インスリン誘導体
本発明は、生理学的pH値で可溶性であり、長時間にわたる作用プロファイルを有する、新規のヒトインスリン誘導体に関する。また本発明は、このような誘導体を含有する製薬用組成物、及び本発明のインスリン誘導体を使用する糖尿病及び高血糖症を処置する方法に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q1-Q2-[CH2]n-X1-[CH2]n-Q3-[CH2]n-X2-[CH2]n-Q4-[CH2]n-X3-[CH2]n-Q5-[CH2]n-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ1又はQ2中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
Q1は:
・アミノ酸残基で、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、アミド基を形成する残基;又は
・アミド結合を介して結合した、上に特定した2、3又は4のα-アミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合;
であり;
Q2は:
・-CO-(CH2)p-NR1-(CH2)p-で、各pは独立して、1、2、3、4、5又は6であり;R1はH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・-CO-(CH2)p-Ar-(CH2)p-で、ここでArは-NR1R2、-(CH2)p-NR1R2-からなる群の少なくとも一で置換されたアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、またArは-CH3、-(CH2)1−6-CH3からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、各pは独立して、1、2、3、4、5又は6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・結合;
であり;
Q3、Q4及びQ5は互いに独立して:
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH2)m-;
・1、2又は3の-CH=CH-基と、鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH2-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR5R6)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR5R6)1−6-CO-NH)1−4-で、R5は独立して、H、-CH3、-(CH2)1-6CH3又は-CONH2とすることができ、R6は独立して、H、-CH3、-(CH2)1−6CH3とすることができるもの;
・-CO-(CH2)0−3-Ar-(CH2)0−3-で、ここでArは-CH3、-(CH2)1−6-CH3、-NR1R2、-CONR1R2又は-SO2NR1R2からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・yが1-20である、(CH2CH2O)y-;(CH2CH2CH2O)y-;(CH2CH2CH2CH2O)y-;(CH2CH2OCH2CH2CH2CH2O)y-又は(CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2O)y-;-(CH2OCH2)y-;
・-CH3、-(CH2)1−6-CH3、-CONR1R2又は-SO2NR1R2からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンで、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;又は
・次の式-(CH2)s-Y1-(Ar)v1-Y2-(CH2)w-Y3-(Ar)v2-Y4-(CH2)t-Y5-(Ar)v3-Y6-(CH2)z-で、Arは上述したものであり、Y1-Y6は互いに独立して、O、S、S=O、SO2又は結合とすることができ;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲になるような、ゼロ又は1〜10の整数であり、v1、v2及びv3は互いに独立して、ゼロ又は1とすることができ、但しY1-Y6は互いに結合せず、構造-O-(CH2)1-O-は生じないもの;又は
・結合;
とすることができ、但しQ3-Q5の少なくとも一は結合ではなく;
X1、X2及びX3は互いに独立して、
・O;
・-C=O;
・結合;
・NCOR1で、R1がH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とできるもの;又は
で、Rが水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル、又はC2−3-アルキニルであるもの;
であり、但し、
− X1、X2及びX3はZに結合できず、
− X1、X2及びX3がOである場合、X1、X2及びX3は、Q3、Q4及びQ5のOに直接結合せず;
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H;
-OSO3H;
-OPO3H2;
-PO3H2;
-テトラゾール-5-イル;
-O-W1又は
-W1;
であり;
ここではW1は、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SO3H、-(CH2)1−6-SO3H、-(CH2)1−6-O-PO3H2、-CONR3R4又は-SO2NR3R4からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり、R3及びR4は互いに独立して、H、-(CH2)1−6-SO3H、又は-(CH2)1−6-O-PO3H2とすることができる]
を有するインスリン誘導体と、任意のそのZn2+錯体で、
但し少なくとも一のアミン又は正に荷電しているアミノ酸が置換基に存在しているインスリン誘導体。
【請求項2】
Q1が、リジン、アルギニン、ホモアルギニン、DAP、DAB及びオルニチンからなる群から選択される、請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項3】
Q1が結合である、請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項4】
Q2が、-CO-(CH2)2-NH-(CH2)2-、-CO-CH2-NH-CH2-、又は
である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項5】
X1、X2及びX3が互いに独立して、
・O;
・-C=O;
・結合;
・NCOR1で、R1がH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とできるもの;又は
で、Rが水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル、又はC2−3-アルキニルであるもの;
であり、但し、
− X1、X2及びX3はZに結合できず、
− X1、X2及びX3がOである場合、X1、X2及びX3は、Q3、Q4及びQ5のOに直接結合しない、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項6】
X1が、
であり、ここでRは水素である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項7】
Q3が-(CH2)m-であり、ここでmが6〜32、又は8〜20の範囲の整数である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項8】
mが12、13、14、15又は16である、請求項7に記載のインスリン誘導体。
【請求項9】
Q4、Q5、X2 及びX3が結合であり、全てのnがゼロである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項10】
Zが-COOHである、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項11】
置換基が、親インスリンのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインスリン誘導体を治療的有効量含有する、このような処置が必要な患者における糖尿病を処置するための製薬用組成物。
【請求項13】
組成物が製薬的に許容可能な賦形剤を含有する、請求項12に記載の製薬用組成物。
【請求項14】
組成物が速効作用型インスリンアナログを含有する、請求項12又は13に記載の製薬用組成物。
【請求項15】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインスリン誘導体、又は請求項12ないしの14いずれか1項に記載の製薬用組成物を治療的有効量使用する、このような処置が必要な患者における糖尿病を処置するための方法。
【請求項16】
糖尿病の肺処置用である、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
次の式
[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q1-Q2-[CH2]n-X1-[CH2]n-Q3-[CH2]n-X2-[CH2]n-Q4-[CH2]n-X3-[CH2]n-Q5-[CH2]n-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ1又はQ2中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
Q1は:
・アミノ酸残基で、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、アミド基を形成する残基;又は
・アミド結合を介して結合した、上に特定した2、3又は4のα-アミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合;
であり;
Q2は:
・-CO-(CH2)p-NR1-(CH2)p-で、各pは独立して、1、2、3、4、5又は6であり;R1はH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・-CO-(CH2)p-Ar-(CH2)p-で、ここでArは-NR1R2、-(CH2)p-NR1R2-からなる群の少なくとも一で置換されたアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、またArは-CH3、-(CH2)1−6-CH3からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、各pは独立して、1、2、3、4、5又は6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
で、n=1-6であり、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・結合;
であり;
Q3、Q4及びQ5は互いに独立して:
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH2)m-;
・1、2又は3の-CH=CH-基と、鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH2-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR5R6)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR5R6)1−6-CO-NH)1−4-で、R5は独立して、H、-CH3、-(CH2)1-6CH3又は-CONH2とすることができ、R6は独立して、H、-CH3、-(CH2)1−6CH3とすることができるもの;
・-CO-(CH2)0−3-Ar-(CH2)0−3-で、ここでArは-CH3、-(CH2)1−6-CH3、-NR1R2、-CONR1R2又は-SO2NR1R2からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;
・yが1-20である、(CH2CH2O)y-;(CH2CH2CH2O)y-;(CH2CH2CH2CH2O)y-;(CH2CH2OCH2CH2CH2CH2O)y-又は(CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2O)y-;-(CH2OCH2)y-;
・-CH3、-(CH2)1−6-CH3、-CONR1R2又は-SO2NR1R2からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンで、R1及びR2は互いに独立して、H、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とすることができるもの;又は
・次の式-(CH2)s-Y1-(Ar)v1-Y2-(CH2)w-Y3-(Ar)v2-Y4-(CH2)t-Y5-(Ar)v3-Y6-(CH2)z-で、Arは上述したものであり、Y1-Y6は互いに独立して、O、S、S=O、SO2又は結合とすることができ;s、w、t及びzは互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲になるような、ゼロ又は1〜10の整数であり、v1、v2及びv3は互いに独立して、ゼロ又は1とすることができ、但しY1-Y6は互いに結合せず、構造-O-(CH2)1-O-は生じないもの;又は
・結合;
とすることができ、但しQ3-Q5の少なくとも一は結合ではなく;
X1、X2及びX3は互いに独立して、
・O;
・-C=O;
・結合;
・NCOR1で、R1がH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とできるもの;又は
で、Rが水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル、又はC2−3-アルキニルであるもの;
であり、但し、
− X1、X2及びX3はZに結合できず、
− X1、X2及びX3がOである場合、X1、X2及びX3は、Q3、Q4及びQ5のOに直接結合せず;
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)2;
-N(CH2COOH)2;
-SO3H;
-OSO3H;
-OPO3H2;
-PO3H2;
-テトラゾール-5-イル;
-O-W1又は
-W1;
であり;
ここではW1は、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SO3H、-(CH2)1−6-SO3H、-(CH2)1−6-O-PO3H2、-CONR3R4又は-SO2NR3R4からなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり、R3及びR4は互いに独立して、H、-(CH2)1−6-SO3H、又は-(CH2)1−6-O-PO3H2とすることができる]
を有するインスリン誘導体と、任意のそのZn2+錯体で、
但し少なくとも一のアミン又は正に荷電しているアミノ酸が置換基に存在しているインスリン誘導体。
【請求項2】
Q1が、リジン、アルギニン、ホモアルギニン、DAP、DAB及びオルニチンからなる群から選択される、請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項3】
Q1が結合である、請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項4】
Q2が、-CO-(CH2)2-NH-(CH2)2-、-CO-CH2-NH-CH2-、又は
である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項5】
X1、X2及びX3が互いに独立して、
・O;
・-C=O;
・結合;
・NCOR1で、R1がH、-CH3又は-(CH2)1−6-CH3とできるもの;又は
で、Rが水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル、又はC2−3-アルキニルであるもの;
であり、但し、
− X1、X2及びX3はZに結合できず、
− X1、X2及びX3がOである場合、X1、X2及びX3は、Q3、Q4及びQ5のOに直接結合しない、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項6】
X1が、
であり、ここでRは水素である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項7】
Q3が-(CH2)m-であり、ここでmが6〜32、又は8〜20の範囲の整数である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項8】
mが12、13、14、15又は16である、請求項7に記載のインスリン誘導体。
【請求項9】
Q4、Q5、X2 及びX3が結合であり、全てのnがゼロである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項10】
Zが-COOHである、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項11】
置換基が、親インスリンのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインスリン誘導体を治療的有効量含有する、このような処置が必要な患者における糖尿病を処置するための製薬用組成物。
【請求項13】
組成物が製薬的に許容可能な賦形剤を含有する、請求項12に記載の製薬用組成物。
【請求項14】
組成物が速効作用型インスリンアナログを含有する、請求項12又は13に記載の製薬用組成物。
【請求項15】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインスリン誘導体、又は請求項12ないしの14いずれか1項に記載の製薬用組成物を治療的有効量使用する、このような処置が必要な患者における糖尿病を処置するための方法。
【請求項16】
糖尿病の肺処置用である、請求項15に記載の方法。
【公表番号】特表2011−503033(P2011−503033A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532606(P2010−532606)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065141
【国際公開番号】WO2009/060071
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/EP2008/065141
【国際公開番号】WO2009/060071
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】
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