説明

インストーラプログラム、情報処理装置及び記録媒体

【課題】容易に特定の情報処理装置へのインストールを可能とし、不正使用を防止する。
【解決手段】記録媒体10がCD(DVD)ドライブ装置9に挿入されると、該記録媒体10に記録されているインストーラプログラムが起動される。インストーラプログラムは、記録媒体10のアプリケーションプログラムを1回目にインストールする際に、インストールしようとしているPC1のハードウェアシリアルNo.と、記録媒体10のアプリケーションIDとを用いて、認証データを生成し、記録媒体10のライトワンス領域に書き込む。2度目以降のインストールでは、記録媒体10のライトワンス領域に記録されている認証データに基づいて、当該PCが1度目のPCと同一であると判定された場合のみ、記録媒体10のアプリケーションプログラムをインストールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インストーラプログラム、情報処理装置及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)で実行される各種アプリケーションプログラムは、CD(Compact Disk:登録商標)や、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に記録された状態で提供される。該記録媒体には、アプリケーションプログラム以外に、該アプリケーションプログラムをPC(のハードディスク)にインストールするためのインストーラプログラムも記録されている。一般には、上記記録媒体をPCのCD(DVD)ドライブ装置に挿入すると、インストーラプログラムが自動的に起動し、該インストーラプログラムが、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを読み出してPCにインストールするようになっている。
【0003】
ところで、従来、不正コピーや、不正使用を防止するために、アプリケーションプログラムを、ユーザが所有する1台のPCのみにインストールして使用可能である旨を、ユーザに承諾させるようになっている。しかしながら、単にユーザに承諾させるだけでは、不正使用を防止することは困難である。
【0004】
そこで、近年、インストールされたアプリケーションプログラムが起動される度に、ネットワーク上のサーバやデータベースを用いて、同一のアプリケーションプログラムが異なるPCで使用されていないかを認証する方法が実現されている。
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、起動する度にラインセンス認証を行うため、ネットワークに接続されていなければならない。しかしながら、PCが、常時、ネットワークに接続されているとは限らず、アプリケーションを起動させる度に、ネットワークに接続するのは非常に面倒であり、また、ネットワーク上にサーバを設けなければならないという問題がある。
【0006】
そこで、アプリケーションプログラムを暗号化して暗号ファイルとして記録媒体に記録しておくとともに、記録媒体を収容する筐体にICチップを取り付け、該ICチップにより、暗号化された暗号ファイルへアクセスされる際に認証を行い、認証が正しく行われた場合には、該暗号化ファイルを復号するための復号鍵をPCに送り、PC側で、暗号ファイルを復号してインストールする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−250192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、上述した従来技術(特許文献1)では、記録媒体を収容するための筐体や、ICチップ、筐体に収容された記録媒体からデータを読み取るためのドライブ装置ななど、特別なハードウェアなどが必要となり、既存のPCなどに普及させるのは、非常に困難であり、実現性に乏しいという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置へインストールすることができ、不正使用を防止することができるインストーラプログラム、情報処理装置及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行し、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールするコンピュータに、前記記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成するステップと、前記認証データを、前記記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込むステップとを実行させることを特徴とするインストーラプログラムである。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、前記記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成するステップと、前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出すステップと、前記生成された認証データと、前記読み出した認証データとが一致するか判定する判定手段と、前記双方が一致したと判定された場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、前記情報処理装置にインストールするステップとを実行させることを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記の発明において、前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出すステップと、前記ハードウェア固有データに基づいて、前記認証データを復号し、元のアプリケーションIDを取得するステップと、前記記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、前記復号されたアプリケーションIDと、前記読み出したアプリケーションIDとが一致するか判定する判定ステップと、前記双方が一致したと判定された場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、前記情報処理装置にインストールするステップとを実行させることを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行し、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムをインストールする情報処理装置であって、前記記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出すアプリケーションID読出手段と、当該情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すハードウェア固有データ読出手段と、前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成する認証データ生成手段と、前記認証データを、前記記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込む書込手段とを具備することを特徴とする情報処理装置である。
【0013】
本発明は、上記の発明において、2回目以降のインストール時に、前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出す認証データ読出手段と、前記認証データ読出手段により読み出した認証データに基づいて、当該情報処理装置が1回目のインストール時の情報処理装置と一致するか判定する判定手段と、前記判定手段により双方が一致した場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムをインストールするインストール手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、アプリケーションプログラム及び該アプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールするインストーラプログラムが記録された記録媒体であって、その製造時に記録面の所定位置に割り当てられたライトワンス領域を備えることを特徴とする記録媒体である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出し、情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出し、アプリケーションIDとハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成し、記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込む。したがって、2回目以降のインストール時に、ライトワンス領域に書き込まれた認証データに基づいて、1回目のインストール時の情報処理装置であるか判定可能となり、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【0016】
また、本発明によれば、情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出し、記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出し、アプリケーションIDとハードウェア固有データとに基づいて認証データを生成し、記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出し、生成された認証データと読み出した認証データとが一致するか判定し、双方が一致したと判定された場合、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、情報処理装置にインストールする。したがって、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出し、記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出し、ハードウェア固有データに基づいて認証データを復号し、元のアプリケーションIDを取得し、記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出し、復号されたアプリケーションIDと、読み出したアプリケーションIDとが一致するか判定し、双方が一致したと判定された場合、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、情報処理装置にインストールする。したがって、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【0018】
また、この発明によれば、アプリケーションID読出手段により、記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出し、ハードウェア固有データ読出手段により、当該情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出し、認証データ生成手段により、アプリケーションIDとハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成し、書込手段により、該認証データを記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込む。したがって、2回目以降のインストール時に、ライトワンス領域に書き込まれた認証データに基づいて、1回目のインストール時の情報処理装置であるか判定可能となり、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【0019】
また、本発明によれば、認証データ読出手段により、2回目以降のインストール時に、前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出し、判定手段により、認証データ読出手段により読み出した認証データに基づいて、当該情報処理装置が1回目のインストール時の情報処理装置と一致するか判定し、前記判定手段により双方が一致した場合、インストール手段により、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムをインストールする。したがって、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【0020】
また、この発明によれば、アプリケーションプログラム及び該アプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールするインストーラプログラムが記録された記録媒体の製造時に記録面の所定位置にライトワンス領域を形成する。したがって、インストール時にライトワンス領域に認証データを書き込むことが可能となり、該認証データにより2回目以降のインストールにおいて、1回目のインストール時の情報処理装置と同一であるか判定可能となり、特別なハードウェアを必要とすることなく、容易に特定の情報処理装置のみにインストールすることができ、不正使用を防止することができるという利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
A.実施形態の構成
図1は、本発明の実施形態によるPC(情報処理装置)の構成を示すブロック図である。図において、PC1は、ROM2、RAM3、HDD(Hard Disk Drive)4、CPU5、表示部6、操作部7、外部I/F8、CD(DVD)ドライブ装置9から構成されている。ROM2は、電源投入時にCPU5により起動されるBIOS、初期パラメータなどを記憶する。RAM3は、OS(Operating System)や、アプリケーションプログラムなどの実行により必要とされる各種データや、実行プログラムなどを記憶したりする。HDD4は、当該PC1で実行するOSや、アプリケーションプログラム、各種データを記憶する。CPU5は、ROM2に記憶されているBIOSを実行したり、HDD4からOSや、アプリケーションプログラムなどをRAM3に読み込で実行したり、後述する記録媒体10に記録されているインストーラプログラムを実行し、同記録媒体10に記録されているアプリケーションプログラムをHDD4にインストールしたりなど、PC1の動作全体を制御する。
【0023】
表示部6は、CRTや、液晶表示装置からなり、OSや、アプリケーションプログラムなどの画面を表示する。操作部7は、キーボードや、マウスなどからなる。外部I/F8は、この場合、CD(DVD)ドライブ装置9が接続され、該CD(DVD)ドライブ装置9に挿入される記録媒体(CD、DVDなど)10との間でデータの読み出し、書き込みを行う。記録媒体10は、CDや、DVDなどからなり、本実施形態では、少なくとも、アプリケーションプログラムと、該アプリケーションプログラムをPCにインストールするためのインストーラプログラムとを記録している。
【0024】
ここで、図2は、本実施形態で用いる記録媒体の構造を示す模式図である。本実施形態では、図2(a)に示すように、上記記録媒体10には、所定領域にライトワンス領域11が形成されていることを特徴とする。該ライトワンス領域11は、記録媒体10にアプリケーションプログラムや、インストーラプログラムを書き込む(プレス)製造時に形成される。当該ライトワンス領域11には、図2(b)に示すように、記録媒体10に記録されているアプリケーションプログラムがPC1に最初にインストールされる際に、インストールするPCを特定するための認証データが記録されるようになっている。なお、記録媒体10におけるライトワンス領域11の位置は、図示の例では、最内周部に形成されているが、これに限定されるものではない。
【0025】
本実施形態では、初回時にインストールしたPCのハードウェア構成を特定するハードウェアシリアルNo.を暗号鍵として、記録媒体10に記録されているアプリケーションを特定するために割り当てられた固有のアプリケーションIDを暗号化することで、上記認証データを生成するようになっている。なお、暗号化アルゴリズムについては特定せず、周知の暗号化アルゴリズムでよい。また、ハードウェアシリアルNo.としては、PC1のマザーボードを識別するべく割り当てられている固有のIDや、該PC1を構成するHDD4を識別するための固有のIDなどを用いる。これらハードウェアシリアルNo.は、マザーボード上の特定のチップにより収集され、保持されている。
【0026】
上記アプリケーションプログラムが2度目以降にインストールされる際には、該記録媒体10のライトワンス領域11に記録されている認証データに基づいて、インストールしようとしているPCが1度目にインストールしたPCであるか判定し、同一のPCである場合のみ、インストール可能としている。これにより、該記録媒体10に記録されているアプリケーションプログラムが、1度目にインストールしたPC以外のPCにインストールされることを防止している。
【0027】
B.実施形態の動作
次に、上述した本実施形態の動作について説明する。
図3は、本実施形態による、記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行した際のCPU5の動作を説明するためのフローチャート(メインルーチン)である。アプリケーションプログラムが記録されている記録媒体10がCD(DVD)ドライブ装置9に挿入されると、該記録媒体10にアプリケーションプログラムとともに記録されているインストーラプログラムが起動される。
【0028】
上記インストーラプログラムでは、まず、ユーザ登録を確認し(ステップS1)、未登録であるか否かを判定する(ステップS2)。なお、本実施形態における、ユーザ登録とは、記録媒体10に認証データを記録したこと、すなわち、既に、最低1度でもインストールしたことがあることを言う。そして、1度目のインストールである場合、すなわち、ユーザ登録が未登録である場合には、上述した認証データを記録媒体10のライトワンス領域11に書き込むユーザ登録処理を実行する(ステップS3)。なお、ユーザ登録処理の詳細について後述する。
【0029】
次に、記録媒体10のアプリケーションプログラムがインストール可能なPCであるか、すなわち、1度目にインストールしたPCであるかを検証するユーザ検証処理を実行する(ステップS4)。なお、ユーザ検証処理の詳細については後述する。そして、ユーザ検証の結果、インストール可能なPCであると判定された場合には、記録媒体10に記録されているアプリケーションプログラムをPC1のHDD4にインストールする(ステップS5)。
【0030】
次に、図4は、上述したユーザ登録処理の動作を説明するためのフローチャートである。図において、ユーザ登録処理では、まず、PC1のハードウェアを検出し(ステップS10)、PC1のハードウェア構成を特定するためのハードウェアシリアルNo.を読み出し(ステップS11)、記録媒体10からアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーションIDを読み出す(ステップS12)。次に、ハードウェアシリアルNo.を暗号鍵として用いて、アプリケーションIDを暗号化し、認証データを生成する(ステップS13)。次に、該認証データを記録媒体10のライトワンス領域11に書き込む(ステップS14)。その後、上述したメインルーチンに戻る。
【0031】
次に、図5は、上述したユーザ検証処理の一動作例(その1)を説明するためのフローチャートである。図において、ユーザ検証処理(その1)では、まず、PC1のハードウェアを検出し(ステップS20)、PCのハードウェア構成を特定するためのハードウェアシリアルNo.を読み出し(ステップS21)、記録媒体10からアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーションIDを読み出す(ステップS22)。次に、アプリケーションIDを暗号鍵として用いて、ハードウェアシリアルNo.を暗号化し、認証データを生成する(ステップS23)。
【0032】
次に、記録媒体10のライトワンス領域11から認証データを読み出し(ステップS24)、上記ステップS23で生成した認証データと、記録媒体10から読み出した上記認証データとが一致するか否かを判定する(ステップS25)。そして、双方が一致しない場合には、既に異なるPCにインストールしている、言い換えると、1度目のPCと異なるPCであるとして、インストールを中止する旨のメッセージなどを表示し、当該処理を終了する(ステップS26)。したがって、この場合、アプリケーションは、インストールされない。これに対して、双方が一致した場合には、1度目のPCと同一のPCであるとして、上述したメインルーチンに戻る。したがって、この場合、アプリケーションは、当該PC1にインストールされることになる。
【0033】
次に、図6は、上述したユーザ検証処理の他の動作例(その2)を説明するためのフローチャートである。図において、ユーザ検証処理(その2)では、まず、PC1のハードウェアを検出し(ステップS30)、PC1のハードウェア構成を特定するためのハードウェアシリアルNo.を読み出す(ステップS31)。次に、記録媒体10のライトワンス領域から認証データを読み出し(ステップS32)、上記ハードウェアシリアルNo.を用いて、認証データを復号化し、元のアプリケーションIDを取得する(ステップS33)。
【0034】
次に、記録媒体10からアプリケーションプログラムを特定するためのアプリケーションIDを読み出し(ステップS34)、ステップS33で復号したアプリケーションIDと、記録媒体10から読み出したアプリケーションIDとが一致するか否かを判定する(ステップS35)。そして、双方が一致しない場合には、既に異なるPCにインストールしている、言い換えると、1度目のPCと異なるPCであるとして、インストールを中止する旨のメッセージなどを表示し、当該処理を終了する(ステップS36)。したがって、この場合、アプリケーションは、インストールされない。これに対して、双方が一致した場合には、1度目のPCと同一のPCであるとして、上述したメインルーチンに戻る。したがって、この場合、アプリケーションは、当該PCにインストールされることになる。
【0035】
上述した実施形態によれば、記録媒体10のアプリケーションプログラムを1回目にインストールする際に、インストールしようとしているPC1のハードウェア構成を特定するハードウェアシリアルNo.と、記録媒体10に記録されているアプリケーションを特定するアプリケーションIDとを用いて、認証データを生成し、記録媒体10のライトワンス領域11に書き込み、2度目以降のインストールでは、記録媒体10に記録されている認証データに基づいて、当該PCが1度目のPCと同一であると判定された場合のみ、記録媒体10のアプリケーションプログラムをインストールするようにしたので、アプリケーションプログラムとPCとが1対1で対応付けられ、1度目にインストールしたPC以外のPCにインストールされることを防止することができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、ユーザ登録処理、ユーザ検証処理を、アプリケーションプログラムとともに記録媒体10に記録されているインストーラプログラムにより実行するようにしたが、これに限らず、PC側にインストールされている所定のプログラムで実行し、正しくユーザ検証された場合に、インストーラプログラムによるインストール動作を実行させるようにしてもよい。
【0037】
また、上述した実施形態では、記録媒体10として、CD(Compact Disc)や、DVD(Digital Versatile Disc)としたが、これに限らず、インストールされる側の装置に応じて、smartSD(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)トークンなどであってもよい。なお、CDやDVDでは、インストール後にそのプログラムのアップデートを行って再インストールする場合、毎回インターネットにアクセスする必要がありますが、smartSD(登録商標)やUSBでは、バージョンアップ部分を追記することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態によるPC(情報処理装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態で用いる記録媒体の構成を示す模式図である。
【図3】本実施形態による、記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行した際のCPU5の動作を説明するためのフローチャート(メインルーチン)である。
【図4】本実施形態による、ユーザ登録処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態による、ユーザ検証処理の一動作例(その1)を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態による、ユーザ検証処理の他の動作例(その2)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 PC
2 ROM
3 RAM
4 HDD
5 CPU
6 表示部
7 操作部
8 外部I/F
9 CD(DVD)ドライブ装置
10 記録媒体
11 ライトワンス領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行し、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールするコンピュータに、
前記記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、
前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、
前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成するステップと、
前記認証データを、前記記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込むステップと
を実行させることを特徴とするインストーラプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、
前記記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、
前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成するステップと、
前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出すステップと、
前記生成された認証データと、前記読み出した認証データとが一致するか判定する判定手段と、
前記双方が一致したと判定された場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、前記情報処理装置にインストールするステップと
を実行させることを特徴とする請求項1記載のインストーラプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すステップと、
前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出すステップと、
前記ハードウェア固有データに基づいて、前記認証データを復号し、元のアプリケーションIDを取得するステップと、
前記記録媒体から、固有のアプリケーションIDを読み出すステップと、
前記復号されたアプリケーションIDと、前記読み出したアプリケーションIDとが一致するか判定する判定ステップと、
前記双方が一致したと判定された場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを、前記情報処理装置にインストールするステップと
を実行させることを特徴とする請求項1記載のインストーラプログラム。
【請求項4】
記録媒体に記録されているインストーラプログラムを実行し、記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムをインストールする情報処理装置であって、
前記記録媒体から、アプリケーションに割り当てられている固有のアプリケーションIDを読み出すアプリケーションID読出手段と、
当該情報処理装置のハードウェア構成を特定するハードウェア固有データを読み出すハードウェア固有データ読出手段と、
前記アプリケーションIDと前記ハードウェア固有データとに基づいて、認証データを生成する認証データ生成手段と、
前記認証データを、前記記録媒体に予め形成されているライトワンス領域に書き込む書込手段と
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
2回目以降のインストール時に、前記記録媒体のライトワンス領域から認証データを読み出す認証データ読出手段と、
前記認証データ読出手段により読み出した認証データに基づいて、当該情報処理装置が1回目のインストール時の情報処理装置と一致するか判定する判定手段と、
前記判定手段により双方が一致した場合、前記記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムをインストールするインストール手段と
を具備することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
アプリケーションプログラム及び該アプリケーションプログラムを情報処理装置にインストールするインストーラプログラムが記録された記録媒体であって、
その製造時に記録面の所定位置に割り当てられたライトワンス領域を備えることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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