インターフェース、非真空環境内で物体を観察する方法、および走査型電子顕微鏡
インターフェース、走査型電子顕微鏡、および非真空環境内に配置される物体を観察する方法が提供される。本方法は、真空環境内で発生される少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階であって、少なくとも1つの電子ビームが物体の方に向けられ、少なくとも1つの超薄膜が真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える段階と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェース、非真空環境内で物体を観察する方法、および走査型電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願)
本願は、出願日が2006年10月24日である米国仮特許出願第60/862631号の優先権を主張し、参考のため本明細書に編入される。
【0003】
高分解能顕微鏡法(High resolution microscopy)は、材料科学、生命科学、半導体産業、および食品産業などの多様な分野における研究開発、品質保証、および製造で使用される。17世紀まで遡る光学顕微鏡法は、深紫外光子の波長によって定義され、約80nmという最微細分解能をもたらす、その越えがたい壁に達している。光学顕微鏡法の普及は、比較的低廉な価格、使いやすさ、およびイメージング環境の多様性によるものであり、それらはいずれも有用性という言葉で言い換えることができる。
【0004】
走査型電子顕微鏡の方がはるかに微細な分解能(数ナノメートル)を提供するは、その高分解能を達成するには、被検査物体を真空環境内に配置しなければならない。
【0005】
「Device and method for the examination of samples in a non−vacuum environment using a scanning electron microscope」という名称のMosesの米国特許第6992300号は、真空に耐えることができ、電子を透過する超薄部材を含んだチャンバについて記載している。膜の厚さは、恐らく数百オングストロームである。
【0006】
機械的制約のため、超薄膜を使用するということは、支持アパーチャが小さいことを意味する。超薄膜のサイズが小さいと、走査型電子顕微鏡のスループットが激減し、そのような走査型電子顕微鏡が非実用的になる。
【0007】
高速で正確な走査型電子顕微鏡を提供することがますます必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
非真空環境内に配置される物体を観察する本方法は、真空環境内で発生される少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階であって、少なくとも1つの電子ビームが物体の方に向けられ、少なくとも1つの超薄膜は、真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、段階と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、を含む。
【0009】
好適には、通過させる段階は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階を含む。
【0010】
好適には、通過させる段階の前に、アパーチャ・アレイのアパーチャを選択する段階が実施され、通過させる段階は、電子ビームに、選択されたアパーチャを通過させる段階を含む。
【0011】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階を含む。
【0012】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0013】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0014】
好適には、本方法は、通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階であって、第1のフェーズは、物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、第2のフェーズは、物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他のアパーチャを通過させる段階を含む、段階を含む。
【0015】
好適には、通過させる段階の前に、低分解能イメージング・プロセスを使用して物体の関心領域を位置特定する段階が実施され、通過させる段階は、関心領域の方に向けられた少なくとも1つの電子ビームを通過させる段階を含む。
【0016】
好適には、通過させる段階および検出する段階は、第1の分解能範囲によって特徴付けられ、本方法はさらに、異なる分解能範囲によって特徴付けられる別の観察プロセスを利用する段階を含む。
【0017】
好適には、別の観察プロセスは、原子間力顕微鏡法を含む。
【0018】
好適には、別の観察プロセスは、光学検査プロセスを含む。
【0019】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含む。
【0020】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階を含む。
【0021】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、それが含む構成要素は、真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、段階を含む。
【0022】
好適には、本方法は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階を含む。
【0023】
好適には、本方法は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階を含む。
【0024】
好適には、本方法は、物体のエリアを、少なくとも1つの電子ビームを真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階を含む。
【0025】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する段階を含む。
【0026】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する段階を含む。
【0027】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階を含む。
【0028】
好適には、本方法は、真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含む。
【0029】
好適には、本方法は、非真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含む。
【0030】
好適には、少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に非垂直である。
【0031】
好適には、本方法は、相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階を含む。
【0032】
好適には、本方法は、物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階を含む。
【0033】
好適には、本方法は、検出する段階を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入する段階を含む。
【0034】
好適には、本方法は、非真空環境に窒素を導入する段階を含む。
【0035】
好適には、本方法は、非真空環境にHeに富んだ混合物を導入する段階を含む。
【0036】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階を含む。
【0037】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントする段階を含む。
【0038】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を繰り返し変更し、物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、測定結果を非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較する段階を含む。
【0039】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を、非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求める段階を含む。
【0040】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を、物体とアパーチャとの間にある非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求める段階を含む。
【0041】
非真空環境内に配置される物体を観察する本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、真空環境内で発生された少なくとも1つの電子ビームを偏向させて、少なくとも1つの電子ビームは、超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを通過するのを可能にすることであって、少なくとも1つの超薄膜が真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐えること、および少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入すること、によって走査する段階と、少なくとも1つの電子ビームと物体の少なくとも1つのエリアとの間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、を含む。
【0042】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースは、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを含む。
【0043】
好適には、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0044】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0045】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0046】
走査型電子顕微鏡は、真空環境内に配置された電子ビーム源において、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される電子ビーム源と、真空環境と物体が中に配置される非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを含む、インターフェースと、少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、を含む。
【0047】
好適には、電子光学系は、少なくとも1つの電子ビームをアパーチャ・アレイの複数のアパーチャの方に向ける。
【0048】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャ・アレイのアパーチャを選択し、次いで電子ビームを、選択されたアパーチャを経由して向けるために適合される。
【0049】
好適には、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0050】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0051】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0052】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャを経由して向け、次いで、物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つの他のアパーチャを経由して向けるために適合される。
【0053】
好適には、走査型電子顕微鏡は、低分解能イメージング・プロセスを使用して物体の関心領域を位置特定し、次いで、関心領域の方に少なくとも1つの電子ビームを向けるために適合される。
【0054】
好適には、走査型電子顕微鏡は、電子ビームによりもたらされる分解能とは別の分解能によって特徴付けられる別の観察ツールを含む。
【0055】
好適には、別の観察ツールは、原子間力顕微鏡である。
【0056】
好適には、別の観察ツールは、光学検査ツールである。
【0057】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合される。
【0058】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合される。
【0059】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合され、アパーチャ・アレイを含む構成要素は、真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される。
【0060】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査するために適合される。
【0061】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合される。
【0062】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体のエリアを走査するなどのために少なくとも1つの電子ビームを偏向させる、真空環境内に配置された偏向器を含む。
【0063】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する。
【0064】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する。
【0065】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する。
【0066】
好適には、検出器は、真空環境内に配置される。
【0067】
好適には、検出器は、非真空環境内に配置される。
【0068】
好適には、少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に非垂直である。
【0069】
好適には、検出器は、相互作用の結果として発生した電子電流を検出する。
【0070】
好適には、検出器は、物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する。
【0071】
好適には、走査型電子顕微鏡は、検出を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入するために適合される。
【0072】
好適には、走査型電子顕微鏡は、非真空環境に窒素を導入するために適合される。
【0073】
好適には、走査型電子顕微鏡は、非真空環境にHeに富んだ混合物を導入するために適合される。
【0074】
好適には、走査型電子顕微鏡は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントするために適合される。
【0075】
好適には、走査型電子顕微鏡は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントするために適合される。
【0076】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を繰り返し変更し、物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、測定結果を非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較するために適合される。
【0077】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を、非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求めるために適合される。
【0078】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を、物体とアパーチャとの間にある非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求めるために適合される。
【0079】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースは、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを含み、少なくとも1つのアパーチャを含む構成要素は、インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される。
【0080】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0081】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0082】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0083】
走査型電子顕微鏡は、真空環境内に配置された電子ビーム源において、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される電子ビーム源と、真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを含み、少なくとも1つのアパーチャを含む構成要素は、インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、インターフェースと、少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態によるシステムを示す図である。
【0085】
【図2a】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【図2b】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【0086】
【図3a】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【図3b】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【0087】
【図4a】本発明の一実施形態による、アパーチャ・アレイおよび複数の膜の上面図および側面図である。
【図4b】本発明の一実施形態による、アパーチャ・アレイおよび複数の膜の上面図および側面図である。
【0088】
【図5a】本発明のさまざまな実施形態による2つのアパーチャ・アレイをそれぞれ示す図である。
【図5b】本発明のさまざまな実施形態による2つのアパーチャ・アレイをそれぞれ示す図である。
【0089】
【図6a】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6b】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6c】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6d】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6e】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6f】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【0090】
【図7a】本発明の一実施形態によるアパーチャ・アレイを介して得られた、物体の複数のサブ・エリアの画像、および単一のサブ・エリアの画像である。
【図7b】本発明の一実施形態によるアパーチャ・アレイを介して得られた、物体の複数のサブ・エリアの画像、および単一のサブ・エリアの画像である。
【0091】
【図8】本発明の一実施形態による、複数のアパーチャおよび複数の膜を示す図である。
【0092】
【図9a】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【図9b】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【図9c】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【0093】
【図10】本発明の一実施形態による、別ツールと一体化されたシステムを示す図である。
【0094】
【図11】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図12】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図13】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図14】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0095】
【図15a】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【図15b】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【図15c】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【0096】
【図16a】空気中イメージングしたコンタクト付きウェーハの画像である。
【図16b】空気中イメージングしたコンタクト付きウェーハの画像である。
【0097】
【図17】空気中イメージングしたCu試験構造の画像である。
【0098】
【図18a】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【図18b】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【図18c】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本発明の一実施形態によれば、(非真空環境内に配置された)物体を観察する走査型電子顕微鏡のスループットは、(1またはそれ以上の膜で密閉された)複数のアパーチャを同時に照明することによって増大される。この複数のアパーチャは、アパーチャ・アレイを形成していても、アパーチャ・アレイの一部分であってもよい。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、(非真空環境内に配置された)被検査物体の1またはそれ以上のエリアは、1またはそれ以上の電子ビームを偏向させ、さらに1またはそれ以上の電子ビームが通過する1またはそれ以上のアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査される。偏向と機械的移動をこのように組み合わせることにより、システムの視野が増大する。
【0101】
本発明の別の実施形態によれば、1またはそれ以上の膜で密閉される複数のアパーチャが設けられる。このアパーチャおよび膜は、そのサイズおよび(膜の)厚さが異なり、したがって、視野と分解能との間のさまざまな折り合いをつけることができる。
【0102】
アパーチャ・アレイという語は、アパーチャの(順序付けられた、または順序付けられていない)任意の構成を意味する。
【0103】
好適には、超薄膜は、数十ナノメートルよりも薄く、カーボンまたはSiNなどの低密度材料で作られる。
【0104】
複数のアパーチャが設けられる場合、各アパーチャをそれ自体の膜で密閉することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。単一の膜が複数のアパーチャを密閉してよい。本発明の一実施形態によれば、膜は、複数のアパーチャを画定する非常に薄いグリッドに接続することができる。
【0105】
超薄膜は、アパーチャを密閉すると同時に、真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える。
【0106】
超薄膜が使用されるのは、それが電子スポット・サイズに最小限の影響を及ぼすためである。より良好な性能を得るためには、より高い電子加速電圧、好ましくは20kV以上を使用することが有利である。超薄膜を使用する別の利点は、画像を生成するために使用される電子を、真空環境内にある検出器で効率的に収集できることである。
【0107】
電子が被検査物体と相互作用し、さまざまな粒子が形成される。電子または光子などの粒子を検出することができる。物体の画像をもたらすために、1またはそれ以上の検出器からの検出信号を処理することができる。
【0108】
一実施形態によれば、システムは異なる視野を提供することができる。異なるアパーチャおよび異なる膜は、異なるサイズおよび厚さのものとすることができる。異なる膜は、異なる高さのところに配置することができる。低分解能および低倍率は、より厚い膜およびより大きなアパーチャによってもたらすことができる。高分解能は、より薄い膜およびより小さなアパーチャによってもたらすことができる。1またはそれ以上のアパーチャおよび膜は、これらの1またはそれ以上のアパーチャを電子ビーム軸の方に機械的に移動させることによって選択することができ、それに加えてまたはその代わりに、電子ビームを所望のアパーチャの方に偏向させるための偏向器を使用することによっても選択することができる。
【0109】
好適には、大きな視野は、ナビゲーション、および関心領域を発見する助けとなることができる。広範な視野は、互いに分離される複数のアパーチャを利用することによって得ることができる。これは、たとえ複数のアパーチャがイメージングされたエリアの連続画像をもたらさなくても、ナビゲーションまたは関心領域の位置特定にとって十分となり得る。
【0110】
本発明のさまざまな実施形態によれば、物体を複数の電子ビームで照明することができる。電子ビームは、1またはそれ以上の膜で密閉されるアパーチャ・アレイにより分割できることに留意されよう。複数の電子ビームをアパーチャ・アレイの方に向けることができることにさらに留意されよう。この複数の電子ビームは、アパーチャ・アレイによりさらに分割することができるが、各電子ビームを特定のアパーチャの方に向けることができるため、これは必ずしもそうであるとは限らない。
【0111】
話を簡単にするために、以下の説明の一部は、単一の電子ビームに言及する。単一の電子ビームに言及する説明が複数の電子ビームにも準用できることを、当業者なら理解するであろう。
【0112】
話を簡単にするために、以下の説明の一部は、単一のアパーチャ(膜)に言及する。単一のアパーチャ(膜)ビームに言及する説明が複数のアパーチャ(膜)にも準用できることを、当業者なら理解するであろう。
【0113】
図1は、本発明の一実施形態によるシステム30を示す。
【0114】
システム30(SEM30とも呼ばれる)は、(i)電子ビーム2を発生させ、加速し、走査し、集束させる走査型電子顕微鏡カラム1と、(ii)1またはそれ以上の膜で密閉される1またはそれ以上のアパーチャを含むインターフェース3と、(iii)任意選択のメカニカル・ステージ7に接続される試料ホルダ(図示せず)と、(iv)コンピュータ16と、(v)コントローラ17と、(vi)高電圧供給部18と、(vii)低電力供給部およびスキャナ19と、(viii)データ取得および画像グラバ20と、(ix)1またはそれ以上のポンプ15と、(x)それらに限定されないがスペクトロメータ・コントローラおよびプロセッサ21、(低エネルギー電子12を検出するための)側方電子検出器8、(高エネルギー電子13を検出するための)中央電子検出器9、(光子14を検出するための)光子検出器またはスペクトロメータ10、(電子ビーム2と物体6との間の相互作用に対する応答として発生した電流を測定する)ピコ・アンペア計11など、1またはそれ以上の検出器とを含む。ほんの少数の上述の検出器のうちただ1つだけをシステム30内に含んでよいことに留意されよう。
【0115】
システム30は、物体6の画像、すなわち物体6の2次元マップを生成し、点分析を実施する、またはスペクトルをもたらすことができる。コンピュータ16およびコントローラ17は、システム30のさまざまな構成要素のパラメータおよび動作を制御する。
【0116】
真空環境が符号4で示され、非真空環境が符号5で示される。
【0117】
好適には、電子ビーム2は、インターフェース3の1またはそれ以上のアパーチャを通過して物体6に衝突するなどのために、物体6の方に向けられる。衝突電子は、二次電子、後方散乱電子、特性X線、および場合によってはカソードルミネセンスを発生させる。カソードルミネセンスは、表面特性でも、マーカまたは標識分子からの光放出によるものでもよい。放出された信号は、上述の検出器のうち1つを用いて検出される。
【0118】
図2aおよび図2bは、本発明の一実施形態によるシステム31、および本発明の一実施形態によるシステム32を示す。図2aは、SEMカラム1、検出器4,5,6、ならびにインターフェース3を含む単一組立体を示す。
【0119】
図2bは、SEM101に接続されるアダプタ・チャンバ102を示す。SEM101は、アダプタ・チャンバ102なしで動作することができ、市場で入手可能などんなSEMでもよい。アダプタ・チャンバ102は、真空環境を維持し、検出器4,5,6、インターフェース3、ならびにSEMインターフェース103を含み、SEMインターフェース103は、SEM101に接続し、物体6が中に配置される非真空環境からSEM101を密閉することができる。
【0120】
図3aおよび図3bは、本発明の一実施形態によるシステム33、および本発明の一実施形態によるシステム34を示す。
【0121】
図3aは、SEM101に接続されるアダプタ・チャンバ103を示す。SEM101は、アダプタ・チャンバ101なしで動作することができ、市場で入手可能などんなSEMでもよい。
【0122】
非真空チャンバ104は、アダプタ・チャンバ103内部に配置され、またはアダプタ・チャンバ103によって少なくとも部分的に取り囲まれる。アダプタ・チャンバ103は、真空環境を維持し、検出器4,5,6、インターフェース3、ならびにSEMインターフェース103を含み、SEMインターフェース103は、SEM101に接続し、物体6が中に配置される非真空チャンバ104からSEM101を密閉することができる。
【0123】
図3bは、物体6をタイトルの付いた形で(非垂直に)照明する傾斜したSEMカラム1’を含む、システム34を示す。SEMカラム1’は、固定とすることができ、またはその光軸と試料6との間の角度を変更するために(任意選択で非傾斜位置に)回転させることができる。
【0124】
アパーチャ・アレイ
アパーチャ・アレイは、異なる面積および厚さの膜で密閉される、異なるサイズのアパーチャ・アレイを含むことができる。図4に示すように、異なるアパーチャを同じ平面に配置することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。例えば、図8に示すように、アパーチャおよび膜を互い違いに配置することができる。
【0125】
図4aおよび図4bは、3つのアパーチャ61,62,63、ならびに対応する膜71,72,73を含む、アパーチャ・アレイ60を示す。図4aはアパーチャ・アレイ60の上面図であり、図4aはアパーチャ・アレイ60の側面図である。最大のアパーチャがアパーチャ61であり、その膜(膜71)が最も厚いものである。最小のアパーチャがアパーチャ62であり、その膜(膜72)が最も薄いものである。アパーチャ63の面積は、アパーチャ61の面積よりも小さいが、アパーチャ63の面積よりも大きい。したがって、その対応する膜(膜73)は、膜71よりも薄いが、膜72よりも厚い。3つのアパーチャおよび膜は、同じ平面内に配置される。これらのアパーチャは、同時にまたは別々に照明することができる。
【0126】
より大きなアパーチャは、より厚い膜で密閉すべきである。より大きなアパーチャは、より大きな視野をもたらすが、より厚い膜が分解能を減少させる。したがって、異なる厚さの膜、および異なる面積のアパーチャを含むシステムは、視野と分解能との間の複数のトレードオフを提供することができる。
【0127】
異なるアパーチャには、アパーチャを電子ビーム位置に移動させることによって、かつ/または電子ビームを偏向させることによって、アクセスすることができる。
【0128】
本発明の別の実施形態によれば、アパーチャ・アレイは、均等なサイズのアパーチャ、および好適には均等なサイズの膜を含む。
【0129】
図5aおよび図5bは、アパーチャ・アレイ81,82を示す。アパーチャ・アレイ81は方形アパーチャを含み、アパーチャ・アレイ82は円形アパーチャを含む。単一のアパーチャ・アレイは、異なる形状のアパーチャのアパーチャを含んでよいことに留意されよう。
【0130】
物体のエリア全体は、そのエリアをアパーチャ・アレイで走査することによってイメージングすることができる。走査軸は、アパーチャ・アレイの経度方向軸または緯度方向軸に平行でよいが、これらのアレイに対して方向付けしてもよい。図4のアパーチャ・アレイ81を参照すると、走査軸は(アパーチャ・アレイ81の緯度方向軸と平行して)水平でも、(アパーチャ・アレイ81の経度方向軸と平行して)垂直でも、それらの軸に対して方向付けしてもよい。
【0131】
各アパーチャによってもたらされる視野を実質的に組み合わせると、(連続的ではないが)比較的大きな視野を得ることができることに留意されよう。物体のサブ・エリアの非連続画像は、ナビゲーション段階中に使用することができる。
【0132】
図6a〜図6fは、互いに別々にずれている4つの異なる画像によって完全にイメージングされる、物体の方形エリア80を示す。図6aは方形エリア80を示す。図6bは、方形状のアパーチャを含むアパーチャ・アレイ100を示す。アパーチャ・アレイ100のアパーチャは、方形エリア80の4分の1を一度にイメージングする。図6c〜図6fは、方形エリア80のサブ・エリアの別々にずれている4つの画像を示す。これらの画像を組み合わせて、方形エリア80の画像をもたらすことができる。
【0133】
図7aは、9つのアパーチャを通じて得られた、物体の複数のサブ・エリア68(1)〜68(9)の画像を含む。図7bは、物体のサブ・エリア68(5)の拡大画像である。
【0134】
アパーチャ・アレイは、堆積およびエッチ・バックを含むさまざまな様式で製作することができる。堆積は、アパーチャ・アレイ上に1またはそれ以上の超薄膜を堆積させることを含む。エッチ・バックは、複数のアパーチャを形成するためにプレートをエッチングすることを含む。
【0135】
異なるアパーチャ・アレイまたは異なるアパーチャ・アレイを、交換可能に使用できることに留意されよう。インターフェース3は、複数のアパーチャ・アレイを含むことができ、所与の時点で、1(またはそれ以上の)アパーチャ・アレイを、1またはそれ以上の電子ビームで照明することができる。
【0136】
図8は、3つの段111,113,115を含むインターフェース3を示す。各段は、1またはそれ以上のアパーチャを含むことができる。最下段111が最も高い分解能をもたらすように、最小アパーチャおよび最も薄い膜112を受け入れる。これらのアパーチャと物体との間の距離は最小である。最上段115が(最も低い分解能においてではあるが)最大視野をもたらすように、最大アパーチャおよび最も厚い膜116を受け入れる。中間段113が膜114を含む。
【0137】
図8は、インターフェース3の断面図であることに留意されよう。インターフェース3は、(段113,115がリング状である)環状形状を有することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。例えば、インターフェース3は方形を有してよい。
【0138】
走査機構
物体のエリアは、次の、(i)電子ビームを静電走査すること、(ii)電子ビームがスポット・モードにある状態で物体を機械的走査して画像を形成すること(これは、非常に小さなアパーチャを利用して、アパーチャのサイズよりも大きな視野をもつ画像を生成したい場合に有用となり得る)、(iii)電子ビームがスポット・モードにある状態で顕微鏡を機械的走査して画像を形成すること(これは、非常に小さなアパーチャを利用して、アパーチャのサイズよりも大きな視野をもつ画像を生成したい場合に有用となり得る)、(iv)アパーチャまたはウィンドウを機械的走査すると同時に、電子ビームがウィンドウ位置に追従するように電子ビームを静電走査すること、のうち少なくとも1つ、または両方の組合せによって走査することができる。
【0139】
検出構成
さまざまな実施形態によれば、1またはそれ以上の検出器を真空環境内に配置することができ、それに加えてまたはその代わりに、1またはそれ以上の検出器を非真空環境内に配置することもできる。両方の組合せを実現することもでき、すなわち、1またはそれ以上の検出器が非真空環境内に配置されるとともに、1またはそれ以上の他の検出器が真空環境内に配置される。
【0140】
図1〜図3bは、真空環境内に配置される検出器を示す。検出器は、例えば、真空環境内部に配置しても、物体とアパーチャとの間に配置しても、アパーチャの周りに配置してもよい。真空環境内に検出器を配置すると、物体と1またはそれ以上のアパーチャとの間の短い動作距離、さらにはそれらの間の非常に短い動作距離の助けとなり、したがって、画像の分解能に寄与することが可能になる。検出器を真空環境内に配置すると、酸化しやすい被覆を使用するように、空気との適合性が低い検出器を使用することが可能にもなる。
【0141】
異なる検出器の使用により、物体の照明されたエリアについてのより多くの情報をもたらすことができること、および複数の検出器を同時に動作させることができることに留意されよう。
【0142】
一実施形態によれば、電子を検出するために1対の検出器が使用される。この対は、後方散乱電子(BSE)検出器、および二次電子(SE)検出器を含む。BSE検出器は、膜と対物レンズとの間に配置することができる。BSE検出器は、一次ビームが通過するのを可能にする開口を画定する環状形状を有することができる。BSE検出器は、トポグラフィ情報を向上させるためにセグメント化することもできる。SE検出器は、一次電子ビームの側方に配置されるEverhart−Thornley検出器(ETD)とすることができる。二次電子は、バイアスされた収集グリッドの助けを借りてETDに引き寄せられる。SE検出器は、一次ビームが通過するのを可能にする開口を画定する環状形状を有することができる。SE検出器は、トポグラフィ情報を向上させるためにセグメント化することもできる。
【0143】
別の実施形態によれば、電子を検出するために1対の検出器が使用される。この対は、BSE検出器および光検出器を含む。両検出器は、同時に動作する。
【0144】
一次電子ビームが通過するのを可能にする開口を有する、膜と対物レンズとの間に配置された放物面鏡は、光を収集して電子経路の側方内に配置された光電子倍増管に向ける。この鏡は、CsIなどの高二次電子エミッタで被覆することができる。この構成では、被覆された鏡に衝突する後方散乱電子が二次電子を発生させ、それがSE検出器により収集される。
【0145】
X線検出器は、材料分析に有用となり得る。そのような分析をイメージング・エンジンに一体化すると、分析すべき物体の位置特定が可能になり、それにより、巨視的分析とは対照的に、より小さな物体に対するより高い感度が可能になる。別の可能性は、画像生成に放出X線を使用することであり、これは一般にX線マッピングと呼ばれる。
【0146】
100ミクロンを上回る動作距離を適用することができる低分解能での分析の場合、X線検出器を真空環境外部に配置することができる。収集効率を上げるために、環状検出器を使用することが好ましい。
【0147】
例えば100ミクロン未満の、より短い動作距離を適用しなければならない高分解能での分析の場合、検出器は真空内部に置かれる。側方検出器が使用される場合、側方検出器は、後方散乱電子、二次電子、および光を検出することができる構成とすることができる。高いX線収集効率に重点が置かれる一代替構成は、PNSensor製の多セル・シリコン・ドリフト検出器(SDD)などの環状X線検出器を使用するものである。
【0148】
真空
SEMカラム1は、真空下で動作する。SEMカラム1は、非密閉アパーチャで分離される、複数の差動排気空間を含むことができる。インターフェース3によりもたらされる密閉は、そのような仕切りを不要にすることができることに留意されよう。真空は、イオン・ポンプ、ターボ・ポンプなど、1またはそれ以上のポンプによって形成できることに留意されよう。このシステムは分離されるため、顕微鏡を、CRTで行われているようにポンプなしで設計することができる。
【0149】
動作距離
動作距離に関連する3つの主要な影響、すなわち分解能、信号対雑音、および検出がある。所与の膜および一次ビーム・エネルギーについて、分解能は、膜内部の散乱から導入されるビーム広がりのため、動作距離に伴って直線的に減少する。第2の影響は、電子の自由平均行程から決まる、非真空雰囲気内でのビームの散乱と関連がある。ガス分子による電子散乱の影響は、ビームの一部分を元のビームから外に偏向させることである。しばしば「スカート(skirt)」と呼ばれる偏向された一部分は、一定の背景信号を形成する。中心ピークは、振幅の低減したビーム・スポットを維持する。第3の影響も、散乱に関連するが、試料から放出された電子に関連する。
【0150】
散乱は、圧力、ガス分子、電子エネルギー、および動作距離と相関関係がある。理想的には、電子が衝突から衝突までの間に移動する平均距離である、電子の平均自由行程未満の状態において動作することが望ましい。数十keVというビーム・エネルギーの場合、この距離は、空気分子では数十ミクロンである。平均自由行程は、He分子の場合激増する。低エネルギー電子の場合、平均自由行程は数ミクロンである。このことは検出信号内に現れ、すなわち、しばしば後方散乱電子と呼ばれる高エネルギー電子の信号は、多数の散乱事象を被る二次電子とは対照的に減衰されず、信号が激減する。
【0151】
所与のビーム・エネルギーについて、分解能を、より薄い膜およびより短い動作距離を使用することにより増大させることができる。
【0152】
STEMモード
このイメージング・モードでは、薄い試料を通る透過電子が検出される。電子検出器は、試料の直下に配置される。この場合、最大分解能が望ましく、最大分解能は、高ビーム・エネルギーを使用すること、およびアパーチャの周りに配置される、高さが動作距離を決定する一体化されたスペーサを使用して動作距離が最小になるように制御することにより、達成することができる。試料と接触するこのスペーサを使用する別の利点は、システムの共振振動数を増大させ、したがってシステムが外部雑音の影響をより受けないようにすることである。
【0153】
1またはそれ以上の電気ビームとの相互作用の結果として物体を通過する電流は、例えばピコ・アンペア計により測定することができる。
【0154】
非真空環境
試料とカラムとの間の環境は、どんな組成でもよい。具体的には、この環境は、少なくとも一部は窒素または乾燥窒素で満たされた空気で満たすことができ、その場合、二次ガス励起による光放出の効率が高い。というのも、この過程の消光剤である酸素がないためである。非真空環境は、少なくとも一部は不活性ガス、具体的にはHeまたはHe混合物で満たすことができ、その場合、電子の平均自由行程がより大きく、それにより、より長い作業者距離における信号対雑音が向上する。
【0155】
電子ビームのアライメント
システム30は、1またはそれ以上の電子ビームを、1またはそれ以上の電子ビームが通過すべき1またはそれ以上のアパーチャに対してアライメントすべきである。アライメントは、次の、(i)1またはそれ以上の電子ビームが1またはそれ以上のアパーチャとアライメントされるようにするアライメント・コイル、(ii)アパーチャ・アレイ(あるいは少なくとも1またはそれ以上の関連アパーチャ)の機械的移動、および(iii)アパーチャ・アレイに対する対物レンズまたは永久磁石の機械的移動、のうち少なくとも1つを利用することができる。この利点は、可動部が真空密閉の部分ではないことである。
【0156】
アパーチャ・アレイ(または関連アパーチャ)の機械的移動は、柔軟なコネクタをアパーチャ・アレイとインターフェースの別の部分との間に使用することにより達成することができる。柔軟なコネクタは、モータ(圧電モータ、リニア・モータなど)によって移動させることができる。
【0157】
図9aは、柔軟なコネクタ40を介してインターフェース3の剛性部分41に接続されるアパーチャ・アレイ81の側面図である。柔軟なコネクタ40は、モータ42により移動される。モータは、それに加えてまたはその代わりに、アパーチャ・アレイ81を移動させることもできることに留意されよう。
【0158】
本発明の一実施形態によれば、より短い動作距離をもたらすために、モータはより高い位置に配置される。図9bは、インターフェース3の剛性部分44に接続されるモータ42を示す。剛性部分44は、柔軟なコネクタ45を介してインターフェース3の別の部分46に接続される。
【0159】
第1の構成では、変位すべき質量がより小さいが、柔軟なコネクタ40を移動させるためのアクチュエータを組み込むことにより、物体と磁極片との間の動作距離に機械的制約が課される。第2の構成では、より大きな質量が変位されるが、物体と磁極片との間の動作距離を減少させることができる。
【0160】
上述のアライメント方法のどちらか一方を、アパーチャ・アレイの1またはそれ以上のアパーチャを選択するためにも使用することができる。
【0161】
アパーチャの機械的アライメントの場合、移動を、コントローラにより制御された状態で電動化することができ、途切れのない動作を可能にするように、位置を較正または予め設定することができる。
【0162】
柔軟なコネクタを使用して、物体とアパーチャとの間の距離を、試料面に垂直な方向にウィンドウを移動させることによって制御することもできる。これには、小さな質量を移動させながら、物体とアパーチャとの間の固定距離を維持するという利点がある。図9cは、柔軟なコネクタ40の向かい合う2つの側に配置された2つのモータを示す。これらのモータ42は、それらにより垂直移動の導入が可能になるような形で、柔軟なコネクタの向かい合う2つの側に接続される。
【0163】
物体は膜に、例えば膜が液体またはエマルジョンである場合に、接触することもできる。この場合、膜内での電子散乱がスポット広がりに反映されないので、分解能が最大になる。
【0164】
試料−ウィンドウ距離測定
物体アパーチャ距離は、次の技法のうち少なくとも1つによって測定することができる。(i)物体を照明し、検出信号振幅を測定し、それを較正曲線と比較すること。好適には、較正曲線は、非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する。物体とアパーチャとの間の距離が低減される場合、検出信号は平均自由行程距離に達するまである一定の割合で増大し、そこから増大割合が激減するはずである。(ii)物体とアパーチャとの間にあるガスの放出X線光子のカウントを測定すること。カウント数は、ビーム電流および相互作用容積によって変わる。相互作用容積は、その距離によって変わる。(iii)例えば静電容量測定、三角測量、および例えば光学顕微鏡法で使用される他の一般的な技法に基づく一体化された距離測定デバイスなどの、電子ビーム非関連技法を使用すること。
【0165】
さまざまな構成
図1〜図3bは、独立型システムを示す。他の構成が利用できることに留意されよう。例えば、システム30を別ツールまたはシステムと一体化することができ、1またはそれ以上の検出器を非真空環境内に配置することができる。
【0166】
本発明の別の実施形態によれば、システム30を別ツールと一体化することができる。
【0167】
図10は、一緒に一体化されてシステム73となる、SEMカラム1および(光学顕微鏡などの)別ツール70を示す。SEMカラム1はインターフェース3を含み、インターフェース3は真空チャンバ72の一部分である。別ツールは真空内で動作せず、したがってそのようなチャンバを必要としない。物体6がステージ76により支持され、ステージ76は物体6を、物体6が別ツール70またはSEMカラム1から注視することができるように移動させることができる。それに加えてまたはその代わりに、システム30および別ツールが物体を観察するために使用される。別ツールは、より低分解能またはより高分解能のものとすることができる。より低分解能のツールは、光学顕微鏡とすることができる。光学顕微鏡は、関心領域を位置特定するのに使用することができる。別ツールおよび走査型電子顕微鏡カラムは、異なる視線によって特徴付けることができる。別ツールは、物体のある特定のエリアを注視することができ、次いで、そのエリアを走査型顕微鏡が注視するのを可能にする情報を送出する。複数のカラム構成においてターゲットを位置特定する本方法は、当技術分野で既知であり、その方法をこの目的のために利用することができる。例えば、Applied Materials Inc.のSEM G3 FIBは、互いに平行なSEMカラムおよび集束イオン・ビーム(FIB)カラムを含んでいる。FIBカラムおよびSEMカラムは、互いに離隔されるが、同じエリアをそれらのカラムが(異なる時点で)注視するのを可能にする情報を共有する。
【0168】
SEMカラムおよび別ツールを、相互に対して方向付けできることにさらに留意されよう。FEIのいくつかのデュアル・カラム・ツールは、そのような傾斜構成を使用する。
【0169】
本発明のさまざまな実施形態によれば、別ツールを、非真空内で動作する光学ツールとすることができる。この場合、SEMは、レシピ最適化中のパラメータ・チューニングを助けるために、また欠陥分類に関する結果をレビューするために使用することができる。さらに別の例では、SEMを、検査ツールによって発見された欠陥のX線分光を使用して、元素組成をキャラクタリゼーションするために使用することができる。
【0170】
本発明のさまざまな実施形態によれば、SEMは、次の、(i)原子間力顕微鏡、(ii)光学レビュー・ツール、の少なくとも一方を含むことができるツールの一部分である。
【0171】
SEMは、(i)空気中での電圧コントラストのイメージング、(ii)空気中でのフォト・レジスト上への電子ビーム・リソグラフィ、(iii)硬化前のフォト・レジストなど、真空と適合性のないウェーハおよびプロセスの高分解能イメージング、(iv)真空環境により影響を受けるウェーハおよびプロセス、または汚染分子の単層の付着形成に影響されやすいウェーハおよびプロセスのイメージングおよび分析、(v)材料分析用のX線放出の励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(vi)厚さ測定用のX線放出の励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(vii)密度測定用のX線ミッションの励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(viii)側壁のイメージングおよび分析、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(ix)側壁の厚さのイメージングおよび測定、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、などを含むがそれらに限定されない、さまざまな目的に使用することができる。
【0172】
本発明の一実施形態によれば、SEMは、化学気相成長(CVD)、化学的機械的ポリッシャ(CMP)、電気化学堆積(ECP)、エッチャなどのプロセス・ツールに一体化して、プロセス厚さを制御するのに使用することができる。
【0173】
図11は、本発明の一実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法200を示す。
【0174】
方法200は、段階210、ならびに任意選択で段階212,214のうち1またはそれ以上から開始する。
【0175】
段階212は、検出を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入する段階を含む。ガス混合物は、例えば窒素、またはHeに富んだ混合物を含むことができる。
【0176】
段階214は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階を含む。段階214は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャを機械的に移動させることによってアライメントする段階を含むことができる。それに加えてまたはその代わりに、段階214は、少なくとも1つの電子ビームを複数の方向に偏向させる段階、および少なくとも1つの電子ビームがいつアライメントされたかについて求めるために、検出信号の強度をカウントする段階を含む。
【0177】
段階210は、真空環境内で少なくとも1つの電子ビームを発生させる段階を含む。
【0178】
段階210の後に、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階220が続く。少なくとも1つの電子ビームは、物体の方に向けられる。少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に垂直(非傾斜構成)でも、非垂直(傾斜構成)でもよいことに留意されよう。
【0179】
段階220の後に、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階230が続く。
【0180】
段階230は、次の、(i)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する段階、(ii)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する段階、(iii)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階、(iv)真空環境内に配置された検出器により粒子を検出する段階、(v)非真空環境内に配置された検出器により粒子を検出する段階、(vi)相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階、および(vii)物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0181】
本発明のさまざまな実施形態によれば、段階220は、次の、(i)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階、(ii)電子ビームに、選択されたアパーチャを通過させる段階、(iii)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階、(iv)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャがアパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される、段階、(v)少なくとも1つの電子ビームに、少なくとも1つの膜を通過させる段階であって、ある特定の膜が別の膜よりも高分解能の画像の取得を可能にする、段階、(vi)通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階であって、第1のフェーズが物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの膜を通過させる段階を含み、第2のフェーズが物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他の膜を通過させる段階を含む、段階、ならびに(vii)複数の電子ビームをアパーチャ・アレイの複数のアパーチャに通過させる段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0182】
図12は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法300を示す。
【0183】
方法300は、低分解能イメージング・プロセスを使用して、物体の関心領域を位置特定する段階310から開始する。
【0184】
段階310の後に、段階210〜230が続く。任意選択の段階212および214のうち少なくとも一方を、方法300内に含むこともできることに留意されよう。
【0185】
図13は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法400を示す。
【0186】
方法400は、段階210〜230の特徴である分解能範囲とは異なる分解能範囲によって特徴付けられる観察プロセスを利用する段階410から開始する。
【0187】
段階410の後に、段階210〜230が続く。任意選択の段階212および214の少なくとも一方を、方法400内に含むこともできることに留意されよう。
【0188】
段階210〜230の後に、段階410が続いてよいことに留意されよう。
【0189】
好適には、段階410は、次の、(i)原子間力顕微鏡法、(ii)光学検査プロセス、の少なくとも一方、またはそれらの組合せを含む。
【0190】
図14は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法500を示す。
【0191】
方法500は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階510から開始する。
【0192】
図15a〜図15cは、本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の部分、および電気ビームの複数の向きを示す。物体が走査線50に従って走査されると仮定する。走査線50は、右端51および左端53により範囲が区切られる。走査線50の中央は、符号52で示される。図15aは、電子ビーム2が右端51の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある右側位置まで移動される時点を示す。図15bは、電子ビーム2が中央52の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある中央位置まで移動される時点を示す。図15cは、電子ビーム2が左端53の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある左側位置まで移動される時点を示す。
【0193】
段階510は、物体の少なくとも1つのサブ・エリアを観察するために、段階210〜230を繰り返し実施する段階と、物体の別の1またはそれ以上のサブ・エリアの観察を容易にするために、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ対応する機械的移動を導入する段階505を実施する段階と、段階210〜230を反復する、または段階510を終了させる段階とを含む。
【0194】
任意選択の段階212および214の少なくとも一方を、方法500内に含むこともできることに留意されよう。
【0195】
好適には、段階510は、次の、(i)物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階、(ii)物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、アパーチャ・アレイを含む構成要素が真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に接続される、段階、(iii)物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階、(iv)物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階、(v)物体のエリアを、少なくとも1つの電子ビームを真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
【0196】
付録A−カーボン膜中の電子の透過率
電子がカラム内を移動する真空と非真空内にある試料との間のインターフェースは、超薄膜である。この膜は、次の基準を満たさなければならない。(i)機械的強度。真空と非真空雰囲気との間の圧力差に耐えるため。機械的強度は、膜の面積、その厚さ、およびそのヤング率によって変わる。所与の材料について、膜の厚さとその面積との間のトレードオフがある。圧力差pを分離する半径rおよび厚さtの円形ウィンドウの場合の最大半径方向応力σは、σ≒pr2/t2に比例する。
【0197】
所与の降伏応力σyieldおよび圧力差について、最小膜厚さtminはフォイルの半径によって変わり、tmin≒(pr2/σyield)1/2である。(ii)電子光学系。最大分解能を達成するために、膜は一次ビームに対して最小限の影響を及ぼすべきである。スポット・サイズに影響を及ぼす2つの要因がある。(ii.a)膜との相互作用による電子の散乱。散乱は、一次ビーム・エネルギー、膜の厚さおよび密度によって変わる。最適には、低密度材料から作られた最も薄い利用可能な膜を使用することになる。この散乱は、元のスポット・サイズの広がり、または散乱角を誘起する。したがって、所与の膜および加速電圧について、試料面上のスポット径は、膜と試料との間の動作距離に伴って直線的に増加する。(ii.b)非真空雰囲気との相互作用による電子の散乱。この散乱および短い動作距離下での動作の問題については、本明細書において後に取り上げる。(iii)信号対雑音比。最大限の一次電子が試料に達し、試料から放出された最大限の電子および光子が検出器に達するのを可能にするため。
【0198】
カーボン膜(密度=2.25g/cm3)中の電子の透過率を、異なるエネルギーおよび厚さについて、H.−J.Fittingの実験式(Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena 136(2004)265−272)を使用して計算した結果、およびいくつかの元素のX線光子の透過率を、NISTデータベースから得られた減衰係数に基づいて計算した結果を表1に示す。
【0199】
Fittingによれば、E0=10keV未満のエネルギー領域において、飛程−エネルギー関係R=900ρ−0.8E1.30が判明している。RはÅ単位であり、ρはg/cm3単位であり、E0はkeV単位である。
【0200】
吸収/散乱が本質的に一続きのものであると仮定すると、rに関する透過率T(r)=0.01r/Rを導出することができる。
【0201】
光子透過率は、I=I0exp−μ(λ)dに従って計算され、ただしI0は膜に達した光子の数であり、Iは透過した光子の数であり、dは膜の厚さである。測定単位がcm−1である数μ(λ)は線減衰係数と呼ばれ、これは一次放射の波長λおよび層の密度によって変わる。
【表1】
【0202】
このデータから、いくつかの総括的な結論を導くことができる。5000eVよりも高いエネルギーを有する一次電子ビームの場合、100nm未満の厚さを有する膜は、高度に透過性である。より低いエネルギーでは、膜の厚さが透過率に大きな影響を及ぼす。X線光子の場合、膜は高度に透過性である。これは、可視光の場合にもそうである。
【0203】
顕微鏡の設計の指針が分解能であるため、当面の結論は、可能な限り薄い膜を使用しなければならないということである。このことは、幸いなことに、最適化された検出に好都合でもある。しかし、機械的適合性から、このことは、膜のサイズが制限されることを意味する。したがって、問題は、どうすれば数ナノメートルまたは数十ナノメートルの厚さを有する超薄膜が得られるかということになる。そのような膜は、その面積が小さい場合、圧力差に耐えることができる。式2から、所与の材料および圧力差について、厚さの減少はウィンドウ・サイズの減少に伴って直線的に変わることがわかる。したがって、非真空内を移動する高分解能電子ビームを得る鍵は、小面積の超薄膜を使用することである。例えば、画像6および17では、50×50ミクロン2の寸法を有する30nmのSiNウィンドウを使用していた。技術的には、膜の面積を制限するいくつかの様式がある。支持体上の超薄膜は一般に、2つの異なる手法によって実現することができる。
【0204】
第1の手法は堆積法である。超薄層が支持構造に堆積またはもたらされる。最も簡単な支持構造はアパーチャであり、アパーチャにより利用できる膜のサイズが決まる。この手法は、TEMグリッドの準備の際に使用されており、この場合、厚さ10nm未満のカーボン層がグリッド上に慣例的に配置される。
【0205】
第2の手法は、エッチ・バック法である。超薄層Aを基板B上に堆積させ、次いでBを定義された領域内でエッチ・バックして、B上に超薄ウィンドウAを形成する。これは、例えばSi上のSiNまたはSiO2の場合である。AとBをどちらも、イオン・ミリングによって薄層化することもできる。これは画像4に見られ、この場合、Siに開いた、角錐の形状を有する開口をエッチ・バックして、SiNウィンドウが形成される。空気中の、ウィンドウよりも15ミクロン下方にあるCuグリッドがはっきりと見られる。
【0206】
膜またはウィンドウのサイズにより、顕微鏡の利用できる視野が決まる。高分解能顕微鏡を用いて作業する際、一般的な慣行は、まず小倍率(大きな視野)を使用して関心のあるエリアまたは特徴を位置特定し、その特徴を高分解能視野の中央に、例えば可動ステージを使用して移動させ、その特徴の高分解能画像を得るためにより小さな視野に変更することである。以下では、視野と分解能との間の明らかな矛盾を、物体を大きな視野内で位置特定するための使いやすさとともに、高分解能をもたらす小さなウィンドウを有するという制限を可能にすることで解決する仕方について説明する。
【0207】
図18a〜図18cは、10nmの厚さのカーボン膜を通して得られたグリッドの画像である。これらの画像は、角錐状アパーチャも含んでいる。画像18a〜18cは、互いに倍率レベルが異なる。第1の画像は、グリッドを示す小倍率画像である。この画像において、関心エリアが発見される。第2の画像は、関心エリアのより高倍率の画像である。
【0208】
本発明は、従来型のツール、方法、および構成要素を使用して実施することができる。したがって、そのようなツール、構成要素、および方法の詳細は、本明細書に詳細に記載されていない。先の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明は、具体的に記載された詳細を用いずに実施できることを理解されたい。
【0209】
本開示では、本発明の広い用途のうち数例の他は、本発明の例示的諸実施形態のみが示され、記載される。本発明は、さまざまな他の組合せおよび環境において使用することができ、本明細書に表記される本発明の概念の範囲内にある変更形態または修正形態が可能であることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェース、非真空環境内で物体を観察する方法、および走査型電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願)
本願は、出願日が2006年10月24日である米国仮特許出願第60/862631号の優先権を主張し、参考のため本明細書に編入される。
【0003】
高分解能顕微鏡法(High resolution microscopy)は、材料科学、生命科学、半導体産業、および食品産業などの多様な分野における研究開発、品質保証、および製造で使用される。17世紀まで遡る光学顕微鏡法は、深紫外光子の波長によって定義され、約80nmという最微細分解能をもたらす、その越えがたい壁に達している。光学顕微鏡法の普及は、比較的低廉な価格、使いやすさ、およびイメージング環境の多様性によるものであり、それらはいずれも有用性という言葉で言い換えることができる。
【0004】
走査型電子顕微鏡の方がはるかに微細な分解能(数ナノメートル)を提供するは、その高分解能を達成するには、被検査物体を真空環境内に配置しなければならない。
【0005】
「Device and method for the examination of samples in a non−vacuum environment using a scanning electron microscope」という名称のMosesの米国特許第6992300号は、真空に耐えることができ、電子を透過する超薄部材を含んだチャンバについて記載している。膜の厚さは、恐らく数百オングストロームである。
【0006】
機械的制約のため、超薄膜を使用するということは、支持アパーチャが小さいことを意味する。超薄膜のサイズが小さいと、走査型電子顕微鏡のスループットが激減し、そのような走査型電子顕微鏡が非実用的になる。
【0007】
高速で正確な走査型電子顕微鏡を提供することがますます必要とされる。
【発明の概要】
【0008】
非真空環境内に配置される物体を観察する本方法は、真空環境内で発生される少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階であって、少なくとも1つの電子ビームが物体の方に向けられ、少なくとも1つの超薄膜は、真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、段階と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、を含む。
【0009】
好適には、通過させる段階は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階を含む。
【0010】
好適には、通過させる段階の前に、アパーチャ・アレイのアパーチャを選択する段階が実施され、通過させる段階は、電子ビームに、選択されたアパーチャを通過させる段階を含む。
【0011】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階を含む。
【0012】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0013】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0014】
好適には、本方法は、通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階であって、第1のフェーズは、物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、第2のフェーズは、物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他のアパーチャを通過させる段階を含む、段階を含む。
【0015】
好適には、通過させる段階の前に、低分解能イメージング・プロセスを使用して物体の関心領域を位置特定する段階が実施され、通過させる段階は、関心領域の方に向けられた少なくとも1つの電子ビームを通過させる段階を含む。
【0016】
好適には、通過させる段階および検出する段階は、第1の分解能範囲によって特徴付けられ、本方法はさらに、異なる分解能範囲によって特徴付けられる別の観察プロセスを利用する段階を含む。
【0017】
好適には、別の観察プロセスは、原子間力顕微鏡法を含む。
【0018】
好適には、別の観察プロセスは、光学検査プロセスを含む。
【0019】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含む。
【0020】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階を含む。
【0021】
好適には、本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、それが含む構成要素は、真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、段階を含む。
【0022】
好適には、本方法は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階を含む。
【0023】
好適には、本方法は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階を含む。
【0024】
好適には、本方法は、物体のエリアを、少なくとも1つの電子ビームを真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階を含む。
【0025】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する段階を含む。
【0026】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する段階を含む。
【0027】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階を含む。
【0028】
好適には、本方法は、真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含む。
【0029】
好適には、本方法は、非真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含む。
【0030】
好適には、少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に非垂直である。
【0031】
好適には、本方法は、相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階を含む。
【0032】
好適には、本方法は、物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階を含む。
【0033】
好適には、本方法は、検出する段階を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入する段階を含む。
【0034】
好適には、本方法は、非真空環境に窒素を導入する段階を含む。
【0035】
好適には、本方法は、非真空環境にHeに富んだ混合物を導入する段階を含む。
【0036】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階を含む。
【0037】
好適には、本方法は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントする段階を含む。
【0038】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を繰り返し変更し、物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、測定結果を非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較する段階を含む。
【0039】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を、非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求める段階を含む。
【0040】
好適には、本方法は、アパーチャと物体との間の距離を、物体とアパーチャとの間にある非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求める段階を含む。
【0041】
非真空環境内に配置される物体を観察する本方法は、物体の少なくとも1つのエリアを、真空環境内で発生された少なくとも1つの電子ビームを偏向させて、少なくとも1つの電子ビームは、超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを通過するのを可能にすることであって、少なくとも1つの超薄膜が真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐えること、および少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入すること、によって走査する段階と、少なくとも1つの電子ビームと物体の少なくとも1つのエリアとの間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、を含む。
【0042】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースは、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを含む。
【0043】
好適には、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0044】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0045】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0046】
走査型電子顕微鏡は、真空環境内に配置された電子ビーム源において、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される電子ビーム源と、真空環境と物体が中に配置される非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを含む、インターフェースと、少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、を含む。
【0047】
好適には、電子光学系は、少なくとも1つの電子ビームをアパーチャ・アレイの複数のアパーチャの方に向ける。
【0048】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャ・アレイのアパーチャを選択し、次いで電子ビームを、選択されたアパーチャを経由して向けるために適合される。
【0049】
好適には、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0050】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0051】
好適には、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0052】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャを経由して向け、次いで、物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つの他のアパーチャを経由して向けるために適合される。
【0053】
好適には、走査型電子顕微鏡は、低分解能イメージング・プロセスを使用して物体の関心領域を位置特定し、次いで、関心領域の方に少なくとも1つの電子ビームを向けるために適合される。
【0054】
好適には、走査型電子顕微鏡は、電子ビームによりもたらされる分解能とは別の分解能によって特徴付けられる別の観察ツールを含む。
【0055】
好適には、別の観察ツールは、原子間力顕微鏡である。
【0056】
好適には、別の観察ツールは、光学検査ツールである。
【0057】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合される。
【0058】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合される。
【0059】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合され、アパーチャ・アレイを含む構成要素は、真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される。
【0060】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査するために適合される。
【0061】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合される。
【0062】
好適には、走査型電子顕微鏡は、物体のエリアを走査するなどのために少なくとも1つの電子ビームを偏向させる、真空環境内に配置された偏向器を含む。
【0063】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する。
【0064】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する。
【0065】
好適には、検出器は、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する。
【0066】
好適には、検出器は、真空環境内に配置される。
【0067】
好適には、検出器は、非真空環境内に配置される。
【0068】
好適には、少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に非垂直である。
【0069】
好適には、検出器は、相互作用の結果として発生した電子電流を検出する。
【0070】
好適には、検出器は、物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する。
【0071】
好適には、走査型電子顕微鏡は、検出を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入するために適合される。
【0072】
好適には、走査型電子顕微鏡は、非真空環境に窒素を導入するために適合される。
【0073】
好適には、走査型電子顕微鏡は、非真空環境にHeに富んだ混合物を導入するために適合される。
【0074】
好適には、走査型電子顕微鏡は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントするために適合される。
【0075】
好適には、走査型電子顕微鏡は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントするために適合される。
【0076】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を繰り返し変更し、物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、測定結果を非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較するために適合される。
【0077】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を、非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求めるために適合される。
【0078】
好適には、走査型電子顕微鏡は、アパーチャと物体との間の距離を、物体とアパーチャとの間にある非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求めるために適合される。
【0079】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースは、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを含み、少なくとも1つのアパーチャを含む構成要素は、インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される。
【0080】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置される。
【0081】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される。
【0082】
好適には、アパーチャがアパーチャ・アレイを含み、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする。
【0083】
走査型電子顕微鏡は、真空環境内に配置された電子ビーム源において、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される電子ビーム源と、真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを含み、少なくとも1つのアパーチャを含む構成要素は、インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、インターフェースと、少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の一実施形態によるシステムを示す図である。
【0085】
【図2a】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【図2b】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【0086】
【図3a】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【図3b】本発明の2つの実施形態によるシステムをそれぞれ示す図である。
【0087】
【図4a】本発明の一実施形態による、アパーチャ・アレイおよび複数の膜の上面図および側面図である。
【図4b】本発明の一実施形態による、アパーチャ・アレイおよび複数の膜の上面図および側面図である。
【0088】
【図5a】本発明のさまざまな実施形態による2つのアパーチャ・アレイをそれぞれ示す図である。
【図5b】本発明のさまざまな実施形態による2つのアパーチャ・アレイをそれぞれ示す図である。
【0089】
【図6a】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6b】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6c】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6d】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6e】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【図6f】本発明の一実施形態による、物体のエリア、およびエリア全体をイメージングする複数の画像を示す図である。
【0090】
【図7a】本発明の一実施形態によるアパーチャ・アレイを介して得られた、物体の複数のサブ・エリアの画像、および単一のサブ・エリアの画像である。
【図7b】本発明の一実施形態によるアパーチャ・アレイを介して得られた、物体の複数のサブ・エリアの画像、および単一のサブ・エリアの画像である。
【0091】
【図8】本発明の一実施形態による、複数のアパーチャおよび複数の膜を示す図である。
【0092】
【図9a】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【図9b】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【図9c】本発明のさまざまな実施形態による、アパーチャ・アレイ、柔軟なコネクタ、およびモータを示す図である。
【0093】
【図10】本発明の一実施形態による、別ツールと一体化されたシステムを示す図である。
【0094】
【図11】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図12】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図13】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【図14】本発明のさまざまな実施形態による方法のフロー・チャートである。
【0095】
【図15a】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【図15b】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【図15c】本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の位置、および電気ビームの複数の向きを示す図である。
【0096】
【図16a】空気中イメージングしたコンタクト付きウェーハの画像である。
【図16b】空気中イメージングしたコンタクト付きウェーハの画像である。
【0097】
【図17】空気中イメージングしたCu試験構造の画像である。
【0098】
【図18a】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【図18b】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【図18c】本発明の一実施形態による、空気中イメージングしたアパーチャの画像およびグリッドの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
本発明の一実施形態によれば、(非真空環境内に配置された)物体を観察する走査型電子顕微鏡のスループットは、(1またはそれ以上の膜で密閉された)複数のアパーチャを同時に照明することによって増大される。この複数のアパーチャは、アパーチャ・アレイを形成していても、アパーチャ・アレイの一部分であってもよい。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、(非真空環境内に配置された)被検査物体の1またはそれ以上のエリアは、1またはそれ以上の電子ビームを偏向させ、さらに1またはそれ以上の電子ビームが通過する1またはそれ以上のアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査される。偏向と機械的移動をこのように組み合わせることにより、システムの視野が増大する。
【0101】
本発明の別の実施形態によれば、1またはそれ以上の膜で密閉される複数のアパーチャが設けられる。このアパーチャおよび膜は、そのサイズおよび(膜の)厚さが異なり、したがって、視野と分解能との間のさまざまな折り合いをつけることができる。
【0102】
アパーチャ・アレイという語は、アパーチャの(順序付けられた、または順序付けられていない)任意の構成を意味する。
【0103】
好適には、超薄膜は、数十ナノメートルよりも薄く、カーボンまたはSiNなどの低密度材料で作られる。
【0104】
複数のアパーチャが設けられる場合、各アパーチャをそれ自体の膜で密閉することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。単一の膜が複数のアパーチャを密閉してよい。本発明の一実施形態によれば、膜は、複数のアパーチャを画定する非常に薄いグリッドに接続することができる。
【0105】
超薄膜は、アパーチャを密閉すると同時に、真空環境と非真空環境との間の圧力差に耐える。
【0106】
超薄膜が使用されるのは、それが電子スポット・サイズに最小限の影響を及ぼすためである。より良好な性能を得るためには、より高い電子加速電圧、好ましくは20kV以上を使用することが有利である。超薄膜を使用する別の利点は、画像を生成するために使用される電子を、真空環境内にある検出器で効率的に収集できることである。
【0107】
電子が被検査物体と相互作用し、さまざまな粒子が形成される。電子または光子などの粒子を検出することができる。物体の画像をもたらすために、1またはそれ以上の検出器からの検出信号を処理することができる。
【0108】
一実施形態によれば、システムは異なる視野を提供することができる。異なるアパーチャおよび異なる膜は、異なるサイズおよび厚さのものとすることができる。異なる膜は、異なる高さのところに配置することができる。低分解能および低倍率は、より厚い膜およびより大きなアパーチャによってもたらすことができる。高分解能は、より薄い膜およびより小さなアパーチャによってもたらすことができる。1またはそれ以上のアパーチャおよび膜は、これらの1またはそれ以上のアパーチャを電子ビーム軸の方に機械的に移動させることによって選択することができ、それに加えてまたはその代わりに、電子ビームを所望のアパーチャの方に偏向させるための偏向器を使用することによっても選択することができる。
【0109】
好適には、大きな視野は、ナビゲーション、および関心領域を発見する助けとなることができる。広範な視野は、互いに分離される複数のアパーチャを利用することによって得ることができる。これは、たとえ複数のアパーチャがイメージングされたエリアの連続画像をもたらさなくても、ナビゲーションまたは関心領域の位置特定にとって十分となり得る。
【0110】
本発明のさまざまな実施形態によれば、物体を複数の電子ビームで照明することができる。電子ビームは、1またはそれ以上の膜で密閉されるアパーチャ・アレイにより分割できることに留意されよう。複数の電子ビームをアパーチャ・アレイの方に向けることができることにさらに留意されよう。この複数の電子ビームは、アパーチャ・アレイによりさらに分割することができるが、各電子ビームを特定のアパーチャの方に向けることができるため、これは必ずしもそうであるとは限らない。
【0111】
話を簡単にするために、以下の説明の一部は、単一の電子ビームに言及する。単一の電子ビームに言及する説明が複数の電子ビームにも準用できることを、当業者なら理解するであろう。
【0112】
話を簡単にするために、以下の説明の一部は、単一のアパーチャ(膜)に言及する。単一のアパーチャ(膜)ビームに言及する説明が複数のアパーチャ(膜)にも準用できることを、当業者なら理解するであろう。
【0113】
図1は、本発明の一実施形態によるシステム30を示す。
【0114】
システム30(SEM30とも呼ばれる)は、(i)電子ビーム2を発生させ、加速し、走査し、集束させる走査型電子顕微鏡カラム1と、(ii)1またはそれ以上の膜で密閉される1またはそれ以上のアパーチャを含むインターフェース3と、(iii)任意選択のメカニカル・ステージ7に接続される試料ホルダ(図示せず)と、(iv)コンピュータ16と、(v)コントローラ17と、(vi)高電圧供給部18と、(vii)低電力供給部およびスキャナ19と、(viii)データ取得および画像グラバ20と、(ix)1またはそれ以上のポンプ15と、(x)それらに限定されないがスペクトロメータ・コントローラおよびプロセッサ21、(低エネルギー電子12を検出するための)側方電子検出器8、(高エネルギー電子13を検出するための)中央電子検出器9、(光子14を検出するための)光子検出器またはスペクトロメータ10、(電子ビーム2と物体6との間の相互作用に対する応答として発生した電流を測定する)ピコ・アンペア計11など、1またはそれ以上の検出器とを含む。ほんの少数の上述の検出器のうちただ1つだけをシステム30内に含んでよいことに留意されよう。
【0115】
システム30は、物体6の画像、すなわち物体6の2次元マップを生成し、点分析を実施する、またはスペクトルをもたらすことができる。コンピュータ16およびコントローラ17は、システム30のさまざまな構成要素のパラメータおよび動作を制御する。
【0116】
真空環境が符号4で示され、非真空環境が符号5で示される。
【0117】
好適には、電子ビーム2は、インターフェース3の1またはそれ以上のアパーチャを通過して物体6に衝突するなどのために、物体6の方に向けられる。衝突電子は、二次電子、後方散乱電子、特性X線、および場合によってはカソードルミネセンスを発生させる。カソードルミネセンスは、表面特性でも、マーカまたは標識分子からの光放出によるものでもよい。放出された信号は、上述の検出器のうち1つを用いて検出される。
【0118】
図2aおよび図2bは、本発明の一実施形態によるシステム31、および本発明の一実施形態によるシステム32を示す。図2aは、SEMカラム1、検出器4,5,6、ならびにインターフェース3を含む単一組立体を示す。
【0119】
図2bは、SEM101に接続されるアダプタ・チャンバ102を示す。SEM101は、アダプタ・チャンバ102なしで動作することができ、市場で入手可能などんなSEMでもよい。アダプタ・チャンバ102は、真空環境を維持し、検出器4,5,6、インターフェース3、ならびにSEMインターフェース103を含み、SEMインターフェース103は、SEM101に接続し、物体6が中に配置される非真空環境からSEM101を密閉することができる。
【0120】
図3aおよび図3bは、本発明の一実施形態によるシステム33、および本発明の一実施形態によるシステム34を示す。
【0121】
図3aは、SEM101に接続されるアダプタ・チャンバ103を示す。SEM101は、アダプタ・チャンバ101なしで動作することができ、市場で入手可能などんなSEMでもよい。
【0122】
非真空チャンバ104は、アダプタ・チャンバ103内部に配置され、またはアダプタ・チャンバ103によって少なくとも部分的に取り囲まれる。アダプタ・チャンバ103は、真空環境を維持し、検出器4,5,6、インターフェース3、ならびにSEMインターフェース103を含み、SEMインターフェース103は、SEM101に接続し、物体6が中に配置される非真空チャンバ104からSEM101を密閉することができる。
【0123】
図3bは、物体6をタイトルの付いた形で(非垂直に)照明する傾斜したSEMカラム1’を含む、システム34を示す。SEMカラム1’は、固定とすることができ、またはその光軸と試料6との間の角度を変更するために(任意選択で非傾斜位置に)回転させることができる。
【0124】
アパーチャ・アレイ
アパーチャ・アレイは、異なる面積および厚さの膜で密閉される、異なるサイズのアパーチャ・アレイを含むことができる。図4に示すように、異なるアパーチャを同じ平面に配置することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。例えば、図8に示すように、アパーチャおよび膜を互い違いに配置することができる。
【0125】
図4aおよび図4bは、3つのアパーチャ61,62,63、ならびに対応する膜71,72,73を含む、アパーチャ・アレイ60を示す。図4aはアパーチャ・アレイ60の上面図であり、図4aはアパーチャ・アレイ60の側面図である。最大のアパーチャがアパーチャ61であり、その膜(膜71)が最も厚いものである。最小のアパーチャがアパーチャ62であり、その膜(膜72)が最も薄いものである。アパーチャ63の面積は、アパーチャ61の面積よりも小さいが、アパーチャ63の面積よりも大きい。したがって、その対応する膜(膜73)は、膜71よりも薄いが、膜72よりも厚い。3つのアパーチャおよび膜は、同じ平面内に配置される。これらのアパーチャは、同時にまたは別々に照明することができる。
【0126】
より大きなアパーチャは、より厚い膜で密閉すべきである。より大きなアパーチャは、より大きな視野をもたらすが、より厚い膜が分解能を減少させる。したがって、異なる厚さの膜、および異なる面積のアパーチャを含むシステムは、視野と分解能との間の複数のトレードオフを提供することができる。
【0127】
異なるアパーチャには、アパーチャを電子ビーム位置に移動させることによって、かつ/または電子ビームを偏向させることによって、アクセスすることができる。
【0128】
本発明の別の実施形態によれば、アパーチャ・アレイは、均等なサイズのアパーチャ、および好適には均等なサイズの膜を含む。
【0129】
図5aおよび図5bは、アパーチャ・アレイ81,82を示す。アパーチャ・アレイ81は方形アパーチャを含み、アパーチャ・アレイ82は円形アパーチャを含む。単一のアパーチャ・アレイは、異なる形状のアパーチャのアパーチャを含んでよいことに留意されよう。
【0130】
物体のエリア全体は、そのエリアをアパーチャ・アレイで走査することによってイメージングすることができる。走査軸は、アパーチャ・アレイの経度方向軸または緯度方向軸に平行でよいが、これらのアレイに対して方向付けしてもよい。図4のアパーチャ・アレイ81を参照すると、走査軸は(アパーチャ・アレイ81の緯度方向軸と平行して)水平でも、(アパーチャ・アレイ81の経度方向軸と平行して)垂直でも、それらの軸に対して方向付けしてもよい。
【0131】
各アパーチャによってもたらされる視野を実質的に組み合わせると、(連続的ではないが)比較的大きな視野を得ることができることに留意されよう。物体のサブ・エリアの非連続画像は、ナビゲーション段階中に使用することができる。
【0132】
図6a〜図6fは、互いに別々にずれている4つの異なる画像によって完全にイメージングされる、物体の方形エリア80を示す。図6aは方形エリア80を示す。図6bは、方形状のアパーチャを含むアパーチャ・アレイ100を示す。アパーチャ・アレイ100のアパーチャは、方形エリア80の4分の1を一度にイメージングする。図6c〜図6fは、方形エリア80のサブ・エリアの別々にずれている4つの画像を示す。これらの画像を組み合わせて、方形エリア80の画像をもたらすことができる。
【0133】
図7aは、9つのアパーチャを通じて得られた、物体の複数のサブ・エリア68(1)〜68(9)の画像を含む。図7bは、物体のサブ・エリア68(5)の拡大画像である。
【0134】
アパーチャ・アレイは、堆積およびエッチ・バックを含むさまざまな様式で製作することができる。堆積は、アパーチャ・アレイ上に1またはそれ以上の超薄膜を堆積させることを含む。エッチ・バックは、複数のアパーチャを形成するためにプレートをエッチングすることを含む。
【0135】
異なるアパーチャ・アレイまたは異なるアパーチャ・アレイを、交換可能に使用できることに留意されよう。インターフェース3は、複数のアパーチャ・アレイを含むことができ、所与の時点で、1(またはそれ以上の)アパーチャ・アレイを、1またはそれ以上の電子ビームで照明することができる。
【0136】
図8は、3つの段111,113,115を含むインターフェース3を示す。各段は、1またはそれ以上のアパーチャを含むことができる。最下段111が最も高い分解能をもたらすように、最小アパーチャおよび最も薄い膜112を受け入れる。これらのアパーチャと物体との間の距離は最小である。最上段115が(最も低い分解能においてではあるが)最大視野をもたらすように、最大アパーチャおよび最も厚い膜116を受け入れる。中間段113が膜114を含む。
【0137】
図8は、インターフェース3の断面図であることに留意されよう。インターフェース3は、(段113,115がリング状である)環状形状を有することができるが、これは必ずしもそうであるとは限らない。例えば、インターフェース3は方形を有してよい。
【0138】
走査機構
物体のエリアは、次の、(i)電子ビームを静電走査すること、(ii)電子ビームがスポット・モードにある状態で物体を機械的走査して画像を形成すること(これは、非常に小さなアパーチャを利用して、アパーチャのサイズよりも大きな視野をもつ画像を生成したい場合に有用となり得る)、(iii)電子ビームがスポット・モードにある状態で顕微鏡を機械的走査して画像を形成すること(これは、非常に小さなアパーチャを利用して、アパーチャのサイズよりも大きな視野をもつ画像を生成したい場合に有用となり得る)、(iv)アパーチャまたはウィンドウを機械的走査すると同時に、電子ビームがウィンドウ位置に追従するように電子ビームを静電走査すること、のうち少なくとも1つ、または両方の組合せによって走査することができる。
【0139】
検出構成
さまざまな実施形態によれば、1またはそれ以上の検出器を真空環境内に配置することができ、それに加えてまたはその代わりに、1またはそれ以上の検出器を非真空環境内に配置することもできる。両方の組合せを実現することもでき、すなわち、1またはそれ以上の検出器が非真空環境内に配置されるとともに、1またはそれ以上の他の検出器が真空環境内に配置される。
【0140】
図1〜図3bは、真空環境内に配置される検出器を示す。検出器は、例えば、真空環境内部に配置しても、物体とアパーチャとの間に配置しても、アパーチャの周りに配置してもよい。真空環境内に検出器を配置すると、物体と1またはそれ以上のアパーチャとの間の短い動作距離、さらにはそれらの間の非常に短い動作距離の助けとなり、したがって、画像の分解能に寄与することが可能になる。検出器を真空環境内に配置すると、酸化しやすい被覆を使用するように、空気との適合性が低い検出器を使用することが可能にもなる。
【0141】
異なる検出器の使用により、物体の照明されたエリアについてのより多くの情報をもたらすことができること、および複数の検出器を同時に動作させることができることに留意されよう。
【0142】
一実施形態によれば、電子を検出するために1対の検出器が使用される。この対は、後方散乱電子(BSE)検出器、および二次電子(SE)検出器を含む。BSE検出器は、膜と対物レンズとの間に配置することができる。BSE検出器は、一次ビームが通過するのを可能にする開口を画定する環状形状を有することができる。BSE検出器は、トポグラフィ情報を向上させるためにセグメント化することもできる。SE検出器は、一次電子ビームの側方に配置されるEverhart−Thornley検出器(ETD)とすることができる。二次電子は、バイアスされた収集グリッドの助けを借りてETDに引き寄せられる。SE検出器は、一次ビームが通過するのを可能にする開口を画定する環状形状を有することができる。SE検出器は、トポグラフィ情報を向上させるためにセグメント化することもできる。
【0143】
別の実施形態によれば、電子を検出するために1対の検出器が使用される。この対は、BSE検出器および光検出器を含む。両検出器は、同時に動作する。
【0144】
一次電子ビームが通過するのを可能にする開口を有する、膜と対物レンズとの間に配置された放物面鏡は、光を収集して電子経路の側方内に配置された光電子倍増管に向ける。この鏡は、CsIなどの高二次電子エミッタで被覆することができる。この構成では、被覆された鏡に衝突する後方散乱電子が二次電子を発生させ、それがSE検出器により収集される。
【0145】
X線検出器は、材料分析に有用となり得る。そのような分析をイメージング・エンジンに一体化すると、分析すべき物体の位置特定が可能になり、それにより、巨視的分析とは対照的に、より小さな物体に対するより高い感度が可能になる。別の可能性は、画像生成に放出X線を使用することであり、これは一般にX線マッピングと呼ばれる。
【0146】
100ミクロンを上回る動作距離を適用することができる低分解能での分析の場合、X線検出器を真空環境外部に配置することができる。収集効率を上げるために、環状検出器を使用することが好ましい。
【0147】
例えば100ミクロン未満の、より短い動作距離を適用しなければならない高分解能での分析の場合、検出器は真空内部に置かれる。側方検出器が使用される場合、側方検出器は、後方散乱電子、二次電子、および光を検出することができる構成とすることができる。高いX線収集効率に重点が置かれる一代替構成は、PNSensor製の多セル・シリコン・ドリフト検出器(SDD)などの環状X線検出器を使用するものである。
【0148】
真空
SEMカラム1は、真空下で動作する。SEMカラム1は、非密閉アパーチャで分離される、複数の差動排気空間を含むことができる。インターフェース3によりもたらされる密閉は、そのような仕切りを不要にすることができることに留意されよう。真空は、イオン・ポンプ、ターボ・ポンプなど、1またはそれ以上のポンプによって形成できることに留意されよう。このシステムは分離されるため、顕微鏡を、CRTで行われているようにポンプなしで設計することができる。
【0149】
動作距離
動作距離に関連する3つの主要な影響、すなわち分解能、信号対雑音、および検出がある。所与の膜および一次ビーム・エネルギーについて、分解能は、膜内部の散乱から導入されるビーム広がりのため、動作距離に伴って直線的に減少する。第2の影響は、電子の自由平均行程から決まる、非真空雰囲気内でのビームの散乱と関連がある。ガス分子による電子散乱の影響は、ビームの一部分を元のビームから外に偏向させることである。しばしば「スカート(skirt)」と呼ばれる偏向された一部分は、一定の背景信号を形成する。中心ピークは、振幅の低減したビーム・スポットを維持する。第3の影響も、散乱に関連するが、試料から放出された電子に関連する。
【0150】
散乱は、圧力、ガス分子、電子エネルギー、および動作距離と相関関係がある。理想的には、電子が衝突から衝突までの間に移動する平均距離である、電子の平均自由行程未満の状態において動作することが望ましい。数十keVというビーム・エネルギーの場合、この距離は、空気分子では数十ミクロンである。平均自由行程は、He分子の場合激増する。低エネルギー電子の場合、平均自由行程は数ミクロンである。このことは検出信号内に現れ、すなわち、しばしば後方散乱電子と呼ばれる高エネルギー電子の信号は、多数の散乱事象を被る二次電子とは対照的に減衰されず、信号が激減する。
【0151】
所与のビーム・エネルギーについて、分解能を、より薄い膜およびより短い動作距離を使用することにより増大させることができる。
【0152】
STEMモード
このイメージング・モードでは、薄い試料を通る透過電子が検出される。電子検出器は、試料の直下に配置される。この場合、最大分解能が望ましく、最大分解能は、高ビーム・エネルギーを使用すること、およびアパーチャの周りに配置される、高さが動作距離を決定する一体化されたスペーサを使用して動作距離が最小になるように制御することにより、達成することができる。試料と接触するこのスペーサを使用する別の利点は、システムの共振振動数を増大させ、したがってシステムが外部雑音の影響をより受けないようにすることである。
【0153】
1またはそれ以上の電気ビームとの相互作用の結果として物体を通過する電流は、例えばピコ・アンペア計により測定することができる。
【0154】
非真空環境
試料とカラムとの間の環境は、どんな組成でもよい。具体的には、この環境は、少なくとも一部は窒素または乾燥窒素で満たされた空気で満たすことができ、その場合、二次ガス励起による光放出の効率が高い。というのも、この過程の消光剤である酸素がないためである。非真空環境は、少なくとも一部は不活性ガス、具体的にはHeまたはHe混合物で満たすことができ、その場合、電子の平均自由行程がより大きく、それにより、より長い作業者距離における信号対雑音が向上する。
【0155】
電子ビームのアライメント
システム30は、1またはそれ以上の電子ビームを、1またはそれ以上の電子ビームが通過すべき1またはそれ以上のアパーチャに対してアライメントすべきである。アライメントは、次の、(i)1またはそれ以上の電子ビームが1またはそれ以上のアパーチャとアライメントされるようにするアライメント・コイル、(ii)アパーチャ・アレイ(あるいは少なくとも1またはそれ以上の関連アパーチャ)の機械的移動、および(iii)アパーチャ・アレイに対する対物レンズまたは永久磁石の機械的移動、のうち少なくとも1つを利用することができる。この利点は、可動部が真空密閉の部分ではないことである。
【0156】
アパーチャ・アレイ(または関連アパーチャ)の機械的移動は、柔軟なコネクタをアパーチャ・アレイとインターフェースの別の部分との間に使用することにより達成することができる。柔軟なコネクタは、モータ(圧電モータ、リニア・モータなど)によって移動させることができる。
【0157】
図9aは、柔軟なコネクタ40を介してインターフェース3の剛性部分41に接続されるアパーチャ・アレイ81の側面図である。柔軟なコネクタ40は、モータ42により移動される。モータは、それに加えてまたはその代わりに、アパーチャ・アレイ81を移動させることもできることに留意されよう。
【0158】
本発明の一実施形態によれば、より短い動作距離をもたらすために、モータはより高い位置に配置される。図9bは、インターフェース3の剛性部分44に接続されるモータ42を示す。剛性部分44は、柔軟なコネクタ45を介してインターフェース3の別の部分46に接続される。
【0159】
第1の構成では、変位すべき質量がより小さいが、柔軟なコネクタ40を移動させるためのアクチュエータを組み込むことにより、物体と磁極片との間の動作距離に機械的制約が課される。第2の構成では、より大きな質量が変位されるが、物体と磁極片との間の動作距離を減少させることができる。
【0160】
上述のアライメント方法のどちらか一方を、アパーチャ・アレイの1またはそれ以上のアパーチャを選択するためにも使用することができる。
【0161】
アパーチャの機械的アライメントの場合、移動を、コントローラにより制御された状態で電動化することができ、途切れのない動作を可能にするように、位置を較正または予め設定することができる。
【0162】
柔軟なコネクタを使用して、物体とアパーチャとの間の距離を、試料面に垂直な方向にウィンドウを移動させることによって制御することもできる。これには、小さな質量を移動させながら、物体とアパーチャとの間の固定距離を維持するという利点がある。図9cは、柔軟なコネクタ40の向かい合う2つの側に配置された2つのモータを示す。これらのモータ42は、それらにより垂直移動の導入が可能になるような形で、柔軟なコネクタの向かい合う2つの側に接続される。
【0163】
物体は膜に、例えば膜が液体またはエマルジョンである場合に、接触することもできる。この場合、膜内での電子散乱がスポット広がりに反映されないので、分解能が最大になる。
【0164】
試料−ウィンドウ距離測定
物体アパーチャ距離は、次の技法のうち少なくとも1つによって測定することができる。(i)物体を照明し、検出信号振幅を測定し、それを較正曲線と比較すること。好適には、較正曲線は、非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する。物体とアパーチャとの間の距離が低減される場合、検出信号は平均自由行程距離に達するまである一定の割合で増大し、そこから増大割合が激減するはずである。(ii)物体とアパーチャとの間にあるガスの放出X線光子のカウントを測定すること。カウント数は、ビーム電流および相互作用容積によって変わる。相互作用容積は、その距離によって変わる。(iii)例えば静電容量測定、三角測量、および例えば光学顕微鏡法で使用される他の一般的な技法に基づく一体化された距離測定デバイスなどの、電子ビーム非関連技法を使用すること。
【0165】
さまざまな構成
図1〜図3bは、独立型システムを示す。他の構成が利用できることに留意されよう。例えば、システム30を別ツールまたはシステムと一体化することができ、1またはそれ以上の検出器を非真空環境内に配置することができる。
【0166】
本発明の別の実施形態によれば、システム30を別ツールと一体化することができる。
【0167】
図10は、一緒に一体化されてシステム73となる、SEMカラム1および(光学顕微鏡などの)別ツール70を示す。SEMカラム1はインターフェース3を含み、インターフェース3は真空チャンバ72の一部分である。別ツールは真空内で動作せず、したがってそのようなチャンバを必要としない。物体6がステージ76により支持され、ステージ76は物体6を、物体6が別ツール70またはSEMカラム1から注視することができるように移動させることができる。それに加えてまたはその代わりに、システム30および別ツールが物体を観察するために使用される。別ツールは、より低分解能またはより高分解能のものとすることができる。より低分解能のツールは、光学顕微鏡とすることができる。光学顕微鏡は、関心領域を位置特定するのに使用することができる。別ツールおよび走査型電子顕微鏡カラムは、異なる視線によって特徴付けることができる。別ツールは、物体のある特定のエリアを注視することができ、次いで、そのエリアを走査型顕微鏡が注視するのを可能にする情報を送出する。複数のカラム構成においてターゲットを位置特定する本方法は、当技術分野で既知であり、その方法をこの目的のために利用することができる。例えば、Applied Materials Inc.のSEM G3 FIBは、互いに平行なSEMカラムおよび集束イオン・ビーム(FIB)カラムを含んでいる。FIBカラムおよびSEMカラムは、互いに離隔されるが、同じエリアをそれらのカラムが(異なる時点で)注視するのを可能にする情報を共有する。
【0168】
SEMカラムおよび別ツールを、相互に対して方向付けできることにさらに留意されよう。FEIのいくつかのデュアル・カラム・ツールは、そのような傾斜構成を使用する。
【0169】
本発明のさまざまな実施形態によれば、別ツールを、非真空内で動作する光学ツールとすることができる。この場合、SEMは、レシピ最適化中のパラメータ・チューニングを助けるために、また欠陥分類に関する結果をレビューするために使用することができる。さらに別の例では、SEMを、検査ツールによって発見された欠陥のX線分光を使用して、元素組成をキャラクタリゼーションするために使用することができる。
【0170】
本発明のさまざまな実施形態によれば、SEMは、次の、(i)原子間力顕微鏡、(ii)光学レビュー・ツール、の少なくとも一方を含むことができるツールの一部分である。
【0171】
SEMは、(i)空気中での電圧コントラストのイメージング、(ii)空気中でのフォト・レジスト上への電子ビーム・リソグラフィ、(iii)硬化前のフォト・レジストなど、真空と適合性のないウェーハおよびプロセスの高分解能イメージング、(iv)真空環境により影響を受けるウェーハおよびプロセス、または汚染分子の単層の付着形成に影響されやすいウェーハおよびプロセスのイメージングおよび分析、(v)材料分析用のX線放出の励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(vi)厚さ測定用のX線放出の励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(vii)密度測定用のX線ミッションの励起、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(viii)側壁のイメージングおよび分析、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、(ix)側壁の厚さのイメージングおよび測定、ただし画像は、既知の位置を発見し、正確な位置に対する分析結果を生成するために使用することができる、などを含むがそれらに限定されない、さまざまな目的に使用することができる。
【0172】
本発明の一実施形態によれば、SEMは、化学気相成長(CVD)、化学的機械的ポリッシャ(CMP)、電気化学堆積(ECP)、エッチャなどのプロセス・ツールに一体化して、プロセス厚さを制御するのに使用することができる。
【0173】
図11は、本発明の一実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法200を示す。
【0174】
方法200は、段階210、ならびに任意選択で段階212,214のうち1またはそれ以上から開始する。
【0175】
段階212は、検出を向上させるなどのために、非真空環境にガス混合物を導入する段階を含む。ガス混合物は、例えば窒素、またはHeに富んだ混合物を含むことができる。
【0176】
段階214は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階を含む。段階214は、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、少なくとも1つのアパーチャを機械的に移動させることによってアライメントする段階を含むことができる。それに加えてまたはその代わりに、段階214は、少なくとも1つの電子ビームを複数の方向に偏向させる段階、および少なくとも1つの電子ビームがいつアライメントされたかについて求めるために、検出信号の強度をカウントする段階を含む。
【0177】
段階210は、真空環境内で少なくとも1つの電子ビームを発生させる段階を含む。
【0178】
段階210の後に、少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階220が続く。少なくとも1つの電子ビームは、物体の方に向けられる。少なくとも1つの電子ビームの光軸は、物体に垂直(非傾斜構成)でも、非垂直(傾斜構成)でもよいことに留意されよう。
【0179】
段階220の後に、少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階230が続く。
【0180】
段階230は、次の、(i)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した電子を検出する段階、(ii)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生した光子を検出する段階、(iii)少なくとも1つの電子ビームと物体との間の相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階、(iv)真空環境内に配置された検出器により粒子を検出する段階、(v)非真空環境内に配置された検出器により粒子を検出する段階、(vi)相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階、および(vii)物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0181】
本発明のさまざまな実施形態によれば、段階220は、次の、(i)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階、(ii)電子ビームに、選択されたアパーチャを通過させる段階、(iii)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階、(iv)少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャがアパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される、段階、(v)少なくとも1つの電子ビームに、少なくとも1つの膜を通過させる段階であって、ある特定の膜が別の膜よりも高分解能の画像の取得を可能にする、段階、(vi)通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階であって、第1のフェーズが物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの膜を通過させる段階を含み、第2のフェーズが物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他の膜を通過させる段階を含む、段階、ならびに(vii)複数の電子ビームをアパーチャ・アレイの複数のアパーチャに通過させる段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0182】
図12は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法300を示す。
【0183】
方法300は、低分解能イメージング・プロセスを使用して、物体の関心領域を位置特定する段階310から開始する。
【0184】
段階310の後に、段階210〜230が続く。任意選択の段階212および214のうち少なくとも一方を、方法300内に含むこともできることに留意されよう。
【0185】
図13は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法400を示す。
【0186】
方法400は、段階210〜230の特徴である分解能範囲とは異なる分解能範囲によって特徴付けられる観察プロセスを利用する段階410から開始する。
【0187】
段階410の後に、段階210〜230が続く。任意選択の段階212および214の少なくとも一方を、方法400内に含むこともできることに留意されよう。
【0188】
段階210〜230の後に、段階410が続いてよいことに留意されよう。
【0189】
好適には、段階410は、次の、(i)原子間力顕微鏡法、(ii)光学検査プロセス、の少なくとも一方、またはそれらの組合せを含む。
【0190】
図14は、本発明の別の実施形態による、非真空環境内に配置される物体を観察する方法500を示す。
【0191】
方法500は、物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ少なくとも1つの電子ビームが通過する少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階510から開始する。
【0192】
図15a〜図15cは、本発明の一実施形態による走査中のアパーチャの複数の部分、および電気ビームの複数の向きを示す。物体が走査線50に従って走査されると仮定する。走査線50は、右端51および左端53により範囲が区切られる。走査線50の中央は、符号52で示される。図15aは、電子ビーム2が右端51の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある右側位置まで移動される時点を示す。図15bは、電子ビーム2が中央52の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある中央位置まで移動される時点を示す。図15cは、電子ビーム2が左端53の方に偏向され、アパーチャ55は、電子ビーム2がアパーチャ55を通過するのを可能にするためにある左側位置まで移動される時点を示す。
【0193】
段階510は、物体の少なくとも1つのサブ・エリアを観察するために、段階210〜230を繰り返し実施する段階と、物体の別の1またはそれ以上のサブ・エリアの観察を容易にするために、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ対応する機械的移動を導入する段階505を実施する段階と、段階210〜230を反復する、または段階510を終了させる段階とを含む。
【0194】
任意選択の段階212および214の少なくとも一方を、方法500内に含むこともできることに留意されよう。
【0195】
好適には、段階510は、次の、(i)物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階、(ii)物体の少なくとも1つのエリアを、少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、アパーチャ・アレイを含む構成要素が真空環境と非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に接続される、段階、(iii)物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階、(iv)物体の複数のエリアを、アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつアパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階、(v)物体のエリアを、少なくとも1つの電子ビームを真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階、のうち少なくとも1つ、またはそれらの組合せを含む。
【0196】
付録A−カーボン膜中の電子の透過率
電子がカラム内を移動する真空と非真空内にある試料との間のインターフェースは、超薄膜である。この膜は、次の基準を満たさなければならない。(i)機械的強度。真空と非真空雰囲気との間の圧力差に耐えるため。機械的強度は、膜の面積、その厚さ、およびそのヤング率によって変わる。所与の材料について、膜の厚さとその面積との間のトレードオフがある。圧力差pを分離する半径rおよび厚さtの円形ウィンドウの場合の最大半径方向応力σは、σ≒pr2/t2に比例する。
【0197】
所与の降伏応力σyieldおよび圧力差について、最小膜厚さtminはフォイルの半径によって変わり、tmin≒(pr2/σyield)1/2である。(ii)電子光学系。最大分解能を達成するために、膜は一次ビームに対して最小限の影響を及ぼすべきである。スポット・サイズに影響を及ぼす2つの要因がある。(ii.a)膜との相互作用による電子の散乱。散乱は、一次ビーム・エネルギー、膜の厚さおよび密度によって変わる。最適には、低密度材料から作られた最も薄い利用可能な膜を使用することになる。この散乱は、元のスポット・サイズの広がり、または散乱角を誘起する。したがって、所与の膜および加速電圧について、試料面上のスポット径は、膜と試料との間の動作距離に伴って直線的に増加する。(ii.b)非真空雰囲気との相互作用による電子の散乱。この散乱および短い動作距離下での動作の問題については、本明細書において後に取り上げる。(iii)信号対雑音比。最大限の一次電子が試料に達し、試料から放出された最大限の電子および光子が検出器に達するのを可能にするため。
【0198】
カーボン膜(密度=2.25g/cm3)中の電子の透過率を、異なるエネルギーおよび厚さについて、H.−J.Fittingの実験式(Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena 136(2004)265−272)を使用して計算した結果、およびいくつかの元素のX線光子の透過率を、NISTデータベースから得られた減衰係数に基づいて計算した結果を表1に示す。
【0199】
Fittingによれば、E0=10keV未満のエネルギー領域において、飛程−エネルギー関係R=900ρ−0.8E1.30が判明している。RはÅ単位であり、ρはg/cm3単位であり、E0はkeV単位である。
【0200】
吸収/散乱が本質的に一続きのものであると仮定すると、rに関する透過率T(r)=0.01r/Rを導出することができる。
【0201】
光子透過率は、I=I0exp−μ(λ)dに従って計算され、ただしI0は膜に達した光子の数であり、Iは透過した光子の数であり、dは膜の厚さである。測定単位がcm−1である数μ(λ)は線減衰係数と呼ばれ、これは一次放射の波長λおよび層の密度によって変わる。
【表1】
【0202】
このデータから、いくつかの総括的な結論を導くことができる。5000eVよりも高いエネルギーを有する一次電子ビームの場合、100nm未満の厚さを有する膜は、高度に透過性である。より低いエネルギーでは、膜の厚さが透過率に大きな影響を及ぼす。X線光子の場合、膜は高度に透過性である。これは、可視光の場合にもそうである。
【0203】
顕微鏡の設計の指針が分解能であるため、当面の結論は、可能な限り薄い膜を使用しなければならないということである。このことは、幸いなことに、最適化された検出に好都合でもある。しかし、機械的適合性から、このことは、膜のサイズが制限されることを意味する。したがって、問題は、どうすれば数ナノメートルまたは数十ナノメートルの厚さを有する超薄膜が得られるかということになる。そのような膜は、その面積が小さい場合、圧力差に耐えることができる。式2から、所与の材料および圧力差について、厚さの減少はウィンドウ・サイズの減少に伴って直線的に変わることがわかる。したがって、非真空内を移動する高分解能電子ビームを得る鍵は、小面積の超薄膜を使用することである。例えば、画像6および17では、50×50ミクロン2の寸法を有する30nmのSiNウィンドウを使用していた。技術的には、膜の面積を制限するいくつかの様式がある。支持体上の超薄膜は一般に、2つの異なる手法によって実現することができる。
【0204】
第1の手法は堆積法である。超薄層が支持構造に堆積またはもたらされる。最も簡単な支持構造はアパーチャであり、アパーチャにより利用できる膜のサイズが決まる。この手法は、TEMグリッドの準備の際に使用されており、この場合、厚さ10nm未満のカーボン層がグリッド上に慣例的に配置される。
【0205】
第2の手法は、エッチ・バック法である。超薄層Aを基板B上に堆積させ、次いでBを定義された領域内でエッチ・バックして、B上に超薄ウィンドウAを形成する。これは、例えばSi上のSiNまたはSiO2の場合である。AとBをどちらも、イオン・ミリングによって薄層化することもできる。これは画像4に見られ、この場合、Siに開いた、角錐の形状を有する開口をエッチ・バックして、SiNウィンドウが形成される。空気中の、ウィンドウよりも15ミクロン下方にあるCuグリッドがはっきりと見られる。
【0206】
膜またはウィンドウのサイズにより、顕微鏡の利用できる視野が決まる。高分解能顕微鏡を用いて作業する際、一般的な慣行は、まず小倍率(大きな視野)を使用して関心のあるエリアまたは特徴を位置特定し、その特徴を高分解能視野の中央に、例えば可動ステージを使用して移動させ、その特徴の高分解能画像を得るためにより小さな視野に変更することである。以下では、視野と分解能との間の明らかな矛盾を、物体を大きな視野内で位置特定するための使いやすさとともに、高分解能をもたらす小さなウィンドウを有するという制限を可能にすることで解決する仕方について説明する。
【0207】
図18a〜図18cは、10nmの厚さのカーボン膜を通して得られたグリッドの画像である。これらの画像は、角錐状アパーチャも含んでいる。画像18a〜18cは、互いに倍率レベルが異なる。第1の画像は、グリッドを示す小倍率画像である。この画像において、関心エリアが発見される。第2の画像は、関心エリアのより高倍率の画像である。
【0208】
本発明は、従来型のツール、方法、および構成要素を使用して実施することができる。したがって、そのようなツール、構成要素、および方法の詳細は、本明細書に詳細に記載されていない。先の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、本発明は、具体的に記載された詳細を用いずに実施できることを理解されたい。
【0209】
本開示では、本発明の広い用途のうち数例の他は、本発明の例示的諸実施形態のみが示され、記載される。本発明は、さまざまな他の組合せおよび環境において使用することができ、本明細書に表記される本発明の概念の範囲内にある変更形態または修正形態が可能であることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非真空環境内に配置される物体を観察する方法において、
真空環境内で発生される少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および前記少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階であって、前記少なくとも1つの電子ビームが前記物体の方に向けられ、前記少なくとも1つの超薄膜は前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、段階と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記通過させる段階は、少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記通過させる段階の前に、前記アパーチャ・アレイのアパーチャを選択する段階が実施され、前記通過させる段階が電子ビームに、前記選択されたアパーチャを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、前記アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階を含み、
前記第1のフェーズは、前記物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記第2のフェーズは、前記物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他のアパーチャを通過させる段階を含む、
段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記通過させる段階の前に、低分解能イメージング・プロセスを使用して前記物体の関心領域を位置特定する段階が実施され、前記通過させる段階は、前記関心領域の方に向けられた少なくとも1つの電子ビームを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記通過させる段階および検出する段階は、第1の分解能範囲によって特徴付けられ、前記方法がさらに、異なる分解能範囲によって特徴付けられる別の観察プロセスを利用する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記別の観察プロセスは、原子間力顕微鏡法を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記別の観察プロセスは、光学検査プロセスを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記少なくとも1つの電子ビームが通過する前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、それが備える構成要素は、前記真空環境と前記非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記物体のエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを前記真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した電子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した光子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記非真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの電子ビームの光軸は、前記物体に非垂直であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記検出する段階を向上させるなどのために、前記非真空環境にガス混合物を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記非真空環境に窒素を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記非真空環境にHeに富んだ混合物を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、前記少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
アパーチャと前記物体との間の距離を繰り返し変更し、前記物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、前記測定結果を前記非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求める段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項33】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記物体と前記アパーチャとの間にある前記非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求める段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項34】
非真空環境内に配置される物体を観察する方法において、
前記物体の少なくとも1つのエリアを、
真空環境内で発生された少なくとも1つの電子ビームを偏向させて、前記少なくとも1つの電子ビームは、超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを通過するのを可能にすることであって、前記少なくとも1つの超薄膜が前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐えること、および
前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入すること、
によって走査する段階と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体の前記少なくとも1つのエリアとの間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを備えることを特徴とするインターフェース。
【請求項36】
前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項37】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項38】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項39】
走査型電子顕微鏡において、
真空環境内に配置された電子ビーム源であって、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される、電子ビーム源と、
前記真空環境と物体が中に配置される非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを備える、インターフェースと、
前記少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、前記非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
【請求項40】
前記電子光学系は、少なくとも1つの電子ビームを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャの方に向けることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項41】
前記アパーチャ・アレイのアパーチャを選択し、次いで電子ビームを、前記選択されたアパーチャを経由して向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項42】
前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項43】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項44】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項45】
前記物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャを経由して向け、次いで、前記物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つの他のアパーチャを経由して向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項46】
低分解能イメージング・プロセスを使用して前記物体の関心領域を位置特定し、次いで、前記関心領域の方に少なくとも1つの電子ビームを向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項47】
前記電子ビームによりもたらされる分解能とは別の分解能によって特徴付けられる別の観察ツールをさらに備えることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項48】
前記別の観察ツールは、原子間力顕微鏡であることを特徴とする請求項47記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項49】
前記別の観察ツールは、光学検査ツールであることを特徴とする請求項47記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項50】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記少なくとも1つの電子ビームが通過する前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項51】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項52】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合され、前記アパーチャ・アレイを備える構成要素が前記真空環境と前記非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項53】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項54】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項55】
前記物体のエリアを走査するなどのために前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、前記真空環境内に配置された偏向器を備えることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項56】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した電子を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項57】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した光子を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項58】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生したX線放出を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項59】
前記検出器は、前記真空環境内に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項60】
前記検出器は、前記非真空環境内に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項61】
前記少なくとも1つの電子ビームの光軸は、前記物体に非垂直であることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項62】
前記検出器は、前記相互作用の結果として発生した電子電流を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項63】
前記検出器は、前記物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項64】
前記検出を向上させるなどのために、前記非真空環境にガス混合物を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項65】
前記非真空環境に窒素を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項66】
前記非真空環境にHeに富んだ混合物を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項67】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントするために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項68】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、前記少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントするために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項69】
アパーチャと前記物体との間の距離を繰り返し変更し、前記物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、前記測定結果を前記非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項70】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求めるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項71】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記物体と前記アパーチャとの間にある前記非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求めるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項72】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースにおいて、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐え、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを備え、前記少なくとも1つのアパーチャを備える構成要素は、前記インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合されることを特徴とするインターフェース。
【請求項73】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項74】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項75】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項76】
走査型電子顕微鏡において、
真空環境内に配置された電子ビーム源であって、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される、電子ビーム源と、
真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐え、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを備え、前記少なくとも1つのアパーチャを備える構成要素が前記インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、インターフェースと、
前記少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、前記非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合される電子光学系と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
【請求項1】
非真空環境内に配置される物体を観察する方法において、
真空環境内で発生される少なくとも1つの電子ビームに、アパーチャ・アレイの中から少なくとも1つのアパーチャ、および前記少なくとも1つのアパーチャを密閉する少なくとも1つの超薄膜を通過させる段階であって、前記少なくとも1つの電子ビームが前記物体の方に向けられ、前記少なくとも1つの超薄膜は前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、段階と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記通過させる段階は、少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記通過させる段階の前に、前記アパーチャ・アレイのアパーチャを選択する段階が実施され、前記通過させる段階が電子ビームに、前記選択されたアパーチャを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階であって、前記アパーチャ・アレイの各アパーチャが単一の水平面に配置される、段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの電子ビームに、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にする
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
通過させる段階および検出する段階からなる第1の反復、ならびに通過させる段階および検出する段階からなる第2の反復を実施する段階を含み、
前記第1のフェーズは、前記物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つのアパーチャを通過させる段階を含み、
前記第2のフェーズは、前記物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームに少なくとも1つの他のアパーチャを通過させる段階を含む、
段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記通過させる段階の前に、低分解能イメージング・プロセスを使用して前記物体の関心領域を位置特定する段階が実施され、前記通過させる段階は、前記関心領域の方に向けられた少なくとも1つの電子ビームを通過させる段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記通過させる段階および検出する段階は、第1の分解能範囲によって特徴付けられ、前記方法がさらに、異なる分解能範囲によって特徴付けられる別の観察プロセスを利用する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記別の観察プロセスは、原子間力顕微鏡法を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記別の観察プロセスは、光学検査プロセスを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記少なくとも1つの電子ビームが通過する前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階であって、それが備える構成要素は、前記真空環境と前記非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記物体のエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを前記真空環境内に配置された偏向器により偏向させることによって走査する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した電子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した光子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生したX線放出を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
前記真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記非真空環境内に配置された検出器によって粒子を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの電子ビームの光軸は、前記物体に非垂直であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記相互作用の結果として発生した電子電流を検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記検出する段階を向上させるなどのために、前記非真空環境にガス混合物を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記非真空環境に窒素を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記非真空環境にHeに富んだ混合物を導入する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、前記少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントする段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
アパーチャと前記物体との間の距離を繰り返し変更し、前記物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、前記測定結果を前記非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求める段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項33】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記物体と前記アパーチャとの間にある前記非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求める段階を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項34】
非真空環境内に配置される物体を観察する方法において、
前記物体の少なくとも1つのエリアを、
真空環境内で発生された少なくとも1つの電子ビームを偏向させて、前記少なくとも1つの電子ビームは、超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを通過するのを可能にすることであって、前記少なくとも1つの超薄膜が前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐えること、および
前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入すること、
によって走査する段階と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体の前記少なくとも1つのエリアとの間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを備えることを特徴とするインターフェース。
【請求項36】
前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項37】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項38】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項35記載のインターフェース。
【請求項39】
走査型電子顕微鏡において、
真空環境内に配置された電子ビーム源であって、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される、電子ビーム源と、
前記真空環境と物体が中に配置される非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐える、少なくとも1つの超薄膜で密閉されたアパーチャ・アレイを備える、インターフェースと、
前記少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、前記非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合された電子光学系と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
【請求項40】
前記電子光学系は、少なくとも1つの電子ビームを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャの方に向けることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項41】
前記アパーチャ・アレイのアパーチャを選択し、次いで電子ビームを、前記選択されたアパーチャを経由して向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項42】
前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項43】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項44】
前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項45】
前記物体の少なくとも一部分の第1の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャを経由して向け、次いで、前記物体の少なくとも一部分の第2の分解能画像をもたらすために、少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つの他のアパーチャを経由して向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項46】
低分解能イメージング・プロセスを使用して前記物体の関心領域を位置特定し、次いで、前記関心領域の方に少なくとも1つの電子ビームを向けるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項47】
前記電子ビームによりもたらされる分解能とは別の分解能によって特徴付けられる別の観察ツールをさらに備えることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項48】
前記別の観察ツールは、原子間力顕微鏡であることを特徴とする請求項47記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項49】
前記別の観察ツールは、光学検査ツールであることを特徴とする請求項47記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項50】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記少なくとも1つの電子ビームが通過する前記少なくとも1つのアパーチャの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項51】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項52】
前記物体の少なくとも1つのエリアを、前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査し、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入するために適合され、前記アパーチャ・アレイを備える構成要素が前記真空環境と前記非真空環境とを分離するインターフェースの別の構成要素に柔軟に結合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項53】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させることによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項54】
前記物体の複数のエリアを、前記アパーチャ・アレイの複数のアパーチャを通過する前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、かつ前記アパーチャ・アレイの対応する機械的移動を導入することによって走査するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項55】
前記物体のエリアを走査するなどのために前記少なくとも1つの電子ビームを偏向させ、前記真空環境内に配置された偏向器を備えることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項56】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した電子を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項57】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生した光子を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項58】
前記検出器は、前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の前記相互作用に応答して発生したX線放出を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項59】
前記検出器は、前記真空環境内に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項60】
前記検出器は、前記非真空環境内に配置されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項61】
前記少なくとも1つの電子ビームの光軸は、前記物体に非垂直であることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項62】
前記検出器は、前記相互作用の結果として発生した電子電流を検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項63】
前記検出器は、前記物体、蛍光マーカ、またはガス分子の電子励起により放出された光のカソードルミネセンスを検出することを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項64】
前記検出を向上させるなどのために、前記非真空環境にガス混合物を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項65】
前記非真空環境に窒素を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項66】
前記非真空環境にHeに富んだ混合物を導入するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項67】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャとアライメントするために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項68】
前記少なくとも1つの電子ビームを少なくとも1つのアパーチャと、前記少なくとも1つのアパーチャの機械的移動を導入することによってアライメントするために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項69】
アパーチャと前記物体との間の距離を繰り返し変更し、前記物体から放出された電子を測定して測定結果をもたらし、前記測定結果を前記非真空環境内での電子の平均自由行程に応答する較正曲線と比較するために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項70】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記非真空環境内での電子の予想平均自由行程に基づいて求めるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項71】
アパーチャと前記物体との間の距離を、前記物体と前記アパーチャとの間にある前記非真空環境内のガスの放出X線光子のカウントに基づいて求めるために適合されることを特徴とする請求項39記載の走査型電子顕微鏡。
【請求項72】
真空環境と非真空環境との間のインターフェースにおいて、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐え、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを備え、前記少なくとも1つのアパーチャを備える構成要素は、前記インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合されることを特徴とするインターフェース。
【請求項73】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの各アパーチャは、単一の水平面に配置されることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項74】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャとは異なる高さのところに配置されることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項75】
前記アパーチャがアパーチャ・アレイを備え、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つのアパーチャは、前記アパーチャ・アレイの少なくとも1つの他のアパーチャよりも高分解能の画像の取得を可能にすることを特徴とする請求項72記載のインターフェース。
【請求項76】
走査型電子顕微鏡において、
真空環境内に配置された電子ビーム源であって、少なくとも1つの電子ビームを発生させるために適合される、電子ビーム源と、
真空環境と非真空環境との間のインターフェースであって、電子を実質的に透過し、かつ前記真空環境と前記非真空環境との間の圧力差に耐え、少なくとも1つの超薄膜で密閉された少なくとも1つのアパーチャを備え、前記少なくとも1つのアパーチャを備える構成要素が前記インターフェースの別の構成要素に柔軟に結合される、インターフェースと、
前記少なくとも1つの電子ビームを、少なくとも1つのアパーチャを経由して、前記非真空環境内に配置された物体の方に向けるために適合される電子光学系と、
前記少なくとも1つの電子ビームと前記物体との間の相互作用に応答して発生した粒子を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図18c】
【公表番号】特表2010−509709(P2010−509709A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534051(P2009−534051)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/IL2007/001265
【国際公開番号】WO2008/050321
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(509116808)ビー・ナノ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】B−NANO Ltd.
【住所又は居所原語表記】Omer Industrial Park, Pob 3010,84965 Omer,Israel
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【国際出願番号】PCT/IL2007/001265
【国際公開番号】WO2008/050321
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(509116808)ビー・ナノ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】B−NANO Ltd.
【住所又は居所原語表記】Omer Industrial Park, Pob 3010,84965 Omer,Israel
【Fターム(参考)】
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