説明

ウェブページ・ドメインの監視

ウェブページ・ドメインの監視が記載される。実施例において、1つ以上のウェブページは、複数のドメインを介して、提供される複数のコンテンツを含む各々のウェブページと共に、クライアントにおいて得られる。複数のコンテンツを提供するために使用された複数のドメインが識別され、カウンターが各識別されたドメインについてそれぞれインクリメントされる。それぞれのドメインのカウンターがしきい値を越える場合、それぞれのドメインがクライアントを追跡する可能性を有することを示す通知がクライアントによって出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブページ・ドメインの監視に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブページはユーザーに種々のコンテンツを提供するために利用される。例えば、ユーザーは、スポーツ・ウェブサイトにアクセスして好きなチームのスコア及び最新情報を含むウェブページを得ることができたり、天気のウェブサイトにアクセスして地域の天気予報を含むウェブページを受信することができたり、電子メールをチェックするためにウェブページと情報のやり取りをすることができたりする。したがって、ウェブページ・インタラクションに対するユーザーの信頼はこれらのコンテンツの多様性の増加と共に増加し続ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、いくつかの例では、ユーザーは、ユーザーが訪れるウェブサイトのコンテンツをホストする第三者によって知らないうちに追跡され得る。例えば、この追跡は、ユーザーのブラウジングのパターンを導き出すために使用され、それは、ウェブサイト自体を再構成し、広告を供給し、要求されていない電子メール(例えば、スパム)の基礎として役立つなどするように後に使用され得る。さらに、この追跡は、複数のウェブサイトにわたって実行されることもあり、これら複数のウェブサイト間でのユーザーによるコンテンツ消費を相互に関連付けるために使用され得る。追跡は、スパム並びにウェブサイト及び/又は第三者による追跡情報の望ましくない使用の防止など、これらのウェブサイトと情報のやり取りをする場合に少なくとも部分的に匿名性を得たいと望むユーザーにとって望ましくないかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ウェブページ・ドメインの監視について記載される。実施例において、1つ以上のウェブページが、複数のドメインを介してそれぞれが提供される複数のコンテンツを含む各々のウェブページにより、クライアントにおいて得られる。複数のコンテンツを提供するために使用された複数のドメインが識別され、各識別されたドメインについてカウンターがそれぞれインクリメントされる。それぞれのドメインのカウンターがしきい値を越える場合、それぞれのドメインがクライアントを追跡する可能性を有することを示す通知がクライアントによって出力される。
【0005】
別の実施例において、クライアントは、個人情報保護方針(privacy policy)と、第1のドメインから得られたウェブページが第2のドメインからのコンテンツを含むことを確認するように構成される1つ以上のモジュールとを含む。第2のドメインからのコンテンツへのアクセスは、第2のドメインが個人情報保護方針に従うプライバシー慣行を有しているか否かに基づいて1つ以上のモジュールによって管理される。
【0006】
この概要は、詳細な説明においてさらに以下に説明される概念の選択を単純化された形式で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴又は不可欠な特徴を識別するようには意図されず、特許請求される主題の範囲の決定に際して助けとして使用されるようにも意図されない。
【0007】
詳細な説明は添付の図面に関して説明される。図面において、参照番号の左端の数字は、参照番号が最初に現れる図面を識別する。詳細な説明と図面における異なる例での同じ参考番号の使用は、類似の又は同一の項目を示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ウェブページ・ドメインを監視するための技術を実行するように動作可能な例示的な実施例における環境の説明図である。
【図2】複数のドメインからのコンテンツを有するウェブページを出力するものとして、図1のクライアントをより詳細に示す例示的な実施例の説明図である。
【図3】ドメインが追跡され、1つ以上のウェブページにコンテンツを提供するために使用され、当該追跡が、クライアントが1つ以上のドメインによって追跡される可能性を示す通知をクライアントにおいて出力するために使用される、例示的な実施例における手続きを描く流れ図である。
【図4】クライアントの個人情報保護方針を備えた特定のドメインの個人情報保護方針の順守が当該特定のドメインへのアクセスを管理するために利用される、例示的な実施例における手続きを描く流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
概説
前述のように、ユーザーはウェブページを介して様々なコンテンツにアクセスし得る。しかし、いくつかの例においては、ウェブページをホストするウェブサイト及びウェブページに含まれるべきコンテンツを提供する別のウェブサイトなどの、複数のソースからのコンテンツを含むウェブページが得られる。例えば、ユーザーは、その日に起こっている及び/又はその日に起こることになっているスポーツイベントについてのスコア及び記事を含むスポーツ・ウェブサイトにアクセスしてもよい。スポーツ・ウェブサイトはまた、広告サービスなどの別のソースによって提供される広告を含んでもよい。しかし、「他の」コンテンツ(前の例では広告サービス)を提供する第三者のサービスは、そのウェブサイトだけでなく、第三者のサービスからのコンテンツ、例えば広告サービスからの広告、を得る他のウェブサイトをも介してユーザーを追跡するために、このコンテンツの提供を使用するかもしれない。ユーザーの追跡は、ユーザー側のプライバシーについての把握される損失など、様々な有害な効果を有し得る。
【0010】
ウェブページ・ドメインの監視について説明される。実施例では、ウェブページが複数のドメインからのコンテンツを含んでいる場合であっても、ウェブページのコンテンツを提供するために使用される特定のドメインを追跡するために技術が使用される。例えば、カウンターは、複数のドメインが単一のウェブページに使用される場合であっても、クライアントにおいて消費されるウェブページにコンテンツを供給するために使用される各ドメインに割り当てられてもよい。カウンターがあるしきい値(例えば、全カウンターの5パーセントを超える場合など、全体として他のカウンターに関する所定の数)を越える場合、当該カウントに対応するドメインがクライアントを追跡する可能性を有していることを示す通知が出力される。その後、様々な処置がこの通知に基づいて講じられてもよい。例えば、そのドメインを介して(例えば、ブロックされたドメインのリストの使用を通じて)後のコンテンツ検索(retrieval)をブロックし、後のコンテンツ検索を可能にするなどのために選択肢(オプション)が出力されてもよく、これについてのさらなる説明は図3に関してなされる。
【0011】
別の実施例では、ドメインへのクライアントのアクセスは、それぞれのドメインのプライバシー慣行がクライアントの個人情報保護方針に適合するかどうかに基づいて管理される。例えば、ドメインの個人情報保護方針は、その後にクライアントの個人情報保護方針によりチェックされ得る、周知の位置(例えば、ドメイン自体の内部の指定されたネットワーク・アドレス、インターネットを通じて利用可能なセントラル・レポジトリーなど)において利用可能になってもよい。ドメインのプライバシー慣行が適合しない場合、様々な処置が行われてもよい。例えば、ドメインへの将来のアクセスが(例えば、「ブロックリスト」によって)ブロックされてもよいし、又は、ドメインの規則不履行(ノンコンプライアンス、noncompliance)がドメインの追加の機能へのアクセス、料金の支払いなどと引き換えに受け入れられるように、「取引(trade)」が行なわれてもよい。プライバシー慣行についてのさらなる議論は図4に関してなされる。
【0012】
以下の説明では、ウェブページ・ドメイン監視技術を行うように動作可能な例示的な環境がまず説明される。その後、当該例示的な環境のほか、その趣旨及び範囲から逸脱することのない他の環境によっても使用され得る例示的な手続きが説明される。
例示的な環境
図1は、ウェブページ・ドメイン監視を使用するように動作可能な例示的な実施例における環境100の説明図である。図示された環境100は、ネットワーク106を介して互いに通信で結合される、複数のコンテンツ・プロバイダー102(1)−102(M)及びクライアント104を含む。クライアント104は、ネットワーク106にアクセスするために様々な方法で構成されてもよい。例えば、クライアント104は、デスクトップ・コンピューター、移動局、娯楽器具、ディスプレイ装置に通信で結合されたセットトップボックス、無線電話、ゲーム機など、ネットワーク106を介して通信することができるコンピューターとして構成されてもよい。クライアント104はまた、クライアントを操作する人及び/又はエンティティに関連してもよい。換言すれば、クライアント104は、ユーザー及び/又は機械(例えば、クライアント装置)を含む論理的なクライアントを表現してもよい。
【0013】
ネットワーク106はインターネットとして示されるが、ネットワークは種々の構成を仮定してもよい。例えば、ネットワーク106は、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイヤレス・ネットワーク、公衆電話網、イントラネットなどを含んでもよい。さらに、単一のネットワーク106が示されるが、ネットワーク106は複数のネットワークを含むように構成されてもよい。
【0014】
クライアント104は、プロセッサー108及びメモリー110を有するクライアント装置として図1に示される。プロセッサーは、それが形成される材料やそれに使用される処理機構によって限定されない。例えば、プロセッサーは、半導体及び/又はトランジスター(例えば、電子集積回路(IC))で構成されてもよい。そのようなコンテキストでは、プロセッサーにより実行可能な命令は、電子的に実行可能な命令であってもよい。代替的に、プロセッサーの又はプロセッサーのための機構、及びしたがって計算装置の又は計算装置のための機構は、量子計算、光コンピューティング、(例えば、ナノテクノロジーを使用した)機械的なコンピューティングなどを含んでもよいがこれらに限定されない。さらに、単一のメモリー110がクライアント104について示されるが、ランダム・アクセス・メモリー(RAM)、ハードディスクメモリー、取り外し可能な媒体メモリー及び他の種類のコンピューター読み取り可能媒体などの、種々の種類のメモリー及びメモリーの組み合わせが使用されてもよい。
【0015】
コンテンツ・プロバイダー102(1)及びコンテンツ・プロバイダー102(M)は、それぞれのコンテンツ112(c)、114(k)(「c」及び「k」は、それぞれ、1から「C」又は「K」までの任意の整数であり得る)を含むものとして示され、それらの管理は、それぞれのコンテンツ・マネージャー・モジュール116(1)及び116(M)によって行われる。さらに、コンテンツ・プロバイダー102(1)及び102(M)の各々は、異なるそれぞれのドメイン118(1)−118(M)を介して提供されるものとして示される。図1の環境100におけるドメイン118(1)−118(M)は、ユニフォーム・リソース・ロケーター(URL)技術により構成され、例えば、「www.firstcontentprovider.com」及び「www.secondcontentprovider.com」である。
【0016】
異なるコンテンツ・プロバイダー102(1)―102(M)からの、及び、したがってこの例における異なるそれぞれのドメイン118(1)及び118(M)からのコンテンツは、ネットワーク106を介してクライアント104に対してともに提供されてもよい。そのような提供の例は、ドメイン118(1)を介してコンテンツ・プロバイダー102(1)によって提供されるコンテンツ112(1)及びドメイン118(M)を介してコンテンツ・プロバイダー102(M)によって提供されるコンテンツ114(k)を含むウェブページ120として示される。ウェブページ120は様々な形式をとってもよく、その一例は図2に関して示される。
【0017】
図2は、図1のウェブページ120を表示するものとしての無線の移動通信のために構成されたクライアント装置(例えば、無線電話)として図1のクライアント104の例示的な実施例200を図示する。ウェブページ120は、コンテンツ・プロバイダー102(1)からのコンテンツ202(コンテンツ112(1)に相当してもしなくてもよい)のほか、コンテンツ・プロバイダー102(M)からのコンテンツ204、206(コンテンツ114(1)に相当してもしなくてもよい)を含む。
【0018】
一例として、コンテンツ202は、ヘッドライン及びニュース・ウェブサイトにより一般に提供されるような記事へのリンクを有するニュース・コンテンツとして示される。したがって、コンテンツ・プロバイダー102(1)は、ドメイン118(1)を介して利用可能なニュース・ウェブサイトとして構成されてもよい。コンテンツ204及び206は広告サービスによって一般に提供されるような広告として示される。したがって、この例におけるコンテンツ・プロバイダー102(M)は、コンテンツ・プロバイダー102(1)のウェブページに広告を提供し得る第三者の「広告サーバー」のほか、他のコンテンツ・プロバイダーとして働いてもよい。したがって、この例における単一のウェブページ120は、複数のドメインから得られるコンテンツ202−206の同時表示から構成される。
【0019】
図1に戻ると、クライアント104は、コンテンツ112(1)及び112(1)を有するウェブページ120を受信してもよい。ウェブページ120は、通信モジュール122の機能の実施を通じて表示のために処理及び構成(例えば、レンダリング)されてもよく、それはプロセッサー108上で実行されるものとして示され、メモリー110において記憶可能である。通信モジュール122は、例えば、ウェブページ120を得てウェブページ120をクライアント104によってレンダリングさせるために、ブラウザ機能を実施してもよい。
【0020】
通信モジュール122はまた、図1の環境100において、追跡モジュール124を有するものとして示される。追跡モジュール124は、ドメイン118(1)−118(M)を追跡するための技術を代表し、クライアント104はウェブページ120においてコンテンツ112(1)及び114(1)をこれから受信する。追跡モジュール124は、例えば、ウェブページ120に含められるべきコンテンツ112(1)及び114(1)を得るために、ドメイン118(1)及び118(M)に対して「呼び出し(call)」が行われるべきことを決定してもよい。その後、追跡モジュール124は、ドメイン118(1)−118(M)の各々にドメイン識別子126(i)(「i」は1と「I」との間の整数であり得る)を割り当て、コンテンツ112(c)及び114(k)がそれぞれのドメイン118(1)及び118(M)から受信されるたびにそれぞれのカウンター128(i)をインクリメントしてもよい。したがって、このように、クライアント104は、追跡モジュール124を介して、それらのドメインが広告などのような他のドメインによって提供されるコンテンツを補う「第三者」のドメインである場合でさえ、コンテンツを提供するためにどのドメイン118(1)−118(M)が使用されるかを決定してもよい。
【0021】
追跡はクライアント104によって様々な方法で使用されてもよい。例えば、追跡モジュール124は、特定のドメインからのコンテンツについての後の検索を許可又はブロックするために通知を出力してもよい。当該通知は、例えば、特定のドメインを識別し、コンテンツがどのようにして受信されたか、例えば、1つ又は多くの他のドメインとの第三者の関係を通じて受信されたこと、を識別してもよい。図2の以前の例では、例えば、クライアント104は、ニュース・ウェブサイトからのコンテンツの出力を許可し、当該ニュース・ウェブサイト及びスポーツ・ウェブサイトなどを通じて提供される広告サービスからのコンテンツをブロックしてもよい。したがって、クライアント104は、コンテンツのソースに関して、及び、したがってこれらのソースのうちのどれが、例えば複数のウェブサイトを介してコンテンツを提供するなどのためにクライアントを追跡しているかに関して、容易に知ることができる。通知についてのさらなる議論は図3に関してなされる。
【0022】
追跡はまた、個人情報保護方針とともに利用されてもよい。例えば、以前に説明した追跡モジュール124は、コンテンツ112(c)及び114(k)がそこから受信されるドメイン118(1)−118(M)、第三者のドメインさえをも決定するための機能を代表する。第三者のドメインに遭遇すると、追跡モジュール124は、ドメイン118(M)のプライバシー慣行が、個人を特定できる情報、匿名で流布されるブラウジング傾向などの、個人情報保護方針に適合するかどうかを決定してもよい。この決定に基づいて、クライアント104は、後のコンテンツをブロック及び/又は許可すること並びに(例えば、特定の機能へのアクセス、アクセスを継続するためのクライアント104への料金の支払いについてなど)追加の検討事項についての不履行をさらに「取引」することなど、様々な処置を講じてもよく、そのさらなる議論は図4に関してなされる。
【0023】
一般に、本明細書に記載された機能のうちのいずれも、ソフトウェア、ファームウェア(例えば、固定論理回路)、マニュアル処理又はこれらの実施の組み合わせを使用して実施することができる。本明細書において使用される「モジュール」、「機能」及び「論理」なる語は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア又はソフトウェアとファームウェアの組み合わせを表す。ソフトウェアの実施例の場合には、モジュール、機能又は論理は、プロセッサー(例えば、CPU)上で実行されると指定されたタスクを行うプログラムコードを表す。プログラムコードは1つ以上のコンピューター読み取り可能記憶装置に格納することができ、そのさらなる説明は図2に関してなされる。以下に説明されるウェブページ・ドメイン監視技術の特徴は、プラットフォームに依存しないことであり、これは、当該技術が様々なプロセッサーを有する様々な市販のコンピューティング・プラットフォーム上で実施され得ることを意味する。
例示的な手続き
以下の説明は、前述のシステム及び装置を利用して実施され得るウェブページ・ドメイン監視技術について記載する。各々の手続きの態様は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせにおいて実施されてもよい。手続きは、1つ以上の装置によって行なわれる動作を指定する1組のブロックとして示され、それぞれのブロックによる動作を行うために示された順序に必ずしも限定されない。以下の説明の一部においては、図1の環境100及び図2の実施例200に対して言及がなされる。
【0024】
図3は、ドメインが追跡される例示的な実施例における手続き300を図示し、これらドメインは1つ以上のウェブページにコンテンツを提供するために使用され、当該追跡は、1つ以上のドメインによりクライアントが追跡される可能性を示す通知をクライアントにおいて出力するのに使用される。
【0025】
1つ以上のウェブページが、複数のドメインを介してそれぞれ提供される複数のコンテンツを含む少なくとも1つのウェブページと共に、クライアントにおいて得られる(ブロック302)。例えば、ウェブページ120は、ドメイン118(1)を介してコンテンツ・プロバイダー102(1)から受信されるコンテンツ112(1)及びドメイン118(M)を介してコンテンツ・プロバイダー102(M)から受信されるコンテンツ114(1)を含む。
【0026】
複数のコンテンツを提供するために使用された複数のドメインが識別される(ブロック304)。追跡モジュール124は、例えば、コンテンツを得るために異なるドメイン118(1)−118(M)に対する「呼(calls)」を追跡したり、それぞれのコンテンツ112(1)及び114(1)の起源を決定するためにウェブページ120に含まれる「リンク」及び/又はコンテンツ112(1)、114(1)自体をチェックしたりするなどしてもよい。
【0027】
カウンターは、各識別されたドメインについて、それぞれインクリメントされる(ブロック306)。例えば、クライアント104は、クライアント104により「訪問される」、すなわち、クライアント104へコンテンツを提供するために使用される、各ドメインのカウンターを保持してもよい。ドメインのうちの特定のものが再訪されるごとに、当該ドメインに対応するカウンターがインクリメントされてもよい。したがって、様々な異なるウェブサイトからのコンテンツと同時の出力のためにコンテンツを提供するために使用される第三者もまた追跡することができる。
【0028】
それぞれのドメインのカウンターがしきい値を越える場合、それぞれのドメインがクライアントを追跡する可能性を有していることを示す通知がクライアントにより出力される(ブロック308)。例えば、しきい値は、複数のカウンター全体に基づく相対的な番号として、「機械学習」又は他の技術によって得られる番号など(例えば、特定のカウンターがカウンターの各々を含む全体的な合計の設定部分を超える場合)、様々な方法で設定され得る。
【0029】
通知はまた様々な方法で構成されてもよい。例えば、通知は、特定のドメインの名前(例えば、「www.secondcontentprovider.com」)、また、多くの他のドメインを示してもよく、これにより、そのドメインからのコンテンツが表示され、したがって第2のコンテンツ・プロバイダーが「第三者」のプロバイダーである可能性が増したことを示す。ドメインが「第三者」のプロバイダーのドメインのようなものであるかどうかの考察もまた、通知を出力するべきかどうかの決定において使用されてもよい。
【0030】
別の例において、通知は、クライアントがそれぞれのドメインからそれぞれのコンテンツを受信することになっていること知ることからそれぞれのドメインをブロックするために選択可能な選択肢を含んでもよい。クライアント104は、例えば、選択肢の選択を通じて入力されたドメインを含むように更新される、「ブロックされるドメイン」のリストをメモリー110に保持してもよい。したがって、クライアント104がその後ドメインから(例えば、第三者の関係から)コンテンツを得ることになっている場合、ある場合には要求がなされる前であっても、コンテンツのその後の検索がブロックされ得る(ブロック314)。しかし、他の例においては、「主要な」ウェブサイトからのコンテンツ(例えば、図2のニュース・コンテンツ)の継続的な検索を許可するためなど、それぞれのドメインからのコンテンツのその後の受信を許可するために選択可能な選択肢を含むことが望ましいかもしれない(ブロック314)。様々な他の例もまた考慮される。
【0031】
図4は、特定のドメインへのアクセスを管理するために、特定のドメインのプライバシー慣行の順守がクライアントの個人情報保護方針と比較される例における手続き400を図示する。第1のドメインから得られるウェブページは第2のドメインからのコンテンツを含むと確認される(ブロック402)。例えば、ニュース・ウェブサイトから受信されるべき図2のウェブページ120は、広告サービスからの広告を含み、他のニュース機関からヘッドラインの供給(フィード)(例えば、最新の局所的な気象情報を提供するための気象サービス)を受信するように構成されてもよい。
【0032】
第2のドメインからのコンテンツへのアクセスは、第2のドメインがクライアントの個人情報保護方針に適合するプライバシー慣行を有しているかどうかに基づいて管理される(ブロック404)。例えば、クライアント104は、メモリー110にクライアント104にとってのローカルな個人情報保護方針130を保持してもよい。個人情報保護方針130は、個人的に識別可能な情報の共有、個人的に識別可能でない情報の共有などのような、許容可能及び/又は許容可能でないプライバシー慣行を詳述してもよい。別の例104では、追跡モジュール124は、どの情報がクライアント104から得られるかなど、ウェブサイト自体のプライバシー慣行を観察してもよい。
【0033】
第1の例を続けると、個人情報保護方針は、第2のドメインのプライバシー慣行を詳述する第2のドメインから得られてもよい(ブロック406)。第2のドメインの個人情報保護方針は、例えば、第2のドメインのネットワーク・アドレス(例えば、「www.seconddomain.com/privacy_practices.xml」)に対する拡張子(extension)において格納されてもよい。したがって、「既知の」位置からプライバシー慣行を得るために、クライアントは、ドメイン(例えば、「www.seconddomain.com」)にこの拡張子(例えば、「privacy_practices.xml」)を加えてもよい。別の例において、プライバシー慣行は、セントラル・レポジトリー及び/又はウェブサイト自体によって「最新に」保たれるインターネットを通じてアクセス可能なセントラル・レポジトリーにおいてアクセス可能であってもよい。様々な他の例もまた考慮される。
【0034】
様々な選択肢が個人情報保護方針130の順守に基づいて実施されてもよい。例えば、第2のドメインのプライバシー慣行がクライアントの個人情報保護方針に適合しない場合、第2のドメインからのコンテンツをブロックするための選択肢が提供されてもよい(ブロック408)。
【0035】
別の例において、第2のドメインのプライバシー慣行がクライアントの個人情報保護方針に適合しない場合、料金と引き換えに第2のドメインからのコンテンツを許可する選択肢が提供されてもよい(ブロック410)。例えば、匿名であっても、ユーザーは、自身のブラウジング履歴が公になることを望まないかもしれない。しかし、(例えば、ウェブサイトにおいて換金できるクレジット、現金支払など)料金が支払われれば、ユーザーはプライバシーに進んで目を瞑るかもしれない。
【0036】
さらなる例において、第2のドメインのプライバシー慣行がクライアントの個人情報保護方針に適合しない場合、第2のドメインの機能へのアクセスと引き換えに第2のドメインからのコンテンツを許可する選択肢が提供されてもよい(ブロック412)。この例における機能は、一般に、ウェブサイトにアクセスするユーザーに提供されるものではなく、個人的に識別可能な情報を匿名にしたり、より大きな記憶スペースを「スペース」ウェブサイトにおける描写のために提供したりするためなど、プライバシーについての懸念を示したユーザーへ提供される。様々な他の例もまた、その趣旨及び範囲から逸脱することなく考慮される。
結論
本発明は、構造的特徴及び/又は方法論の作用に特有の文言により説明されたが、添付の特許請求の範囲において規定された発明が特定の特徴又は作用に必ずしも限定されるものではないことが理解されるべきである。より正確に言えば、特定の特徴及び行為は、特許請求された発明を実施する例示的な形式として示されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントにおいて1つ以上のウェブページを得るステップ(302)であって、少なくとも1つの前記ウェブページは複数のドメインを介してそれぞれ提供される複数のコンテンツを含む、ステップと、
前記複数のコンテンツを提供するために使用された複数のドメインを識別するステップ(304)と、
各識別された前記ドメインについて、カウンターをそれぞれインクリメントするステップ(306)と、
それぞれの前記ドメインについての前記カウンターがしきい値を超える場合、それぞれの前記ドメインが前記クライアントを追跡する可能性を有することを示す通知を前記クライアントが出力するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記通知は、前記クライアントがそれぞれの前記ドメインからそれぞれの前記コンテンツを受信することになっていることを知ることから、それぞれの前記ドメインをブロックするために選択可能な選択肢を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ドメインの各々はユニフォーム・リソース・ロケーター(URL)技術により構成される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通知は、それぞれの前記ドメインからのコンテンツの後の受信をブロックするように選択可能な選択肢を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記選択肢は、選択されると、それぞれの前記ドメインがブロックされたドメインのリストに含まれるようにする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記通知は、それぞれの前記ドメインからの前記コンテンツの後の受信を許可するように選択可能な選択肢を含む請求項6に記載の方法。
【請求項7】
前記選択肢は、選択されると、それぞれの前記ドメインが許可されたドメインのリストに含まれるようにする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クライアントの追跡は、複数のウェブサイトを介して受信される前記コンテンツを通じた前記クライアントによるナビゲーションを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
単一のウェブページに対してそれぞれのコンテンツを提供するために使用される複数のドメインの各々が追跡されるように、複数のウェブページに含まれるコンテンツを提供するために使用される1つ以上のドメインを監視し、
特定の前記ドメインによって提供されるそれぞれの前記コンテンツの使用を追跡する可能性を特定の前記ドメインが有することを、前記1つ以上のドメインの監視から決定し、
特定の前記ドメインからのそれぞれの前記コンテンツの後の検索をブロックするための選択肢を提供する
ように実行可能な命令を含む1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項10】
前記ドメインの各々はユニフォーム・リソース・ロケーター(URL)技術により構成される請求項9に記載の1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項11】
前記命令は、前記命令を実行するクライアントがそれぞれの前記ドメインからそれぞれの前記コンテンツを受信する回数に少なくとも部分的に基づいて、前記特定のドメインが前記使用を追跡する可能性を有することを決定するようにさらに実行可能である請求項9に記載の1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項12】
前記命令は、前記命令を実行するクライアントがそれぞれの前記ドメインからそれぞれの前記コンテンツを受信するウェブページの数に少なくとも部分的に基づいて、前記特定のドメインが前記使用を追跡する可能性を有することを決定するようにさらに実行可能である請求項9に記載の1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項13】
前記選択肢の選択により前記特定のドメインがブロックリストに含められる、請求項9に記載の1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記命令は、特定の前記ドメインからのそれぞれの前記コンテンツの後の検索を許可するための選択肢を提供するようにさらに実行可能である請求項9に記載の1つ以上のコンピューター読み取り可能な媒体。
【請求項15】
第1のドメインから得られるウェブページが第2のドメインからのコンテンツを含むものであることを確認し、
前記第2のドメインが個人情報保護方針に適合するプライバシー慣行を有するか否かに基づいて前記第2のドメインからのコンテンツへのアクセスを管理する
ように構成される、個人情報保護方針及び1つ以上のモジュールを含むクライアント。
【請求項16】
前記ドメインはユニフォーム・リソース・ロケーター(URL)技術により構成される請求項15に記載のクライアント。
【請求項17】
前記アクセスの管理は、前記第2のドメインからの前記コンテンツをブロックするための選択肢の選択に少なくとも部分的に基づく請求項15に記載のクライアント。
【請求項18】
前記アクセスの管理は、前記第2のドメインを介して提供される少なくとも1つの機能へのアクセスと引き換えに前記第2のドメインからの前記コンテンツを許可するための選択肢の選択に少なくとも部分的に基づく請求項15に記載のクライアント。
【請求項19】
前記アクセスの管理は、料金と引き換えに前記第2のドメインからの前記コンテンツを許可するための選択肢の選択に少なくとも部分的に基づく請求項15に記載のクライアント。
【請求項20】
前記1つ以上のモジュールは、前記第2のドメインのプライバシー慣行を詳述する、前記第2のドメインについての個人情報保護方針を得るようにさらに構成される請求項15に記載のクライアント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−507104(P2011−507104A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538035(P2010−538035)
【出願日】平成20年11月24日(2008.11.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/084549
【国際公開番号】WO2010/019167
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】