説明

インスリン誘導性ポリペプチド

枯草菌ナットーキナーゼの部分ペプチドであって、ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列のN端より第20番目アミノ酸からC端側の連続50アミノ酸以上のアミノ酸配列、またはその配列内における複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、若しくは他のアミノ酸残基に置換した配列を有するインスリン誘導徃ポリペプチド、およびこのポリペプチドを含有する経口組成物。これらのポリペプチドおよび組成物は、経口投与によって糖尿病に対する治療効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この出願の発明は、インスリン誘導性ポリペプチドと経口組成物に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、経口投与した場合にインスリン誘導・血糖値降下作用を有するポリペプチドと、このポリペプチドを含有する機能性食品や糖尿病治療薬等の組成物に関するものである。
【背景技術】
糖尿病は膵臓β細胞から分泌されるホルモンであるインスリンの絶対的不足(1型糖尿病)、あるいは相対的不足・作用不足(2型糖尿病)に起因する血糖値上昇を伴う疾患であり、先進諸国において最も大きな問題となっている生活習慣病の一種である。
治療法としてはインスリン投与が広く行われているが、急激な血糖低下作用による副作用等によって必ずしも安全なものではない。
このため、インスリンに替わる成分を用いた糖尿病治療薬の開発が進められている。このような糖尿病治療薬の成分は、各種の有機・無機化合物から広く選択されているが、タンパク質やペプチドを有効成分とする糖尿病治療薬も提案されている。例えば、GLP−1アナログまたはそのペプチドの糖尿病治療への応用(特許文献1)、アクチビン類やその部分ペプチドを有効成分とする糖尿病治療薬(特許文献2)、β−エンドルフィンのC末端ペプチドを有効成分とする糖尿病治療薬(特許文献3)等が知られている。
なお、ナットーキナーゼ(nattokinase)は納豆菌(枯草菌Bacillus subtilis)が産生する酵素(プロテアーゼ)であり、その血栓溶解効果を利用した発明(特許文献4)が知られている。しかしながら、このナットーキナーゼとインスリン誘導および血糖値低下、あるいは高血糖改善作用との関連性は知られていない。
【特許文献】1:特開2003−192698号公報 2:特開2003−113111号公報 3:特表2000−510821号公報 4:特開2002−360220号公報
【発明の開示】
タンパク質やペプチドを有効成分とする薬剤は、化合物を有効成分とする薬剤に比較して安全性の点において優れたものであるが、タンパク質やペプチドは経口投与した場合には消化器官において分解されやすいため、経口以外の投与経路(例えば血中注射)によって使用するのが一般的である。しかしながら、糖尿病は通常、日常生活を営みながら必要時に投薬治療を行うことが可能な疾患であり、過度な負担を伴う注射に頼らない、より簡便な投与形態(すなわち経口投与)を伴う糖尿病治療薬が望まれていた。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、優れたインスリン誘導能を有するポリペプチドと、このポリペプチドを含有する組成物を提供することを課題としている。
この出願は、前記の課題を解決する第1の発明として、枯草菌ナットーキナーゼの部分ペプチドであって、ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列のN端より第20番目アミノ酸からC端側の連続50アミノ酸以上のアミノ酸配列、またはその配列内における複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、若しくは他のアミノ酸残基に置換した配列を有するインスリン誘導性ポリペプチドを提供する。
この第1発明のインスリン誘導性ポリペプチドは、ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列が配列番号2であることを一つの具体的態様としている。
またこの出願は、第2の発明として、前記のインスリン誘導性ポリペプチドを含有する経口組成物を提供する。
さらにこの出願は、第3の発明として、前記第1発明のインスリン誘導性ポリペプチドを経口投与することを特徴とする糖尿病の治療方法を、第4の発明として、前記第2発明の経口組成物を摂取させることを特徴とする糖尿病の治療方法を、それぞれ提供する。
すなわちこの出願の発明者は、枯草菌ナットーキナーゼ(nattokinase)の部分ペプチドが、糖尿病モデル動物に経口投与した場合に、優れたインスリン誘導性と、それに伴う血糖値降下作用を発揮することを見出してこの発明を完成させた。
なお、この出願の発明において、「インスリン誘導」とは広く定義され、例えば機能的にはインスリンによる血糖値の低下作用が亢進することを意味する。あるいはまた、膵臓β細胞におけるインスリン遺伝子の活性化、インスリン遺伝子から発現されたインスリン前駆体タンパク質(プロインスリン)からインスリンへの変換促進等を含めたインスリン分泌の促進を意味する。
また「タンパク質」または「ポリペプチド」とは、天然のアミド結合(ペプチド結合)または天然のアミド結合以外の残基連結によって互いに結合した複数個のアミノ酸残基から構成された分子を意味する。さらには、「ポリヌクレオチド」とは、プリンまたはピリミジンが糖にβ−N−グリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステル(ATP、GTP、CTP、UTP;またはdATP、dGTP、dCTP、dTTP)が結合した100個以上連結した分子を意味する。具体的には、プロテインをコードするゲノムDNA、ゲノムDNAから転写されるmRNA、mRNAから合成されるcDNA等である。また、2本鎖であっても1本鎖であってもよい。さらに、これらのゲノムDNAやmRNA、cDNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖も含まれる。
この出願の各発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。またこの発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、この発明の薬剤の調製はRemington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,ed.A.Gennaro,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990に、遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis,in Molecular Cloning−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,1989;Ausubel,F.M.et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,N.Y,1995等に記載されている。さらに、この発明における用語は基本的にはIUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明のインスリン誘導性ポリペプチド(NK1−381、NK20−381、NK20−326)をI型糖尿病モデルマウス(STZマウス)に経口および尾静注した0分後および60分後の血糖値を比較したグラフと、0分後の血糖値を100とした場合の60分後の血糖値の割合を比較したグラフ(右上)である。
図2はポリペプチド経口投与の80分後までの経時的な血糖血変化を示したグラフ(左)と、各群の0分後の血糖値を100とした場合の変化の程度を示したグラフ(右)である。
図3はSTZマウスへのポリペプチド尾静注の80分後までの経時的な血糖血変化を示したグラフ(右)と、図2の左図を対比して示す。
図4はポリペプチドを経口投与または尾静注したSTZマウスのInsulin2血中濃度を比較したグラフである。
図5はこの発明のインスリン誘導性ポリペプチド(NK20−326)およびPBS(コントロール)をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図6はポリペプチドNK20−69をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図7はポリペプチドNK20−119をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図8はポリペプチドNK20−219をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図9はポリペプチドNK40−219をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図10はポリペプチドNK20−219の1/10量をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図11はPBS(コントロール)をSTZマウスへ経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図12はII型糖尿病モデルマウス(db/dbマウス)にPBS(コントロール)を経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
図13はdb/dbマウスにポリペプチドNK20−219を経口投与した場合の血糖値の経時的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
第1発明のインスリン誘導性ポリペプチドは、枯草菌ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列のN端より第20番目アミノ酸からC端側の連続50アミノ酸以上のアミノ酸配列からなるポリペプチドであって、経口投与した場合にインスリン誘導性を有し、また人為的あるいは病的に上昇した血糖値を正常レベルまで低下させる作用を有するポリペプチドである。
ナットーキナーゼには各種のものが知られており、それらを制限なく使用することができるが、この発明では、一例として配列番号2にアミノ酸配列を示したナットーキナーゼを提供する。すなわちこのこの発明のインスリン誘導性ポリペプチドは、例えば配列番号2(381アミノ酸)におけるN端より第20番目アミノ酸(Met)からC端側の連続50アミノ酸以上を必須として含むことを条件として、任意の長さとすることができる。またこのポリペプチドは、そのインスリン誘導能を損なわない範囲で、複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、若しくは他のアミノ酸残基に置換した配列を有するものであってもよい。この場合の複数個とは、例えば1〜30個程度である。ただし、N端側の第20番目から第26〜40番目までのアミノ酸配列はインスリン誘導性にとって必須である。
このようなポリペプチドは、枯草菌ナットーキナーゼの公知のアミノ酸配列(例えば配列番号2、またはGenBank/AF368283に開示されたアミノ酸配列)に基づき、公知のペプチド合成法(Merrifield,R.B.J.Solid phasepeptide synthesis I.The synthesis of tetrapeptide.J.Amer.Chem.Soc.85,2149−2154,1963;Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis.A Practical Approach.Chan,W.C.and White,P.D.,Oxford University Press,2000)によって作成することもできる。また例えばABI431Aペプチド・シンセサイザー(Perkin Elmer)等を用いることによって自動的に行うこともできる。
このような合成ポリペプチドは、天然のアミド結合以外の残基連結からなるもの、あるいは天然アミノ酸残基の代わりの非天然残基からなるものであってもよい。
天然のアミド結合以外の残基連結は、例えばグルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、2官能マレイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、またはN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等の化学結合またはカップリング手段を例示することができる。また、ペプチド結合の代替となり得る連結基は、例えばケトメチレン(例えば、−C(=O)−CH−に対する−C(=O)−NH−)、アミノメチレン(CH−NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2−O)、チオエーテル(CH−S)、テトラゾール(CN−)、チアゾール、レトロアミド、チオアミド、またはエステルを含む(例えば、Spatola(1983)in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins,Vol.7,pp267−357,“Peptide Backbone Modifications,”Marcell Dekker,NYを参照)。
一方、非天然のアミノ酸残基は、芳香族アミノ酸については、例えばD−またはL−ナフィルアラニン(naphylalanine);D−またはL−フェニルグリシン;D−またはL−2チエネイルアラニン(thieneylalanine);D−またはL−1,−2,3−または4−ピレネイルアラニン(pyreneylalanine);D−またはL−3チエネイルアラニン(thieneylalanine);D−またはL−(2−ピリジニル)−アラニン;D−またはL−(3−ピリジニル)−アラニン;D−またはL−(2−ピラジニル)−アラニン;D−またはL−(4−イソプロピル)−フェニルグリシン;D−(トリフルオロメチル)−フェニルグリシン;D−(トリフルオロメチル)−フェニルアラニン;D−p−フルオロ−フェニルアラニン;D−またはL−p−ビフェニルフェニルアラニン;K−またはL−p−メトキシ−ビフェニルフェニルアラニン;D−またはL−2インドール(アルキル)アラニン;およびD−またはL−アルキルアラニン(alkylalanine)であって、アルキルが置換されたかまたは未置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ−ブチル、2級−イソチル(isotyl)、イソ−ペンチル、または非酸性アミノ酸による置換によって生成することができる。非天然アミノ酸の芳香環は、例えば、チアゾイル、チオフェニル、ピラゾイル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、およびピリジル芳香環を含む。酸性アミノ酸の場合には、例えば負の電荷を維持している非カルボン酸塩アミノ酸;(ホスホノ)アラニン;硫酸化トレオニンによる置換によって生成することができる。カルボキシル側基(例えば、アスパルチルまたはグルタミル)もまた、例えば1−シクロヘキシル−3(2−モルフォリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3(4−アゾニア−4,4−ジメトールペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド(R’−N−C−N−R’)との反応によって選択的に修飾することができる。アスパルチルまたはグルタミルもまた、アンモニウムイオンとの反応により、アスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換可能である。塩基性アミノ酸としては、例えば(リシンおよびアルギニンに加えて)アミノ酸、オルニチン、シトルリン、または(グアニジノ)−酢酸、またはアルキルが前文に定義されている(グアニジノ)アルキル酢酸による置換によって生成することが可能である。ニトリル誘導体(例えば、COOHの代わりにCN−部分を含んでいる)は、アスパラギンまたはグルタミン用に置換することが可能である。アスパラギニルおよびグルタミニル残基は、対応するアスパルチルまたはグルタミル残基に対して脱アミノ基を行うことが可能である。非天然のアルギニン残基は、アルギニルを、例えば1以上の、例えばフェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンヂオン、またはニンヒドリンを含む試薬と、好ましくはアルカリ性の条件下に反応させることにより生成することができる。チロシン残基の場合は、チロシルを、例えば芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンと反応させることにより生成することができる。N−アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンは、各々O−アセチルチロシル類および3−ニトロ誘導体を用いて形成することができる。非天然システイン残基は、システイニル残基を、2−クロロ酢酸などのα−ハロアセテート、またはクロロアセトアミドおよび相当するアミンと反応させ;カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生じさせることにより生成することができる。非天然システイン残基はまた、システイニル残基を、例えばブロモートリフルオロ酢酸、α−ブロモ−β−(5−イミダゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルホスファート、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド;メチル2−ピリジルスルフィド;p−クロロメルクリ安息香酸;2−クロロメルクリ−4ニトロフェノール;または、クロロ−7−ニトロベンゾ−オキサ−1,3−ジアゾールと反応させることにより生成することができる。非天然リジンは、リシニルを、例えば無水コハク酸または他の無水カルボン酸と反応させることにより生成する(またアミノ末端残基が変更される)ことができる。リジンおよび他のα−アミノ−含有残基模倣物はまた、メチルピコリンイミダート、ピリドキサールホスファート、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンアスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4ペンタンジオンといったイミドエステルを用いた反応、およびトランスアミダーゼに触媒されるグリオキシラートを用いた反応により生成することができる。非天然メチオニンは、例えば、メチオニンスルホキシドを用いた反応により生成することができる。非天然プロリンは、例えばピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3−または4−ヒドロキシプロリン、デヒドロキシプロリン、3−または4−メチルプロリン、または3,3,−ジメチルプロリンを含む。非天然ヒスチジンは、ヒスチジルを、例えばジエチルプロカルボナートまたはパラーブロモフェナシルブロミドと反応させることにより生成することができる。他の非天然のアミノ酸残基は、例えば、プロリンおよびリジンの水酸化;セエリルまたはトレオニル残基の水酸基のリン酸化;リジン、アルギニンおよびヒスチジンのα−アミノ基のメチル化;N−末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化またはN−メチルアミノ酸による置換;またはC−末端のカルボキシル基のアミド化等を例示することができる。
この発明のインスリン誘導性ポリペプチドはまた、それをコードするポリヌクレオチドを利用した遺伝子工学的方法によっても得ることができる。例えば、ポリヌクレオチドを保有する組換え発現ベクターからインビトロ転写によってRNAを調製し、これを鋳型としてインビトロ翻訳を行うことにより目的のインスリン誘導性ポリペプチドを得ることができる。また組換え発現ベクターを大腸菌、枯草菌等の原核細胞や、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞等の真核細胞に導入して形質転換細胞を作製すれば、この形質転換細胞からインスリン誘導性ポリペプチドを発現させることができる。
インスリン誘導性ポリペプチドを遺伝子工学的に発現させるためのポリヌクレオチドは、枯草菌ナットーキナーゼをコードする公知の配列(例えば配列番号1)を利用してナットーキナーゼcDNAを取得し(例えば、cDNAライブラリーに対するプローブハイブリダイゼーションや、PCR法)、このナットーキナーゼcDNAからインスリン誘導性ポリペプチドのコード領域を制限酵素等によって切り出して使用することができる。あるいは、インスリン誘導性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、公知の方法(例えば、Carruthers(1982)Cold Spring Harbor Symp. Quant.Biol.47:411−418;Adams(1983)J.Am.Chem.Soc.105:661;Belousov(1997)Nucleic Acid Res.25:3440−3444;Frenkel(1995)Free Radic.Biol.Med.19:373−380;Blommers(1994)Biochemistry 33:7886−7896;Narang(1979)Meth.Enzymol.68:90;Brown(1979)Meth.Enzymol.68:109;Beaucage(1981)Tetra.Lett.22:1859;米国特許第4,458,066号)に記載されているような周知の化学合成技術により、in vitroにおいて合成することができる。
これらのポリヌクレオチドを使用してインスリン誘導性ポリペプチドをインビトロ翻訳で発現させる場合には、ポリヌクレオチドを、RNAポリメラーゼプロモーターを有するベクターに挿入して組換え発現ベクターを作製し、このベクターを、プロモーターに対応するRNAポリメラーゼを含むウサギ網状赤血球溶解物や小麦胚芽抽出物などのインビトロ翻訳系に添加すれば、目的のポリペプチドをインビトロで生産することができる。RNAポリメラーゼプロモーターとしては、T7、T3、SP6などが例示できる。これらのRNAポリメラーゼプロモーターを含むベクターとしては、pKA1、pCDM8、pT3/T7 18、pT7/3 19、pBluescript IIなどが例示できる。
インスリン誘導性ポリペプチドを大腸菌などの微生物で発現させる場合には、微生物中で複製可能なオリジン、プロモーター、リボソーム結合部位、DNAクローニング部位、ターミネーター等を有するベクターにポリヌクレオチドを組換えた発現ベクターを作製し、この発現ベクターで宿主細胞を形質転換したのち、得られた形質転換体を培養すれば、そのポリヌクレオチドがコードしているポリペプチドを微生物において大量発現させることができる。この際、他のタンパク質との融合タンパク質として発現させた後、目的のポリペプチドを分離して得ることもできる。大腸菌用発現ベクターとしては、pUC系、pBluescript II、pET発現システム、pGEX発現システムなどが例示できる。
インスリン誘導性ポリペプチドを真核細胞で発現させる場合には、ポリヌクレオチドを、プロモーター、スプライシング領域、ポリ(A)付加部位等を有する真核細胞用発現ベクターに挿入して組換えベクターを作製し、真核細胞内に導入すれば、目的のポリペプチドを形質転換真核細胞で発現させることができる。発現ベクターとしては、pKA1、pCDM8、pSVK3、pMSG、pSVL、pBK−CMV、pBK−RSV、EBVベクター、pRS、pcDNA3、pMSG、pYES2などが例示できる。また、pIND/V5−His、pFLAG−CMV−2、pEGFP−N1、pEGFP−C1などを発現ベクターとして用いれば、Hisタグ、FLAGタグ、mycタグ、HAタグ、GFPなど各種タグを付加した融合タンパク質としてポリペプチドを発現させることもできる。真核細胞としては、サル腎臓細胞COS7、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHOなどの哺乳動物培養細胞、出芽酵母、分裂酵母、カイコ細胞、アフリカツメガエル卵細胞などが一般に用いられるが、目的のポリペプチドを発現できるものであれば、いかなる真核細胞でもよい。発現ベクターを真核細胞に導入するには、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法など公知の方法を用いることができる。
インスリン誘導性ポリペプチドを原核細胞や真核細胞で発現させたのち、培養物から目的ペプチドを単離精製するためには、公知の分離操作を組み合わせて行うことができる。例えば、尿素などの変性剤や界面活性剤による処理、超音波処理、酵素消化、塩析や溶媒沈殿法、透析、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、SDS−PAGE、等電点電気泳動、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなどが挙げられる。
以上のとおりのインスリン誘導性ポリペプチドは、それ単独で、経口薬剤に製剤化することができる。また、その場合は、ポリペプチドを「塩」の形態としてもよい。塩は、例えば、製薬上許容される酸(無機酸または有機酸)付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、安息硝酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、トレエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等である。
この出願の第2発明は、前記のインスリン誘導性ポリペプチドを含有する経口組成物である。この組成物は、口腔から摂取されて消化器官において吸収される形態からなる組成物、例えば、飲食部や経口医薬品等である。さらに具体的には、糖尿病の予防や症状の軽減のための機能性食品、健康補助食品、栄養食品、栄養補助食品等、あるいは糖尿病の治療用薬剤である。なお、この発明のインスリン誘導性ポリペプチドは、食品として広く摂取されている納豆に含まれるナットーキナーゼの一部分であるから、飲食品や薬剤の成分としての安全性には全く問題はない。
糖尿病治療薬としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤、または懸濁剤やシロップ剤のような経口液体調製物等に製剤化することが好ましい。担体としては、常用の製薬補助剤、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)、賦形剤(ラクトース、シュガー、コーンスターチ、リン酸カルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、カルボキシメチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)を使用することができる。ストロベリー・フレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を添加することもできる。また錠剤は常法によりコーティングすることができる。経口液剤は水溶液またはドライプロダクトにすることができる。そのような経口液剤は常用の添加剤、例えば保存剤(p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン酸等)を包含していてもよい。
薬効成分であるインスリン誘導性ポリペプチドの含有量は症状の程度や剤形に応じて適宜とすることができるが、通常は5〜100%(w/w)、好ましくは10〜60%(w/w)の範囲とすることができる。また薬剤の投与量は、患者の年齢や体重、症状等によって異なるが、インスリン誘導性ポリペプチド量として100〜200mg/kg/day程度とすることができる。
飲食物等の組成物の場合には、既存の製品製造の過程で、インスリン誘導性ポリペプチドを、その活性を損なわないように配合して製造することができる。そのような飲食物の例としては、例えば、清涼飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料などの飲料(これらの飲料を調整する為の濃縮原液および/または調整粉末を含む);アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓;そば、うどん、パン、餅、餃子の皮など、穀物の加工品;飴、キャンディー、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、クッキー、クラッカー、ゼリー、ジャムなど、菓子類;かまぼこ、はんぺん、ハム、ソーセージなど、水産、畜産加工食品;加工乳、チーズ、バターなど、乳製品;マーガリン、ラード、マヨネーズなど、油脂および油脂加工食品;醤油、ソース、味噌、ポン酢、昆布だし、スープの素など、調味料;各種惣菜類;漬物類;その他の各種形態の栄養および健康補助食品などが挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
以上のようなインスリン誘導性ポリペプチドからなる治療薬剤や、インスリン誘導性ポリペプチドを含有する経口組成物は、糖尿病患者等の血糖値を正常化し、耐糖能障害、糖尿病(II型糖尿病など)、インスリン抵抗性症候群(インスリン受容体異常症など)、多嚢胞性卵巣症候群、高脂質血症、アテロー厶性動脈硬化症、心臓血管疾患(狭心症、心不全など)、高血糖症、高血圧症、狭心症、肺高血圧、鬱血性心不全、糖尿病合併症(例えば糖尿病性壊疽、糖尿病性関節症、糖尿病性糸球体硬化症、糖尿病性皮膚障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性白内障、糖尿病性網膜症など)、或いは、皮膚障害、味覚障害などの予防や治療に効果を有する。
【実施例】
以下、実施例を示してこの出願の発明についてさらに詳細に説明するが、この出願の発明は以下の例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(1)組換えナットーキナーゼ(NK)のcDNAクローニング
納豆菌(Bacillus subtilis natto)からDneasy Tissue Kit(QUIAGEN社)を用いてゲノムDNAを調製し、これを鋳型として全長KN遺伝子cDNAをPCR増幅した。具体的には、公知のNK mRNA配列(GenBank/AY219901:配列番号1)に基づきPCRプライマーを設計し、ゲノムDNAを鋳型とて、KODplus(TOYOBO社)によりPCRを行った。PCR産物の分子量を電気泳動により確認後、pPCR−Scriptベクター(INVITROGEN社)にクローニングし、配列を確認した。
(2)NKポリペプチドの作製
インビトロ転写・翻訳系(無細胞系)にてポリペプチドを作製した。TOYOBO社製PROTEIOS Wheat germ cell−tree protein synthesis core kitに添付されているpEU3−NIIベクターのEcoRV/XhoI部位に、終止コドンを除去してHisタグ配列を付加した4種類のNK cDNAをそれぞれ挿入した。すなわち、381アミノ酸からなる全長NKポリペプチド(NK1−381)をコードするcDNA、全長NKのN端から19アミノ酸を削除したNKポリペプチド(NK20−381)をコードするcDNA、全長NKのN端から19アミノ酸、C端から55アミノ酸を削除したNKポリペプチド(NK20−326)をコードするcDNAをそれぞれインサートとする発現ベクターを構築した。
次いで、TOYOBO社製Thermo T7 RNA polymerase(150U)を37℃で4時間反応させてmRNAを転写させ、電気泳動にて確認の後、転写されたmRNA(12μg)を用いて26℃24時間の翻訳反応により4種類のポリペプチドを得た。得られたポリペプチドは、SDS−PAGEにて電気泳動の後、クマーシーブルー染色により確認した。また、Hisタグ抗体を用いたウエスタンブロッティングにより融合ポリペプチドを確認した。
(3)NKポリペプチドの経口投与(I)
5週齡のC57BL/5雄性マウスにSTZ(Streptozodocin)2mgを腹腔投与し、1型糖尿病(インスリン欠乏型)モデルマウスを作成した。12週齢で3時間の絶食後の血糖値が約400mg/dlに達したものを用いた。18時間絶食させ、空腹時の血糖値を測定した後に、2g/kgの糖負荷(胃ゾンデによる砂糖水の経口投与)を行った。血糖値はマウスの眼窩静脈叢からキャピラリーを用いて採血を行い、グルテストエース(GT−1640:三和化学研究所製)によって測定した。糖負荷30分後に血糖値が上昇したことを確認し、NKポリペプチド(NK1−381、NK20−381、NK20−326)をSTZマウスに経口投与した。なお、ポリペプチドはPBS(Phosphate Buffer Saline)に懸濁し、1匹当たり約0.5μg/50μlを投与した。その後は20分ごとに120分後まで血糖値を測定し、測定の終了したマウスは心臓採血により全血を採取した。
また、STZマウスに対して、各ポリペプチドを静脈(尾静脈)注射(約0.5μg/50μl)した。試験時間は、マウスの絶食時間が24時間であったこと、および静脈注射後の血糖値測定が30分後および60分後であったことを除き、前記経口投与と同一である。
結果は、図1−3に示したとおりである。図1は、ポリペプチド(NK1−381、NK20−381、NK20−326)を経口および尾静注した0分後および60分後の血糖値を比較したグラフである。この図1から明らかなように、ポリペプチドは、尾静注に比較して、経口投与の場合に有意に60分後の血糖血を低下させた。この結果は、ポリペプチド投与の80分後までの経時的な血糖血変化を示した図2(経口投与)および図3(尾静注)の結果からも明らかである。なお、図2に示したように、経口投与の場合には、NK20−381、NK1−381、NK20−326の順番で血糖値が低下したが、有意な差は見いだせなかった。
さらに、マウスから採取した全血を対象として、ELISAによりInsulin2の血中濃度を測定した。その結果、図4に示したように、特にNK20−381の経口投与によって血中インスリン濃度が極めて高くなることが確認された。
(4)NKポリペプチドの経口投与(II)
STZ投与による1型糖尿病モデルマウス(C57BL/6:6、8週齡、体重17−19g:19時間絶食後の血糖値500mg/dl以上、インスリン検出下限以下:各群5匹)を用いて、インスリン誘導性ポリペプチドの効果を試験した。ポリペプチドとしては、NK20−326を使用した。このポリペプチドNK20−326を、PBSに懸濁し、40μg/0.2mlの投与量でSTZマウスに経口投与した。具体的には、19時間絶食後、2g/kgの糖負荷の30分後にポリペプチドNK20−326を経口投与し、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後の血糖値を測定した。コントロールとしては0.2mlのPBSをサンプルと同一条件で投与し、同一時間経過で血糖値を測定した。
表1(左上)は5匹のSTZマウスの体重であり、表1(右上)はNK20−326投与直前の血糖値(mg/dl)を示す。表1の他は、NK20−326投与1時間後(左中)、2時間後(右中)、4時間後(左下)、8時間後(右下)における各マウスの血糖値である。表2は、コントロール(PBS経口投与)の結果を表1と同様に示した。さらに図5は表1および表2の結果をグラフ化したものである。
この表1、2および図5に示したとおり、この発明のインスリン誘導性ポリペプチドNK20−326を経口投与されたSTZマウスは、コントロールと比較して有意(tテスト:p<0.05)に血糖値を低下させた。


(5)比較試験
ヒト・インスリン(400ng/匹)を経口または皮下投与、ナットウキナーゼ(粗精製品:純度40%以下)の200mg/kgを経口投与、ナットーキナーゼ(精製品:純度65%程度)の1mg/kgを経口または皮下投与、リコンビナントプロテイン合成キットの培地(8/8サンプル)の0.2mlを経口または皮下投与を行った以外は、前記(3)と同一の条件でSTZマウスの血糖値変化を測定した。
その結果、これらの物質を経口または皮下投与した場合には、血糖血は全く低下しなかった。
[実施例2]
(1)NKポリペプチドの作製
NKポリペプチド(NK20−69、NK20−119、NK20−219、NK40−219)をコードするcDNAを調製し、実施例1(2)と同様にしてインスリン誘導性NKポリペプチドを作製した。
(2)NKポリペプチドの経口投与
6週齢のC57BL/5雄性マウス(SLC)にSTZ(streptozodocin)195mg/kgを腹腔投与し、1型糖尿病(インスリン欠乏型)モデルマウスを作成した。3時間の絶食後の血糖値が約400mg/dlに達したものを用いた。18時間絶食させ、空腹時の血糖値を測定した後に、2g/kgの糖負荷(胃ゾンデによる砂糖水の経口投与)を行った。血糖値はマウスの眼窩静脈叢からキャピラリーを用いて採血を行い、グルテストエース(GT−1640:三和化学研究所製)によって測定した。糖負荷30分後に血糖値が上昇したことを確認し、NKポリペプチドの各々をSTZマウスに経口投与した。なお、ポリペプチドはPBS(Phosphate Buffer Saline)に懸濁して100mg/mlとなるように調製し、0.2ml/匹を投与した。また、コントロールとしてPBS+BSAをNKポリペプチドと同量投与した。その後は30分ごとに4時間後まで血糖値を測定した。
結果は図6−11に示したとおりである。図6に示したNK20−69はコントロール(図11)と比較して有意な血糖値低下作用は示さなかった。これに対してNK20−119(図7)、NK20−210(図8)はそれぞれコントロールと比較して有意(p<0.05)な血糖値低下作用を示した。ただし、NKのN端39アミノ酸を欠失したNK40−219には、1/1量(図9)でも1/10量(図10)でも有意な血糖値低下作用は観察されなかった。
以上の結果から、N端の第20番目アミノ酸からC端側の50アミノ酸以上のアミノ酸配列からなるNKポリペプチドにインスリン誘導性(血糖値低下作用)があることが確認された。またNK40−219が血糖値低下作用を示さなかったことから、N端20−39アミノ酸領域が必須の活性領域であることも確認された。
[実施例3]
(1)NKポリペプチドの作製
実施例1(2)と同様にしてインスリン誘導性NKポリペプチドNK20−219を作製した。
(2)NKポリペプチドの経口投与
6週齡のC57BL db/db雄性マウス(日本クレア:I型糖尿病モデルマウス)を、3時間の絶食後の平均血糖値が約400mg/dlとなるように群分けした。18時間絶食させ、空腹時の血糖値を測定した後に、2g/kgの糖負荷(胃ゾンデによる砂糖水の経口投与)を行った。血糖値はマウスの眼窩静脈叢からキャピラリーを用いて採血を行い、グルテストエース(GT−1640:三和化学研究所製)によって測定した。糖負荷30分後に血糖値が上昇したことを確認し、NKポリペプチドNK20−219をdb/dbマウスに経口投与した。なお、ポリペプチドはPBS(Phosphate Buffer Saline)に懸濁して100mg/mlとなるように調製し、0.2ml/匹を投与した。また、コントロールとしてPBSをNKポリペプチドと同量投与した。その後は1、2、4時間後まで血糖値を測定した。
結果は図12、13に示したとおりである。すなわち図12に示したとおり、II型糖尿病マウスにおいては、PBS(コントロール)を経口投与しても血糖値の低下は全く観察されなかった。これに対して、NKポリペプチド(NK20−219)は、図13に示したとおりに顕著な血糖値低下作用を示した。
以上の結果から、この発明のインスリン誘導性ポリペプチドはII型糖尿病に対しても有効な治療効果を有することが確認された。
【産業上の利用可能性】
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、インスリンを効果的に誘導して血糖値を低下させることができ、しかも経口投与することのできる、糖尿病等の予防、改善および治療に有効な薬剤および組成物が提供される。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
枯草菌ナットーキナーゼの部分ペプチドであって、ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列のN端より第20番目アミノ酸からC端側の連続50アミノ酸以上のアミノ酸配列、またはその配列内における複数個のアミノ酸残基が欠失、付加、若しくは他のアミノ酸残基に置換した配列を有するインスリン誘導性ポリペプチド。
【請求項2】
ナットーキナーゼを構成するアミノ酸配列が配列番号2である請求項1のインスリン誘導性ポリペプチド。
【請求項3】
請求項1または2のインスリン誘導性ポリペプチドを含有する経口組成物。
【請求項4】
請求項1または2のインスリン誘導性ポリペプチドを経口投与することを特徴とする糖尿病の治療方法。
【請求項5】
請求項3の経口組成物を摂取させることを特徴とする糖尿病の治療方法。

【国際公開番号】WO2005/056784
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【発行日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516263(P2005−516263)
【国際出願番号】PCT/JP2004/019153
【国際出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】