説明

インターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法

使用者によるインターネット上に存在する自分の情報管理及びその利用の制限するため、複数個存在するID管理サーバに貯蔵された個人情報を使用者が一つの窓口を通じて管理し、個人情報の利用を制御するインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法を提供する。インターネット上の使用者の個人情報を貯蔵して提供する複数のID管理サーバに貯蔵された個人情報をID情報検索サーバと個人情報保護サーバを用いて、個人情報の管理と個人情報に対するアクセス制御を実行することで、個人情報を管理する使用者の便利さを図り、個人情報に対するアクセス制御を通じて個人情報の保護を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法に関し、さらに詳細には、複数個存在するID管理サーバに貯蔵された個人情報を使用者が一つの窓口を通じて管理し、個人情報利用に対する統制を実行するインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法に関する。
【従来の技術】
【0002】
インターネット上に存在する数多くのウェブサイトを用いるために、使用者は各ウェブサイトに登録し、登録を行うためには住所、電話番号、電子メールアドレスなどを含んだ個人情報を入力しなければならない。全てのサイトを用いるため、このような情報を登録することは使用者にとって非常に不便である。また、ウェブサイトに登録された個人情報が当事者自分もわからずに他のところに利用されるか、または、流出される状況も発生されている。
【0003】
このような不便を解消し、個人情報の安全性を保障するためのID情報管理技術が提案されたことがある。ID情報管理技術は、特定サーバに個人情報を登録し、他のウェブサイトらは、このサーバで個人情報を照会して使用する技術である。これを通じて使用者が各サイト毎に一々個人情報を登録せずにID情報管理サーバにのみ登録しても良い便利さを追求することができる。また、使用者はID情報管理サーバに登録した個人情報を特定ウェブサイトが照会できるか否かを制御することができるので、個人情報を安全に管理することができる。
【0004】
しかし、このようなID情報管理サーバをインターネット上に一つだけ設けることはできない。その理由は、全ての使用者の個人情報が1ヶ所に集積されることは非常に危険であり、プライバシー侵害論難を呼び得るからである。したがって、ID情報管理サーバが複数個存在するようになるが、この場合、使用者はいくつかのID情報管理サーバに自己情報を登録して管理し、各サーバ毎に個人情報保護政策を樹立して管理しなければならない負担があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決するためになるものであって、使用者によるインターネット上に存在する自分の情報管理及びその利用の制限するため、複数個存在するID管理サーバに貯蔵された個人情報を使用者が一つの窓口を通じて管理し、個人情報の利用を統制するインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するための本発明のインターネット上における個人情報の管理及び保護システムは、個人情報の登録を実行し、使用者が登録した個人情報をウェブサーバに提供するとともに、上記個人情報のリストを提供し、個人情報公開の可否を含む個人情報保護設定値に対応してウェブサーバに個人情報を提供する少なくとも一つ以上のID管理サーバを含むことを特徴とする。
【0007】
一方、本発明のインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法は、a)ID管理サーバに個人情報の登録を実行する段階と、 b)上記登録された個人情報のリストをID情報検索サーバに登録する段階と、 c)貯蔵された個人情報の要請時、ID情報検索サーバにより、登録された個人情報のリストを提供する、または個人情報公開の可否を含んだ個人情報保護設定値に応じてID管理サーバによりウェブサーバに個人情報を提供する段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上述したように、本発明に係るインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法は、個人情報をID管理サーバに貯蔵し、このID管理サーバらをID情報検索サーバを通じて管理すると、使用者は1ヶ所で自分の全ての個人情報を管理することができる。これは利用上の便利さという効果がある。また、個人情報に対するアクセスを効果的に制御することができるようになる。これを通じて個人のプライバシーが保護されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のインターネット上における個人情報の管理及び保護システム及び方法に対して添付された図を参照して詳しく説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態に係るインターネット上における個人情報管理システムの構成図である。図1を参照すると、本発明で提案する個人情報保護及び管理システムは、ID情報検索サーバ2、個人情報保護サーバ3、ID管理サーバ4で構成され、既存に存在するブラウザ1、ウェブサーバ5と連動して動作する。
【0011】
ID管理サーバ4には、使用者によって入力された個人情報が登録されており、上記個人情報を個人情報貯蔵装置4-1に貯蔵して、必要な時、これをウェブサーバ5に提供する装置である。また、上記ID管理サーバ4は、使用者が登録した個人情報のリストをID情報検索サーバ2に登録する。一つのID管理サーバ4には、複数のウェブサーバ5が接続されて使用者の個人情報を提供することができる。また、ID管理サーバ4は複数存在することができる。
【0012】
ID情報検索サーバ2は、ID管理サーバ4から提供された個人情報のリストを使用者に提供し、あるID管理サーバ4に使用者のどんな情報が貯蔵されているかを検索する機能を提供する装置である。複数存在するID管理サーバは、一つの使用者に対してそれぞれ他の種類の個人情報を貯蔵することができる。例えば、兵務庁のID管理サーバは兵務情報を、出入国管理事務所のID管理サーバは出入国情報を貯蔵している。このような情報のリストを貯蔵してからこれを使用者に提供するのがID情報検索サーバ2の役目である。ID情報検索サーバ2で使用者が自分のID情報を検索する手段としてブラウザ1が用いられる。使用者はID情報検索サーバ2が提供する情報を通じてどんなID管理サーバ4にどんな自分の情報が貯蔵されているのか把握した後、該当ID管理サーバ4に接続してここに貯蔵された自分の個人情報を管理する。
【0013】
個人情報保護サーバ3は、ID管理サーバ4に貯蔵された使用者の特定個人情報をウェブサーバ5に提供するか否かを判断する装置である。ID管理サーバ4は、ウェブサーバ5が特定使用者の特定個人情報を要請すると、この要請を処理しても良いかを個人情報保護サーバ3に質疑する。個人情報保護サーバ3は、使用者が予め設定した個人情報保護設定値を貯蔵している。使用者の情報はさまざまな種類があって、これは多数のID管理サーバ4に分散して貯蔵されることができる。個人情報保護設定値は、この多数のID管理サーバ4に分散して貯蔵されている全ての個人情報リストに対して指定されていなければならない。上記全ての個人情報のリストはID情報検索サーバ2から持って来る。個人情報保護サーバ3は、この個人情報保護設定値に基づいてID管理サーバ4の質疑に応答する。ID管理サーバ4は、個人情報保護サーバ3の応答に応じて特定個人情報をウェブサーバ5に伝送する。使用者の個人情報保護設定値は、使用者がブラウザ1を通じて個人情報保護サーバ3に貯蔵しておく。
【0014】
それでは、上記のような構成を有する本発明のインターネット上における個人情報の管理及び保護方法に対して図2を参照して説明する。
【0015】
図2は、本発明の一実施の形態に係るインターネット上における個人情報管理方法を示したプローチャートである。図2を参照すると、先に使用者が個人情報をID管理サーバ4に登録することにより、上記個人情報は個人情報貯蔵装置4-1に貯蔵されるようになる(S1)。ここに上記ID管理サーバ4では、使用者が登録した個人情報のリストをID情報検索サーバ2に登録する(S2)。
【0016】
この際、上記使用者によって自分の個人情報を管理するために、ブラウザを通じた個人情報検索の要求がある場合に(S3)、ID情報検索サーバ2は、登録された個人情報のリストを提供する(S4)。ここに使用者は個人情報を確認及び管理しようとする対象を修正する作業を遂行することができる(S5)。
【0017】
この時、個人情報管理時に個人情報公開の可否を変更しようとする場合に(S6)、すなわち、個人情報保護設定値を変更しようとする場合に、変更された個人情報保護設定値は個人情報保護サーバに貯蔵される(S7)。
【0018】
一方、他の使用者によって上記自分の個人情報を要請する場合に(S8)、ID管理サーバは個人情報保護サーバに個人情報保護設定値の状態を問い合わせる(質疑する)(S9)。個人情報保護サーバは、個人情報保護設定値の状態をID管理サーバに応答する(S10)。上記個人情報保護設定値に対応して個人情報提供の可否が決定される(S11)。
【0019】
上述したような本発明の方法は、プログラムで具現されてコンピューターで読み出す記録媒体(CD−ROM、RAM、ROM、フロッピー、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に貯蔵されることができる。このような過程は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるので、これ以上詳しく説明しないことにする。
【0020】
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずもこのような実試の形態に限るものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインターネット上における個人情報の管理システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るインターネット上における個人情報の管理方法を示したプローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
1: ブラウザ 2 :ID情報検索サーバ
3: 個人情報保護サーバ 4 :ID管理サーバ
4−1 : 個人情報貯蔵装置 5 : ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人情報の登録を実行し、また使用者が登録した個人情報をウェブサーバに提供するとともに上記個人情報のリストを提供する少なくとも1つのID管理サーバであって、個人情報公開の可否を含んだ個人情報保護設定値に応じてウェブサーバに前記個人情報を提供する少なくとも1つのID管理サーバを含むことを特徴とする、インターネット上における個人情報の管理及び保護システム。
【請求項2】
上記ID管理サーバは、
ウェブサーバに提供する個人情報を貯蔵する個人情報貯蔵装置をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護システム。
【請求項3】
上記ID管理サーバには、
各ID管理サーバに貯蔵された個人情報のリストを貯蔵し、使用者端末の要請に対応して該個人情報のリストを提供するID情報検索サーバが、さらに接続されてなることを特徴とする請求項1に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護システム。
【請求項4】
上記ID管理サーバには、
上記個人情報保護設定値を貯蔵し、個人情報が要求されたときに上記ID管理サーバに対して個人情報保護設定値を提供する個人情報保護サーバが、さらに接続されてなることを特徴とする請求項1に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護システム。
【請求項5】
a.ID管理サーバに個人情報の登録を実行する段階と、
b.上記登録された個人情報のリストをID情報検索サーバに登録する段階と、
c.貯蔵された個人情報が要請されたとき、ID情報検索サーバにより、登録された個人情報のリストを提供したり、個人情報公開の可否を含む個人情報保護設定値に応じてID管理サーバによりウェブサーバに個人情報を提供する段階と、
を含むことを特徴とするインターネット上における個人情報の管理及び保護方法。
【請求項6】
上記 c.段階において個人情報を管理するために、
ID情報検索サーバに個人情報検索の要求を実行する段階と、
ID情報検索サーバに登録された個人情報を検索して個人情報のリストを統合的に提供する段階と、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護方法。
【請求項7】
さらに、提供された個人情報に対して修正を含む管理を行う段階を含むことを特徴とする請求項6に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護方法。
【請求項8】
上記 b.段階が実行される前に、
個人情報保護設定値を変更し、変更された個人情報保護設定値を個人情報保護サーバに貯蔵する段階を、さらに含むことを特徴とする請求項5に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護方法。
【請求項9】
上記 b.段階において個人情報保護設定値に応じた個人情報の提供は、
個人情報の要請に対応してID管理サーバで個人情報保護設定値の状態を把握する段階と、
上記個人情報保護設定値に応じて個人情報提供の可否を制御する段階と、
によってなされることを特徴とする請求項5に記載のインターネット上における個人情報の管理及び保護方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−524741(P2008−524741A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548052(P2007−548052)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001433
【国際公開番号】WO2006/068352
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】