説明

インバート築造方法

【課題】基盤層の上にインバートコンクリートを打設して築造される、中央部分に沿って排水溝が形成されたインバートを、効率良く短期間で施工できるインバート築造方法を提供する。
【解決手段】トンネル10の坑内に、排水溝14が中央部分に設けられたインバート12を形成するインバート築造方法であって、坑内の底部11に基盤層15を形成する基盤層形成工程と、形成した基盤層15の中央部分に、左右一対の側壁部16a,16bと底壁部16cとからなる略U字形の断面形状部分17を備える凹状ブロック16を、トンネル10の軸方向に連設させて固定するブロック設置工程と、設置した凹状ブロック16を排水溝14側の型枠として用いてこれの両側にインバートコンクリート18a,18bを打設するコンクリート打設工程と、凹状ブロック16の内側底部19を所定の深さに仕上げて排水溝14を形成する排水溝形成工程とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバート築造方法に関し、特にトンネルの坑内に、トンネルの軸方向に延設する排水溝が中央部分に設けられたインバートを形成するためのインバート築造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インバートは、例えば山岳トンネルでは、地山の状態が悪い場合にトンネルの底部にコンクリートを打設してトンネルの断面を閉合させるために築造されるものであるが、例えばシールドトンネル等の閉合された断面においては、覆工後のトンネルの坑内の底部にコンクリートを後打ちすることによって、例えば円形断面のトンネルの坑内の凹状に湾曲する底部を埋めようにして、排水勾配を考慮した平坦な面を当該底部に形成するために築造されるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、インバートは、トンネル坑内の底部に平坦な面を形成するために築造される場合、コンクリートによる大きな強度を必ずしも必要としないことから、好ましくはトンネル掘削時に発生した掘削土砂にセメント等の固化材を混合して得られた安定処理土材を使用して、インバート路床を形成するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また安定処理土材を用いて形成した基盤層の上面を覆って、さらにインバートコンクリートを打設することにより、トンネル坑内の底部にインバートを築造する技術も開発されている。
【特許文献1】特開平7−4193号公報
【特許文献2】特開2007−191859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、トンネルの坑内の底部に設けられたインバートは、排水機能を備える必要があることから、平坦に形成された表面は縦断勾配や横断勾配を備えるようになっている。またインバートには、トンネルの軸方向に延設する排水溝が設けられるのが一般的であり、このような排水溝は、インバートの両側部に沿って設けられる他、トンネルの坑内を効率良く活用する上で、インバートの中央部分に沿って設けることが好ましい場合がある。そして、基盤層の上にインバートコンクリートを打設してインバートを築造する際に、インバートの中央部分に沿って排水溝を形成する従来の方法として、以下のような型枠を用いた施工方法が採用されていた。
【0005】
すなわち、従来の方法では、図4に示すように、例えば掘削土砂に固化材を混合してなる安定処理土材を用いて、トンネル40の坑内の底部に基盤層41を形成した後、形成された基盤層41を作業床として、排水溝42の配設予定位置を挟んだ一方の側のインバートコンクリート43を形成するための型枠を組み立て、当該一方の側のインバートコンクリート43を打設する。また、打設したインバートコンクリート43の硬化・養生後に、型枠を脱型し、型枠した脱型を、好ましくは排水溝42の配設予定位置を挟んだ他方の側のインバートコンクリート44を形成するための型枠として転用して組み立て、他方の側のインバートコンクリート44を打設すると共に、打設したインバートコンクリート44の硬化・養生後に、型枠を脱型する。しかる後に、硬化した両側のインバートコンクリート43,44の間に挟まれた溝部分の底部45を、コンクリートやモルタルを用いて仕上げることにより、排水溝42を形成する。これによって、中央部分に沿ってトンネル40の軸方向に延設する排水溝42が形成されたインバート46が、例えば20m程度の長さの施工スパン毎に、連続して築造されてゆくことになる。
【0006】
しかしながら、このような排水溝が中央部分に沿って形成されたインバートの従来の築造方法によれば、型枠を組み立てる作業や脱型する作業に多くの手間がかかると共に、型枠のケレンやPコンの処理等にも多くの手間を要することになる。また、好ましくは型枠を転用しつつ排水溝を挟んだ両側のインバートコンクリートを別々に打設する必要があるので、施工スパンをそれ程長くすることができず、特にインバートの総施工延長が例えば数百m〜数キロmに及ぶ長さとなった場合には、工期や施工コストを抑制することが困難になる。したがって、基盤層の上にインバートコンクリートを打設して中央部分に沿って排水溝が延設するインバートを築造する際に、さらに効率良く、短期間で安価に施工することが可能な新たな技術の開発が要望されている。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、基盤層の上にインバートコンクリートを打設して築造される、中央部分に沿って排水溝が形成されたインバートを、効率良く、短期間で安価に施工することのできるインバート築造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、トンネルの坑内に、トンネルの軸方向に延設する排水溝が中央部分に設けられたインバートを形成するためのインバート築造方法であって、トンネルの坑内の底部に基盤層を形成する基盤層形成工程と、形成した基盤層の中央部分に、左右一対の側壁部と底壁部とからなる略U字形の断面形状部分を備えると共に、左右一対の側壁部が各々排水溝を挟んで両側に打設されるインバートコンクリートの厚さに相当する高さを有する凹状ブロックを、底壁部を基盤層に載置した状態でトンネルの軸方向に複数連設させて固定するブロック設置工程と、設置した凹状ブロックを排水溝側の型枠として用いてこれの両側にインバートコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、凹状ブロックの内側底部を所定の深さに仕上げて排水溝を形成する排水溝形成工程とを含むインバート築造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
そして、本発明のインバート築造方法は、前記凹状ブロックの左右一対の側壁部が異なる高さを有しており、前記凹状ブロックの両側に前記インバートコンクリートが異なる厚さで打設されることが好ましい。
【0010】
また、本発明のインバート築造方法は、前記コンクリート打設工程において、前記凹状ブロックの両側のインバートコンクリートが並行して同時に打設されることが好ましい。
【0011】
さらに、本発明のインバート築造方法は、前記基盤層形成工程において、トンネル掘削時の掘削土砂から得られるセメント安定処理土材を用いて前記基盤層が形成されることが好ましい。
【0012】
さらにまた、本発明のインバート築造方法は、前記トンネルがシールド工法による円形断面のトンネルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のインバート築造方法によれば、基盤層の上にインバートコンクリートを打設して築造される、中央部分に沿って排水溝が形成されたインバートを、効率良く、短期間で安価に施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい一実施形態に係るインバート築造方法は、図1に示すような、例えば泥水式シールド工法による円形断面のトンネル10を、好ましくは電気、通信、水道等のライフラインを配設するための共同溝として使用するべく、トンネル10の坑内の底部11にインバート12を築造して、当該底部11に、作業員が歩行したり、作業員が作業をするのに適した相当の幅の平坦な面13a,13bを、排水機能を保持した状態で、トンネル10の軸方向に相当の延長に亘って効率良く形成できるようにするために採用されたものである。
【0015】
すなわち、本実施形態では、トンネル10の坑内は、例えばφ4050mm程度の内径を有するようにその内周面が覆工されており、その底面部分は円弧状に湾曲する湾曲面となっていて歩行や作業がし難くなっているため、トンネル10の坑内の底部11を埋めようにしてインバート12を築造することにより、例えば1.5〜2.0m程度の幅の平坦な面13a,13bを排水溝14の両側に各々形成して、作業員の歩行のし易さや作業のし易さを確保できるようになっている。また、本実施形態では、トンネル10の坑内の中央よりもやや片側(図1に左側)に片寄った中央部分に、トンネル10の軸方向に延設する排水溝14が両側の平坦な面13a,13bの間に挟まれて形成されている。これらの両側の平坦な面13a,13bは、排水溝14に向って下り勾配となった例えば2%程度の横断方向の排水勾配を備えていることにより、トンネル10の軸方向に沿った縦断方向の排水勾配と相俟って、インバート12によるトンネル坑内10の底部11は、所望の排水機能を備えるようになっている。
【0016】
そして、本実施形態のインバート築造方法は、トンネル10の坑内に、トンネル10の軸方向に延設する排水溝14が中央部分に設けられたインバート12を形成するための築造方法であって、図2に示すように、トンネル10の坑内の底部11に基盤層15を形成する基盤層形成工程と、形成した基盤層15の中央部分に、左右一対の側壁部16a,16bと底壁部16cとからなる略U字形の断面形状部分17を備えると共に、左右一対の側壁部16a,16bが各々排水溝14を挟んで両側に打設されるインバートコンクリート18a,18bの厚さに相当する高さを有する凹状ブロック16を、底壁部16cを基盤層15に載置した状態でトンネル10の軸方向に複数連設させて固定するブロック設置工程と、設置した凹状ブロック16を排水溝14側の型枠として使用してこれの両側にインバートコンクリート18a,18bを打設するコンクリート打設工程と、凹状ブロック16の内側底部19を所定の深さに仕上げて排水溝14を形成する排水溝形成工程とを含んで構成されている。
【0017】
また、本実施形態では、凹状ブロック16の左右一対の側壁部16a,16bが異なる高さを有しており、凹状ブロック16の両側に、インバートコンクリート18a,18bが異なる厚さに打設されるようになっている。
【0018】
本実施形態では、基盤層形成工程において、基盤層15を形成するための基盤材として、好ましくはトンネル掘削時の掘削土砂から得られるセメント安定処理土材が用いられる。すなわち、例えば泥水式シールド工法によるシールド掘削時に発生した掘削土砂に対して、処理プラントにおいて一次処理を施し、一次処理を施して排泥水から分離処理された一次処理土に、固化材としてセメントを混合することによりセメント安定処理土材を生成する。また、得られたセメント安定処理土材をトンネル10の坑内に搬入して、所定の層厚毎に敷均し転圧することにより、混合されたセメントが硬化した後に、基盤層15が安定した状態で形成されることになる。ここで、基盤層15を形成するための基盤材として、トンネル掘削時の掘削土砂から得られるセメント安定処理土材を用いることにより、省資源対策と材料費の節減を効果的に図ることが可能になる。
【0019】
ブロック設置工程では、凹状ブロック16として、好ましくは鉄筋コンクリート製のコンクリートブロックを、例えば以下のような所定の形状に形成して使用する。すなわち、本実施形態では、凹状ブロック16は、コンクリート二次製品あって、図3(a),(b)にも示すように、例えば30mm程度の肉厚を有するように形成された、左右一対の側壁部16a,16bと底壁部16cとからなり、略下半部分が略U字形の断面形状部分17となった断面形状に形成されている。また、凹状ブロック16は、一方の側壁部16aが、排水溝14を挟んだ一方に側の打設されるインバートコンクリート18aの厚さに相当する高さとして、例えば180mm程度の高さを有しており、他方の側壁部16bが、排水溝14を挟んだ他方の側に打設されるインバートコンクリート18bの厚さに相当する高さとして、例えば330mm程度の高さを有している。さらに、底壁部16cは、例えば160mm程度の幅の載置面を下面に備えるように形成されている。これらによって、凹状ブロック16の内側には、左右一対の側壁部16a,16bと底壁部16cとによって3方を囲まれた部分に、例えば幅が160mm程度、深さが150mm程度の大きさの、中空凹部20が形成されることになる。
【0020】
また、本実施形態では、凹状ブロック16は、各々、例えば1000mm程度の長さのブロック体として、例えば50kg程度の重量を有するように形成されており、これの肉厚内部には、外周面に近い部分に、例えば100mm程度のピッチで補強鉄筋23が縦横に埋設配置されている。
【0021】
さらに、本実施形態では、左右一対の側壁部16a,16bには、好ましくは同じ高さ位置に対向配置されて、吊り上げ用の吊り穴22が、吊上げ時のバランスを考慮した所定の箇所に各々複数貫通形成されている。これらの吊り穴22に吊上げ用治具を係止して、凹状ブロック16を吊上げることができると共に、吊上げた凹状ブロック16を、基盤層15の上の排水溝14の配設予定位置に載置して、精度良く据え付けることができるようになっている。
【0022】
さらにまた、本実施形態では、底壁部16cには、好ましくはこれの中央部分に配置されて、アンカー棒の打込み用の打込み穴24が複数貫通形成されている。これらの打込み穴24に、アンカー棒として例えば鉄筋棒を基盤層15に向けて打ち込むことにより、所定の位置に据え付けられた凹状ブロック16を、基盤層15に強固に固定することができるようになっている。これによって、凹状ブロック16は、当該凹状ブロック16が備える相当の重量と相俟って、排水溝14を挟んだ一方又は双方の側に打設されるインバートコンクリート18a,18bからのコンクリート圧力を安定した状態で支持して、排水溝14側の型枠としての機能を効果的に発揮することになる。
【0023】
コンクリート打設工程では、基盤層15の上に設置された凹状ブロック16の左右一対の側壁部16a,16bを排水溝14側の型枠とし、覆工されたトンネル10の内周面を排水溝14とは反対側の型枠として、例えばコンクリート配管を介して圧送されてくるコンクリートを、基盤層15の上方の凹状ブロック16を挟んだ両側の部分に、インバートコンクリート18a,18bとして打設する。
【0024】
ここで、本実施形態によれば、基盤層15の中央部分に設置された凹状ブロック16は、左右一対の側壁部16a,16bが夫々排水溝14側の型枠として機能するので、好ましくは凹状ブロック16の両側のインバートコンクリート18a,18bを並行して同時に打設することができる。従来のように一方の側のインバートコンクリート18aの硬化・養生を待つことなく、凹状ブロック16の両側のインバートコンクリート18a,18bを並行して同時に打設することができるので、工期の短縮を容易に図ることが可能になり、またこれに伴って施工コストを効果的に低減することが可能になる。
【0025】
また、本実施形態では、排水溝14側の型枠として機能する凹状ブロック16の左右一対の側壁部16a,16bは、夫々両側に打設されるインバートコンクリート18a,18bの厚さに相当する高さを有しているので、各側壁部16a,16bの天端高さを目印として、打設されたインバートコンクリート18a,18bの表面を、容易に仕上げることが可能になる。さらに、打設されたインバートコンクリート18a,18bの表面を、排水溝14に向って下り勾配となるように仕上げることにより、コンクリートの硬化・養生後には、中央部分に凹状ブロック16を埋設した状態で残置したインバートコンクリート18a,18bが、その表面を平坦な面13a,13bとして形成されることになる。
【0026】
排水溝形成工程では、両側のインバートコンクリート18a,18bに挟まれるようにして中央部分に残置された凹状ブロック16の中空凹部20に、溝仕上げ材としてコンクリートやモルタルを敷設し、これの表面を所定の縦断方向の排水勾配となるように仕上げることによって、内側底部19を形成する。これによって、排水溝14が、トンネル10の軸方向に延設して、高さの低い一方のインバートコンクリート18aの面13aから例えば50mm程度の深さで形成されることになる。
【0027】
そして、上述の構成を備える本実施形態のインバート築造方法によれば、基盤層15の上にインバートコンクリート18a,18bを打設して構築される、中央部分に沿って排水溝14が形成されたインバート12を、効率良く、短期間で安価に施工することが可能になる。
【0028】
すなわち、本実施形態によれば、形成した基盤層15の上に略U字形の断面形状部分17を備える凹状ブロック16を固定し、凹状ブロック16の左右一対の側壁部16a,16bを排水溝14側の型枠として使用してコンクリートを打設することによりインバートコンクリート18a,18bを形成し、且つ凹状ブロック16の内側底部19を所定の深さに仕上げて排水溝14を形成するので、型枠の組立てや脱型を行うことなく、基盤層15の上に設置した凹状ブロック16をそのまま用いて、インバートコンクリート18a,18b及び排水溝14を効率良く形成することが可能になると共に、例えば一方の側のインバートコンクリート18aの硬化・養生を待つことなく、他方の側のインバートコンクリート18bを打設することにより、工期の短縮や、施工コストの低減を効果的に図ることが可能になる。
【0029】
また、例えば一方の側のインバートコンクリート18aの硬化・養生を待つことなく、他方の側のインバートコンクリート18bを打設することができるので、コンクリートを打設するための施工スパンを、型枠を用いた場合よりも長い例えば40m程度の長さに延長することが可能になり、これによって、インバート12を、さらに効率良く、短期間で安価に施工することが可能になる。
【0030】
より具体的には、図1に示す断面のトンネル10において、総施工延長を2600mとした場合に、図4に示す従来の型枠を用いたインバートの築造方法と比較して、本実施形態によれば、施工費用(資材費、人件費)について、1700円/mのコストダウンを図ることができた。また、従来の型枠を用いた築造方法によれば、10.0ヶ月の工期を要したのが、本実施形態によれば、7.5ヶ月で施工することができ、2.5ヶ月の工期短縮を図ることができた。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、インバートが築造されるトンネルは、シールド工法による円形断面のトンネルである必要は必ずしも無く、その他の断面形状を備えるトンネルや、シールド工法以外の工法によるトンネルであっても良い。また、凹状ブロックの左右一対の側壁部を同じ高さとして、両側のインバートコンクリートを同じ厚さに形成することもできる。さらに、凹状ブロックは、コンクリート二次製品である必要は必ずしもなく、相当の重量を有する合成樹脂製のものや、金属製のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るインバート築造方法によって、坑内にインバートが築造されたトンネルの横断面図である。
【図2】本発明の好ましい一実施形態に係るインバート築造方法を説明するトンネルの横断面図である。
【図3】(a)は凹状ブロックの構成を説明する横断面図、(b)は(a)のA−Aに沿った縦断面図である。
【図4】従来のインバート築造方法を説明するトンネルの横断面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 トンネル
11 トンネルの坑内の底部
12 コインバート
13a,13b 平坦な面
14 排水溝
15 基盤層
16 凹状ブロック
16a 凹状ブロックの側壁部
16b 凹状ブロックの側壁部
16c 凹状ブロックの底壁部
17 略U字形の断面形状部分
18a,18b インバートコンクリート
19 凹状ブロックの内側底部
20 凹状ブロックの中空凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの坑内に、トンネルの軸方向に延設する排水溝が中央部分に設けられたインバートを形成するためのインバート築造方法であって、
トンネルの坑内の底部に基盤層を形成する基盤層形成工程と、
形成した基盤層の中央部分に、左右一対の側壁部と底壁部とからなる略U字形の断面形状部分を備えると共に、左右一対の側壁部が各々排水溝を挟んで両側に打設されるインバートコンクリートの厚さに相当する高さを有する凹状ブロックを、底壁部を基盤層に載置した状態でトンネルの軸方向に複数連設させて固定するブロック設置工程と、
設置した凹状ブロックを排水溝側の型枠として用いてこれの両側にインバートコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
凹状ブロックの内側底部を所定の深さに仕上げて排水溝を形成する排水溝形成工程とを含むインバート築造方法。
【請求項2】
前記凹状ブロックの左右一対の側壁部が異なる高さを有しており、前記凹状ブロックの両側に前記インバートコンクリートが異なる厚さで打設される請求項1に記載のインバート築造方法。
【請求項3】
前記コンクリート打設工程において、前記凹状ブロックの両側のインバートコンクリートが並行して同時に打設される請求項1又は2に記載のインバート築造方法。
【請求項4】
前記基盤層形成工程において、トンネル掘削時の掘削土砂から得られるセメント安定処理土材を用いて前記基盤層が形成される請求項1〜3のいずれかに記載のインバート築造方法。
【請求項5】
前記トンネルがシールド工法による円形断面のトンネルである請求項1〜4のいずれかに記載のインバート築造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−31597(P2010−31597A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197140(P2008−197140)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】