説明

ウェブ機能監視システム

【課題】ウェブサーバの動作監視を簡易なアプリケーションの構成により自動化するウェブ機能監視システムを提供する。
【解決手段】ウェブサーバ7の更新及びリンクの解析をするウェブクローラ6からウェブ構成パーツ情報10を検出するウェブパーツ情報検出手段2と、ウェブサーバ7からファイル情報11を取得するファイル情報取得手段3と、データベースサーバ8及び外部連携サーバ9からウェブサーバ7とのサーバ接続情報12を取得するサーバ接続情報取得手段4と、ファイル情報11及びサーバ接続情報12からファイルのスクリプトを解釈し、ウェブ構成パーツ情報10と突き合わせてウェブサーバ7の動作を判定する情報突合せ判定手段5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ機能監視システムに係り、特に、データネットワーク上で接続されたウェブサーバの動作を確認して監視を行うウェブ機能監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
認証がかかった動的なウェブページでは、データの一部に問題があり、例えば、データベース、或いは外部連携サーバのデータが正常に読めないなどの異常動作や不安定な動作が発生する場合がある。このため、システム・アドミニストレータなどはウェブ機能を監視する必要がある。
【0003】
ウェブ機能を監視する手段として、ネットワークシステムを監視して管理するプロトコルであるSNMP(Simple Network Magement Protocol)がある。また、さらには、システム・アドミニストレータなどが実際にウェブページにログインを行い、ウェブページの動作を確認する「目視による監視」が行われている。
【0004】
SNMPは、エージェントといわれる監視ソフトを各サーバにインストールし、そのエージェントが機器故障を検出すると監視サーバに通報する。ログ解析は、ウェブサーバが異常を検出した際に出力されるエラーログを定期的に解析することにより故障を検出する。
【0005】
図4に、SNMP、ログ解析、及び目視による監視について、どのような障害に対応可能であるかを示す。SNMPは、監視の自動化が可能であるが、ハードウェア障害にしか対応できずソフトウエア障害には対応できない。一方、ログ解析は、OSや外部連携サーバとの機能障害を検出できない場合が多く、またウェブサーバのプログラム自身が完全にダウンするとログ自体が生成されないため、重度な障害には機能しない。
【0006】
一方、ブラウザによる動作確認と、SNMP及びログ解析機能とを活用し、システム・アドミニストレータなどが「目視による監視」を行えば、ほぼ全ての監視が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−312429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ウェブページの動作を目視により監視する手段は、階層が深くなり、或いは項目が増加するに従い、確認作業にかかる手間が増大するという問題がある。また、この目視による確認作業は、毎日24時間のサービスを提供するウェブでは対処することが困難である。
【0009】
また、サーバの異常監視機能として、ログ解析ソフト、或いはSNMPによるトラッピングなどの手法が一般的であるが、これらの手法では、サービスの完全停止、又は重度のハードウェア障害しか検出できず、サービスの「可用性」を保証するには機能不足である。
【0010】
本願の目的は、かかる課題を解決し、ウェブサーバの動作監視を簡易なアプリケーションの構成により自動化するウェブ機能監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るウェブ機能監視システムは、データネットワーク上で接続されたウェブサーバの動作を確認して監視を行うウェブ機能監視システムにおいて、ウェブサーバの更新及びリンクの解析をするウェブクローラが検出したウェブを構成するパーツに関する情報を取得するウェブパーツ情報検出手段と、ウェブサーバからファイルに関する情報を取得するファイル情報取得手段と、データベースサーバ及び外部連携サーバからウェブサーバとのサーバ接続情報を取得するサーバ接続情報取得手段と、ファイルに関する情報及びサーバ接続情報からウェブを構成するパーツ及びファイルのスクリプトを解釈し、ウェブパーツ情報検出手段が検出したウェブを構成するパーツに関する情報と突き合わせてウェブサーバの動作を判定する情報突合せ判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記構成により、ウェブ機能監視システムは、ウェブクローラが検出するウェブを構成するパーツに関する情報と、ファイル情報取得手段及びサーバ接続情報取得手段が取得するファイルに関する情報及びサーバ接続情報とを付き合わせることで、例えば、リンクが正常に行われているかなどを監視し、ウェブサーバの動作監視を簡易なアプリケーションの構成により自動化できる。
【0013】
また、ウェブ機能監視システムは、情報突合せ判定手段が、ファイル情報取得手段が取得したファイルに関する情報から、ウェブサーバが外部連携サーバ及びデータベースサーバとの連携に使用する関数を検出し、ウェブを構成するパーツに関する情報に含まれる関数と突き合わせてウェブサーバの動作を判定することが好ましい。これにより、例えば、データベースの接続関数が正しく定義されているかなどを監視し、外部連携サーバ及びデータベースサーバとの連携を簡易なアプリケーションの構成により自動化できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係るウェブ機能監視システムによれば、ウェブサーバの動作監視を簡易なアプリケーションの構成により自動化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るウェブ機能監視システムの1つの実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】HTML及びPHPについての動作確認による異常検出パターンを示す説明図である。
【図3】動作判定ヘッダーの実施例を示す説明図である。
【図4】SNMP、ログ解析、及び目視による監視について、どのような障害に対応可能であるかを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を用いて本発明に係るウェブ機能監視システムの実施の形態につき、詳細に説明する。
【0017】
図1に、ウェブ機能監視システムの1つの実施形態の概略構成を示す。ウェブ機能監視システム1は、ウェブパーツ情報検出手段2、ファイル情報取得手段3、サーバ接続情報取得手段4、情報突合せ判定手段5、及び連携サーバ動作確認手段13から構成される仮想ウェブサーバである。そして、データネットワーク上で接続されたウェブサーバ7は、データベースサーバ8、外部連携サーバ9等と連携して動作する。
【0018】
ウェブパーツ情報検出手段2は、ウェブサーバ7の更新及びリンクの解析をするウェブクローラ6が検出した、例えば、HTML,GIFなどのウェブ構成パーツ情報10の出力を取得する。すなわち、クローラ6により動的なウェブサーバ7のウェブブラウザでファイルを閲覧した際と同じ情報が取得できる。ここで、ウェブクローラ6は、ウェブ上の文書や画像などを周期的に取得し、自動的にデータベース化する既存のプログラムである。
【0019】
一方、ファイル情報取得手段3は、ウェブサーバ7内のソースであるファイル情報11を取得する。また、サーバ接続情報取得手段4は、データベースサーバ8及び外部連携サーバ9からウェブサーバ7とのサーバ接続情報12を要求して取得する。
【0020】
情報突合せ判定手段5は、ファイル情報11及びサーバ接続情報12からファイルのスクリプトを解釈し、ウェブ構成パーツ情報10と突き合わせてウェブサーバ7の動作を判定する。
【0021】
図1に示すように、ウェブ機能監視システム1の連携サーバ動作確認手段13は、外部連携サーバ9及びデータベースサーバ8に対して動作確認を行う。すなわち、ウェブサーバ7と外部連携サーバ9及びデータベースサーバ8との連携に用いられる関数、例えば、mysql connectなどを検出する。
【0022】
図2に、HTML及びPHPについての動作確認による異常検出パターンを示す。図2では、ファイル情報取得手段3が取得したウェブサーバ7のソース、及びウェブクローラ6が検出したウェブサーバ7からの出力を示す。HTMLについては、両者の太文字部分である、<td height=”2”colspan=”2”><img src=”img/title.gif”width=”800”height=”78”></td>の出力は同じ文字列となるべきであるため、情報突合せ判定手段5は単純な突合せ判定を行う。
【0023】
PHPについては、インタープリター言語は特殊なHTMLタグの間に記述されるという特徴を備えていることを利用する。すなわち、PHPの場合は、ソース内の文字列<?php〜?>の間にある「echo“<tr>Hello meltec</tr>”」に対し、ウェブサーバ7の出力で「<tr>Hello meltec</tr>」が存在することを確認する。
【0024】
しかし、HTMLの記述部分に同じ文字列が存在する可能性があるため、HTMLヘッダーのメタ情報内に各ファイル・言語に固有の乱数値を埋め込み、突合せ判定の判断基準とする。図3に、動作判定ヘッダーの実施例を示す。HTMLヘッダーのメタタグにHTML及びPHPの動作判定ヘッダーを記述する。
【0025】
これらの手法は、他のスクリプト言語の場合、或いはPERLなどで記述されているCGIの場合も同様に適用することができる。
【0026】
このようなウェブ機能監視システム1の判定手段により、例えば、リンクが正常に行われているかなどを監視し、ウェブサーバ7の動作監視を簡易なアプリケーションの構成により自動化できる。また、例えば、データベースの接続関数が正しく定義されているかなどを監視し、外部連携サーバ9及びデータベースサーバ8との連携を簡易なアプリケーションの構成により自動化できる。
【符号の説明】
【0027】
1 ウェブ機能監視システム、2 ウェブパーツ情報検出手段、3 ファイル情報取得手段、4 サーバ接続情報取得手段、5 情報突合せ判定手段、6 ウェブクローラ、7 ウェブサーバ、8 データベースサーバ、9 外部連携サーバ、10 ウェブ構成パーツ情報、11 ファイル情報、12 サーバ接続情報、13 連携サーバ動作確認手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データネットワーク上で接続されたウェブサーバの動作を確認して監視を行うウェブ機能監視システムにおいて、
ウェブサーバの更新及びリンクの解析をするウェブクローラが検出したウェブを構成するパーツに関する情報を取得するウェブパーツ情報検出手段と、
ウェブサーバからファイルに関する情報を取得するファイル情報取得手段と、
データベースサーバ及び外部連携サーバからウェブサーバとのサーバ接続情報を取得するサーバ接続情報取得手段と、
ファイルに関する情報及びサーバ接続情報からウェブを構成するパーツ及びファイルのスクリプトを解釈し、ウェブパーツ情報検出手段が検出したウェブを構成するパーツに関する情報と突き合わせてウェブサーバの動作を判定する情報突合せ判定手段と、
を備えることを特徴とするウェブ機能監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載のウェブ機能監視システムであって、情報突合せ判定手段は、ファイル情報取得手段が取得したファイルに関する情報から、ウェブサーバが外部連携サーバ及びデータベースサーバとの連携に使用する関数を検出し、ウェブを構成するパーツに関する情報に含まれる関数と突き合わせてウェブサーバの動作を判定することを特徴とするウェブ機能監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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