説明

インデックスアルバム冊子作成方法および装置ならびにプログラム

【課題】インデックスアルバム冊子作成装置において、インデックスアルバム冊子における画像の表示品質の低下を抑制する
【解決手段】誇張表示用画像決定部30により、撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて上記撮影画像情報が担持する画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示する誇張表示用画像を決定し、抽出部10により、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに上記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出し、表示制御部20により、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に表示してインデックスアルバム冊子5を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成方法および装置ならびにインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、デジタルカメラ等で撮影し記録媒体に記録した多数の画像を上記記録媒体から読み出して一枚のプリント用紙上に撮影順に一覧表示してなるインデックスプリントが知られている(特許文献1参照)。上記インデックスプリントには、上記記録媒体に記録した画像の全てが撮影順に表示されるので、例えば気に入った画像を選択して大判サイズでプリント注文する際に利用することができる。
【0003】
また、各画像を、見開きページを有する書籍のような形態で一覧表示してなるインデックスアルバム冊子も検討されている。このようなインデックスアルバム冊子は上記インデックッスプリントとは異なり複数のページに亘って画像を一覧表示させるものであり、各ページ中には複数の画像が表示される。
【0004】
さらに、画像を複数のページ部に亘って表示させる際に、各ページ部中の一部の画像を誇張して、例えば一部の画像を他の画像より大きく表示してインデックスアルバム冊子を見栄えの良いものにする検討も行なわれている。
【特許文献1】特開2005-119083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、単に各ページ部中において一部の画像を他の画像より誇張して表示しただけでは、ページ順に各ページ部を見たときに単調な表示に感じられることがある。例えば、ページ部の左上の領域に他の画像より大きく拡大した大判サイズの画像(誇張した画像)を表示したページが続いたり、あるいは、そのようなページがインデックスアルバム冊子のはじめの方に集中して表示されるような場合には上記誇張した表示を単調な表示と感じることがある。
【0006】
このような場合には、誇張表示の効果が十分に得られないことがあるため、上記のようにインデックスアルバム冊子中の画像の表示が単調になるのを防ぎ誇張表示の効果の低下を抑制したいという要請がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インデックスアルバム冊子における画像の表示品質の低下を抑制することができるインデックスアルバム冊子作成方法および装置ならびにインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のインデックスアルバム冊子作成装置は、供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成装置において、撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する誇張表示用画像決定手段と、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出する抽出手段と、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
前記標準形態は画像を標準サイズで表示させる形態とし、前記誇張形態は画像を標準サイズよりも大きな大判サイズで表示させる形態とすることができる。
【0010】
本発明のインデックスアルバム冊子作成方法は、供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成方法において、撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定し、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出し、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示することを特徴とするものである。
【0011】
本発明のインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムは、供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する手順と、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出する手順と、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示する手順とを実行することを特徴とするものである。
【0012】
前記誇張表示用画像決定手段による誇張表示用画像の決定はどのような手法を用いてもよく、例えば、付帯情報に基づいた演算処理により前記画像のうちから誇張表示用画像を決定してもよいし、単に予め定められた誇張表示用画像の各ページ部中での表示順番を付帯情報として取得して誇張表示用画像を決定してもよい。
【0013】
前記表示順は撮影順とすることができる。なお、この撮影順は撮影画像情報が示す各画像の撮影時期の時系列順である。
【0014】
各ページ部中では誇張表示用画像の位置を互に一致させないように表示するとは、誇張表示用画像がページ部中の同じ位置に位置していないと認識できるように各ページ部中に誇張表示用画像を表示することを意味する。
【0015】
各画像の各ページ部への表示順での表示は、各画像を表示する領域の重心位置を基準にして各画像を表示順に表示したり、あるいは各画像を表示する領域が長方形形状の場合には上記画像を表示する領域の左上角部あるいは右上角部を基準にして各画像を表示順に表示することができる。
【0016】
前記一致は、完全一致とすることができる。
【0017】
前記画像の各ページ部への表示は、画像を印刷して表示する方式や、画像を感光材料上に露光しその感光材料を現像して表示する方式を採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のインデックスアルバム冊子作成方法および装置ならびにプログラムによれば、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出し、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように誇張表示用画像を各ページ部に表示するようにしたので、インデックスアルバム冊子中に画像を表示する際の誇張表示の効果の低下を防ぐことができ、インデックスアルバム冊子における画像の表示品質の低下を抑制することができる。これにより、見栄えの良いインデックスアルバム冊子をより確実に得ることができる。
【0019】
また、標準形態を、画像を標準サイズで表示させる形態とし、誇張形態を、画像を標準サイズよりも大きな大判サイズで表示させる形態とすれば、より確実に誇張形態の表示を標準形態の表示よりも誇張したものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明のインデックスアルバム冊子作成装置の概略構成を示すブロック図、図2は誇張表示用画像のページ表示順番と誇張表示用画像ではない画像のページ表示順番とを各ページ部毎に示す図である。図3は表示制御部により各画像を各ページ部に表示させた様子を示す図、図4は見開きページ部を構成する各ページ部において表示順番が互に一致する誇張表示用画像をそのまま誇張形態で表示させた様子を示す図である。
【0021】
図示の本発明のインデックスアルバム冊子作成装置100は、外部から供給された撮影画像情報が担持する各画像を複数のページ部P1、P2、・・・に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子5を作成するものである。
【0022】
上記インデックスアルバム冊子作成装置100は、上記撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて上記撮影画像情報が担持する画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する誇張表示用画像決定部30と、インデックスアルバム冊子5中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部に表示したときに上記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出する抽出部10と、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部中では誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に表示順に表示する表示制御部20とを備えている。
【0023】
上記表示制御部20は、この表示制御部20の一部をなす印刷部(図示は省略)を有しており、この印刷部が後述するインデックスアルバム冊子用原紙5′に各画像を印刷し表示する。
【0024】
上記表示順は撮影順であり、この撮影順は撮影画像情報が示す各画像の撮影時期の時系列順である。
【0025】
上記撮影画像情報が担持する画像は被写体を撮影して得られたものである。
【0026】
上記付帯情報は上記撮影画像情報が担持する画像を含むものとしてもよい。
【0027】
各画像の各ページ部への表示順での表示は、各画像を表示する領域の重心位置を基準にして各画像の表示順での表示を行なったり、あるいは各画像を表示する領域が長方形形状の場合には上記画像を表示する領域の左上角部や右上角部等を基準にして各画像の表示順での表示を行なうことができる。ここでは、後述するように、各画像を表示する領域が長方形形状であるので、上記画像を表示する領域の左上角部を基準にして各画像の表示順での表示を行なう。
【0028】
上記各画像の表示は、画像を印刷して表示する方式や、画像を感光材料上に露光しその感光材料を現像して表示する方式を採用することができる、ここでは、画像を印刷して表示するものとする。
【0029】
上記インデックスアルバム冊子作成装置100の外部には、デジタルカメラ等で被写体を撮影して得た各画像と各画像の付帯情報を含む撮影画像情報が記録されたリムーバブル記録メディアやCD-ROM等からなる記録媒体89から上記撮影画像情報を入力する入力部81と、上記入力部81から撮影画像情報を入力し記憶するハードディスクである画像情報記憶部82とが配置されている。
【0030】
上記インデックスアルバム冊子作成装置100によりインデックスアルバム冊子5を作成する作用について説明する。はじめに、各ページ部P1、P2、・・・のそれぞれに同数の画像、ここでは9個の画像を表示してインデックスアルバム冊子5を作成する場合について説明する。
【0031】
表示誇張度読取部85が、画像情報記憶部82から入力した撮影画像情報に基づいて各画像の表示誇張度合を示す値(以後、表示誇張度値という)を読み取って各画像の表示誇張度値を示す付帯情報を作成する。
【0032】
そして、表示誇張度読取部85から上記付帯情報を入力した誇張表示用画像決定部30が、上記撮影画像情報が担持する画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する。
【0033】
なお、誇張表示用画像決定部30が表示誇張度読取部85を兼用するものとしてもよいし表示誇張度読取部85はインデックスアルバム冊子作成装置100の外部に配置されたものとしてもよい。
【0034】
ここで、上記誇張表示用画像決定部30は、各画像の表示誇張度値を読み取って、予め定められた閾値以上の表示誇張度値を持つ画像を誇張表示用画像に定める。
【0035】
より具体的には、誇張表示用画像決定部30は、インデックスアルバム冊子用原紙5′中の各ページ部に画像を表示させる際の仕様を外部から入力するとともに、表示誇張度読取部85から各画像の表示誇張度値を示す付帯情報を入力する。そして上記仕様および付帯情報に基づいて、各画像を各ページ部に表示したときの各画像の各ページ部中での表示順番、および誇張形態で表示させる誇張表示用画像の各ページ部中での表示順番を求める。なお、インデックスアルバム冊子用原紙5′はインデックスアルバム冊子5に画像を表示する前の白紙状態の冊子である。
【0036】
以後、上述のインデックスアルバム冊子用原紙5′に各画像を表示させる表示順を冊子表示順と称し、これに対して、上記ページ部中での表示順番をページ表示順番と称する。上記インデックスアルバム冊子5に表示させる各画像の冊子表示順は、各画像の表示順(撮影順)に対応して定められるものである。
【0037】
ここでは、上記仕様は各ページ部それぞれに9個の画像を表示可能とするものであり、上記誇張形態は標準形態で表示させる画像のサイズよりも大きな大判サイズで画像を表示したり、あるいは画像の縁に枠を付けて表示したりするものとする。さらに、ここでは誇張表示用画像決定部30が各ページ部中に表示する画像のうちの最も表示誇張度値の大きい画像を誇張表示用画像に決定するものとする。
【0038】
図2は各ページ部に9個の画像を表示するときに各ページ部中に1つだけ含まれる誇張表示用画像のページ表示順番と誇張表示用画像ではない画像のページ表示順番とを各ページ部毎に示す図である。
【0039】
上記図2に示すように、各画像をインデックスアルバム冊子用原紙5′に表示するときの各誇張表示用画像のこのインデックスアルバム冊子用原紙5′中のページ部P1、P2、P3、P4でのページ表示順番は以下のようになっている。
【0040】
ページ部P1、P2で構成される見開きページ部PP21においては、ページ部P1に表示される誇張表示用画像のページ表示順番は1番、ページ部P2に表示される誇張表示用画像のページ表示順番は8番である。
【0041】
ページ部P3、P4で構成される見開きページ部PP22においては、ページ部P3に表示される誇張表示用画像のページ表示順番は4番、ページ部P4に表示される誇張表示用画像のページ表示順番も4番である。
【0042】
上記各ページ部における誇張表示用画像のページ表示順番は抽出部10へ入力される。
【0043】
また、抽出部10には、上記インデックスアルバム冊子5中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群が見開きページであることを示す情報が外部から入力される。
【0044】
上記抽出部10は、ページ部群である見開きページのうちから、各画像がインデックスアルバム冊子5に表示されたときに誇張表示用画像のページ部中でのページ表示順番が互に一致するページ部を含む見開きページを抽出する。ここでは、誇張表示用画像のページ表示順番が完全一致するページ部を含む見開きページ部を抽出する場合について説明する。なお、ページ部中に複数の誇張表示用画像を含む場合にはページ部中の複数の誇張表示用画像のうちの一部の誇張表示用画像のページ表示順番のみが一致、すなわち一部一致するページ部を含む見開きページ部を抽出するようにしてもよい。
【0045】
より具体的には、抽出部10が、誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に完全一致するページ部を含むページ部群を抽出する場合には、表示制御部20は、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部中では誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に完全一致させないように、すなわち各ページ部中では誇張形態で表示する誇張表示用画像のうちの少なくとも1つの画像についてはその位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に表示順に表示する。
【0046】
一方、抽出部10が、誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一部一致するページ部を含むページ部群を抽出する場合には、表示制御部20は、抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部中では誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に一部一致させないように、すなわち各ページ部中では誇張形態で表示する誇張表示用画像のうちのいずれの画像についてもその位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に表示順に表示する。
【0047】
ここではページ部群を見開きページとしたが、ページ部群は見開きページに限らず表示順に連続する3ページ以上のページ部からなるものであってもよい。なお、上記のようにページ部群を構成するページ部を示す情報は外部から抽出部10へ入力される。
【0048】
次に、抽出部10が、各見開きページのうちから、誇張表示用画像のページ部中でのページ表示順番が互に一致するページ部を含む見開きページを抽出する。
【0049】
図2に示すように、見開きページ部PP21を構成するページ部P1とP2における誇張表示用画像の各ページ表示順番は1番と8番で互いに異なる。見開きページ部PP22を構成するページ部P3とP4における誇張表示用画像のページ表示順番は共に4番で一致する。
【0050】
したがって、見開きページ部PP22が抽出部10によって抽出される。
【0051】
表示制御部20は、上記抽出されたページ部群である見開きページ部PP22に含まれる各ページ部中では、誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に誇張形態で表示する。なお、誇張形態で表示させない画像は、標準形態である上記大判サイズより小さな標準サイズで表示する。
【0052】
すなわち、図3に示すように、見開きページ部PP21を構成するページ部P1ではページ表示順番が1番の誇張表示用画像を大判サイズで標準位置へ、ページ部P2ではページ表示順番が8番の誇張表示用画像を大判サイズで標準位置へ表示し、他の画像を標準サイズで表示する。ここで、ページ部P1、P2それぞれの最下部に、標準サイズの画像3個分を表示可能な領域が生じる。上記領域には、標準サイズでの画像の表示領域と同じサイズの領域であり、上記撮影画像情報が含む画像を表示しない領域であるブランク領域Qが3個配置される。
【0053】
一方、見開きページ部PP22を構成する各ページ部では誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に一致させないように、ページ部P3ではページ表示順番が4番の誇張表示用画像を大判サイズで標準位置へ表示し、ページ部P4ではページ表示順番が4番の誇張表示用画像を上記標準位置とは異なる非標準位置に大判サイズで表示する。ここでは、ページ部中のページ表示順番が4番の誇張表示用画像を大判サイズで表示させる上記標準位置(図3のページ部P3参照)を図中矢印−X方向にシフトさせた非標準位置(図3のページ部P4参照)に、上記表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる。ここで、ページ部P3の最下部には上記ブランク領域Qを3個配置し、そしてページ部P4の最下部には上記ブランク領域Qを2個配置するとともに、ページ表示順番が3番の後の表示順で、かつページ表示順番が4番の誇張表示用画像の前の表示順の画像の表示領域に上記ブランク領域Qを1個配置する。
【0054】
また、ページ部P4におけるページ表示順番が4番の誇張表示用画像の標準位置とは異なる領域への表示は上記とは異なる領域とすることもできる。例えば、図3中の矢印J1で示す見開きページ部PP22′のように、ページ部中でのページ表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる標準位置(ページ部P3′参照)を図中矢印−X方向にシフトさせた非標準位置(ページ部P4′参照)に、上記表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させるようにしてもよい。ここで、上記ブランク領域Qは、例えば、ページ表示順番が1番より後の表示順で、かつページ表示順番が2番より前の表示順での画像の表示領域、ページ表示順番が2番より後の表示順で、かつページ表示順番が3番より前の表示順での画像の表示領域、およびページ表示順番が3番より後の表示順で、かつページ表示順番が4番より前の表示順での画像の表示領域に配置する(ページ部P4′参照)。
【0055】
なお、上記ブランク領域Qは各画像の表示順の前後を逆転させないように配置すれば、ページ部中のどのような領域に配置してもよい。
【0056】
上記表示順である撮影順での表示は、ページ部のより上側(図3中矢印+Y方向)の位置により過去に遡った時刻に撮影された画像が表示されるように設定されている。なお、上記撮影順の表示は、左右方向より上下方向の優先度を高く設定しているので、2つの画像の左上角部の位置を上下方向(図中矢印±Y方向)に一致させて各画像を表示させる場合には、ページ部のより左側(図中矢印+X方向)により過去に遡った時刻に撮影された画像が表示されるように設定されている。
【0057】
換言すれば、撮影順の表示は、ページ部のより下側(図中矢印-Y方向)により新しい時刻に撮影された画像の左上角部の位置を位置させるように設定されている。また、2つの画像の左上角部の位置をページ部の上下方向(図中矢印±Y方向)に一致させて各画像を表示させる場合にはページ部のより右側(図中矢印-X方向)により新しい時刻に撮影された画像が表示されるように設定されている。
【0058】
なお、上記時刻は、各画像の付帯する撮影時期が示す時刻に対応するものである。
【0059】
しかしながら、必ずしも上記のように表示させる場合に限らず、画像の表示順は上記とは異なる基準によって定めるようにしてもよい。
【0060】
上記のことにより、インデックスアルバム冊子中に画像を表示する際の誇張表示の効果の低下を防ぐことができ、インデックスアルバム冊子に画像を表示する際の表示品質の低下を抑制することができる。すなわち、図4に示すように、見開きページ部PP22を構成するページ部P3、P4それぞれにおいて表示順番が互に一致する誇張表示用画像(表示順番が4番の画像)を上記標準位置に誇張形態で表示させた場合には、見開きページが単調な表示となってしまうところを、より見栄えの良い表示とすることができる。
【0061】
なお、上記誇張形態と標準形態との違いを画像の大きさの差で示す場合に限らない。例えば画像の縁に枠を付けて表示する形態を誇張形態とし、画像の縁に枠を付けることなく表示する形態を標準形態としてもよい。
【0062】
図5は誇張形態を画像の縁に枠を付けた表示形態とし、標準形態を画像の縁に枠を付けない表示形態として各画像を表示した様子を示す図である。
【0063】
上述の表示制御部20による画像の表示を、画像の全てを同一サイズで表示するとともに上述の誇張表示用画像は枠付きの誇張形態で表示し、他の画像は枠無しの標準形態で表示すると、上記説明済みの図3で示した表示形態を上記図5に示す表示形態とすることができる。
【0064】
すなわち、見開きページ部PP21を構成するページ部P1では、ページ表示順番が1番の誇張表示用画像を、ページ部P2ではページ表示順番が8番の誇張表示用画像を枠付きで標準位置へ表示し、他の画像を枠無しで表示する。
【0065】
一方、見開きページ部PP22を構成する各ページ部では誇張形態で表示する誇張表示用画像の位置を互に一致させないように、ページ部P3ではページ表示順番が4番の誇張表示用画像を枠付きで標準位置へ表示し、ページ部P4ではページ表示順番が4番の誇張表示用画像を上記標準位置とは異なる非標準位置に枠付きで表示する。ここでは、ページ部中のページ表示順番が4番の誇張表示用画像を枠付きで表示させる上記標準位置(図5のページ部P3参照)を図中矢印−X方向にシフトさせた非標準位置(図5のページ部P4参照)に、上記表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる。ここで、ページ部P3の最下部には上記ブランク領域Qを3個配置し、そしてページ部P4の最下部には上記ブランク領域Qを2個配置するとともに、ページ表示順番が3番より後の表示順で、かつページ表示順番が4番より前の表示順での画像の表示領域に上記ブランク領域Qを1個配置する。
【0066】
また、ページ部P4におけるページ表示順番が4番の誇張表示用画像の標準位置とは異なる領域への表示は上記とは異なる領域とすることもできる。例えば、図5中の矢印J2で示す見開きページ部PP22′のように、ページ部中でのページ表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる標準位置(ページ部P3′参照)を図中矢印−X方向にシフトさせた非標準位置(ページ部P4′参照)に、上記表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させるようにしてもよい。ここで、上記ブランク領域Qは、例えば、ページ表示順番が1番より後の表示順で、かつページ表示順番が2番より前の表示順での画像の表示領域、ページ表示順番が2番より後の表示順で、かつページ表示順番が3番より前の表示順の画像の表示領域、およびページ表示順番が3番より後の表示順で、かつページ表示順番が4番より前の表示順での画像の表示領域に配置する(ページ部P4′参照)。
【0067】
次に、インデックスアルバム冊子中において表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群を、表示順に連続する3つのページ部からなるものとした場合について説明する。
【0068】
図6(a)は表示順に連続する3つのページ部からなる各ページ部群に含まれる各ページ部中のうちに、誇張形態で表示する画像の表示順番が互に一致するページ部を含む場合を示す図、図6(b)は表示順に連続する3つのページ部からなる各ページ部群に含まれる各ページ部中のうちに誇張形態で表示する画像の表示順番が互に一致するページ部を含まないようにした場合を示す図である。
【0069】
インデックスアルバム冊子がページ部P1〜P6の6ページで構成されており、各ページ部に1つずつ誇張表示用画像が決定されているとする。ここで、ページ部P1のページ表示順番が1の画像、ページ部P2のページ表示順番が5の画像、ページ部P3のページ表示順番が8の画像、ページ部P4のページ表示順番が5の画像、ページ部P5のページ表示順番が1の画像、およびページ部P6のページ表示順番が5の画像が誇張表示用画像であるとする(図6(a)参照)。
【0070】
表示順に連続する3つのページ部からなページ部群は、ページ部P1、P2、およびP3からなるページ部群PP31、ページ部P2、P3、およびP4からなるページ部群PP32、ページ部P3、P4、およびP5からなるページ部群PP33、ページ部P4、P5、およびP6からなるページ部群PP34である。
【0071】
抽出部10は、上記ページ部群のうちから、誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致(完全一致)するページ部を含むページ部群として、ページ部群PP32、ページ部群PP34を抽出する。上記ページ部群PP32を構成するページ部P2およびP4のそれぞれでは誇張表示用画像のページ表示順番が5番であり互に一致する。また、上記ページ部群PP34を構成するページ部P4およびP6のそれぞれでは誇張表示用画像のページ表示順番が5番であり互に一致する。
【0072】
表示制御部20は、上記抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示する誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように上記誇張表示用画像を各ページ部に表示する。
【0073】
ここでは、例えば、図6(b)に示すように、ページ部中でのページ表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる標準位置(図6(b)のページ部P2参照)を図中矢印+X方向、および−Y方向にシフトさせた非標準位置(図6(b)のページ部P4参照)に、上記ページ部P4での表示順番が4番の誇張表示用画像を表示させる。
【0074】
ここで、上記ページ部P4中のブランク領域Qは、例えば、ページ表示順番が4番より後の表示順で、かつページ表示順番が5番より前の表示順での画像の表示領域、およびページ表示順番が8番より後の表示順で、かつページ表示順番が9番より前の表示順での画像の表示領域に配置する(図6(b)のページ部P4参照)。
【0075】
これにより、ページ部群PP31〜PP34それぞれに含まれる各ページ部のうちでは誇張形態で表示する画像の表示順番を互に一致させないようにすることができる。
【0076】
このようにすれば、図6(a)に示すように、ページ部群に含まれる各ページ部中において誇張表示用画像の表示順番が5番で互に一致するページ部P2とP4、およびページ部P4とP6において各誇張表示用画像それぞれを共に枠付きで表示させた場合に比してより見栄えの良いインデックスアルバム冊子を得ることができる。
【0077】
なお、上記説明においては、ページ部中に表示する画像の数を変動させない場合について説明したが、例えば誇張形態の1例である大判サイズで表示させる画像の数に応じて、すなわちページ部の全表示領域中に占める上記大判サイズで表示させる画像の表示領域の割合の変更に応じてページ部中に表示可能な画像の数が変動する場合であっても上記手法を適用することができる。
【0078】
すなわち、外部から入力された誇張表示用画像の冊子表示順番、および仕様に基づいて、誇張表示用画像決定部が、各ページ部に表示する画像の数と各ページ部に含まれる誇張表示用画像のページ表示順番とをページ部毎に設定するが、このとき、ページ部中に含まれる誇張表示用画像の数が多いほどこのページ部中に表示可能な画像の数が少なく設定される場合がある。
【0079】
このような場合には、各ページ部中に含まれる誇張表示用画像の数と各ページ部中に誇張形態で表示する画像の数とを一致させるように表示制御部による画像表示を行うことにより、上記と同様の手法を適用することができる。
【0080】
なお、上記説明においてインデックスアルバム冊子を、連続する2つのページ部からなる見開きページを有するものとしたが、インデックスアルバム冊子は見開きページを有するものに限るものではない。
【0081】
また、上記誇張形態は、この誇張形態で表示した画像を標準形態で表示した画像よりも容易に視認できるようにするものであればどのような表示形態であってもよい。
【0082】
なお、本発明のインデックスアルバム冊子作成装置の機能を実行するためのプログラムをパソコンにインストールし、パソコンにおいて上記実施形態と同様にインデックスアルバム冊子の作成を行なうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のインデックスアルバム冊子作成装置の概略構成を示すブロック図
【図2】誇張表示用画像のページ表示順番と誇張表示用画像ではない画像のページ表示順番とを各ページ部毎に示す図
【図3】表示制御部により各画像を各ページ部に表示させた様子を示す図
【図4】見開きページ部を構成する各ページ部において表示順番が互に一致する誇張表示用画像をそのまま誇張形態で表示させた様子を示す図
【図5】誇張形態を画像の縁に枠を付けた表示形態とし標準形態を画像の縁に枠を付けない表示形態として各画像を表示した様子を示す図
【図6】図6(a)は各ページ部群に含まれる各ページ部中のうちに誇張形態で表示する画像の表示順番が互に一致するページ部を含む場合を示す図、図6(b)は各ページ部群に含まれる各ページ部のうちに誇張形態で表示する画像の表示順番が互に一致するページ部を含まないようにした場合を示す図
【符号の説明】
【0084】
5 インデックスアルバム冊子
10 抽出部
20 表示制御部
30 誇張表示用画像決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成装置において、
前記撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する誇張表示用画像決定手段と、
前記インデックスアルバム冊子中において前記表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出する抽出手段と、
前記抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とするインデックスアルバム冊子作成装置。
【請求項2】
前記インデックスアルバム冊子が、連続する2つのページ部からなる見開きページを有するものであり、
前記ページ部群が、前記見開きページであることを特徴とする請求項1記載のインデックスアルバム冊子作成装置。
【請求項3】
前記標準形態が、前記画像を標準サイズで表示させる形態であり、前記誇張形態が、前記画像を前記標準サイズよりも大きな大判サイズで表示させる形態であることを特徴とする請求項1または2記載のインデックスアルバム冊子作成装置。
【請求項4】
供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成方法において、
前記撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定し、
前記インデックスアルバム冊子中において前記表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出し、
前記抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示することを特徴とするインデックスアルバム冊子作成方法。
【請求項5】
供給された撮影画像情報が担持する画像を複数のページ部に亘って予め定められた表示順に一覧表示してインデックスアルバム冊子を作成するインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
前記撮影画像情報に含まれる付帯情報に基づいて前記画像のうちから、標準形態より誇張した誇張形態で表示させる誇張表示用画像を決定する手順と、
前記インデックスアルバム冊子中において前記表示順に連続する所定数のページ部からなるページ部群のうちから、各画像を各ページ部へ表示させたときに前記誇張表示用画像のページ部中での表示順番が互に一致するページ部を含むページ部群を抽出する手順と、
前記抽出された各ページ部群に含まれる各ページ部では誇張形態で表示させる誇張表示用画像のページ部中での位置を互に一致させないように前記誇張表示用画像を各ページ部に表示する手順とを実行することを特徴とするインデックスアルバム冊子作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−318309(P2007−318309A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144100(P2006−144100)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】