200内の適所に一時的に接着して固定するようにすることもできる。
【0028】
なおかつ、可動金型200とインサート物400とを磁性体で作り、インサート物400を、磁力によって可動金型200内に固定するようにすることもできる。
【0029】
本発明の第2実施形態によると、インサート物を第1金型組立体内の可動金型内に配置する代わりに、第1金型組立体で1次射出成形品を作った後、この1次射出成形品を第2金型組立体の可動金型内に移動させてから、インサート物を前記1次射出成形品内に配置することを除き、前記第1実施形態と基本的に同じ構成を有している。したがって、本発明の第2実施形態に対する具体的な説明は省略する。
【0030】
前述した本発明の2重射出成形方法により製作された電子製品用ケースは、透明な樹脂で成形される外層及び前記外層の内側面に有色の樹脂が射出されて成形される内層から構成された2重層からなり、前記外層及び前記内層の間に挿入されたインサート物を含んでいる。これに対する具体的な内容を、図4乃至図7を参照して、以下に説明する。
【0031】
図4は、本発明に係るデスクトップコンピュータ用の前面ケース20を示している。図5は、図4の前面ケース20の構成を分解して示している。前面ケース20は、デスクトップコンピュータ100の前面を形成するように組み立てられる。
【0032】
デスクトップコンピュータ用の前面ケース20は、図4に示されているように、一般的に電源ボタン等のボタンを備えるボタン装着部23、各種の内蔵型ディスクを装着するディスク装着部24、各種の端子等を装着する端子装着部25等から形成されており、各種のインサート物26、27、28、29が含まれている。前面ケース20に含まれるインサート物には、コンピュータの内部に用いられた部品のロゴ26、コンピュータのメーカーのロゴ27、ボタン案内表示28、コンピュータのブランド名29等がある。このようなインサート物26、27、28、29は、平面(特に、フィルム状)又は立体のデザイン形状物であり得る。
【0033】
図5に示されているように、本発明に係るコンピュータ用の前面ケース20は、2重の樹脂層から形成されている。すなわち、前面ケース20は、外層21と内層22との2重層から形成されている。外層21は、透明な樹脂で成形されており、内層22は、有色の樹脂で成形されている。外層21と内層22とは、その形状が実質的に同一である。場合によっては、外層21と内層22とが2重の樹脂層により形成されうる限り、互いに異なる形状に成形されてもよい。外層21と内層22との間には、各種のインサート物26、27、28、29が挿入されている。
【0034】
インサート物26、27、28、29は、外層21の内側面に接着方式で接着され得る。また、外層21の内側面に配置するインサート物26、27、28、29に、外層21の外側面から磁性を加え、インサート物を磁力により吸着させることもできる。他の方法として、外層21の内側面又は内層22の外側面上に、インサート物26、27、28、29を位置決め保持するための凹部を形成しておいてもよく、この場合にインサート物26、27、28、29は、該凹部に挿入され、位置決め保持され得る。
【0035】
図6及び図7は、本発明に係るノートパソコン用の上部面ケース30及び上部面ケース30が組み立てられたノートパソコン500を示している。本発明に係るノートパソコン500用の上部面ケース30も、前述したように、デスクトップコンピュータ用の前面ケース20と同じ構成となっている。つまり、ノートパソコン500用の上部面ケース30もまた、外層31と、内層32と、その間に挟まれている各種のインサート物33、34とを含んでいる。これらの構成は、前述したデスクトップコンピュータ用の前面ケース20の場合と同一であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
以上で説明した本発明の特定の実施形態の2重射出成形方法は、単に例示的なものであり、本発明の技術領域が前述した特定の態様のみに限定されるものではない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想及び技術領域から逸しない範囲で本発明を多様に修正又は変更することができる。
【0037】
例えば、前述した態様の2重射出成形方法においては、外層21、31を透明な樹脂で成形し、内層22、32を有色の樹脂で成形することを例として説明したが、この他にも、外層21、31と内層22、32とを、互いに異なる有色で成形することもでき、透明度を互いに異なるようにして2重射出成形することもできる。更に、インサート物26、27、28、29、33、34は、前述した種類の標識のみに限定されたものでなく、インサート物26、27、28、29、33、34の挿入方法も接着又は磁力により配置するのみに限定されず、外層21の内側面に内層22が射出成形される間にインサート物26、27、28、29、33、34が外層21の内側面に固定できる程度であれば、いかなる方法でもインサート物を配置することができる。更に、インサート物26、27、28、29、33、34を、射出成形によって外層21の内側面に固定する構成だけではなく、インサート物26、27、28、29、33、34を内層22の外側面に固定した後に、外層21を射出成形することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るインサート物を内蔵して2重射出成形する方法を説明するための概念図。
【図2】従来のデスクトップコンピュータ用ケースを示す斜視図。
【図3】従来のノートパソコン用ケースを示す斜視図。
【図4】本発明に係るデスクトップコンピュータ用ケースを示す斜視図。
【図5】図4の前面ケースの構成を分解して示す図。
【図6】本発明に係るノートパソコン用ケースを示す斜視図。
【図7】図6の上部面ケースの構成を分解して示す図。
【符号の説明】
【0039】
26〜29,33,34,400…インサート物、100…固定金型、200…可動金型、300…インサート物把持用機構又はロボットアーム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定金型と可動金型とを含む第1金型組立体及び第2金型組立体を有しており、該固定金型は、それぞれ、ランナーが形成されており、該ランナーは、それぞれ、ゲートが設置されており、該第1金型組立体の可動金型と該第2金型組立体の可動金型とが一体に形成されている2重射出成形装置を用いる2重射出成形方法であって、
前記第1金型組立体の可動金型を固定金型から離れるように移動させ、前記第1金型組立体を型開きするステップ;
インサート物を前記第1金型組立体の可動金型内に配置するステップ;
前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;
前記第1金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第1射出液を前記第1金型組立体内に射出するステップ;
前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型から離れるように移動させ、該第1金型組立体を型開きするステップ;
前記第1金型組立体で作られた1次射出成形品を前記第2金型組立体の可動金型に移動させるステップ;
前記第2金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;
前記第2金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第2射出液を該第2金型組立体内に射出するステップ;
前記第2金型組立体の可動金型を前記固定金型から離れるように移動させ、該第2金型組立体を型開きするステップ;及び
完成された射出成形品を前記第2金型組立体から取り出すステップ;
を含むことを特徴とするインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項2】
前記2重射出成形装置はインサート物把持用機構又はロボットアームを更に備えており、
インサート物を第1金型組立体の可動金型内に配置するステップが、前記インサート物把持用機構又はロボットアームによって行われることを特徴とする請求項1記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項3】
固定金型と可動金型とを含む第1金型組立体及び第2金型組立体を有しており、該固定金型は、それぞれ、ランナーが形成されており、該ランナーは、それぞれ、ゲートが設置されており、該第1金型組立体の可動金型と該第2金型組立体の可動金型とが一体に形成されている2重射出成形装置を用いる2重射出成形方法であって、
前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;
前記第1金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第1射出液を該第1金型組立体内に射出するステップ;
前記第1金型組立体の可動金型を前記固定金型から離れるように移動させ、該第1金型組立体を型開きするステップ;
前記第1金型組立体で作られた1次射出成形品を前記第2金型組立体の可動金型に移動させるステップ;
インサート物を前記1次射出成形品内に配置するステップ;
前記第2金型組立体の可動金型を前記固定金型と結合させるステップ;
前記第2金型組立体の固定金型に設置された前記ゲートを介して、第2射出液を該第2金型組立体内に射出するステップ;
前記第2金型組立体の可動金型を固定金型から離れるように移動させ、該第2金型組立体を型開きするステップ;及び
完成された射出成形品を前記第2金型組立体から取り出すステップ;
を含むことを特徴とするインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項4】
前記2重射出成形装置はインサート物把持用機構又はロボットアームを更に備えており、
インサート物を前記1次射出成形品内に配置するステップが、前記インサート物把持用機構又はロボットアームによって行われることを特徴とする請求項3記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項5】
前記可動金型は、内部に、前記インサート物を位置決め保持するための該インサート物に対応する形状の凹部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項6】
前記1次射出成形品は、前記インサート物を位置決め保持するための該インサート物に対応する形状の凹部を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項7】
前記インサート物は、背面に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項8】
前記可動金型と前記インサート物とは、磁性体であり、該インサート物が磁力によって該可動金型内に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のインサート物を内蔵する2重射出成形方法により製作された電子製品用ケースであって、
透明な樹脂で成形される外層;及び
前記外層の内側面に射出される有色の樹脂により形成される内層;
により構成された2重層からなり、
前記外層と前記内層との間に挿入されたインサート物を含むことを特徴とする電子製品用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−279920(P2009−279920A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317464(P2008−317464)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(508367360)エム アンド エム カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】M & M Co., Ltd.
【Fターム(参考)】