説明

ウェブページ閲覧装置及びウェブページ閲覧プログラム

【課題】 ウェブページについての直感的な全体情報の把握と分かり易い閲覧を可能とする。
【解決手段】 仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部11と、インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するリンク解析部12と、リンク解析部により得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付け部13と、展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部14と、仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインターネットで公開されているウェブページの閲覧装置及びプログラムに関し、特に、ウェブページで公開されている遺跡、郷土資料、植物標本などのデジタル資料をより効率的かつわかりやすく閲覧できるようにするためのウェブページ閲覧装置及びウェブページ閲覧プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上では、遺跡、郷土資料、植物標本などのデジタル資料がウェブページとして大量に公開されている。これらデジタル資料を閲覧する際には、ウェブページの閲覧方法と同様に、リンクを辿りページごとに表示された内容を閲覧する方法が一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウェブページの情報はハイパーリンク構造となっており、複雑な構造の情報表現には適しているが、関連情報の全体像を把握するのは困難である。デジタル資料を閲覧する際には、個々の情報の閲覧だけでなく、資料全体を把握することが必要であり、従来のウェブページの構造は適していない。なお、デジタル資料の公開方法としてウェブページ以外の手法を利用する方法がある。しかし、かかる方法においては標準的な構造が決まっておらず、様々な形態のものが乱立するという問題や、すでにウェブページとして存在していて、データの変換にコストがかかるといった問題がある。
【0004】
本発明は、ウェブページの構造を自動的に解析し、実世界で慣れ親しんでいる三次元構造物へのマッピングを行うことで、直感的な全体情報の把握とわかりやすい閲覧を可能とするウェブページ閲覧装置及びウェブページ閲覧プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するリンク解析部と、前記リンク解析部により得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付け部と、前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部とを備えるものである。
【0006】
また、本発明は、ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、前記複数の展示スペースに対応してテーマを設定するテーマ設定部と、ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、前記テーマ選別部により選別されたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応する展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部とを備えるものである。
【0007】
また、本発明は、ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、前記複数の展示スペース間の物理的な距離を計算する展示スペース距離計算部と、前記展示スペース距離計算部により計算された展示スペース間の距離と前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離を対応付けて、各展示スペースに展示するテーマを割り付けるテーマ割り付け部と、前記テーマ割り付け部により割り付けられたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、該テーマが割り付けられた展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部とを備えるものである。
【0008】
また、本発明は、ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離に基づいて、展示スペースを組み合わせた展示室を自動的に生成し、さらに展示室を組み合わせて展示場を自動的に生成する自動レイアウト部と、前記自動レイアウト部により生成された展示場の展示スペースにテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてを貼り付ける貼り付け部と、前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部とを備えるものである。
【0009】
また、本発明は、ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成ステップと、インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するツリー解析ステップと、前記ツリー解析ステップにより得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付けステップと、前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付けステップと、前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップとをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ウェブページの構造と内容をそのまま活かし、ウェブページの表現方法として三次元ウォークスルー閲覧機能を付加価値として提供することが可能となる。
また、本発明によれば、現実世界と同じような建造物内にデジタル資料を配置した展示場を、既にデジタル資料が公開されているウェブページの情報から自動的に生成することにより、情報の全体像を容易に把握でき、直感的で効率のよい閲覧を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
実施の形態1.
図1に実施の形態1に係るウェブページ閲覧装置のブロック構成図を示す。このウェブページ閲覧装置は、仮想建造物作成部11と、リンク解析部12と、ページ割り付け部13と、自動貼り付け部14と、仮想展示場閲覧部15とを備える。
【0013】
仮想建造物作成部11は、ウェブページを展示するための仮想三次元建造物を、オペレータが操作することによって電子データにより作成する。リンク解析部12は、インターネットにおけるウェブページのリンク関係を解析し、ウェブページをトップページからのリンク数によって階層化し、ウェブページのツリー構造を取得する。ページ割り付け部13は、仮想建造物作成部11で作成された仮想三次元建造物の壁や展示台、机といった展示スペースごとに、リンク解析部12で計算した階層、あるいはパスを対応させる。
【0014】
自動貼り付け部14は、仮想建造物作成部11で作成された仮想三次元建造物の各展示スペースに、ページ割り付け部13によって割り付けられたページのサムネイル画像を自動的に貼り付ける。このとき、自動貼り付け部14は、展示スペースの大きさとその展示スペースに展示するサムネイル画像の数を解析し、展示スペースに合った大きさで各サムネイル画像を貼り付ける位置・大きさを決定する。
【0015】
仮想展示場閲覧部15は、仮想建造物作成部11で作成された仮想三次元建造物内をオペレータの操作によってウォークスルーするかのように、現実世界の博物館や美術館を訪問するのと同様に、仮想三次元建造物内の各展示スペースに展示されているサムネイル画像を閲覧させる。
【0016】
図12は、コンピュータ画面において、この閲覧状態を示した図であり、展示場の壁50、机60などの展示スペースにサムネイル画像70が展示され、この展示場(仮想の建造物)内を例えば、適所をクリックするなどしてウォークスルーしている状況下でウェブページを閲覧することができる。
【0017】
次に実施の形態1の動作について説明する。
まずはオペレータが仮想建造物作成部11により、デジタル資料を展示するための仮想三次元建造物を作成する。仮想三次元建造物は閲覧者があらかじめ作成してもよいし、ウェブページ管理者がそのウェブページ閲覧用にあらかじめ準備したものを取得してもよい。また、第三者が作成し公開しているものを利用してもよい。
【0018】
閲覧者が閲覧するウェブページのトップページを指定すると、リンク解析部12が、指定されたトップページからリンクが張られている同サイト内のページをすべて取得し、トップページからのリンクによってツリー構造を生成する。一般的にウェブページは網構造になっているが、トップページからそのページに至るまでに辿るリンク数をリンク距離とし、その距離が最も小さくなるトップページからのパス以外のリンクを削除することによって網構造をトップページを根としたツリー構造に変換できる。
【0019】
リンク数が同じパスが複数存在する場合には、任意のパスを選択する。ツリー構造が生成されたら、ページ割り付け部13により仮想三次元建造物の展示スペースに展示するツリー構造のノードを割り付ける。割り付け方は、ある展示スペースにはリンク距離「1」のページ、次の展示スペースにはリンク距離「2」のページというように横断的に情報を提示するための割り付け方法でもよいし、トップページからのパスにそってリンク距離「1」のページ、リンク距離「2」のページと辿っていくように縦断的に情報を提示するための割り付け方法でもよい。
【0020】
次に自動貼り付け部14において、仮想建造物作成部11により作成された仮想三次元建造物の各展示スペースに対して、ページ割り付け部13によって割り付けられたページのサムネイル画像を配置する。
【0021】
これにより、適切な展示スペースにウェブページが展示された仮想展示場が完成し、仮想展示場閲覧部15によって、この仮想展示場内をウォークスルーして、ウェブページを閲覧することが可能となる。
【0022】
以上の動作をより具体的に説明するため、図10(a)のような網構造を持ったウェブページを閲覧する例を図2のフローチャートを用いて説明する。なお、図10(b)はウェブページのツリー構造を示す図である。
【0023】
閲覧者はあらかじめウェブページを展示する博物館のモデルを準備する(S101)。この場合、ディスプレイに仮想三次元空間を表示し、その空間にあらかじめ作成されている壁や机といった部品を組み立てていくことによって博物館モデルを作成する。モデルの作成は、CADシステムや三次元モデリングシステムなどを使って、一から作成してもよいし、実在する建造物のCADデータを取り込んでも良い。
【0024】
閲覧者はこのように博物館モデルを用意しておき、この博物館モデルを使ってウェブページを閲覧する。閲覧者は自分で博物館モデルを作成するのではなく、第三者が作成し公開しているものを利用してもよい。また博物館モデルを複数用意しておき、好みに応じて選択した博物館モデルを使ってウェブページを閲覧してもよい。さらに、ウェブページ閲覧時に、閲覧しようとしているウェブページの管理者がそのウェブページ閲覧用にあらかじめ準備したものを取得し、それを利用してもよい。
【0025】
閲覧者はまず、閲覧するウェブページのトップページを指定する(S102)。すると本装置は指定されたトップページからのリンクを辿り、トップページと同サイトのページをすべて取得する(S103)。その後、それらページからリンク関係によりツリー構造を生成する(S104)。
【0026】
トップページからそのページに至るまでに辿るリンクの数をリンク距離とし、各ページのリンク距離を算出する。一般的にウェブページは網構造になっているため、ページに至るまでに辿るリンクパスは多数存在する。そこで、それらパスのうち、リンク距離が最も小さくなるパスのみを残すように不要なリンクを削除していくことで、トップページを根としたツリー構造に変換することができる。リンク数が同じパスが複数存在する場合には、任意のパスを選択する。図10に網構造のウェブページ(図10(a))をツリー構造(図10(b))に変換した例を示す。
【0027】
次に、どのページを博物館モデルのどの展示スペースに展示するかを割り当てる(S105)。割り付け方は、ある展示スペースにはリンク距離「1」のページ、次の展示スペースにはリンク距離「2」のページというように横断的に情報を提示するための割り付け方法でもよい(図11(a))し、トップページからのパスにそってリンク距離「1」のページ、リンク距離「2」のページと辿っていくように縦断的に情報を提示するための割り付け方法でもよい(図11(b))。また、展示スペースの数によって木構造を分割し、各部分木を割り付けるのでもよい(図11(c))。
【0028】
割り付けが決定したら、各展示スペースにページのサムネイル画像を配置する。まずは、展示スペースの大きさと、その展示スペースに割り付けられたページ数から、一つのページをどの程度の大きさでどのように配置するかを決定する(S106)。例えば、ページ数XをM×Nに並べて配置するように、展示スペースをM×Nに分割し、各領域のサイズからページのサムネイル画像の大きさを決定する方法がある。また、展示スペース内に、展示位置をそれぞれ一定以上の間隔が開くようにランダムに配置し、間隔の広さに応じて各ページのサムネイル画像の大きさを決定するなどの方法も考えられる。
【0029】
配置位置とサイズが決定したら、決定したサイズのサムネイル画像を作成し(S107)、そのサムネイル画像を指定位置に貼り付ける(S108)。さらに、そのページの元URLへのリンクをそのサムネイル画像に作成する(S109)。
【0030】
このように、ウェブページとして公開されている植物標本データを解析して、自動的にテーマに分類し博物館モデルに貼り付けることによって、実世界の博物館を訪れて閲覧するような直感的でわかりやすいインタフェースを持った仮想博物館を容易に作成することが可能となる。また、仮想博物館内の標本のサムネイル画像から元のウェブページにアクセスし三次元展示空間からウェブページの多次元接続網空間に行き来することができるため、情報表現手法が一気に広がり、わかりやすい表現方法を提示することができる。
【0031】
実施の形態2.
図3に実施の形態2のウェブページ閲覧装置のブロック構成図を示す。実施の形態2のウェブページ閲覧装置は、仮想建造物作成部11と、自動貼り付け部14と、仮想展示場閲覧部15と、テーマ設定部21と、テーマ選別部22とを備える。
ここで、仮想建造物作成部11と、自動貼り付け部14と、仮想展示場閲覧部15とは、図1に示した実施の形態1の各部と同一または相当物であり、ここでの説明を省略する。
【0032】
テーマ設定部21は、仮想建造物作成部11で作成された仮想三次元建造物の壁や展示台、机といった展示スペースごとに、その展示スペースに展示するデジタル資料のテーマを、オペレータが操作することによって設定する。
【0033】
テーマ選別部22は、ウェブページ上の各デジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を解析し、テーマ設定部21で設定されたテーマのうち、どのテーマに最も適しているかを選別する。
【0034】
選別方法としてはいくつかの方法が考えられ、キーワードの一致度によるものや、共通の被リンクページによるものなどがある。
【0035】
次に実施の形態2の動作について説明する。まずはオペレータが仮想建造物作成部11により、デジタル資料を展示するための仮想三次元建造物を作成する。次に作成した仮想三次元建造物の壁や展示台、机といった各展示スペースに対して、テーマ設定部21により展示するデジタル資料のテーマを指定する。
【0036】
次に、テーマ選別部22が指定されたウェブページからデジタル資料を探し出し、その資料のファイル名、リンク情報、資料のテキスト文やメタデータ、画像といった関連情報を抽出する。さらに、この関連情報を解析し、テーマ選別部22により設定されたテーマの中から最も適しているテーマを選別する。
【0037】
次に、自動貼り付け部14において、仮想建造物作成部11により作成された仮想三次元建造物の各展示スペースに対して、テーマ選別部22によって選別された、テーマに関連するデジタル資料を配置する。
【0038】
これにより、適切な展示スペースにデジタル資料が展示された仮想展示場が完成し、仮想展示場閲覧部15によって、この仮想展示場内をウォークスルーして、デジタル資料を閲覧することが可能となる。
【0039】
以上の構成により、ウェブページ上のデジタル資料から、デジタル資料を配置した仮想三次元建造物を自動的に作成し、実空間で博物館や美術館を訪問した感覚でのデジタル資料閲覧を実現する。
【0040】
以上の動作をより具体的に説明するため、ウェブページ上で公開している植物標本の資料を展示する仮想博物館を作成する例を想定して、その動作を図4、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まずは、植物標本を展示する博物館のモデルを作成する(S201)。ディスプレイに仮想三次元空間を表示し、その空間にあらかじめ作成されている壁や机といった部品を組み立てていくことによって博物館モデルを作成する。モデルの作成は、CADシステムや三次元モデリングシステムなどを使って、一から作成してもよいし、実在する建造物のCADデータを取り込んでも良い。
【0042】
さらに、作成した博物館モデルに対して、植物標本を展示する壁や展示台、机などの部品を指定する(S202)。各展示スペースには、対応する展示スペースIDを割り振る(S203)。
【0043】
次に、各展示スペースに対してテーマ名を設定する(S204)。例えば、一つのある壁Aには高山地帯の植物に関する資料を、それにとなり合う他の一つの壁Bにはコケ類に関する資料を展示する、といった設定を行う。このとき、そのテーマに関連するキーワードを複数入力しておく(S205)。
【0044】
次にオペレータは植物標本を公開しているウェブページのトップページを指定する(S206)。するとシステムがそのトップページからリンクされているすべてのウェブページを探索し、すべてのデータを収集する(S207)。さらに、システムは各データが植物標本なのかどうかを判定し(S208)、植物標本データの画像、テキスト文、リンク情報、URLを格納する(S209)。
【0045】
植物標本かどうかの判定は、植物標本のフォーマットが決まっている場合には、そのフォーマットで記述されているかどうかで行う。フォーマットが決まっていない場合には、特定のキーワードの含有、画像の有無、植物名リストにある植物名の抽出などで行ってもよい。
【0046】
次に、各植物標本データのテキスト文を形態素解析し(S210)、テキスト文に含まれるテーマ名とテーマに関連するキーワードの数をカウントする(S211)。そして、テーマ名・キーワードが最も多く含まれているテーマにその植物標本データを割り当てる(S212)。
【0047】
テーマの選別方法としては、他にもテーマ名を含むページからの被リンク数のカウントなどリンク関係を利用したり、植物標本のうちの特定のデータ(生息地、大きさなど)を利用して分類するのでもよい。
【0048】
各植物標本のテーマが決定したら、テーマの割り当てられている展示スペースに植物標本を配置する。
【0049】
まずは、展示スペースの大きさと、テーマに割り当てられた植物標本数から、一つの植物標本をどの程度の大きさでどのように配置するかを計算する(S213)。例えば、標本数XをM×Nに並べて配置するように、展示スペースをM×Nに分割し、各領域のサイズから標本サイズを決定する方法がある。また、展示スペース内に、展示位置をそれぞれ一定以上の間隔が開くようにランダムに配置し、間隔の広さに応じて各標本の大きさを決定するなどの方法も考えられる。
【0050】
さらに、どの位置にどの植物標本を展示するかを決定する(S214)。あるページからそれぞれの植物標本にリンクが張られている場合には、そのリンクの順番によって展示位置を決定する。他にも、テキスト文内のキーワードの数の類似度によって順番を決定したり、画像の色などの特徴の類似度、大きさなどのデータの順序で決定してもよい。
【0051】
配置位置とサイズが決定したら、植物標本データの画像から、決定したサイズのサムネイル画像を作成し(S215)、そのサムネイル画像を指定位置に貼り付ける(S216)。さらに、その植物標本が公開されていたウェブページへのリンクをそのサムネイル画像に作成する(S217)。
【0052】
このように、ウェブページとして公開されている植物標本データを解析して、自動的にテーマに分類し博物館モデルに貼り付けることによって、実世界の博物館を訪れて閲覧するような直感的でわかりやすいインタフェースを持った仮想博物館を容易に作成することが可能となる。また、仮想博物館内の標本のサムネイル画像から元のウェブページにアクセスし三次元展示空間からウェブページの多次元接続網空間に行き来することができるため、情報表現手法が一気に広がり、わかりやすい表現方法を提示することができる。
【0053】
実施の形態3.
図6に実施の形態3のウェブページ閲覧装置のブロック構成図を示す。実施の形態3のウェブページ閲覧装置は、実施の形態2で示した構成に加えて、さらにテーマ距離計算部31と、展示スペース距離計算部32と、テーマ割り付け部33を備える。
【0054】
テーマ距離計算部31は、テーマ選別部22によってテーマごとに分類されたデジタル資料群間の資料の内容やリンク情報を基にしたテーマ間の関係度合いを表す距離を計算する。関係度合いを表す距離はいくつかの方法が考えられ、二つのテーマのそれぞれのデジタル資料間のリンク距離の平均や、二つのテーマのデジタル資料間に同時に使用されているキーワードの数とその出現回数から計算するものなどがある。
【0055】
展示スペース距離計算部32は、仮想建造物作成部11で作成された仮想三次元建造物の壁や展示台、机といった展示スペース間の距離を計算する。このときの距離は、単純な物理距離ではなく、部屋やフロアといった、仮想建造物内をウォークスルーするときの移動距離に対応して定められる距離である。
【0056】
テーマ割り付け部33は、テーマ距離計算部31で計算された各テーマ間の距離と、展示スペース距離計算部32で計算された各展示スペース間の距離とを対応付け、テーマ間の距離が反映されるように各テーマの展示スペースを決定する。
【0057】
次に実施の形態3の動作について説明する。
実施の形態2の説明と同様に、オペレータは仮想建造物作成部11およびテーマ設定部21を利用して仮想三次元建造物と展示するテーマを作成するが、仮想三次元建造物の各展示スペースにテーマを割り当てる必要はない。
【0058】
テーマ選別部22によって各デジタル資料を展示するテーマを選別すると、テーマ距離計算部31によってテーマ間の距離計算を行う。このとき、二つのテーマの間の距離は、それぞれのテーマに割り当てられたデジタル資料間の距離を基に計算される。
【0059】
さらに、展示スペース距離計算部32によって、仮想建造物作成部11によって作成された仮想三次元建造物の展示スペース間の距離を計算する。
【0060】
次にテーマ割り付け部33によってどの展示スペースにどのテーマのデジタル資料を割り付ければよいかを計算する。最後に自動貼り付け部14で割り付けられた通りにデジタル資料を展示スペースに配置することにより、仮想展示場を完成させることができる。
【0061】
以上の構成により、展示スペースにテーマを割り振る手間を省くことができ、より大きなデジタル資料のための仮想展示場を効率的に作成することが可能となる。
【0062】
以上の動作をより具体的に説明するため、実施の形態2と同様の例を想定し、実施の形態2と異なる部分についての動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
実施の形態3では、展示スペースとテーマの対応付けは自動的に行われるため、実施の形態2における図5のステップS204,205に示したように、展示スペースごとにテーマ名、キーワードを入力するのではなく、展示スペースに関係なくテーマを列挙する。
【0064】
また、展示スペースとテーマの対応付けのために、ステップS212で示した植物標本へのテーマ割り当てがすべての植物標本に対して終了した後に、図7に示すフローチャートが実行される。
【0065】
図7に示す動作では、まず二つのテーマの組み合わせすべてに対して、そのテーマ間の距離計算が行われる。最初にそれぞれのテーマごとに割り当てられた植物標本のすべてのテキスト文に出現するキーワード頻度リストを作成する(S301)。それぞれのテーマを、出現キーワードを軸とし出現数をその軸の値としたベクトルで表し、ベクトル間の距離を計算する(S302)。この距離をテーマ間の距離とする。
【0066】
このとき、テーマを表すベクトルを、出現数上位数十件のキーワードに限定し、計算量を少なくしてもよい。また、テーマ間の距離を、キーワード出現頻度ではなく、リンク先、被リンク元の一致度や、二つのテーマの植物標本間のリンク距離(一方から他方へアクセスするために辿るリンク数)の平均としてもよい。
【0067】
また、仮想三次元建造物の展示スペース間の距離も計算する。仮想三次元空間建造物を、部屋、フロア、館といった物理的な固まりに分類する(S303)。部屋間、フロア間、館間の距離を移動距離によって計算し(S304)、二つの展示スペースの組み合わせすべてに対して距離を計算する(S305)。
【0068】
次に、必要であれば展示スペースとテーマの対応付けを一部指定する(S306)。ここで指定した対応は、以降の処理においても維持される。すべての対応付けを自動で行う場合には指定しなくてもよい。
【0069】
最後に、展示スペースとテーマの対応付けを自動的に行う。展示スペースの部屋、フロア、館といった階層的なカテゴリ構造に合わせて、テーマをカテゴリ化する(S307)。このとき、ステップS302で作成したベクトルを用いて、ベクトル分布の偏りに応じたカテゴリ化を行う。
【0070】
そして、カテゴリ間の距離に応じてそれぞれの部屋、フロア、館に展示するテーマのカテゴリを決定する(S308)。さらに、部屋内の展示スペースに対して、展示スペース間の距離に応じて、展示スペースに展示するテーマを決定する(S309)。
【0071】
以上の処理により、仮想三次元建造物の各展示スペースにテーマを割り当てる作業を行わなくても、内容が似ているテーマが集まるように自動的に割り当てが行われるため、仮想博物館の作成コストを削減することが可能となる。
【0072】
実施の形態4.
図8に実施の形態4のウェブページ閲覧装置のブロック構成図を示す。実施の形態4では、実施の形態3に示す仮想建造物作成部11と、展示スペース距離計算部32と、テーマ割り付け部33とに代えて、自動レイアウト部41を備える。
【0073】
自動レイアウト部41は、テーマ距離計算部31で計算された各テーマ間の距離に応じて、テーマを貼り付ける展示スペースを、展示室、フロアといった単位に組み立て、自動的に仮想三次元建造物を生成する。
【0074】
展示スペースの組み立てはいくつかの方法が考えられ、テーマを階層構造に分類し、各階層の分類に応じて展示室やフロアなどの展示スペースグループを生成する方法や、テーマを展示室に割り当て、テーマ間の関係を展示室間のドアで表現するなどがある。
【0075】
次に実施の形態4の動作について説明する。
実施の形態4では、オペレータはテーマ設定部21によって展示するテーマのみを設定する。実施の形態1〜3のように仮想三次元建造物を予め作成する必要はない。
【0076】
テーマ選別部22およびテーマ距離計算部31によって、各テーマにデジタル資料が割り振られ、テーマ間の距離が決定すると、自動レイアウト部41によって、テーマ間の距離に応じて仮想三次元建造物が構築される。
【0077】
この建造物に自動貼り付け部14でデジタル資料を配置することにより、仮想展示場を完成させることができる。
【0078】
以上の構成により、展示用の仮想三次元建造物を作成する手間を省くことができ、より短期間でデジタル資料のための仮想展示場を効率的に作成することが可能となる。
【0079】
以上の動作をより具体的に説明するため、実施の形態3と同様の例を想定し、実施の形態3と異なる部分についての動作を図9のフローチャートを用いて説明する。
【0080】
実施の形態4では、実施の形態3における展示スペースとテーマの対応付けステップS306〜ステップS309を図9に示す処理フローに置き換える。また、仮想建造物は作成しないため、実施の形態3のステップS101〜ステップS103の処理は必要ない。
【0081】
まず、テーマを距離に応じてカテゴリ化する(S401)。カテゴリ化手法は図7のステップS307と同じでよいが、ステップS307では仮想三次元建造物の構造に合わせてカテゴリを生成したのに対し、ここではデータの分布だけに従ってカテゴリ化を行ってよい。
【0082】
次に、生成した最下位のカテゴリに対応する仮想三次元建造物の部屋を生成する(S402)。部屋にはそのカテゴリに属するテーマの数に応じて壁や展示台、机を配置する(S403)。さらに、一段上のカテゴリに対応するフロアを生成し(S404)、部屋を距離に応じて配置する(S405)。同様に、館を生成し(S406)、フロアを配置する(S407)。
【0083】
以上の処理により、内容が似ているテーマが集まるように自動的に仮想三次元建造物が生成されるため、仮想三次元建造物を作成する作業を行わなくて済み、仮想博物館の作成コストを削減することが可能となる。ここでは植物標本の仮想博物館の例を示したが、他にも、写真を展示する仮想ギャラリーや、映像を展示する仮想映画館なども容易に作成することができる。
【0084】
なお、本発明におけるウェブページ閲覧プログラムは、コンピュータにより読取り可能な記憶媒体に記憶されることができて、各実施の形態のフローチャートに示したステップをコンピュータに実行させる。ここで、上記コンピュータにより読取り可能な媒体には、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、更に回線上の伝送媒体をも含むものである。
(付記1)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するリンク解析部と、
前記リンク解析部により得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付け部と、
前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
(付記2)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
前記複数の展示スペースに対応してテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応する展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
(付記3)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、
前記複数の展示スペース間の物理的な距離を計算する展示スペース距離計算部と、
前記展示スペース距離計算部により計算された展示スペース間の距離と前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離を対応付けて、各展示スペースに展示するテーマを割り付けるテーマ割り付け部と、
前記テーマ割り付け部により割り付けられたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、該テーマが割り付けられた展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
(付記4)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、
前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離に基づいて、展示スペースを組み合わせた展示室を自動的に生成し、さらに展示室を組み合わせて展示場を自動的に生成する自動レイアウト部と、
前記自動レイアウト部により生成された展示場の展示スペースにテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてを貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
(付記5)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成ステップと、
インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するツリー解析ステップと、
前記ツリー解析ステップにより得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付けステップと、
前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付けステップと、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップと
をコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラム。
(付記6)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成ステップと、
前記複数の展示スペースに対応してテーマを設定するテーマ設定ステップと、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定ステップにより設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別ステップと、
前記テーマ選別ステップにより選別されたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、前記テーマ設定ステップにより設定されたテーマに対応する展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付けステップと、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップと
をコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラム。
(付記7)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成ステップと、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定ステップと、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定ステップにより設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別ステップと、
前記テーマ選別ステップにより選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算ステップと、
前記複数の展示スペース間の物理的な距離を計算する展示スペース距離計算ステップと、
前記展示スペース距離計算ステップにより計算された展示スペース間の距離と前記テーマ距離計算ステップにより計算されたテーマ間の距離を対応付けて、各展示スペースに展示するテーマを割り付けるテーマ割り付けステップと、
前記テーマ割り付けステップにより割り付けられたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、該テーマが割り付けられた展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付けステップと、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップと
をコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラム。
(付記8)ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定ステップと、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別ステップと、
前記テーマ選別ステップにより選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算ステップと、
前記テーマ距離計算ステップにより計算されたテーマ間の距離に基づいて、展示スペースを組み合わせた展示室を自動的に生成し、さらに展示室を組み合わせて展示場を自動的に生成する自動レイアウトステップと、
前記自動レイアウトステップにより生成された展示場の展示スペースにテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてを貼り付ける貼り付けステップと、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップと
をコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の具体的動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態2を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2の具体的動作を示すフローチャートその1である。
【図5】実施の形態2の具体的動作を示すフローチャートその2である。
【図6】実施の形態3を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3の具体的動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態4を示すブロック図である。
【図9】実施の形態4の具体的動作を示すフローチャートである。
【図10】ウェブページの網構造からツリー構造への変換を示す図である。
【図11】ページ割り付けの例を示す図である。
【図12】コンピュータ画面における仮想建造物内の展示場を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
11 仮想建造物作成部、12 リンク解析部、13 ページ割り付け部、14 自動貼り付け部、15 仮想展示場閲覧部、21 テーマ設定部、22 テーマ選別部、31 テーマ距離計算部、32 展示スペース距離計算部、33 テーマ割り付け部、41 自動レイアウト部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するリンク解析部と、
前記リンク解析部により得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付け部と、
前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
【請求項2】
ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
前記複数の展示スペースに対応してテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応する展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
【請求項3】
ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成部と、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係及び資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、
前記複数の展示スペース間の物理的な距離を計算する展示スペース距離計算部と、
前記展示スペース距離計算部により計算された展示スペース間の距離と前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離を対応付けて、各展示スペースに展示するテーマを割り付けるテーマ割り付け部と、
前記テーマ割り付け部により割り付けられたテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてが、該テーマが割り付けられた展示スペースに貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
【請求項4】
ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行えるようにするウェブページ閲覧装置であって、
ウェブページ閲覧のために、展示しようとするテーマを設定するテーマ設定部と、
ウェブページ上のデジタル資料に対して、ファイル名、リンク情報、資料の内容を取得し、それらの内容に対応するテーマであって、前記テーマ設定部により設定されたテーマに対応するテーマを選別するテーマ選別部と、
前記テーマ選別部により選別されたテーマのうちから任意の二つのテーマに対してデジタル資料同士のリンク関係および資料内のテーマに関するキーワードの共起関係によりテーマ間の距離を計算するテーマ距離計算部と、
前記テーマ距離計算部により計算されたテーマ間の距離に基づいて、展示スペースを組み合わせた展示室を自動的に生成し、さらに展示室を組み合わせて展示場を自動的に生成する自動レイアウト部と、
前記自動レイアウト部により生成された展示場の展示スペースにテーマに対応するデジタル資料についてのサムネイル画像のすべてを貼り付ける貼り付け部と、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧部と
を備えるウェブページ閲覧装置。
【請求項5】
ウェブページより取得される複数のサムネイル画像を表示させてウェブページの閲覧を行うことをコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラムであって、
コンピュータディスプレイに表示することができる仮想的な建造物を電子データにより構築し、該建造物の少なくとも壁、机を含む複数の所定の展示スペースを構築する仮想建造物作成ステップと、
インターネット上でウェブページを解析してツリー構造に変換するツリー解析ステップと、
前記ツリー解析ステップにより得られたツリー構造の各部を前記複数の展示スペースのそれぞれに対して割り付けて展示場を構成するページ割り付けステップと、
前記展示スペースに割り付けられたページのサムネイル画像のすべてが貼り付けられるようにサムネイル画像の大きさと位置を調整して貼り付ける貼り付けステップと、
前記仮想的な建造物内をウォークスルーするようにウェブページを閲覧させる仮想展示場閲覧ステップと
をコンピュータに実行させるウェブページ閲覧プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−107358(P2006−107358A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296529(P2004−296529)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【Fターム(参考)】