説明

インターフェースシステム、撮像装置、及びホスト装置

【課題】電力供給端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合であっても、デバイス側からホスト側に電力を供給することができるインターフェースシステムを提供する。
【解決手段】インターフェースシステム(1)は、第1の装置(100)と第2の装置(300)とを備える。また、第1の装置は、VBUS端子とID端子とを備るコネクタ(21)と、VBUS端子に電力を供給する電力供給部(22)と、電力を供給後の所定の期間に、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、第2の装置がホストであると判定する判定部(271)とを備える。また、第2の装置は、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号をID端子に出力する発振部(33)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターフェースシステム、撮像装置、及びホスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用のインターフェースシステムとしてUSB(Universal Serial Bus)インターフェースシステムが知られている。USBインターフェースシステムに接続される装置の種類には、ホスト、デバイス、及びホストとデバイスとの両方になることができるデュアルロールデバイスがある。ホストは、通信を制御するパーソナルコンピュータなどの装置であり、デバイスは、通信を制御される周辺機器などの装置である。また、USBインターフェースシステムには、VBUS端子を介して、USBインターフェースシステムに接続される装置に電源電力を供給することができる仕様になっている。
ところで、USBインターフェースシステムにおいて、VBUS端子を介して電力供給を受けられる装置はデバイスであるが、携帯機器の普及や装置の多様化によって、ホストにおいてもVBUS端子(電力供給端子)を介して電力供給を受ける要求が高まっている。例えば、デバイスであるカメラ(撮像装置)と、無線LAN(Local Area Network)を用いたワイヤレストランスミッタ(以下、WTという)とを接続する場合に、カメラからWTに電力を供給することがある。このようなインターフェースシステムでは、デバイスからホストに電力を供給する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−25405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているインターフェースシステムでは、VBUS端子を介してホストに電力を供給する装置(撮像装置)は、デバイスに使用するコネクタであるBレセプタクル(例えば、Mini−Bレセプタクル)を備えることが前提であった。つまり、VBUS端子を介してホストに電力を供給する上述の装置(撮像装置)は、自装置は常にデバイスであり、接続される装置はホストに限定される。そのため、特許文献1に記載されているインターフェースシステムでは、接続される装置の種類(ホスト及びデバイスのいずれか)が予め定められていない場合には、対応できないことがあった。
つまり、特許文献1に記載されているインターフェースシステムでは、電力供給端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合には、デバイス側からホスト側に電力を供給できないことがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、電力供給端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合であっても、デバイス側からホスト側に電力を供給することができるインターフェースシステム、撮像装置、及びホスト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、インターフェースを介して接続される第1の装置と第2の装置とを備えるインターフェースシステムであって、前記第1の装置は、接続される前記第2の装置が通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタであって、電力供給端子と前記第2の装置の種類を識別する信号が入力される識別端子とを備るコネクタと、前記電力供給端子に電力を供給する電力供給部と、前記電力を供給後の所定の期間に、前記識別端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、前記第2の装置が前記ホストであると判定する判定部とを備え、前記第2の装置が、前記電力供給端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つ前記ホストである場合には、前記第2の装置は、前記電力供給端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号を前記識別端子に出力する発振部を備えることを特徴とするインターフェースシステムである。
【0007】
また、本発明は、接続される装置が通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタであって、電力供給端子と接続された装置の種類を識別する識別端子とを備るコネクタと、前記電力供給端子に電力を供給する電力供給部と、前記電力を供給後の所定の期間に、前記識別端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、前記接続された装置が前記ホストであると判定する判定部とを備えることを特徴とする撮像装置である。
【0008】
また、本発明は、通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタを備える装置にインターフェースを介して接続されるホスト装置であって、前記ホスト及び前記デバイスのいずれかを接続される装置に識別させる信号が入力される前記コネクタの識別端子に対して、所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部と、前記コネクタの電力供給端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号を前記識別端子に出力する発振部と、前記接続される装置に対してホストとして通信する通信部とを備え、前記接続される装置から前記電力供給端子を介して、動作に必要な電力の供給を受けることを特徴とするホスト装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電力供給端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合であっても、デバイス側からホスト側に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態によるインターフェースシステムを示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態における撮像装置とホスト装置の一部を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態におけるインターフェースシステムの動作を示すタイミングチャートである。
【図4】同実施形態における撮像装置及びホスト装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態における撮像装置の別の接続例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態によるインターフェースシステム、撮像装置及びホスト装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるインターフェースシステム1を示す概略ブロック図である。
本実施形態では、インターフェースシステム1を、撮像装置100とワイヤレストランスミッタ(以下、WTという)300とを接続する例を用いて説明する。
図1において、インターフェースシステム1は、USB(Universal Serial Bus)インターフェースを介して接続される撮像装置100(第1の装置)とWT300(第2の装置)とを備えている。
【0012】
この図において、撮像装置100(第1の装置)は、撮像部10、インターフェース部20、コネクタ21、バッファメモリ部30、画像処理部40、表示部50、記憶部60、通信部70、操作部80、及び制御部90を備える。
【0013】
撮像部10は、設定された撮像条件(例えば、絞り値、露出値など)に基づいて制御部90によって制御される。撮像部10は、光学系11を介した光学像を撮像素子12に結像させ、A/D変換部(アナログ/デジタル)13によって変換された当該光学像に基づく画像データを生成する。撮像部10は、複数のレンズを備える光学系11、撮像素子12、及びA/D変換部13を備える。
なお、上述した光学系11は、撮像装置100に取り付けられて一体とされていてもよいし、撮像装置100に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0014】
撮像素子12は、例えば、受光面に結像した光学像を電気信号(電圧信号)に変換して、A/D変換部13に供給する。撮像素子12の受光面は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの格子状に配置されている複数のイメージセンサで構成され、それぞれのイメージセンサは、結像された光学像を電圧値に変換する。
A/D変換部13は、撮像素子12によって変換された電圧値をアナログ−デジタル変換し、この変換したデジタル信号である画像データを出力する。
【0015】
バッファメモリ部30は、撮像部10によって撮像された画像データを、一時的に記憶する。
画像処理部40は、記憶部60に記憶されている画像処理条件に基づいて、バッファメモリ部30に記憶されている画像データに対して画像処理を実行する。ここでいうバッファメモリ部30に記憶されている画像データとは、画像処理部40に入力される画像データ(入力画像)のことであり、例えば、撮像画像データ、スルー画像データ、又は、記憶媒体200から読み出された撮像画像データのことである。
【0016】
表示部50は、例えば、液晶ディスプレイであり、撮像部10によって得られた画像データや、操作画面等を表示する。
記憶部60は、制御部90によってシーン判定の際に参照される判定条件や、撮像条件、等を記憶する。
【0017】
通信部70は、カードメモリ等の取り外しが可能な記憶媒体200と接続され、この記憶媒体200への撮像画像データの書込み、読み出し、又は消去を行う。
記憶媒体200は、撮像装置100に対して着脱可能に接続される記憶部であり、例えば、撮像部10によって生成された撮像画像データを記憶する。
【0018】
操作部80は、例えば、電源スイッチ、シャッターボタン、十字キー、確定ボタン、削除ボタン、及び、その他の操作キーを含み、ユーザーによって操作されることで、ユーザーの操作入力を受け付けて、制御部90に供給する。
【0019】
制御部90は、例えば、CPU(Central processing unit)などを含み、撮像装置100が備える各構成を制御する。制御部90は、例えば、操作部80を介して撮像指示を受け付けた際に、撮像素子12とA/D変換部13とを介して得られる画像データを、撮像された静止画の撮像画像データとして、記憶媒体200に記憶させる。また、制御部90は、インターフェース部20を制御して、USBインターフェースを介してコネクタ21に接続された装置との間の通信を制御する。
【0020】
バス400は、撮像部10と、インターフェース部20と、バッファメモリ部30と、画像処理部40と、表示部50と、記憶部60と、通信部70、操作部80と、制御部90と、とに接続され、各部から出力された画像データや制御信号等を転送する。
【0021】
インターフェース部20は、コネクタ21を介してWT300(第2の装置)と接続され、WT300との間の通信を行う。
コネクタ21は、接続される装置がホスト及びデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタ(例えば、Mini−ABレセプタクル)である。つまり、コネクタ21は、Mini−Aプラグ及びMini−Bプラグのいずれの場合にも接続可能である。コネクタ21は、VBUS信号線、ID信号線、D+信号線、及びD−信号線を介して、WT300(第2の装置)に接続されている。
なお、ここで、「ホスト」とは、通信を制御する装置、すなわち、通信においてマスターとなる装置のことである。また、「デバイス」とは、通信を制御される装置、すなわち、通信においてスレーブとなる装置のことである。図1において、撮像装置100は、デバイスであり、WT300は、ホスト(ホスト装置)である場合の例である。
【0022】
次に、撮像装置100のインターフェース部20及びコネクタ21と、WT300との構成について、図2を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態における撮像装置100(第1の装置)とホスト装置(第2の装置)の一部を示す概略ブロック図である。
この図において、撮像装置100は、デバイスであり、WT300は、ホスト(ホスト装置)である場合について詳細に説明する。また、WT300(第2の装置)が、VBUS端子(電力供給端子)を介して供給される電力に基づいて動作し、且つホストである場合の例である。
【0023】
まず、撮像装置100のインターフェース部20及びコネクタ21の構成について説明する。
この図において、コネクタ21は、VBUS端子、ID端子、D+端子、及びD−端子を備えている。
VBUS端子(電力供給端子)は、USBインターフェースを介して接続される装置に、電力を供給する端子である。本実施形態では、VBUS端子を介して、撮像装置100からWT300に電力が供給される。
ID端子(識別端子)は、第2の装置(ここでは、WT300)の種類を識別する信号が入力される端子である。
D+端子及びD−端子は、差動信号による差動対によって、データの送受信を行う端子である。撮像装置100は、D+端子及びD−端子を介して、WT300との間でデータのシリアル通信を行う。
【0024】
この図において、撮像装置100のインターフェース部20は、電力供給部22、レベルシフト部23、電圧印加部24、通信部25、プルダウン抵抗26、インターフェース制御部27及びダイオード28を備える。
【0025】
電力供給部22は、インターフェース制御部27から供給される制御信号(EN信号)に基づいて、VBUS端子に電力を供給する。つまり、電力供給部22は、インターフェース制御部27の判定部271から供給されるEN信号がH(ハイ)状態になった場合に、電源線VCC5とVBUS端子との間を導通状態にして、VBUS端子に電力を供給する。また、電力供給部22は、EN信号がL(ロウ)状態になった場合に、電源線VCC5とVBUS端子との間を非導通状態にして、VBUS端子に電力の供給を停止する。ここで、電源線VCC5には、例えば、5Vの電圧が印加されている。
【0026】
レベルシフト部23は、VBUS端子に印加されている電圧(例えば5V)をインターフェース制御部27の動作電圧(例えば、3.3V)にレベル変換する。つまり、レベルシフト部23は、VBUS端子に5Vが印加されている場合に、3.3V(H状態)をインターフェース制御部27の判定部271に出力する。また、レベルシフト部23は、VBUS端子に0Vが印加されている場合に、0V(L状態)をインターフェース制御部27の判定部271に出力する。
【0027】
電圧印加部24は、インターフェース制御部27からID端子に接続されるID信号線に接続されている。また、電圧印加部24は、プルアップ抵抗241を備えている。
プルアップ抵抗241は、一端が電源線VCC5に、他端がID信号線に、それぞれ接続されている。つまり、プルアップ抵抗241は、ID端子(識別端子)に所定の電圧(5V)を印加してプルアップする抵抗である。
すなわち、電圧印加部24は、ID端子(識別端子)に所定の電圧(5V)を印加してプルアップする。
【0028】
プルダウン抵抗26は、上述のEN信号の信号線に接続され、EN信号をプルダウンする。
ダイオード28は、アノード端子がプルアップ抵抗241の他端に、カソード端子がID端子にそれぞれ接続されている。ダイオード28は、ID端子にインターフェース制御部27の動作電圧(3.3V)より高い電圧(5V)が印加された場合に、インターフェース制御部27に動作電圧より高い電圧が印加されるのを防止する。
【0029】
インターフェース制御部27は、インターフェース部2の各部の制御を行う。インターフェース制御部27は、コネクタ21に接続される装置の種類を判定し、撮像装置100をホストとして通信部25に通信させるか、撮像装置100をデバイスとして通信部25に通信させるかを切り替える。インターフェース制御部27は、USBインターフェースを介したデータ通信を制御する。
また、インターフェース制御部27は、判定部271を備えている。
【0030】
判定部271は、ID端子を介してコネクタ21に接続される装置(第2の装置)から供給されたID信号に基づいて、EN信号をH状態にし、電力供給部22に電力を出力させる。つまり、判定部271は、ID端子に入力される電圧が所定の閾値以下に低下した場合(ID信号がL状態になった場合)に、EN信号をH状態にし、電力供給部22に電力を出力させる。すなわち、電力供給部22は、ID端子に入力される電圧が所定の閾値以下に低下した場合に、VBUS端子に電力を供給する。
【0031】
また、判定部271は、ID信号及びレベルシフト部23から供給される信号に基づいて、第2の装置の種類を判定し、撮像装置100をホストとして通信部25に通信させるか、撮像装置100をデバイスとして通信部25に通信させるかを切り替える。
具体的には、判定部271は、電力供給部22からVBUS端子に電力を供給後の予め定められて所定の期間に、ID端子に所定の回数(例えば3回)以上のクロック信号を検出した場合に、第2の装置がホストであると判定する。また、判定部271は、この所定の期間に、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出しなかった場合に、第2の装置がデバイスであると判定する。
また、判定部271は、ID端子の電圧が所定の閾値より大きい電圧に保持されている場合に、第2の装置がホストであると判定する。つまり、判定部271は、EN信号がL状態である場合、且つレベルシフト部23から供給される信号にH状態を検出した場合に、第2の装置がホストであると判定する。
【0032】
通信部25(第1の通信部)は、D+端子及びD−端子を介してWT300に接続されている。通信部25は、判定部271から供給される制御信号に基づいて、撮像装置100をホストとして通信するか、撮像装置100をデバイスとして通信するかを切り替える。具体的には、通信部25は、判定部271によって第2の装置がホストであると判定された場合に、自装置(撮像装置100)をデバイスとして第2の装置と通信する。また、通信部25は、判定部271によって第2の装置がデバイスであると判定された場合に、自装置(撮像装置100)をホストとして第2の装置と通信する。
なお、図2において、第2の装置(WT300)は、ホスト装置であるため、ここでは、通信部25は、自装置(撮像装置100)をデバイスとしてWT300と通信する。
【0033】
また、通信部25は、ホスト通信部251とデバイス通信部252とを備えている。
ホスト通信部251は、自装置(撮像装置100)をホストとして通信する通信部である。また、デバイス通信部252は、自装置(撮像装置100)をデバイスとして通信する通信部である。
【0034】
次に、WT300の構成について説明する。
図2において、WT300は、上述したように、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つホストである場合の例である。
この図において、WT300は、コネクタ31、低電圧出力部32、発振部33、レギュレータ部34、WT制御部35、及び通信部36を備える。
【0035】
コネクタ31は、デバイスを接続可能なホスト用のコネクタ(例えば、Mini−Aレセプタクル)である。なお、コネクタ21とコネクタ31とは、USBケーブルを介して接続され、コネクタ21には、Mini−Bプラグが挿入され、コネクタ31には、Mini−Aプラグが挿入される。
また、コネクタ31は、VBUS端子、ID端子、D+端子、及びD−端子を備えている。
【0036】
低電圧出力部32は、発振部33からID端子に接続されるID信号線に接続されている。また、低電圧出力部32は、プルダウン抵抗321を備えている。つまり、プルダウン抵抗321は、プルアップ抵抗241との抵抗比に基づいて、ID端子に予め定められた所定の閾値以下の電圧を出力する。すなわち、低電圧出力部32は、コネクタ21のID端子に、予め定められた所定の閾値以下の電圧を出力する。
【0037】
発振部33は、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号をID端子に出力する。所定の周期のクロック信号は、例えば、周波数が1kHz(キロヘルツ)のクロック信号である。発振部33は、VBUS端子に電力が供給されて、レギュレータ部34を介して電力が供給されると発振を開始し、ID端子にクロック信号を出力する。
【0038】
レギュレータ部34は、VBUS端子を介して撮像装置100より供給される電力に基づいて、VBUS端子に供給される電圧(5V)より低い電圧を生成して、電源線VCC3.3に出力する。つまり、レギュレータ部34は、VBUS端子に供給される電圧(5V)からWT300の各部を動作させる3.3Vの電圧を生成して、各部に供給する。
なお、レギュレータ部34は、VBUS端子に電力が供給され、VBUS端子の電圧が予め定められた電圧以上になった場合に、3.3Vの電圧の生成を開始する。
【0039】
WT制御部35は、WT300の各部を制御する。WT制御部35は、USBインターフェースを介したデータ通信を制御する。つまり、WT制御部35は、WT300をホストとして通信部36に通信させる。また、WT制御部35は、ワイヤレスLANを介した通信を制御する。
【0040】
通信部36(第2の通信部)は、D+端子及びD−端子を介して撮像装置100に接続されている。通信部36は、自装置(WT300)をホストとして、撮像装置100と通信する。また、通信部36は、ホスト通信部361を備えている。
ホスト通信部361は、WT300をホストとして通信する通信部である。
【0041】
コンデンサ37は、電源線VCC3.3とグランド線の間に接続されている。コンデンサ37は、レギュレータ部34から出力される電圧を平滑化するバイパスコンデンサである。
【0042】
次に、インターフェースシステム1の動作について説明する。
図3は、本実施形態におけるインターフェースシステム1の動作を示すタイミングチャートである。
図3(a)は、ID端子におけるID信号の波形を示している。この図において、縦軸は、ID信号の状態を示し、横軸は時間を示す。
また、図3(b)は、VBUS端子の波形及びEN信号の波形を示している。この図において、縦軸は、VBUS端子の状態及びEN信号の状態を示し、横軸は時間を示す。なお、図3(a)及び(b)の横軸は、同じ時刻を示している。
【0043】
まず、撮像装置100では、コネクタ21に何も接続されていない場合に、電圧印加部24がID端子をH状態にする。これにより、時刻T1以前において、ID信号は、H状態を示す。また、VBUS端子の状態及びEN信号の状態は、L状態である。
時刻T1において、撮像装置100にWT300が接続されると、WT300の低電圧出力部32が、ID端子をL状態にする。これにより、ID信号は、L状態を示す。
【0044】
次に、撮像装置100では、判定部271が、ダイオード28を介してID端子の状態を検出する。判定部271は、検出したID端子の状態がL状態である場合に、EN信号にH状態を出力する(時刻T2)。
また、時刻T2において、電力供給部22は、判定部271から供給されるEN信号がH状態になることによって、電源線VCC5とVBUS端子との間を導通状態にして、VBUS端子に電力を供給する。つまり、電力供給部22は、ID端子に入力される電圧が所定の閾値以下に低下した場合に、VBUS端子に電力を供給する。これにより、VBUS端子の状態及びEN信号の状態がH状態になる。
【0045】
次に、WT300では、レギュレータ部34が、VBUS端子を介して供給された電力に基づいて、電源線VCC3.3を介してWT300の各部に電力(電圧3.3V)を供給する。これにより、発振部33が発振を開始し、1kHzのクロック信号を生成する。発振部33は、生成したクロック信号をID端子に出力する(時刻T3)。
【0046】
次に、撮像装置100では、判定部271が、ダイオード28を介してID端子の状態を再び検出する。判定部271は、ID端子に所定の回数(例えば3回)以上のクロック信号を検出した場合に、接続されたWT300がVBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つホストであると判定する。これにより、判定部271は、接続されたWT300がホストであると判定した場合に、通信部25(第1の通信部)のデバイス通信部252に、撮像装置100をデバイスとして通信させる。また、WT300では、WT制御部35が、通信部36(第2の通信部)のホスト通信部361に、WT300をホストとして通信させる。
これにより、撮像装置100がデバイスとなり、WT300がホストとなって、インターフェースシステム1におけるデータ通信が可能になる。また、デバイスである撮像装置100からホストであるWT300に、VBUS端子を介して、電力を供給することが可能になる。
【0047】
次に、本実施形態における撮像装置100及びホスト装置(WT300)のそれぞれの処理について詳細に説明する。
図4は、本実施形態における撮像装置100及びホスト装置(WT300)の処理を示すフローチャートである。
この図において、図4(a)が撮像装置100における処理を示し、図4(b)がホスト装置(WT300)おける処理を示している。
【0048】
まず、図4(a)を参照して、撮像装置100の動作を説明する。
この図において、撮像装置100は、コネクタ21のID端子がL状態か否かを判定する(ステップS101)。つまり、撮像装置100の判定部271は、コネクタ21のID端子がL状態か否かを判定し、ID端子がL状態であると判定した場合に、処理をステップS102に進める。また、判定部271は、ID端子がH状態であると判定した場合に、処理をステップS108に進める。
なお、ID端子がL状態である場合は、コネクタ21を介して接続されたWT300の低電圧出力部32がID端子にL状態を出力していることを示す。
【0049】
次に、ステップS102の処理において、判定部271は、EN信号にH状態を出力して、コネクタ21のVBUS端子に電力を供給する。つまり、判定部271は、EN信号にH状態を電力供給部22に対して出力する。電力供給部22は、EN信号がH状態になることによって、電源線VCC5とVBUS端子との間を導通状態にして、VBUS端子に電力を供給する。すなわち、電力供給部22は、ID端子に入力される電圧がL状態である(所定の閾値以下に低下した)場合に、VBUS端子に電力を供給する。
【0050】
次に、判定部271は、コネクタ21のID端子に、クロック信号を検出したか否かを判定する(ステップS103)。つまり、判定部271は、電力供給部22からVBUS端子に電力を供給後の予め定められて所定の期間に、ID端子に所定の回数(例えば3回)以上のクロック信号を検出したか否かを判定する。判定部271は、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、処理をステップS104に進める。また、判定部271は、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出しなかった場合に、処理をステップS106に進める。
【0051】
次に、ステップS104の処理において、判定部271は、接続された装置(第2の装置)がホストであると判定する。
次に、撮像装置100は、電力供給部22からVBUS端子に電力の供給を維持して、自装置をデバイスとして、通信を行う(ステップS105)。つまり、判定部271は、通信部25のデバイス通信部252にデバイスとして通信させる。
【0052】
また、ステップS106の処理において、判定部271は、接続された装置(第2の装置)がデバイスであると判定する。
次に、撮像装置100は、電力供給部22からVBUS端子に電力の供給を維持して、自装置をホストとして、通信を行う(ステップS107)。つまり、判定部271は、通信部25のホスト通信部251にホストとして通信させる。
【0053】
また、ステップS108の処理において、撮像装置100は、コネクタ21のVBUS端子がH状態か否かを判定する。つまり、撮像装置100の判定部271は、レベルシフト部23から出力される信号に基づいて、VBUS端子がH状態か否かを判定する。判定部271は、VBUS端子がH状態であると判定した場合、処理をステップS109に進める。また、判定部271は、VBUS端子がL状態であると判定した場合、処理をステップS101に戻し、処理を繰り返す。つまり、判定部271は、ID端子がH状態で、且つVBUS端子がL状態である場合に、第2の装置が接続されていないと判定し、USBインターフェースを介したデータ通信を行わない。
【0054】
また、ステップS109の処理において、判定部271は、接続された装置(第2の装置)が(電力供給を必要としない)ホストであると判定する。つまり、判定部271は、ID端子の電圧がH状態(所定の閾値より大きい電圧)に保持されている場合に、第2の装置がホストであると判定する。
次に、撮像装置100は、自装置をデバイスとして、通信を行う(ステップS110)。つまり、判定部271は、通信部25のデバイス通信部252にデバイスとして通信させる。
【0055】
以上のように、撮像装置100は、接続される装置(第2の装置)が次の3つの場合に、対応することができる。
第1の場合は、第2の装置が、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つホストである場合である。この場合には、撮像装置100は、処理をステップS101〜S105に進めて、自装置をデバイスとして通信する。また、撮像装置100は、第2の装置にVBUS端子を介して電力を供給する。この場合は、例えば、撮像装置100に上述したWT300を接続して、ワイヤレスLANによって通信するような場合である。
【0056】
また、第2の場合は、第2の装置が、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つデバイスである場合である。この場合には、撮像装置100は、処理をステップS101〜S103に進めて、さらに、処理をステップS103〜S106に分岐させて、ステップS107に進める。この場合には、撮像装置100は、自装置をホストとして通信する。また、撮像装置100は、第2の装置にVBUS端子を介して電力を供給する。この場合は、例えば、撮像装置100にデバイスであるプリンタなどを接続した場合である。
【0057】
第3の場合は、第2の装置が、VBUS端子を介して撮像装置100に電力を供給するホストである場合である。この場合には、撮像装置100は、処理をステップS101〜S109に分岐させて、さらに、ステップS110に進める。この場合には、撮像装置100は、自装置をデバイスとして通信する。また、撮像装置100は、第2の装置にVBUS端子を介して供給しない。この場合は、例えば、撮像装置100にホストであるパーソナルコンピュータなどを接続した場合である。
【0058】
以上のように、本実施形態におけるインターフェースシステム1は、撮像装置100(第1の装置)とWT300(第2の装置)とを備える。また、撮像装置100は、VBUS端子(電力供給端子)とID端子(識別端子)とを備るコネクタ21と、VBUS端子に電力を供給する電力供給部22と、電力を供給後の所定の期間に、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、WT300がホストであると判定する判定部271とを備える。なお、コネクタ21は、接続される装置が通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタ(Mini−ABレセプタクル)である。また、WT300(第2の装置)は、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号をID端子に出力する発振部33を備える。
【0059】
これにより、撮像装置100は、接続された装置が、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つホストであることを正確に判定することができる。そのため、インターフェースシステム1及び撮像装置100は、VBUS端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合であっても、デバイス側からホスト側に電力を供給することができる。
【0060】
また、撮像装置100は、ID端子に所定の電圧を印加してプルアップする電圧印加部24を備える。さらに、電力供給部22は、ID端子に入力される電圧が所定の閾値以下に低下した場合に、VBUS端子に電力を供給する。また、WT300は、ID端子に、所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部32を備える。
これにより、撮像装置100は、ID端子の状態を検出することによって、WT300がVBUS端子を介して電力供給が必要な装置か否かを正確に検出することができる。そのため、撮像装置100は、WT300に対して電力を安全に供給することができる。
【0061】
さらに、撮像装置100は、判定部271によってWT300がホストであると判定された場合に、自装置をデバイスとしてWT300と通信する通信部25(第1の通信部)を備える。また、WT300は、自装置をホストとして、撮像装置100と通信する通信部36(第2の通信部)を備える。
これにより、インターフェースシステム1は、撮像装置100をデバイスとし、WT300をホストとする通信に対応することができる。
【0062】
また、WT300(ホスト装置)は、ID端子に対して、所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部32と、コネクタの電力供給端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号をID端子に出力する発振部33と、接続される装置に対してホストとして通信する通信部36とを備える。また、WT300は、接続される装置からVBUS端子を介して、動作に必要な電力の供給を受ける。
これにより、WT300は、VBUS端子を介して電力を供給する装置が、ホスト及びデバイスのいずれの装置にも接続可能である場合であっても、動作に必要な電力の供給を受けることができる。
【0063】
また、判定部271は、ID端子の電圧が所定の閾値より大きい電圧に保持されている場合に、第2の装置が(電力供給を必要としない)ホストであると判定する。
これにより、本実施形態におけるインターフェースシステムは、撮像装置100がデバイスであり、接続される装置(第2の装置)が(電力供給を必要としない)ホストである場合に対応できる。
【0064】
次に、図4(b)を参照して、WT300の動作を説明する。
この図において、WT300が撮像装置100に接続されると、まず、WT300の低電圧出力部32が、コネクタ21のID端子をL状態にする(ステップS201)。
次に、WT300は、VBUS端子に電力が供給されるのを待つ(ステップS202)。VBUS端子に電力が供給された場合に、WT300は、処理をステップS203に進める。
次に、ステップS203の処理において、WT300では、レギュレータ部34が電力供給を開始する。つまり、レギュレータ部34は、VBUS端子を介して供給された電力に基づいて、WT300の電源電圧である3.3Vを生成して、電源線VCC3.3に供給する。
【0065】
次に、WT300では、発振部33が発振を開始し、ID端子にクロック信号を出力する(ステップS204)。つまり、発振部33は、VBUS端子を介して供給された電力に基づいて、1kHzのクロック信号を生成する。発振部33は、生成したクロック信号をID端子に出力する。
【0066】
次に、WT300では、WT制御部35が、通信部36(第2の通信部)のホスト通信部361に、自装置をホストとして通信させる(ステップS205)。
これにより、ホスト装置(WT300)は、VBUS端子を介して供給される電力に基づいて動作するホストとして、デバイスである撮像装置100とUSBインターフェースを介してデータ通信することができる。
【0067】
次に、撮像装置100にデバイスである第2の装置が接続された場合を説明する。
図5は、本実施形態における撮像装置100の別の接続例を示す概略ブロック図である。
この図において、インターフェースシステム1aは、USBインターフェースを介して接続される撮像装置100(第1の装置)とデバイス装置500(第2の装置)とを備えている。また、この図において、図2と同じ構成には同一の符号を付す。
この図において、撮像装置100は、ホストであり、デバイス装置500は、デバイスである。つまり、インターフェースシステム1aは、第2の装置がデバイスである場合の例である。また、デバイス装置500(第2の装置)は、VBUS端子(電力供給端子)を介して供給される電力に基づいて動作する。
【0068】
デバイス装置500は、コネクタ31、低電圧出力部32、レギュレータ部34、デバイス制御部35a、及び通信部36aを備える。
デバイス制御部35aは、デバイス装置500の各部を制御する。デバイス制御部35aは、USBインターフェースを介したデータ通信を制御する。つまり、デバイス制御部35aは、デバイス装置500をデバイスとして通信部36aに通信させる。
【0069】
通信部36a(第3の通信部)は、D+端子及びD−端子を介して撮像装置100に接続されている。通信部36aは、自装置(デバイス装置500)をデバイスとして、撮像装置100と通信する。また、通信部36aは、デバイス通信部362を備えている。
デバイス通信部362は、デバイス装置500をデバイスとして通信する通信部である。
【0070】
次に、インターフェースシステム1aの動作について説明する。
インターフェースシステム1aにおいて、まず、撮像装置100にデバイス装置500が接続されると、デバイス装置500の低電圧出力部32が、ID端子をL状態にする。
次に、撮像装置100は、上述した第2の場合の処理を行う。つまり、撮像装置100は、処理を図4のステップS101〜S103に進めて、さらに、処理を図4のステップS103〜S106に分岐させて、図4のステップS107に進める。これにより、撮像装置100は、自装置をホストとして通信する。また、撮像装置100は、第2の装置にVBUS端子を介して電力を供給する。
【0071】
一方で、デバイス装置500では、レギュレータ部34が、VBUS端子を介して供給された電力に基づいて、デバイス装置500の電源電圧である3.3Vを生成して、電源線VCC3.3に供給する。そして、デバイス制御部35aが、通信部36(第3の通信部)のホスト通信部361に、自装置をホストとして通信させる。
【0072】
以上のように、インターフェースシステム1aにおいて、デバイス装置500(第2の装置)は、コネクタ21のID端子に、予め定められた所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部32と、自装置をデバイスとして、撮像装置100と通信する通信部36a(第3の通信部)とを備える。また、判定部271は、所定の期間に、ID端子に所定の回数以上のクロック信号を検出しなかった場合に、デバイス装置500(第2の装置)がデバイスであると判定する。通信部25(第1の通信部)は、撮像装置100をホストとしてデバイス装置500(第2の装置)と通信する。
これにより、インターフェースシステム1aは、撮像装置100をホストとし、WT300をデバイスとする通信に対応することができる。
【0073】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。上記の実施形態において、USBインターフェースを用いる場合を説明したが、他のインターフェースに適用してもよい。また、USBインターフェースは、USB2.0規格に対応させてもよいし、USB3.0規格に対応させてもよい。
また、上記の実施形態において、コネクタ21は、Mini−ABレセプタクルを用いる形態を説明したが、Micro−ABレセプタクルを用いる形態でもよい。ホスト及びデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタ(ABレセプタクル)を用いる形態であれば、他の形態でもよい。
【0074】
また、上記の実施形態において、第1の装置は、撮像装置100に限定されるものではなく、他の装置に適用してもよい。また、第2の装置は、WT300に限定されるものではなく、他の装置に適用してもよい。例えば、携帯用のプリンタや携帯端末などを第2の装置に適用する形態でもよい。また、第2の装置は、コネクタ31を備えずに、本体に備えられたケーブルの先に、USBのプラグを備える形態でもよい。
【0075】
また、上記の実施形態において、インターフェース制御部27、WT制御部35、及びデバイス制御部35aの各部は、専用のハードウェアによって実現されてもよく、また、インターフェース制御部27、WT制御部35、及びデバイス制御部35aの各部は、メモリ及びCPUにより構成され、制御部80の各機能は、プログラムによって実現されてもよい。例えば、インターフェース制御部27、WT制御部35、及びデバイス制御部35aの各部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成されてもよい。また、判定部271におけるID信号の検出、レベルシフト部23から出力される信号の検出、及びEN信号の出力は、ASICが備えるGPIO(General Purpose Input/Output)端子を使用する形態でもよい。
【0076】
また、上記の実施形態において、撮像装置100は、レベルシフト部23を備える形態を説明したが、インターフェース制御部27が動作する電源電圧が、VBUS端子に供給される電圧範囲内である場合には、レベルシフト部23を備えない形態でもよい。また、同様に、WT300は、レギュレータ部34を備える形態を説明したが、WT300の各部が動作する電源電圧が、VBUS端子に供給される電圧範囲内である場合には、レギュレータ部34を備えない形態でもよい。
また、上記の実施形態において、撮像装置100の通信部25は、ホスト通信部251及びデバイス通信部252を備える形態を説明したが、通信部25は、ホスト通信部251を備えない形態でもよい。この場合、通信部25の処理を簡略化することがきる。
【0077】
また、上記の実施形態において、WT300は、発振部33によってクロック信号を生成する形態を説明したが、WT制御部35によるソフト処理によって、クロック信号を生成する形態でもよい。
【0078】
上述の撮像装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した判定部271の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1,1a…インターフェースシステム、21…コネクタ、22…電力供給部、24…電圧印加部、25,36,36a…通信部、32…定電圧出力部、33…発振部、271…判定部、100…撮像装置、300…ワイヤレストランスミッタ(WT)、500…デバイス装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェースを介して接続される第1の装置と第2の装置とを備えるインターフェースシステムであって、
前記第1の装置は、
接続される前記第2の装置が通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタであって、電力供給端子と前記第2の装置の種類を識別する信号が入力される識別端子とを備るコネクタと、
前記電力供給端子に電力を供給する電力供給部と、
前記電力を供給後の所定の期間に、前記識別端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、前記第2の装置が前記ホストであると判定する判定部と
を備え、
前記第2の装置が、前記電力供給端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つ前記ホストである場合には、
前記第2の装置は、
前記電力供給端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号を前記識別端子に出力する発振部を備える
ことを特徴とするインターフェースシステム。
【請求項2】
前記第1の装置は、前記識別端子に所定の電圧を印加してプルアップする電圧印加部を備え、
前記電力供給部は、前記識別端子に入力される電圧が所定の閾値以下に低下した場合に、前記電力供給端子に電力を供給し、
前記第2の装置が、前記電力供給端子を介して供給される電力に基づいて動作し、且つ前記ホストである場合には、
前記第2の装置は、前記識別端子に、前記所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のインターフェースシステム。
【請求項3】
前記第1の装置は、
前記判定部によって前記第2の装置が前記ホストであると判定された場合に、自装置を前記デバイスとして前記第2の装置と通信する第1の通信部を備え、
前記第2の装置が前記ホストである場合には、
前記第2の装置は、
自装置を前記ホストとして、前記第1の装置と通信する第2の通信部を備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインターフェースシステム。
【請求項4】
前記判定部は、
前記所定の期間に、前記識別端子に前記所定の回数以上のクロック信号を検出しなかった場合に、前記第2の装置が前記デバイスであると判定し、
前記第1の通信部は、
前記判定部によって前記第2の装置が前記デバイスであると判定された場合に、自装置を前記ホストとして前記第2の装置と通信し、
前記第2の装置が前記デバイスである場合には、
前記第2の装置は、
前記識別端子に、前記所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部と、
自装置を前記デバイスとして、前記第1の装置と通信する第3の通信部と
を備えることを特徴とする請求項3に記載のインターフェースシステム。
【請求項5】
前記判定部は、
前記識別端子の電圧が前記所定の閾値より大きい電圧に保持されている場合に、前記第2の装置が前記ホストであると判定する
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のインターフェースシステム。
【請求項6】
前記インターフェースは、USBインターフェースである場合、
前記コネクタは、ABレセプタクルであり、
前記識別端子は、ID端子であり、
前記電力供給端子は、VBUS端子である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のインターフェースシステム。
【請求項7】
接続される装置が通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタであって、電力供給端子と接続された装置の種類を識別する識別端子とを備るコネクタと、
前記電力供給端子に電力を供給する電力供給部と、
前記電力を供給後の所定の期間に、前記識別端子に所定の回数以上のクロック信号を検出した場合に、前記接続された装置が前記ホストであると判定する判定部と
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記識別端子に所定の電圧を印加してプルアップする電圧印加部を備え、
前記電力供給部は、前記識別端子の電圧が所定の閾値以下に低下した場合に、前記電力供給端子に電力を供給する
ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
通信を制御するホスト及び通信を制御されるデバイスのいずれの場合にも接続可能なコネクタを備える装置にインターフェースを介して接続されるホスト装置であって、
前記ホスト及び前記デバイスのいずれかを接続される装置に識別させる信号が入力される前記コネクタの識別端子に対して、所定の閾値以下の電圧を出力する低電圧出力部と、
前記コネクタの電力供給端子を介して供給される電力に基づいて、所定の周期のクロック信号を前記識別端子に出力する発振部と、
前記接続される装置に対してホストとして通信する通信部と
を備え、
前記接続される装置から前記電力供給端子を介して、動作に必要な電力の供給を受ける
ことを特徴とするホスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−168691(P2012−168691A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28391(P2011−28391)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】