説明

ウイルスワクチン用の遺伝的アジュバント

本発明は、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドなどの外来性ポリペプチドのウイルスワクチン中における発現を高める組成物及び方法に関する。より詳細には、本発明は遺伝的アジュバントを介してアジュバント化を強化したウイルスワクチンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の説明]
本願は、2006年4月26付の米国仮特許出願第60/795097号に優先権を主張するものである。
【0002】
上記出願、及び該出願中の全ての引用文献又はその審査中に引用された全ての文献(「出願引用文献」)、及び出願引用文献中で引用又は参照されている全ての文献、及び本明細書中で引用又は参照されている全ての文献(本明細書引用文献)、及び本明細書引用文献中で引用又は参照されている全ての文献、本明細書中又は参照により本明細書に組み込まれている文献中で言及されている全ての製品についてのメーカーの説明書、記述、仕様書、製品シートを参照により本願に組み込み、これらは本発明を実施するために使用してもよい。
【0003】
本発明は、広義にはウイルスワクチン及びその使用方法に関する。より詳細には、本発明はベクター(有利にはウイルスベクター)中の遺伝子によって発現される抗原に対する免疫応答を亢進する1又は複数の遺伝的アジュバントを含んでもよいウイルスベクターに関する。
【背景技術】
【0004】
DNAワクチンは、遺伝的ワクチン、プラスミドワクチン又はポリヌクレオチドワクチンとも呼ばれ、抗原に対する免疫化に遺伝子導入を利用するための比較的容易で経済的な方法である。DNAワクチンは毒性が低く、そのさらなる開発が望まれているが、臨床現場に導入されて成功するためには、そのアプローチの有効性を向上させるためのさらなる戦略が必要である(非特許文献1)。DNAワクチンは、従来のワクチンがもつ欠点のほとんどを克服しており、将来のワクチンとしての可能性を秘めている。しかし、市販されている製品はまだない。これはおそらく、この技術がヒトにおいて効率的に免疫応答を誘導することができていないためであろう(非特許文献2)。
【0005】
DNAワクチンとアデノ随伴ウイルス(「AAV」)ベクターには多くの類似点がある。AAVベクターはウイルス遺伝子を何らコードしておらず、AAVベクターゲノム中に存在するウイルス配列は145ヌクレオチドの逆方向末端反復(「ITR」)だけである。しかし、AAVベクターは、AAVカプシドによる特異的送達により、インビボでの遺伝子導入効率が非常に高いという利点をもっている。DNAワクチンと異なり、AAVは単回投与で、非ヒト霊長類(「NHP」)において、AAVにより発現された抗原に対する液性及び細胞性免疫応答を誘発することができる。
【非特許文献1】Shaw & Strong, Front Biosci. 2006 Jan 1;11:1189-98
【非特許文献2】Glenting & Wessels, Microb Cell Fact. 2005 Sep 6;4:26
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DNAワクチン用の遺伝的アジュバントについては総説があるが(例えばCalarota & Weiner, Expert Rev Vaccines. 2004 Aug;3(4 Suppl):S135-49, Calarota & Weiner, Immunol Rev. 2004 Jun;199:84-99及びKutzler & Weiner, J Clin Invest. 2004 Nov;114(9):1241-4参照)、ウイルスワクチン用の、特にAAVに基づくウイルスワクチン用の遺伝的アジュバントについては未だによく分かっていない。
【0007】
効果的かつ安全なウイルスワクチン、特に防御反応を誘発するのに十分な量の目的とする標的抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現するウイルスワクチンが必要とされている。
【0008】
本願中で引用又は特定する全ての文献は、本発明の先行技術として利用可能なことを自認するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はベクター、好ましくはウイルスベクター、より好ましくはAAVベクター中で発現される遺伝子のタンパク質産物のアジュバント化、すなわち免疫応答の亢進に関する。Ad5などの他の多くのベクターと異なり、AAVは筋肉、脳、肝臓、肺及び網膜に注射されても穏やかな炎症反応しか誘導せず、これは遺伝子治療用のベクターとして望ましい特性である。しかし、送達後に自然免疫応答を誘発しないということは、ベクターだけでなく導入遺伝子のタンパク質産物に対しても免疫応答が減弱されている可能性がある。したがって、AAVは非常に安全であるが免疫原性のほとんどない、送達のみのベクターとみなすことができる。このことは、AAVベクターを用いたワクチンが、化学的又は分子的アジュバントの添加による利益を受け得ること示唆している。このようなアジュバントの目的は、導入遺伝子の発現と同時に炎症反応を発生させるか模倣し、遺伝子産物に対するT細胞及びB細胞の反応を増強することである。
【0010】
生物学的には、アジュバント化は遺伝的アジュバントを介したものが好適である。物理的アジュバントは効果的ではあるが、導入遺伝子の発現が遅れた場合には、発現が最大のときに免疫応答を適切に生じさせるためのアジュバントが存在しないことがあり得る。その結果、望ましくない抗ベクター(投入粒子)免疫応答が亢進されるかも知れず、さらにベクターに載せた抗原に対する免疫応答に何らかの影響を及ぼし得る。本発明は、AAVベクター内で発現された病原遺伝子のタンパク質産物に対する免疫応答を、アジュバントの遺伝子である第2の遺伝子を共発現させることで亢進しようとするものである。
【0011】
本発明は、免疫原性又はワクチン組成物に関し、該組成物はベクター、有利にはウイルスベクター、さらに有利にはAAVベクターを含んでもよく、該ベクターは遺伝的アジュバントをコードするポリヌクレオチド配列を含んでもよい。好ましい実施形態においては、遺伝的アジュバントはCTA1−DD、fas抗原、フラジェリン、IL−2又はIL−12であってよい。
【0012】
ベクターは、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含んでもよい。有利には、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドは、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである。特に好ましい実施形態においては、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドは、目的とするHIV又はSIVの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである。
【0013】
また、本発明は目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤を包含し、該製剤は上述の組成物及び薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤のいずれを含んでもよい。別の実施形態においては、本発明は目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤を包含し、該製剤は、遺伝的アジュバントをコードするベクターと、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターと、薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含んでもよい。
【0014】
本発明は、動物における免疫応答を刺激又は誘発する方法に関し、該方法は、本明細書に開示している製剤のいずれかを動物細胞に有効量投与するステップ及び該細胞内で目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現させるステップを含んでもよい。好ましくは、動物はヒトである。
【0015】
本発明は、前述の方法のいずれかを実施するためのキットをも包含し、該キットは、本願に開示しているDNAプラスミド又は製剤、さらには動物において免疫応答を刺激又は誘発する方法を実施するための説明書を含んでもよい。
【0016】
本開示及び特に請求項及び/又はパラグラフにおいて、「含む」「含有する」(comprise)等の用語は米国特許法に帰する意味を有する。「本質的に〜からなる」という用語も、米国特許法に帰する意味を有し、これは例えば、明示的に記載されていない要素を許すが、先行技術中の要素、又は本発明の基本的特徴若しくは新規な特徴に影響する要素は除外する。
【0017】
これら及びその他の実施形態は、以下の詳細な説明に開示されているか又は詳細な説明から明らかであり、詳細な説明に包含される。
【0018】
以下の詳細な説明は例示のために挙げるものであり、記載している特定の実施形態のみに本発明を限定することを意図するものではなく、添付の図面と一緒にすることで最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、ベクター、好ましくはウイルスベクター、より好ましくはAAVベクター中で発現される遺伝子のタンパク質産物のアジュバント化、すなわち免疫応答の亢進に関する。AAVは非常に安全であるが免疫原性のほとんどない送達のみのベクターとみなすことができる。このことは、AAVベクターを用いたワクチンが化学的又は分子的アジュバントの添加による利益を受け得ることを示唆している。物理的アジュバントは効果的ではあるが、導入遺伝子の発現が遅れた場合には、発現が最大のときに免疫応答を適切に生じさせるためのアジュバントが存在しないことがあり得る。その結果、望ましくない抗ベクター(投入粒子)免疫応答が亢進され、ベクターに載せた抗原に対する免疫応答に何らかの影響を及ぼす可能性がある。本発明は、ウイルスベクター内で発現された病原遺伝子のタンパク質産物に対する免疫応答を、アジュバントの遺伝子である第2の遺伝子を共発現させることで亢進しようとするものである。
【0020】
AAVベクターが好ましいが、本発明は他のウイルスベクターも想定する。別のウイルスベクターとしては特に限定されないが、アデノウイルス科、フラビウイルス科、ヘルペスウイルス科、パラミクソウイルス科、パルボウイルス科、ポックスウイルス科、レオウイルス科などのウイルス科に由来するウイルスベクターを挙げることができる。
【0021】
本発明は免疫原性又はワクチン組成物に関し、該組成物はベクター、有利にはウイルスベクター、さらに有利にはAAVベクターを含んでもよく、該ベクターは遺伝的アジュバントをコードするポリヌクレオチド配列を含んでもよい。好ましい実施形態においては、遺伝的アジュバントはCTA1−DD、fas抗原、フラジェリン、IL−2又はIL−12であってよい。
【0022】
CTA1−DDは、例えば米国特許第6589529号明細書及び同第5917026号明細書に記載されている。
【0023】
Fas抗原は、例えば米国特許第6953847号明細書;同第6949360号明細書;同第6897295号明細書;同第6855543号明細書;同第6777540号明細書;同第6465618号明細書;同第6316418号明細書;同第6306820号明細書;同第6306395号明細書;同第6284801号明細書;同第6270998号明細書;同第6177592号明細書;同第6171798号明細書;同第6114507号明細書;同第6086877号明細書;同第6054436号明細書;同第6020135号明細書;同第6015559号明細書;同第5994313号明細書;同第5874546号明細書;同第5830469号明細書;同第5663070号明細書;同第5652210号明細書及び同第5620889号明細書に記載されている。
【0024】
別の実施形態においては、fas抗原の代わりに、又はそれに加えて、NKが仲介するアポトーシスの誘導剤を使用してもよい。
【0025】
フラジェリンは、例えば米国特許第6805865号明細書;同第6740325号明細書;同第6585980号明細書;同第6582705号明細書;同第6419932号明細書;同第6211159号明細書;同第6130082号明細書;同第5786179号明細書;同第5750115号明細書;同第5747659号明細書;同第5725858号明細書;同第5635182号明細書;同第5153312号明細書;同第4886748号明細書及び同第4201770号明細書に記載されている。
【0026】
IL−2は、例えば米国特許第7015205号明細書;同第6994976号明細書;同第6989146号明細書;同第6977072号明細書;同第6967029号明細書;同第6962694号明細書;同第6956119号明細書;同第6955807号明細書;同第6929791号明細書;同第6921530号明細書;同第6906170号明細書;同第6905680号明細書;同第6896879号明細書;同第6893869号明細書;同第6884786号明細書;同第6884598号明細書;同第6858583号明細書;同第6852313号明細書;同第6838474号明細書;同第6828147号明細書;同第6818442号明細書;同第6774226号明細書;同第6759241号明細書;同第6756038号明細書;同第6749856号明細書;同第6746669号明細書;同第6734014号明細書;同第6719972号明細書;同第6716433号明細書;同第6713279号明細書;同第6699476号明細書;同第6693083号明細書;同第6692954号明細書;同第6682909号明細書;同第6682736号明細書;同第6660723号明細書;同第6660258号明細書;同第6627647号明細書;同第6617135号明細書;同第6613762号明細書;同第6605286号明細書;同第6605273号明細書;同第6586002号明細書;同第6559137号明細書;同第6548068号明細書;同第6534277号明細書;同第6534055号明細書;同第6531453号明細書;同第6528051号明細書;同第6525102号明細書;同第6511800号明細書;同第6509313号明細書;同第6506582号明細書;同第6503713号明細書;同第6500641号明細書;同第6497876号明細書;同第6482845号明細書;同第6479258号明細書;同第6458829号明細書;同第6455503号明細書;同第6451305号明細書;同第6448073号明細書;同第6436989号明細書;同第6413771号明細書;同第6407218号明細書;同第6406710号明細書;同第6406699号明細書;同第6406696号明細書;同第6384202号明細書;同第6383739号明細書;同第6358751号明細書;同第6358524号明細書;同第6352723号明細書;同第6348449号明細書;同第6346247号明細書;同第6323027号明細書;同第6312718号明細書;同第6291483号明細書;同第6277368号明細書;同第6274552号明細書;同第6270758号明細書;同第6267955号明細書;同第6252058号明細書;同第6251866号明細書;同第6248319号明細書;同第6232087号明細書;同第6231893号明細書;同第6218371号明細書;同第6207802号明細書;同第6207454号明細書;同第6207170号明細書;同第6197925号明細書;同第6180103号明細書;同第6168787号明細書;同第6168785号明細書;同第6166186号明細書;同第6159463号明細書;同第6159462号明細書;同第6156305号明細書;同第6150099号明細書;同第6133433号明細書;同第6127170号明細書;同第6107077号明細書;同第6099847号明細書;同第6099846号明細書;同第6093723号明細書;同第6086902号明細書;同第6083503号明細書;同第6077519号明細書;同第6070126号明細書;同第6063768号明細書;同第6063375号明細書;同第6060068号明細書;同第6054297号明細書;同第6051227号明細書;同第6048530号明細書;同第6045802号明細書;同第6017544号明細書;同第5997865号明細書;同第5989546号明細書;同第5977316号明細書;同第5976522号明細書;同第5968898号明細書;同第5965366号明細書;同第5965120号明細書;同第5961979号明細書;同第5958765号明細書;同第5932427号明細書;同第5932208号明細書;同第5919480号明細書;同第5919465号明細書;同第5897990号明細書;同第5888513号明細書;同第5879673号明細書;同第5874085号明細書;同第5874076号明細書;同第5866125号明細書;同第5858978号明細書;同第5851984号明細書;同第5847004号明細書;同第5843423号明細書;同第5843397号明細書;同第5837840号明細書;同第5814314号明細書;同第5814295号明細書;同第5800810号明細書;同第5795964号明細書;同第5789185号明細書;同第5788964号明細書;同第5783557号明細書;同第5776465号明細書;同第5756540号明細書;同第5747024号明細書;同第5698530号明細書;同第5698194号明細書;同第5693322号明細書;同第5674483号明細書;同第5650152号明細書;同第5643565号明細書;同第5635478号明細書;同第5635388号明細書;同第5635386号明細書;同第5632983号明細書;同第5627052号明細書;同第5616554号明細書;同第5591632号明細書;同第5585089号明細書;同第5580561号明細書;同第5530101号明細書;同第5503841号明細書;同第5500340号明細書;同第5474899号明細書;同第5425940号明細書;同第5409698号明細書;同第5346989号明細書;同第5250295号明細書;同第5238823号明細書;同第5225535号明細書;同第5120525号明細書;同第5100664号明細書;同第5098702号明細書;同第4971795号明細書;同第RE33252号明細書;同第4938956号明細書;同第4894227号明細書;同第4863727号明細書;同第4863726号明細書;同第4845198号明細書;同第4604377号明細書;同第4473493号明細書及び同第4411993号明細書に記載されている。
【0027】
IL−12は、例えば米国特許第6995008号明細書;同第6989146号明細書;同第6984389号明細書;同第6956119号明細書;同第6902734号明細書;同第6899885号明細書;同第6896879号明細書;同第6893869号明細書;同第6893821号明細書;同第6867000号明細書;同第6852313号明細書;同第6838290号明細書;同第6838260号明細書;同第6830751号明細書;同第6818444号明細書;同第6774226号明細書;同第6774130号明細書;同第6759241号明細書;同第6756038号明細書;同第6749856号明細書;同第6746669号明細書;同第6716433号明細書;同第6716422号明細書;同第6713279号明細書;同第6706264号明細書;同第6693105号明細書;同第6692954号明細書;同第6682909号明細書;同第6675105号明細書;同第6660258号明細書;同第6617135号明細書;同第6605286号明細書;同第6558951号明細書;同第6548068号明細書;同第6534277号明細書;同第6528051号明細書;同第6509321号明細書;同第6503713号明細書;同第6497876号明細書;同第6479258号明細書;同第6475999号明細書;同第6455503号明細書;同第6448073号明細書;同第6423308号明細書;同第6420335号明細書;同第6407218号明細書;同第6384202号明細書;同第6384018号明細書;同第6375944号明細書;同第6365165号明細書;同第6348449号明細書;同第6346247号明細書;同第6338848号明細書;同第6274552号明細書;同第6270758号明細書;同第6239116号明細書;同第6225292号明細書;同第6225117号明細書;同第6214806号明細書;同第6207454号明細書;同第6168923号明細書;同第6168787号明細書;同第6160093号明細書;同第6159462号明細書;同第6156305号明細書;同第6127170号明細書;同第6096869号明細書;同第6080742号明細書;同第6080399号明細書;同第6077519号明細書;同第6071893号明細書;同第6070126号明細書;同第6063375号明細書;同第6051227号明細書;同第6048530号明細書;同第6045802号明細書;同第6017544号明細書;同第6004812号明細書;同第5997865号明細書;同第5985264号明細書;同第5976539号明細書;同第5962424号明細書;同第5961979号明細書;同第5919480号明細書;同第5888513号明細書;同第5851984号明細書;同第5847004号明細書;同第5843423号明細書;同第5811097号明細書;同第5756540号明細書;同第5741815号明細書;同第5736524号明細書;同第5723127号明細書;同第5705151号明細書;同第5698194号明細書;同第5693322号明細書;同第5674483号明細書;同第5665347号明細書;同第5635388号明細書;同第5632983号明細書及び同第5547852号明細書に記載されている。
【0028】
米国特許第6693086号明細書の遺伝的アジュバントも本発明の想定範囲内である。LT及びCT遺伝的アジュバントも本発明に有用である。
【0029】
LTアジュバントは、例えば米国特許第6987176号明細書;同第6818222号明細書;同第6589529号明細書;同第6585975号明細書;同第6576757号明細書;同第6576244号明細書;同第6569435号明細書;同第6541011号明細書;同第6440423号明細書;同第6436407号明細書;同第6413523号明細書;同第6406703号明細書;同第6129923号明細書;同第6083683号明細書;同第6077678号明細書;同第6051416号明細書;同第6033673号明細書;同第6019982号明細書;同第5985243号明細書;同第5976525号明細書;同第5919463号明細書;同第5897475号明細書;同第5869066号明細書;同第5858352号明細書;同第5681736号明細書及び同第5679564号明細書に記載されている。
【0030】
CTアジュバントは、例えば米国特許第6849725号明細書;同第6818405号明細書;同第6797471号明細書;同第6793928号明細書;同第6759200号明細書;同第6749856号明細書;同第RE38392号明細書;同第6607732号明細書;同第6589529号明細書;同第6565828号明細書;同第6544518号明細書;同第6472585号明細書;同第6420591号明細書;同第6395964号明細書;同第6117650号明細書;同第6074352号明細書;同第5980898号明細書;同第5917026号明細書;同第5859018号明細書;同第5783182号明細書;同第5723585号明細書;同第5679545号明細書;同第5571893号明細書;同第5565215号明細書;同第4869247号明細書;同第4411888号明細書及び同第4034090号明細書に記載されている。
【0031】
本発明の目的のためには、遺伝的アジュバントの要件は、それがヌクレオチド配列にコードされており、ウイルスベクター内で発現されるということだけである。遺伝的アジュバントに関して考慮すべき要素としては特に限定されないが、例えばウイルスベクターのキャパシティーに対するアジュバント遺伝子の大きさ、ベクターの構築及び生産にかかる時間及び費用、並びに安全性を挙げることができる。
【0032】
本明細書において、遺伝的アジュバントとは、ベクターによって発現されるサイトカイン、インターロイキン、ケモカイン、リガンド、それらの最適な組合せなどの生物学的活性因子を意味し、抗原をコードする初回刺激用のDNAワクチンと一緒に投与されると、抗原をコードするDNAワクチンのみによる初回刺激で生じる免疫応答と比較して、抗原特異的な粘膜免疫応答を亢進するものである。その他の望ましい遺伝的アジュバントとしては、GM−CSF、インターフェロン(IFN)、(例えば、IFN−α、IFN−β及びIFN−γ)、インターロイキン(IL)(例えば、IL−1β、IL−10、IL−12、IL−13)、TNF−α、それらの組合せをコードするDNA配列、等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。遺伝的アジュバントは、パラポックスウイルスの免疫賦活性ポリペプチドであってもよく、例えばパラポックスウイルスD1701株若しくはNZ2株のポリペプチド、又はパラポックスの免疫賦活性ポリペプチドB2WL若しくはPP30(例えば米国特許第6752995号参照)であってもよい。当業者であれば抗原特異的免疫応答を亢進するさらに別の生物学的活性因子を容易に選択することができる。また、同因子を含有する好適なプラスミドベクターは、公知の技術により構築することができる。
【0033】
本発明はさらに、物理的アジュバントによる免疫応答の補助を提供する。物理的アジュバントの投与は当業者に周知であり、遺伝的アジュバントと一緒に、同時に及び/又は連続して投与することができる。物理的アジュバントを投与するために当業者にとって日常的な実験が必要とされてもよい。物理的アジュバントについて考慮すべき要素としては、生ウイルスとの適合性、導入遺伝子の発現開始に対する投与の時期、安全性、実行可能性等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。したがって、臨床段階にあるアジュバントが好ましい。好ましい物理的アジュバントは特に限定されるものではないが、CpG、CRONY(NKT細胞CD1リガンド)、IC31、イミキモド、IQM、QS−21等を挙げることができる。
【0034】
CpGは例えば、米国特許第7014992号明細書;同第7010610号明細書;同第6994870号明細書;同第6989442号明細書;同第6979728号明細書;同第6977146号明細書;同第6977069号明細書;同第6965454号明細書;同第6964951号明細書;同第6960436号明細書;同第6960434号明細書;同第6951651号明細書;同第6949520号明細書;同第6949361号明細書;同第6942972号明細書;同第6936255号明細書;同第6932972号明細書;同第6919204号明細書;同第6914148号明細書;同第6913890号明細書;同第6911306号明細書;同第6908901号明細書;同第6893820号明細書;同第6884435号明細書;同第6881561号明細書;同第6881556号明細書;同第6878616号明細書;同第6872524号明細書;同第6858388号明細書;同第6846477号明細書;同第6835541号明細書;同第6828435号明細書;同第6821957号明細書;同第6818404号明細書;同第6815429号明細書;同第6815166号明細書;同第6811982号明細書;同第6808908号明細書;同第6794137号明細書;同第6787524号明細書;同第6785741号明細書;同第6783933号明細書;同第6773897号明細書;同第6767991号明細書;同第6762281号明細書;同第6756200号明細書;同第6753015号明細書;同第6737066号明細書;同第6733777号明細書;同第6713279号明細書;同第6709818号明細書;同第6696555号明細書;同第6693086号明細書;同第6689606号明細書;同第6689588号明細書;同第6673912号明細書;同第6671845号明細書;同第6667174号明細書;同第6653295号明細書;同第6653292号明細書;同第6649751号明細書;同第6639062号明細書;同第6636623号明細書;同第6627198号明細書;同第6613894号明細書;同第6613751号明細書;同第6605432号明細書;同第6600032号明細書;同第6599700号明細書;同第6593466号明細書;同第6590092号明細書;同第6589529号明細書;同第6576752号明細書;同第6569621号明細書;同第6566338号明細書;同第6559279号明細書;同第6552006号明細書;同第6534646号明細書;同第6534523号明細書;同第6511808号明細書;同第6486132号明細書;同第6479258号明細書;同第6476000号明細書;同第6472153号明細書;同第6465438号明細書;同第6451320号明細書;同第6429199号明細書;同第6426334号明細書;同第6420380号明細書;同第6410531号明細書;同第6406705号明細書;同第6395278号明細書;同第6366793号明細書;同第6339068号明細書;同第6331393号明細書;同第6329417号明細書;同第6329379号明細書;同第6326487号明細書;同第6323180号明細書;同第6313095号明細書;同第6309828号明細書;同第6265171号明細書;同第6251594号明細書;同第6245736号明細書;同第6239116号明細書;同第6225292号明細書;同第6218371号明細書;同第6214806号明細書;同第6214556号明細書;同第6207646号明細書;同第6200756号明細書;同第6194388号明細書;同第6191306号明細書;同第6184211号明細書;同第6180614号明細書;同第6175002号明細書;同第6153591号明細書;同第6147200号明細書;同第6122671号明細書;同第6096712号明細書;同第6090791号明細書;同第6084102号明細書;同第6057465号明細書;同第6017704号明細書;同第6004750号明細書;同第5990159号明細書;同第5972883号明細書;同第5945413号明細書;同第5942610号明細書;同第5935932号明細書;同第5917122号明細書;同第5916750号明細書;同第5863901号明細書;同第5856462号明細書;同第5851762号明細書;同第5849863号明細書;同第5840879号明細書;同第5840497号明細書;同第5834431号明細書;同第5832382号明細書;同第5786146号明細書;同第5780448号明細書;同第5736626号明細書;同第5736480号明細書;同第5700926号明細書;同第5648336号明細書;同第5554744号明細書;同第5552471号明細書;同第5532170号明細書;同第5508164号明細書;同第5472672号明細書;同第5451463号明細書;同第5419966号明細書;同第5405990号明細書;同第5401837号明細書;同第5244655号明細書;同第5114918号明細書;同第5013830号明細書;同第4945059号明細書;同第4840935号明細書;同第4569917号明細書;同第4485038号明細書;同第4431654号明細書及び同第4368034号明細書に記載されている。
【0035】
IC31は、例えば米国特許第6136309号明細書に記載されている。イミキモドは、例えば米国特許第6011055号明細書及び同第5750495号明細書に記載されている。IQMは、例えば米国特許第6465173号明細書;同第6153408号明細書;同第6011146号明細書;同第5976551号明細書及び同第5068177号明細書に記載されている。QS−21は、例えば米国特許第7014856号明細書;同第7001601号明細書;同第6979448号明細書;同第6967022号明細書;同第6936253号明細書;同第6916476号明細書;同第6905686号明細書;同第6899885号明細書;同第6890535号明細書;同第6875434号明細書;同第6855316号明細書;同第6682909号明細書;同第6645495号明細書;同第6610659号明細書;同第6589529号明細書;同第6524584号明細書;同第6458369号明細書;同第6455503号明細書;同第6403104号明細書;同第6375945号明細書;同第6355256号明細書;同第6270800号明細書;同第6248585号明細書;同第6231859号明細書;同第6123948号明細書;同第6036959号明細書;同第5723130号明細書及び同第5612030号明細書に記載されている。
【0036】
本発明に使用可能な、その他の好適な公知のアジュバントの例としては、ミョウバン、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、MF59(4.3%(w/v)スクアレン、0.5%(w/v)Tween80、0.5%(w/v)Span85)、(シトシンが非メチル化シトシンである)CpG含有核酸、QS21、MPL、3DMPL、Aquilla抽出物、ISCOMS、LT/CT変異体、ポリ(D、L−ラクチド−co−グリコリド)(PLG)微粒子、QuilA、インターロイキン、その他のToll様受容体リガンド又はNK細胞リガンド等単独又はそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。実験動物に対して、フロイント;N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637、ノル−MDPと呼ばれる);N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A、MTP−PEと呼ばれる);及び細菌から抽出された3種類の成分、すなわちモノホスホリル脂質A、トレハロースジマイコレート及び細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を2%スクアレン/Tween80エマルション中に含有するRIBIを使用することができる。アジュバントの有効性は、免疫原性抗原対して作られた抗体の量を測定することで決定することができる。
【0037】
組成物の有効性を高めるアジュバントのさらなる例として、(1)水中油滴型エマルション製剤(ムラミルペプチド(下記参照)又は細菌細胞壁成分などのその他の特定の免疫賦活剤と共に又はそれら無しで):例えば(a)5%スクアレン、0.5%Tween80,及び0.5%Span85を含有し(場合によりMTP−PEも含有)、マイクロ流動化装置(microfluidizer)でサブミクロン粒子に製剤化されているMF59(商標)(国際公開第90/14837号パンフレット及びChapter 10 in Vaccine design: the subunit and adjuvant approach, eds. Powell & Newman, Plenum Press 1995)、(b)10%スクアラン、0.4%Tween80、プルロニックをブロックされた5%ポリマーL121、及びthr−MDPを含み、マイクロ流動化(microfluidize)によりサブミクロンエマルションにされているか、又はボルテックスでより大きな粒子サイズのエマルションにされているSAF、並びに(c)2%スクアレン、0.2%Tween80、及びモノホスホリル脂質A(MPL)、トレバロース(trebalose)ジマイコレート(TDM)、細胞壁骨格(CWS)、好ましくはMPL+CWS(DETOX(商標))などの1又は複数の細菌細胞壁成分を含有するRIBI(商標)アジュバントシステム(RAS)(Ribi Immunochem社製, Hamilton, Mont.);(2)QS21又はSTIMULON(商標)(Cambridge Bioscience社製, Worcester, Mass.)などのサポニンアジュバントを使用してもよく、或いはそれから生成するISCOM(免疫刺激複合体)などの粒子(このISCOMは別に洗浄剤(detergent)を含まなくてよい(例えば国際公開第00/07621号パンフレット));(3)フロイント完全アジュバント(CFA)及びフロイント不完全アジュバント(IFA);(4)インターロイキン(例えばIL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(国際公開第99/44636号パンフレット)等)、インターフェロン(例えばガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)などのサイトカイン、;(5)モノホスホリル脂質A(MPL)又は3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)(英国特許第2220221号明細書及び欧州特許出願公開第0689454(A)号明細書)(肺炎球菌サッカライドと使用する場合は、必要に応じてミョウバンが実質的に存在しなくてもよい(例えば国際公開第00/56358号パンフレット));(6)3dMPLと、例えば、QS21及び/又は水中油滴型エマルション(例えば欧州特許出願公開第0835318(A)号明細書、同第0735898(A)号明細書、同第0761231(A)号明細書)との組合せ、;(7)CpGモチーフ[Krieg Vaccine 2000, 19,618-622;Krieg Curr opin Mol Ther2001 3:15-24;Roman et al., Nat. Med. 1997,3,849-854;Weiner et al., PNAS USA, 1997, 94, 10833-10837;Davis et al, J. Immunol, 1998, 160, 870-876;Chu et al., J. Exp.Med, 1997, 186, 1623-1631;Lipford et al, Ear. J. Immunol., 1997, 27, 2340-2344;Moldoveami et al., Vaccine, 1988, 16, 1216-1224;Krieg et al., Nature, 1995, 374, 546-549;Klinman et al., PNAS USA, 1996, 93, 2879-2883;Ballas et al, J. Immunol, 1996, 157, 1840-1845;Cowdery et al, J. Immunol, 1996, 156, 4570-4575;Halpern et al, Cell Immunol, 1996, 167, 72-78;Yamamoto et al, Jpn. J. Cancer Res., 1988, 79, 866-873;Stacey et al, J. Immunol., 1996, 157,2116-2122;Messina et al, J. Immunol, 1991, 147, 1759-1764;Yi et al, J. Immunol, 1996, 157,4918-4925;Yi et al, J. Immunol, 1996, 157, 5394-5402;Yi et al, J. Immunol, 1998, 160, 4755-4761及び Yi et al, J. Immunol, 1998, 160, 5898-5906;国際特許出願国際公開第96/02555号パンフレット、同第98/16247号パンフレット、同第98/18810号パンフレット、同第98/40100号パンフレット、同第98/55495号パンフレット、同第98/37919号パンフレット及び同第98/52581号パンフレット]を含む、すなわちシトシンが非メチル化シトシンであるCGジヌクレオチドを少なくとも1つ含む、オリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテル又はポリオキシエチレンエステル(例えば国際公開第99/52549号パンフレット);(9)オクトキシノール(国際公開第01/21207号パンフレット)若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテルと組み合わせたポリオキシエチレンソイビタンエステル系界面活性剤(polyoxyethylene soibitan ester surfactant)、又はオクトキシノール(国際公開第01/21152号パンフレット)などの別の非イオン性界面活性剤の少なくとも1つと組み合わせたエステル系界面活性剤;(10)サポニン及び免疫賦活性オリゴヌクレオチド(例えばCpGオリゴヌクレオチド)(国際公開第00/62800号パンフレット);(11)免疫不活化在及び金属塩粒子(例えば国際公開第00/23105号パンフレット);(12)サポニン及び水中油滴型エマルション(例えば国際公開第99/11241号パンフレット);(13)サポニン(例えばQS21)+3dMPL+IM2(必要に応じて+ステロール)例えば国際公開第98/57659号パンフレット;(14)組成物の効果を高める免疫賦活剤として作用するその他の物質、等を挙げることができる。ムラミルペプチドとしては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−25アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミンMTP−PE)等を挙げることができる。
【0038】
ベクターは、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含んでもよい。有利には、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドは、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである。特に好ましい実施形態においては、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドは、目的とするHIV若しくはSIVの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである。
【0039】
HIV配列は、例えば米国特許第7008784号明細書;同第7001759号明細書;同第6995008号明細書;同第6994969号明細書;同第6964763号明細書;同第6958211号明細書;同第6942969号明細書;同第6933286号明細書;同第6897301号明細書;同第6890908号明細書;同第6869933号明細書;同第6869759号明細書;同第6861515号明細書;同第6841657号明細書;同第6828148号明細書;同第6824866号明細書;同第6821945号明細書;同第6818740号明細書;同第6814934号明細書;同第6790941号明細書;同第6783981号明細書;同第6747126号明細書;同第6734160号明細書;同第6723558号明細書;同第6703493号明細書;同第6699985号明細書;同第6696291号明細書;同第6686333号明細書;同第6686150号明細書;同第6680025号明細書;同第6670181号明細書;同第RE38352号明細書;同第6664041号明細書;同第6660904号明細書;同第6653081号明細書;同第6649340号明細書;同第6642367号明細書;同第6630455号明細書;同第6613530号明細書;同第6596539号明細書;同第6593124号明細書;同第6586192号明細書;同第6585979号明細書;同第6562575号明細書;同第6541248号明細書;同第6534312号明細書;同第6531587号明細書;同第6531276号明細書;同第6531123号明細書;同第6528251号明細書;同第6521739号明細書;同第6514736号明細書;同第6503705号明細書;同第6498033号明細書;同第6498025号明細書;同第6492120号明細書;同第6492110号明細書;同第6489098号明細書;同第6482928号明細書;同第6482805号明細書;同第6471956号明細書;同第6468982号明細書;同第6461567号明細書;同第6458527号明細書;同第6448014号明細書;同第6440461号明細書;同第6432631号明細書;同第6429306号明細書;同第6429290号明細書;同第6429009号明細書;同第6419931号明細書;同第6410257号明細書;同第6407078号明細書;同第6404907号明細書;同第6399307号明細書;同第6372956号明細書;同第6372425号明細書;同第6350730号明細書;同第6335017号明細書;同第6309853号明細書;同第6303317号明細書;同第6303295号明細書;同第6291227号明細書;同第6287605号明細書;同第6277634号明細書;同第6265149号明細書;同第6258599号明細書;同第6258319号明細書;同第6248574号明細書;同第6242568号明細書;同第6242187号明細書;同第6235881号明細書;同第6235479号明細書;同第6232120号明細書;同第6225067号明細書;同第6222025号明細書;同第6221661号明細書;同第6221578号明細書;同第6214982号明細書;同第6207426号明細書;同第6204253号明細書;同第6197755号明細書;同第6197583号明細書;同第6197563号明細書;同第6197499号明細書;同第6171785号明細書;同第6168953号明細書;同第6168948号明細書;同第6166197号明細書;同第6156952号明細書;同第6149910号明細書;同第6140466号明細書;同第6127155号明細書;同第6124448号明細書;同第6124439号明細書;同第6114349号明細書;同第6114141号明細書;同第6110466号明細書;同第6107078号明細書;同第6107020号明細書;同第6090392号明細書;同第6086891号明細書;同第6063608号明細書;同第6048837号明細書;同第6043347号明細書;同第6040166号明細書;同第6037165号明細書;同第6037152号明細書;同第6033902号明細書;同第6033881号明細書;同第6027884号明細書;同第6015661号明細書;同第6013432号明細書;同第6010895号明細書;同第6008343号明細書;同第6007984号明細書;同第6004806号明細書;同第6001989号明細書;同第6001968号明細書;同第6001648号明細書;同第5998193号明細書;同第5994056号明細書;同第5993819号明細書;同第5990276号明細書;同第5985641号明細書;同第5981505号明細書;同第5981276号明細書;同第5981171号明細書;同第5981167号明細書;同第5972701号明細書;同第5968730号明細書;同第5962635号明細書;同第5962428号明細書;同第5958768号明細書;同第5955268号明細書;同第5939262号明細書;同第5935810号明細書;同第5919625号明細書;同第5888767号明細書;同第5885806号明細書;同第5883081号明細書;同第5876976号明細書;同第5874087号明細書;同第5869339号明細書;同第5866701号明細書;同第5858785号明細書;同第5858732号明細書;同第5856188号明細書;同第5856086号明細書;同第5854967号明細書;同第5853716号明細書;同第5846546号明細書;同第5843752号明細書;同第5843640号明細書;同第5837464号明細書;同第5830876号明細書;同第5830650号明細書;同第5830641号明細書;同第5820865号明細書;同第5817792号明細書;同第5817637号明細書;同第5817635号明細書;同第5814458号明細書;同第5798365号明細書;同第5798208号明細書;同第5792756号明細書;同第5792459号明細書;同第5786199号明細書;同第5773573号明細書;同第5773260号明細書;同第5770428号明細書;同第5767233号明細書;同第5763268号明細書;同第5747292号明細書;同第5741492号明細書;同第5739118号明細書;同第5711947号明細書;同第5698687号明細書;同第5688688号明細書;同第5683661号明細書;同第5677124号明細書;同第5672695号明細書;同第5665577号明細書;同第5654195号明細書;同第5650309号明細書;同第5650302号明細書;同第5650268号明細書;同第5639600号明細書;同第5631128号明細書;同第5618664号明細書;同第5605689号明細書;同第5594123号明細書;同第5593972号明細書;同第5587285号明細書;同第5583035号明細書;同第5571712号明細書;同第5536648号明細書;同第5532146号明細書;同第5527895号明細書;同第5527673号明細書;同第5512430号明細書;同第5503721号明細書;同第5470730号明細書;同第5439809号明細書;同第5427929号明細書;同第H001431号明細書;同第5386022号明細書;同第5352600号明細書;同第5318979号明細書;同第5314809号明細書;同第5298612号明細書;同第5278173号明細書;同第5252477号明細書;同第5234809号明細書;同第5225347号明細書;同第5221608号明細書;同第5198346号明細書;同第5184020号明細書;同第5156949号明細書;同第5153202号明細書;同第5139940号明細書;同第5110802号明細書;同第5096815号明細書;同第5079352号明細書;同第5066782号明細書;同第5030449号明細書;同第5008182号明細書;同第4965188号明細書;同第4918166号明細書及び同第4889818号明細書に開示されている。
【0040】
特に有利な実施形態においては、本発明の目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドはHIV−1タンパク質であり、有利には、env、gag、nef、逆転写酵素(RT)、プロテアーゼ(PR)、インテグラーゼ(IN)、tat及びrev遺伝子にコードされるHIV−1タンパク質、又は免疫原性を有する任意のその断片である。有利な実施形態において、env及びRT配列は、Genbankアクセッション番号AF067158(例えばLole et al., J Virol. 1999 Jan;73(1):152-60参照、その開示を参照により本願に組み込んだものとする)に由来し、gag及びtat配列はGenbankアクセッション番号AF067157(例えばLole et al., J Virol. 1999 Jan;73(1):152-60参照、その開示を参照により本願に組み込んだものとする)に由来し、rev及びnef配列は、Genbankアクセッション番号AF067154(例えばLole et al., J Virol. 1999 Jan;73(1):152-60参照、その開示を参照により本願に組み込んだものとする)に由来する。
【0041】
SIV配列は、例えば米国特許第6933377号明細書;同第6841657号明細書;同第6818740号明細書;同第6790657号明細書;同第6747126号明細書;同第6712612号明細書;同第6656706号明細書;同第6596539号明細書;同第6541009号明細書;同第6531123号明細書;同第6248574号明細書;同第6083504号明細書;同第6008044号明細書;同第5777074号明細書;同第5773573号明細書;同第5753674号明細書;同第5665362号明細書;同第5654195号明細書;同第5652260号明細書及び同第5459060号明細書に開示されている。
【0042】
特に有利な実施形態において、ベクターは、SIV及び/又はHIV並びに分子的アジュバントを含む、AAVベクターである。SIV gag−pro及び分子的アジュバントをコードするrAAVベクターの概略図については、例えば実施例3を参照されたい。
【0043】
本明細書において、「抗原」又は「免疫原」とは、宿主動物において特定の免疫応答を誘導する物質を意味する。抗原は、死滅若しくは弱毒化した、又は生きた生物の全体;生物のサブユニット又は一部;免疫原性特性を有するインサートを含有する組換えベクター;宿主に提示されると免疫応答を誘導することができるDNAの断片;タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、エピトープ、ハプテン、又はその任意の組合せを含んでもよい。あるいは、免疫原又は抗原は毒素又は抗毒素を含んでもよい。
【0044】
本明細書において、「免疫原性タンパク質又はペプチド」とは、免疫学的に活性なペプチド及びポリペプチド等をも意味する。ここで、免疫学的に活性とは、宿主に投与されると、該タンパク質に対する液性及び/又は細胞性の免疫応答を惹起することができることである。好ましくは、タンパク質断片は、完全なタンパク質と実質的に同じ程度の免疫学的活性を有するものである。したがって、本発明によるタンパク質断片は、少なくとも1つのエピトープすなわち抗原決定部位を含むか、本質的に含むか、又はからなる。エピトープとは、液性(B細胞)及び/又は細胞性(T細胞)の免疫応答を誘導することができるタンパク質部位に関する。
【0045】
さらに、「免疫原性タンパク質又はペプチド」とは、ポリペプチドが本明細書に定義の免疫学的応答を生じさせる機能を有する限り、配列への欠失、付加及び置換をも包含する。この点に関し、特に好ましい置換は、性質を保存するものであり、すなわち、アミノ酸のファミリー内で起こる置換である。例えば、アミノ酸は一般的に4つのファミリー、すなわち(1)酸性−アスパラギン酸及びグルタミン酸;(2)塩基性−リジン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;(4)無電荷極性−グリシン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、セリン、スレオニン、チロシンに分類される。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンは芳香族アミノ酸に分類されることもある。ロイシンのイソロイシン若しくはバリンによる単独置換、若しくはその逆;アスパラギン酸のグルタミン酸による単独置換、若しくはその逆;スレオニンのセリンによる単独置換、若しくはその逆;又はアミノ酸の構造的に関連のあるアミノ酸による同様に保存的な置換は、生物学的活性に大きな影響を与えないことが合理的に予測される。したがって、参照分子と実質的に同じアミノ酸配列を有し、タンパク質の免疫原性に実質的に影響しない軽微なアミノ酸置換を含むタンパク質は、参照ポリペプチドの定義に含まれる。
【0046】
「エピトープ」とは、抗原又はハプテン上の、特異的なB細胞及び/又はT細胞が応答する部位を意味する。エピトープという用語はまた、「抗原決定基」又は「抗原決定部位」と置き換えて使用することができる。ある抗体が標的抗原に対する別の抗体の結合を阻害する能力を有することを示す簡単なイムノアッセイを用いて、同じエピトープを認識する抗体を同定することができる。
【0047】
組成物又はワクチンに対する「免疫学的応答(immunological response)」とは、宿主内における、目的とする組成物又はワクチンに対する細胞性及び/又は抗体介在性免疫応答の発症である。通常、「免疫学的応答」としては、以下の効果の1又は複数が含まれるがこれらに限定されるものではない:目的とする組成物又はワクチンに含まれる1又は複数の抗原に特異的に向けられた抗体、B細胞、ヘルパーT細胞及び/又は細胞傷害性T細胞の産生。宿主は、新たな感染に対する耐性が亢進されるか又は疾患の臨床的重傷度が緩和されるような、治療的又は防御的免疫学的応答のいずれかを示すことが好ましい。このような防御は、感染宿主が通常示す症状の緩和又は消失、感染宿主における回復時間の短縮及び/又はウイルス価の低下により実証される。
【0048】
本明細書において「免疫原性」タンパク質又はポリペプチドとは、上記の免疫学的応答を誘発するアミノ酸配列をも意味する。本明細書における「免疫原性」タンパク質又はポリペプチドには、タンパク質の全長配列、そのアナログ、又はその免疫原性断片が含まれる。「免疫原性断片」とは、1又は複数のエピトープを含むタンパク質の断片、したがって上記の免疫学的応答を誘発する、タンパク質の断片である。このような断片は、当該技術分野で周知の任意の数のエピトープマッピング技術を用いて同定することができる。例えばEpitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology, Vol. 66 (Glenn E. Morris, Ed., 1996) Humana Press, Totowa, N.Jを参照されたい。例えば線状エピトープは、例えばタンパク質分子の様々な部分に対応する多数のペプチドを固体支持体上に同時に合成し、該ペプチドが支持体上に付着している間にペプチドを抗体と反応させることで決定することができる。このような技術は当該技術分野で公知であり、例えば米国特許第4708871号明細書;Geysen et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3998-4002;及びGeysen et al. (1986) Molec. Immunol. 23:709-715に記載されており、これらの全体を参照により本願に組み込んだものとする。同様に、コンフォメーションエピトープも、例えばX線結晶解析及び2次元核磁気共鳴によりアミノ酸の空間的コンフォメーションを決定することで容易に同定される。例えば前述のEpitope Mapping Protocolsを参照されたい。特にT. parvaのタンパク質に適用可能な方法がPCT出願第PCT/US2004/022605号明細書に十分に記載されており、その全体を参照により本願に組み込んだものとする。
【0049】
合成抗原、例えばポリエピトープ、フランキングエピトープ、及び他の組換え又は合成に由来する抗原も定義に含まれる。例えばBergmann et al. (1993) Eur. J. Immunol. 23:2777-2781;Bergmann et al. (1996) J. Immunol. 157:3242-3249;及びSuhrbier, A. (1997) Immunol. and Cell Biol. 75:402-408;Gardner et al. (1998) 12th World AIDS Conference, Geneva, Switzerland, Jun. 28-Jul. 3, 1998参照。本発明の目的のためには、免疫原性断片は、通常、該分子の少なくとも約3アミノ酸、好ましくは少なくとも約5アミノ酸、より好ましくは少なくとも約10〜15アミノ酸、最も好ましくは25又はそれ以上のアミノ酸の分子を含む。断片の長さに決定的な上限はなく、タンパク質配列のほぼ全長、又はタンパク質の少なくとも1つのエピトープを含む融合タンパク質を含んでもよい。
【0050】
したがって、エピトープを発現するポリヌクレオチドの最小構造は、エピトープ又は抗原決定基をコードするヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなる。全タンパク質又はポリタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドは、より有利には、全タンパク質又はポリタンパク質をコードする配列の最低21ヌクレオチド、有利には少なくとも42ヌクレオチド、好ましくは少なくとも57、87又は150個の連続又は隣接するヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、或いはからなる。本発明の実施には、過度の実験は必要なく、重複ペプチドライブラリーの作製(Hemmer B. et al., Immunology Today, 1998, 19 (4), 163-168)、Pepscan(Geysen et al., (1984) Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 81, 3998-4002;Geysen et al., (1985) Proc. Nat. Acad. Sci. USA, 82, 178-182;Van der Zee R. et al., (1989) Eur. J. Immunol., 19, 43-47;Geysen H.M., (1990) Southeast Asian J. Trop. Med. Public Health, 21, 523-533;Multipin.(登録商標) Peptide Synthesis Kits de Chiron)及びアルゴリズム(De Groot A. et al., (1999) Nature Biotechnology, 17, 533-561)、並びにPCT出願第PCT/US2004/022605号パンフレットなどの抗原決定手法を使用することができ、これら全ての全体を参照により本願に組み込んだものとする。本明細書に引用して組み込まれた他の文献も、免疫原又は抗原のエピトープ、及びかかるエピトープをコードする核酸分子の決定方法に参照してもよい。
【0051】
「ポリヌクレオチド」とは、任意の長さのヌクレオチドの重合体であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びアナログの任意の組合せが含まれる。ポリヌクレオチドは、三次元構造を有してもよく、既知の又は未知の機能を発揮してもよい。「ポリヌクレオチド」という用語は、2本鎖分子、1本鎖分子、及び3本鎖らせん分子を含む。特に特定又は要求されない限り、本明細書に記載の本発明のポリヌクレオチドの実施形態は、(i)2本鎖型、及び(ii)DNA、RNA、若しくはハイブリッド分子のいずれかの2本鎖型を形成することが知られている又は予測される2つの相補型の各々、の両方を包含する。
【0052】
以下はポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子又は遺伝子断片、エキソン、イントロン、mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ及びプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチドアナログなどの修飾ヌクレオチド、ウラシル、その他の糖類、フルオロリボース及びチオラートなどの連結基、並びにヌクレオチド枝を含んでもよい。ヌクレオチドの配列は重合の後に、標識成分とのコンジュゲート化などでさらに修飾されてもよい。この定義に含まれるその他の種類の修飾としては、キャップ、アナログによる天然ヌクレオチドの1又は複数の置換、ポリヌクレオチドをタンパク質、金属イオン、標識成分、その他のポリヌクレオチド、又は固体支持体に結合させる手段の導入を挙げることができる。ポリヌクレオチドは、化学合成によって得てもよく、又は微生物に由来してもよい。
【0053】
本発明はさらに、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの相補鎖も含む。相補鎖は重合体であってもよく、どのような長さでもよく、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及びアナログを任意の組合せで含んでもよい。
【0054】
「タンパク質」、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「ポリペプチド断片」とは、アミノ酸残基の任意の長さの重合体を指し、本明細書において相互に置換え可能に使用される。この重合体は線状又は分枝状であってよく、修飾アミノ酸又はアミノ酸アナログを含んでもよく、アミノ酸以外の化学的部分が挿入されていてもよい。これらの用語は、自然に又は介入的に修飾されたアミノ酸重合体をも包含し、そのような修飾としては、例えばジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、又はその他の任意の操作若しくは修飾(例えば標識成分又は生理活性成分とのコンジュゲート化)を挙げることができる。
【0055】
「単離された」ポリヌクレオチド又はポリペプチドとは、それらが自然環境下で会合している物質を実質的に含まないものである。実質的に含まないとは、少なくとも50%、有利には少なくとも70%、より有利には少なくとも80%、さらにより有利には少なくとも90%これらの物質を含まないことを意味する。
【0056】
ハイブリダイゼーション反応は、異なる「ストリンジェンシー」条件下で行うことができる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを上げる条件は周知である。例えば、“Molecular Cloning: A Laboratory Manual”, second edition (Sambrook et al. 1989)参照。関連する条件の例として(ストリンジェンシーが高くなる順に)、インキュベーション温度25℃、37℃、50℃,及び68℃;緩衝液濃度10×SSC、6×SSC、1×SSC、0.1×SSC(SSCは、0.15MのNaCl及び15mMのクエン酸緩衝液である)及びその他の緩衝系を使用したその同等条件;ホルムアミド濃度0%、25%、50%,及び75%;インキュベーション時間5分〜24時間;1、2又はそれ以上の洗浄ステップ;洗浄インキュベーション時間1、2又は15分;並びに洗浄液6×SSC、1×SSC、0.1×SSC又は脱イオン水を挙げることができる。
【0057】
本発明はさらに、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドと機能的に同等なバリアント及び誘導体並びにその機能的に同等な断片をコードするポリヌクレオチドを包含し、これは該ポリヌクレオチドにコードされるポリペプチドの特性を高めるか、低下させるか、又は大きな影響を与えなくてもよい。これらの機能的に同等なバリアント、誘導体及び断片は、抗原活性を保持する能力を示す。例えば、コードされるアミノ酸配列を変更しないDNA配列の変化、及びアミノ酸残基の保存的置換を生じるDNA配列の変化、1又は数個のアミノ酸の欠失又は付加、及びアミノ酸アナログによるアミノ酸残基の置換は、コードされるポリペプチドの特性に大きな影響を与えない。保存的なアミノ酸置換は、グリシン/アラニン;バリン/イソロイシン/ロイシン;アスパラギン/グルタミン;アスパラギン酸/グルタミン酸;セリン/スレオニン/メチオニン;リジン/アルギニン;及びフェニルアラニン/チロシン/トリプトファンである。一実施形態においては、バリアントは目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の相同性又は同一性を有する。
【0058】
本発明の目的のためには、配列同一性又は配列相同性は、重複部分及び同一部分を最大化しつつ配列のギャップを最小化するように整列させたときの配列を比較することで決定される。特に、配列同一性は多数の数学的アルゴリズムのいずれを用いて決定してもよい。2つの配列の比較に使用される数学的アルゴリズムの非限定的な例として、Karlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1990;87: 2264-2268のアルゴリズム(Karlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1993;90: 5873-5877で改変)を挙げることができる。
【0059】
配列の比較に使用される数学的アルゴリズムの別の例として、Myers & Miller, CABIOS 1988;4: 11-17のアルゴリズムがある。このようなアルゴリズムは、GCG配列アラインメントソフトウェアパッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。アミノ酸配列の比較にALIGNプログラムを利用するときは、PAM120重み残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を使用することができる。局所的に配列が類似している領域の特定及びアラインメントに有用なさらに別のアルゴリズムとして、Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1988;85: 2444-2448に記載のFASTAアルゴリズムがある。
【0060】
WU−BLAST(Washington University BLAST)ソフトウェアのバージョン2.0が、本発明に基づく使用に有利である。各種UNIX(登録商標)プラットフォーム用のWU−BLASTバージョン2.0の実行可能プログラムがftp ://blast.wustl.edu/blast/executablesからダウンロード可能である。このプログラムはWU−BLASTバージョン1.4に基づいており、WU−BLASTバージョン1.4はパブリックドメインのNCBI−BLASTバージョン1.4に基づいている(Altschul & Gish, 1996, Local alignment statistics, Doolittle ed., Methods in Enzymology 266: 460-480;Altschul et al., Journal of Molecular Biology 1990;215: 403-410;Gish & States, 1993;Nature Genetics 3: 266-272;Karlin & Altschul, 1993;Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877。これら全ての全体を参照により本明細書に組み込んだものとする)。
【0061】
一般的に、アミノ酸配列の比較は、構造が既知のポリペプチドのアミノ酸配列と構造が未知のポリペプチドのアミノ酸配列を整列させて行う。次いで、配列中のアミノ酸を比較し、相同なアミノ酸のグループをひとまとめにする。この方法は、ポリペプチドの保存領域を検出し、アミノ酸の挿入及び欠失を明らかにする。アミノ酸配列間の相同性は、市販のアルゴリズムを用いて決定することができる(前述の相同性についての記述も参照されたい)。本明細書中で他で言及しているものに加え、国立バイオテクノロジー情報センターが提供しているプログラムであるBLAST、ギャップ付きBLAST、BLASTN、BLASTP、及びPSI−BLASTにも触れておく。これらのプログラムは本目的のために当該技術分野で広く使用されており、2つのアミノ酸配列の相同領域を整列させることができる。
【0062】
これらのプログラム集の全ての検索プログラムにおいて、ギャップ付きアラインメント・ルーチンはデータベース検索自体に不可欠である。所望であれば、ギャップをオフにすることもできる。長さ1のギャップに対するデフォルトのペナルティ(Q)は、タンパク質及びBLASTPではQ=9、BLASTNではQ=10であるが、これは任意の整数に変更することができる。ギャップの延長に対する残基当たりのデフォルトのペナルティ(R)は、タンパク質及びBLASTPではR=2、BLASTNではR=10であるが、これも任意の整数に変更することができる。重複部分及び同一部分を最大化しつつ配列ギャップを最小化するように配列を整列させるために、Q及びRは値の任意の組合せで使用することができる。デフォルトのアミノ酸比較マトリックスはBLOSUM62であるが、PAMなどのその他のアミノ酸比較マトリックスを利用することもできる。
【0063】
或いは、又はさらに、例えばヌクレオチド配列又はアミノ酸配列に関する「相同性」又は「同一性」は、2つの配列間の相同性の定量的測定値を指してもよい。パーセント配列相同性は、(Nref−Ndif)*100/Nref(式中、Ndifはアラインメント時の2配列中の非同一残基の総数であり、Nref は配列の片方に存在する残基の数である。)として計算することができる。したがって、DNA配列AGTCAGTCは、配列AATCAATCと75%の配列同一性を有することになる(Nref=8;Ndif=2)。
【0064】
或いは、又はさらに、配列に関する「相同性」又は「同一性」は、2つの配列のうち短い方の配列中のヌクレオチド又はアミノ酸数で割った、同一のヌクレオチド又はアミノ酸部位の数を意味してもよく、ここで2つの配列のアラインメントはWilbur and Lipmanのアルゴリズム(Wilbur & Lipman, Proc Natl Acad Sci USA 1983;80:726;参照により本明細書に組み込んだものとする)にしたがって、例えば、ウィンドウサイズ=20ヌクレオチド、語長=4ヌクレオチド及びギャップペナルティ=4を用いて決定することができ、アラインメントを含む配列データのコンピュータ支援分析及び解析は、市販のプログラム(例えば、Intelligenetics(商標)Suite、Intelligenetics Inc.社製、 CA)を使用して適宜行うことができる。RNA配列はDNA配列に類似である、又はある程度の配列同一性又は配列相同性を有するという場合、DNA配列中のチミジン(T)はRNA配列中のウラシル(U)と等価とみなされる。したがって、RNA配列は本発明の範囲内であり、DNA配列中のチミジン(T)をRNA配列中のウラシル(U)と等価とみなすことで、DNA配列に由来するものとしてよい。
【0065】
さらに、当業者であれば、過度の実験をせずに、その他多数のプログラム又は文献を参考にしてパーセント相同性を決定することができる。
【0066】
本発明はさらに、ベクター分子又は発現ベクターに含まれ、プロモーター配列及び必要に応じてエンハンサーに作動可能に連結された、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも包含する。
【0067】
「ベクター」とは、インビトロ又はインビボにおいて標的細胞に送達されるべき異種(heterologous)ポリヌクレオチドを含む組換えDNA若しくはRNAプラスミド又はウイルスを意味する。異種ポリヌクレオチドは、治療目的のための目的とする配列を含んでもよく、必要に応じて発現カセットの形態であってもよい。本明細書において、ベクターは、最終的な標的である細胞又は対象中における複製能を有していなくともよい。ベクターという用語にはクローニングベクターが含まれ、ウイルスベクターも含まれる。
【0068】
「組換え体」とは、天然には見られない並び方で別のポリヌクレオチドに連結しているポリヌクレオチド又は天然には生じないポリヌクレオチドのいずれかであって、半合成又は合成起源のものを意味する。
【0069】
「異種」とは、その残りの部分と比較したときに遺伝学的に区別される物体に由来することである。例えば、遺伝子操作技術によって、ポリヌクレオチドを異なる出所(source)に由来するプラスミド又はベクター内に置くことができるが、これは異種ポリヌクレオチドである。あるプロモーターをその天然のコード配列から取り出し、該天然配列以外のコード配列に作動可能に連結すれば、それは異種プロモーターである。
【0070】
本発明のポリヌクレオチドは、同じ転写単位内の追加的コード配列などの追加的配列;プロモーターなどの調節エレメント(controlling elements);リボソーム結合部位;ポリアデニル化部位;同じプロモーター又は異なるプロモーターに制御される追加的な転写単位;クローニング、発現、相同組換え及び宿主細胞の形質転換を可能にする配列;並びに本発明の実施形態を提供するのに望ましいと考えられる任意の構造を含んでもよい。
【0071】
有利には、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現するためのエレメントは、発明的(inventive)ベクター内に存在する。このベクターは最小限、開始コドン(ATG)、終止コドン及びプロモーター、並びに必要に応じてプラスミドなどの特定のベクター及び特定のウイルスベクター(例えば、ポックスウイルス以外のウイルスベクター)用のポリアデニル化配列を含むか、から本質的になるか、又はからなる。ポリヌクレオチドがポリタンパク質断片を有利にコードする場合、ベクター内において、ATGは読み枠の5’側に位置し、終止コドンは3’側に位置する。エンハンサー配列、イントロンなどの安定化配列、及びタンパク質の分泌を可能にするシグナル配列など、発現を調節するためのその他のエレメントが存在してもよい。
【0072】
インビボ又はインビトロのいずれかにおいて本発明の遺伝子の遺伝子産物を発現するためのベクター、組換え体又はプラスミドを作製及び/又は投与する方法は、任意の望ましい方法であってよく、例えば米国特許第4603112号明細書;同第4769330号明細書;同第4394448号明細書;同第4722848号明細書;同第4745051号明細書;同第4769331号明細書;同第4945050号明細書;同第5494807号明細書;同第5514375号明細書;同第5744140号明細書;同第5744141号明細書;同第5756103号明細書;同第5762938号明細書;同第5766599号明細書;同第5990091号明細書;同第5174993号明細書;同第5505941号明細書;同第5338683号明細書;同第5494807号明細書;同第5591639号明細書;同第5589466号明細書;同第5677178号明細書;同第5591439号明細書;同第5552143号明細書;同第5580859号明細書;同第6130066号明細書;同第6004777号明細書;同第6130066号明細書;同第6497883号明細書;同第6464984号明細書;同第6451770号明細書;同第6391314号明細書;同第6387376号明細書;同第6376473号明細書;同第6368603号明細書;同第6348196号明細書;同第6306400号明細書;同第6228846号明細書;同第6221362号明細書;同第6217883号明細書;同第6207166号明細書;同第6207165号明細書;同第6159477号明細書;同第6153199号明細書;同第6090393号明細書;同第6074649号明細書;同第6045803号明細書;同第6033670号明細書;同第6485729号明細書;同第6103526号明細書;同第6224882号明細書;同第6312682号明細書;同第6348450号明細書及び同第6312683号明細書;1986年10月16日提出の米国特許出願第920197号明細書;国際公開第90/01543号パンフレット;同第91/11525号パンフレット;同第94/16716号パンフレット;同第96/39491号パンフレット;同第98/33510号パンフレット;欧州特許第265785号明細書及び同第0370573号明細書;Andreansky et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11313-11318;Ballay et al., EMBO J. 1993;4:3861-65;Felgner et al., J. Biol. Chem. 1994;269:2550-2561;Frolov et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11371-11377;Graham, Tibtech 1990;8:85-87;Grunhaus et al., Sem. Virol. 1992;3:237-52;Ju et al., Diabetologia 1998;41:736-739;Kitson et al., J. Virol. 1991;65:3068-3075;McClements et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11414-11420;Moss, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11341-11348;Paoletti, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11349-11353;Pennock et al., Mol. Cell. Biol. 1984;4:399-406;Richardson (Ed), Methods in Molecular Biology 1995;39, “Baculovirus Expression Protocols,”Humana Press Inc.;Smith et al. (1983) Mol. Cell. Biol. 1983;3:2156-2165;Robertson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11334-11340;Robinson et al., Sem. Immunol. 1997;9:271及びRoizman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1996;93:11307-11312に開示されている方法若しくはこれらに引用されている文献に開示されている方法又はその類似の方法がある。したがって、本発明におけるベクターは、(参照により本明細書に組み込んだものとする文献にあるように)ポックスウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、改変ワクシニア−アンカラ(modified vaccinia-Ankara)、トリポックスウイルス、カナリア痘ウイルス、鶏痘ウイルス、ラクーンポックスウイルス、ブタポックスウイルス等)、アデノウイルス(例えばヒトアデノウイルス、チンパンジーアデノウイルス、イヌアデノウイルス)、ヘルペスウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、イヌヘルペスウイルス)、バキュロウイルス、レトロウイルス等の任意の好適な組換えウイルス又はウイルスベクターであってよく、或いはベクターはプラスミドであってもよい。本明細書に引用した文献及び参照により本明細書に組み込んだものとする文献は、本発明の実施に有用なベクターの例を提供するだけでなく、本発明の組成物中の、すなわち本発明の組成物に含まれる1又は複数のベクターに発現されるべき目的とする非抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド若しくはポリペプチド、又はその断片の出所も提供する。
【0073】
本発明はまた、発現ベクターなどのベクターを含む調製物、例えば治療用組成物にも関する。調製物は、1又は複数の目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを含むか、から本質的になるか、又はからなる(有利には、発現する)1又は複数のベクター(例えばインビボの発現ベクターなどの発現ベクター)を含むか、から本質的になるか、又はからなるものであってよい。有利には、薬学的に許容される担体、賦形剤又は媒体中において、ベクターは目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードする(有利には、発現する)ポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなるポリヌクレオチドを含み、これを発現する。したがって、本発明の実施形態によれば、調製物中のその他の1又は複数のベクターは、1又は複数のその他の目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド若しくはポリペプチドのタンパク質又はその断片をコードするポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなり、このベクターは適当な環境下でこれらの1又は複数を発現する。
【0074】
別の実施形態によれば、調製物中の1又は複数のベクターは、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドであるタンパク質又はその断片をコードするポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなり、この1又は複数のベクターは目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現する。有利には、発明的調製物は、少なくとも2つのベクターを含むか、から本質的になるか、又はからなり、該ベクターは、他に由来する同一のタンパク質及び/又は異なるタンパク質(proteins)をコードするポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなる(さらに、有利には、これらを適切な条件下、好適な条件下、又は好適な宿主細胞内で、有利にはインビボで、発現する)が、有利には、同一の、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである。目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチド、又は融合タンパク質をコードし、有利にはインビボで発現するポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなる1又は複数のベクターを含む調製物。また、本発明は、異なる目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコード及び発現するポリヌクレオチドを含むか、から本質的になるか、又はからなるベクターの混合物にも関する。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、発現ベクターはウイルスベクター、特にインビボ用の発現ベクターである。有利な実施形態において、発現ベクターはAAVベクターである。AAVは、例えば、米国特許第7022519号明細書;同第7015026号明細書;同第6995006号明細書;同第6989264号明細書;同第6984517号明細書;同第6979539号明細書;同第6967018号明細書;同第6953690号明細書;同第6951758号明細書;同第6951753号明細書;同第6946126号明細書;同第6943019号明細書;同第6936595号明細書;同第6936466号明細書;同第6936243号明細書;同第6933373号明細書;同第6933150号明細書;同第6933113号明細書;同第6927281号明細書;同第6924128号明細書;同第6897063号明細書;同第6893865号明細書;同第6887463号明細書;同第6855314号明細書;同第6846665号明細書;同第6841357号明細書;同第6835409号明細書;同第6821775号明細書;同第6805073号明細書;同第6797702号明細書;同第6797505号明細書;同第6793926号明細書;同第6780639号明細書;同第6780409号明細書;同第6777185号明細書;同第6764845号明細書;同第6759518号明細書;同第6759237号明細書;同第6759050号明細書;同第6743423号明細書;同第6733757号明細書;同第6723558号明細書;同第6723551号明細書;同第6723512号明細書;同第6710036号明細書;同第6703237号明細書;同第6686200号明細書;同第6677155号明細書;同第6660521号明細書;同第6656727号明細書;同第6649597号明細書;同第6642051号明細書;同第6632670号明細書;同第6627617号明細書;同第6610290号明細書;同第6607882号明細書;同第6599692号明細書;同第6596535号明細書;同第6593124号明細書;同第6593123号明細書;同第6593105号明細書;同第6589523号明細書;同第6586208号明細書;同第6582692号明細書;同第6566118号明細書;同第6558948号明細書;同第6548286号明細書;同第6541258号明細書;同第6541012号明細書;同第6534261号明細書;同第6521426号明細書;同第6521225号明細書;同第6509150号明細書;同第6506600号明細書;同第6506379号明細書;同第6503888号明細書;同第6503887号明細書;同第6503717号明細書;同第6498244号明細書;同第6491907号明細書;同第6485966号明細書;同第6482634号明細書;同第6482633号明細書;同第6475769号明細書;同第6468771号明細書;同第6468524号明細書;同第6458587号明細書;同第6451594号明細書;同第6448074号明細書;同第6440742号明細書;同第6436708号明細書;同第6429001号明細書;同第6428988号明細書;同第6416992号明細書;同第6410300号明細書;同第6391858号明細書;同第6387670号明細書;同第6387368号明細書;同第6383794号明細書;同第6376237号明細書;同第6365403号明細書;同第6346415号明細書;同第6335011号明細書;同第6329181号明細書;同第6325998号明細書;同第6312957号明細書;同第6306650号明細書;同第6303371号明細書;同第6302685号明細書;同第6294379号明細書;同第6294370号明細書;同第6287857号明細書;同第6274354号明細書;同第6270996号明細書;同第6261834号明細書;同第6261551号明細書;同第6258595号明細書;同第6251677号明細書;同第6242426号明細書;同第6232105号明細書;同第6225113号明細書;同第6221646号明細書;同第6211163号明細書;同第6207457号明細書;同第6207453号明細書;同第6171597号明細書;同第6162796号明細書;同第6156303号明細書;同第6143548号明細書;同第6117680号明細書;同第6110456号明細書;同第6093570号明細書;同第6057152号明細書;同第6040183号明細書;同第6040172号明細書;同第6037177号明細書;同第6033885号明細書;同第6027931号明細書;同第6020192号明細書;同第6004797号明細書;同第6001650号明細書;同第5976853号明細書;同第5965441号明細書;同第5962424号明細書;同第5962313号明細書;同第5958768号明細書;同第5945335号明細書;同第5942496号明細書;同第5940530号明細書;同第5939538号明細書;同第5928943号明細書;同第5874556号明細書;同第5874304号明細書;同第5871982号明細書;同第5869305号明細書;同第5869230号明細書;同第5866552号明細書;同第5863541号明細書;同第5858351号明細書;同第5856152号明細書;同第5846546号明細書;同第5846528号明細書;同第5837484号明細書;同第5834440号明細書;同第5789390号明細書;同第5780280号明細書;同第5773289号明細書;同第5763416号明細書;同第5756283号明細書;同第5753500号明細書;同第5741683号明細書;同第5691176号明細書;同第5688676号明細書;同第5688675号明細書;同第5681731号明細書;同第5677158号明細書;同第5658776号明細書;同第5650309号明細書;同第5646034号明細書;同第5622856号明細書;同第5604090号明細書;同第5478745号明細書;同第5474935号明細書;同第5436146号明細書;同第5416017号明細書;同第5354678号明細書;同第5252479号明細書;同第5173414号明細書;同第5155468号明細書;同第5139941号明細書;同第4797368号明細書及び同第4559713号明細書に開示されている。
【0076】
それより好ましくない実施形態では、発現ベクターはアデノウイルスベクターである。アデノウイルスはヒトAd5ベクター、E1欠失及び/又はE3欠失アデノウイルスであってよい。
【0077】
それらの組換え体を作製する方法及びその組換え体の投与方法に関する情報について、当業者は本明細書に引用されている文献及び国際公開第90/12882号パンフレットを参照することができる。例えば、ワクシニアウイルスについては、とりわけ米国特許第4769330号明細書、同第4722848号明細書、同第4603112号明細書、同第5110587号明細書、同第5494807号明細書及び同第5762938号明細書;鶏痘については、とりわけ米国特許第5174993号明細書、同第5505941号明細書及び同米国特許第5766599明細書;カナリア痘については、とりわけ米国特許第5756103号明細書;ブタポックスについては、とりわけ米国特許第第5382425号明細書;ラクーンポックスについては、とりわけ国際公開第00/03030号パンフレットを挙げることができる。
【0078】
発現ベクターがワクシニアウイルスである場合、発現されるべき1又は複数のポリヌクレオチドのための1又は複数の挿入部位は、有利には、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子又はその挿入部位、赤血球凝集素(HA)遺伝子又はその挿入部位、A型封入体(ATI)をコードする領域である。本明細書に引用されている文献、特にワクシニアウイルスに関する文献も参照されたい。カナリア痘の場合、有利には、1又は複数の挿入部位はORFのC3、C5及び/又はC6である。本明細書に引用されている文献、特にカナリア痘ウイルスに関する文献も参照されたい。鶏痘の場合、1又は複数の挿入部位はORFのF7及び/又はF8である。本明細書に引用されている文献、特に鶏痘ウイルスに関する文献も参照されたい。MVAウイルス領域の1又は複数の挿入部位は、有利には、Carroll M. W. et al., Vaccine, 1997, 15 (4), 387-394;Stittelaar K. J. et al., J. Virol., 2000, 74 (9), 4236-4243;Sutter G. et al., 1994, Vaccine, 12 (11), 1032-1040等の様々な刊行物に見つかるものであり、またこの点に関連して、Antoine G., Virology, 1998, 244, 365-396にMVAの全ゲノムが記載されており、これから当業者であれば他の挿入部位又は他のプロモーターを使用することができる。
【0079】
有利には、発現されるべきポリヌクレオチドはサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの調節下に挿入される。CMVプロモーターは、最小限のプロモーター又は全長プロモーターであってよい(例えば、米国特許第6368825号明細書参照)。いくつかの有利な実施形態においては、CMVプロモーターは、より大きな遺伝的アジュバントをベクター中にクローニングすることを可能にする短縮又は切断されたプロモーターである。
【0080】
有利には、発現されるべきポリヌクレオチドは、特定のポックスウイルスプロモーター、例えばとりわけワクシニアプロモーター7.5kDa(Cochran et al., J. Virology, 1985, 54, 30-35)、ワクシニアプロモーターI3L(Riviere et al., J. Virology, 1992, 66, 3424-3434)、ワクシニアプロモーターHA(Shida, Virology, 1986, 150, 451-457)、牛痘プロモーターATI(Funahashi et al., J. Gen. Virol., 1988, 69, 35-47)、ワクシニアプロモーターH6(Taylor J. et al., Vaccine, 1988, 6, 504-508;Guo P. et al. J. Virol., 1989, 63, 4189-4198;Perkus M. et al., J. Virol., 1989, 63, 3829-3836)の調節下に挿入される。
【0081】
特に好ましい実施形態においては、ウイルスベクターはヒトアデノウイルス(HAV)又はイヌアデノウイルス(CAV)などのアデノウイルスである。
【0082】
一実施形態においては、ウイルスベクターはヒトアデノウイルス、特に血清型が5型のアデノウイルスであって、ウイルスゲノム中のE1領域、特にGenbankアクセッション番号M73260及び参照されている刊行物J. Chroboczek et al Virol. 1992, 186, 280-285で開示されているhAd5の配列のヌクレオチド番号約459〜約3510の欠失により複製不能にされたものである。この欠失アデノウイルスは、E1発現293(F. Graham et al J. Gen. Virol. 1977, 36, 59-72)又はPER細胞、特にPER.C6(F. Falloux et al Human Gene Therapy 1998, 9, 1909-1917)中で増殖する。このヒトアデノウイルスはE3領域、特にヌクレオチド番号約28592〜約30470に欠失があってもよい。E1領域内の欠失は、E3領域内の欠失と組み合わされてもよい(例えば、J. Shriver et al. Nature, 2002, 415, 331-335;F. Graham et al Methods in Molecular Biology Vol .7: Gene Transfer and Expression Protocols Edited by E. Murray, The Human Press Inc, 1991, p 109-128;Y. Ilan et al Proc. Natl. Acad. Sci. 1997, 94, 2587-2592;米国特許第6133028号明細書;同第6692956号明細書;S. Tripathy et al Proc. Natl. Acad. Sci. 1994, 91, 11557-11561;B. Tapnell Adv. Drug Deliv. Rev.1993, 12, 185-199;X. Danthinne et al Gene Thrapy 2000, 7, 1707-1714;K. Berkner Bio Techniques 1988, 6, 616-629;K. Berkner et al Nucl. Acid Res. 1983, 11, 6003-6020;C. Chavier et al J. Virol. 1996, 70, 4805-4810参照)。挿入部位は最終的には、E1及び/又はE3領域を一部又は全部欠失させた後のE1及び/又はE3座(領域)であってよい。有利には、発現ベクターがアデノウイルスである場合、発現されるべきポリヌクレオチドは、強力なプロモーター、好ましくはサイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーター(CMV−IEプロモーター)、特にM. Boshart et al Cell 1985, 41, 521-530のヌクレオチド番号約−734〜約+7のエンハンサー/プロモーター領域又はPromega Corp.社製のpCIベクターのエンハンサー/プロモーター領域などの、真核細胞中で機能するプロモーターの調節下に挿入される。CMV−IEプロモーターは、有利にはマウス又はヒト起源である。伸長因子1αのプロモーターを使用することもできる。筋肉特異的プロモーターを使用することもできる(X. Li et al Nat. Biotechnol. 1999, 17, 241-245)。強力なプロモーターは、本明細書中でプラスミドベクターとの関連でも記載している。一実施形態においては、スプライシング配列がエンハンサー/プロモーター領域の下流にあってもよい。例えば、CMV−IE遺伝子から単離されたイントロン1(R. Stenberg et al J. Virol. 1984, 49, 190)、ウサギ又はヒトのβグロビン遺伝子から単離されたイントロン、特にbグロビン遺伝子のイントロン2、免疫グロブリン遺伝子から単離されたイントロン、SV40初期遺伝子のスプライシング配列、又はマウス免疫グロブリン受容配列(Genbankアクセッション番号CVU47120のヌクレオチド番号約890〜約1022)と融合したヒトβグロビン遺伝子のドナー配列を含むPromege Corp.社製のpCIベクターから単離されるキメライントロン配列。発現すべきポリヌクレオチドの下流にポリ(A)配列及びターミネーター配列、例えばウシ成長ホルモン遺伝子(特にGenbankアクセッション番号BOVGHRHのヌクレオチド番号約2339〜2550)、ウサギβグロビン遺伝子又はSV40後期遺伝子のポリアデニル化シグナルを挿入してもよい。
【0083】
別の実施形態においては、ウイルスベクターはイヌアデノウイルス、特にCAV−2である(例えば、L. Fischer et al. Vaccine, 2002, 20, 3485-3497;米国特許第5529780号明細書;同第5688920号明細書;PCT出願国際公開第95/14102号パンフレット参照)。CAVでは、挿入部位はE3領域内にあってもよく、及び/又はE4領域と右側ITR領域の間の領域にあってもよい(米国特許第6090393号明細書及び同第6156567号明細書参照)。一実施形態においては、インサートは、サイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーター(CMV−IEプロモーター)又はヒトアデノウイルスベクター用の既に記載したプロモーターなどのプロモーターの調節下にあってもよい。発現すべきポリヌクレオチドの下流にポリ(A)配列及びターミネーター配列、例えばウシ成長ホルモン遺伝子又はウサギβグロビン遺伝子のポリアデニル化シグナルを挿入してもよい。
【0084】
別の特定の実施形態においては、ウイルスベクターはイヌヘルペスウイルス(CHV)又はネコヘルペスウイルス(FHV)などのヘルペスウイルスである。CHVでは、挿入部位は、特にチミジンキナーゼ遺伝子内、ORF3内、又はUL43ORF内であってよい(米国特許第6159477号明細書参照)。一実施形態においては、発現すべきポリヌクレオチドを、真核細胞中で機能するプロモーター、有利にはCMV−IEプロモーター(マウス又はヒト)の調節下に挿入してもよい。発現すべきポリヌクレオチドの下流にポリ(A)配列及びターミネーター配列、例えばウシ成長ホルモン遺伝子又はウサギβグロビン遺伝子のポリアデニル化シグナルを挿入してもよい。
【0085】
本発明のさらに別の実施形態によれば、発現ベクターはプラスミドベクター又はDNAプラスミドベクター、特にインビボ用の発現ベクターである。非制限的な具体例においては、pVR1020又は1012プラスミド(VICAL Inc.;Luke C. et al., Journal of Infectious Diseases, 1997, 175, 91-97;Hartikka J. et al., Human Gene Therapy, 1996, 7, 1205-1217、例えば、米国特許第5846946号明細書及び同第6451769号明細書参照)を、ポリヌクレオチド配列挿入用のベクターとして利用することができる。pVR1020プラスミドはpVR1012に由来し、ヒトtPAシグナル配列を含む。一実施形態においては、ヒトtPAシグナルはGenbankアクセッション番号HUMTPA14のアミノ酸M(1)〜アミノ酸S(23)を含む。別の非制限的な具体例においては、ポリヌクレオチド配列挿入用のベクターとして利用されるプラスミドは、Genbankアクセッション番号U28070のウマIGF1のアミノ酸M(24)〜アミノ酸A(48)のシグナルペプチド配列を含んでもよい。実施の際に参考又は利用することができるDNAプラスミドについてのさらなる情報は、例えば米国特許第6852705号明細書;同第6818628号明細書;同第6586412号明細書;同第6576243号明細書;同第6558674号明細書;同第6464984号明細書;同第6451770号明細書;同第6376473号明細書及び同第6221362号明細書に見つかる。
【0086】
プラスミドという用語は、本発明に基づくポリヌクレオチドと望ましい宿主又は標的の1又は複数の細胞内におけるインビボの発現に必要なエレメントとを含むあらゆるDNA転写単位を包含し、この点に関連し、線状プラスミドのみならず、スーパーコイル、非スーパーコイル、環状プラスミドも本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0087】
さらに、プラスミドはそれぞれ、プロモーターに作動可能に連結されているか又はプロモーターの調節下にあるか又はプロモーターに依存する、異種ペプチド配列、バリアント、アナログ又は断片と融合していてもよい目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むか、から本質的になる。一般的に、真核細胞内で機能する強力なプロモーターを利用することが有利である。好ましい強力なプロモーターは、ヒト若しくはマウス起源、又は場合によってラット若しくはモルモットなどの別の起源であってもよい、前初期サイトメガロウイルスプロモーター(CMV−IE)である。CMV−IEプロモーターは、エンハンサー部分と関連があってもなくてもよい実際のプロモーター部分を含んでよい。PCT出願国際公開第87/03905号パンフレットを初めとして、欧州特許出願公開第260148(A)号明細書、同第323597(A)号明細書、米国特許第5168062号明細書、同第5385839号明細書及び同第4968615号明細書を参照することができる。CMV−IEプロモーターは、有利には、ヒトCMV−IE(Boshart M. et al., Cell., 1985, 41, 521-530)又はマウスCMV−IEである。
【0088】
より一般的には、プロモーターは、ウイルス起源又は細胞起源のいずれかである。本発明の実施に利用して有用であり得るCMV−IE以外の強力なウイルスプロモーターは、SV40ウイルスの初期/後期プロモーター又はラウス肉腫ウイルスのLTRプロモーターである。本発明の実施に利用して有用であり得る強力な細胞プロモーターは、例えばデスミンプロモーター(Kwissa M. et al., Vaccine, 2000, 18, 2337-2344)又はアクチンプロモーター(Miyazaki J. et al., Gene, 1989, 79, 269-277)などの細胞骨格遺伝子のプロモーターである。
【0089】
これらのプロモーターの機能的サブ断片、すなわち適切な促進活性を維持しているこれらのプロモーターの部分は本発明に含まれ、例えば、PCT出願国際公開第98/00166号パンフレット又は米国特許第6156567号明細書に基づく切断CMV−IEプロモーターを本発明の実施に使用することができる。したがって、本発明の実施におけるプロモーターには、全長プロモーターの誘導体及びサブ断片であって適切な促進活性を有するもの、したがってプロモーターとして機能するものが含まれ、好ましくは促進活性はこれらの誘導体又はサブ断片が由来する実際の又は全長のプロモーターの促進活性と実質的に類似の促進活性である(例えば、全長CMV−IEプロモーターの活性に対する米国特許第6156567号明細書の切断CMV−IEプロモーターの活性と同様)。したがって、本発明の実施におけるCMV−IEプロモーターは、全長プロモーターのプロモーター部分及び/又は全長プロモーターのエンハンサー部分、並びに誘導体及びサブ断片を含むか、から本質的になるか、又はからなってよい。
【0090】
プラスミドは、他の発現調節エレメント(expression control element)を含むか又はから本質的になることが好ましい。例えばイントロン配列、好ましくはhCMV−IEの第1イントロン(PCT出願国際公開第89/01036号パンフレット)、ウサギβグロビン遺伝子のイントロンII(van Ooyen et al., Science, 1979, 206, 337-344)などの安定化配列の組込みが特に有利である。
【0091】
ポックスウイルス以外のウイルスベクター及びプラスミドのためのポリアデニル化シグナル(ポリA)に関しては、ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子のポリ(A)シグナル(米国特許第5122458号明細書参照)、又はウサギβグロビン遺伝子のポリ(A)シグナル又はSV40ウイルスのポリ(A)シグナルを使用することができる。
【0092】
本発明の別の実施形態によれば、発現ベクターは、適切な細胞系でタンパク質をインビトロで発現させるために使用される発現ベクターである。発現されたタンパク質は、分泌後(又は分泌後でなくても)、培養液上清中に、又は培養液上清から回収することができ(分泌が起こらない場合は通常、細胞溶解が起こるか又は細胞溶解を行う)、必要に応じて限外ろ過などの濃縮方法で濃縮し、かつ/又はアフィニティー、イオン交換又はゲルろ過クロマトグラフィー法などの精製手段で精製する。
【0093】
「宿主細胞」とは、遺伝子を改変された原核細胞又は真核細胞、或いは組換えプラスミドやベクターなどの外来性ポリヌクレオチドを投与することでその遺伝子を改変することができる原核細胞又は真核細胞を意味する。遺伝子改変細胞という場合、この用語は、最初に改変された細胞とその子孫の両方を意味する。有利な宿主細胞としては特に限定されないが、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、結腸癌(Caco−2)細胞、COS7細胞、MCF−7細胞、MCF−10A細胞、メイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)系統、ミンク肺(Mv1Lu)細胞、MRC−5細胞、U937細胞、VERO細胞等を挙げることができる。所望の配列を含むポリヌクレオチドを好適なクローニングベクター又は発現ベクターに挿入してもよく、次いでベクターを複製又は増幅に適した宿主細胞に導入してもよい。ポリヌクレオチドは、当該技術分野で公知の任意の手段で宿主細胞に導入することができる。目的とするポリヌクレオチドを含むベクターは、多くの適切な手段のいずれかを用いて宿主細胞に導入することができ、そのような手段としては、直接的取込み;エンドサイトーシス;トランスフェクション;f接合(f-mating);エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン又は他の物質を用いるトランスフェクション;微粒子銃;リポフェクション;感染(ベクターが感染性であれば、例えばレトロウイルスベクター)等を挙げることができる。ベクター又はポリヌクレオチドの導入の選択は宿主細胞の特徴に拠ることが多い。
【0094】
有利な実施形態においては、本発明は、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを標的細胞内に送達し、発現させるための治療有効量の製剤の投与を提供する。治療有効量を決定することは当業者の日常的な実験に過ぎない。一実施形態において、製剤は、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現するポリヌクレオチドを含む発現ベクターと薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む。有利な実施形態において、薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤は、トランスフェクションを促進し、かつ/又はベクター若しくはタンパク質の保存性を向上させる。
【0095】
薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤は、当該技術分野において当業者に周知である。例えば、薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤は、0.9%NaCl(例えば、生理食塩水)溶液又はリン酸緩衝液であってよい。本発明の方法に使用することができるその他の薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤は特に限定されるものではないが、例えばポリ−(L−グルタメート)又はポリビニルピロリドンを挙げることができる。薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤は、ベクター(又はインビトロで発明的ベクターから発現されたタンパク質)の投与を容易化するものであれば任意の化合物又は化合物の組合せであってよく、有利には、担体、媒体又は賦形剤はトランスフェクションを容易化し、かつ/又はベクター(又はタンパク質)の保存性を向上させるものであってよい。投与量及び投与体積は、本明細書に一般的な記述で開示されており、当該技術分野の知識と併せてこの開示を読むことで、当業者は過度の実験をせずとも投与量及び投与体積を決定することができる。
【0096】
抗原は、標準的な賦形剤と組み合わせてもよく、そのような賦形剤として、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン・ナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、マグネシウム、炭酸塩等を挙げることができる。組成物は、pH調整・緩衝剤、毒性調節剤等、生理学的状態に近づけるために必要な薬学的に許容される補助剤を含んでもよい(例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等)。これらの製剤中の抗原の濃度は広い範囲で変更することができ、選択する特定の投与形態及び患者のニーズによって、基本的に液体の体積、粘度、体重等に基づいて選択される。その結果得られる組成物の形態は、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、ゲル、クリーム、ローション剤、軟膏、噴霧剤等であってよい。
【0097】
医薬製剤中の本発明の免疫原性抗原の濃度は、広い範囲で変更することができる、すなわち、重量で約0.1%未満、通常約2%若しくは少なくとも約2%から、多ければ20%〜50%、又はそれ以上であり、選択する特定の投与形態によって、基本的には液体の体積、粘度等に基づいて選択される。
【0098】
有利には、本発明の医薬及び/又は治療用の、組成物及び/又は製剤は、本明細書に記載の1又は複数の発現ベクター及び/又はポリペプチドの治療反応を誘発するのに有効な量含むか、から本質的になるか、又はからなる。有効量は、本明細書に組み込まれている文献及び当該技術分野の知識を含む本開示から、過度な実験なしに決定することができる。
【0099】
プラスミドベクターに基づく治療組成物及び/又は医薬組成物の場合、投与量は一般的に、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを発現する、約1μg〜約2000μg、有利には約50μg〜約1000μg及びさらに有利には約100μg〜約800μgのプラスミドを含むか、から本質的になるか、又はからなってもよい。プラスミドベクターに基づく治療組成物及び/又は医薬組成物をエレクトロポレーションを用いて投与する場合、プラスミドの投与量は通常、約0.1μg〜1mg、有利には約1μg〜100μg、有利には約2μg〜50μgである。投与体積は約0.1〜約2ml、有利には約0.2〜約1mlであってよい。これらの投与量及び投与体積は、イヌ及びその他の哺乳動物(例えばウマ及びネコ)を標的種とした治療に適している。
【0100】
治療組成物及び/又は医薬組成物は、遺伝的アジュバント及び/又は目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド若しくはポリペプチドを発現する組換えウイルス(有利にはAAV)を、投与量当たり約10〜約1011、有利には約10〜約1010、さらに有利には約10〜約10個のウイルス粒子を含む。ポックスウイルスに基づく治療組成物及び/又は医薬組成物の場合、投与量は約10pfu〜約10pfuであってよい。医薬組成物は、遺伝的アジュバント及び/又は目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド若しくはポリペプチドを発現するポックスウイルス組換え体又はヘルペスウイルス組換え体を、投与量当たり約10〜10、有利には約10〜10pfu含む。
【0101】
哺乳動物を標的種とする組成物の投与量体積、例えばウイルスベクターに基づくイヌ用組成物(例えば、非ポックスウイルス型ウイルスベクターに基づく組成物)の投与量体積は、通常約0.1〜約2.0ml、好ましくは約0.1〜約1.0ml、より好ましくは約0.5ml〜約1.0mlである。
【0102】
新たな細胞培養で産生されたウイルス又は生物又は病原体の不活化組成物については、単回投与単位として約10〜10等量のCCID50(不活化前のタイター)、有利には約10〜10等量のCCID50で動物に投与することができる。単回投与単位の体積は0.2ml〜5.0ml、有利には0.5ml〜2.0ml、さらに有利には約2.0mlであってよい。単回投与と複数回投与が可能であり、例えば2〜4週間の間隔を空けて2回注入してもよく、有利には最初の注入から約3週間後に追加免疫してもよい。
【0103】
本明細書の開示は例として提供するものであり、本発明がこれらの例に限定されないことが当業者には理解されよう。本明細書の開示及び当該技術分野の知識から、当業者であれば、各種注入プロトコールで使用される投与回数、投与経路、および投与量を、過度の実験なしに決定することができる。
【0104】
本発明の一実施形態は、免疫応答の誘発に有効な量の組換えワクチンの送達及び発現のための製剤を投与することを含む、免疫応答を動物で誘発する方法である。本発明のさらに別の実施形態は、免疫学的応答又は防御反応を動物において誘導する方法であり、該方法は目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチド及び遺伝的アジュバントの送達及び発現のための製剤であって、組換えワクチン及び薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤を含む製剤を動物に有効量投与することを含む。
【0105】
本発明は、動物、有利にはヒトの免疫応答を誘発、誘導、又は刺激する方法に関する。
【0106】
本発明の別の実施形態は、組換えワクチンと動物において免疫応答を誘発するのに有効な量を送達する方法を実施するための説明書とを含む、動物において免疫学的応答又は防御反応を誘導する方法を実施するためのキットである。
【0107】
本発明を、以下に非限定的な実施例を用いてさらに詳細に記載する。
[実施例]
【0108】
[実施例1]
分子的アジュバントによるAAVベクターのアジュバント化
以下の分子的アジュバントを、SIVのgag抗原を共発現するAAV1ベクター中にクローニングし、発現させる:IL−2、IL−12、フラジェリン最小TLR4結合ドメイン(Flagellin minimal TLR4 binding domain)、CTA1−DD、及びfas抗原の一バージョン(a version of fas antigen)。フラジェリンの場合、フラジェリン及びSIV gag抗原の融合コンストラクトを発現させる。コンストラクトはそれぞれ、マウスにおける発現、アジュバント機能、ベクターの産生及び免疫応答について評価する。さらに、SIV env抗原を発現するAAV1ベクターと組み合わせてベクターを与えたときの、非ヒト霊長類におけるベクターの免疫原性及び効果について特徴解析を行う。IL−2及びCTA1−DD配列を最適化し、IL−2を発現するベクターを構築し、その特徴を解析する。
【0109】
[実施例2]
モデル非ヒト霊長類(NHP)におけるアジュバント評価実験の概要
暴露前の時点(pre-challenge time points)における免疫原性の免疫学的分析(図2)並びに様々なベクターによって誘発された免疫応答の幅、特異性、記憶表現型(memory phenotype)及び機能に焦点を当てた特徴解析を行う。
【0110】
表現型、テトラマー(A*01...等)、BAL分析などのフレッシュな分析(fresh analysis)のための時点が利用可能である。暴露前の時点のほとんどで、保管及びレトロスペクティブ解析用にバイアルを凍結する。
【0111】
マカクの好ましい暴露モデルは、低投与量での反復粘膜暴露である。有効性の評価は、ウイルス負荷分析及び反応により生成される特異的ワクチンの低レベルモニタリングによって行われる。
【0112】
【表1】

【0113】
[実施例3]
AAVアジュバント化ベクターのデザイン
SIV gag−proを発現するrAAVベクターのプロトタイプを図3に示す。分子的アジュバントを、最大1.1kbのサイズのAfe1断片としてベクター中にクローニングする。CMVカセットが切断されている場合、より大きなアジュバントを導入することができる。これにより得られる、rAAVベクターにより発現されるポリタンパク質は、SIV gag−pro、口蹄疫(FMDV)ウイルス2Aペプチド及び分子的アジュバントを含む。
【0114】
FMDV 2AペプチドはSIV gag−pro及び分子的アジュバントのcis開裂を仲介する(例えばFurler et al., Gene Ther. 2001 Jun;8(11):864-73参照)。FMDV 2Aプロテアーゼは、例えば、米国特許第6896881号明細書;同第6893866号明細書;同第6884623号明細書;同第6632800号明細書;同第6586411号明細書;同第6531136号明細書;同第6232099号明細書及び同第6171592号明細書にも開示されている。
【0115】
[実施例4]
AAVベクター中のインターロイキンアジュバントの発現
IL−12コンストラクトは短縮されたCMVプロモーターを含み、AAVベクターに導入することができる。IL−12アジュバントは約1743bpであるが、短縮されたCMVプロモーターと一緒にAAVベクター中に導入することができる。
【0116】
SIV gag−proを発現する親ベクタークローンを、遺伝的アジュバントIL−2を発現するクローンと共に図4Aに示す。得られる、SIV gag−proとアカゲザルIL−2とを発現するポリタンパク質も図4Aに示す。IL−12コンストラクトは短縮されたCMVプロモーターを含み、AAVベクターに導入することができる。
【0117】
SIV gag−pro及びIL−2の発現を示すウェスタンブロットを図4Bに示す。
【0118】
アカゲザルIL−12を含むSIVアジュバントコンストラクトの一過性のトランスフェクションを図5A及び5Bに示す。コンストラクトを図5Aに示す。gag及びIL−12の発現を示すウェスタンブロットを図5Bに示す。
【0119】
[実施例5]
AAVベクター中のフラジェリンアジュバントの発現
フラジェリンコンストラクトは、融合タンパク質がSIV/HIV配列とフラジェリン配列で作製されるため、FMDV 2A開裂部位を有していない。SIV pro遺伝子を含まない別のフラジェリンコンストラクトも想定される。
【0120】
フラジェリン−SIV gag−pro融合ベクターのクローニング戦略を図6Aに示す。作製されたクローン及び予測される前駆体タンパク質を図6Bに示す。gag及びフラジェリンの発現を示すウェスタンブロットを図6Cに示す。
【0121】
別のフラジェリンコンストラクトを図7Aに示す。トランスフェクションされた細胞内におけるgag及びフラジェリンの発現を示すウェスタンブロットを図7Bに示す。
【0122】
[実施例5]
AAVベクター内のCTA1−DDアジュバントの発現
インビトロにおけるCTA1−DDの発現を図8A及び8Bに示す。CTA1−DDコンストラクトを図8Aに示す。CTA1−DDの発現を示すウェスタンブロットを図8Bに示す。
【0123】
本発明を、以下の番号を付したパラグラフにさらに記載する。
【0124】
1.ウイルスベクターを含む免疫原性又はワクチン組成物であって、該ベクターが遺伝的アジュバントをコードするポリヌクレオチド配列を含む、組成物。
【0125】
2.ウイルスベクターがAAVベクターである、パラグラフ1に記載の組成物。
【0126】
3.遺伝的アジュバントがCTA1−DD、fasリガンド、フラジェリン、IL−2又はIL−12である、パラグラフ1又は2に記載の組成物。
【0127】
4.ウイルスベクターが、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む、パラグラフ1〜3のいずれかに記載の組成物。
【0128】
5.目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、パラグラフ4に記載の組成物。
【0129】
6.目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とするHIV又はSIVの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、パラグラフ5に記載の組成物。
【0130】
7.目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド、又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、パラグラフ1〜6のいずれかに記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【0131】
8.目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、パラグラフ1−3のいずれかに記載の組成物と、目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド、又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含むベクターと、薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【0132】
9.目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、パラグラフ8に記載の製剤。
【0133】
10.目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とするHIV又はSIVの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、パラグラフ9に記載の製剤。
【0134】
11.動物において免疫応答を刺激する方法であって、パラグラフ7〜10のいずれかに記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【0135】
12.動物において免疫応答を誘発する方法であって、パラグラフ7〜10のいずれかに記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【0136】
13.動物がヒトである、パラグラフ11又は12に記載の方法。
【0137】
14.パラグラフ11〜13の方法のいずれかを実施するためのキットであって、パラグラフ1〜10のいずれかに記載の組成物又は製剤とパラグラフ11〜13のいずれかに記載の方法を実施するための説明書とを含むキット。
【0138】
本発明の好ましい実施形態を詳細に記載してきたが、上記パラグラフにより定義される本発明は、上述の特定の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく多くの明白な変更が可能であると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】AAVベクターを用いたHIVワクチンに対する免疫応答への分子的アジュバントの効果を示す図である。
【図2】サンプリング並びに免疫応答及びその有効性の評価を示す図である。
【図3】代表的なAAVアジュバント化ベクターのデザインを示す図である。
【図4A】SIV gag−proを発現する親ベクタークローン、遺伝的アジュバントIL−2を発現するクローン、及びSIV gag−proとIL−2とを発現するポリタンパク質を示す図である。
【図4B】SIV gag−pro及びIL−2の発現を示すウェスタンブロットを示す図である。
【図5A】アカゲザルIL−12を含むSIVアジュバントコンストラクトを示す図である。
【図5B】gag及びIL−12の発現を示すウェスタンブロットを示す図である。
【図6A】フラジェリン−SIV gag−pro融合ベクターのためのクローニング戦略を示す図である。
【図6B】作製されたクローン及び予測される前駆体タンパク質を示す図である。
【図6C】gag及びフラジェリンの発現を示すウェスタンブロットを示す図である。
【図7A】別のフラジェリンコンストラクトを示す図である。
【図7B】gag及びフラジェリンの発現を示すウェスタンブロットを示す図である。
【図8A】CTA1−DDコンストラクトを示す図である。
【図8B】CTA1−DDの発現を示すウェスタンブロットを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルスベクターを含む免疫原性又はワクチン組成物であって、前記ベクターが遺伝的アジュバントをコードするポリヌクレオチド配列と目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とを含む、組成物。
【請求項2】
ウイルスベクターがAAVベクターである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
遺伝的アジュバントがCTA1−DD、fasリガンド、フラジェリン、IL−2又はIL−12である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
目的とする免疫不全ウイルスの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドが、目的とするHIV又はSIVの抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、請求項1に記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【請求項7】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、請求項2に記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【請求項8】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、請求項3に記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【請求項9】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、請求項4に記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【請求項10】
目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドの送達及び発現のための製剤であって、請求項5に記載の組成物と薬学的に許容される担体、媒体又は賦形剤とを含む製剤。
【請求項11】
動物において免疫応答を刺激する方法であって、請求項6に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項12】
動物において免疫応答を刺激する方法であって、請求項7に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項13】
動物において免疫応答を刺激する方法であって、請求項8に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項14】
動物において免疫応答を刺激する方法であって、請求項9に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項15】
動物において免疫応答を刺激する方法であって、請求項10に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項16】
動物において免疫応答を誘発する方法であって、請求項6に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項17】
動物において免疫応答を誘発する方法であって、請求項7に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項18】
動物において免疫応答を誘発する方法であって、請求項8に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項19】
動物において免疫応答を誘発する方法であって、請求項9に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。
【請求項20】
動物において免疫応答を誘発する方法であって、請求項10に記載の製剤を動物の細胞に有効量投与すること及び目的とする抗原、エピトープ、免疫原、ペプチド又はポリペプチドを前記細胞中で発現させることを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2009−535343(P2009−535343A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507822(P2009−507822)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/010242
【国際公開番号】WO2007/127372
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(502150764)インターナショナル エイズ バクシーン イニシアティブ (3)
【Fターム(参考)】