インプリント・リソグラフィ
【課題】新規のインプリント方法を提供すること。
【解決手段】基板上の流動可能な状態にある光硬化性のインプリント可能な媒体を媒体の硬化を開始させる放射によって照射する工程と、照射する工程の後に、媒体をテンプレートに接触させて媒体中にインプリントを形成する工程と、媒体がテンプレートに接触している間、媒体が実質的に流動不可能な状態にあるようにして媒体の実質的な硬化を可能にする工程と、媒体が実質的に流動不可能な状態にある間に、媒体からテンプレートを分離する工程とを有する、インプリント方法が開示される。
【解決手段】基板上の流動可能な状態にある光硬化性のインプリント可能な媒体を媒体の硬化を開始させる放射によって照射する工程と、照射する工程の後に、媒体をテンプレートに接触させて媒体中にインプリントを形成する工程と、媒体がテンプレートに接触している間、媒体が実質的に流動不可能な状態にあるようにして媒体の実質的な硬化を可能にする工程と、媒体が実質的に流動不可能な状態にある間に、媒体からテンプレートを分離する工程とを有する、インプリント方法が開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント・リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板の目標部分上に適用する機械である。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)、フラット・パネル表示装置、及び他の繊細な構造に関与するデバイスの製造中に従来使用されている。
【0003】
リソグラフィ・パターン中のフィーチャのサイズを縮小することが望ましい。というのは、これによって、フィーチャ密度が、所与の基板面積上でより高められるからである。光リソグラフィでは、分解能を高めることは、短波長の放射を使用することによって達成することができる。しかし、そのような縮小に関しては、問題がある。波長193nmの放射を使用するリソグラフィ装置は、まさにこのレベルで導入され始めており、回折限界が障壁になる恐れがある。より短い波長においては、投射システム材料の透明性が不十分である。したがって、分解能を高めることが可能な光リソグラフィは、複雑な光学系及び希少材料が必要になりがちであり、したがって高価になる。
【0004】
インプリント・リソグラフィとして知られる、サブ100nmのフィーチャをプリントする代替方法は、物理的なモールド又はテンプレートを使用してインプリント可能な媒体中にパターンをインプリントすることによって、パターンを基板に転写する工程を含む。インプリント可能な媒体は基板又は基板の表面上に被覆された材料である。インプリント可能な媒体は機能的であっても良いし、又はパターンをその下に在る表面へ転写するための「マスク」として使用されてもよい。インプリント可能な媒体は、例えば、半導体材料など基板上に堆積されたレジストとして設けることができ、そのレジストに、テンプレートによって定義されたパターンが転写される。したがって、インプリント・リソグラフィは、基本的に、テンプレートのトポグラフィが基板上に生成されるパターンを画定する、マイクロメートル・スケール又はナノメートル・スケールの鋳造プロセスである。パターンは、光リソグラフィ・プロセスと同様に積層することができ、したがって原理的には、集積回路製造などの用途にインプリント・リソグラフィを使用することができるはずである。
【0005】
インプリント・リソグラフィの分解能は、テンプレート製作プロセスの分解能だけで限定される。たとえば、インプリント・リソグラフィは、サブ50nmの範囲のフィーチャを、良好な分解能及びライン縁部粗さを有して生成するために使用されてきた。さらに、インプリント・プロセスは、光リソグラフィ・プロセスに通常必要な高価な光学系、進んだ照明源、又は専門分野別のレジスト材料を必要としない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴によると、インプリントする方法が提供され、この方法は、
ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、基板上に流動可能な状態で提供する工程と、
基板上の流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体を放射によって照射し、媒体の硬化を開始させる工程と、
照射工程の後、媒体をテンプレートに接触させて媒体中にインプリントを形成する工程と、
媒体がテンプレートに接触している間に、媒体が実質的に流動不可能な状態にあるように、媒体を実質的に硬化させる工程と、
媒体が実質的に流動不可能な状態にある間に、媒体からテンプレートを分離する工程を有する。
【0007】
次いで、硬化性媒体は放射によって照射され、たとえば媒体をテンプレートに接触させている間ではなく、テンプレートと接触させる前に、硬化を開始する。このようにして、テンプレートを非光透過性材料から製作することができ、したがって、耐摩耗性が向上した、又はインプリントされた媒体からのテンプレートの分離中の貼り付きが低減した特性など、所与の用途によりよく適した特性を示すことができる様々な材料の使用が、可能になる。さらに、光透過性材料(たとえば、水晶)の使用に限定されないことによって、方法の実施例中で使用されるテンプレートは、より容易にパターン形成できる材料から製作される。
【0008】
一実施例では、方法は、ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、基板上に流動可能な状態で提供する工程をさらに含むことができる。
【0009】
一実施例では、インプリント可能な媒体が露光される最小の放射量が、硬化プロセスを進行させるのに十分な量である。一実施例では、媒体が、1分より短い、30秒より短い、又は15秒より短い間、放射によって照射される。一実施例では、放射は、UV放射である。一実施例では、放射は、波長が、430nmより短い、400nmより短い、又は300から400nmの範囲である。放射は複数のパルスで、又は1つのパルスで提供される。
【0010】
一実施例では、媒体は、テンプレートが最初に媒体に接触するとき、実質的に液相の状態である。一実施例では、パターンが媒体に正確に転写され、媒体中に保持され、その後に媒体からテンプレートを分離するのに十分な媒体の硬化を可能にするために、5分までの間、3分までの間、又は1分までの間、媒体はテンプレートに接触させられる。媒体は、テンプレートが媒体から分離される直前に、実質的に固相の状態にある。たとえば、媒体は、テンプレートが媒体から分離される前の5分まで、3分まで、又は1分までに固相の状態にある。
【0011】
一実施例では、媒体は、基板上に流動可能な溶滴として分注することができる。この実施例は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中に使用することができる。方法のこの実施例は、インプリント前に光硬化性媒体を照射する概念に基づいており、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用するのに適しているので、方法の実施例は、修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL:step and flash imprint lithography)プロセスと見なすべきである。基板は、放射によって硬化性媒体に「フラッシュ」を施し、テンプレートを部分的に硬化した媒体中にインプリントし、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小目標領域を一時に1つプリントする小さい工程でパターン形成することができる。したがって、方法の実施例は、高いオーバーレイ精度が必要なデバイスの製造に適しているはずである。いくつかの用途では、媒体は、鋳造、吹き付け塗り、及びスピン・コーティングからなる群から選択される方法によって、基板上に設けられる。適当な時、媒体は、液体線条として設けられる。スピン・コーティングが使用されるとき、媒体が一般に薄層として設けられることは、理解されるはずである。
【0012】
媒体をテンプレートに接触させる間、1Mpaより低い、0.5Mpaより低い、又は0.1Mpaより低い圧力をテンプレートに加えることができる。一実施例では、媒体をテンプレートに接触させる間、10から100kPaの範囲、30から80kPaの範囲、及び50から60kPaの範囲の圧力が、テンプレートに加えられる。多数の光硬化性材料が低い粘性を示すので、比較的低い圧力を使用して媒体をインプリントすることができ、それによって望ましくない高圧を使用することによって引き起こされる媒体及び/又は基板の変形が防止される。
【0013】
一実施例では、方法は、インプリント可能な媒体が加熱される工程をさらに含む。加熱は、すべての適切なときにすべての望ましい速度で施される。たとえば、媒体は、テンプレートが接触している間に、媒体の温度が約50℃まで、約30℃まで、又は約10℃まで上昇するように、加熱される。加熱処理を施すことによって、媒体からテンプレートを分離する前に媒体が完全に硬化するように促進する、又はそれを保証することができる。
【0014】
一実施例では、インプリント可能な媒体に接する大気中の湿度及び/又は酸素濃度が制御される。
【0015】
一実施例では、インプリント可能な媒体をテンプレートに接触させることによって、インプリント可能な媒体中に厚さが減少した領域を形成することができ、該方法は、厚さが減少した領域をエッチングして、基板表面の領域を露出する工程をさらに含む。一実施例では、該方法は、基板表面の露出された領域をエッチングする工程をさらに含む。
【0016】
一実施例では、平坦化層などの中間層が、基板とインプリント可能な媒体の間に設けられる。一実施例では、インプリント可能な媒体をテンプレートに接触させることによって、インプリント可能な媒体中に厚さが減少した領域を形成し、方法は、厚さが減少した領域をエッチングして、中間層の表面の領域を露出する工程をさらに含む。適切に、方法は、中間層の表面の露出された領域をエッチングして、基板の表面の領域を露出する工程をさらに含む。都合よく、方法は、基板表面の露出された領域をエッチングする工程をさらに含むことができる。
【0017】
一実施例では、テンプレートは非光透過性材料から製作される。
【0018】
本発明の態様によれば、インプリント装置が提供され、このインプリント装置は、
流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体をその上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
媒体が基板上にあるときに、放射によって媒体を照射し媒体の硬化を開始させるように構成された照射装置と、
非光透過性テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
非光透過性テンプレートを媒体に接触させて、媒体の照射後に、媒体中にインプリントを形成するように、及び媒体が実質的に流動不可能な状態であるように媒体が実質的に硬化された後で、テンプレートを媒体から分離させるように構成された制御器を有する。
【0019】
一実施例では、装置は、ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、流動可能な状態で基板ホルダ上に支持された基板上に提供するように構成された投与装置をさらに有する。
【0020】
一実施例では、投与装置は基板の第1の目標部分上に第1の量の媒体を堆積するように構成される。したがって、この装置は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用することができる。
【0021】
一実施例では、投与装置は、第1の量の媒体のインプリントの後で、第2の量の媒体を、基板の第1の目標部分から隔置された第2の目標部分上に堆積するように構成され、テンプレート・ホルダは、第2の量の媒体をインプリントするように構成される。このようにして、この装置は、テンプレートがインプリント可能な媒体に接触する前にフラッシュ工程が実行される修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL)プロセス中で使用することができる。
【0022】
本発明の態様によれば、インプリント装置が提供され、このインプリント装置は、
流動可能な状態の第1及び第2の量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、それぞれ基板の第1及び第2の隔置された目標部分上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
第1及び第2の量が基板上にあるとき、第1及び第2の量を放射によって連続的に照射し、第1及び第2の量の硬化をそれぞれ開始させるように構成された照射装置と、
テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
第1の量の照射後で第2の量の照射中に、テンプレートを第1の量に接触させて第1の量中にインプリントを形成するように、及び第1の量が実質的に流動不可能な状態になるように、第1の量が実質的に硬化された後で、テンプレートを第1の量から分離させるように構成された制御器を有する。
【0023】
この装置によって、一連の量のインプリント可能な媒体が、基板の目標部分上に堆積されて、連続的に照射されインプリントされることが可能になる。テンプレートが、特定の量のインプリント可能な媒体をインプリントし、一方照射装置が、インプリントの準備ができた異なる量を同時に照射するように、テンプレート・ホルダを動作させることによって、プロセス全体の速度を高めることができる。
【0024】
一実施例では、この装置は、第1及び第2の量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、それぞれ基板ホルダ上に支持された基板の第1及び第2の隔置された目標部分上に、流動可能な状態で提供するように構成された投与装置をさらに含む。
【0025】
方法の実施例に関して上記に述べた特徴は、本明細書に述べられる装置の1つ又は複数の実施例に適用することができる。
【0026】
本発明の態様によれば、基板をパターン形成するための方法が提供され、この方法は、
基板上の流動可能な状態の光硬化性エッチング・バリア材料を放射によって照射し、エッチング・バリア材料の硬化を開始させる工程と、
エッチング・バリアを照射した後、エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させて、エッチング・バリア材料中に厚さが減少した領域を含んだパターンを形成する工程と、
エッチング・バリア材料がテンプレートに接触している間に、エッチング・バリア材料が実質的に流動不可能な状態であるようにして、エッチング・バリア材料の実質的な硬化を可能にする工程と、
エッチング・バリア材料が実質的に流動不可能な状態にある間に、エッチング・バリア材料からテンプレートを分離する工程と、
厚さが減少した領域をエッチングして、基板表面の露出された領域を露出する工程と、
基板表面の露出された領域をエッチングする工程を有する。
【0027】
一実施例では、インプリント可能な媒体が露光される最小の放射線量が硬化プロセスを進行させるのに十分な線量である。一実施例では、エッチング・バリア材料は、1分より短い、30秒より短い、又は15秒より短い間、放射によって照射される。一実施例では、放射はUV放射である。一実施例では、放射は、波長が430nmより短い、400nmより短い、又は300から400nmの範囲内である。放射は、複数のパルスで、又は1つのパルスで提供される。
【0028】
一実施例では、エッチング・バリア材料は、テンプレートが最初にエッチング・バリア材料に接触するとき、実質的に液相状態である。一実施例では、媒体は、5分まで、3分まで、又は1分までの間テンプレートと接触し、それによってパターンが媒体に正確に転写され、媒体からテンプレートが分離された後媒体中に保持されるのに十分な媒体の硬化が可能になる。エッチング・バリア材料は、テンプレートがエッチング・バリア材料から分離される直前に、実質的に固相の状態にある。たとえばエッチング・バリア材料は、テンプレートがエッチング・バリア材料から分離される前の5分まで、3分まで、又は1分までに固相状態にある。
【0029】
一実施例では、エッチング・バリア材料は、流動可能な溶滴として基板上に分注される。したがって、この実施例は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用することができ、それによって修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL)プロセスとして、この実施例を見なすことが可能になる。上述したように、基板は、放射によって硬化性エッチング・バリア材料に「フラッシュ」を施し、部分的に硬化したエッチング・バリア材料中にテンプレートをインプリントし、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小目標領域を一時に1つプリントすることによる小さい工程で、パターン形成することができる。いくつかの用途では、エッチング・バリア材料は、鋳造、吹き付け塗り、及びスピン・コーティングからなる群から選択される方法によって、基板上に設けられる。適切なときは、媒体は、液体線条として設けられる。スピン・コーティングが使用されるとき、媒体が一般に薄層として設けられることは、理解されるはずである。
【0030】
エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させる間、1Mpaより低い、0.5Mpaより低い、又は0.1Mpaより低い圧力がテンプレートに加えられる。一実施例では、エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させる間、10から100kPaの範囲、30から80kPaの範囲、又は50から60kPaの範囲の圧力が、テンプレートに加えられる。多数の光硬化性材料は低い粘性を示すので、比較的低い圧力を使用してエッチング・バリア材料をインプリントすることができ、それによって望ましくない高圧を使用することによって引き起こされるエッチング・バリア材料及び/又は基板の変形が防止される。
【0031】
一実施例では、方法は、エッチング・バリア材料を加熱する工程をさらに含む。加熱は、すべての適切なときにすべての望ましい速度で施すことができる。たとえば、エッチング・バリア材料は、テンプレートに接触している間に、エッチング・バリア材料の温度が約50℃まで、約30℃まで、又は約10℃まで上昇するように、加熱される。加熱処理を施して、エッチング・バリア材料からテンプレートを分離する前に、エッチング・バリア材料が完全に硬化するように促進する、又はそれを保証することができる。
【0032】
一実施例では、テンプレートは非光透過性材料から製作される。
【0033】
一実施例では、エッチング・バリア材料に接した大気中の湿度及び/又は酸素濃度が制御される。
【0034】
本明細書に述べる装置は、エッチング・バリア材料中の厚さが減少した領域、及び基板の表面の露出された領域のエッチングが可能になるように、単にルーティン修正を装置に施すことによって、上記に述べた方法を実行するのに適することができる。
【0035】
以下の説明は、上記に定義されたインプリント可能な媒体の特徴を述べるが、上記に定義したエッチング・バリア材料の特徴にも関連する。したがって以下の説明では、用語「インプリント可能な媒体」は、インプリント可能な媒体及びエッチング・バリア材料について一般的に言及するために、使用される。
【0036】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、25℃で測定したとき、粘性が100cpsより低い、70cpsより低い、又は10cpsより低い。光硬化性のインプリント可能な媒体を使用する利点は、それらの多くが、エッチング・バリア材料などのインプリント可能な媒体中では望ましい比較的低い粘性を示すことである。というのは、それによって、比較的低いプリント圧の使用が容易になるからである。
【0037】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、エッチング・工程中に適切な程度のエッチング抵抗を示すべきである。それは、特定のプロセス中で使用されるエッチング条件に少なくとも部分的に依存することになる。したがって、一実施例では、インプリント可能な媒体はシリコン含有基からなる。
【0038】
一実施例では、光硬化性モノマーは光感応性の化学的架橋によって硬化する。したがって、光硬化性モノマーは光起動の架橋できるポリマーである。
【0039】
一実施例では、インプリント可能な媒体は光重合性モノマーを含み、それは、陽イオンの重合性モノマーである。一実施例では、陽イオンの重合性モノマーは第1及び第2の重合性基を含む。重合性基はすべての望ましい相対的配向でモノマー構造内に設けられる。一実施例では、第1の重合性基又は第2の重合性基は、エポキシド基、オキセタン基、エーテル基、及びビニル基からなる群から選択される。エーテル基は、脂肪族エーテル基、芳香族エーテル基、及び環状エーテル基からなる群から選択される。例として、陽イオンの重合性モノマーはビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
【0040】
一実施例では、インプリント可能な媒体は重合開始剤種をさらに含む。重合開始剤種はルイス酸であり及び塩であってよい。適切にいうと、塩はフェニル基を含んでよい。塩はジフェニルイオジウム塩及びトリフェニルスルホニウム塩からなる群から選択されてよい。
【0041】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合速度修正種をさらに含み、それは、重合速度を加速する重合促進剤であってよい。この場合、重合促進剤は芳香族基を含んでよい。たとえば、重合促進剤は、アントラセン及びチオキサントンからなる群から選択されてよい。
【0042】
一実施例では、光重合性モノマーは、遊離基の重合性モノマーであり、それは、第1及び第2の重合性基を含んでよい。一実施例では、第1の重合性基又は第2の重合性基は、カルボン酸基、エステル基、及びビニル基からなる群から選択される。遊離基の重合性モノマーは、アクリレート、メタクリレート、及びビニル・モノマーからなる群から選択されてよい。たとえば、遊離基の重合性モノマーは、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロポキシ)フェニル]プロパンであってよい。
【0043】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合開始剤種をさらに含む。重合開始剤種は、ほぼ標準の室温又はそれよりわずかに高い温度など、低い温度から中程度の温度で、たとえば低い温度から中程度の温度とは、10から100℃、20から80℃、又は30から70℃の範囲の温度を含むと考えられる温度であり、そのような温度で活性であることができる。
【0044】
一実施例では、重合開始剤種はアゾ基を含む。さらに、又は代替的に、重合開始剤種はエステル基を含んでよい。たとえば、重合開始剤種はアゾビスイソブチロニトリルであってよい。
【0045】
重合開始剤種は、高温で、たとえば100℃より高い又は150℃より高い温度で、活性であることができ、その場合、重合開始剤種は、ケトン基及びケタール基からなる群から選択される化学基を含むんでよい。より具体的には、重合開始剤種は、αヒドロキシケトン基、αアミノケトン基、及びベンジルジメチルケタールからなる群から選択される化学基を含んでよい。さらに具体的には、重合開始剤種は、ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンであってよい。
【0046】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合速度修正種をさらに含み、それは、重合速度を減速する重合減速剤であってよい。有利にも、重合減速剤は、1つの重合性基を含んでよく、それによって重合を本質的に遅らせる。そのような種の例は、tブチルフェニルグリシジルエーテル及びメタクリル酸メチルである。特に遊離基重合を減速するための他の速度修正種は、本質的に遊離基を有した化合物である。したがって、重合減速剤は、1つの遊離基の重合性基を含んでよい。そのような化合物は、光開始剤から生成された遊離基が、化合物がすべて結合されるまで、照射によって結合することになる。そのような化合物の実施例は、テトラメチルピリジニルオキシ基である。
【0047】
ここで本発明の実施例について、例としてだけで、添付の概略図面を参照して述べる。図面では、対応する参照記号が、対応する構成要素を示す。
【実施例】
【0048】
インプリント・リソグラフィには、ホット・インプリント・リソグラフィ及びUVインプリント・リソグラフィとして一般に呼ばれる、2つの主なアプローチがある。ソフト・リソグラフィとして知られた第3のタイプの「プリント」リソグラフィもある。これらの実施例は、図1aから図1cに示してある。
【0049】
図1aに、ソフト・テンプレート10(通常、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から製造される)から、基板12と平坦化転写層12’との上に支持されたレジスト層13上に、微粒子の層11(通常チオールなどのインク)を転写することを有するソフト・リソグラフィ・プロセスを概略的に示す。テンプレート10は、その表面上にフィーチャのパターンを有し、微粒子層がフィーチャ上に置かれる。テンプレートがレジスト層に押圧されたとき、微粒子層11は、レジストに固着する。レジスト層からテンプレートを取り外したとき、微粒子層11はレジスト層に固着し、転写された微粒子層によって覆われていないレジスト層の領域が基板までエッチングされるように、レジスト層がエッチングされる。
【0050】
ソフト・リソグラフィ中で使用されるテンプレートは、容易に変形し、したがって高分解能、たとえばナノメートル・スケールである用途には適さない。というのは、テンプレートの変形が、インプリントされたパターンに悪い影響を及ぼすからである。さらに、複数層の構造を製造するとき、そこでは同じ領域が複数回重ね合わされることになり、ソフト・インプリント・リソグラフィは、ナノメートル・スケールでのオーバーレイ精度が得られない。
【0051】
ホット・インプリント・リソグラフィ(又はホット・エンボス)は、ナノメートル・スケールで使用されるとき、ナノ・インプリント・リソグラフィ(NIL)として知られてもいる。プロセスは、たとえばシリコン又はニッケルから製作されたよりハードなテンプレートを使用し、それは、磨耗及び変形に対してより抵抗性がある。これは、たとえば米国特許第6,482,742号に記載され、図1bに示してある。通常のホット・インプリント・プロセスでは、中実のテンプレート14が、熱硬化性又は熱可塑性のポリマー樹脂15中にインプリントされ、そのポリマー樹脂は、基板面上に鋳造されている。たとえば、樹脂は、基板面上に、又はより一般には(例示されている実施例のように)平坦化転写層12’上にスピン・コーティングされてベークされている。インプリント・テンプレートを述べるとき、用語「ハード」は、「硬質」材料と「軟質」材料の間に入ると一般に考えられる材料、たとえば「ハード」ゴム(硬質ゴム)などを含むことを理解すべきである。インプリント・テンプレートとしての使用について、特定の材料の適性は、その用途の要件によって決定される。
【0052】
熱硬化性ポリマー樹脂が使用されるとき、樹脂は、テンプレートとの接触時、樹脂が十分流動できてテンプレート上に定義されたパターン・フィーチャ中に流れ込むような温度まで、加熱される。次いで、樹脂の温度は、樹脂が凝固して所望のパターンを不可逆的に取るように、熱的に樹脂を硬化(たとえば架橋)するために高められる。次いで、テンプレートは、取り外すことができ、パターン形成された樹脂は、冷却される。
【0053】
ホット・インプリント・リソグラフィ・プロセス中に使用される熱可塑性ポリマー樹脂の例は、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、又はポリ(メタクリル酸シキロヘキシル)である。熱可塑性樹脂は、テンプレートによってインプリントされる直前に、樹脂が自由に流動できる状態になるように加熱される。熱可塑性樹脂を、その樹脂のガラス遷移温度よりかなり高い温度まで加熱する必要が通常ある。テンプレートを流動可能な樹脂中に押圧し、十分な圧力を加えることによって、テンプレート上に定義されたパターン・フィーチャすべて中に樹脂が流れ込むことが保証される。次いで、樹脂は、樹脂が不可逆的に所望のパターンをそこで取る所定の場所にテンプレートを保持して、そのガラス遷移温度より低い温度まで冷却される。パターンは、樹脂の残留層から浮き彫りのフィーチャから構成され、次いで残留層は、適切なエッチング・プロセスによって除去されてパターン・フィーチャだけをその後に残す。
【0054】
凝固した樹脂からテンプレートを除去した時、図2aから図2cに示すように、2工程のエッチング・プロセスが通常実施される。基板20は、図2aに示すように、平坦化転写層21を直接その上に有する。平坦化転写層の目的は、2つある。それは、テンプレートの表面に実質的に平行な表面を提供するように働き、その助けによってテンプレートと樹脂の間の接触が平行になることが保証されること、及び、以下に述べるようにプリントされるフィーチャの縦横比も向上させることである。
【0055】
テンプレートが取り外された後、凝固した樹脂の残留層22が、平坦化転写層21上に残され、所望のパターンに形作られる。第1のエッチングは、等方性であり、残留層22の一部分が除去されて、図2bに示すように、L1はフィーチャ23の高さであって、フィーチャの不十分な縦横比が得られる。第2のエッチングは、異方性(選択的)であり、縦横比を改善する。異方性エッチングによって、凝固した樹脂が覆っていない平坦化転写層21のそれらの部分が除去されて、図2cに示すように、フィーチャ23の縦横比を(L2/D)に高める。エッチング後基板上に残されて得られたポリマー厚さの差異は、インプリントされたポリマーが、たとえばリフト・オフ・プロセス中の工程として十分抵抗性がある場合、たとえばドライ・エッチング用のマスクとして使用されうる。
【0056】
ホット・インプリント・リソグラフィは、パターン転写をより高温下で実施しなければならないことだけでなく、テンプレートを取り外す前に樹脂が適切に凝固することを保証するために、比較的大きい温度差が必要になることもあるという不都合を被る。35から100℃の範囲の温度差が、必要になる。たとえば基板とテンプレートの間の熱膨張差は、次いで転写されたパターン中に歪を生じさせる。これは、インプリント可能な媒体が粘性であるため、インプリント工程に必要になる比較的高い圧力によって、悪化し、それによって基板中に機械的変形が生じて、やはりパターンを歪ますことになる。
【0057】
一方、UVインプリント・リソグラフィは、そのような高い温度及び温度変化を必要とせず、そのような粘性のインプリント可能な材料も必要でない。むしろ、UVインプリント・リソグラフィは、部分的又は完全な透過性テンプレートと、UV硬化性液体、通常アクリレート又はメタクリレートなどのモノマーとの使用を必要とする。一般に、モノマーと開始剤の混合物など、すべての光重合性材料が使用可である。たとえば硬化性液体も、ジメチル・シロキサン誘導体を含む。そのような材料は、ホット・インプリント・リソグラフィ中で使用される熱硬化性及び熱可塑性の樹脂より粘性が低く、したがって極めて速く移動してテンプレートのパターン・フィーチャを充填する。低温及び低圧の動作も、より高い処理能力に有利に働く。
【0058】
図1cに、UVインプリント・プロセスの実施例を示す。図1bのプロセスと類似の形で、水晶のテンプレート16をUV硬化性樹脂17に当てる。熱硬化性樹脂を使用するホット・エンボスでのように温度を上げる、又は熱可塑性樹脂を使用する時の温度サイクリングする代わりに、樹脂を重合させ、それによって硬化させるために、水晶テンプレートを通して、UV放射が樹脂に加えられる。テンプレートの取り外し時、レジストの残留層をエッチングする残された工程は、上記に述べたホット・エンボス・プロセスのための工程と同じ又は類似である。通常使用されるUV硬化性樹脂は、より低いインプリント圧を使用することができるように、粘性が通常の熱可塑性樹脂より極めて低い。圧力がより低いので物理的変形が減少し、それとともに温度及び温度変化が高いことによる変形が減少することによって、UVインプリント・リソグラフィが、高いオーバーレイ精度が必要な用途に適するようになる。さらに、UVインプリント・テンプレートの透過性によって、光学的位置合わせ技術をインプリントと同時に適用することができる。
【0059】
このタイプのインプリント・リソグラフィは、UV硬化性材料を主に使用し、したがってUVインプリント・リソグラフィと一般に呼ばれるが、他の波長の放射を使用して、適切に選択された材料を硬化することができる(たとえば、重合又は架橋反応を活性化する)。一般に、適切なインプリント可能な材料が利用できるならば、そのような化学反応を開始させることが可能なすべての放射は使用可である。たとえば代替の「活性化放射」は、可視光、赤外線、X線、及び電子ビーム放射を含む。上記及び以下の全体的な説明では、UVインプリント・リソグラフィ及びUV放射の使用の言及は、これら及び他の活性化放射の可能性を排除するようには、企図されていない。
【0060】
基板表面に対して実質的に平行に維持された平面テンプレートを使用するインプリント・システムの代替として、ローラ・インプリント・システムが開発されている。テンプレートがローラ上に形成されるが、その他ではインプリント・プロセスが、平面テンプレートを使用するインプリントに極めて類似した、ホットローラ・インプリント・システム及びUVローラ・インプリント・システムが提案されている。本文で特段の要求がない限り、インプリント・テンプレートの言及は、ローラ・テンプレートへの言及を含む。
【0061】
たとえばIC製造に従来使用される光学的ステッパと類似の態様で小さな工程で基板をパターン形成するために使用される、ステップ・アンド・インプリント・リソグラフィ(SFIL)として知られる、特に開発されたUVインプリント技術がある。これは、UV硬化性樹脂中にテンプレートをインプリントし、テンプレートを通してUV放射の「フラッシュ」を施してテンプレートの下に在る樹脂を硬化させ、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小さい領域を一時にプリントする工程を含む。そのような工程の小さなフィールド・サイズ及び繰り返しプロセスによって、パターン歪及びCD変動を減少させ、したがってステップ・アンド・インプリント・リソグラフィ(SFIL)は、高いオーバーレイ精度が必要なIC及び他のデバイスの製造に特に適する。
【0062】
原理的に、たとえばスピン・コーティングによってUV硬化性樹脂は基板表面全体に施されることができるが、これは、UV硬化性樹脂の揮発性のため、問題を含む。
【0063】
この問題に対処する一アプローチは、テンプレートによるインプリントの直前に、基板の目標部分上に溶滴の形で樹脂を分注する、いわゆる「ドロップ・オン・デマンド」プロセスである。液体の分注は、所定の量の液体が基板の特定の目標部分上に堆積されるように、制御される。この液体は、様々なパターンで分注されることができ、綿密な液体量の制御とパターンの配置の組み合わせが目標領域へのパターン形成を限定するために採用されうる。
【0064】
言及したようにオン・デマンドで樹脂を分注することは、些細なことではない。テンプレートのフィーチャを充填するのに十分な樹脂がある一方同時に過剰な樹脂が最小になることを保証するように溶滴のサイズ及びその間隔が綿密に制御される。過剰な樹脂は、隣接する溶滴が接触すると、樹脂は流れる場所をもたないので、圧延されて不要な厚さの又は不均一な残留層になり得るからである。過剰に厚い又は不均一な残留層に関連した1つ又は複数の問題を以下に述べる。
【0065】
UV硬化性液体の基板上への堆積について上記で言及したが、液体は、テンプレート上に堆積することもでき、一般に同じ技術及び考慮事項が適用される。
【0066】
図3に、テンプレート、インプリント可能な材料(硬化性モノマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)、及び基板の相対的寸法を示す。基板の幅Dと硬化性樹脂層の厚さtの比は、約106である。テンプレートから突出したフィーチャが基板を損傷することを防止するために、テンプレートから突出したフィーチャの深さより寸法tを大きくすべきであることは、理解されるはずである。
【0067】
押圧後に残されたインプリント可能な材料の残留層は、その下にある基板を保護するのに役立つが、高い分解能及び/又はオーバーレイ精度の獲得に影響を及ぼす。第1の「ブレークスルー」エッチングは、等方性(非選択的)であり、したがってインプリントされたフィーチャ、並びに残留層をある程度損なうことになる。このことは、残留層があまりに厚い及び/又は不均一である場合、悪化する。
【0068】
たとえば、このエッチングは、その下に在る基板上に最終的に形成されるフィーチャ厚さの変動をもたらす(すなわち、クリティカルな寸法の変動)。第2の異方性エッチングで転写層中にエッチングされるフィーチャの厚さの一様性は、樹脂中に残されたフィーチャ形状の縦横比及び完全性に依存する。残留樹脂層が均一でない場合、非選択的な第1のエッチングによって、いくつかのこれらのフィーチャに「丸められた」上部が残される恐れがあり、したがってそれらは、第2の及びその後のすべてのエッチング・プロセス中で、フィーチャ厚さの良好な一様性を保証するのに十分適切には画定されない。
【0069】
原理的に、上記の問題は、確実に残留層をできるだけ薄くすることによって軽減することができるが、これは、不要な高い圧力の適用(多分基板の変形を増加する)と、比較的長いインプリント時間(おそらく処理能力を減少する)とを必要とする。
【0070】
上述したように、テンプレート表面上のフィーチャ分解能は、基板上にプリントされるフィーチャの達成できる分解能への限定要因である。ホット・インプリント・リソグラフィ及びUVインプリント・リソグラフィに使用されるテンプレートは、一般に2ステージ・プロセスで形成される。最初に、要求されたパターンが、たとえば電子ビーム書き込みを使用してレジスト中に高分解能パターンが得られるように、書き込まれる。次いで、レジスト・パターンは、テンプレートのベース材料中にパターン転写する最終的な異方性エッチング工程用のマスクを形成するクロムの薄層中に、転写される。たとえばイオン・ビーム・リソグラフィ、X線リソグラフィ、極UVリソグラフィ、エピタキシャル成長、薄膜堆積、化学的エッチング、プラズマ・エッチング、イオン・エッチング、又はイオン・ミリングなどの他の技術が使用されうる。一般に、テンプレートが実際には1倍のマスクであり、転写されるパターンの分解能がテンプレート上のパターンの分解能によって限定されるので、極めて高い分解能が可能な技術が、所望される。
【0071】
テンプレートの離れ性も考慮事項である。たとえば、テンプレートは、低い表面エネルギーを有した、テンプレート上の薄い剥離層を形成する表面処理材料によって、処理される。(薄い剥離層は、基板上に堆積されてもよい)。
【0072】
インプリント・リソグラフィの開発での他の考慮事項は、テンプレートの機械的耐久性である。テンプレートは、インプリント可能な媒体を押印中に大きい力を受ける、ホット・インプリント・リソグラフィの場合、それは、高い圧力及び温度も受ける。力、圧力及び/又は温度は、テンプレートの磨耗を引き起こし、基板上にインプリントされるパターンの形状に悪い影響を与える。
【0073】
ホット・インプリント・リソグラフィでは、テンプレートと基板の間の熱膨張差を減少させるために、パターン形成される基板と同じ又は類似の材料のテンプレートを使用して、潜在的な利点を実現することができる。UVインプリント・リソグラフィでは、テンプレートは、活性化放射に対して少なくとも部分的に透過性であり、したがって水晶テンプレートが使用される。
【0074】
本文では、IC製造中のインプリント・リソグラフィの使用について、具体的に言及するが、本明細書で述べられるインプリント装置及び方法は、光集積システム、磁区メモリ用の誘導及び検出パターン、ハード・ディスク磁気媒体、フラット・パネル表示装置、薄膜磁気ヘッドなどの製造の、他の用途を有することができることを理解すべきである。
【0075】
上記の説明では、実際レジストとして働くインプリント可能な樹脂を介してテンプレート・パターンを基板に転写するインプリント・リソグラフィの使用について、特に言及してきたが、いくつかの状況下では、インプリント可能な材料は、それ自体機能する材料であって、たとえば伝導率、光学的な線形又は非線形の応答などの機能性を有することができる。たとえば、機能材料は、伝導性層、半導体層、誘電性層、又は他の望ましい機械的、電気的、又は光学的性質を有した層を形成することができる。いくつかの有機物質も、適切な機能材料である。そのような応用は、本発明の1つ又は複数の実施例の範囲に含まれる。
【0076】
上述したように、光(たとえばUV)インプリント・リソグラフィは、1つ又は複数の問題がある。たとえば、光硬化性材料を使用するプロセスでは、重合時間が比較的長いので、処理能力が比較的低い。光透過性テンプレートの使用には、テンプレートを製作することができる材料が限定される。現在水晶が使用されているが、耐摩耗性が向上し、及び/又は分離中のインプリント可能な媒体への固着傾向が軽減されることを示す他の非光透過性材料が知られている。
【0077】
図4aは、本発明の実施例による方法で使用されるインプリント・システム41の様々な構成要素を示す。シリコン基板42が平坦化層43を支持している。UV硬化性メタクリレート・モノマーの溶滴44が、平坦化層43の表面45上に堆積されており、インプリント可能な媒体(たとえば押印できるエッチング・バリア)として働く。メタクリレート・モノマー44の上に配置されるのは、浮き彫りパターンを画定するより低い表面47を有したテンプレート46である。剥離層48が、浮き彫りパターンを画定するテンプレート46の表面47上に被覆されて、メタクリレート・モノマー44中にパターン形成された後の、メタクリレート・モノマー44からのテンプレート46の分離を助ける。
【0078】
図4bで、メタクリレート・モノマー44が、UV放射によって照射されて、重合及び硬化を開始する。制御器(ここで又は以降で、当業者に知られたすべての種類の制御器)が、照射の開始及びタイミングを制御する。一実施例では、制御器は、インプリント装置中に設けられた、又はそれを制御するソフトウェア・プログラムであってもよい。
【0079】
図4cで、所望のパターンがメタクリレート・モノマー44中に形成されるように、部分的に硬化したメタクリレート・モノマー44が、浮き彫りパターンを画定したテンプレート46の表面47に接触されてインプリントされる。再び、制御器が面のインプリントの開始とタイミングを制御する。
【0080】
図4dで、テンプレート46がメタクリレート・モノマー44と接触状態に保持されて、硬化し凝固するのに十分な時間をメタクリレート・モノマー44に与える。このようにして、メタクリレート・モノマー44は、インプリントされたパターンを保持することになる。
【0081】
図5aで、テンプレート46及び剥離層48が、凝固したメタクリレート・モノマー44から分離されて、平坦化層43の表面45に隣接したメタクリレート・モノマー44中に、厚さが減少した領域49が残される。制御器が、表面からのテンプレートの分離の開始及びタイミングを制御する。
【0082】
図5bに、凝固したメタクリレート・モノマー44中の厚さが減少した領域49を除去するための、第1のエッチング・プロセスを示し、それによって平坦化層43の表面45の領域50が露出される。図5cで、平坦化層43の表面45の露出された領域50がエッチングされて、基板42の表面52の領域51を露出させる。図5dで、基板の表面52の露出された領域51がエッチングされて、基板42中に所望のパターンが生成される。
【0083】
図4及び図5に示したプロセスは、基板表面上の横方向に隔置された一続きの目標位置において、メタクリレート・モノマーの一連の溶滴が連続的に堆積され、照射され、インプリントされるステップ・アンド・リピート・プロセスにおいて、任意の望ましい回数繰り返されてもよい。例証として、第1及び第2のメタクリレート・モノマーの溶滴が、基板表面上に互いに隣接して提供される。第1の溶滴が、硬化を開始するように、放射によって照射される。次いで、照射装置が第2の溶滴に向けられて、隣接した第2のメタクリレート・モノマーの溶滴が、照射される。第2の溶滴の照射中に、第1の溶滴は、テンプレートに接触されて所望のパターンをインプリントされる。したがって、この同時の照射及び接触のプロセスは、任意の望ましい回数繰り返すことができ、テンプレートが媒体に接触する前に、フラッシュが施される修正SFILプロセスと考えることができる。もちろん、本発明の実施例による方法は、ステップ・アンド・リピート・プロセスでの適用に適しているが、それは、基板上に支持された1つのエッチング・バリア層のインプリントにも適している。
【0084】
インプリント可能な媒体の硬化がテンプレートの媒体への接触前に開始されるので、テンプレート材料は光透過性材料だけに限定されるのではなく、所与のインプリント・システムに適するように選択されてよい。さらに、テンプレートは、水晶より容易にパターン形成できる材料から製造されてもよい。テンプレート上に画定された浮き彫りパターンが忠実にインプリント可能な媒体に転写されることになることを保証する、インプリントの条件及び材料のセットが選択される。ただし、テンプレートがインプリント可能な媒体と最初に接触したとき、インプリント可能な媒体が、テンプレート中に画定された浮き彫りパターンを充填するのに十分な、鋳造できる又は流動できる状態であることを保証するように、考慮するという条件である。媒体の硬化がすでに開始されていることは、問題を提起しない。
【0085】
基礎をなす創意的な概念から逸脱することなく多数の修正を実施することができ、これらの修正は、本発明の範囲に含めるように企図されていることを理解されるべきである。たとえば、インプリント可能な媒体は、望ましい比で1つ又は複数の光硬化性材料からなってもよい。インプリント可能な媒体は、重合速度を加速又は減速させるために、1つ又は複数の添加剤を含んで良い。たとえば、メタクリレートは、多くの条件下で比較的速く硬化すると考えられ、したがってメタクリレートが使用されるならば、添加剤を含ませて硬化速度を低下させて、インプリント可能な媒体がテンプレート中に画定されたパターン中に鋳込むのに硬すぎないことを保証することが適切である。添加剤は、粘性など、媒体の物理的及び/又は化学的性質を調節するために、添加されてもい。本発明の実施例は、平坦化層とともに、又はそれなしで、すべての望ましい基板材料を使用するインプリント・システムに、適用されてよい。さらに、剥離層の使用は、必須でなく、適切な場合、省かれても良い。テンプレートは光透過性材料(たとえば水晶)以外の材料から製作されうるので、分離中、インプリント可能な媒体のテンプレートへの貼り付が減少されると予見される。
【0086】
実施例は、基板材料の連続層に対して上記に述べた処置を単に繰り返すことによる多層基板の製造に、適している。さらに、光硬化性材料が一般に低粘性を示すので、比較的低いプリント圧を使用することができ、それは、処理中の基板変形の尤度を減少し、それによってパターン・オーバーレイ精度を向上させる。
【0087】
本発明の具体的な実施例を上に述べてきたが、本発明は、記載の通りでなく実施することができることを理解されるべきである。本記載は、本発明を限定するようには企図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1a】従来のソフト・リソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図1b】従来のホット・リソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図1c】従来のUVリソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図2】ホット・リソグラフィ・プロセス及びUVインプリント・リソグラフィを使用してレジスト層をパターン形成するときに使用される、2工程のエッチング・プロセスを示す図である。
【図3】基板上に堆積された通常の押印できるレジスト量の厚さと比較した、テンプレート・フィーチャの相対的寸法を示す図である。
【図4a】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4b】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4c】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4d】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5a】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する4工程の概略図である。
【図5b】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5c】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5d】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント・リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板の目標部分上に適用する機械である。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)、フラット・パネル表示装置、及び他の繊細な構造に関与するデバイスの製造中に従来使用されている。
【0003】
リソグラフィ・パターン中のフィーチャのサイズを縮小することが望ましい。というのは、これによって、フィーチャ密度が、所与の基板面積上でより高められるからである。光リソグラフィでは、分解能を高めることは、短波長の放射を使用することによって達成することができる。しかし、そのような縮小に関しては、問題がある。波長193nmの放射を使用するリソグラフィ装置は、まさにこのレベルで導入され始めており、回折限界が障壁になる恐れがある。より短い波長においては、投射システム材料の透明性が不十分である。したがって、分解能を高めることが可能な光リソグラフィは、複雑な光学系及び希少材料が必要になりがちであり、したがって高価になる。
【0004】
インプリント・リソグラフィとして知られる、サブ100nmのフィーチャをプリントする代替方法は、物理的なモールド又はテンプレートを使用してインプリント可能な媒体中にパターンをインプリントすることによって、パターンを基板に転写する工程を含む。インプリント可能な媒体は基板又は基板の表面上に被覆された材料である。インプリント可能な媒体は機能的であっても良いし、又はパターンをその下に在る表面へ転写するための「マスク」として使用されてもよい。インプリント可能な媒体は、例えば、半導体材料など基板上に堆積されたレジストとして設けることができ、そのレジストに、テンプレートによって定義されたパターンが転写される。したがって、インプリント・リソグラフィは、基本的に、テンプレートのトポグラフィが基板上に生成されるパターンを画定する、マイクロメートル・スケール又はナノメートル・スケールの鋳造プロセスである。パターンは、光リソグラフィ・プロセスと同様に積層することができ、したがって原理的には、集積回路製造などの用途にインプリント・リソグラフィを使用することができるはずである。
【0005】
インプリント・リソグラフィの分解能は、テンプレート製作プロセスの分解能だけで限定される。たとえば、インプリント・リソグラフィは、サブ50nmの範囲のフィーチャを、良好な分解能及びライン縁部粗さを有して生成するために使用されてきた。さらに、インプリント・プロセスは、光リソグラフィ・プロセスに通常必要な高価な光学系、進んだ照明源、又は専門分野別のレジスト材料を必要としない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴によると、インプリントする方法が提供され、この方法は、
ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、基板上に流動可能な状態で提供する工程と、
基板上の流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体を放射によって照射し、媒体の硬化を開始させる工程と、
照射工程の後、媒体をテンプレートに接触させて媒体中にインプリントを形成する工程と、
媒体がテンプレートに接触している間に、媒体が実質的に流動不可能な状態にあるように、媒体を実質的に硬化させる工程と、
媒体が実質的に流動不可能な状態にある間に、媒体からテンプレートを分離する工程を有する。
【0007】
次いで、硬化性媒体は放射によって照射され、たとえば媒体をテンプレートに接触させている間ではなく、テンプレートと接触させる前に、硬化を開始する。このようにして、テンプレートを非光透過性材料から製作することができ、したがって、耐摩耗性が向上した、又はインプリントされた媒体からのテンプレートの分離中の貼り付きが低減した特性など、所与の用途によりよく適した特性を示すことができる様々な材料の使用が、可能になる。さらに、光透過性材料(たとえば、水晶)の使用に限定されないことによって、方法の実施例中で使用されるテンプレートは、より容易にパターン形成できる材料から製作される。
【0008】
一実施例では、方法は、ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、基板上に流動可能な状態で提供する工程をさらに含むことができる。
【0009】
一実施例では、インプリント可能な媒体が露光される最小の放射量が、硬化プロセスを進行させるのに十分な量である。一実施例では、媒体が、1分より短い、30秒より短い、又は15秒より短い間、放射によって照射される。一実施例では、放射は、UV放射である。一実施例では、放射は、波長が、430nmより短い、400nmより短い、又は300から400nmの範囲である。放射は複数のパルスで、又は1つのパルスで提供される。
【0010】
一実施例では、媒体は、テンプレートが最初に媒体に接触するとき、実質的に液相の状態である。一実施例では、パターンが媒体に正確に転写され、媒体中に保持され、その後に媒体からテンプレートを分離するのに十分な媒体の硬化を可能にするために、5分までの間、3分までの間、又は1分までの間、媒体はテンプレートに接触させられる。媒体は、テンプレートが媒体から分離される直前に、実質的に固相の状態にある。たとえば、媒体は、テンプレートが媒体から分離される前の5分まで、3分まで、又は1分までに固相の状態にある。
【0011】
一実施例では、媒体は、基板上に流動可能な溶滴として分注することができる。この実施例は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中に使用することができる。方法のこの実施例は、インプリント前に光硬化性媒体を照射する概念に基づいており、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用するのに適しているので、方法の実施例は、修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL:step and flash imprint lithography)プロセスと見なすべきである。基板は、放射によって硬化性媒体に「フラッシュ」を施し、テンプレートを部分的に硬化した媒体中にインプリントし、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小目標領域を一時に1つプリントする小さい工程でパターン形成することができる。したがって、方法の実施例は、高いオーバーレイ精度が必要なデバイスの製造に適しているはずである。いくつかの用途では、媒体は、鋳造、吹き付け塗り、及びスピン・コーティングからなる群から選択される方法によって、基板上に設けられる。適当な時、媒体は、液体線条として設けられる。スピン・コーティングが使用されるとき、媒体が一般に薄層として設けられることは、理解されるはずである。
【0012】
媒体をテンプレートに接触させる間、1Mpaより低い、0.5Mpaより低い、又は0.1Mpaより低い圧力をテンプレートに加えることができる。一実施例では、媒体をテンプレートに接触させる間、10から100kPaの範囲、30から80kPaの範囲、及び50から60kPaの範囲の圧力が、テンプレートに加えられる。多数の光硬化性材料が低い粘性を示すので、比較的低い圧力を使用して媒体をインプリントすることができ、それによって望ましくない高圧を使用することによって引き起こされる媒体及び/又は基板の変形が防止される。
【0013】
一実施例では、方法は、インプリント可能な媒体が加熱される工程をさらに含む。加熱は、すべての適切なときにすべての望ましい速度で施される。たとえば、媒体は、テンプレートが接触している間に、媒体の温度が約50℃まで、約30℃まで、又は約10℃まで上昇するように、加熱される。加熱処理を施すことによって、媒体からテンプレートを分離する前に媒体が完全に硬化するように促進する、又はそれを保証することができる。
【0014】
一実施例では、インプリント可能な媒体に接する大気中の湿度及び/又は酸素濃度が制御される。
【0015】
一実施例では、インプリント可能な媒体をテンプレートに接触させることによって、インプリント可能な媒体中に厚さが減少した領域を形成することができ、該方法は、厚さが減少した領域をエッチングして、基板表面の領域を露出する工程をさらに含む。一実施例では、該方法は、基板表面の露出された領域をエッチングする工程をさらに含む。
【0016】
一実施例では、平坦化層などの中間層が、基板とインプリント可能な媒体の間に設けられる。一実施例では、インプリント可能な媒体をテンプレートに接触させることによって、インプリント可能な媒体中に厚さが減少した領域を形成し、方法は、厚さが減少した領域をエッチングして、中間層の表面の領域を露出する工程をさらに含む。適切に、方法は、中間層の表面の露出された領域をエッチングして、基板の表面の領域を露出する工程をさらに含む。都合よく、方法は、基板表面の露出された領域をエッチングする工程をさらに含むことができる。
【0017】
一実施例では、テンプレートは非光透過性材料から製作される。
【0018】
本発明の態様によれば、インプリント装置が提供され、このインプリント装置は、
流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体をその上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
媒体が基板上にあるときに、放射によって媒体を照射し媒体の硬化を開始させるように構成された照射装置と、
非光透過性テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
非光透過性テンプレートを媒体に接触させて、媒体の照射後に、媒体中にインプリントを形成するように、及び媒体が実質的に流動不可能な状態であるように媒体が実質的に硬化された後で、テンプレートを媒体から分離させるように構成された制御器を有する。
【0019】
一実施例では、装置は、ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、流動可能な状態で基板ホルダ上に支持された基板上に提供するように構成された投与装置をさらに有する。
【0020】
一実施例では、投与装置は基板の第1の目標部分上に第1の量の媒体を堆積するように構成される。したがって、この装置は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用することができる。
【0021】
一実施例では、投与装置は、第1の量の媒体のインプリントの後で、第2の量の媒体を、基板の第1の目標部分から隔置された第2の目標部分上に堆積するように構成され、テンプレート・ホルダは、第2の量の媒体をインプリントするように構成される。このようにして、この装置は、テンプレートがインプリント可能な媒体に接触する前にフラッシュ工程が実行される修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL)プロセス中で使用することができる。
【0022】
本発明の態様によれば、インプリント装置が提供され、このインプリント装置は、
流動可能な状態の第1及び第2の量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、それぞれ基板の第1及び第2の隔置された目標部分上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
第1及び第2の量が基板上にあるとき、第1及び第2の量を放射によって連続的に照射し、第1及び第2の量の硬化をそれぞれ開始させるように構成された照射装置と、
テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
第1の量の照射後で第2の量の照射中に、テンプレートを第1の量に接触させて第1の量中にインプリントを形成するように、及び第1の量が実質的に流動不可能な状態になるように、第1の量が実質的に硬化された後で、テンプレートを第1の量から分離させるように構成された制御器を有する。
【0023】
この装置によって、一連の量のインプリント可能な媒体が、基板の目標部分上に堆積されて、連続的に照射されインプリントされることが可能になる。テンプレートが、特定の量のインプリント可能な媒体をインプリントし、一方照射装置が、インプリントの準備ができた異なる量を同時に照射するように、テンプレート・ホルダを動作させることによって、プロセス全体の速度を高めることができる。
【0024】
一実施例では、この装置は、第1及び第2の量の光硬化性のインプリント可能な媒体を、それぞれ基板ホルダ上に支持された基板の第1及び第2の隔置された目標部分上に、流動可能な状態で提供するように構成された投与装置をさらに含む。
【0025】
方法の実施例に関して上記に述べた特徴は、本明細書に述べられる装置の1つ又は複数の実施例に適用することができる。
【0026】
本発明の態様によれば、基板をパターン形成するための方法が提供され、この方法は、
基板上の流動可能な状態の光硬化性エッチング・バリア材料を放射によって照射し、エッチング・バリア材料の硬化を開始させる工程と、
エッチング・バリアを照射した後、エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させて、エッチング・バリア材料中に厚さが減少した領域を含んだパターンを形成する工程と、
エッチング・バリア材料がテンプレートに接触している間に、エッチング・バリア材料が実質的に流動不可能な状態であるようにして、エッチング・バリア材料の実質的な硬化を可能にする工程と、
エッチング・バリア材料が実質的に流動不可能な状態にある間に、エッチング・バリア材料からテンプレートを分離する工程と、
厚さが減少した領域をエッチングして、基板表面の露出された領域を露出する工程と、
基板表面の露出された領域をエッチングする工程を有する。
【0027】
一実施例では、インプリント可能な媒体が露光される最小の放射線量が硬化プロセスを進行させるのに十分な線量である。一実施例では、エッチング・バリア材料は、1分より短い、30秒より短い、又は15秒より短い間、放射によって照射される。一実施例では、放射はUV放射である。一実施例では、放射は、波長が430nmより短い、400nmより短い、又は300から400nmの範囲内である。放射は、複数のパルスで、又は1つのパルスで提供される。
【0028】
一実施例では、エッチング・バリア材料は、テンプレートが最初にエッチング・バリア材料に接触するとき、実質的に液相状態である。一実施例では、媒体は、5分まで、3分まで、又は1分までの間テンプレートと接触し、それによってパターンが媒体に正確に転写され、媒体からテンプレートが分離された後媒体中に保持されるのに十分な媒体の硬化が可能になる。エッチング・バリア材料は、テンプレートがエッチング・バリア材料から分離される直前に、実質的に固相の状態にある。たとえばエッチング・バリア材料は、テンプレートがエッチング・バリア材料から分離される前の5分まで、3分まで、又は1分までに固相状態にある。
【0029】
一実施例では、エッチング・バリア材料は、流動可能な溶滴として基板上に分注される。したがって、この実施例は、ドロップ・オン・デマンド・プロセス中で使用することができ、それによって修正されたステップ及びフラッシュ・インプリント・リソグラフィ(SFIL)プロセスとして、この実施例を見なすことが可能になる。上述したように、基板は、放射によって硬化性エッチング・バリア材料に「フラッシュ」を施し、部分的に硬化したエッチング・バリア材料中にテンプレートをインプリントし、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小目標領域を一時に1つプリントすることによる小さい工程で、パターン形成することができる。いくつかの用途では、エッチング・バリア材料は、鋳造、吹き付け塗り、及びスピン・コーティングからなる群から選択される方法によって、基板上に設けられる。適切なときは、媒体は、液体線条として設けられる。スピン・コーティングが使用されるとき、媒体が一般に薄層として設けられることは、理解されるはずである。
【0030】
エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させる間、1Mpaより低い、0.5Mpaより低い、又は0.1Mpaより低い圧力がテンプレートに加えられる。一実施例では、エッチング・バリア材料をテンプレートに接触させる間、10から100kPaの範囲、30から80kPaの範囲、又は50から60kPaの範囲の圧力が、テンプレートに加えられる。多数の光硬化性材料は低い粘性を示すので、比較的低い圧力を使用してエッチング・バリア材料をインプリントすることができ、それによって望ましくない高圧を使用することによって引き起こされるエッチング・バリア材料及び/又は基板の変形が防止される。
【0031】
一実施例では、方法は、エッチング・バリア材料を加熱する工程をさらに含む。加熱は、すべての適切なときにすべての望ましい速度で施すことができる。たとえば、エッチング・バリア材料は、テンプレートに接触している間に、エッチング・バリア材料の温度が約50℃まで、約30℃まで、又は約10℃まで上昇するように、加熱される。加熱処理を施して、エッチング・バリア材料からテンプレートを分離する前に、エッチング・バリア材料が完全に硬化するように促進する、又はそれを保証することができる。
【0032】
一実施例では、テンプレートは非光透過性材料から製作される。
【0033】
一実施例では、エッチング・バリア材料に接した大気中の湿度及び/又は酸素濃度が制御される。
【0034】
本明細書に述べる装置は、エッチング・バリア材料中の厚さが減少した領域、及び基板の表面の露出された領域のエッチングが可能になるように、単にルーティン修正を装置に施すことによって、上記に述べた方法を実行するのに適することができる。
【0035】
以下の説明は、上記に定義されたインプリント可能な媒体の特徴を述べるが、上記に定義したエッチング・バリア材料の特徴にも関連する。したがって以下の説明では、用語「インプリント可能な媒体」は、インプリント可能な媒体及びエッチング・バリア材料について一般的に言及するために、使用される。
【0036】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、25℃で測定したとき、粘性が100cpsより低い、70cpsより低い、又は10cpsより低い。光硬化性のインプリント可能な媒体を使用する利点は、それらの多くが、エッチング・バリア材料などのインプリント可能な媒体中では望ましい比較的低い粘性を示すことである。というのは、それによって、比較的低いプリント圧の使用が容易になるからである。
【0037】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、エッチング・工程中に適切な程度のエッチング抵抗を示すべきである。それは、特定のプロセス中で使用されるエッチング条件に少なくとも部分的に依存することになる。したがって、一実施例では、インプリント可能な媒体はシリコン含有基からなる。
【0038】
一実施例では、光硬化性モノマーは光感応性の化学的架橋によって硬化する。したがって、光硬化性モノマーは光起動の架橋できるポリマーである。
【0039】
一実施例では、インプリント可能な媒体は光重合性モノマーを含み、それは、陽イオンの重合性モノマーである。一実施例では、陽イオンの重合性モノマーは第1及び第2の重合性基を含む。重合性基はすべての望ましい相対的配向でモノマー構造内に設けられる。一実施例では、第1の重合性基又は第2の重合性基は、エポキシド基、オキセタン基、エーテル基、及びビニル基からなる群から選択される。エーテル基は、脂肪族エーテル基、芳香族エーテル基、及び環状エーテル基からなる群から選択される。例として、陽イオンの重合性モノマーはビスフェノールAのジグリシジルエーテルである。
【0040】
一実施例では、インプリント可能な媒体は重合開始剤種をさらに含む。重合開始剤種はルイス酸であり及び塩であってよい。適切にいうと、塩はフェニル基を含んでよい。塩はジフェニルイオジウム塩及びトリフェニルスルホニウム塩からなる群から選択されてよい。
【0041】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合速度修正種をさらに含み、それは、重合速度を加速する重合促進剤であってよい。この場合、重合促進剤は芳香族基を含んでよい。たとえば、重合促進剤は、アントラセン及びチオキサントンからなる群から選択されてよい。
【0042】
一実施例では、光重合性モノマーは、遊離基の重合性モノマーであり、それは、第1及び第2の重合性基を含んでよい。一実施例では、第1の重合性基又は第2の重合性基は、カルボン酸基、エステル基、及びビニル基からなる群から選択される。遊離基の重合性モノマーは、アクリレート、メタクリレート、及びビニル・モノマーからなる群から選択されてよい。たとえば、遊離基の重合性モノマーは、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロポキシ)フェニル]プロパンであってよい。
【0043】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合開始剤種をさらに含む。重合開始剤種は、ほぼ標準の室温又はそれよりわずかに高い温度など、低い温度から中程度の温度で、たとえば低い温度から中程度の温度とは、10から100℃、20から80℃、又は30から70℃の範囲の温度を含むと考えられる温度であり、そのような温度で活性であることができる。
【0044】
一実施例では、重合開始剤種はアゾ基を含む。さらに、又は代替的に、重合開始剤種はエステル基を含んでよい。たとえば、重合開始剤種はアゾビスイソブチロニトリルであってよい。
【0045】
重合開始剤種は、高温で、たとえば100℃より高い又は150℃より高い温度で、活性であることができ、その場合、重合開始剤種は、ケトン基及びケタール基からなる群から選択される化学基を含むんでよい。より具体的には、重合開始剤種は、αヒドロキシケトン基、αアミノケトン基、及びベンジルジメチルケタールからなる群から選択される化学基を含んでよい。さらに具体的には、重合開始剤種は、ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンであってよい。
【0046】
一実施例では、インプリント可能な媒体は、重合速度修正種をさらに含み、それは、重合速度を減速する重合減速剤であってよい。有利にも、重合減速剤は、1つの重合性基を含んでよく、それによって重合を本質的に遅らせる。そのような種の例は、tブチルフェニルグリシジルエーテル及びメタクリル酸メチルである。特に遊離基重合を減速するための他の速度修正種は、本質的に遊離基を有した化合物である。したがって、重合減速剤は、1つの遊離基の重合性基を含んでよい。そのような化合物は、光開始剤から生成された遊離基が、化合物がすべて結合されるまで、照射によって結合することになる。そのような化合物の実施例は、テトラメチルピリジニルオキシ基である。
【0047】
ここで本発明の実施例について、例としてだけで、添付の概略図面を参照して述べる。図面では、対応する参照記号が、対応する構成要素を示す。
【実施例】
【0048】
インプリント・リソグラフィには、ホット・インプリント・リソグラフィ及びUVインプリント・リソグラフィとして一般に呼ばれる、2つの主なアプローチがある。ソフト・リソグラフィとして知られた第3のタイプの「プリント」リソグラフィもある。これらの実施例は、図1aから図1cに示してある。
【0049】
図1aに、ソフト・テンプレート10(通常、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から製造される)から、基板12と平坦化転写層12’との上に支持されたレジスト層13上に、微粒子の層11(通常チオールなどのインク)を転写することを有するソフト・リソグラフィ・プロセスを概略的に示す。テンプレート10は、その表面上にフィーチャのパターンを有し、微粒子層がフィーチャ上に置かれる。テンプレートがレジスト層に押圧されたとき、微粒子層11は、レジストに固着する。レジスト層からテンプレートを取り外したとき、微粒子層11はレジスト層に固着し、転写された微粒子層によって覆われていないレジスト層の領域が基板までエッチングされるように、レジスト層がエッチングされる。
【0050】
ソフト・リソグラフィ中で使用されるテンプレートは、容易に変形し、したがって高分解能、たとえばナノメートル・スケールである用途には適さない。というのは、テンプレートの変形が、インプリントされたパターンに悪い影響を及ぼすからである。さらに、複数層の構造を製造するとき、そこでは同じ領域が複数回重ね合わされることになり、ソフト・インプリント・リソグラフィは、ナノメートル・スケールでのオーバーレイ精度が得られない。
【0051】
ホット・インプリント・リソグラフィ(又はホット・エンボス)は、ナノメートル・スケールで使用されるとき、ナノ・インプリント・リソグラフィ(NIL)として知られてもいる。プロセスは、たとえばシリコン又はニッケルから製作されたよりハードなテンプレートを使用し、それは、磨耗及び変形に対してより抵抗性がある。これは、たとえば米国特許第6,482,742号に記載され、図1bに示してある。通常のホット・インプリント・プロセスでは、中実のテンプレート14が、熱硬化性又は熱可塑性のポリマー樹脂15中にインプリントされ、そのポリマー樹脂は、基板面上に鋳造されている。たとえば、樹脂は、基板面上に、又はより一般には(例示されている実施例のように)平坦化転写層12’上にスピン・コーティングされてベークされている。インプリント・テンプレートを述べるとき、用語「ハード」は、「硬質」材料と「軟質」材料の間に入ると一般に考えられる材料、たとえば「ハード」ゴム(硬質ゴム)などを含むことを理解すべきである。インプリント・テンプレートとしての使用について、特定の材料の適性は、その用途の要件によって決定される。
【0052】
熱硬化性ポリマー樹脂が使用されるとき、樹脂は、テンプレートとの接触時、樹脂が十分流動できてテンプレート上に定義されたパターン・フィーチャ中に流れ込むような温度まで、加熱される。次いで、樹脂の温度は、樹脂が凝固して所望のパターンを不可逆的に取るように、熱的に樹脂を硬化(たとえば架橋)するために高められる。次いで、テンプレートは、取り外すことができ、パターン形成された樹脂は、冷却される。
【0053】
ホット・インプリント・リソグラフィ・プロセス中に使用される熱可塑性ポリマー樹脂の例は、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、又はポリ(メタクリル酸シキロヘキシル)である。熱可塑性樹脂は、テンプレートによってインプリントされる直前に、樹脂が自由に流動できる状態になるように加熱される。熱可塑性樹脂を、その樹脂のガラス遷移温度よりかなり高い温度まで加熱する必要が通常ある。テンプレートを流動可能な樹脂中に押圧し、十分な圧力を加えることによって、テンプレート上に定義されたパターン・フィーチャすべて中に樹脂が流れ込むことが保証される。次いで、樹脂は、樹脂が不可逆的に所望のパターンをそこで取る所定の場所にテンプレートを保持して、そのガラス遷移温度より低い温度まで冷却される。パターンは、樹脂の残留層から浮き彫りのフィーチャから構成され、次いで残留層は、適切なエッチング・プロセスによって除去されてパターン・フィーチャだけをその後に残す。
【0054】
凝固した樹脂からテンプレートを除去した時、図2aから図2cに示すように、2工程のエッチング・プロセスが通常実施される。基板20は、図2aに示すように、平坦化転写層21を直接その上に有する。平坦化転写層の目的は、2つある。それは、テンプレートの表面に実質的に平行な表面を提供するように働き、その助けによってテンプレートと樹脂の間の接触が平行になることが保証されること、及び、以下に述べるようにプリントされるフィーチャの縦横比も向上させることである。
【0055】
テンプレートが取り外された後、凝固した樹脂の残留層22が、平坦化転写層21上に残され、所望のパターンに形作られる。第1のエッチングは、等方性であり、残留層22の一部分が除去されて、図2bに示すように、L1はフィーチャ23の高さであって、フィーチャの不十分な縦横比が得られる。第2のエッチングは、異方性(選択的)であり、縦横比を改善する。異方性エッチングによって、凝固した樹脂が覆っていない平坦化転写層21のそれらの部分が除去されて、図2cに示すように、フィーチャ23の縦横比を(L2/D)に高める。エッチング後基板上に残されて得られたポリマー厚さの差異は、インプリントされたポリマーが、たとえばリフト・オフ・プロセス中の工程として十分抵抗性がある場合、たとえばドライ・エッチング用のマスクとして使用されうる。
【0056】
ホット・インプリント・リソグラフィは、パターン転写をより高温下で実施しなければならないことだけでなく、テンプレートを取り外す前に樹脂が適切に凝固することを保証するために、比較的大きい温度差が必要になることもあるという不都合を被る。35から100℃の範囲の温度差が、必要になる。たとえば基板とテンプレートの間の熱膨張差は、次いで転写されたパターン中に歪を生じさせる。これは、インプリント可能な媒体が粘性であるため、インプリント工程に必要になる比較的高い圧力によって、悪化し、それによって基板中に機械的変形が生じて、やはりパターンを歪ますことになる。
【0057】
一方、UVインプリント・リソグラフィは、そのような高い温度及び温度変化を必要とせず、そのような粘性のインプリント可能な材料も必要でない。むしろ、UVインプリント・リソグラフィは、部分的又は完全な透過性テンプレートと、UV硬化性液体、通常アクリレート又はメタクリレートなどのモノマーとの使用を必要とする。一般に、モノマーと開始剤の混合物など、すべての光重合性材料が使用可である。たとえば硬化性液体も、ジメチル・シロキサン誘導体を含む。そのような材料は、ホット・インプリント・リソグラフィ中で使用される熱硬化性及び熱可塑性の樹脂より粘性が低く、したがって極めて速く移動してテンプレートのパターン・フィーチャを充填する。低温及び低圧の動作も、より高い処理能力に有利に働く。
【0058】
図1cに、UVインプリント・プロセスの実施例を示す。図1bのプロセスと類似の形で、水晶のテンプレート16をUV硬化性樹脂17に当てる。熱硬化性樹脂を使用するホット・エンボスでのように温度を上げる、又は熱可塑性樹脂を使用する時の温度サイクリングする代わりに、樹脂を重合させ、それによって硬化させるために、水晶テンプレートを通して、UV放射が樹脂に加えられる。テンプレートの取り外し時、レジストの残留層をエッチングする残された工程は、上記に述べたホット・エンボス・プロセスのための工程と同じ又は類似である。通常使用されるUV硬化性樹脂は、より低いインプリント圧を使用することができるように、粘性が通常の熱可塑性樹脂より極めて低い。圧力がより低いので物理的変形が減少し、それとともに温度及び温度変化が高いことによる変形が減少することによって、UVインプリント・リソグラフィが、高いオーバーレイ精度が必要な用途に適するようになる。さらに、UVインプリント・テンプレートの透過性によって、光学的位置合わせ技術をインプリントと同時に適用することができる。
【0059】
このタイプのインプリント・リソグラフィは、UV硬化性材料を主に使用し、したがってUVインプリント・リソグラフィと一般に呼ばれるが、他の波長の放射を使用して、適切に選択された材料を硬化することができる(たとえば、重合又は架橋反応を活性化する)。一般に、適切なインプリント可能な材料が利用できるならば、そのような化学反応を開始させることが可能なすべての放射は使用可である。たとえば代替の「活性化放射」は、可視光、赤外線、X線、及び電子ビーム放射を含む。上記及び以下の全体的な説明では、UVインプリント・リソグラフィ及びUV放射の使用の言及は、これら及び他の活性化放射の可能性を排除するようには、企図されていない。
【0060】
基板表面に対して実質的に平行に維持された平面テンプレートを使用するインプリント・システムの代替として、ローラ・インプリント・システムが開発されている。テンプレートがローラ上に形成されるが、その他ではインプリント・プロセスが、平面テンプレートを使用するインプリントに極めて類似した、ホットローラ・インプリント・システム及びUVローラ・インプリント・システムが提案されている。本文で特段の要求がない限り、インプリント・テンプレートの言及は、ローラ・テンプレートへの言及を含む。
【0061】
たとえばIC製造に従来使用される光学的ステッパと類似の態様で小さな工程で基板をパターン形成するために使用される、ステップ・アンド・インプリント・リソグラフィ(SFIL)として知られる、特に開発されたUVインプリント技術がある。これは、UV硬化性樹脂中にテンプレートをインプリントし、テンプレートを通してUV放射の「フラッシュ」を施してテンプレートの下に在る樹脂を硬化させ、テンプレートを取り外し、基板の隣接した領域に進み、この動作を繰り返すことによって、基板の小さい領域を一時にプリントする工程を含む。そのような工程の小さなフィールド・サイズ及び繰り返しプロセスによって、パターン歪及びCD変動を減少させ、したがってステップ・アンド・インプリント・リソグラフィ(SFIL)は、高いオーバーレイ精度が必要なIC及び他のデバイスの製造に特に適する。
【0062】
原理的に、たとえばスピン・コーティングによってUV硬化性樹脂は基板表面全体に施されることができるが、これは、UV硬化性樹脂の揮発性のため、問題を含む。
【0063】
この問題に対処する一アプローチは、テンプレートによるインプリントの直前に、基板の目標部分上に溶滴の形で樹脂を分注する、いわゆる「ドロップ・オン・デマンド」プロセスである。液体の分注は、所定の量の液体が基板の特定の目標部分上に堆積されるように、制御される。この液体は、様々なパターンで分注されることができ、綿密な液体量の制御とパターンの配置の組み合わせが目標領域へのパターン形成を限定するために採用されうる。
【0064】
言及したようにオン・デマンドで樹脂を分注することは、些細なことではない。テンプレートのフィーチャを充填するのに十分な樹脂がある一方同時に過剰な樹脂が最小になることを保証するように溶滴のサイズ及びその間隔が綿密に制御される。過剰な樹脂は、隣接する溶滴が接触すると、樹脂は流れる場所をもたないので、圧延されて不要な厚さの又は不均一な残留層になり得るからである。過剰に厚い又は不均一な残留層に関連した1つ又は複数の問題を以下に述べる。
【0065】
UV硬化性液体の基板上への堆積について上記で言及したが、液体は、テンプレート上に堆積することもでき、一般に同じ技術及び考慮事項が適用される。
【0066】
図3に、テンプレート、インプリント可能な材料(硬化性モノマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など)、及び基板の相対的寸法を示す。基板の幅Dと硬化性樹脂層の厚さtの比は、約106である。テンプレートから突出したフィーチャが基板を損傷することを防止するために、テンプレートから突出したフィーチャの深さより寸法tを大きくすべきであることは、理解されるはずである。
【0067】
押圧後に残されたインプリント可能な材料の残留層は、その下にある基板を保護するのに役立つが、高い分解能及び/又はオーバーレイ精度の獲得に影響を及ぼす。第1の「ブレークスルー」エッチングは、等方性(非選択的)であり、したがってインプリントされたフィーチャ、並びに残留層をある程度損なうことになる。このことは、残留層があまりに厚い及び/又は不均一である場合、悪化する。
【0068】
たとえば、このエッチングは、その下に在る基板上に最終的に形成されるフィーチャ厚さの変動をもたらす(すなわち、クリティカルな寸法の変動)。第2の異方性エッチングで転写層中にエッチングされるフィーチャの厚さの一様性は、樹脂中に残されたフィーチャ形状の縦横比及び完全性に依存する。残留樹脂層が均一でない場合、非選択的な第1のエッチングによって、いくつかのこれらのフィーチャに「丸められた」上部が残される恐れがあり、したがってそれらは、第2の及びその後のすべてのエッチング・プロセス中で、フィーチャ厚さの良好な一様性を保証するのに十分適切には画定されない。
【0069】
原理的に、上記の問題は、確実に残留層をできるだけ薄くすることによって軽減することができるが、これは、不要な高い圧力の適用(多分基板の変形を増加する)と、比較的長いインプリント時間(おそらく処理能力を減少する)とを必要とする。
【0070】
上述したように、テンプレート表面上のフィーチャ分解能は、基板上にプリントされるフィーチャの達成できる分解能への限定要因である。ホット・インプリント・リソグラフィ及びUVインプリント・リソグラフィに使用されるテンプレートは、一般に2ステージ・プロセスで形成される。最初に、要求されたパターンが、たとえば電子ビーム書き込みを使用してレジスト中に高分解能パターンが得られるように、書き込まれる。次いで、レジスト・パターンは、テンプレートのベース材料中にパターン転写する最終的な異方性エッチング工程用のマスクを形成するクロムの薄層中に、転写される。たとえばイオン・ビーム・リソグラフィ、X線リソグラフィ、極UVリソグラフィ、エピタキシャル成長、薄膜堆積、化学的エッチング、プラズマ・エッチング、イオン・エッチング、又はイオン・ミリングなどの他の技術が使用されうる。一般に、テンプレートが実際には1倍のマスクであり、転写されるパターンの分解能がテンプレート上のパターンの分解能によって限定されるので、極めて高い分解能が可能な技術が、所望される。
【0071】
テンプレートの離れ性も考慮事項である。たとえば、テンプレートは、低い表面エネルギーを有した、テンプレート上の薄い剥離層を形成する表面処理材料によって、処理される。(薄い剥離層は、基板上に堆積されてもよい)。
【0072】
インプリント・リソグラフィの開発での他の考慮事項は、テンプレートの機械的耐久性である。テンプレートは、インプリント可能な媒体を押印中に大きい力を受ける、ホット・インプリント・リソグラフィの場合、それは、高い圧力及び温度も受ける。力、圧力及び/又は温度は、テンプレートの磨耗を引き起こし、基板上にインプリントされるパターンの形状に悪い影響を与える。
【0073】
ホット・インプリント・リソグラフィでは、テンプレートと基板の間の熱膨張差を減少させるために、パターン形成される基板と同じ又は類似の材料のテンプレートを使用して、潜在的な利点を実現することができる。UVインプリント・リソグラフィでは、テンプレートは、活性化放射に対して少なくとも部分的に透過性であり、したがって水晶テンプレートが使用される。
【0074】
本文では、IC製造中のインプリント・リソグラフィの使用について、具体的に言及するが、本明細書で述べられるインプリント装置及び方法は、光集積システム、磁区メモリ用の誘導及び検出パターン、ハード・ディスク磁気媒体、フラット・パネル表示装置、薄膜磁気ヘッドなどの製造の、他の用途を有することができることを理解すべきである。
【0075】
上記の説明では、実際レジストとして働くインプリント可能な樹脂を介してテンプレート・パターンを基板に転写するインプリント・リソグラフィの使用について、特に言及してきたが、いくつかの状況下では、インプリント可能な材料は、それ自体機能する材料であって、たとえば伝導率、光学的な線形又は非線形の応答などの機能性を有することができる。たとえば、機能材料は、伝導性層、半導体層、誘電性層、又は他の望ましい機械的、電気的、又は光学的性質を有した層を形成することができる。いくつかの有機物質も、適切な機能材料である。そのような応用は、本発明の1つ又は複数の実施例の範囲に含まれる。
【0076】
上述したように、光(たとえばUV)インプリント・リソグラフィは、1つ又は複数の問題がある。たとえば、光硬化性材料を使用するプロセスでは、重合時間が比較的長いので、処理能力が比較的低い。光透過性テンプレートの使用には、テンプレートを製作することができる材料が限定される。現在水晶が使用されているが、耐摩耗性が向上し、及び/又は分離中のインプリント可能な媒体への固着傾向が軽減されることを示す他の非光透過性材料が知られている。
【0077】
図4aは、本発明の実施例による方法で使用されるインプリント・システム41の様々な構成要素を示す。シリコン基板42が平坦化層43を支持している。UV硬化性メタクリレート・モノマーの溶滴44が、平坦化層43の表面45上に堆積されており、インプリント可能な媒体(たとえば押印できるエッチング・バリア)として働く。メタクリレート・モノマー44の上に配置されるのは、浮き彫りパターンを画定するより低い表面47を有したテンプレート46である。剥離層48が、浮き彫りパターンを画定するテンプレート46の表面47上に被覆されて、メタクリレート・モノマー44中にパターン形成された後の、メタクリレート・モノマー44からのテンプレート46の分離を助ける。
【0078】
図4bで、メタクリレート・モノマー44が、UV放射によって照射されて、重合及び硬化を開始する。制御器(ここで又は以降で、当業者に知られたすべての種類の制御器)が、照射の開始及びタイミングを制御する。一実施例では、制御器は、インプリント装置中に設けられた、又はそれを制御するソフトウェア・プログラムであってもよい。
【0079】
図4cで、所望のパターンがメタクリレート・モノマー44中に形成されるように、部分的に硬化したメタクリレート・モノマー44が、浮き彫りパターンを画定したテンプレート46の表面47に接触されてインプリントされる。再び、制御器が面のインプリントの開始とタイミングを制御する。
【0080】
図4dで、テンプレート46がメタクリレート・モノマー44と接触状態に保持されて、硬化し凝固するのに十分な時間をメタクリレート・モノマー44に与える。このようにして、メタクリレート・モノマー44は、インプリントされたパターンを保持することになる。
【0081】
図5aで、テンプレート46及び剥離層48が、凝固したメタクリレート・モノマー44から分離されて、平坦化層43の表面45に隣接したメタクリレート・モノマー44中に、厚さが減少した領域49が残される。制御器が、表面からのテンプレートの分離の開始及びタイミングを制御する。
【0082】
図5bに、凝固したメタクリレート・モノマー44中の厚さが減少した領域49を除去するための、第1のエッチング・プロセスを示し、それによって平坦化層43の表面45の領域50が露出される。図5cで、平坦化層43の表面45の露出された領域50がエッチングされて、基板42の表面52の領域51を露出させる。図5dで、基板の表面52の露出された領域51がエッチングされて、基板42中に所望のパターンが生成される。
【0083】
図4及び図5に示したプロセスは、基板表面上の横方向に隔置された一続きの目標位置において、メタクリレート・モノマーの一連の溶滴が連続的に堆積され、照射され、インプリントされるステップ・アンド・リピート・プロセスにおいて、任意の望ましい回数繰り返されてもよい。例証として、第1及び第2のメタクリレート・モノマーの溶滴が、基板表面上に互いに隣接して提供される。第1の溶滴が、硬化を開始するように、放射によって照射される。次いで、照射装置が第2の溶滴に向けられて、隣接した第2のメタクリレート・モノマーの溶滴が、照射される。第2の溶滴の照射中に、第1の溶滴は、テンプレートに接触されて所望のパターンをインプリントされる。したがって、この同時の照射及び接触のプロセスは、任意の望ましい回数繰り返すことができ、テンプレートが媒体に接触する前に、フラッシュが施される修正SFILプロセスと考えることができる。もちろん、本発明の実施例による方法は、ステップ・アンド・リピート・プロセスでの適用に適しているが、それは、基板上に支持された1つのエッチング・バリア層のインプリントにも適している。
【0084】
インプリント可能な媒体の硬化がテンプレートの媒体への接触前に開始されるので、テンプレート材料は光透過性材料だけに限定されるのではなく、所与のインプリント・システムに適するように選択されてよい。さらに、テンプレートは、水晶より容易にパターン形成できる材料から製造されてもよい。テンプレート上に画定された浮き彫りパターンが忠実にインプリント可能な媒体に転写されることになることを保証する、インプリントの条件及び材料のセットが選択される。ただし、テンプレートがインプリント可能な媒体と最初に接触したとき、インプリント可能な媒体が、テンプレート中に画定された浮き彫りパターンを充填するのに十分な、鋳造できる又は流動できる状態であることを保証するように、考慮するという条件である。媒体の硬化がすでに開始されていることは、問題を提起しない。
【0085】
基礎をなす創意的な概念から逸脱することなく多数の修正を実施することができ、これらの修正は、本発明の範囲に含めるように企図されていることを理解されるべきである。たとえば、インプリント可能な媒体は、望ましい比で1つ又は複数の光硬化性材料からなってもよい。インプリント可能な媒体は、重合速度を加速又は減速させるために、1つ又は複数の添加剤を含んで良い。たとえば、メタクリレートは、多くの条件下で比較的速く硬化すると考えられ、したがってメタクリレートが使用されるならば、添加剤を含ませて硬化速度を低下させて、インプリント可能な媒体がテンプレート中に画定されたパターン中に鋳込むのに硬すぎないことを保証することが適切である。添加剤は、粘性など、媒体の物理的及び/又は化学的性質を調節するために、添加されてもい。本発明の実施例は、平坦化層とともに、又はそれなしで、すべての望ましい基板材料を使用するインプリント・システムに、適用されてよい。さらに、剥離層の使用は、必須でなく、適切な場合、省かれても良い。テンプレートは光透過性材料(たとえば水晶)以外の材料から製作されうるので、分離中、インプリント可能な媒体のテンプレートへの貼り付が減少されると予見される。
【0086】
実施例は、基板材料の連続層に対して上記に述べた処置を単に繰り返すことによる多層基板の製造に、適している。さらに、光硬化性材料が一般に低粘性を示すので、比較的低いプリント圧を使用することができ、それは、処理中の基板変形の尤度を減少し、それによってパターン・オーバーレイ精度を向上させる。
【0087】
本発明の具体的な実施例を上に述べてきたが、本発明は、記載の通りでなく実施することができることを理解されるべきである。本記載は、本発明を限定するようには企図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1a】従来のソフト・リソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図1b】従来のホット・リソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図1c】従来のUVリソグラフィ・プロセスの実施例を示す図である。
【図2】ホット・リソグラフィ・プロセス及びUVインプリント・リソグラフィを使用してレジスト層をパターン形成するときに使用される、2工程のエッチング・プロセスを示す図である。
【図3】基板上に堆積された通常の押印できるレジスト量の厚さと比較した、テンプレート・フィーチャの相対的寸法を示す図である。
【図4a】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4b】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4c】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図4d】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5a】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する4工程の概略図である。
【図5b】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5c】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【図5d】パターン形成された基板を設けるための本発明による方法に関連する工程の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を流動可能な状態で基板上に提供する工程と、
前記基板上の流動可能な状態である前記光硬化性のインプリント可能な媒体を前記媒体の硬化を開始させる放射によって照射する工程と、
前記照射する工程の後、前記媒体をテンプレートに接触させて前記媒体中にインプリントを形成する工程と、
前記媒体が前記テンプレートに接触している間、前記媒体が実質的に流動不可能な状態にあるように前記媒体の実質的な硬化を可能にする工程と、
前記媒体が前記実質的に流動不可能な状態にある間に、前記媒体から前記テンプレートを分離する工程を有するインプリント方法。
【請求項2】
1分より短い間、前記光硬化性のインプリント可能な媒体を照射する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放射がUV放射である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記放射が430nmより短い波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射が複数のパルスで提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記放射が1つのパルスで提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1の量の前記媒体を前記基板の第1の目標部分上に堆積する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の量の前記媒体をインプリントする工程の後に、第2の量の前記媒体を前記第1の目標部分から隔置された前記基板の第2の目標部分上に堆積する工程と、
前記第2の量の前記媒体をインプリントする工程を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体をその上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
前記媒体が基板上にあるときに、前記媒体の硬化を開始させる放射によって前記媒体を照射するように構成された照射装置と、
非光透過性テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
前記非光透過性テンプレートを前記媒体と接触させて、前記媒体の照射後に、前記媒体中にインプリントを形成するように、及び前記媒体が実質的に流動不可能な状態であるようにして前記媒体が実質的に硬化するままにされた後、前記テンプレートを前記媒体から分離させるように構成された制御器とを有するインプリント装置。
【請求項10】
ある量の前記光硬化性のインプリント可能な媒体を流動可能な状態で前記基板ホルダに支持された基板上に提供するように構成された投与装置をさらに有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記投与装置が第1の量の前記媒体を前記基板の第1の目標部分上に堆積するために動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記投与装置が、前記第1の量の前記媒体をインプリントする工程の後で、第2の量の前記媒体を前記第1の目標部分から隔置された前記基板の第2の目標部分上に堆積するように構成され、
前記テンプレート・ホルダが前記第2の量の前記媒体をインプリントするように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項1】
ある量の光硬化性のインプリント可能な媒体を流動可能な状態で基板上に提供する工程と、
前記基板上の流動可能な状態である前記光硬化性のインプリント可能な媒体を前記媒体の硬化を開始させる放射によって照射する工程と、
前記照射する工程の後、前記媒体をテンプレートに接触させて前記媒体中にインプリントを形成する工程と、
前記媒体が前記テンプレートに接触している間、前記媒体が実質的に流動不可能な状態にあるように前記媒体の実質的な硬化を可能にする工程と、
前記媒体が前記実質的に流動不可能な状態にある間に、前記媒体から前記テンプレートを分離する工程を有するインプリント方法。
【請求項2】
1分より短い間、前記光硬化性のインプリント可能な媒体を照射する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記放射がUV放射である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記放射が430nmより短い波長を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記放射が複数のパルスで提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記放射が1つのパルスで提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1の量の前記媒体を前記基板の第1の目標部分上に堆積する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の量の前記媒体をインプリントする工程の後に、第2の量の前記媒体を前記第1の目標部分から隔置された前記基板の第2の目標部分上に堆積する工程と、
前記第2の量の前記媒体をインプリントする工程を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流動可能な状態の光硬化性のインプリント可能な媒体をその上に有した基板を保持するように構成された基板ホルダと、
前記媒体が基板上にあるときに、前記媒体の硬化を開始させる放射によって前記媒体を照射するように構成された照射装置と、
非光透過性テンプレートを保持するように構成されたテンプレート・ホルダと、
前記非光透過性テンプレートを前記媒体と接触させて、前記媒体の照射後に、前記媒体中にインプリントを形成するように、及び前記媒体が実質的に流動不可能な状態であるようにして前記媒体が実質的に硬化するままにされた後、前記テンプレートを前記媒体から分離させるように構成された制御器とを有するインプリント装置。
【請求項10】
ある量の前記光硬化性のインプリント可能な媒体を流動可能な状態で前記基板ホルダに支持された基板上に提供するように構成された投与装置をさらに有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記投与装置が第1の量の前記媒体を前記基板の第1の目標部分上に堆積するために動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記投与装置が、前記第1の量の前記媒体をインプリントする工程の後で、第2の量の前記媒体を前記第1の目標部分から隔置された前記基板の第2の目標部分上に堆積するように構成され、
前記テンプレート・ホルダが前記第2の量の前記媒体をインプリントするように構成される、請求項11に記載の装置。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【公開番号】特開2006−203194(P2006−203194A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−979(P2006−979)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(504151804)エイエスエムエル ネザランドズ ベスローテン フエンノートシャップ (1,856)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−979(P2006−979)
【出願日】平成18年1月6日(2006.1.6)
【出願人】(504151804)エイエスエムエル ネザランドズ ベスローテン フエンノートシャップ (1,856)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】
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