説明

ウェブ屈曲装置および方法

ウェブ(330)を屈曲する装置および方法が開示されている。ウェブは、小さな調整可能なギャップにより分離された、ローラまたはベルト(331、312、321、322)といった2つの共回転部材を通過する。ウェブは、第1の回転部材周囲を移動し、ギャップ近傍で剥れ、小半径で自身に湾曲し、第2の共回転部材に再付着する。半径位置を感知し、2つの部材の相対速度を制御する、閉ループ制御システムで小半径の位置を固定する。ウェブの歪みを小半径のサイズで調整する。これは、調整可能なギャップおよび半径位置により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、ウェブの取扱い、特にウェブを屈曲させて、永久歪みを起こすことに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ取扱い操作において、多層ウェブには湾曲が存在することが多い。湾曲は、ウェブに外力がないときに、略平坦または平面配向から逸れるウェブの傾向と定義される。多層ウェブシステムにおいては、湾曲は、一緒にラミネートされるウェブの歪みと慎重に合わせることにより制御できる。直接コートされる製品においては、かかる歪み合わせはかなり複雑である。
【0003】
湾曲は、入ってくるウェブの歪みと慎重に合わせることによりラミネート多層ウェブにおいて制御することができる。湾曲は、直接コートされる製品においては制御するのは難しく、バッキングが高張力および高温下におかれるときはとりわけであり、大きな歪みとなる。一方、コーティングは、略ゼロの歪みで硬化する。張力、温度および硬化収縮から起きた歪みが層間で合わない場合には、最終製品が平坦とならない。
【0004】
屈曲は、研磨剤を製造するプロセスに用いるプロセスである。屈曲は、研磨物品のメイク−ミネラル−サイズコーティングを破損させる。このプロセスによって、研磨製品は可撓性となり、湾曲する傾向が減じる。小半径に研磨剤の(未コートの)裏側をスライドさせたり、または小さな回転バーを用いて研磨剤をゴムローラに押し付けるのは一般的な屈曲技術である。これらの技術は、製品が研磨剤側に湾曲する傾向があるたいていの場合非常に良好に機能する。これらの技術は、製品損傷およびツール摩耗のために、接触側にコートされた研磨剤と共に用いることはできない。
【0005】
ポリマーの付いた研磨製品は、直接コートすると、バッキングに向かって湾曲する傾向がある。最大硬化収縮およびバッキングモジュラスと共に最低線張力および硬化温度は、湾曲の問題を最小にするのに役立ち得るが、制限がある。かかる最適化でも許容されない製品の湾曲となる場合には、過剰の引張り歪みをバッキングから取り除く必要がある。これは、熱応力緩和、またはバッキングを機械的に降伏させることにより行うことができる。バッキングを対象物の小半径の外側に曲げてバッキングの降伏点に応力をかけると、バッキングに永久伸びが生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ウェブを横方向に屈曲させるシステムに関する。本システムは、ウェブ経路を有するウェブ取扱い装置を含み、ウェブ経路は、ウェブを屈曲させて、ウェブの横方向に塑性歪みを起こす手段を含む。特定の実施形態において、屈曲させる手段は、第1のベルトおよび第2のベルトを含むベルトアセンブリを含み、第1のベルトは、第1の移動ラインを有する第1の表面を有し、第2のベルトは、第2の移動ラインを有する第2の表面を有し、第1の移動ラインおよび第2の移動ラインは、互いに対して角度をなして配向されている。特定の実施形態において、移動ラインは実質的に垂直に配向されている。
【0007】
本発明の一態様は、ウェブに永久横方向歪みを付与するシステムに関する。本システムは、第1の屈曲アセンブリを有するウェブ取扱い装置を含む。第1の屈曲アセンブリは、第1のベルトと第2のベルトとその間のギャップとを有する。ウェブ経路は、第1の屈曲アセンブリを通して形成され、ウェブ経路は、第1のベルトに沿った第1の部分と、第2のベルトに沿った第2の部分と、第1のベルトと第2のベルトとの間のギャップに第3の部分とを含む。第3の部分は、ウェブの永久歪みを付与するのに十分に小さい半径を有する円弧セグメントを有する。ウェブ経路の第1の部分の移動方向は、ウェブ経路の第2の部分の移動方向に対して角度をなしている。
【0008】
本発明の一態様は、ウェブを屈曲させる方法に関する。本方法は、第1のウェブ取扱いアセンブリに沿った第1の部分と、第2のウェブ取扱いアセンブリに沿った第2の部分と、第1のウェブ取扱いアセンブリと第2のウェブ取扱いアセンブリとの間のギャップにあって、半径を有する円弧セグメントを有する第3の部分とを有するウェブ経路を作製する工程を含む。ウェブ経路の第1の部分の移動方向は、ウェブ経路の第2の部分の移動方向に対して実質的に垂直である。ウェブはウェブ経路を通過して、ウェブに塑性横方向歪みを起こす。
【0009】
添付の図面を参照して本開示内容をさらに説明する。いくつかの図面中、同じ構造は同じ数字で参照されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
例示的な実施形態の以下の説明において、その一部を形成する添付の図面と例示のために示した本開示内容を実施する例示的な実施形態を参照する。他の実施形態を用いたり、構造上または論理的な変更を本開示内容の範囲から逸脱することなく行えるものと考えられる。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味ではとられず、本開示内容の範囲は添付の特許請求の範囲により定義される。
【0011】
本開示内容は、ウェブから湾曲を取り除くのに用いることのできる、ウェブに横方向歪みを起こすシステムおよび方法に関する。あるいは、本システムを用いるとまた、ウェブに所定の湾曲を付与することもできる。本システムおよび方法は、単層または多層のウェブに用いることができる。本システムは、その間にギャップを有する第1および第2のベルトを有する屈曲アセンブリを含む。第1と第2のベルトは協働して、ウェブ経路を作製し、ウェブは第1の配向で第1のベルトに入り、第2のベルトと接触する前にギャップにおいてフリップされて、第1の配向とは異なる第2の配向でウェブを押し付ける。一般的に、ウェブ全体の均一な歪み分布のために、第1の配向と第2の配向とは実質的に垂直である。ただし、所望の歪み分布に応じて多少角度がついていてもよい。また、異なる方向にウェブに歪みをそれぞれ付与する、多数の屈曲アセンブリを用いることもできる。
【0012】
ベルトは、所望のギャップをその間に作製するよう近接配置される。ギャップを通して第1のベルトの一部、次に第2のベルトを通過するウェブ経路を作製する。ウェブ経路を通過するウェブは、ギャップに円弧部分を含む。ウェブの円弧部分を所定の半径まで制御する。所定の半径を選択して、ウェブに設定歪みを付与する。所定の半径は、後述する通り、経時により変化しうる。
【0013】
図1〜1Aに、ウェブを屈曲させて、ウェブに永久歪みを起こすシステム100の例示的な実施形態を示す。システム100は、第1の回転アセンブリ110と第2の回転アセンブリ120とを含む。図示した例示的な実施形態において、第1および第2の回転アセンブリ110、120はローラアセンブリ111、121である。各ローラアセンブリ111、121は、ローラ112、122と、ローラを支持する手段(ローラベアリングに接続されたフレーム(図示せず)など)とを含む。各ローラは、後述する制御システム150により駆動および制御される。ローラを近接配置するとギャップGが作製される。通常、ギャップGは、第1および第2のローラが互いに最も近い位置で画定される。
【0014】
ローラアセンブリ111、121は共回転する。すなわち、各ローラの固定軸に対して同じ方向A、A’に回転する。ウェブ経路Wがシステム100により形成される。ウェブ経路Wは、第1のローラ112を通過する第1の部分W1と、ギャップGを通過する第2の部分W2と、第2のローラ122を通過する第3の部分W3とを含む。ウェブ経路Wの第2の部分Wを制御して、円弧部分125を形成する。ウェブ130を円弧部分W2に通過させることにより、ウェブが屈曲し、ウェブの機械方向、すなわち、ウェブが動く方向に沿った方向に歪みが起きる。ウェブに起きた歪みの量は、円弧部分125の曲げ半径Rの関数である。代表的な金属について約0.2%、代表的なプラスチックスについて2.0%、ウェブをその塑性変形または塑性降伏点を超えてウェブを屈曲させることにより、永久歪みをウェブの屈曲部分に付与することができる。当業者であれば、ウェブの弾性限界は、例えば、マサチューセッツ州カントンのインストロン社(INS(登録商標)TRON Co.,Canton, Massachusetts)より入手可能なメカニカルテスター型番4504を用いて行えるような様々な標準的測定技術により求めることができる。
【0015】
ウェブを屈曲させるために、ウェブを2つの共回転部材およびギャップに通過させる。一般的に、ウェブは、例えば、静電ピンニングワイヤ(図1Aの140)、空気圧または真空、接着剤、または例えば、フック・アンド・ループファスナーのような係合部材などの保持手段により共回転部材に対して保持される。保持手段を用いることによって、各共回転部材のウェブの出入り点T、T’を制御することができる。同じ方向に回転するローラにより生じるような、ウェブをギャップから動かす傾向も防止する。ウェブを共回転部材に対して保持するのに用いることのできる保持手段の一例としては、ペンシルバニア州ハットフィールドのSIMCOインダストリアルスタティックコントロール(SIMCO Industrial Static Control,Hatfield,Pennsylvania)よりテトリス(TETRIS)という商品名で入手可能な充填バーがある。
【0016】
通常、ウェブは、第1の共回転部材周囲を動き、ギャップ近傍のT点で剥がれる。ウェブは、小半径R(円弧部分125で)で自身に巻き戻って、第2の共回転部材のT’点で再付着する。説明した例示的な実施形態において、円弧部分125の位置は、円弧部分125の位置を感知し、2つの回転部材の相対速度を制御する閉ループ制御システム150で固定する。
【0017】
ウェブの半径Rのサイズは、ギャップのサイズおよびウェブがギャップに延びるか、またはギャップを通る距離を制御することにより変えることができる。例示的な一実施形態において、ウェブ半径Rは、センサ160を用いて、ギャップGの円弧部分125の位置(固定ギャップ寸法)を感知することにより制御できる。これは、円弧部分125の曲率(半径)は、部分125がギャップへ延びる距離、材料の厚さおよびウェブがローラと接触しなくなる接線点T、T’に応じて異なるためである。円弧部分125のウェブ曲率の関係がいったん決まると、センサ160を用いて、ギャップGにあるウェブの円弧部分125の位置が測定される。センサ160は、プログラマブル・コントローラなどのローラを制御する手段に信号を送って、システムの操作を調整して、円弧部分125を位置付けして所望の曲率を得ることができる。例えば、円弧部分125がギャップGへとあまり遠くへ動いてしまったことをセンサが検出すると、ローラの相対速度を調整して、ギャップGに円弧部分125を適切に再配置させることができる。1つの方法は、第1のローラに対して第2のローラの速度を増大させることであり、これにより、円弧部分125をギャップGに動かす傾向がある。あるいは、円弧部分125が適宜再配置されるまで、第1のローラの速度を第2のローラの速度に対して減じることができる。本開示内容を読むと、能動ロールと従動ロールを用いる等、ギャップGのウェブの円弧部分を適切に配置する他の手段は当業者の技術と知識を持つものには明白であろう。
【0018】
上述した例示的な実施形態により、ウェブから湾曲を取り除いたり/ウェブかに湾曲を付与することができる。本システムは、印刷プレスのようなウェブ取扱いプロセス機と一体化させたり、製品から湾曲を取り除く/ウェブに湾曲を付与する別個の操作として用いることができる。湾曲の量を制御するために、ウェブは上述した通りウェブ経路に沿って配置される。ウェブが動くときに円弧部分の位置を感知することにより円弧部分を制御し、ローラの相対速度を制御することにより補正を行って適宜位置を調整する。一般的に、円弧部分は、図1および図2に示す通り、ギャップの最も狭い点を通って延びているのが好ましい。しかしながら、円弧部分は、ウェブ経路Vにより示される、回転部材が互いに最も近い点まではあまりギャップへと延びず、その点に入らないのが望ましい。回転アセンブリがローラのとき、円弧部分のサイズは、ギャップへ延びる円弧部分の量およびギャップサイズに影響されやすい。この感度は、後述するように、ギャップサイズの関数となるだけである。
【0019】
図2−図2Aに、ウェブを屈曲させて、ウェブに永久歪みを起こすシステム200の例示的な実施形態を示す。システム200は、第1の回転アセンブリ210と第2の回転アセンブリ220とを含む。図示した例示的な実施形態において、第1および第2の回転アセンブリ210、220はベルトアセンブリ211、221である。各ベルトアセンブリ211、221は、駆動ベルト212、222と、ベルトを支持する手段(図示しないローラ214、215に接続されたフレームなど)とを含む。各ベルト212、222は、後述する制御システム250により駆動および制御される。
【0020】
ベルトアセンブリ212、222は共回転する。すなわち、固定軸F2、F2’に対して同じ方向B、B’に回転する。ウェブ経路W’がシステム200により形成される。ウェブ経路W’は、第1のベルト212を通過する第1の部分W1’と、ギャップGを通過する第2の部分W2’と、第2のベルト222を通過する第3の部分W3’とを含む。ウェブ経路W’の第2の部分W2’を制御して、円弧部分225を形成する。ウェブ230を円弧部分W2’に通過させることにより、ウェブ230が屈曲し、ウェブの機械方向、すなわち、ウェブが動く方向に沿った方向に歪みが起きる。
【0021】
ウェブの円弧部分225がギャップGを形成する第1のベルトと第2のベルトの各端部間に配置されている限りは、円弧部分225の曲率がギャップGのサイズの関数に過ぎない。ベルトが各平坦部分に沿って実質的に平行である限りは、ウェブ230が第1のベルト212を出て、第2のベルト222と再結合する接線T2が、第1と第2のベルト212、222の端部間で一定であるためである。このように、システムを操作しながら円弧部分225を形成すると、システムは、ギャップGのウェブ230の円弧部分225の位置を検出するセンサなしでシステムを運転することができる。しかしながら、一般的に、ギャップGのウェブ230の円弧部分225の位置がややずれるため、ギャップG内に配置された円弧部分225を保つため、円弧部分の位置を検出するセンサがあるのが一般的である。かかるセンサは、ローラを用いた例示的な実施形態に必要なセンサに必要とされるよりも感度が低くてよい。
【0022】
記載した例示的な実施形態は、ウェブの横方向配向において比較的一定な歪みを起こすのに特に好適である。上述した通り、歪みは、機械方向の関数として変化するが、歪みは横方向には変化しない。しかしながら、ある状況においては、ウェブの横方向に歪みを作製するのが望ましい。かかるシステムは、ウェブの横方向の関数として変化するウェブからの湾曲を取り除くのに好適である。
【0023】
図3−図3Cに、ウェブの横方向に歪みを起こす例示的なシステム300を示す。システム300は、第1の屈曲アセンブリ310と第2の屈曲アセンブリ320とを含む。各屈曲アセンブリ310、320は、ウェブ330がそれに沿って移動する一対のベルト311、312および321、322(それぞれ)を含む。各屈曲アセンブリ310、320は、対向するベルト(例えば、311、312)が互いに角度をなして配向されており、たいていの場合、対向するベルトが互いに実質的に垂直に配向されている以外は、図2に示したベルトアセンブリと同様である。また、横方向に歪みを起こすシステム300は、2つの屈曲アセンブリを含むのが一般的であるが、単一の屈曲アセンブリも可能である。多数の屈曲アセンブリがあると、より等方性の応力分布を可能とすることができる。以下は、1つの屈曲アセンブリが、どのようにして、ウェブ330の横方向に歪みを起こすかを説明するものである。
【0024】
第1の屈曲アセンブリ310で、ウェブ330は、第1のベルト311と接触し、ギャップへと移動して、ウェブ330はフリップされて裏返しにされる。ウェブ330は、第2のベルト312と接触する。ウェブ330(図2に図示する通り)は、ギャップにおいて円弧部分へと形成される。円弧部分のサイズは、前述した通り、ウェブに起きる歪みの量を制御する。
【0025】
第1の屈曲アセンブリ310に作製されたウェブ経路は、ウェブ330が、移動ラインに垂直な方向に、ベルト311に沿ってクリープするか、または「歩く」傾向を与える。クリープの影響を最小にするために、ウェブ端部センサ360を用いて、屈曲アセンブリ310および320を出るウェブ330を側部に配置する。側部制御は、第1の屈曲アセンブリのベルト311および312と第2の屈曲アセンブリ320のベルト321および322の相対速度を調整することにより行われる。ウェブ端部センサ360からのフィードバックに基づいて、コントローラ350は、相対ベルト速度を独立して調整する。
【0026】
上述したシステム100、200および300は、独立したシステムとして用いることができ、ウェブを処理する機械と一体化することもできる。かかる一体化によって、コーティング、変換または印刷あるいはこれらの組み合わせといったウェブに成される他の修正に加えて、ウェブから湾曲を取り除いたり、またはウェブに湾曲を付与することができる。
【0027】
本発明の利点は、ウェブ取扱いアセンブリと接触しないウェブ表面と接触させることなく、ウェブを屈曲させることができるということである。例えば、多くの研磨製品が直接コーティングにより作製される。直接コーティングにおいて、バッキングは、高張力および高温度におかれる結果、大きな歪みが起きる。バッキングのコーティングは、通常、歪みゼロにせまる無視できる程度の歪みを有している。バッキングに起きる歪みを取り除かないと、得られるコート研磨製品は湾曲する。
【0028】
ウェブ形態にある直接コートされる製品を上述のシステムに通過させることにより、湾曲を取り除いたり、または減少させることができる。ウェブ経路は、ウェブのコート側がウェブ取扱いアセンブリの表面と接触しないように作製することができる。ウェブは、円弧部分を有するウェブ経路を通過する。ウェブのコート側は、ローラまたはベルトと接触しないため、ウェブのコート側が接触により損傷する可能性が減じる。また、コート側は、システムの表面と接触しないため、摩耗量が減少またはなくなる。
【0029】
円弧部分のサイズ(または曲率)は、ウェブに起きる歪みの量を制限する。円弧部分は、ウェブ材料が弾性点をちょうど超えて歪んで、起きた歪みが確実に永久歪みとなるようなサイズとする。半径の特定のサイズは、材料特性および材料の厚さ(または多層ウェブ)などの多くの因子に応じて異なる。ウェブを屈曲させて永久歪みを作製しなければならない半径の決定は、当業者の技術と知識内である。ウェブが組成変形を受ける降伏応力は、マサチューセッツ州カントンのインストロン社(INS(登録商標)TRON Co.,Canton, Massachusetts)より入手可能なメカニカルテスター型番4504を用いて行えるようなルーチンの試験により求めることができる。
【0030】
説明した屈曲システムを印刷プレスで用いる場合には、穿孔プロセスを、当業者に知られた通常のやり方でセットアップすることができる。本明細書に記載したウェブを屈曲させるプロセスは、穿孔プロセスの上流または下流でセットアップすることができる。このプロセスは、ここに開示したベルトやローラの例示的な実施形態のような2つの間隔の狭い回転アセンブリからなる。回転アセンブリは、静電ピンニング、真空、メカニカルファスナまたは接着剤などのウェブを保持する手段を有する。いくつかある手段のうち1つを用いて、円弧部分の半径を制御することができる。まず、1つのロールを定速に保持し、他のローラの速度を調整することができる。これによって、タイトなループを形成するために、ループが2本のローラの中心に向かって引っ張られて、ウェブの円弧部分となる。ローラの速度を変更すると、直径の大きなループ、従って平坦なウェブを作製することができる。同じ小さなループ/大きなループサイクルは、ループ位置を一定に保持し、ローラのギャップを調整することにより定速で行うことができる。
【0031】
本開示内容をいくつかの実施形態により説明してきた。上述の詳細な説明および例はあくまでも理解のために示されている。不必要に限定はされないものとする。本開示内容の範囲から逸脱することなく上述の実施形態において様々な変更を行えることは当業者には明白であろう。このように、本開示内容の範囲は、本明細書に記載した詳細そのものおよび構造に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言により記載された構造そしてその等価物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本開示内容によるシステムの例示的な実施形態の斜視図である。
【図1A】図1のシステムの拡大断面図である。
【図2】本開示内容によるシステムの他の例示的な実施形態の斜視図である。
【図2A】図2のシステムの拡大断面図である。
【図3】本開示内容によるシステムの他の例示的な実施形態の斜視図である。
【図3A】本開示内容による図3のシステムの例示的な屈曲アセンブリの側面図である。
【図3B】図3Aの屈曲アセンブリの平面図である。
【図3C】図3Aの屈曲アセンブリの端面図である。
【図4】応力−歪み曲線の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ経路を有するウェブ取扱い装置を有し、前記ウェブ経路は、ウェブを屈曲させて、前記ウェブの横方向に塑性歪みを起こす手段を有する、横方向にウェブを屈曲させるシステム。
【請求項2】
前記ウェブを屈曲させる手段は、第1および第2のベルトを有するベルトアセンブリを具備し、前記第1のベルトは、第1の移動ラインを有する第1の表面を有し、前記第2のベルトは、第2の移動ラインを有する第2の表面を有し、前記第1の移動ラインおよび前記第2の移動ラインは、互いに対して角度をなして配向されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の移動ラインと前記第2の移動ラインとは実質的に垂直である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ベルトアセンブリ内のウェブを位置決めする制御手段をさらに有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
第1のベルトと、第2のベルトと、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間のギャップとを有する第1の屈曲アセンブリを有するウェブ取扱い装置と、
前記第1のベルトに沿った第1の部分と、前記第2のベルトに沿った第2の部分と、前記第1のベルトと前記第2のベルトとの間の前記ギャップにおける第3の部分であってウェブにおいて永久歪みを付与するのに十分に小さい半径を含む円弧セグメントを有する第3の部分とを有する、前記第1の屈曲アセンブリを通して形成されるウェブ経路とを具備し、
前記ウェブ経路の前記第1の部分の移動方向が、前記ウェブ経路の前記第2の部分の移動方向に対して角度をなしている、
ウェブにおいて横方向の永久歪みを付与するシステム。
【請求項6】
前記ウェブ経路の前記第1の部分は、前記ウェブ経路の前記第2の部分に対して実質的に垂直である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ウェブが前記ウェブ経路を通して通過する際に、前記ウェブの位置を制御する位置決め手段をさらに有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記位置決め手段は、前記第1の部分から出る前記ウェブの位置を感知する第1の端部センサと、前記ウェブが前記第2の部分を出る際に前記ウェブの位置を感知する第2のセンサとを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ウェブが前記ウェブ経路を通過するときに、さらに前記ギャップが調整可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のベルトおよび前記第2のベルトに対して前記ウェブを保持する手段をさらに有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記保持手段は、機械的係合アセンブリ、空気圧、静電ピンニングと、接着剤または真空よりなる群から選択される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記機械的係合アセンブリは、フック・アンド・ループアセンブリである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
第1のウェブ取扱いアセンブリに沿った第1の部分と、第2のウェブ取扱いアセンブリに沿った第2の部分と、前記第1のウェブ取扱いアセンブリと前記第2のウェブ取扱いアセンブリとの間のギャップにおける第3の部分であって半径を有する円弧セグメントを有する第3の部分とを有するウェブ経路を形成する工程と、
前記ウェブ経路にウェブを通過させる工程とを有し、
前記ウェブ経路の前記第1の部分の移動方向は、前記ウェブ経路の前記第2の部分の移動方向に対して実質的に垂直である、ウェブを屈曲する方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−530802(P2007−530802A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504947(P2007−504947)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/002464
【国際公開番号】WO2005/102885
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】