説明

インターラプトプロキシ機能を具備したシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法

【課題】各種IPで発生したインターラプト処理をエラーなく、より迅速に実行することができるシステムオンチップを提供する。
【解決手段】本発明のシステムオンチップは、プロセッサコアとモジュール化された複数のIPの以外に別途のインターラプトプロキシ処理部を含む。インターラプトプロキシ処理部はプロセッサコアと複数のIPに接続され、複数のIPに対するインターラプト関連タスク、例えばインターラプト解除を専担して処理する。本発明の実施形態の構成により、システムオンチップの動作パフォーマンスが改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムオンチップに係り、より詳細には、インターラプトプロキシ機能を具備したシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル通信及びマルチメディアシステムに用いられる多様な情報器機がユーザの要求に応じて小型化、軽量化、低価格化、及び高性能化することによって、システムオンチップがさらに重要な技術要素になっている。
【0003】
そのようなシステムオンチップはプロセッサ、メモリ、アナログ、デジタル信号処理(DSP)などのように別途の市場と製品群を形成していた様々な半導体製品を1つのチップに統合した半導体集積回路である。したがって、システムオンチップにはモジュール形態の複数のIP(Intellectual Property)が搭載され、IPにはメモリ、外部インターフェース、アナログ及び混成モードブロック、内蔵ソフトウェア、OSなどのシステムを構成する全てのハードウェア及びソフトウェア機能が含まれている。IPはVC(Virtual Component)と同一の意味として本分野で用いられている。
【0004】
システムオンチップの各IPでインターラプトが発生する場合に、プロセッサコアは各IPで発生した全てのインターラプト信号を収集し、各IP別に異なっているユーザソフトウェアを利用してインターラプトタスクを処理する。
【0005】
そのような場合に、各IP別にインターラプトタスクの処理にかかる時間が各々違うため性能低下及びユーザソフトウェアエラーに起因したシステムの誤動作などが発生することがある。また、IPの数が非常に多くなってシステムの構成が複雑になる場合には、プロセッサコアが各IPにアクセスするのにかかる時間などの差に起因して待機時間も増加することがある。そして、インターラプトタスクの処理の時に処理遅延が発生すれば、高速のプロセッサコアがユーザソフトウェアのうちのインターラプトサービスルーチンを再実行するエラーも発生することがある。
【0006】
したがって、システムオンチップの各IPで発生されたインターラプトをより迅速かつ円滑に処理することができる技術が要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0168203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、各IPで発生したインターラプトを誤動作なくより迅速に処理することができるシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の課題は、インターラプト処理を標準化された方式で実行することができるインターラプトプロキシ機能を具備したシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法を提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の課題は、プロセッサコアがインターラプトサービスルーチンを再実行するエラーを防止するための改善方法を提供することにある。
【0011】
本発明のまた他の課題は、どのIPでインターラプトが発生したかに構わずに同一のインターラプトタスク処理時間を確保し、ユーザのミスで誤ったユーザソフトウェアが存在しても、エラーを遮断することができるシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法を提供することにある。
【0012】
本発明のまた他の課題は、システムオンチップの全体性能を高めて動作安全性を強化することができるインターラプトプロキシ機能を具備したシステムオンチップ及びそのインターラプトプロキシ処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施形態の一態様によるシステムオンチップは、システムオンチップで要求される設定タスクを処理するためのプロセッサコアと、システムオンチップにモジュール形態として搭載され、システムバスを通じてプロセッサコアに動作的に接続された複数のIPと、プロセッサコアと複数のIPに接続され、プロセッサコアのインターラプト処理負担を減らすために、複数のIPに対するインターラプト関連タスクを専担して処理するためのインターラプトプロキシ処理部とを具備する。
【0014】
本発明の実施形態において、インターラプト関連タスクは複数のIPに対するインターラプト解除を含む。
【0015】
本発明の実施形態において、インターラプトプロキシ処理部は、複数のIPから印加されるインターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、インターラプト解除の時に、プロセッサコアから印加されるインターラプト解除信号を対応するIP別に格納する状態レジスタと、インターラプト解除信号を複数のIPのうち対応するIPに提供するバスインターフェースと、状態レジスタとプロセッサコアとの間に位置し、インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択してプロセッサコアに提供する優先順位決定部と、を具備する。
【0016】
本発明の実施形態において、状態レジスタは、インターラプト状態情報を格納する第1格納領域と、インターラプト解除信号を格納する第2格納領域と、インターラプト状態情報に対する伝送実行情報を格納する第3格納領域とを含む。
【0017】
本発明の実施形態において、バスインターフェースは、プロセッサコアに対するバススレーブインターフェース及びIPに対するバスマスタインターフェース機能を実行する。
【0018】
本発明の実施形態の他の態様によるシステムオンチップは、システムオンチップで要求される設定タスクを処理するためのプロセッサコアと、システムオンチップにモジュール形態として搭載され、システムバスを通じてプロセッサコアに動作的に接続された複数のIPと、プロセッサコアと複数のIPに接続され、複数のIPから印加されるインターラプト状態情報を格納し、複数のIPに対するインターラプト解除タスクを専担して処理するためのインターラプトプロキシ処理部とを具備する。
【0019】
本発明の実施形態において、複数のIPはメモリ、ロジック回路、アナログ回路、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)のうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
本発明の実施形態において、インターラプトプロキシ処理部は、インターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、インターラプト解除の時に、プロセッサコアから印加されるインターラプト解除信号を対応するIP別に格納する状態レジスタと、
インターラプト解除信号を複数のIPのうち対応するIPに提供するバスインターフェースと、状態レジスタとプロセッサコアとの間に位置し、インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択してプロセッサコアに提供する優先順位決定部と、を具備する。
【0021】
本発明の実施形態のまた他の態様によって、モジュール形態として搭載され、システムバスを通じてプロセッサコアに動作的に接続された複数のIPを具備したシステムオンチップでのインターラプト処理方法は、プロセッサコアに対してスレーブインターフェースを実行するインターラプトプロキシ処理部に複数のIPから発生するインターラプト状態情報を格納する段階と、プロセッサコアがインターラプト処理動作モードを脱する時、解除チェック動作がスキップされるように、インターラプトプロキシ処理部を通じてインターラプト解除が行われるようにする段階とを有する。
【0022】
本発明の実施形態において、インターラプトプロキシ処理部は、インターラプト解除の実行前にプロセッサコアから複数のIPのうち対応するIPに対するインターラプトクリア命令を受信する。
【0023】
本発明の実施形態において、インターラプト状態情報とインターラプトクリア命令はインターラプトプロキシ処理部の状態レジスタに格納される。
【0024】
本発明の実施形態において、インターラプト状態情報は状態レジスタの第1格納領域に格納し、インターラプトクリア命令は状態レジスタの第2格納領域に格納される。
【0025】
本発明の実施形態において、インターラプト状態情報に対する伝送実行情報を格納する第3格納領域を状態レジスタにさらに具備し、伝送実行情報はインターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報として選択される場合に格納される。
【0026】
本発明の実施形態のまた他の態様によるシステムオンチップは、システムオンチップで要求される設定タスクを処理するためのプロセッサコアと、ハードウェア、周辺装置、及びインターフェースを含み、システムバスを通じてプロセッサコアに動作的に接続された複数のIPと、プロセッサコアと複数のIPとに接続され、プロセッサコアに対してまた他のIPとして機能し、複数のIPから印加されるインターラプト状態情報を格納し、プロセッサコアから印加されるインターラプトクリア命令の受信の時、複数のIPに対するインターラプト解除を専担して実行するためのインターラプトプロキシ処理部と、を具備する。
【0027】
本発明の実施形態において、ハードウェアはメモリ、ロジック回路、アナログ回路、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
本発明の実施形態において、インターラプトプロキシ処理部は、インターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、インターラプト解除の時に、インターラプトクリア命令を対応するIP別に格納する状態レジスタと、インターラプトクリア命令を複数のIPのうち対応するIPに提供するバスインターフェースと、状態レジスタとプロセッサコアとの間に位置し、インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択してプロセッサコアに提供する優先順位決定部と、を具備する。
【0029】
本発明の実施形態において、バスインターフェースは、プロセッサコアに対するバススレーブインターフェース及びIPに対するバスマスタインターフェース機能を実行し、プロセッサコアの動作処理速度は複数のIPの動作処理速度より速い。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施形態によれば、インターラプトプロキシ処理部の動作によって、プロセッサコアがインターラプト処理ルーチンで待機するか、またはインターラプトサービスルーチンに再入しないので、各種IPで要請されたインターラプトタスクが迅速に実行され、且つ標準化された方式で同一の処理時間内に実行される。したがって、プロセッサコアのインターラプト処理負担が軽減されるだけシステムオンチップの動作パフォーマンスが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムオンチップの概略的装置ブロック図。
【図2】図1のインターラプトプロキシ処理部の実施例を示す詳細ブロック図。
【図3】図2に係る状態レジスタの単位格納領域を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以上の本発明の目的、他の目的、特徴及び利点は添付の図面に係る以下の望ましい実施形態を通じて容易に理解することができる。しかし、本発明はここで説明する実施形態に限定されず、他の形態への具体化も可能である。さらに、ここで紹介する実施形態は開示された内容が徹底且つ完全になるように、そして当業者に本発明の思想を十分に伝達するように提供されるものである。
【0033】
本明細書において、ある素子またはラインが対象素子ブロックに接続されると記載された場合、それは直接的に接続されるか、または他の素子を通じて対象素子ブロックに間接的に接続され得ることを意味する。
【0034】
また、明細書の全体にかけて同じ参照番号は同じ構成要素を示す。図面において、素子及びラインのサイズは技術的内容の効果的な説明のために示すだけであり、他の素子、または回路ブロックをさらに具備することができる。
【0035】
ここに説明及び例示される実施形態はそれの相補的な実施形態も含む。
先ず、図1は本発明の実施形態に係るシステムオンチップの概略的な装置ブロック図であり、図2は図1のインターラプトプロキシ処理部の実施例を示す詳細ブロック図である。また、図3は図2に係る状態レジスタの単位格納領域を示す図である。
【0036】
図1を参照すれば、システムオンチップは、プロセッサコアとして機能するマスタプロセッサ10と、インターラプトプロキシ処理部20と、システムバスの役目を行うバス15と、バス15に接続された第1〜第nIP30、31、33とを含んでいる。
【0037】
マスタプロセッサ10はプロセッサコアとして機能し、システムオンチップで要求される設定タスクを処理する。マスタプロセッサ10はマイクロプロセッサとして実現可能である。
【0038】
第1〜第nIP30、31、33はシステムオンチップにモジュール形態として搭載され、バス15を通じてプロセッサコアに動作的に接続されている。第1〜第nIP30、31、33はメモリ、ロジック回路、アナログ回路、及びデジタル信号プロセッサ(DSP)のうちの少なくとも1つを含んで構成される。
【0039】
インターラプトプロキシ処理部20はマスタプロセッサ10と第1〜第nIP30、31、33に接続されており、第1〜第nIP30、31、33から印加されるインターラプト状態情報を格納し、第1〜第nIP30、31、33に対するインターラプト解除タスクを専担して処理する。
【0040】
インターラプトプロキシ処理部20の詳細構成は図2に示している。図2を参照すれば、インターラプトプロキシ処理部20は、状態レジスタ22と、バスインターフェース25と、優先順位決定部23とを含んでいる。
【0041】
状態レジスタ22はインターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、インターラプト解除の時にマスタプロセッサ10から印加されるインターラプト解除信号を対応するIP別に格納する。
【0042】
ラインLU、LOを通じて状態レジスタ22と接続されたバスインターフェース25は状態レジスタ22に格納されたインターラプト解除信号を複数のIPのうち対応するIPに提供する。バスインターフェース25はスレーブインターフェース部25aとマスタインターフェース部25bとを含んでいる。バスインターフェース25のインターフェースはVCI(Virtual Component Interface)を適用することができる。VCIはVC(Virtual Component)の間の通信のための標準インターフェース及びプロトコルとして、SoC設計でVCとシステムバスとの間の標準インターフェースを定義する。
【0043】
状態レジスタ22と接続ラインLPとを通じて接続された優先順位決定部23は状態レジスタ22とマスタプロセッサ10との間に位置し、インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択してプロセッサコアであるマスタプロセッサ10に提供する。
【0044】
状態レジスタ22は第1〜第nIP30、31、33に対応する複数の単位格納領域22a、22b、・・・、22nからなっている。単位格納領域22a、22b、・・・、22nはラインL1〜Lnを通じて図1の第1〜第nIP30、31、33と各々対応的に接続されている。
【0045】
1つの単位格納領域(例えば、22x、xはa〜n)は図3に示すように、第1格納領域240と、第2格納領域230と、第3格納領域220とを含む。
図3において、R_Iとして表示された第1格納領域240にはインターラプト状態情報を格納する。
C_Cとして表示された第2格納領域230にはインターラプト解除信号を格納する。
C_Iとして表示された第3格納領域220にはインターラプト状態情報に対する伝送実行情報を格納する。
【0046】
システムオンチップの性能と安全性を高めるために、図2に示すインターラプトプロキシ処理部20は、第1〜第nIP30、31、33から印加されるインターラプト状態情報を状態レジスタ22に格納する。結局、状態レジスタ22には第1〜第nIP30、31、33で発生したインターラプト状態情報のシャドウコピーを格納する。インターラプトプロキシ処理部20は発生したインターラプトのうちで優先順位が最も高いインターラプトを図1のラインLTxを通じてマスタプロセッサ10に印加する。これによって、マスタプロセッサ10は該当のIPに対するインターラプトタスクを処理する。この場合に、該当のIPに対するインターラプトタスクでインターラプト解除のチェック動作は除外される。結局、マスタプロセッサ10は実行エラー及び待機を減らし、かつシステム動作パフォーマンスを高めるため、図1のラインLRxを通じてインターラプト解除、すなわちインターラプトクリア命令を印加した後には、該当のIPがインターラプト解除されたか否かを確認せず、すぐインターラプトサービスルーチンを抜け出る。すなわち、マスタプロセッサ10はインターラプト処理動作から迅速に脱してノーマル動作状態に復帰する。
【0047】
これによって、インターラプトクリア命令を受けたインターラプトプロキシ処理部20は該当のIPに対するインターラプト解除動作を専担して処理する。
【0048】
マスタプロセッサ10が該当のIPに直接アクセスしなくても、インターラプトプロキシ処理部20を通じて該当IPに対するインターラプトが解除されるようにすれば、インターラプト信号を解除するために必要な時間が標準化されて全体システムの性能が改善される。また、インターラプト解除を行わない時間にマスタプロセッサ10は他のIPにアクセスして要求されるタスクを処理することができる。また、マスタプロセッサ10と特定IPとの間の動作速度の差が大きい場合に、マスタプロセッサ10がインターラプトサービスルーチンに再入する現象も防止される。
【0049】
インターラプトプロキシ処理部20もまた異なる1つのIP形態で構成され、システムバス15に接続されたバスマスタとして動作する。また、マスタプロセッサ10がアクセス可能となるようにシステムバス15に接続されたバススレーブとして動作する。
【0050】
インターラプトプロキシ処理部20はマスタプロセッサ10がシステムバス15を用いない場合、DMAコントローラのように随時に各IPのインターラプト状態を読み出してシャドウコピーを格納する。一方、インターラプトプロキシ処理部20はシステムバス15を通じなくても図1のラインLTx、LRxのみを通じて上述の機能を実行することができる。
【0051】
以下では第1〜第nIP30、31、33のうちの第nIP33でインターラプトが発生された場合を仮定して、図1〜図3を参照してインターラプトタスク処理動作を説明する。
【0052】
第nIP33にインターラプトが発生した場合に、インターラプトプロキシ処理部20はラインLnを通じてインターラプト状態情報を図3の第1格納領域240に格納する。優先順位決定部23によって第nIP33で発生したインターラプトの伝送が決められれば、インターラプトプロキシ処理部20はラインLTxまたはシステムバス15を通じてインターラプト発生を通知するインターラプト伝送実行情報が印加される。この場合に、図3の第3格納領域220には伝送実行の完了を通知する伝送実行情報が格納される。
【0053】
したがって、マスタプロセッサ10は該当のIPに対するインターラプトタスクを処理しながら、図1のラインLRxまたはシステムバス15を通じてインターラプト解除のためのインターラプトクリア命令をインターラプトプロキシ処理部20に印加する。クリア命令を印加すれば、マスタプロセッサ10は該当のIPのインターラプトが解除されたか否かを確認せず、すぐインターラプトサービスルーチンから脱出する。
【0054】
以後インターラプトプロキシ処理部20が該当のIPに対するインターラプト解除動作を専担する。インターラプトクリア命令はインターラプトプロキシ処理部20の第2格納領域230に格納される。インターラプトクリア命令が第2格納領域230に格納されれば、インターラプトプロキシ処理部20は該当のIP33の伝送実行情報をマスタプロセッサ10にこれ以上伝送しない。第2格納領域230に格納されたインターラプトクリア命令によって、図2のマスタインターフェース部25bのマスタラインML1(システムバスに属する)を通じて第nIP33にインターラプトクリア命令がインターラプト解除信号として印加される。この場合に、第nIP33へのアクセスはインターラプトプロキシ処理部20が内部アドレスINT_ADDを利用することによって達成される。
【0055】
第nIP33に対するインターラプトが解除されれば、第1格納領域240の格納情報は初期状態に更新され、これによって、第3格納領域220の情報も初期状態に更新される。また、第1格納領域240の格納情報と第3格納領域220の格納情報が同一になれば、第2格納領域230の格納情報も初期状態に更新される。このような第1、第2、第3格納領域240、230、220の初期状態は該当のIPの次のインターラプトの発生時までそのまま維持される。
【0056】
したがって、プロセッサコアであるマスタプロセッサ10は、インターラプトサービスルーチンから脱出する時、該当のIPのインターラプトが正常に解除されたか否かを確認せず、すぐ脱出することができる。
【0057】
上述のように、本発明の実施形態によれば、インターラプトプロキシ処理部の固有した動作によって、インターラプト処理ルーチンで待機する動作、またはインターラプトサービスルーチンに再入する動作が防止されるので、各種IPで要請されたインターラプトタスクが迅速に実行され、且つ標準化された方式で同一の処理時間内に実行される。したがって、プロセッサコアのインターラプト処理負担が軽減されてプロセッサコアは他のタスクをさらに実行することができるようになるので、システムオンチップの動作パフォーマンスが改善される。
【0058】
本発明の実施形態ではプロセッサコアを有するシステムオンチップを中心として説明したが、これに限定されず、他のエンベデッドシステムの場合にも本発明の実施形態を拡大して適用することもできる。
【0059】
上述の説明では本発明の実施形態を中心として図面を参照して説明したが、本発明の技術的思想の範囲内で本発明を多様に変形または変更できることは本発明が属する分野の当業者には明白である。例えば、事案が異なる場合に、本発明の技術的思想を逸脱せず、インターラプトプロキシ処理部内の詳細回路構成またはこれと接続される回路ブロックの配置手順及び詳細構成を多様に変形または変更することもできる。
【符号の説明】
【0060】
10 マスタプロセッサ
20 インターラプトプロキシ処理部
15 バス
30 第1IP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムオンチップで要求される設定タスクを処理するためのプロセッサコアと、
前記システムオンチップにモジュール形態として搭載され、システムバスを通じて前記プロセッサコアに動作的に接続された複数のIPと、
前記プロセッサコアと前記複数のIPに接続され、前記プロセッサコアのインターラプト処理負担を減らすために、前記複数のIPに対するインターラプト関連タスクを専担して処理するためのインターラプトプロキシ処理部と、を具備することを特徴とするシステムオンチップ。
【請求項2】
前記インターラプト関連タスクは前記複数のIPに対するインターラプト解除を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステムオンチップ。
【請求項3】
前記インターラプトプロキシ処理部は、
前記複数のIPから印加されるインターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、前記インターラプト解除の時に、前記プロセッサコアから印加されるインターラプト解除信号を対応するIP別に格納する状態レジスタと、
前記インターラプト解除信号を前記複数のIPのうち対応するIPに提供するバスインターフェースと、
前記状態レジスタと前記プロセッサコアとの間に位置し、前記インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択して前記プロセッサコアに提供する優先順位決定部と、を具備することを特徴とする請求項2に記載のシステムオンチップ。
【請求項4】
前記状態レジスタは、
前記インターラプト状態情報を格納する第1格納領域と、
前記インターラプト解除信号を格納する第2格納領域と、
前記インターラプト状態情報に対する伝送実行情報を格納する第3格納領域とを含むことを特徴とする請求項3に記載のシステムオンチップ。
【請求項5】
前記バスインターフェースは、前記プロセッサコアに対するバススレーブインターフェース及び前記IPに対するバスマスタインターフェース機能を実行することを特徴とする請求項4に記載のシステムオンチップ。
【請求項6】
システムオンチップで要求される設定タスクを処理するためのプロセッサコアと、
前記システムオンチップにモジュール形態として搭載され、システムバスを通じて前記プロセッサコアに動作的に接続された複数のIPと、
前記プロセッサコアと前記複数のIPに接続され、前記複数のIPから印加されるインターラプト状態情報を格納し、前記複数のIPに対するインターラプト解除タスクを専担して処理するためのインターラプトプロキシ処理部と、を具備することを特徴とするシステムオンチップ。
【請求項7】
前記複数のIPはメモリ、ロジック回路、アナログ回路、及びデジタル信号プロセッサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステムオンチップ。
【請求項8】
前記インターラプトプロキシ処理部は、
前記インターラプト状態情報を対応するIP別に格納し、前記インターラプト解除の時に、前記プロセッサコアから印加されるインターラプト解除信号を対応するIP別に格納する状態レジスタと、
前記インターラプト解除信号を前記複数のIPのうち対応するIPに提供するバスインターフェースと、
前記状態レジスタと前記プロセッサコアとの間に位置し、前記インターラプト状態情報のうちでインターラプト優先順位が最も高い情報を選択して前記プロセッサコアに提供する優先順位決定部と、を具備することを特徴とする請求項6に記載のシステムオンチップ。
【請求項9】
前記状態レジスタは、
前記インターラプト状態情報を格納する第1格納領域と、
前記インターラプト解除信号を格納する第2格納領域と、
前記インターラプト状態情報に対する伝送実行情報を格納する第3格納領域とを含むことを特徴とする請求項6に記載のシステムオンチップ。
【請求項10】
モジュール形態として搭載され、システムバスを通じてプロセッサコアに動作的に接続された複数のIPを具備したシステムオンチップでのインターラプト処理方法において、
前記プロセッサコアに対してスレーブインターフェースを実行するインターラプトプロキシ処理部に前記複数のIPから発生するインターラプト状態情報を格納する段階と、
前記プロセッサコアがインターラプト処理動作モードを脱する時、解除チェック動作がスキップされるように、前記インターラプトプロキシ処理部を通じてインターラプト解除が行われるようにする段階とを有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−175625(P2011−175625A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279425(P2010−279425)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】