説明

インデックス型陰極線管

本発明は、インデックス型陰極線管に関連し、この陰極線管では、トラッキング構造は、インデックス型陰極線管がプログレッシブ走査モードで使用されることを可能にする。トラッキング構造は、陰極線管の電子ビームが当たると第1の応答信号(S1)及び第2の応答信号(S2)をそれぞれ生成する第1の種類のトラッキング素子(16)及び第2の種類のトラッキング素子(18)を有する。第1及び第2の応答信号は、位置合わせ信号を決定し、トラッキング素子は、蛍光体素子(20、20’、20’’)と平行に延在し、各蛍光体素子は、各第3のセット(330)の第3の色(B)の各蛍光体素子(2040’’)以外は、第1の種類のトラッキング素子及び第2の種類のトラッキング素子がそれぞれどちらかの側部に横付けにされ、第3の色の蛍光体素子の両側は、同じ種類のトラッキング素子が横付けされる。このトラッキング構造は、インデックス型陰極線がインタレース走査モードで動作されても目立つフリッカがないという利点を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インデックス型陰極線管に係る。
【背景技術】
【0002】
インデックス型陰極線管は、シャドウマスク無しで動作する。内部スクリーンには、好適には水平方向である方向に延在する蛍光体素子が設けられる。各蛍光体素子には、トラッキング構造に属するトラッキング素子が、好適には上下に、位置付けられる。所望の蛍光体素子(従来では、蛍光体は、赤色光、緑色光、及び青色光を生成する)上への電子ビームの適切な着陸は、蛍光体素子上の理想位置からの電子ビームの逸脱についての情報を有する補正信号を用いて確実にされる。トラッキング素子は、電子ビームが当たると光を励起する蛍光体を有する。電子ビームが当たると、蛍光体素子の上方に位置付けられるトラッキング素子の蛍光体は第1の波長で励起し、蛍光体素子の下方に位置付けられるトラッキング素子の蛍光体は第2の波長で励起する。励起された光は、2つの光検出器によって検出される。第1の検出器は、第1の波長に反応し、第2の検出器は、第2の波長に反応する。2つの検出器からの信号は、電子ビームが蛍光体素子への理想経路から逸脱する場合に、蛍光体のラインの中心にビームを向けるフィードバックループによって電子ビームの位置を補正する補正信号を導出し、それにより色誤差を回避するために使用される。
【0003】
いわゆるプログレッシブ走査モードで駆動される場合にしか使用できないということが、従来のインデックス型陰極線管の問題である。インデックス型陰極線管が、いわゆるインタレース走査モードでも使用し得ることが所望される。インタレース走査モードも、従来の陰極線管を駆動するためのモードである。しかし、従来のインデックス型陰極線管が、インタレース走査モードで駆動されると、許容不可能なレベルのフリッカを有する画像が表示されてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、任意の画像フリッカ無くインタレース走査モードで駆動可能なインデックス型陰極線管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明の陰極線管は、独立請求項1に記載される。従属項は、本発明の有利な実施例を記載する。
【0006】
本発明は、従来のインデックス型陰極線管のトラッキング構造は、連続的に走査される蛍光体ライン間で符号が交互に変わるエラー信号を供給するという見識に基づいている。エラー信号の外乱を低減するために、従来のインデックス型陰極線管では、最後の2つのラインに亘ってエラー信号を平均化する必要があった。この平均化を有効とするためには、エラー信号の関連の部分は、蛍光体ラインによって符号を変えるべきである。従来のインデックス型陰極線管構造が、プログレッシブモードで使用される場合、この符号変更が行われる。しかし、インタレースモードで使用される場合、この符号変更は行われず、従って、トラッキングは、目立つスクリーンフリッカを結果としてもたらしてしまう。
【0007】
本発明のトラッキング構造では、エラー信号は、連続的に走査されたライン間で交互に変わり、また、外乱が抑制されることが可能である。従って、陰極線管がプログレッシブモードで使用されてもフリッカがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の上述の及び他の目的は、以下に説明する実施例から明らかとなりまたこれらの実施例を参照して説明する。
【0009】
図面は縮尺が取られているものではない。図面中、同様の参照番号は、一般的に同様の部分を指し示す。
【0010】
図1には、ディスプレイウィンドウ3と、コーン4と、ネック5を有する排気されたエンベロープ2を有する従来のインデックス型カラー陰極線管1であるディスプレイ機器を示す。ネック5は、この実施例では、1つの平面に、即ち、インライン面に延在する電子ビーム7、8、及び9を生成する電子銃6を収容する。面内構成では、2つの側部ビームと1つの中心電子ビームがある。ディスプレイスクリーン10は、複数の赤、緑、及び青の発光蛍光体素子を有する。電子ビーム7、8、及び9は、ディスプレイスクリーン10に向かう途中で、偏向ユニット11によってディスプレイスクリーン10の全体に亘って偏向される。
【0011】
陰極線管は更に、素子12を有し、そこから、第1の応答信号S1及び第2の応答信号S2が、偏向補正生成器730に供給される。偏向補正生成器730は、2つの応答信号に基づいて偏向補正信号fを生成する。合成ビデオベースバンド信号(CVBS又は同様のビデオ入力信号)が、偏向信号を生成する偏向信号生成器(DSG)と、電子銃6のための画像信号を生成する画像信号プロセッサ(PSP)と、グリッド素子14用の信号を生成するグリッド信号生成器(GSG)に供給される。偏向信号fは、DSGからの偏向信号と合成され、そして、偏向ユニット11用の偏向信号732として使用される。
【0012】
3つの電子ビームに対して、フィードバック機構は、2つのサブシステム、即ち、遅いフィードバックループと速いフィードバックループを有する。速いフィードバックループは、3つの全てのビームの同時の着陸位置に影響を与える外乱を補正する。一般的に、これらの外乱は、陰極線の外側に由来し、比較的高い頻度で発生する。例としてはハロゲンランプの変圧器によって誘発される電磁場や、移動電話機によって誘発される電磁場が挙げられる。
【0013】
速いループは、磁気双極子によって3つの全てのビームの着陸位置を補正する。このループは、1蛍光体ラインのオーダーの垂直変位について補正可能であり、より大きい変位は、トラッキングエラー(即ち、間違った蛍光体ライン上のトラッキング)をもたらす。
【0014】
遅いフィードバックループは、個々のビームの着陸位置に影響を与えることの可能な(ゆっくりとした)外乱を補正する。このような外乱の例は、非点収差と偏向ヨークからのコマ収差エラーである。これらのエラーは、時間の経過と共に、偏向ヨークの加熱によって変化する。これらの変化が発生する時間スケールは、一般的に、数十分のオーダーである。遅いフィードバックループは、二極磁場、四極磁場、及び六極磁場を発生させるコイルによって個々のビームの着陸位置を補正する。
【0015】
従来の陰極線管(従って、非インデックス型CRT)は、いわゆるインタレース走査モードで動作される。欧州では、スクリーン上に構築されるべき完全な画像は、625本の画像ライン(ここでは蛍光体トリプレット)を使用し、これらの画像ラインは、左から右に、上から下に走行する。「新しい」画像は、毎秒25回スクリーン上に書込みされる。最初に、全ての「奇数の」画像ラインが、画像の下まで走査(書込み)され、次に、スクリーンの上部に素早く飛んで戻り、その後、介在する(「偶数の」)画像ラインが同様に走査される。偶数と非偶数のハーフフレームへの分割は、インタレース走査と称される。エラー信号が構成される方法によって、従来のインデックス型陰極線管は、上述したインタレース走査モードでは動作されることができない。従って、従来のインデックス型陰極線管は、プログレッシブモードで動作される。即ち、表示される画像は、全てのラインを進行的に走査することによって得られるフルフレームの蓄積である。
【0016】
図2は、従来のインデックス型陰極線管のトラッキング構造の詳細を示す。トラッキング構造は、蛍光体素子20、20’、20’’を有するスクリーン10の内面上に位置付けられる。トラッキング素子16及び18は、蛍光体素子と平行(好適には水平方向に、即ち、x軸と平行)に延在する。トラッキング素子16及び18は、蛍光体素子20に隣接して位置付けられる。
【0017】
同時に、3つの電子ビーム7、8、及び9が、蛍光体素子上を走査する。各ビームは、赤色光(電子ビーム7の場合)、緑色光(電子ビーム8)、又は青色光(電子ビーム9)を放射する蛍光体素子上を走査し、それにより画素素子を形成する。簡潔さのために、赤色電子ビーム、緑色電子ビーム、及び青色電子ビームの用語をそれぞれ使用する。例えば、電子ビーム8が、蛍光体素子20の上方に位置付けられるトラッキング素子16に当たると、第1の波長の光線が放射され、陰極線管上又は陰極線管内に位置付けられる第1の光検出器によってレジスタされる。その一方で、電子ビーム8が、蛍光体素子20の下方に位置付けられるトラッキング素子18に当たると、第2の波長の光線が放射され、第2の光検出器によってレジスタされる。蛍光体素子20に衝突する電子ビーム8は、トラッキング素子16及び18上にも衝突する。電子ビームが、トラッキング素子16及び18上に一様に衝突する場合、トラッキング素子からの応答信号には差がない。電子ビームが上方向又は下方向にずれていると、トラッキング素子のうちの1つのトラッキング素子上にもう1つのトラッキング素子よりも多くの電子が衝突し、応答信号における差が発生する。この差は測定することが可能であり、蛍光体素子20に対する電子ビーム8の位置を補正するのに使用される。
【0018】
ビームは、1つの蛍光体のライン分、互いから離される。このことは、全ての3つのビームに対して同じ符号を有する差信号S1−S2を得るために行われる。この差信号は、3つのビームの平均位置の速いトラッキングと、中心ビームに対する側部ビームの位置の遅いトラッキングを組み合わせることを可能にする。このようなビームのトラッキング方法は、WO2/093612に開示される。
【0019】
従来のインデックス型陰極線管では、トラッキング信号の垂直平均が、右の蛍光体トラック上でビームを動かすために使用される。外乱は、ラインの周波数と比べて低い頻度である。従って、j−1番目のライン上のエラー信号は、j番目のライン上のエラー信号の良好な予測である。
【0020】
しかし、インタレース陰極線管では1つの厄介な問題がある。即ち、エラー信号は、対称的な寄与を有する。従って、奇数番号のラインについて、エラー信号は、以下のように書くことが可能である。
【0021】
ε=αΔy+β
αは、定数であり、Δyは、ビームの平均垂直変位であり、βは、対称的な外乱である。この外乱は、増幅器、検出器等における非対称性の結果である。偶数番号のラインについて、エラー信号は、以下のように読み取れる。
【0022】
ε=−αΔy+β
対称的な外乱を除去するには、2つのラインのエラー信号が差し引かれ、フィードバック用のエラー信号として使用される。
【0023】
【数1】

(又は、連続ラインのエラー信号は、より大きい時間平均を得る及び雑音を抑制するために使用される。)
プログレッシブインデックス型陰極線管については、上述の平均化はうまくいく。しかし、インタレース型陰極線管については、上述の平均化は不可能である。奇数(偶数)のフレームに対し、全てのエラー信号は同じ符号を有する。従って、対称的な外乱を除去することはできない。実験によって、対称的な外乱が除去されない場合、劇的なフリッカが発生することが示されている。
【0024】
図3は、本発明のトラッキング構造の実施例を示す。蛍光体素子は、3つのセット310、320、及び330にまとめられる。各蛍光体素子2000、2000’、2000’’、2020、2020’、2020’’、2040、2040’は、各第3のセット330の各第3の蛍光体素子2040’’以外は、第1の種類のトラッキング素子16及び第2の種類のトラッキング素子18がそれぞれどちらかの側部に横付けされる。従って、第3の蛍光体素子の両側は、同じ種類のトラッキング素子が横付けされる。ここでの特定の例では、第1の種類のトラッキング素子16が横付けされる。
【0025】
本発明のトラッキング構造は、3つの蛍光体トリプレットに亘って周期的である。プログレッシブモードで使用される場合、第3及び第6のラインは、任意の有用なフィードバック信号をもたらさない。第1から第6のラインに対して、エラー信号は以下のように読める。即ち、
ε=αΔy+β
ε=−αΔy+β
ε=αΔy+β
ε=−αΔy+β
第3及び第6のラインのトラッキング信号の推定は、捕外によって得ることが可能である。
【0026】
インタレースモードでは、第2及び第3のラインが、奇数及び偶数のフレームのそれぞれにおいて観察することができない。従って、偶数のフレームでは、エラー信号は、以下のように読める。即ち、
ε=αΔy+β
ε=−αΔy+β
また、奇数フレームでは、
ε=αΔy+β
ε=−αΔy+β
ここでも、前のエラー信号の適切な線形結合によって、欠けているラインを推定するために捕外を行うことが可能である。
【0027】
図4は、本発明のトラッキング構造の更なる実施例を示す。この実施例では、トラッキング素子161、181のサブセットは、電子ビームを位置合わせするための追加の位置合わせ信号を導出するための空隙30、30’を有する。トラッキング素子のサブセットに空隙を設けることによって、電子ビームがスクリーンの明確な位置にあるときに、補正信号の一時的な中断が生成される。この中断は、特に、テレビ受像機の起動期間の間に、電子ビームを制御するのに追加として使用される。
【0028】
図5は、本発明の更なる有利な実施例を示す。m個の隣接蛍光体素子の空隙30、30’は、第1の列42の一部を形成し、n個の隣接蛍光体素子の空隙31、31’は、第2の列44の一部を形成する。両方の列は、トラッキング素子に対して垂直な方向に延在する。第1の列42及び第2の列44は互いに隣接して配置される。図5に示す例では、mは、9であり、nは、5であり、第1の列及び第2の列は、互いに対称に配置される。即ち、第1の列及び第2の列の中心は、同じ蛍光体素子上に配置される。その形状を考慮して、この構造は、T字型構造とも称される。
【0029】
第1の列(時間的に最初に走査される。何故なら、この例での走査は、左から右に行われるからである)の目的は、構造開始信号を供給することであり、この信号は、巨視的な補正が完全に間違っている場合でも検出されることが可能である。
【0030】
電子ビームのトラッキングが良好である場合、この構造によって、4つの走査ラインの走査しか影響を受けない(1回の走査では、3つのビームが、3つの蛍光体ラインに沿って走査され、このような走査のうち4つの走査しか影響を受けない)。位置100及び600における3つのビームは、この構造にはかからない。位置200及び500における3つのビームは、この構造によって、この構造の第1の列42において、負の影響を受ける。両方の位置において、緑色ビーム(即ち、真ん中のビーム)が2つのトラッキング素子のうちの1つの素子にしか当たらない。従って、トラッキング信号は一時的に使用できなくなる。
【0031】
位置300及び400において、電子ビームは、構造の第1の列42に当たる。ここでは、トラッキング信号は全くない。この状態は、ライフビデオが表示される場合でも、構造の開始の信頼のある検出を可能にする。第2の列44では、トラッキング素子は、位置300の場合、赤色ビームのみから来て、また、位置400の場合、青色ビームのみから来る。
【0032】
図5に示す本発明の実施例は、ラスタ補正、電子ビームの集束、及びフォーカスに関連する追加の利点を有する。これらの利点を以下に説明する。
【0033】
ラスタ補正
トラッキングが間違っていても、構造の第1の列は依然としてかなり簡単に検出されることが可能である。従って、トラッキングの巨視的なトラッキングアスペクトを正しくすることは、この構造の存在によって相当に単純化される。この較正段階の間、均一なグリーンテストパターンが表示されることが可能である。光検出器は、構造を容易に検出可能な信号を生成する。パターンマッチングアルゴリズムが、1つの蛍光体ラインより良好な分解能を有する位置情報を生成する。これは、走査されたラスタについての即時の絶対水平及び垂直位置情報を与え、従って、幅、高さ、直線性等の陰極線管の制御設定が容易に調節可能である。
【0034】
スクリーン全域からの情報が必要なので、多数のこれらのT字型構造が必要である。これらは、スクリーン全体に及ぶx×yマトリクスの位置に配置されることが可能である。これらの位置の理想の数及び水平幅は、光検出機構の帯域幅、水平スポット寸法、及び補正可能な最大ずれといった多数のアスペクトに依存する。
【0035】
9×9のマトリクスのT字型構造が、実用的価値があることが分かっている。
【0036】
収束
収束は、ビデオコンテンツが完全に黒であるべきではないこと以外そのビデオコンテンツに特別な要件を必要とすることなく、T字型構造の位置において測定されることが可能である。巨視的な位置は正しく、また、巨視的トラッキングは、合わせられた3つのビームをトラック上に維持すると仮定すると、構造は、第2の列において集束情報を供給し、これは、3つのビーム間の垂直距離が正しくあるよう赤及び青の側部ビームが調整されることを可能にする。
【0037】
構造以外の領域では、測定されたトラッキング信号は、赤色ビーム、緑色ビーム、及び青色ビームの寄与の加重平均である。重みは、ビデオコンテンツに依存する。従って、トラッキングシステム自体によって制御されない。しかし、構造の第2の列では、図4における位置300にあるビームは、赤色ビームのみに依存するトラッキング信号を生成し、また、位置400では、青色ビームのみに依存するトラッキング信号を生成する。赤、緑、及び青の重み付けされた信号と、赤のみに依存する信号との間に差がある場合、赤の側部ビームはトラックから外れていることは明らかである。どのくらいトラックから外れているかは、決定することができない。何故なら、ビデオ情報は、これらの2つの測定間で異なることが可能だからである。しかし、差の信号の符号は常に正しく、また、赤の側部ビームを小さい段で適切な方向に調整するために使用されることが可能である。これは適切な方法であり、何故なら、集束エラーは、ゆっくりとしたドリフト動作を有するからである。構造の位置において赤を含まない画像を阻止するために、調整は、測定された信号が特定の閾値より下がると行われてはならない。同じ方法が、青色ビームにも適用される。
【0038】
この方法の利点は、テレビ受像機の起動段階の間だけではなく陰極線管の動作の間に、また、目に見える干渉なく行われることが可能であるという点である。
【0039】
フォーカス
大域的フォーカス調整は、2つのトラッキング蛍光体によって生成される信号レベルを最小限にすることによって行われることが可能である。垂直方向におけるスポット寸法が良好である程、トラッキング蛍光体に当たる電子の数は少なくなる。従来のトラッキング構造では、組み合わされたフォーカスしか調節可能ではなかった。また、各色当たりの寄与は、表示されるビデオコンテンツに依存する(上述した位置エラーの状況と類似する状況)。
【0040】
上述の構造は、赤色ビーム及び青色ビームのフォーカスが別個に測定されることを可能にし、3つの全てのビームのフォーカスの調整を大幅に簡単にする。
【0041】
まとめると、本発明は、インデックス型陰極線管に関わり、この陰極線管では、トラッキング構造が、インデックス型陰極線管がプログレッシブ走査モードで使用されることを可能にする。トラッキング構造は、陰極線管の電子ビームが当たると、第1の応答信号S1及び第2の応答信号S2をそれぞれ生成する第1の種類のトラッキング素子16及び第2の種類のトラッキング素子18を有し、第1及び第2の応答信号は、位置合わせ信号を決定し、トラッキング素子16、18は、蛍光体素子2000、2000’、2000’’、2020、2020’、2020’’、2040、2040’、2040’’と平行に延在し、それにより各蛍光体素子は、各第3のセット330の第3のB色の蛍光体素子2040’’以外は、第1の種類のトラッキング素子16及び第2の種類のトラッキング素子18がそれぞれどちらかの側部に横付けされ、それにより、第3のB色の蛍光体素子の両側は、同じ種類のトラッキング素子が横付けされる。このトラッキング構造は、インデックス型陰極線管はインタレース走査モードで動作されても顕著なフリッカを有さないという利点を有する。
【0042】
尚、上述した実施例は、本発明を制限するものではなく説明するものであって、当業者は特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替の実施例を設計可能であろう。請求項において、括弧内に印す任意の参照符号は、その請求項を制限すると解釈すべきではない。「有する」という用語は、請求項に列挙した素子又は段階以外の素子又は段階の存在を排除するものではない。単数形で示す素子も、そのような素子が複数存在することを排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来のインデックス型CRTを示す図である。
【図2】従来のインデックス型CRTのトラッキング構造を示す図である。
【図3】本発明によるトラッキング構造の1つの実施例を示す図である。
【図4】本発明によるトラッキング構造の第2の実施例を示す図である。
【図5】本発明によるトラッキング構造の第3の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インデックス型陰極線管であって、
電子ビームを発生させる銃と、
スクリーンの内面に亘って前記電子ビームを偏向させる手段と、
位置合わせ信号に応答して前記偏向を制御する応答手段と、
を有し、
前記スクリーンには、前記電子ビームによって励起されると光を発生させる蛍光体素子が設けられ、
前記蛍光体素子は、励起されたときに第1の色の光、第2の色の光、及び第3の色の光をそれぞれ放射する3つの蛍光体素子のセットにまとめられ、
前記スクリーンには更に、前記電子ビームが当たると、第1の応答信号及び第2の応答信号をそれぞれ発生させる第1の種類のトラッキング素子及び第2の種類のトラッキング素子が設けられ、
前記第1の応答信号及び前記第2の応答信号は、前記位置合わせ信号を決定し、
前記トラッキング素子は、前記蛍光体素子と平行に延在し、
各蛍光体素子は、各第3のセットの前記第3の色の各蛍光体素子以外は、前記第1の種類のトラッキング素子及び前記第2の種類のトラッキング素子がそれぞれどちらかの側部に横付けにされ、それにより、前記第3の色の前記蛍光体素子の両側は、同じ種類のトラッキング素子が横付けされる、インデックス型陰極線管。
【請求項2】
前記トラッキング素子のサブセットは、前記電子ビームの位置合わせのための追加の位置合わせ信号を導出するための空隙を有する請求項1記載のインデックス型陰極線管。
【請求項3】
m個の隣接蛍光体素子の空隙が第1の列を形成し、
n個の隣接蛍光体素子の空隙が第2の列を形成し、
前記第1の列及び前記第2の列は、前記トラッキング素子に対して垂直な方向に延在し、
前記第1の列及び前記第2の列は、互いに隣接して位置付けられる請求項1記載のインデックス型陰極線管。
【請求項4】
mは、9であり、
nは、5であり、
前記第1の列及び前記第2の列は、互いに対称に位置付けられる請求項3記載のインデックス型陰極線管。
【請求項5】
前記第1の列及び前記第2の列は、T字型構造を形成し、
前記スクリーンの前記内面には、x×yマトリクスの位置に応じて前記スクリーン全体に分配されるT字型構造のセットが設けられる請求項4記載のインデックス型陰極線管。
【請求項6】
前記x及びyは、9である請求項5記載のインデックス型陰極線管。
【請求項7】
請求項1に記載のインデックス型陰極線管が設けられたテレビジョンシステムであって、
前記テレビジョンシステムは、前記第1の応答信号及び前記第2の応答信号に基づいて制御信号を供給する手段を有する、テレビジョンシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−525636(P2006−525636A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506901(P2006−506901)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050518
【国際公開番号】WO2004/098199
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】